JPH09248497A - 耐火物溶射方法および装置 - Google Patents

耐火物溶射方法および装置

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JPH09248497A
JPH09248497A JP25281796A JP25281796A JPH09248497A JP H09248497 A JPH09248497 A JP H09248497A JP 25281796 A JP25281796 A JP 25281796A JP 25281796 A JP25281796 A JP 25281796A JP H09248497 A JPH09248497 A JP H09248497A
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injection pipe
powder
oxygen
nozzle
containing gas
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JP25281796A
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English (en)
Inventor
Seiji Okada
誠司 岡田
Yuji Narita
雄司 成田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉壁の補修用の耐火物の溶射吹き付け用に、コ
ンパクトな構造でしかも効率性、安定性のよい溶射ノズ
ルを提供する。 【解決手段】ノズルを3重以上の多重管構造とし、酸素
含有ガスを2系統に分け、耐火物粉体に含まれた金属粉
および燃料ガスは中心近傍の酸素含有ガスによって一次
燃焼させ、金属粉・燃料ガスの未燃分は最外周の酸素含
有ガスによって二次燃焼させ、外気を遮蔽することとあ
わせて中心火炎の温度を高め耐火物粉の溶融を促進す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコークス炉、転炉等
の窯炉の内壁面の損傷部分を補修する耐火物粉体溶射ノ
ズルに関し、効率良く、強度の高い溶射物を得られる溶
射方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製造プロセスにおける各種の加熱
炉、反応炉は長期間にわたり高温で連続運転されてお
り、設備の耐久性や寿命を延ばすには耐火物の材質改善
のみで対応できない。この対応として窯炉の内壁面の損
傷部分に耐火物を吹き付ける補修方法が用いられてき
た。吹き付け方法としては、従来は湿式吹き付けが多か
ったが、最近では補修部分に耐火性粉体を溶射する方法
が採用されてきている。
【0003】火炎溶射ノズルの従来技術として、特公平
8−20183号公報では支燃性のガス中において、発
熱酸化性粒体と耐火性粒体との混合物を溶射し耐火体を
形成するためのノズルを開示している。このノズルの主
な構造は、酸素を主体とした支燃性ガスに満たされた混
合室に耐火性粒体と発熱酸化性粒体の混合物を供給して
反応・溶融させ、ノズル頭部の栓部材の複数個の孔から
吹き出している。耐火物の溶融に必要な熱源は、発熱酸
化性粒体すなわちSi、Al、Zr、Mg等の金属粒体
またはその2種以上の混合物の酸化反応を用いている。
これによって、耐火物壁面への堆積物の層状欠陥がな
く、高品質の補修ができるものとしている。
【0004】しかし、この特公平8−20183号公報
の技術は、粉体の輸送ガスとして空気または酸素濃縮空
気、酸素を用いるとしており、輸送ガスを空気単独とす
る場合は輸送管内でのフラッシュバック(逆火)の危険
性は低いが、酸素濃度が高くなるほどフラッシュバック
の危険性は増すことになる。また、ノズル頭部混合室で
粉体が助燃酸素と混合されてから噴射する構造のため、
この部分でのフラッシュバック、あるいは閉塞の可能性
が高い。さらに、構造的には、中央管の周囲に複数の小
径送り管を配設していることと、反応室の容積確保のた
め、コンパクト化するのが困難であり、ノズル先端部を
曲げるための工作・加工も難しい。
【0005】また、特開平7−218147号公報では
酸素含有ガスを供給する中心孔および中心孔の周囲に配
設した複数本の燃料ガス、金属粉体、吹き付け材の供給
孔とからなるノズル本体と、そのノズル本体の先端部外
周に配設した筒状のバーナタイルと、ノズル中心孔の先
端部に配設され酸素含有ガスの噴射孔を複数有するノズ
ルキャップとを備えた熱間吹き付け補修用溶射ノズルが
開示されている。この技術においては、ノズルキャップ
の酸素含有ガス噴射孔の角度および個数を変えることで
溶射範囲を制御することができるとしている。
【0006】しかし、この特開平7−218147号公
報の技術は、粉体輸送を燃料ガスで行うため粉体輸送管
内でのフラッシュバックの危険性は低いが、ノズル先端
のバーナタイル内部で酸素含有ガスを放射状に吹き出し
粉体と混合させるため、この部分での局所的赤熱および
バーナタイルへの耐火材付着が問題となり、酸素含有ガ
スと粉体と燃料ガスの流量比の制限を受けることにな
る。また、バーナタイルの構造をとっているためコンパ
クト化には制約がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コークス炉、転炉等の
窯炉の内壁面の耐火物補修は通常狭い空間内で、しかも
熱間で行われることが多く、長い支持体の先にノズルを
保持し、窯炉開口部からの作業を行うため、ノズル本体
はできるだけコンパクトな構造が望ましい。また、ノズ
ル先端を曲げてもあまり装置が大きくならないように単
純な構造が望ましい。また、金属粉を含んだ粉体を扱う
ため、配管やノズル内でのフラッシュバックを起こして
はならないし、溶融した耐火物がノズル内に堆積しノズ
ル閉塞を起こしてはならない。
【0008】本発明は耐火物粉体を用いた溶射方式に内
包している前記課題を解決し、安定的に、かつ効率よく
炉壁補修ができる溶射補修ノズルを提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記(1)
から(9)までの耐火物溶射方法と溶射ノズル構造にあ
る。
【0010】(1) 3重以上の噴射管をもつ多重管構造の
ノズルを用い、酸素含有ガス、燃料ガスおよび耐火物粉
体を噴射して溶射を行うに際し、中心の第1噴射管また
はその外側の第2噴射管と、最外周の噴射管に酸素含有
ガスを流すことを特徴とする耐火物の溶射方法。
【0011】(2) この多重管ノズルは4重管構造であっ
て、第1噴射管に酸素含有ガス、第2噴射管に溶射用粉
体を流すか、逆に第1噴射管に溶射用粉体を流し、第2
噴射管に酸素含有ガスを流す。そして、第3噴射管に燃
料ガスを流し、最外周の第4噴射管に酸素含有ガスを流
すことを特徴とする前記(1) 項に記載の耐火物の溶射方
法。
【0012】(3) この多重管ノズルは3重管構造であっ
て、第1噴射管に酸素含有ガス、第2噴射管に溶射用粉
体を流し、最外周の第3噴射管に酸素含有ガスを流すこ
とを特徴とする前記(1) 項に記載の耐火物の溶射方法。
【0013】(4) この多重管ノズルは3重管構造であっ
て、第1噴射管に酸素含有ガスをキャリアガスとして使
って溶射用粉体を流し、第2噴射管に燃料ガスを流し、
最外周の第3噴射管に酸素含有ガスを流すことを特徴と
する前記(1) 項に記載の耐火物の溶射方法。
【0014】(5) 前記溶射用粉体をキャリアガスで輸送
するものとし、このキャリアガスを、不燃性ガスと燃料
ガスのいずれか、またはそれらの混合ガスとすることを
特徴とする前記(1) 項から前記(3) 項までのいずれか1
項に記載の耐火物の溶射方法。
【0015】(6) ノズル先端から炉壁までの距離を、第
2噴射管平均口径の2〜8倍とすることを特徴とする前
記(1) 項から前記(5) 項までのいずれか1項に記載の耐
火物の溶射方法。
【0016】(7) 前記溶射用粉体は、耐火物粉体単独、
または耐火物粉体と酸化して耐火物になる物質の粉体と
を混合した粉体であることを特徴とする前記(1) 項から
前記(6) 項のいずれか1項に記載の耐火物の溶射方法。
【0017】(8) 中心の第1噴射管またはその外側の第
2噴射管に流す酸素含有ガスの噴射速度が溶射用粉体の
噴射速度より50m/sec 以上大きいことを特徴とする
前記(1) 項から前記(3) 項まで、および前記(5) から
(7) までのいずれか1項に記載の耐火物の溶射方法。
【0018】(9) 前記(1) から(8) までの方法を実施す
るノズルにおいて、下記からまでの1項以上を特徴
とする耐火物溶射ノズル。
【0019】最外周の噴射管のすぐ内側の噴射管の先
端位置が、最外周の噴射管の先端より最外周噴射管の平
均口径の0倍〜1.5倍後退して配設されていること。
【0020】第2噴射管先端は先細に絞られ、その噴
射管平均口径は第1噴射管平均口径より大きく第2噴射
管の平均口径よりも小さいこと。
【0021】第1噴射管の先端位置が、第2噴射管の
先端より第2噴射管の平均口径の0倍〜2倍後退して配
設されていること。
【0022】
【発明の実施の形態】耐火物の火炎による溶射では粉体
の投入方式に関係するノズル形状の選択が重要になって
くる。種々のノズルを試験した結果、本発明のノズル構
造で安定的に効率よく溶射が行えることを確認した。以
下、本発明の作用効果を説明する。
【0023】本発明は基本的に前記の特開平7−218
147号公報と同じく、燃料ガスおよびまたは金属粉体
の燃焼熱で溶射を行うが、ノズル構造は大きく異なる。
すなわち、ノズル中心部で火炎を形成して耐火性物質を
溶融させるとともに、さらに外周に火炎を形成すること
で粉体の加熱効果を高め、外気を遮蔽することで緻密な
溶射材を得ることを特徴としている。
【0024】粉体中の金属燃焼効率を高めるには、十分
な温度と高濃度の酸素を供給し、混合させる必要があ
る。しかし、必ずしも粉体と酸素含有ガスを予め混合さ
せておく必要はなく、ノズル外混合でも耐火物が十分に
溶融すれば良いという考えのもと、多重管による同軸噴
流構造が優れていることを見い出した。すなわち、図1
b、図1c、図2b、図2c、または図3のように酸素
含有ガスを2系統に分け、ノズル中心部近傍に第1酸素
含有ガスと金属粉体および燃料ガスとを一次燃焼させ、
ノズル最外周に第2酸素含有ガスを供給して外気の遮断
を図るとともに、金属粉および燃料ガスの未燃分を二次
燃焼させることで粉体中の耐火物の溶融を図るものであ
る。
【0025】中心部における一次燃焼の一つの方式は、
第1または第2噴射管ノズルから噴出する高速の酸素含
有ガス流のエジェクター効果を利用して、その外周また
は内周にある粉体を吸引しつつ、粉体と燃料ガスと酸素
含有ガスとを混合させることである。エジェクター効果
は酸素含有ガス・粉体・燃料ガスの混合を高めるととも
に、粉体の吸引によって、ノズル詰まりを防止する効果
がある。このエジェクター効果を有効に用いるには、第
1酸素含有ガス流速は粉体流速より50m/sec以上高速
にすることが望ましい。
【0026】エジェクター効果をさらに高めるため、図
4のように第1噴射管と第2噴射管との配置関係とし
て、第2噴射管先端を絞ること、およびまたは第1噴射
管を第2噴射管先端より後退させてもよい。ただし、第
2噴射管先端を絞りすぎたり、第1噴射管の後退位置が
小さすぎると噴射管の有効断面積が小さくなり、粉体が
閉塞する恐れがある。一方、第1噴射管を後退させすぎ
ると、第2噴射管内での燃焼が起こり、フラッシュバッ
クをおこしたり、溶融物が管内に付着して閉塞を起こし
たりする恐れがある。
【0027】この第2噴射管の絞りと第1噴射管の後退
位置とは、噴射管の寸法、先端部の流体力学的形状、噴
射流体の流量・流速、粘性、ノズル材質、ノズル温度、
粉体・燃料ガスの着火性などとの相互関係により、閉塞
やフラッシュバックの発生限界があるが、第2噴射管の
絞りの許容最大径は第2噴射管の直管部の平均口径と同
一(絞りなし)で、許容最小径は第1噴射管平均口径と
同一であり、好ましくは第1噴射管平均口径の1.2倍
〜第2噴射管平均口径の0.9倍の範囲である。
【0028】また、第1噴射管を第2噴射管平均口径の
2.5倍の位置より後退させると、第2噴射管が高熱に
曝され変形・溶損の恐れがあったり、管内に堆積物が発
生するため、第2噴射管平均口径の2.0倍程度の後退
位置が限界であり、0倍〜1.5倍の間で使用するのが
好ましい。
【0029】本発明の一次燃焼のもう一つの方式は酸素
含有ガスと粉体とを予め混合しておくことである。この
方式は酸素含有ガスと粉体との混合の面では好都合であ
るが、後述の注意が必要である。
【0030】請求項2に係る4重管構造のノズルでは、
図2bまたは図2cのように第3噴射管の燃料ガスと最
外周第4噴射管の酸素含有ガスとで、火炎を形成させる
ことで、中心部の火炎と粉体のさらなる加熱を行うとと
もに最外周の酸素含有ガスの遮蔽効果によって火炎中に
外気が巻き込まれるのを防止している。
【0031】請求項3に係る3重管構造のノズルにおい
ては、第2噴射管の粉体中の金属粉およびまたは粉体キ
ャリアガス中の燃料分と、最外周の酸素含有ガスとの燃
焼によって中心部の火炎と粉体のさらなる加熱を行うと
ともに、最外周の酸素含有ガスの遮蔽効果によって火炎
中に外気が巻き込まれるのを防止している。
【0032】請求項4に係る3重管構造のノズルにおい
ては、図3のように第2噴射管の燃料ガスと最外周第3
噴射管の酸素含有ガスとの燃焼によって、中心部火炎と
粉体のさらなる加熱を行うとともに、最外周の酸素含有
ガスの遮蔽効果によって火炎中に外気が巻き込まれるの
を防止している。
【0033】最外周の第2酸素含有ガス噴射管が遮蔽効
果を発揮するためには、図4のように内部の噴射管は、
最外周噴射管先端より後退した位置に配設することが望
ましい。しかし、後退が大きすぎると、中心火炎からの
輻射で最外周噴射管の変形・溶融の恐れがあり、後退が
少なければ、外周火炎および第2酸素含有ガスによる遮
蔽効果が減少する。従って、内側の管(4重管では第3
噴射管、3重管では第2噴射管)の後退位置は最外周管
平均口径の0倍〜1.5倍で、好ましくは0.5倍〜
1.3倍の範囲である。
【0034】このように、本発明では中心部の粉体、燃
料ガスと第1酸素含有ガスとで形成される火炎を最外周
の第2酸素含有ガスと、それによって形成される火炎と
で包み込んでいるので、燃焼の中心部を外気の侵入から
防ぐことができ、火炎温度を高く保つことができる。
【0035】請求項7に係る発明においては、耐火物粉
体すなわち、SiO2 、Al23、MgO、ZrO2
CaOなどの粉体と、酸化して耐火物になる物質、すな
わちSi、Al、Mg、Zr、Cr、Mnなどの金属
粉、CaSi、CaC2、などのカルシウム化合物粉、
またはFe−Mn、Si−Mn、Fe−Si、Fe−C
rなどの合金粉(以下の説明では金属粉という)とを混
合して用いる。
【0036】請求項2と請求項3に係る方法では、酸素
含有ガスと金属粉との反応はノズル外で行われるため、
フラッシュバックの危険性は殆どない。このときの粉体
中の金属粉の含有率は10重量%以下では金属粉の酸化
発熱反応が不十分になるし、20%以上では溶射上の問
題はないが経済性の面での問題がある。
【0037】粉体のキャリアガスとしては窒素のような
不燃性ガスでもよいが、燃焼効率を高めるためには燃料
ガスを用いるのが好ましい。この燃料ガスに窒素等の不
燃性ガスを混合して発熱量の調整をしても良い。燃料ガ
スの種類については特に制約はなく、製鉄所のコークス
炉ガス、転炉ガス等でもよいし、都市ガス、プロパンガ
ス、ブタンガス等でもよい。このときのキャリアガスは
不燃性ガスまたは燃料ガスを主体とするが、不純物とし
て、または積極的に、酸素ガスを含んでもよい。ただ
し、酸素濃度は燃料ガスおよび金属粉に対する爆発限界
以下でなければならない。すなわち、不燃性キャリアガ
ス単独の場合は酸素は5%以下、燃料キャリアガスを含
む場合は酸素は2%以下であれば問題はない。
【0038】一方、請求項4に係る方法の場合、粉体の
キャリアガスとして第1酸素含有ガスそのものを用いる
が、粉体中の金属粉が酸素含有ガスと反応しないよう、
酸素濃度を下げるか、または金属粉の含有率を下げる
か、場合によっては金属粉を含有しないようにするなど
の措置を講じなければならない。たとえば、50%酸素
濃度富化空気の場合で、アルミニウム粉で7%、マグネ
シウム粉で5%、シリコン粉の場合では20%が金属粉
含有率の限界であり、純酸素を使う場合はアルミニウム
粉、マグネシウム粉は使うべきではなく、シリコン粉の
場合15%以下にすべきである。
【0039】本発明では基本的に粉体・燃料および酸素
含有ガスはノズル外混合のため、噴射直後の燃料・粉体
と酸素含有ガスの混合性は悪く、下流に向かうほど混合
性が上がる。ただし、下流に向かうほど外気の巻き込み
が増えるとともに、溶融粉体の運動量が失われるので、
溶射耐火物の付着効率は悪くなり最適な溶射距離が存在
する。図5のように、この最適溶射距離Lは第2噴射管
口径D2との対比値L/D2として、L/D2=3.3で
最高となり2〜8の範囲で有効な溶射補修が実施でき
る。
【0040】図6のように、壁面との距離はノズルと壁
面との角度が90〜45度の範囲であれば、実用上問題
のない付着率を得ることができる。
【0041】図1〜図3は本発明のノズルの1例を示す
概略図である。図1aは請求項2に対応するノズル構造
を示す。図1bは図1aの一つの実施態様を示すもの
で、中心の第1噴射管に第1酸素含有ガス、第2噴射管
に粉体、第3噴射管に燃料ガス、第4噴射管に第2酸素
含有ガスを供給するものである。図1cは図1aの他の
実施態様を示すもので、第1噴射管に粉体、第2噴射管
に第1酸素含有ガス、第3噴射管に燃料ガス、第4噴射
管に第2酸素含有ガスを供給するものである。
【0042】図2aは請求項3に対応するノズル構造を
示す。図2bは図2aの一つの実施態様を示すもので、
中心の第1噴射管に第1酸素含有ガス、第2噴射管に粉
体、第3噴射管に第2酸素含有ガスを供給するものであ
る。図2cは図2aの他の実施態様を示すもので、第1
噴射管に第1酸素含有ガス、第2噴射管に粉体および燃
料ガスを含むキャリアガス、第3噴射管に第2酸素含有
ガスを供給するものである。
【0043】図3は請求項4に対応するノズル構造およ
び実施態様を示す。中心の第1噴射管に第1酸素含有ガ
スおよび粉体、第2噴射管に燃料ガス、第3噴射管に第
2酸素含有ガスを供給するものである。
【0044】図4は請求項9に対応するもので、最外周
管とその内側管の位置関係、および第2噴射管の先端の
絞り、第1噴射管の後退の態様を示す。この絞りと後退
は、噴射管の寸法、先端部の流体力学的形状、噴射流体
の流量・流速、粘性、ノズル材質、ノズル温度、粉体・
燃料ガスの着火性などとの相互関係から決まるものであ
るが、ある程度試行錯誤的に決めなければならないもの
である。
【0045】図7には図2aのノズル先端部に角度を付
けた場合の形態を示すが、このような形態をとっても、
単純な構造のためノズルヘッド部分の重量は小さく、小
型にできるので作業性がよいという特長がある。
【0046】
【実施例】本発明の試験例を以下に説明する。
【0047】(実施例1)図1bの4重管構成のノズル
で、試験した結果を表1に示す。供試粉体の条件および
溶射条件は下記のとおりである。
【0048】溶射材としてSiO2 、とSi粉との混
合粉を用いた。
【0049】SiO2の粒度構成としてX、Y、Zの
3水準用意した。それぞれの粒度構成は X(粗粉):粒径DP<0.2mm を20w%、粒径0.2mm≦DP
<1.5mm を80w% Y(中粉):粒径DP<0.2mm を50w%、粒径0.2mm≦DP
<1.5mm を50w% Z(細粉):粒径DP<0.2mm を80w%、粒径0.2mm≦DP
<1.5mm を20w% である。
【0050】Si粉粒度は、粒径0.01mm<DP<0.05m
mが100w% のものを用いた。
【0051】酸素含有ガスとして純酸素、燃料ガスと
してLPGを用いた。
【0052】壁面に直角方向からの溶射を行った。
【0053】試験の結果に対しての評価は、気孔率が小
さいほど緻密な溶射結果が得られるので、気孔率10%
以下であれば合格「○」、それ以外は不合格「×」とし
て判定した。さらに、フラッシュバック、閉塞などの作
業性の面でも問題のあるものを「△」〜「×」とした。
【0054】試験No.1〜3、およびNo.5、6は
付着率が92%以上、気孔率は10%以下であり、合格
である。No.4は気孔率が12%で不合格である。こ
の原因はSi粉含有率が少なく、Si反応熱が不十分で
あったためSiO2が十分溶解せず付着率が低下すると
ともに、粒子間の隙間が多くなり、気孔率が高くなった
からである。試験No.2とNo.5、6の比較では、
SiO2の粒度の影響はあまり見られないので、溶融の
条件はもっぱら金属粉の含有率(言い替えれば火炎の温
度もしくは熱量)に依存するものと考えられる。
【0055】
【表1】
【0056】おなじ図1bの4重管ノズルを用いて、試
験No.7〜No.12では壁面までの距離を変えて試
験を行い、結果を表2に示す。壁面まで近すぎても燃焼
混合が不足し、遠すぎては拡散過多、外気巻き込みとな
り、いずれも気孔率が悪化する事がわかった。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例2)図1cの4重管構成のノズル
で試験した結果を表3に示す。供試粉体の粒度構成は前
記実施例1のXと同じである。
【0059】試験No.16に見られるように、粉体中
のSi金属粉含有率が5%まで小さくなると気孔率が悪
化して不合格となった。また、試験No.17〜20を
見ると、壁面との距離が近すぎても、遠すぎても気孔率
が悪化することがわかった。
【0060】
【表3】
【0061】(実施例3)図2cの3重管形式のノズル
で試験した結果を表4に示す。供試粉体の条件は前記実
施例の3水準の粒度で試験を行った。
【0062】ここでも試験No.24において気孔率が
悪化しているが、Si金属粉含有率が低く、発熱量が不
十分なためである。
【0063】
【表4】
【0064】図2cの3重管形式のノズルで試験した結
果を表5に示す。試験No.27〜30に示すように溶
射距離については3重管タイプについても前記4重管と
同様、壁面まで近すぎても、遠すぎても気孔率が悪化す
る事がわかる。
【0065】試験No.31、32では粉体、第1酸
素、第2酸素の供給量を増やしてみた。付着量、気孔率
とも問題はなかったが、ノズルの赤熱・耐火物堆積ない
し閉塞傾向がみられた。
【0066】
【表5】
【0067】(実施例4)図3の3重管形式のノズルで
試験した結果を表6に示す。供試粉体の粒度条件は前記
実施例のXの粒度水準で試験を行った。
【0068】試験No.33では溶射開始直後は良好な
気孔率が得られたが、ノズル先端が赤熱するとともに、
フラシュッバックが発生し、試験続行不能になった。S
i金属粉含有率が高いためと思われる。試験No.35
ではSi金属粉が少ないにもかかわらず、かろうじて気
孔率、付着率は合格である。第1酸素と予混合された状
態でノズル先端で燃焼するため、溶融効率がよいことに
起因する。
【0069】
【表6】
【0070】同じ図3の3重管形式のノズルを用いて、
試験No.37〜No.40では壁面までの距離を変え
て試験を行い、結果を表7に示す。前記の試験と同様、
距離が近すぎても、遠すぎても気孔率の悪化がみられ
る。
【0071】
【表7】
【0072】以上のように、実施例1〜実施例4に見ら
れる如く、付着率と気孔率とはおおむね相関関係があり
気孔率を管理するかわりに、付着率で管理する可能性を
示唆している。
【0073】(実施例5) 図5に距離係数:溶射距離L/第2噴射管口径D2と付
着率との関係をしめす。ノズル構成は図2cと同じであ
る。このタイプではL/D2が3.3倍の所で付着量の
ピークが見られた。
【0074】このL/D2=3.3の距離において、さ
らに溶射角度を種々変化させたところ、図6が得られ
た。付着量が低下すると気孔率も悪化する。従って、付
着率70%が限界と考えられるので、溶射角度は90度
〜45度の範囲で管理しなければならないことがわかっ
た。また、図6により、溶射角度90度なら距離係数L
/D2を1.5まで小さくできるが、溶射角度を考慮す
ると、距離の下限はL/D2≧2とすべきである。
【0075】本実施例の中で、付着率70%以上のもの
は、全て付着強度が300kg/cm2以上であり、強度の高
い溶射層を得ることができた。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、3重管以上の多重管構
造という製作容易な構造で、高効率の溶射ノズルを得る
ことができた。また、ノズル先端部はコンパクトで、軽
量化されているので、先端を曲げる構造をとりやすく、
作業性がよいので、狭い空間内でも溶射が行えるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す溶射ノズルの概略図(4重
管構造)と実施態様例である
【図2】本発明の一例を示す溶射ノズルの概略図(第2
噴射管に粉体を投入する3重管構造)と実施態様例であ
【図3】本発明の一例を示す溶射ノズルの概略図(第1
噴射管に第1酸素含有ガスと粉体を投入する3重管構
造)である
【図4】最外周の噴射管に対する内側管の後退と、第2
噴射管の先端の絞り、および第1噴射管の先端を後退さ
せた実施態様の例である。
【図5】溶射距離と付着率の関係図である。
【図6】溶射角度と付着率の関係図である
【図7】本発明のノズルの先端を曲げた実施態様例であ
る。
【符号の説明】
1・・・第1噴射管 2・・・第2噴射管 3・・・第3噴射管 4・・・第4噴射管 11・・・第1供給口 12・・・第2供給口 13・・・第3供給口 14・・・第4供給口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3重以上の噴射管をもつ多重管構造のノズ
    ルを用い、酸素含有ガス、燃料ガスおよび耐火物粉体を
    噴射して溶射を行うに際し、中心の第1噴射管またはそ
    の外側の第2噴射管と、最外周の噴射管に酸素含有ガス
    を流すことを特徴とする耐火物の溶射方法。
  2. 【請求項2】前記多重管ノズルは第1噴射管から第4噴
    射管までの4重管構造であり、中心の第1噴射管に酸素
    含有ガスと溶射用粉体のうちの一方を流し、第2噴射管
    に酸素含有ガスと溶射用粉体のうちの他方を流し、第3
    噴射管に燃料ガスを流し、最外周の第4噴射管に酸素含
    有ガスを流すことを特徴とする請求項1に記載の耐火物
    の溶射方法。
  3. 【請求項3】前記多重管ノズルは第1噴射管から第3噴
    射管までの3重管構造であり、中心の第1噴射管に酸素
    含有ガスを流し、第2噴射管に溶射用粉体を流し、最外
    周の第3噴射管に酸素含有ガスを流すことを特徴とする
    請求項1に記載の耐火物の溶射方法。
  4. 【請求項4】前記多重管ノズルは第1噴射管から第3噴
    射管までの3重管構造であり、中心の第1噴射管に酸素
    含有ガスと溶射用粉体との混合物を流し、第2噴射管に
    燃料ガスを流し、最外周の第3噴射管に酸素含有ガスを
    流すことを特徴とする請求項1に記載の耐火物の溶射方
    法。
  5. 【請求項5】前記溶射用粉体をキャリアガスで輸送する
    ものとし、このキャリアガスを、不燃性ガスと燃料ガス
    のいずれか一方を主体としたガス、または不燃性ガスと
    燃料ガスとの混合ガスを主体としたガスとすることを特
    徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記
    載の耐火物の溶射方法。
  6. 【請求項6】ノズル先端から炉壁までの距離を、第2噴
    射管平均口径の2〜8倍とすることを特徴とする請求項
    1から請求項5までのいずれか1項に記載の耐火物の溶
    射方法。
  7. 【請求項7】前記溶射用粉体は、耐火物粉体、または耐
    火物粉体と酸化して耐火物になる物質の粉体とを混合し
    た粉体であることを特徴とする請求項1から請求項6ま
    でのいずれか1項に記載の耐火物の溶射方法。
  8. 【請求項8】中心の第1噴射管またはその外側の第2噴
    射管に流す酸素含有ガスの噴射速度が溶射用粉体の噴射
    速度より50m/sec 以上大きいことを特徴とする請求
    項1から請求項3まで、および請求項5から請求項7ま
    でのいずれか1項に記載の耐火物の溶射方法。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8までに記載の方法を
    実施するノズルにおいて、下記からまでの1項以上
    を特徴とする耐火物溶射ノズル。 最外周の噴射管のすぐ内側の噴射管の先端位置が、最
    外周の噴射管の先端より最外周噴射管の平均口径の0倍
    〜1.5倍後退して配設されていること。 第2噴射管先端は先細に絞られ、その噴射管平均口径
    は第1噴射管平均口径より大きく第2噴射管の平均口径
    よりも小さいこと。 第1噴射管の先端位置が、第2噴射管の先端より第2
    噴射管の平均口径の0倍〜2倍後退して配設されている
    こと。
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