JP2004108656A - 廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法 - Google Patents

廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法 Download PDF

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Hiroshi Igarashi
五十嵐 弘
Hiroyuki Nakabayashi
中林 宏行
Tomonobu Abe
阿部 智信
Shinichi Miyake
三宅 新一
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Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
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Abstract

【課題】アーク炉に代表される冷鉄源の溶解装置において、より多くの廃プラスチックを効率的に利用することができる廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法を提供する。
【解決手段】中心に設けられた廃プラスチック粒を供給するための粉体供給管3と、粉体供給管3の周囲に設けられ、支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管4とを有する多重管構造であって、粉体供給管3と支燃性ガス供給管4とによって形成された空間が支燃性ガス流路12をなし、支燃性ガス供給管4に設けられたテーパ部4aには、燃料流体流路13から支燃性ガス供給管4に燃料を導く燃料流体噴出部8が設けられ、粉体供給管3は中心軸方向に進退自在となっている廃プラスチックバーナ・ランス1。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーク炉に代表される冷鉄源の溶解装置において、廃プラスチックを大量に、かつ効率的に使用して電力使用量を低減させる廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、多くのプラスチックが廃棄されており、この有効利用が強く望まれている。廃プラスチックの多くは、高い発熱量を有しており、エネルギー源として極めて価値の高いものである。このような観点から、廃プラスチックをエネルギー源として利用するために、様々な技術開発が行われている。
近年、アーク炉に代表される冷鉄源溶解装置において、廃プラスチックをエネルギー源として有効利用して、電力使用量を低減させる手法が種々検討されている。
【0003】
従来、廃プラスチックの破砕コストを極力抑制するために、数mm〜十数mm程度の粒径の廃プラスチックを燃焼させるバーナが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1では、比較的粒径の大きい廃プラスチックを効率的に燃焼させるために、廃プラスチックの噴出口にコーン状の部材を配置したり、燃料燃焼用酸素を中心軸方向に噴出させたり、パイロットバーナを設置する方法などが提案されている。
また、特許文献2では、燃料と酸素を燃焼させた火炎とカッティング用酸素流れとの間に廃プラスチックを噴出させ、燃焼させる方法が提案されている。
【0004】
上記特許文献1および2に開示されている方法では、特に冷鉄源の溶解初期段階(溶解期)において、廃プラスチックがバーナ前方に存在する冷鉄源に跳ね返されて、エネルギー源として利用されずにアーク炉外へ排出されないようにするために、廃プラスチックを燃焼させるための燃焼空間を燃焼筒により確保し、この燃焼筒内で廃プラスチックを効率的に燃焼させるための工夫がなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−116225号公報
【特許文献2】
特開2001−132911号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されている方法では、廃プラスチックの流れを、廃プラスチック流路の周囲から発せられる火炎の方向へ矯正する矯正部材が、廃プラスチック流路の噴出口付近に設けられている。しかしながら、この方法では、矯正部材により廃プラスチックの流れに抵抗が生じたり、矯正部材の磨耗によって適切な流れが維持できないなど、安定した廃プラスチックの搬送が困難になる問題があった。
また、バーナの燃料噴出口の周囲に設けられた酸素噴出口をバーナ中心軸方向に傾斜させて、酸素を噴出する方法では、バーナの中心部から供給される廃プラスチックは、バーナから噴出された後に燃料流に包み込まれ、火炎により加熱されるものの、廃プラスチック周囲の雰囲気は酸素不足の状態であり、廃プラスチックの燃焼効率が低くなるという問題があった。
さらに、バーナの中心部にパイロットバーナを設けた方法では、バーナの構造が極めて複雑となり、メンテナンス性に問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に開示されている方法では、軽量の廃プラスチックを、バーナから発せられる火炎に貫通させて、火炎とその中心部を流れるカッティング酸素によって形成される空間に吹き込むためには、廃プラスチックを搬送気体により、ある程度高速に噴出する必要がある。この方法では、廃プラスチック流により火炎が大きく乱れた場合、水冷の燃焼筒内にエネルギー源として利用されなかった廃プラスチックが付着する。また、例え、火炎を乱すことなく、廃プラスチックを火炎とカッティング酸素によって形成される空間に吹き込むことができたとしても、カッティング酸素は極めて高速で噴出されるため、廃プラスチックがこの高速の酸素流に乗って、極めて短時間で燃焼筒外へ排出されてしまい、廃プラスチックを効率的に燃焼することができないという問題があった。
【0008】
さらに、上述の従来技術は、主として冷鉄源の溶解初期段階、つまり固体原料を溶解する段階での廃プラスチックの利用方法であり、より大量の廃プラスチックを使用するためには、溶落ち以降、すなわち固体原料が液体状態(溶鋼)になってからも効率的に使用する方法が求められている。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、アーク炉に代表される冷鉄源の溶解装置において、より多くの廃プラスチックを効率的に利用することができる廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、中心に設けられた廃プラスチック粒を供給するための中心軸方向に進退自在な粉体供給管と、該粉体供給管の周囲に設けられ、支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管とを有する多重管構造の廃プラスチックバーナ・ランスによって解決できる。
さらに詳しくは、支燃性ガス供給管は中細ノズルであり、該中細ノズルは、細径部より、先端方向に向けて徐々に内径が大きくなるように形成されたテーパ部を有する。また、支燃性ガス供給管の内側に設けられた粉体供給管は、先端方向に向けて徐々に外径が小さくなるように形成されたテーパ部を有する。
ここで、支燃性ガス供給管のテーパ部には、支燃性ガス供給管に燃料を導く燃料流体噴出部が設けられている。
支燃性ガス供給管と粉体供給管とによって形成される環状の支燃性ガス流路には、支燃性ガス供給管のスロート部よりも基端側において、支燃性ガスの流れを旋回流とする機構が設けられたことが好ましく、該機構は、回転羽根であることが好ましい。
前記課題は、上述の廃プラスチックバーナ・ランスを用いた冷鉄源の溶解方法において、主に固体原料を溶解する溶解期に、粉体供給管の先端をスロート部の基端よりも後方に配置して廃プラスチックを燃焼させ、固体原料が溶鋼となった以降に、粉体供給管の先端を細径部の先端より前方に配置して廃プラスチックを高速で溶鋼中へ吹き込む冷鉄源の溶解方法によって解決できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の廃プラスチックバーナ・ランスの第1の実施形態の要部を示す概略断面図である。
ここで、本発明で用いる用語「ランス」とは、液体中に粉体を、気体や液体などの流体とともに吹き込む装置のことである。
この実施形態の廃プラスチックバーナ・ランス1は、溶融金属などの液体中に廃プラスチックを供給し、さらに廃プラスチックを燃焼させるための火炎を発するノズル2を備えている。
ノズル2は、廃プラスチックの粉体を空気などの搬送流体とともに供給する粉体供給管3と、粉体供給管3の周囲に設けられ、廃プラスチックの燃焼を促進する支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管4とによって概略構成されており、支燃性ガス供給管4と最外周に設けられた管状の水冷ジャケット6によって、燃料流体流路13を形成している。
【0012】
粉体供給管3は、予め粉砕された廃プラスチックの粉体と、粉体搬送用の搬送流体とを含む混合体を、内部に流通させることができるようになっている。また、粉体供給管3は、その中心軸方向に進退自在となっている(図1に、粉体供給管3の前進位置を示す。図2に、粉体供給管3の後退位置を示す。)。
粉体供給管3の先端部の外周面には、粉体供給管3の外径が先端方向に向けて徐々に小さくなるように、粉体供給管テーパ部3aが形成されている。
粉体供給管3の中心軸方向に対する粉体供給管テーパ部3aの傾斜角度θは、3°≦θ≦10°となるように設定するのが好ましい。
なお、図1に例示した粉体供給管3の内径は、圧力損失が少なく粉体を安定に供給可能であれば、内径寸法dは特に限定されない。
【0013】
支燃性ガス供給管4は、酸素などの支燃性ガスを、粉体供給管3と支燃性ガス供給管4の隙間の環状中細ノズル(粉体供給管3の外面と支燃性ガス供給管4の内面との間であって、以下、「支燃性ガス流路12」と称する。)に流通させることができるようになっている。
支燃性ガス供給管4の先端部の内周には、細径部より先端側に、支燃性ガス供給管テーパ部4aが形成されている。支燃性ガス供給管テーパ部4aは、支燃性ガス供給管4の内径が先端方向に向けて徐々に大きくなるように形成されている。
粉体供給管3に形成された粉体供給管テーパ部3aと、支燃性ガス供給管4に形成された支燃性ガス供給管テーパ部4aによって、支燃性ガス流路12は、粉体供給管3および支燃性ガス供給管4の先端方向に向けて徐々に広くなっている。
支燃性ガス供給管4の中心軸方向に対する支燃性ガス供給管テーパ部4aの傾斜角度θは、3°≦θ≦10°となるように設定するのが好ましい。
【0014】
中心軸に対する粉体供給管テーパ部3aの傾斜角度θ、ならびに支燃性ガス供給管テーパ部4aの傾斜角度θを、上記範囲とすることによって、支燃性ガス流路12内で、支燃性ガスを適度に膨張させ、高速の支燃性ガス流(超音速流)を得ることができる。
このため、高速の支燃性ガスにより廃プラスチックの粉体を加速することができるので、廃プラスチックの粉体の流速を一層高めることができる。
傾斜角度θ、θが上記範囲未満であると、支燃性ガスの膨張が不十分となるため、支燃性ガスの速度が低くなり、廃プラスチックの粉体の流速が不十分となる。また、傾斜角度θ、θが上記範囲を超えると、支燃性ガス流路12から噴出される支燃性ガスが過度に膨張するため、ノズル2の出口で支燃性ガスの速度が低くなり、廃プラスチック粉体の流速が不十分となる。
また、傾斜角度θは、傾斜角度θにほぼ等しくなるように設定するのが好ましく、傾斜角度θと傾斜角度θとの差は、1°以下であることが好ましい。この差がこの範囲を超えると、支燃性ガスの流れに乱れが生じ、廃プラスチックの粉体の流速が不十分となる。
なお、支燃性ガスが過膨張になるような大きさにすれば、後述の燃料流体噴出部8へ支燃性ガスが逆流し、逆火を引き起こすなどの危険を回避することもできる。
支燃性ガスを過膨張にするためには、環状中細ノズルの各種寸法を以下のように設定するのが好ましい。
一般的に、超音速を噴出するラバーノズルのスロート部断面積AL1および出口断面積AL2は、以下に示す式(1)により算出される。
【0015】
【数1】
Figure 2004108656
【0016】
本発明の廃プラスチックバーナ・ランスにおいては、図1に示すdとdの間に形成される環状スロート部断面積Aを、上記AL1と等しくなるようにし、さらにdとdとの間に形成される出口断面積Aとの比率(A/A)を、上記AL2/AL1よりも大きくすることを特徴とする。
【0017】
支燃性ガス供給管テーパ部4aの基端側には、この支燃性ガス供給管テーパ部4aに隣接して、細径部4bが形成されている。細径部4bの内径は、テーパ部4aの最小内径とほぼ同じか、やや小さくなるように形成するのが好ましい。細径部4bの基端側には、この細径部4bよりも内径が大きい太径部4cが形成されている。
このため、細径部4bにおける支燃性ガス流路12(以下、「スロート部7」と称する)は、支燃性ガス供給管4の他の部分(支燃性ガス供給管テーパ部4a、太径部4c)における支燃性ガス流路12に比べて狭くなっている。
【0018】
支燃性ガス供給管テーパ部4aには、支燃性ガス供給管4と水冷ジャケット6によって形成された空間(以下、「燃料流体流路13」と称する)から支燃性ガス供給管4の内部に燃料を導く燃料流体噴出部8が設けられている。
燃料流体噴出部8は、粉体供給管3から噴出される廃プラスチックの粉体流の周囲に、燃料流体を噴出させることができるように構成するのが好ましい。
燃料流体を廃プラスチックの粉体流の周囲に噴出させるために、燃料流体噴出部8を、支燃性ガス供給管4の周方向にわたって連続的なスリット状に形成し、燃料流体が廃プラスチックの粉体流を囲むように噴出できるようにする構成を採用することもできる。また、燃料流体を廃プラスチックの粉体流の周囲に噴出させるようにするため、燃料流体噴出部8を、支燃性ガス供給管4の周方向にわたって断続的に形成した孔部としてもよい。
【0019】
燃料流体噴出部8は、支燃性ガス供給管4の外側から内側に向けて先端方向に傾斜して形成されており、支燃性ガス供給管4の中心軸方向に対する燃料流体噴出部8の傾斜角度(支燃性ガス供給管4の中心軸に対する燃料流体噴出部8の中心軸の傾斜角度)θは、5〜90°の範囲であることが好ましい。
この上記範囲を超えると、燃料流体噴出部8から噴出される燃料流体が支燃性ガス流路12を流れる支燃性ガス流を妨げ、支燃性ガスの速度を低下させるため、粉体供給管3から噴出される廃プラスチックの粉体の噴出速度が不十分となる。また、傾斜角度θが上記範囲よりも小さい場合には失火してしまう。
いずれにせよ、傾斜角度θが上記範囲以外では安定な燃焼を行うことができない。
【0020】
燃料流体流路13は、液化天然ガス(LNG)などのガス燃料流体あるいは重油などの液体燃料流体を、流通させることができるようになっている。
水冷ジャケット6の先端と支燃性ガス供給管4の先端は、これらの間を閉止する閉止壁部9が設けられており、燃料流体の全量が、燃料流体流路13から燃料流体噴出部8を通して噴出することができるようになっている。
また、閉止壁部9には、閉止壁部9の内壁面の先端部をなす内径が一定の直胴部9aが形成されており、直胴部9aには、周方向にわたって連続的なスリット状の溝14が形成されていることが好ましい。この溝14を形成することにより、支燃性ガス供給管4から超音速で噴出される支燃性ガス流によって、支燃性ガスの周囲に形成された環状の火炎を保炎でき、粉体供給管3から噴出される廃プラスチックの粉体を安定に着火、燃焼することができる。
【0021】
水冷ジャケット6は、その内部に冷却水を流通させることができるようになっており、この冷却水の流通によって、ノズル2の内部温度を調節することができるようになっている。
【0022】
次に、上記ノズル2を備えた廃プラスチックバーナ・ランス1の使用方法について説明する。
廃プラスチックバーナ・ランス1は、粉体供給管3がその中心軸方向に進退自在となっており、廃プラスチックの粉体を高速でアーク炉内などに吹き込む場合は、図1に示すように、粉体供給管3の先端(噴出口)を支燃性ガス供給管テーパ部4aの先端とほぼ一致するように配置する(以下、「ランスモード」と称する)。
一方、廃プラスチックを高効率で燃焼させる場合は、図2に示すように、粉体供給管3の先端(噴出口)を、スロート部7の基端4dよりも後方に配置する(以下、「バーナモード」と称する)。
【0023】
ランスモードでは、粉体供給管3の先端(噴出口)を支燃性ガス供給管テーパ部4aの先端付近まで前方へ出し、廃プラスチックの粉体と搬送流体とを含む混合体を粉体供給管3内に供給し、先端側から噴出させる。搬送流体としては、空気、酸素、酸素富化空気などを用いることができる。
同時に、支燃性ガスを、支燃性ガス流路12に供給し、先端側から噴出させる。支燃性ガスとしては、酸素を含むもの(空気、酸素、酸素富化空気)が用いられる。
上述のように、粉体供給管3の先端部の外周および支燃性ガス供給管4の内周には、それぞれ粉体供給管テーパ部3a、支燃性ガス供給管テーパ部4aが形成されているため、支燃性ガス流路12は、先端方向に向けて徐々に広くなっている。このため、支燃性ガス流路12で、支燃性ガスを適度に膨張させ、高速で流れる支燃性ガスを得ることができる。
よって、高速で流れる支燃性ガスにより廃プラスチックの粉体を加速することができるため、廃プラスチックの粉体の流速をさらに高めることができる。
また、同時に、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)などのガス燃料、あるいは重油などの液体燃料を、燃料流体流路13に供給し、燃料流体噴出部8を通して支燃性ガス供給管4内に噴出させ、燃焼させる。
これによって、廃プラスチックの粉体流の周囲に流れる支燃性ガス流の減速を抑制し、この支燃性ガス流によって搬送される廃プラスチックの粉体の流速をさらに高めることができる。さらには、廃プラスチックの粉体がノズル2の径方向に拡散するのを防ぐことができる。したがって、廃プラスチックの粉体を効率良く溶融金属などに吹き込むことが可能となる。
このように、ランスモードでは、廃プラスチックの粉体流の周囲に火炎を形成しながら超音速の支燃性ガスを噴出させることで、廃プラスチックの粉体は、高速で流れる支燃性ガス流により高速化され、比重の小さい軽量な廃プラスチックの粉体も比重の大きい溶融金属へ効率良く吹き込むことが可能になる。
【0024】
一方、バーナモードでは、粉体供給管3の先端(噴出口)をスロート部7の基端4dよりも後方に下げて、ランスモードと同様に、廃プラスチックの粉体、支燃性ガスおよび燃料流体を供給する。
粉体供給管3の先端(噴出口)をスロート部7の基端4dよりも後方に下げることにより、ランスモードとは異なり、スロート部7の断面積が大きくなるために、支燃性ガスが圧縮されてその後加速することはなく、支燃性ガス流を遅くすることができる。これにより、支燃性ガス周囲に形成された環状の火炎中に、低流速で廃プラスチックの粉体を吹き込むことができるため、廃プラスチックの粉体が火炎により加熱される時間が長くなり、さらに廃プラスチックの粉体の周囲は、支燃性ガス雰囲気のため、廃プラスチックの粉体が極めて安定に着火、燃焼しやすくなる。
【0025】
図3は、本発明の廃プラスチックバーナ・ランスの第2の実施形態の要部を示す概略断面図である。
この実施形態の廃プラスチックバーナ・ランスが、上述の第1の実施形態と異なる点は、スロート部7よりも基端側の支燃性ガス流路12に、ここを流れる支燃性ガス流を旋回流とする機構(以下、「旋回機構15」と称する)が設けられている点である。この旋回機構15としては、例えば、旋回羽根を用いることができる。
支燃性ガス流を旋回流とすることにより、ノズル2の出口で支燃性ガスの循環流に廃プラスチックの粉体をのせることができるので、火炎中における廃プラスチックの粉体の滞留時間を大幅に延ばすことができ、より高効率で廃プラスチックの粉体を燃焼させることができる。
この旋回流の特性、すなわち旋回強度は、一般的に、以下に示す式(2)により定義されるスワール数で表され、この値が大なるほど強旋回流となる。
【0026】
【数2】
Figure 2004108656
【0027】
本発明では、このスワール数を0.3〜5.0、好ましくは0.5〜3.0の範囲とすることを特徴とする。
スワール数が0.3より小さい場合は、廃プラスチック粉体の火炎中での滞留時間が短くなり、5.0より大きい場合には、支燃性ガスの旋回強度が極めて大きいことから、支燃性ガスの周囲から供給される燃料との混合が促進され形成される火炎の長さが大幅に短くなり、結果として廃プラスチック粉体の火炎中での滞留時間が短くなる。したがって、上記範囲外では廃プラスチック粉体の燃焼率が大幅に低下する。
なお、粉体供給管3の先端(噴出口)を支燃性ガス供給管テーパ部4aの先端まで出した場合、スロート部7における支燃性ガスに対する抵抗が大きいために、支燃性ガス流は旋回流とならない。従って、ランスモードでの粉体加速機構に障害を生ずることは無い。
【0028】
次に、本発明の冷鉄源の溶解方法の一例について説明する。
図4は、本発明の冷鉄源の溶解方法の一例を説明する図であり、図4(a)はアーク炉に本発明の廃プラスチックバーナ・ランスを設置した状態を示す概略構成図、図4(b)は冷鉄源を溶解する溶解期におけるバーナモードの状態を示す概略構成図、図4(c)は冷鉄源が液体状態(溶鋼)となった、溶落ち以降におけるランスモードの状態を示す概略構成図である。
図4(a)に示すように、上記廃プラスチックバーナ・ランス1を、アーク炉20のコールドスポット部あるいはコールドスポット部に近い状態の箇所に複数本設置する。
アーク炉20を用いた、冷鉄源などの固体原料の溶解では、電極21からのアーク放電によって、固体原料を溶解している。
図4(b)に示すように、冷鉄源などの固体原料を溶解する溶解期には、粉体供給管3の先端(噴出口)をスロート部7の基端4dよりも後方に下げ(バーナモード)、燃料流体、廃プラスチックの粉体および支燃性ガスを、同時にノズル内に供給して、支燃性ガス流の周囲に火炎を形成させて、その火炎で固体原料25を加熱、溶解しながら、供給した廃プラスチックを燃焼させ、そのエネルギーを固体原料25に着熱させる。支燃性ガスの供給量は、少なくとも、燃料流体と廃プラスチックの粉体を完全燃焼させる量とすることが好ましい。
また、アーク炉内へ固体原料を投入した直後、廃プラスチックの粉体の燃焼空間をある程度確保するために、製鋼用廃プラスチックバーナ・ランス1のランスモードにおいても、廃プラスチックの粉体を供給せずに、火炎と超音速で流れる支燃性ガスにより固体原料の加熱、溶断を行い、その後、廃プラスチックの粉体を供給して、これを燃焼させることが好ましい。
図4(c)に示すように、固体原料の溶落ち以降には、粉体供給管3の先端(噴出口)を支燃性ガス供給管テーパ部4aまで先端側へ出し(ランスモード)、さらに燃料流体の流量をバーナモードよりも下げ、廃プラスチックの粉体を高速で流れる支燃性ガス流にのせて溶融金属26内へ吹き込み、溶融金属26またはその上部で形成されるスラグ27の熱により、廃プラスチックの粉体をガス化させる。さらに超音速で噴出させた支燃性ガスの酸素により、廃プラスチックの粉体をスラグ27中で燃焼させて効率的に溶鋼を加熱することができる。
【0029】
【実施例】
(実施例)
図3に示す構成のノズル2を有する廃プラスチックバーナ・ランス1を作製した。
装置仕様を表1に示す。表中、ノズル広がり角とは、粉体供給管テーパ部3a、支燃性ガス供給管テーパ部4aの傾斜角度θ、θを意味する。
【0030】
【表1】
Figure 2004108656
【0031】
キャリアガスとは搬送気体を示す。
また、表1中、燃料噴出口とは燃料噴出部を示し、廃プラスチック供給管とは上述の粉体供給管を示す。
この廃プラスチックバーナ・ランスをアーク炉に適用した実施例を表2に示す。アーク炉は、1バッチあたりの溶鋼量が80tの溶解規模であり、このアーク炉に対して、9本の廃プラスチックバーナ・ランスを設置した。
比較例として、廃プラスチックバーナ・ランスを設置していないアーク炉の例を表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 2004108656
【0033】
表2中、重油原単位とは、溶解に使用した重油量を生成した溶鋼量で除した値であり、炭材原単位とは、溶解に使用した炭材量を生成した溶鋼量で除した値を示す。
表2の結果から、実施例では、溶鋼量1トンに対し廃プラスチックを30kg以上利用することができ、また廃プラスチックのエネルギーを高い効率で利用することによりアーク炉の電力使用量を大幅に削減することができた。さらに、固体原料の溶解に要する時間も短縮することができ、生産性が向上した。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、廃プラスチックを大量に使用することができ、また廃プラスチックのエネルギーを高い効率で利用することによりアーク炉の電力使用量を大幅に削減することができる。その結果、固体原料の溶解に要する時間も短縮することができ、生産性を向上することができる。
また、固体原料が溶鋼となった以降も廃プラスチックバーナ・ランスを使用することにより、溶鋼あるいはスラグの付着による廃プラスチックバーナ・ランスのノズルが閉塞することも無くなり、メンテナンス性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃プラスチックバーナ・ランスの第1の実施形態の要部を示す概略構成図である。
【図2】本発明の廃プラスチックバーナ・ランスの第1の実施形態の要部を示す概略構成図である。
【図3】本発明の廃プラスチックバーナ・ランスの第2の実施形態の要部を示す概略構成図である。
【図4】本発明の冷鉄源の溶解方法の一例を説明する図であり、図4(a)はアーク炉に本発明の廃プラスチックバーナ・ランスを設置した状態を示す概略構成図、図4(b)は冷鉄源を溶解する溶解期におけるバーナモードの状態を示す概略構成図、図4(c)は冷鉄源の溶落ち以降におけるランスモードの状態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・廃プラスチックバーナ・ランス、2・・・ノズル、3・・・粉体供給管、3a・・・粉体供給管テーパ部、4・・・支燃性ガス供給管、4a・・・支燃性ガス供給管テーパ部、6・・・水冷ジャケット、7・・・スロート部、8・・・燃料噴出部、9・・・閉止壁部、12・・・支燃性ガス流路、13・・・燃料流体流路、14・・・溝、15・・・旋回機構、20・・・アーク炉、21・・・電極、25・・・固体原料、26・・・溶融金属、27・・・スラグ

Claims (3)

  1. 中心に設けられた廃プラスチック粒を供給するための粉体供給管と、該粉体供給管の周囲に設けられ、支燃性ガスを供給する支燃性ガス供給管とを有する多重管構造の廃プラスチックバーナ・ランスであって、
    前記粉体供給管と前記支燃性ガス供給管で形成される空間が環状中細ノズルをなし、該環状中細ノズルは、先端方向に向けて徐々に内径が広くなるように形成されたテーパ部と、該テーパ部より基端側に、テーパ部の最小内径と同じかまたはテーパ部の最小内径より内径の小さいスロート部とを備え、前記テーパ部には前記支燃性ガス供給管に燃料を導く燃料流体噴出部が設けられ、前記粉体供給管は中心軸方向に進退自在となっていることを特徴とする廃プラスチックバーナ・ランス。
  2. 請求項1記載の廃プラスチックバーナ・ランスにおいて、
    前記環状中細ノズル内のスロート部よりも基端側には、支燃性ガスの流れを旋回流とする機構が設けられたことを特徴とする廃プラスチックバーナ・ランス。
  3. 請求項1または2記載の廃プラスチックバーナ・ランスを用いた冷鉄源の溶解方法において、
    固体原料を溶解する溶解期に、前記粉体供給管の先端を前記スロート部の基端よりも後方に配置して廃プラスチックを燃焼させ、固体原料が溶鋼となった以降に、前記粉体供給管の先端を前記スロート部の先端より前方に配置して廃プラスチックを高速で溶鋼中へ吹き込むことを特徴とする冷鉄源の溶解方法。
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