JP5742694B2 - バーナーとそれを備えたガラス溶融炉、燃焼炎の生成方法、溶融ガラスの製造方法およびガラス物品の製造方法 - Google Patents

バーナーとそれを備えたガラス溶融炉、燃焼炎の生成方法、溶融ガラスの製造方法およびガラス物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料ガスと燃焼ガスと不燃性ガスを噴射するバーナーと、該バーナーを備えたガラス溶融炉、燃焼炎の生成方法、溶融ガラスの製造方法およびガラス物品の製造方法に関する。
現在、板ガラス、瓶ガラス、繊維ガラスを始めとして表示装置用ガラスに至るまで、量産規模のガラスの多くはガラス原料をガラス溶融炉(以下、単に溶融炉とも呼ぶ。)にて溶融するシーメンス型の溶融炉に基づき生産されている。シーメンス型溶融炉による溶融法では、粉末状ガラス原料の混合物を溶融炉で先に溶融したガラス融液面上に投入し、それが塊(バッチともいう。)となったものをバーナーにより加熱してその表面から融解を進行させ、徐々にガラス融液とする。このとき、融液上のバッチは、反応あるいは溶融しやすい物質から順次溶け出るため、原料層内に難溶融性物質が形成されやすい。
また、同様の理由で、融液形成の初期状態においては、局所的に見るとバッチと組成が異なったガラス融液が生じ、融液の不均一化が生じやすいため、シーメンス型溶融炉ではガラス融液を長時間攪拌して組成の均一化を図る必要がある。
さらに、シーメンス型溶融炉は大量のエネルギーを必要とするため、溶融炉の消費エネルギー削減が望まれている。
このような背景から、省エネルギー型のガラス製造技術の一例として、ガラス原料の混合物からなる微細粒子(造粒体)を高温の加熱気相雰囲気中で溶融させて溶融ガラス粒子とし、次いで溶融ガラス粒子を集積して液体相(ガラス融液)を形成する気中溶融法と呼ばれるガラス物品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この気中溶融法によれば、従来のシーメンス型溶融炉による溶融法と比較し、ガラス溶融工程の消費エネルギーを1/3程度まで低減できると言われており、短時間で溶融が可能になり、溶融炉の小型化、蓄熱室の省略、品質の向上、COの削減、ガラス品種の変更時間の短縮化を図ることができる技術として注目されている。
特開2007−297239号公報 特開2008−290921号公報
図13は特許文献1に記載の溶融炉を示す断面模式図である。特許文献1に記載の溶融炉100は、高温の加熱気相雰囲気K100を形成する加熱手段として、複数本のアーク電極102と酸素燃焼バーナー103を炉体101に備えている。これら複数のアーク電極102が形成する熱プラズマアークまたは酸素燃焼バーナー103による酸素燃焼炎(フレーム)F100によって炉体101内に約1600℃以上の高温の加熱気相雰囲気K100を形成する。この高温の加熱気相雰囲気K100中に、ガラス原料粒子R100を投入することにより、高温の加熱気相雰囲気K100内でガラス原料粒子R100を溶融して溶融ガラス粒子U100に変化させる。この液状ガラス粒子U100は落下して炉体101の炉底部101Aに溜まり、ガラス融液G100を生成できる。
気中溶融法において、加熱手段として酸素燃焼バーナー103を用いる場合、図13に示すように、酸素燃焼バーナーが生成する酸素燃焼炎F100中にガラス原料粒子R100を投入し、酸素燃焼炎F100中で溶融ガラス粒子U100を形成している。そのため、ガラス原料粒子R100を供給する原料供給路と、燃焼ガス及び燃料ガスをそれぞれ供給するガス供給路を備える酸素燃焼バーナーが使用されている。
例えば、特許文献2に記載の溶融炉は、溶融炉の天井壁に下向きに取り付けられた酸素燃焼バーナーを備えており、この酸素燃焼バーナーには、酸素を含む燃焼ガスと燃料ガスを供給するガス供給系と、ガラス原料粒子を供給する原料供給系とが接続されている。この溶融炉では、酸素燃焼バーナーを燃焼させて下向きに酸素燃焼炎を形成し、酸素燃焼バーナーからガラス原料粒子をその酸素燃焼炎中に下向きに供給し、酸素燃焼炎中で溶融ガラス粒子を生成させ、生成した溶融ガラス粒子を酸素燃焼炎直下の炉底部に集積させてガラス融液を形成している。
上述の酸素燃焼バーナーを用いてガラス融液を製造する場合、連続運転が必要となるが、酸素燃焼バーナーを連続運転すると、酸素燃焼炎の方向が完全な下向きではなく、斜め方向や他の方向に乱れることが判明した。この問題について本発明者らが研究したところ、直径数10μm程度の微細なガラス原料粒子が、酸素燃焼バーナー先端部の原料の吐出口付近に部分的に滞留し、バーナー先端部に付着することが原因であると判明した。
即ち、バーナーの先端部にガラス原料粒子が付着して徐々に肥大化してつらら状物を生成すると、酸素燃焼炎が不安定になるだけでなく、ガラス原料粒子の吐出口が徐々に閉塞し、酸素燃焼炎の方向が斜め向きに変化する問題が明らかとなった。このつらら状物がバーナー先端部に形成されると、前述の酸素燃焼炎の不安定化や吐出口の閉塞を引き起こすだけでなく、肥大化したつらら状物がバーナー下方のガラス融液へと落下するおそれがある。その結果、落下したつらら状物とガラス融液との組成差に起因し、製造される溶融ガラスが不均質になり、目的とするガラス物品の品質が低下するおそれがある。
なお、本発明者は、このつらら状物の生成について熱泳動現象による粒子移動が原因になっていると推定している。熱泳動現象とは、図14に示すように1つの粒子110の一側に温度の高い気体分子111が存在し、他側に温度の低い気体分子112が存在する場合、粒子110が低温側に泳動する現象として知られている。この現象は、高温側の気体分子111と低温側の気体分子112から粒子110が受ける運動量に差異が生じる結果、粒子110に対し温度の高い気体分子側から温度の低い気体分子側に移動しようとする駆動力が発生することによっている。また、この効果は、クヌーセン数Kn(=(分子の平均自由工程)÷(粒子半径))が大きいほど、影響が大きいとされている。
この熱泳動現象において一般に、U=Kth(ν∇T/Tm)の関係式(Waldmannの式)が成立すると知られている(ただし、この関係式において、U:熱泳動による粒子の移動速度[mm/s]、Kth:熱泳動係数、ν:気体の動粘性係数[mm/S]、∇T:温度勾配[K/mm]、Tm=粒子周囲の気体の平均温度[K])。
酸素燃焼バーナーの先端部周囲の熱泳動現象について考察すると、図14に示す温度の低い気体分子112が存在するのは、バーナーの先端部が水冷構造などにより冷却されていることによる。例えば、水冷構造とされるバーナーの先端側は位置によって50−600℃程度に冷却されているので、1600℃以上の高温となる酸素燃焼炎との温度差が大きく、バーナーの先端部が低温壁113として存在することになるので、低温壁113に近い気体は温度の低い気体分子112として存在する。
このため、熱泳動現象によって酸素燃焼バーナー103の先端部の低温壁113側に粒子110が引き寄せられ、バーナー103を連続運転する間に図15に示すように引き寄せられた粒子110が先端部に堆積して付着物114となり、この付着物114が成長してつらら状物115が生成し、成長することとなる。
本発明者は上述の熱泳動現象に鑑み、酸素燃焼バーナーの先端部につらら状物が生成する現象を解消し、酸素燃焼バーナーを連続運転しても付着物が付き難く、安定した酸素燃焼炎を長時間保持できる技術の改良を図り、本発明に到達した。
なお、ガラス原料粒子を酸素燃焼バーナーの燃焼炎に投入してガラス融液を製造する場合の他に、酸素燃焼バーナーに各種の原料を投入して原料の溶融現象を利用し、目的の物品を製造する技術は種々方面で利用されているが、いずれにおいてもバーナー先端部に原料の目詰まりや付着物を生じることがあるので、これら原料の目詰まりや付着物を解消できる技術の登場が求められている。
本発明は、上記背景に鑑みなされたもので、バーナー先端部への粒子付着、溶融物付着を抑制し、バーナーの連続運転時の問題を解消する技術の提供を目的とする。
本発明は、先端から燃料ガスを噴射する燃料ガス用噴射管と、先端から不燃性ガスを噴射する不燃性ガス用噴射管と、先端から燃焼ガスを噴射する燃焼ガス用噴射管とが、各管の管軸を略同一方向に揃えて複合され、複合された前記噴射管の中央側に配置した前記燃料ガス用噴射管あるいは燃焼ガス用噴射管の外側に、前記燃料ガス用噴射管あるいは燃焼ガス用噴射管を囲むように前記不燃性ガス用噴射管が配置され、前記不燃性ガス用噴射管の外側に該不燃性ガス用噴射管を囲むように前記燃焼ガス用噴射管あるいは燃料ガス用噴射管が配置され、前記不燃性ガス用噴射管の先端部に該先端部からの不燃性ガスの噴射方向を噴射方向に沿って内側寄りまたは外側寄りに、前記燃料ガスあるいは燃焼ガスの噴射方向と交わるように変更するガス流発生部材が設けられたバーナーに関する。
本発明のバーナーにおいて、燃料ガスおよび燃焼ガスの噴射方向を略平行にできる。
本発明のバーナーは、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかに原料粒子の供給源が接続され、前記燃料ガス用噴射管から燃料ガスとともに原料粒子が、あるいは、前記燃焼ガス用供給管から燃焼ガスとともに原料粒子が噴射される構成にできる。
本発明のバーナーは、前記燃料ガス用噴射管が中央部に、その周囲に前記不燃性ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管が順次配置され、前記不燃性ガス用噴射管の先端部に、該先端部から噴射される不燃性ガスを内側向き斜め方向と、外側向き斜め方向と、内側向き直角方向のいずれかに変更するガス流発生部材が設けられた構成でもよい。
本発明のバーナーは、前記燃焼ガス用噴射管が中央部に、その周囲に前記不燃性ガス用噴射管と前記燃料ガス用噴射管が順次配置され、前記不燃性ガス用噴射管の先端部に、該先端部から噴射される不燃性ガスを内側向き斜め方向と、外側に向き斜め方向と、内側向き直角方向のいずれかに変更するガス流発生部材が設けられた構成でもよい。
本発明のバーナーは、前記不燃性ガス用噴射管から噴射される不燃性ガスを旋回流とするガス流発生部材が設けられた構成にできる。
本発明の気中溶融バーナーは、先のいずれかに記載のバーナーが備えられ、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかにガラス原料粒子の供給源が接続され、前記燃料ガス用噴射管から燃料ガスとともにガラス原料粒子が、あるいは、前記燃焼ガス用供給管から燃焼ガスとともにガラス原料粒子が噴射自在とされ、前記ガラス原料粒子を前記燃料ガスの燃焼により生成する加熱気相雰囲気中において溶融する構成にできる。
本発明のガラス溶融炉は、溶融ガラスを収容する炉体と、前記炉体の上部に下向きに配置され、前記炉体の内側にガラス原料粒子を加熱溶融して溶融ガラス粒子とする加熱気相雰囲気を形成し、かつ、前記加熱気相雰囲気に前記ガラス原料粒子を供給する先に記載の気中溶融バーナーを備える。
本発明に係る燃焼炎の生成方法は、先端から燃料ガスを噴射する燃料ガス用噴射管と、先端から不燃性ガスを噴射する不燃性ガス用噴射管と、先端から燃焼ガスを噴射する燃焼ガス用噴射管とが複合されたバーナーを用いて燃焼炎を生成する方法であり、前記不燃性ガス用噴射管の先端からの不燃性ガスの噴射方向を前記噴射方向に沿って内側よりまたは外側よりに向けて方向変更し、前記不燃性ガス用噴射管の先端から噴射させた不燃性ガスのガス流により、前記燃料ガス用噴射管の先端から噴射させた燃料ガスと前記燃焼ガス用噴射管の先端から噴射させた燃焼ガスとの前記噴射管先端近傍における混合を抑制し、前記噴射管先端近傍から離れた位置において前記燃料ガスと前記燃焼ガスを混合させて燃焼炎を生成する方法に関する。
本発明に係る燃焼炎の生成方法において、前記不燃性ガス用噴射管から不燃性ガスを噴射する方向に関し、前記噴射方向に沿って斜め内側向きと、前記噴射方向に沿って斜め外側向きと、前記噴射方向に直角内側向きのいずれかの方向にできる。
本発明に係る燃焼炎の生成方法において、前記不燃性ガスを内側向き直角方向に変更する場合、前記燃料ガス用噴射管から噴射される燃料ガスの噴射速度を前記不燃性ガスおよび前記燃焼ガスの噴射速度よりも大きくできる。
本発明に係る燃焼炎の生成方法は、前記不燃性ガスを外側に向けて斜め方向に変更する場合、前記燃焼ガス用噴射管から噴射される燃焼ガスの噴射速度を前記不燃性ガスおよび燃料ガスの速度よりも大きくできる。
本発明に係る燃焼炎の生成方法は、前記不燃性ガス用噴射管から不燃性ガスを噴射する際、不燃性ガスを旋回流として噴射できる。
本発明に係る燃焼炎の生成方法は、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかから原料粒子を供給できる。
本発明に係る溶融ガラスの製造方法は、先のいずれか一項に記載の燃焼炎の生成方法により生成した燃焼炎に対し、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかからガラス原料粒子を供給し、前記燃焼炎によりガラス粒子を溶融させて溶融ガラス粒子を生成できる。
本発明に係るガラス物品の製造方法は、先に記載の溶融ガラスの製造方法を用いて溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程を含むことができる。
本発明は、各噴射管の先端から燃料ガスと燃焼ガスと不燃性ガスを噴射して燃焼炎を生じさせるバーナーにおいて、噴射管の先端から噴出させた不燃性ガスを噴射方向に沿って内側向きあるいは外側向きに噴射方向と交わる向きとし、燃料ガスと燃焼ガスの間にこれらの混合を抑制する不燃性ガスのガス流を生じさせ、噴射管の先端から噴出させた燃料ガスと燃焼ガスの混合のタイミングを遅延させるので、燃焼炎発生位置までの距離を従来構造のバーナーより大きくできる。従って、原料粒子を噴射管から噴射して燃焼炎により原料粒子を溶融する場合、噴射した原料粒子を噴射管の先端部側に熱泳動現象により戻すおそれを少なくし、噴射管の先端部側に原料溶融物の付着を生じ難いバーナーを提供できる。
また、本発明は、原料溶融物の付着が生じ難いバーナーを用いた気中溶融バーナーを提供できる。更に、本発明は、原料溶融物の付着が生じ難い、安定した燃焼炎を発生できるバーナーを用いてガラスを生産できるガラス溶融炉と溶融ガラスの製造方法を提供できる。
図1は本発明に係る第1実施形態のバーナーの先端部分を示す部分断面図。 図2は同バーナーとガス流を示すもので、図2(a)はバーナーの全体構成図、図2(b)はシールドガス流の斜視図。 図3は同バーナーの先端部から噴出されている燃焼炎の状態を示す説明図。 図4は本発明に係る第2実施形態のバーナーを示す断面図。 図5は本発明に係る第3実施形態のバーナーを示す断面図。 図6は本発明に係る第4実施形態のバーナーを示すもので、図6(a)は全体構成を示す図、図6(b)はノズル部を示す図。 図7は本発明に係る第5実施形態のバーナーを示すもので、図7(a)は斜視図、図7(b)は底面図、図7(c)は部分断面図。 図8は本発明に係る第6実施形態のバーナーを示す断面図。 図9は本発明に係るバーナーを備えたガラス溶融炉の第1の例を示す構成図。 図10は本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いてガラス物品を製造する方法の一例を示すフロー図である。 図11は本発明に係るバーナーを備えたガラス溶融炉の第2の例を示す構成図。 図12は本発明に係るバーナーを備えたガラス溶融炉の第3の例を示す構成図。 図13は従来の気中溶融バーナーを備えたガラス溶融炉の一例を示す断面図。 図14は熱泳動により粒子が移動する状態の一例を示す説明図。 図15は酸素燃焼ノズルの先端部における熱泳動による原料粒子の挙動を示す説明図。
<第1実施形態>
以下、本発明に係るバーナーからなる気中溶融バーナーとそれを備えたガラス溶融炉、バーナーの燃焼炎の生成方法、ガラス物品の製造方法、ガラス物品の製造装置の一実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。また、以下に示す各図において各構成要素の縮尺については図示した場合に把握し易いように簡略化して示す。
図1は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第1実施形態を模式的に示す図であり、図2は同気中溶融バーナーを備えたバーナー装置の構成図である。
図1と図2に示す気中溶融バーナー10は、中央に配置された燃料ガス用噴射管11と、この燃料ガス用噴射管11を間隔をあけて取り囲むように順次外部側に配置された不燃性ガス用噴射管12と、燃焼ガス用噴射管13とから構成されている。燃料ガス用噴射管11と不燃性ガス用噴射管12と燃焼ガス用噴射管13はこの順に順次径が大きくなる直管型に形成されている。気中溶融バーナー10は、これら噴射管11、12、13の管軸Sを一致させて、それらを同心円状に配置した多重管構造とされ、一例として図2(a)に示すように鉛直下向きに配置されている。
燃料ガス用噴射管11の内部にガラス原料粒子GMと燃料ガスFGを通過させるための燃料ガス供給路11Aが形成され、燃料ガス用噴射管11と不燃性ガス用噴射管12との間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路12Aが形成されている。不燃性ガス用噴射管12と燃焼ガス用噴射管13との間に酸素を含む燃焼ガスBGを通過させるための燃焼ガス供給路13Aが形成されている。
前記気中溶融バーナー10において、燃料ガス用噴射管11の先端が燃料ガスの噴射部11Bとされ、不燃性ガス用噴射管12の先端が不燃性ガスの噴射部12Bとされ、燃焼ガス用噴射管13の先端が燃焼ガスの噴射部13Bとされている。
また、不燃性ガス用噴射管12の先端開口内周縁部に内向きの横断面三角形状の突部からなる内向きノズル(ガス流発生部材)12Cが一体に形成されている。この内向きノズル12Cは不燃性ガス用噴射管12の先端開口内周縁の全周に均一の大きさで内側に突出するように形成され、内向きノズル12Cの内周側に不燃性ガス用噴射管12の先端開口部を全周に渡り均一に絞る傾斜面12Dが形成されている。この傾斜面12Dは気中溶融バーナー10の管軸Sに対し所定の角度αだけ傾斜配置されているので、不燃性ガス用噴射管12を通過してその先端から先方に噴射するガスの流れ方向を不燃性ガス用噴射管12の前方内側向き(図2では管軸Sに近づく下側内向き)に変更する。この傾斜面12Dに沿って不燃性ガス用噴射管12の先端開口部から下向きに噴出された不燃性ガスは不燃性ガス用噴射管12の下方側に徐々に噴射経路を先窄まり状に絞る形態の図2(B)に示すシールドガス流SGRを生成するので、内向きノズル12Cがガス流発生手段とされている。
前記傾斜面12Dの傾斜角度αは、0゜を超え、90゜未満であることが好ましい。また、内向きノズル12Cの内側に位置する燃料ガス用噴射管11の先端部の肉厚(リム幅)をmと設定すると、燃料ガス用噴射管11から噴射された燃料ガスが着火する際の最小着火点距離(燃料ガス用噴射管11の先端と着火点との距離)Lは、L=m/tanαの関係式で示すことができる。
図2(b)はシールドガス流SGRの一例を示すが、一例としてシールドガス流SGRは下向きの三角錘輪郭型とされる。なお、図2(b)に示すシールドガス流SGRは、噴射部12Bからのみ噴出されるガス流を模擬的に示している。実際の気中溶融バーナー10において、燃料ガス用噴射管11の噴射部11Bと燃焼ガス用噴射管13の噴射部13Bからもそれぞれガスを噴射するので、図2(b)に示す形状のシールドガス流SGRに他のガスの流れを混合したガス流が形成される。
以上構成の気中溶融バーナー10に以下に説明する原料粒子供給源15、燃料ガス供給源16、不燃性ガス供給源17、燃焼ガス供給源18が接続されて気中溶融バーナー装置20が構成されている。
気中溶融バーナー装置20において燃料ガス用噴射管11の基端側には供給管15Aを介しガラス原料粒子GMを収容した原料供給器などの原料粒子供給源15が接続され、供給管15Aの途中位置に供給管16Aを介し燃料ガスボンベ等の燃料ガス供給源16が接続されている。前記不燃性ガス用噴射管12の基端側には不燃性ガス供給源17が接続され、燃焼ガス用噴射管13の基端側には酸素あるいは酸素を含む混合ガスなどの燃焼ガス供給源18が接続されている。
気中溶融バーナー10において、燃料ガスFGが燃料ガス供給源16から供給管16Aを介し燃料ガス供給路11Aに導入され、ガラス原料粒子GMが原料供給源15から供給管15Aを介し燃料ガスFGとともに燃料ガス供給路11Aに供給される。また、不燃性ガスIGが不燃性ガス供給源17から供給管17Aを介し不燃性ガス供給路12Aに供給され、酸素を含む燃焼ガスBGが燃焼ガス供給源18から供給管18Aを介し燃焼ガス供給路13Aに導入される。
以上の構成により、気中溶融バーナー10の先端から原料粒子GMを含む燃料ガスFGを噴出し、その周囲に不燃性ガスのシールドガス流SGRを生じさせ、更にその周囲に燃焼ガス流を噴出できるようになっている。
気中溶融バーナー10の各噴射管11、12、13を構成する材料は、JIS規格のSUS430等のフェライト系ステンレス鋼、SUS308、SUS309S、SUS309Cb、SUS310、SUS310S、SUS310Cb、SUS310Mo等の耐熱性オーステナイト系ステンレス鋼、Fe基耐熱合金、Co基耐熱合金、Ni基耐熱合金等の超耐熱合金、Cr、Nb、MoまたはWとの高融点金属との合金、または石英ガラスであることが好ましい。
燃料ガスFGとして、メタン、プロパン、ブタン、LPG(液化石油ガス)などのアルカンC2n+2(nは1以上の整数を表す。)を使用することができる。燃焼ガスBGとして、酸素や酸素富化ガスなど、あるいは、酸素を含有するガスであればいかなるガスも使用することができ、空気を用いることもできる。
不燃性ガスIGとして、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガスのいずれかの不活性ガスあるいは不活性ガスを含めたCOガス、排ガス等の不燃性のガスを用いることができる。なお、不燃性ガスIGとして、周囲のガスの熱をできるだけ奪わないように比熱の小さいガス種を選択することが望ましい。
本実施形態において、ガラス原料粒子GMとは、最終目的とするガラスの組成比に合わせて、ガラスの原料、たとえば目的のガラスの各成分の粒子状の原料粉末、あるいはそれらの原料粉末を混合して集合させた造粒体、あるいは原料粉末と造粒体が混合されたものである。また、これらにはガラス原料として、ガラスカレット片を含んでもよい。
なお、本実施形態の気中溶融バーナー10においてはガラス原料粒子GMを原料粒子として用いているが、製造する目的物の原料粒子として種々の原料粒子を用いることができるので、ガラス原料に特定するものではなく、目的とする物品に合わせて他の溶融合成する原料を適宜用いることができる。
基本的に気中溶融法は、複数(通常3成分以上)の成分から成るガラスを製造するためにガラス原料造粒体を溶融してガラスを製造する方法であるが、本実施形態において、ガラス原料粒子GMはガラス原料造粒体である場合に限定されず、造粒されていなくてもよい。ガラス原料粒子GMは、酸素燃焼炎が生成する加熱気相雰囲気中で、ガラス原料の熱分解(たとえば、金属炭酸塩から金属酸化物への熱分解など)、ガラス化反応と呼ばれるガラスとなる成分の反応と融解、などの化学反応により液状ガラス粒子(溶融ガラス粒子)となる。気中溶融バーナー10から噴射されたガラス原料粒子GMは、高温の加熱気相雰囲気を通過する間に溶融されて溶融ガラス粒子となる。ガラス原料粒子GMが造粒体からなる場合は、その一粒一粒が溶融されて溶融ガラス粒子となるが、造粒体の中には、溶融が終了しないで落下するものが一部あってもよい。また、造粒体の中には、造粒体が溶融ガラス粒子になる前に崩れたものが一部あってもよい。
前述の気中溶融バーナー10を用いて酸素燃焼炎を発生させるには、燃料ガス用噴射管11からメタンガスやLPGガス等の燃料ガスFGを噴射し、不燃性ガス用噴射管12からアルゴンガス等の不燃性ガスを噴射し、燃焼ガス用噴射管13から酸素ガス等の燃焼ガスを噴射する。そして、燃料ガスに点火することにより図3に示すように酸素燃焼炎Fを発生させる。
本実施形態の気中溶融バーナー10において、内向きノズル12Cを設けているので、不燃性ガス用噴射管12の噴射部12Bから噴射されたシールドガス流SGRの流れは図2(b)に示すように下向きの三角錘輪郭型に窄まるように流れる。すなわち、噴射方向に沿って内側向きに窄まるように流れる。そして、シールドガス流SGRの内側を下向きに燃料ガスFGが流れ、シールドガス流SGRの外側を下向きに燃焼ガスBGが流れる。このため、燃料ガスFGは下向きの三角錘輪郭型のシールドガス流SGRに囲まれている間は燃焼ガスBGに混合されないが、下向きの三角錘輪郭型のシールドガス流SGRの下端側あるいはそれよりも下方側において燃焼ガスBGと混合されるので、この混合後の燃料ガスFGに着火されることで酸素燃焼炎が発生する。
なお、不燃性ガスIGは不活性ガスなどを用いた場合、ガス種によって高価なガスとなるので、使用量を削減できることが望ましい。この点において、不燃性ガスIGを真下向きに単純に噴射する場合より、噴射方向に沿って内側に向けて逆三角錘輪郭型に噴出する方が使用する不燃性ガスIGの体積を削減でき、不燃性ガスIGの有効利用の面で望ましい。
上述のようにシールドガス流SGRを発生させるので、酸素燃焼炎の着火点を気中溶融バーナー10の先端から若干離れた位置に遠ざけることができる。また、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー10の先端から遠ざけることができるので、熱泳動現象によりガラス原料粒子GMが気中溶融バーナー10の先端側に泳動する現象を抑制できる。この結果、気中溶融バーナー10の先端側に溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー10の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
なお、本実施形態において、不燃性ガスIGを内側向きに絞ることなくそのまま下方に直進させた場合、燃料ガスFGと燃焼ガスBGとの混合が満足になされなくなり、着火・保炎に支障を来す場合が考えられるので、内向きに噴射している。
上述のように燃料ガスFGの着火点を気中溶融バーナー10の先端から離す場合、一例として、図3に示すように、気中溶融ノズル10の先端部の温度を500℃、酸素燃焼炎Fの温度を2000℃、室温において1m/sでガラス原料粒子GMを投入する場合を想定する。気体の動粘性係数ν(平均値)=200、粒子周囲の気体の平均温度Tm=(2000+500)/2=1250となる。着火のための最低限必要な距離をLとすると、∇T/Tm=(2000−500)/L/1250=1.2/Lより、先の熱泳動の関係式「U=Kth(ν∇T/Tm)」に代入する。
この関係式で、想定されるKthを0.55として代入した計算結果は、0.55×200×1.2/L×10−3<1の関係からL>0.132m=132mmとなる。
ここで熱泳動速度U<粒子投入速度νであるならば、ガラス原料粒子GMは気中溶融バーナー10の先端側には付着しない。
これに対し、不燃性ガスIGのシールドガス流SGRが無い状態で気中溶融バーナー10の先端側で直ちに複数のガスが混合し始めると仮定すると、上記関係式の∇T/Tm=1.2÷0≒∞(無限大)となるので、U≒∞となり、気中溶融バーナー10の先端側にガラス粒子はほぼ間違いなく付着する。
以上説明のようにシールドガス流SGRで燃料ガスFGの周囲を覆っている間に燃料ガスFGへの着火を防止し、燃焼炎Fの着火開始点を気中溶融バーナー10の先端から遠ざけることにより、ガラス原料粒子GMの付着を防止しつつ溶融ガラス粒子を製造できる。また、気中溶融バーナー10の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎Fが不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー10の吐出口を閉塞させることもない。
<第2実施形態>
図4は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第2実施形態を模式的に示す図である。
図4に示す気中溶融バーナー30は、中央に上下向きに配置された燃料ガス用噴射管31と、この燃料ガス用噴射管31を間隔をあけて取り囲むように順次配置された不燃性ガス用噴射管32と、燃焼ガス用噴射管33とから構成され、これらの噴射管31、32、33が同心円状に配置された多重管構造にされている。
燃料ガス用噴射管31の内部にガラス原料粒子GMと燃料ガスFGを通過させるための燃料ガス供給路31Aが形成され、燃料ガス用噴射管31と不燃性ガス用噴射管32との間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路32Aが形成され、不燃性ガス用噴射管32と燃焼ガス用噴射管33との間に酸素を含む燃焼ガスBGを通過させるための燃焼ガス供給路33Aが形成されている。
前記気中溶融バーナー30において、燃料ガス用噴射管31の先端が燃料ガスの噴射部31Bとされ、不燃性ガス用噴射管32の先端が不燃性ガスの噴射部32Bとされ、燃焼ガス用噴射管33の先端が燃焼ガスの噴射部33Bとされている。
この実施形態の構造において燃料ガス用噴射管31と燃焼ガス用噴射管33はいずれも直管型構造とされ、それらの先端を下向きとしているが、不燃性ガス用噴射管32の先端部は折曲構造とされ、先端開口面を内側向きとしている。この不燃性ガス用噴射管32の先端開口内周縁部の全周に90゜内向きのノズル部(ガス流発生部材)32Cが一体に形成されている。このノズル部32Cは不燃性ガス用噴射管32の先端内周縁の全周に均一の開口高さで内向きに突出し、直管構造の燃料ガス用噴射管31の先端開口面に対し90゜傾斜して内向きとなる開口部32Dを燃焼ガス用噴射管31の下端開口面周縁直下に有している。
以上構成の気中溶融バーナー30に対し、先に説明した気中溶融バーナー装置20の構成と同様に原料粒子供給源15、燃料ガス供給源16、不燃性ガス供給源17、燃焼ガス供給源18が接続されて気中溶融バーナー装置35が構成されている。
気中溶融バーナー30において、ガラス原料粒子GMとともに燃料ガスFGを燃料ガス用噴射管31の下端開口部から下向きに噴射し、不燃性ガスIGを不燃性ガス用噴射管32の開口部32Dから水平内向きに噴射し、燃焼ガスBGを燃焼ガス用噴射管33の下端開口部から下向きに噴射できる。
また、気中溶融バーナー30において燃料ガス用噴射管31の下端開口部から下向きに噴射する燃料ガスFGの速度は、不燃性ガス用噴射管32の開口部32Dから水平内向きに噴射する不燃性ガスIGの速度と、燃焼ガス用噴射管33の下端開口部から下向きに噴射する燃焼ガスの速度のいずれよりも十分に大きく設定されている。
前述の構成の気中溶融バーナー30を用いて原料粒子GMを溶融するには、燃料ガス用噴射管31の下端開口からLPGガス等の燃料ガスを噴射し、不燃性ガス用噴射管32からアルゴンガス等の不燃性ガスを噴射し、燃焼ガス用噴射管33の下端開口から酸素等の燃焼ガスを噴射し、燃料ガスに点火して酸素燃焼炎を発生させる。
本実施形態の気中溶融バーナー30において、不燃性ガス用噴射管32の下端部に内側水平向きの開口部32Dを有しているので、この開口部32Dから水平内向きの不燃性ガス流が噴射される。燃料ガスFGの下向きの流速が水平内向きの不燃性ガスIGの流速よりも十分に大きいので、燃料ガスSGは下向きに噴射され、その周囲を不燃性ガスが覆うようにシールドガス流SGR2となって流れる。また、燃焼ガス用噴射管33の下端から下向きに噴射された燃焼ガスBGは内側向きのノズル部32Cの幅の分、燃料ガスFGおよびシールドガス流SGR2から離れているので、これらのガス流の存在により内側に吸引する力が作用し、若干内側向きかつ下向きに噴出する。
以上説明のようにシールドガス流SGR2で燃料ガスFGを覆っている間に燃料ガスFGへの着火を抑制し、燃料ガスFGが酸素燃焼炎となる場合の着火点を気中溶融バーナー30の先端から遠ざけることができる。このため、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー30の先端から遠ざけることができ、ガラス原料粒子GMが気中溶融バーナー30の先端側に泳動する現象を抑制できる。この結果、気中溶融バーナー30の先端側に溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー30の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
また、気中溶融バーナー30の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎が不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー30の先端部を閉塞させることもない。
<第3実施形態>
図5は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第3実施形態を模式的に示す部分断面図である。
図5に示す気中溶融バーナー40は、中央に上下向きに配置された燃料ガス用噴射管41と、この燃料ガス用噴射管41を間隔をあけて取り囲むように順次配置された不燃性ガス用噴射管42と、燃焼ガス用噴射管43とから構成され、これらの噴射管41、42、43が同心円状に配置された多重管構造にされている。
燃料ガス用噴射管41の内部にガラス原料粒子GMと燃料ガスFGを通過させるための燃料ガス供給路41Aが形成され、燃料ガス用噴射管41と不燃性ガス用噴射管42との間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路42Aが形成されている。不燃性ガス用噴射管42と燃焼ガス用噴射管43との間に酸素を含む燃焼ガスBGを通過させるための燃焼ガス供給路43Aが形成されている。
前記気中溶融バーナー40において、燃料ガス用噴射管41の先端が燃料ガスの噴射部41Bとされ、不燃性ガス用噴射管42の先端が不燃性ガスの噴射部42Bとされ、燃焼ガス用噴射管43の先端が燃焼ガスの噴射部43Bとされている。
この実施形態の構造において燃料ガス用噴射管41と不燃性ガス用噴射管42と燃焼ガス用噴射管43はいずれも直管型構造とされているが、燃料ガス用噴射管41の先端開口外周縁部に外向きの横断面三角形状の突出部からなる外向きノズル(ガス流発生部材)42Cが一体に形成されている。この外向きノズル42Cは燃料ガス用噴射管41の先端開口外周縁の全周に均一の大きさで外方に突出するように形成され、外向きノズル42Cの外周側に不燃性ガス用噴射管42の先端開口部を絞る傾斜面42Dが形成されている。この傾斜面42Dは、図5に示すように不燃性ガス用噴射管42の側壁と燃焼ガス用噴射管43の側壁との中心位置を上下に通過する中心線S20に対し所定の角度βだけ傾斜されている。このため、不燃性ガス用噴射管42を通過してその下端から下方に噴射するガスの流れ方向を不燃性ガス用噴射管42の下方外側向き(中心線S20に近づく方向)に方向変更できる。この傾斜面42Dに沿って不燃性ガス用噴射管42の下端開口から噴出された不燃性ガスIGは不燃性ガス用噴射管42の下方側に徐々に噴射経路を先拡がり状に拡散する形態のシールドガス流SGR3を生成するので、外向きノズル42Cがシールドガス流SGR3の発生部材とされている。
前記傾斜面42Dの傾斜角度βは、0゜を超え、90゜未満である必要があり、15゜未満であることが好ましい。また、外向きノズル42Cの外側に位置する燃焼ガス用噴射管43の先端部の肉厚(リム幅)をm2とすると、燃料ガスの最小着火点位置(不燃性ガス用噴射管42の先端と着火点との距離)L2は、L2=m2/tanβの関係式で示すことができる。
前記傾斜角度を15゜以上とすると、必要以上に燃焼ガスBGを外側に広げて燃焼炎の生成を阻害するおそれがある。
以上構成の気中溶融バーナー40に以下に説明する原料粒子供給源15、燃料ガス供給源16、不燃性ガス供給源17、燃焼ガス供給源18が先の実施形態の気中溶融バーナー装置20と同様に接続されて気中溶融バーナー装置45が構成されている。
気中溶融バーナー装置45において、ガラス原料粒子GMとともに燃料ガスFGを燃料ガス用噴射管41の下端から下向きに噴射し、不燃性ガスIGを不燃性ガス用噴射管42の下端から下向き、かつ、斜め外側向きに噴射し、燃焼ガスBGを燃焼ガス用噴射管43の下端から下向きに噴射できる。
気中溶融バーナー40において、燃料ガスFGが燃料ガス供給源16から供給管16Aを介し燃料ガス供給路41Aに導入され、ガラス原料粒子GMが原料供給源15から供給管45Aを介し燃料ガスFGとともに燃料ガス供給路41Aに供給される。また、不燃性ガスIGが不燃性ガス供給源17から供給管17Aを介し不燃性ガス供給路42Aに供給され、酸素を含む燃焼ガスBGが燃焼ガス供給源18から供給管18Aを介し燃焼ガス供給路43Aに導入される。
以上の構成により、気中溶融バーナー40の燃料ガス用噴射管41の先端から原料粒子GMを含む燃料ガスFGを噴射し、その周囲に外向きに広がりつつ下向きに噴射される不燃性ガスのシールドガス流SGR3を生じさせ、更にその周囲に燃焼ガス流BGを噴射できる。
気中溶融バーナー40において燃焼ガス用噴射管43の噴射部43Bから下向きに噴射する燃焼ガスの速度は、燃料ガス用噴射管41の噴射部41Bから下向きに噴射する燃料ガスFGの速度より大きく、かつ、不燃性ガス用噴射管42の噴射部42Bから下向きに噴射する不燃性ガスIGの速度よりも大きく設定されている。
気中溶融バーナー40において、燃焼ガス用噴射管43の噴射部43Bから下向きに噴射する燃焼ガスBGの速度が大きいので、不燃性ガス用噴射管42の噴射部42Bから下向きかつ外側に広がるように噴射される不燃性ガスIGが燃焼ガスBGに沿って移動し、これらの間に燃料ガス用噴射管41の下端から噴射された燃料ガスFGは他のガス流により外側に引っ張られつつ合流するので、燃料ガスFGが酸素燃焼炎となる場合の着火点を気中溶融バーナー40の先端から遠ざけることができる。このため、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー40の先端から遠ざけることができ、ガラス原料粒子GMが気中溶融バーナー40の先端側に泳動する現象を抑制できる。
この結果、気中溶融バーナー40の先端側に溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー40の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
また、気中溶融バーナー40の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎が不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー40の先端部を閉塞させることもない。
<第4実施形態>
図6は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第4実施形態を模式的に示す部分断面図である。
図6に示す気中溶融バーナー50は、中央に上下向きに配置された燃料ガス用噴射管51と、この燃料ガス用噴射管51を間隔をあけて取り囲むように順次配置された不燃性ガス用噴射管52と、燃焼ガス用噴射管53とから構成され、これらの噴射管51、52、53が同心円状に配置された多重管構造にされている。
燃料ガス用噴射管51の内部にガラス原料粒子GMと燃料ガスFGを通過させるための燃料ガス供給路51Aが形成され、燃料ガス用噴射管51と不燃性ガス用噴射管52との間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路52Aが形成されている。不燃性ガス用噴射管52と燃焼ガス用噴射管53との間に酸素を含む燃焼ガスBGを通過させるための燃焼ガス供給路53Aが形成されている。
前記気中溶融バーナー50において、燃料ガス用噴射管51の先端開口部が燃料ガスの噴射部51Bとされ、不燃性ガス用噴射管52の先端開口部が不燃性ガスの噴射部52Bとされ、燃焼ガス用噴射管53の先端開口部が燃焼ガスの噴射部53Bとされている。
この実施形態において燃料ガス用噴射管51と燃焼ガス用噴射管53はいずれも直管型構造とされ、開口面を下向きとしているが、不燃性ガス用噴射管52の先端部は折曲構造とされ、開口面を内向きとしている。
この不燃性ガス用噴射管52の先端開口内周縁部の全周に90゜内向きのノズル部(ガス流発生部材)52Cが一体に形成されている。このノズル部52Cは先の第2実施形態のノズル部32Cと略同等構造であるが、異なっているのは、ノズル部52Cの内周側に開口部52Dが2カ所以上(図6の形態では4カ所)、間欠的に放射状、かつ、斜め内側に向くように形成されている点である。これらの斜め内側に放射状に形成された開口部52Dから不燃性ガス流を内側向きに噴射し、開口部52Dから下方に不燃性ガスの旋回流となるシールドガス流SGR4を生成できるように構成されている。なお、これら開口部52Dの形成位置を図6(B)に示すように底面から見た場合、各開口部52Dの向き、換言すると各開口部52Dから噴射される不燃性ガスの噴射方向は、矢印52Eに示す方向となる。これらの開口部52Dからの噴射方向は、図6(B)に示すように底面視状態において、開口部52Dの吹出中心と燃料ガス用噴射管51の中心とを結ぶ直線52Gと、矢印52Eのなす角度β2が15゜を超え、60゜未満の範囲が望ましい。
本実施形態の気中溶融バーナー50において、先の実施形態と同様、原料粒子供給源15、燃料ガス供給源16、不燃性ガス供給源17、燃焼ガス供給源18が接続されて気中溶融バーナー装置55が構成されている。
気中溶融バーナー50は、ガラス原料粒子GMとともに燃料ガスFGを燃料ガス用噴射管51の下端から下向きに噴射するとともに、不燃性ガスIGを不燃性ガス用噴射管52の4つの開口部52Dから水平斜め内向きの旋回流として噴射し、さらに燃焼ガスBGを燃焼ガス用噴射管53の下端から下向きに噴射できるようになっている。
本実施形態の気中溶融バーナー50において、不燃性ガス用噴射管52から噴射された不燃性ガスが旋回流となり、燃料ガス用噴射管51の下端から下向きに噴出された燃料ガスFGの周囲を覆って噴射後短時間、燃料ガスFGと燃焼ガスBGとの接触を強力に抑制するので、燃料ガスFGが燃焼炎となる場合の着火点を気中溶融バーナー50の先端から遠ざけることができる。このため、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー50の先端から遠ざけることができる。従って、先の各実施形態のバーナー10、30、40と同様の作用効果を奏する。すなわち、気中溶融バーナー50の先端側に熱泳動により移動して溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー50の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
また、気中溶融バーナー50の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎が不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー50の先端部を閉塞させることもない。
なお、本実施形態の構造において、不燃性ガス用噴射管52から噴射された不燃性ガスが生じる旋回流は、コリオリの力を有効利用するために、地球の自転方向と同じ方向に旋回流を生じさせることが好ましい。
<第5実施形態>
図7は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第5実施形態を模式的に示す部分断面図である。
図7に示す気中溶融バーナー60は、中央に配置された燃料ガス用噴射管61と、この燃料ガス用噴射管61を間隔をあけて取り囲むように順次配置された不燃性ガス用噴射管62と、燃焼ガス用噴射管63とから構成され、これらの噴射管61、62、63が同心円状に配置された多重管構造にされている。
燃料ガス用噴射管61の内部にガラス原料粒子GMと燃料ガスFGを通過させるための燃料ガス供給路61Aが形成され、燃料ガス用噴射管61と不燃性ガス用噴射管62との間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路62Aが形成されている。不燃性ガス用噴射管62と燃焼ガス用噴射管63との間に酸素を含む燃焼ガスBGを通過させるための燃焼ガス供給路63Aが形成されている。
本実施形態の構造において、燃料ガス用噴射管61の先端部(噴射部)61Bが先窄まり形状とされ、その外周側に形成されている不燃性ガス用噴射管62の先端部に先の先端部61Bを囲むようにヘッド部(噴射部)62Bが形成されている。ヘッド部62Bの開口部62Dに旋回流発生用の羽根部材(ガス流発生部材)62Cが形成されている。
前記羽根部材62Cは、図7(a)に示すようにヘッド部62Bの各々の開口部62Dの周方向に沿って複数、互いの端部同士を接近させて相互の位置をずらすように斜めに配列されている。より詳細には、開口部62Dの周方向に沿う各羽根部材62Cの両端部を隣接配置されている他の羽根部材62Cの端部と若干の隙間をあけてオーバーラップするように交互に配列されている。更に、個々の羽根部材62Cは開口部62Dの周方向に沿う両端部のうち、一方の端部62eを開口部62Dの内周側よりに傾斜配置されている。なお、前記複数の羽根部材62Cは、ガスの流路方向(噴射管61の長さ方向)に対し平行ではなく、個々に先端をガスの流路方向に対し直角方向に5〜10゜程度傾斜させて配置されている。このため、羽根部材62Cを通過する際に羽根部材62Cにガスが衝突することでガスには旋回方向に初期速度を少しだけ与える構造とされ、羽根部材62Cを通過するガスに旋回流が生成される。
以上のように開口部62Dに複数の羽根部材62Cが配列されることで開口部62Dを通過して外部に噴射されるガスは旋回流となって外部に噴射される。
以上構成の羽根部材62Cを備えた気中溶融バーナー60は、先の実施形態の気中溶融バーナーと同様に、ガラス原料粒子GMとともに燃料ガスFGを燃料ガス用噴射管61から下向きに噴射することができる。また、不燃性ガスIGを不燃性ガス用噴射管62の開口部62Dから旋回流として噴射し、さらに燃焼ガスBGを燃焼ガス用噴射管53の開口部から下向きに旋回流として噴射することができる。
本実施形態の気中溶融バーナー60において、不燃性ガスが旋回流となり、燃料ガス用噴射管61から下向きに噴出された燃料ガスFGの周囲を覆って噴射後短時間、燃料ガスFGと燃焼ガスBGとの接触を強力に抑制するので、燃料ガスFGが燃焼炎となる場合の着火点を気中溶融バーナー60の先端から遠ざけることができる。このため、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー60の先端から遠ざけることができる。
従って、先の実施形態の各バーナーと同様の作用効果を奏する。すなわち、気中溶融バーナー60の先端側に熱泳動により移動して溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー60の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
また、気中溶融バーナー60の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎が不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー60の先端部を閉塞させることもない。
なお、本実施形態の構造において開口部62Dの向きを斜め内側向きとして旋回流を生じさせる場合、コリオリの力を有効利用して旋回流を生じさせるためには、地球の自転方向と同じ方向に旋回流を生じさせることが好ましい。
<第7実施形態>
図8は本発明に係るバーナーを気中溶融バーナーに適用した第6実施形態を模式的に示す部分断面図である。
図8に示す気中溶融バーナー80は、中央に上下向きに配置された第一の燃料ガス用噴射管81と、この燃料ガス用噴射管81を間隔をあけて取り囲むように順次配置された不燃性ガス用噴射管82と第一の燃焼ガス用噴射管83と第二の燃料ガス用噴射管84と第二の燃焼ガス用噴射管85とから構成されている。これらの噴射管81、82、83、84、85が同心円状に配置された多重管構造にされている。
第一の燃料ガス用噴射管81の内部に燃料ガスFG1を通過させるための燃料ガス供給路81Aが形成され、燃料ガス用噴射管81と不燃性ガス用噴射管82の間に不燃性ガスIGを通過させるための不燃性ガス供給路82Aが形成されている。不燃性ガス用噴射管82と第一の燃焼ガス用噴射管83の間に第一の燃焼ガスBG1を通過させるための第一の燃焼ガス供給路83Aが形成され、第一の燃焼ガス用噴射管83と第二の燃料ガス用噴射管84との間に第二の燃料ガスFG2を通過させるための第二の燃料ガス供給路84Aが形成されている。また、第二の燃料ガス用噴射管84と第二の燃焼ガス用噴射管85の間に第二の燃焼ガスBG2を通過させるための第二の燃焼ガス供給路85Aが形成されている。
前記気中溶融バーナー80において、第一の燃料ガス用噴射管81の先端開口部が燃料ガスFG1の噴射部81Bとされ、不燃性ガス用噴射管82の先端開口部が不燃性ガスIGの噴射部82Bとされ、第一の燃焼ガス用噴射管83の先端開口部が第一の燃焼ガスBG1の噴射部83Bとされ、第二の燃料ガス用噴射管84の先端開口部が第二の燃焼ガスFG2の噴射部84Bとされ、第二の燃焼ガス用噴射管85の先端開口部が第二の燃焼ガスBG2の噴射部85Bとされている。
この実施形態の構造において第一の燃料ガス用噴射管81と第一の燃焼ガス用噴射管83と第二の燃料ガス用噴射管84と第二の燃焼ガス用噴射管85はいずれも直管型構造とされ、開口面を下向きとしているが、不燃性ガス用噴射管82の先端部は折曲構造とされている。すなわち、不燃性ガス用噴射管82の先端開口内周縁部に内向きの横断面三角形状の内向きノズル(ガス流発生部材)82Cが一体に形成されている。この内向きノズル82Cは不燃性ガス用噴射管82の先端開口内周縁の全周に均一の大きさで内側に突出するように形成され、内向きノズル82Cの内周側に不燃性ガス用噴射管82の先端開口部を絞る傾斜面82Dが形成されている。
本実施形態の気中溶融バーナー80は、第一の燃料ガス用噴射管81の先端から第一の燃料ガスFG1を噴射し、このガス流を傾斜面82Dにより内側向きに絞られたシールドガス流SGR7で覆いつつ下方に噴出でき、同時に第二の燃料ガスFG2を原料粒子GMとともに第二の燃料ガス用噴射管84の先端から噴射でき、第二の燃焼ガスBG2を第二の燃焼ガス用噴射管85の先端から噴射できる。
気中溶融バーナー80において、第一の燃料ガス用噴射管81の基端側には供給管16Aを介し燃料ガス供給源16が接続され、不燃性ガス用噴射管82の基端側には供給管17Aを介し不燃性ガス供給源17が接続されている。また、第一の燃焼ガス用噴射管83の基端側に第一の燃焼ガス供給源86が接続され、第二の燃料ガス用噴射管84の基端側に第二の燃料ガス供給源87が接続され、第二の燃焼ガス用噴射管85の基端側に第二の燃焼ガス供給源88が接続され、気中溶融バーナー装置89が形成されている。
図8に示す気中溶融バーナー80であれば、気中溶融バーナー80の下方側において第一の燃料ガスFG1の流れに対し、内向きに絞られつつ噴射された不燃性ガスIGからなるシールドガス流SGR7が第一の燃料ガスFG1と燃焼ガスBG1、BG2との接触を抑制する。
このため、先の実施形態と同様に、燃焼炎の着火点を気中溶融バーナー80の先端から若干離れた位置に遠ざけることができる。このため、燃料ガスFGとともに噴出されるガラス原料粒子GMの溶融開始点を気中溶融バーナー80の先端から遠ざけることができるので、ガラス原料粒子GMが気中溶融バーナー80の先端側に泳動する現象を抑制できる。この結果、気中溶融バーナー80の先端側に溶着する溶融粒子を抑制できるので、溶融ガラス粒子を連続生産した場合であっても、気中溶融バーナー80の先端側につらら状物を生成させることなく、溶融ガラス粒子の製造ができる。
また、気中溶融バーナー80の先端に付着物を生じさせないので、酸素燃焼炎が不安定になることがなく、また、つらら状物で気中溶融バーナー80の先端部を閉塞させることもない。
以上、本発明に係る気中溶融バーナーについて説明したが、本発明の気中溶融バーナーは前記した気中溶融バーナー10、30、40、50、60、70、80に限定されない。
例えば、原料供給管、燃料ガス供給管、燃焼ガス供給管の配置は適宜変更可能である。また、気中溶融バーナーを構成する供給管が全て同心円状に配置された多重管構造でなくてもよく、たとえば、図1に示す気中溶融バーナー10の場合、燃焼ガス供給管13を、不燃性ガス供給管12の外側に小径の供給管を円周上に複数配置することにより形成してもよい。すなわち、本発明の気中溶融バーナーにおいて、複数の供給管が同心円状に配置された多重管構造と、小径の供給管が複数配置された構造を組み合わせた複合構造とすることもできる。
図9は本発明に係るガラス溶融炉の第一実施形態を模式的に示す断面図である。図9に示すガラス溶融炉は、本発明に係る溶融ガラスの製造方法及びガラス物品の製造方法に用いられる。
図9に示すガラス溶融炉140は、中空箱型の炉体141と、ガラス原料粒子GMを噴出するとともに酸素燃焼炎Fを形成するために炉体141の上部の天井部141Aを貫通して下向きに配置された前述の気中溶融バーナー10と、炉体141の底部に形成された溶融ガラスGの貯留部141Bとを備え、気中溶融バーナー10の噴射方向先端側(図9では下方側)に加熱気相雰囲気Kを形成できる。以下、本発明に係るガラス溶融炉が前述の気中溶融バーナー10を備える場合について説明するが、本発明に係るガラス溶融炉は、先のいずれか記載の気中溶融バーナー30、40、50、60、70、80のいずれを備えていてもよい。また、以下に示す例では、図2に示す気中溶融バーナー装置20と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一要素の説明は省略する。
本発明において、炉体141の上部とは、炉体141の天井部141A及び側壁141Cの上部を含む範囲を意味する。
なお、炉体141の形状は図9に示す箱型の直方体形状に限定されるものではなく、円筒状であってもよい。また、気中溶融バーナー10を鉛直下向きに設置しているが、これに限らず、下向きであれば傾斜して設置してもよい。さらに、炉体141の天井部141Aをフラットな形状としたが、これに限らず、アーチ形状、ドーム形状等の形状であってもよい。
加熱気相雰囲気Kは、気中溶融バーナー10から噴射される酸素燃焼炎F及び該酸素燃焼炎F近傍の高温部から構成される。
炉体141の底部側は溶融ガラスGの貯留部141Bとされており、炉体141の側壁底部側に形成された排出口144を介して炉体141から溶融ガラスGを外部に排出できるように構成されている。なお、本実施形態のガラス溶融炉140を備えてガラス物品の製造装置を構成する場合は、炉体141の排出口144から溶融ガラスGを排出する方向の下流側に、一例として、成形装置145などが接続され、形成した溶融ガラスGを成形装置145により目的の形状に成形してガラス物品を得ることができるように構成されている。
炉体141は耐火レンガなどの耐火材からなり、高温の溶融ガラスGを貯留できるように構成されている。炉体141の下部の貯留部141Bには図示していないが加熱ヒータが設置され、必要に応じて貯留部141Bに貯留されている溶融ガラスGを目的の温度(たとえば1400℃程度)に溶融状態で保持できるように構成されている。貯留部141Bの側壁部に排気口142及び排気管142aを介し排ガス処理装置143が接続されている。
本実施形態のガラス溶融炉140により溶融ガラスGを製造するには、まず、気中溶融バーナー10を作動させて酸素燃焼炎Fを噴出させ、気中溶融バーナー10の下方に加熱気相雰囲気Kを形成する。そして、酸素燃焼炎Fに気中溶融バーナー10からガラス原料粒子GMを供給する。これにより、ガラス原料粒子GMは、気中溶融バーナー10から噴射された酸素燃焼炎Fにより形成される加熱気相雰囲気K中を通過し、加熱され、溶融ガラス粒子Uを形成し、貯留部141Bに貯留する溶融ガラスG上に降下する。
本実施形態のガラス溶融炉140は、前述した気中溶融バーナー10を備えた構成であり、前述したようにその先端より離れた位置に酸素燃焼炎Fの着火点が生成し、気中溶融バーナー10の先端部にガラス原料粒子GMが付着しにくいので、付着物が肥大化したつらら状物の形成を抑止できる。したがって、気中溶融バーナー10の火炎が不安定になることがなく、また、気中溶融バーナー10の吐出口が閉塞することがない。さらに、つらら状物が形成されないので、つらら状物が気中溶融バーナー10下方の溶融ガラスGへと落下することがなく、落下したつらら状物とガラス融液との組成差によりガラスが不均質化することがなく、均一な組成の高品質の溶融ガラスG及びガラスを製造できる。
本実施形態のガラス溶融炉140を用いて製造する溶融ガラスGは、気中溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制限されない。したがって、ソーダライムガラス、混合アルカリ系ガラス、ホウケイ酸ガラス、あるいは、無アルカリガラスのいずれであってもよい。また、製造されるガラス物品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
たとえば、液晶ディスプレイ用または有機ELディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:39〜75%、Al:3〜27%、B:0〜20%、MgO:0〜13%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
上述した本実施形態のガラス溶融炉140を備えたガラス物品の製造装置においては、ガラス溶融炉140で製造したこの溶融ガラスGを所定の速度で排出口144から排出し、必要に応じ脱泡装置に導入し、脱泡した後、成形装置145に移送して目的の形状に成形し、ガラス物品を製造できる。
以上のように製造されたガラス物品は、上述のように高品質の溶融ガラスGにより形成されているため、高い品質のガラス物品を得ることができる。
図10は本発明に係る気中溶融バーナーを備えたガラス溶融炉を用いてガラス物品を製造する方法の一例を示すフロー図である。
図10に示す方法に従い、ガラス物品を製造するには、上述のガラス溶融炉140を用いた上述の溶融ガラスの製造方法によるガラス溶融工程S1により溶融ガラスGを得たならば、溶融ガラスGを成形装置145に送って目的の形状に成形する成形工程S2を経た後、徐冷工程S3にて徐冷し、切断工程S4において必要な長さに切断することでガラス物品G5を得ることができる。
なお、必要に応じて、成形後の溶融ガラスを研磨する工程を設けて、ガラス物品G5を製造できる。
本発明のガラス溶融炉は図9に示す例に限定されない。図11に示すガラス溶融炉140Bのように、加熱気相雰囲気Kを形成する手段として、気中溶融バーナー10に加えて、さらに、熱プラズマを発生させる、一対以上の電極131で構成される多相アークプラズマ発生装置を備えていてもよい。また、気中溶融バーナー10の酸素燃焼炎F、熱プラズマにより形成される加熱気相雰囲気Kの温度は、ガラス原料粒子GMに含まれる気体成分を迅速にガス化散逸させ、ガラス化反応を進行させるために、珪砂の溶融温度以上である1600℃以上に設定することが好ましい。これにより、炉体141内に投下されたガラス原料粒子GMは、酸素燃焼炎Fまたは、酸素燃焼炎F及び熱プラズマによって、迅速にガス化散逸されるとともに、高温で加熱されることにより液状の目的組成物の溶融ガラスUとなって降下し、炉体141の底部141Bの溶融ガラスGに着地し、溶融ガラスGとして貯留される。
図12は本発明に係る溶融ガラスの製造方法を用いてガラスビーズ(球状ガラス体)を製造する装置の一実施形態を示すもので、本実施形態のガラス溶融炉150は、収容部154と、収容部154の天井部154Aを貫通するように酸素燃焼炎Fが下向きに噴射されるように配置された気中溶融バーナー10とを備えて構成されている。図12に示す製造装置150は、先の実施形態のガラス溶融炉140と類似の構造であり、先の装置の炉体141を収容部144に変更した点が異なる。その他の構成は図11に示すガラス溶融炉140の構成と同等であり、同一の要素には同一の符号を付し、同一要素の説明は省略する。なお、気中溶融バーナーとしては、前述の気中溶融バーナーのいずれを備えていてもよい。
本実施形態の製造装置150において、収容部154の内部には、ステンレス鋼製のバケツ状の貯留部151を備えた搬送台車152が収容されている。また、図示されていないが収容部154の筐体表面は冷却水で冷却されている。さらに、収容部154の側壁部に排気管153を介し排ガス装置155が接続されている。
なお、図12では略しているが、収容部154の側壁部には収容部154を密閉状態とすることが可能な開閉扉が形成されていて、搬送台車152は開閉扉を開けることで収容部154の外部に移動できるようになっている。
先に説明した実施形態の場合と同様に、ガラス原料粒子GMを気中溶融バーナー10の酸素燃焼炎Fからなる加熱気相雰囲気Kに投入することで、ガラス原料粒子GMを加熱気相雰囲気K中で溶融させて溶融ガラス粒子Uとすることができ、この溶融ガラス粒子Uを貯留部151に落下させて冷却することで、ガラスビーズGBを得ることができる。
本実施形態の製造装置150において貯留部151は、溶融ガラス粒子Uを冷却してガラスビーズGBとし、ガラスビーズBGを集積する構成とされている。なお、本実施形態の製造装置150において、貯留部151と搬送台車152は必須ではなく、これらを略して収容部154の床部154Bにおいて溶融ガラス粒子を受ける構造としてもよく、その場合は収容部154の内部空間と床部154Bが溶融ガラス粒子を冷却するように構成する。
図12に示す製造装置150は、前記した本発明に係る気中溶融バーナー10を備える構成であるため、気中溶融バーナー10の先端部にガラス原料粒子GMが付着しにくく、付着物が肥大化してつらら状物が形成されることがなく、つらら状物を落下させることがないため、均一な品質のガラスビーズGBを製造できる。
このようにして得られたガラスビーズGBは、ガラスビーズとしてそのまま利用されたり、他の原料と混合されて利用されたり、その他の溶融炉の中に投入されてガラス物品の製造に利用される。
本発明の技術は、建築用ガラス、車両用ガラス、光学用ガラス、医療用ガラス、表示装置用ガラス、その他一般のガラス製品の製造あるいは原料粒子を溶融して製造する物品の製造に広く適用できる。
GM…ガラス原料粒子、FG、FG1…燃料ガス、IG…不燃性ガス、BG、BG1、BG2…燃焼ガス、S…管軸、U…溶融ガラス粒子、10…気中溶融バーナー、11…燃料ガス用噴射管、11A…燃料ガス供給路、11B…噴射部、12…不燃性ガス用噴射管、12A…不燃性ガス供給路、12B…噴射部、12C…内向きノズル(ガス流発生部材)、12D…傾斜面、13…燃焼ガス用噴射管、13A…燃焼ガス供給路、13B…噴射部、15…原料粒子供給源、16…燃料ガス供給源、17…不燃性ガス供給源、18…燃焼ガス供給源、20、35、45、55…気中溶融バーナー装置、30、40、50、60、70、80…気中溶融バーナー、31、41、51、61、72、81…燃料ガス用噴射管、31A、41A、51A、61A、72A、81A…燃料ガス供給路、31B、41B、51B、61B、71B、81B…噴射部、32、42、52、62、73、82…不燃性ガス用噴射管、32A、42A、52A、62A、73A、82A…不燃性ガス供給路、32B、42B、52B、62B、72B、82B…噴射部、32C…ノズル部(ガス流発生部材)、33、43、53、63、71、74、83、84、85…燃焼ガス用噴射管、33A、43A、53A、63A、71A、74A、83A、84A、85A…燃焼ガス供給路、33B、43B、53B、63B、73B、83B…噴射部、42C…外向きノズル(ガス流発生部材)、42D…傾斜面、52C…内向きノズル(ガス流発生部材)、63C…羽根部材(ガス流発生部材)、73C、82C…内向きノズル(ガス流発生部材)、74…第二の燃焼ガス用噴射管、G…溶融ガラス、140、140B、150…ガラス溶融炉、S1…ガラス溶融工程、S2…成形工程、S3…徐冷工程、S4…切断工程、G5…ガラス物品。

Claims (16)

  1. 先端から燃料ガスを噴射する燃料ガス用噴射管と、先端から不燃性ガスを噴射する不燃性ガス用噴射管と、先端から燃焼ガスを噴射する燃焼ガス用噴射管とが、各管の管軸を略同一方向に揃えて複合され、
    複合された前記噴射管の中央側に配置した前記燃料ガス用噴射管あるいは燃焼ガス用噴射管の外側に、前記燃料ガス用噴射管あるいは燃焼ガス用噴射管を囲むように前記不燃性ガス用噴射管が配置され、前記不燃性ガス用噴射管の外側に該不燃性ガス用噴射管を囲むように前記燃焼ガス用噴射管あるいは燃料ガス用噴射管が配置され、
    前記不燃性ガス用噴射管の先端部に該先端部からの不燃性ガスの噴射方向を噴射方向に沿って内側寄りまたは外側寄りに、前記燃料ガスあるいは燃焼ガスの噴射方向と交わるように変更するガス流発生部材が設けられたバーナー。
  2. 前記燃料ガス及び燃焼ガスの噴射方向が略平行である請求項1に記載のバーナー。
  3. 前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかに原料粒子の供給源が接続され、前記燃料ガス用噴射管から燃料ガスとともに原料粒子が、あるいは、前記燃焼ガス用供給管から燃焼ガスとともに原料粒子が噴射される請求項1または2に記載のバーナー。
  4. 前記燃料ガス用噴射管が中央部に、その周囲に前記不燃性ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管が順次配置され、前記不燃性ガス用噴射管の先端部に、該先端部から噴射される不燃性ガスを内側向き斜め方向と、外側向き斜め方向と、内側向き直角方向のいずれかに変更するガス流発生部材が設けられた請求項1または2に記載のバーナー。
  5. 前記燃焼ガス用噴射管が中央部に、その周囲に前記不燃性ガス用噴射管と前記燃料ガス用噴射管が順次配置され、前記不燃性ガス用噴射管の先端部に、該先端部から噴射される不燃性ガスを内側向き斜め方向と、外側に向き斜め方向と、内側向き直角方向のいずれかに変更するガス流発生部材が設けられた請求項1または2に記載のバーナー。
  6. 前記不燃性ガス用噴射管から噴射される不燃性ガスを旋回流とするガス流発生部材が設けられた請求項3乃至5のいずれか一項に記載のバーナー。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバーナーが備えられ、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかにガラス原料粒子の供給源が接続され、前記燃料ガス用噴射管から燃料ガスとともにガラス原料粒子が、あるいは、前記燃焼ガス用供給管から燃焼ガスとともにガラス原料粒子が噴射自在とされ、前記ガラス原料粒子を前記燃料ガスの燃焼により生成する加熱気相雰囲気中において溶融する気中溶融バーナー。
  8. 溶融ガラスを収容する炉体と、前記炉体の上部に下向きに配置され、前記炉体の内側にガラス原料粒子を加熱溶融して溶融ガラス粒子とする加熱気相雰囲気を形成し、かつ、前記加熱気相雰囲気に前記ガラス原料粒子を供給する請求項7に記載の気中溶融バーナーとを備えるガラス溶融炉。
  9. 先端から燃料ガスを噴射する燃料ガス用噴射管と、先端から不燃性ガスを噴射する不燃性ガス用噴射管と、先端から燃焼ガスを噴射する燃焼ガス用噴射管とが複合されたバーナーを用いて燃焼炎を生成する方法であり、
    前記不燃性ガス用噴射管の先端からの不燃性ガスの噴射方向を前記噴射方向に沿って内側よりまたは外側よりに向けて方向変更し、前記不燃性ガス用噴射管の先端から噴射させた不燃性ガスのガス流により、前記燃料ガス用噴射管の先端から噴射させた燃料ガスと前記燃焼ガス用噴射管の先端から噴射させた燃焼ガスとの前記噴射管先端近傍における混合を抑制し、前記噴射管先端近傍から離れた位置において前記燃料ガスと前記燃焼ガスを混合させて燃焼炎を生成する燃焼炎の生成方法。
  10. 前記不燃性ガス用噴射管から不燃性ガスを噴射する方向に関し、前記噴射方向に沿って斜め内側向きと、前記噴射方向に沿って斜め外側向きと、前記噴射方向に直角内側向きのいずれかの方向とする請求項9に記載の燃焼炎の生成方法。
  11. 前記不燃性ガスを内側向き直角方向に変更する場合、前記燃料ガス用噴射管から噴射される燃料ガスの噴射速度を前記不燃性ガスおよび前記燃焼ガスの噴射速度よりも大きくする請求項9または10に記載の燃焼炎の生成方法。
  12. 前記不燃性ガスを外側に向けて斜め方向に変更する場合、前記燃焼ガス用噴射管から噴射される燃焼ガスの噴射速度を前記不燃性ガスおよび燃料ガスの速度よりも大きくする請求項9または10に記載の燃焼炎の生成方法。
  13. 前記不燃性ガス用噴射管から不燃性ガスを噴射する際、不燃性ガスを旋回流として噴射する請求項9乃至12のいずれか一項に記載の燃焼炎の生成方法。
  14. 前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかから原料粒子を供給する請求項9乃至13のいずれか一項に記載の燃焼炎の生成方法。
  15. 請求項9乃至14のいずれか一項に記載の燃焼炎の生成方法により生成した燃焼炎に対し、前記燃料ガス用噴射管と前記燃焼ガス用噴射管のいずれかからガラス原料粒子を供給し、前記燃焼炎によりガラス粒子を溶融させて溶融ガラス粒子を生成する溶融ガラスの製造方法。
  16. 請求項15に記載の溶融ガラスの製造方法を用いて溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程を含むガラス物品の製造方法。
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