JP2020164923A - 溶鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属材料を溶解して溶鋼を製造するに際し、廃プラスチック粒体を昇熱期における炭材の代替材料として活用して、溶鋼の製造コストの低減を図ることが可能な溶鋼の製造方法を提供する。【解決手段】電気炉10の炉体16内に装入された金属材料を溶解して溶鋼45を生成する溶解期と、溶鋼45の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、炉体16内の溶鋼45を出鋼する溶鋼の製造方法であって、昇熱期に、廃プラスチック粒体吹き込み用のノズル33の先端を溶鋼45中に浸漬させた状態で、搬送用ガスとともに廃プラスチック粒体を溶鋼45に直接吹き込む。【選択図】 図4
Description
この発明は溶鋼の製造方法に関し、詳しくは廃プラスチック粒体を炭材の代替として活用する溶鋼の製造方法に関する。
アーク炉等の電気炉では、炉体内に装入された金属材料を溶解して溶鋼を生成する溶解期と、生成された溶鋼の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、炉体内の溶鋼を出鋼する。このような製鋼プロセスでは、ブリーズや無煙炭などが炭材として使用されている。炭材は、例えば溶解期での補助燃料や昇熱期での還元剤としての役割を果す。
近年、炭材の代替として、炭材よりも低コストの廃プラスチックの利用が図られている(例えば下記特許文献1参照)。しかしながら、廃プラスチックの使用態様は、金属スクラップ等の金属材料と同時に炉体内に装入するといったものであり、また廃プラスチックは、従来の炭材と比較して揮発分が多く早期に燃焼してしまうため、製鋼プロセス後期の昇熱期においては、廃プラスチックを含む炭材が不足して、溶融スラグ中の酸化鉄を還元する効果が得られない問題があった。
本発明は以上のような事情を背景とし、金属材料を溶解して溶鋼を製造するに際し、廃プラスチック粒体を昇熱期における炭材の代替材料として活用して、溶鋼の製造コストの低減を図ることが可能な溶鋼の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して本発明は、電気炉の炉体内に装入された金属材料を溶解して溶鋼を生成する溶解期と、前記溶鋼の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、前記炉体内の溶鋼を出鋼する溶鋼の製造方法であって、前記昇熱期に、廃プラスチック粒体を前記溶鋼に直接吹き込むことを特徴とする。
本発明によれば、昇熱期に、廃プラスチック粒体を溶鋼に直接吹き込むことで、廃プラスチック粒体における溶融スラグ中の酸化鉄(FeO)を還元する効果を高めることができる。炭材よりも低コストの廃プラスチック粒体を、昇熱期における炭材の代替材料として活用することで、炭材の使用量を低減することができ、溶鋼の製造コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、昇熱期に、廃プラスチック粒体を溶鋼に直接吹き込むことで、廃プラスチック粒体における溶融スラグ中の酸化鉄(FeO)を還元する効果を高めることができる。炭材よりも低コストの廃プラスチック粒体を、昇熱期における炭材の代替材料として活用することで、炭材の使用量を低減することができ、溶鋼の製造コストの低減を図ることができる。
ここで本発明では、内部に前記廃プラスチック粒体を貯留する貯留タンクと、先端を前記炉体内に挿入したノズルと、これら貯留タンクとノズルとを繋ぐ接続管と、該接続管に搬送用ガスを供給する搬送ガス供給部と、を備えた吹込装置を用い、前記ノズルの先端を前記溶鋼中に浸漬させた状態で、前記搬送用ガスとともに前記廃プラスチック粒体を前記溶鋼に直接吹き込むことができる。
このようにすれば、昇熱期における所望のタイミングで、廃プラスチック粒体を溶鋼に直接吹き込むことができる。
このようにすれば、昇熱期における所望のタイミングで、廃プラスチック粒体を溶鋼に直接吹き込むことができる。
また本発明では、前記昇熱期に、前記廃プラスチック粒体を、他の炭材とともに前記溶鋼に直接吹き込むことができる。
使用する廃プラスチック粒体の性状は様々である。従来の炭材に比べて、使用する廃プラスチック粒体における酸化鉄を還元する効果が低い場合には、廃プラスチック粒体を、ブリーズや無煙炭などの他の炭材と併用して用いることで酸化鉄を還元する効果を高めることができる。
使用する廃プラスチック粒体の性状は様々である。従来の炭材に比べて、使用する廃プラスチック粒体における酸化鉄を還元する効果が低い場合には、廃プラスチック粒体を、ブリーズや無煙炭などの他の炭材と併用して用いることで酸化鉄を還元する効果を高めることができる。
次に本発明の一実施形態の溶鋼の製造方法を、図面に基づいて詳しく説明する。
図1は本実施形態の溶鋼の製造方法で用いる電気炉の概略構成を示した図である。図1において、10は電気炉で、筒状(ここでは円筒状)の周壁部12及び炉底部14を備えた炉体16と、炉体16の上端の装入口18を開閉可能に閉鎖する炉蓋20と、炉蓋20を挿通して炉体16内に下向きに挿入される3本の電極22とを備えている。
また、炉蓋20には排気ダクト23が設けられ、炉体16内で発生する高温の排ガスは排気ダクト23を介して吸引される。
図1は本実施形態の溶鋼の製造方法で用いる電気炉の概略構成を示した図である。図1において、10は電気炉で、筒状(ここでは円筒状)の周壁部12及び炉底部14を備えた炉体16と、炉体16の上端の装入口18を開閉可能に閉鎖する炉蓋20と、炉蓋20を挿通して炉体16内に下向きに挿入される3本の電極22とを備えている。
また、炉蓋20には排気ダクト23が設けられ、炉体16内で発生する高温の排ガスは排気ダクト23を介して吸引される。
炉蓋20は、図示しない昇降装置及び旋回装置によって、炉体16に対して上下方向に移動自在に構成されるとともに、水平方向に旋回して、炉体16の装入口18を開放し炉体16内への金属材料の装入を可能としている。
電気炉10は、EBT炉であり、炉底部14が炉体16の周壁部12よりも径方向外方に一部突出し、その突出した棚状の突出部26に、これを上下に貫通して出湯口(出鋼口)27が設けられている。炉体16内の金属材料の溶湯(溶鋼)は、炉体16全体を傾動させることで、出湯口27から出鋼される。
また出湯口27と径方向の反対位置(対称位置)には出滓口29が設けられている。出滓口29は炉体16の周壁部12を内外方向に貫通して設けられており、この出滓口29には、酸素吹き込み用のノズル31及び廃プラスチック粒体吹き込み用のノズル33が、炉体16の外側から炉体16内に向けて挿入されている。この酸素吹き込み用のノズル31からは酸素ガスが炉体16の内部に吹き込まれ、また、廃プラスチック粒体吹き込み用のノズル33からは、搬送用ガスとともに廃プラスチック粒体が炉体16の内部に吹き込まれる。
図2は、廃プラスチック粒体を炉体16の内部に吹き込むための吹込装置35の概略構成を示した図である。同図において、37は廃プラスチック粒体を貯留する貯留タンク、38は貯留タンク37の上端に設けられた投入ホッパ、39は貯留タンク37の下端に設けられた切出し部である。切出し部39からは廃プラスチック粒体吹き込み用のノズル33と接続された接続管41が延び出している。切出し部39はロータリバルブを含んで構成され、貯留タンク37内に貯留された廃プラスチック粒体を所定の量で順次接続管41に供給するように構成されている。
また吹込装置35には、接続管41内に搬送用ガスを供給する搬送ガス供給部43が設けられており、接続管41に供給された廃プラスチック粒体は、搬送ガス供給部43から供給された搬送用ガスとともに、ノズル33に向けて圧送される。ここで、搬送用ガスとしては空気のほか、窒素ガス等を用いることができる。
なお、吹込装置35では、貯留タンク37内に廃プラスチック粒体のみ貯留する場合のほか、廃プラスチック粒体と無煙炭などの炭材との混合物を貯留することも可能である。このようにすれば、廃プラスチック粒体を他の炭材とともにノズル33から炉体16の内部に吹き込むことができる。
なお、吹込装置35では、貯留タンク37内に廃プラスチック粒体のみ貯留する場合のほか、廃プラスチック粒体と無煙炭などの炭材との混合物を貯留することも可能である。このようにすれば、廃プラスチック粒体を他の炭材とともにノズル33から炉体16の内部に吹き込むことができる。
本実施形態で使用される廃プラスチックは、一般廃棄物や産業廃棄物として排出されたプラスチックで、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのプラスチックを1種以上含むものである。下記の表1に、炭材の代替として使用される廃プラスチック粒体(この例では、車および家電から排出された硬質プラスチック)の性状を示している。この表1に示すように、廃プラスチック粒体は、通常炭材として使用される焼成無煙炭と比較して、炭素含有率が低く、揮発分が高い。なお、表1で示す揮発分(VM)は、試料1gを900℃で7分間乾留したときの減量を示している。
このように、廃プラスチック粒体は、揮発分が高く早期に燃焼してしまうため、これを還元剤として機能させる場合には、還元を実施するタイミングに合わせて、溶鋼に吹き込むことが重要である。
また廃プラスチック粒体は、吹込装置35による搬送に適した流動性を備えていることが望ましく、本例では廃プラスチック粒体の大きさは、8mm以下とされている。
このように、廃プラスチック粒体は、揮発分が高く早期に燃焼してしまうため、これを還元剤として機能させる場合には、還元を実施するタイミングに合わせて、溶鋼に吹き込むことが重要である。
また廃プラスチック粒体は、吹込装置35による搬送に適した流動性を備えていることが望ましく、本例では廃プラスチック粒体の大きさは、8mm以下とされている。
次に、電気炉10における溶鋼の製造方法について説明する。
図3に示すように電気炉10では、炉体16内に装入された金属材料を溶解して溶鋼を生成する溶解期と、生成された溶鋼の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、炉体16内の溶鋼を出鋼する。通常、金属スクラップ等の金属材料は、複数回に分けて炉体16内に装入される。本例では、金属材料を3回に分けて炉体16内に装入するものとする。
図3に示すように電気炉10では、炉体16内に装入された金属材料を溶解して溶鋼を生成する溶解期と、生成された溶鋼の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、炉体16内の溶鋼を出鋼する。通常、金属スクラップ等の金属材料は、複数回に分けて炉体16内に装入される。本例では、金属材料を3回に分けて炉体16内に装入するものとする。
先ず、炉蓋20を旋回回避させ炉体16の装入口18を開放状態とし、金属材料を保持するスクラップバケット(図示省略)をクレーンにて装入口18の上方にまで移動させ、スクラップバケット内の金属材料を炉体16内に装入する(図3に示す初装の工程である)。
材料装入を終えたら炉蓋20及び電極22を炉体16上部に載置し、電極22と金属材料との間にアークを発生させて、その際のアーク熱で金属材料を溶解して溶鋼を生成させる(図3に示す第1溶解期の工程である)。そして、溶鋼が生成された後、CaOなどを主成分とするフラックスを炉体16内に装入し、溶融スラグを溶鋼の上に形成する。
材料装入を終えたら炉蓋20及び電極22を炉体16上部に載置し、電極22と金属材料との間にアークを発生させて、その際のアーク熱で金属材料を溶解して溶鋼を生成させる(図3に示す第1溶解期の工程である)。そして、溶鋼が生成された後、CaOなどを主成分とするフラックスを炉体16内に装入し、溶融スラグを溶鋼の上に形成する。
またこの第1溶解期では、図3の「O2」欄に示された矢印のタイミングで、酸素吹き込み用のノズル31から酸素を吹き込み、炉体16内の金属材料の一部を酸化され、その際の酸化熱により溶解を促進させている。このとき溶鋼中のFeも一部が酸化され、FeOが生成される。
なお金属材料の装入と同時に、ブリーズや無煙炭などの炭材もしくは廃プラスチック粒体を炉体16内に装入し、これらを酸素と反応されて熱源とすることも可能である。
なお金属材料の装入と同時に、ブリーズや無煙炭などの炭材もしくは廃プラスチック粒体を炉体16内に装入し、これらを酸素と反応されて熱源とすることも可能である。
金属材料の溶解により、炉内の未溶解金属材料の嵩が減った後は、金属材料を追加で装入する(図3に示す追装の工程である)。装入を終えたら再びアーク熱により装入材料を溶解する(図3に示す第2溶解期の工程である)。
そして、金属材料の溶解により再び炉体16内の未溶解金属材料の嵩が減った後、金属材料を再び追加で装入する(図3に示す3装の工程である)。装入を終えたら再びアーク熱により装入材料を溶解する(図3に示す第3溶解期の工程である)。本例における初装から第3溶解期までの工程が、本発明の溶解期に相当する。炉体16内に装入した金属材料の略全量が溶解または溶け落ちたところで、溶解期は終了となり、次の昇熱期が実行される。
そして、金属材料の溶解により再び炉体16内の未溶解金属材料の嵩が減った後、金属材料を再び追加で装入する(図3に示す3装の工程である)。装入を終えたら再びアーク熱により装入材料を溶解する(図3に示す第3溶解期の工程である)。本例における初装から第3溶解期までの工程が、本発明の溶解期に相当する。炉体16内に装入した金属材料の略全量が溶解または溶け落ちたところで、溶解期は終了となり、次の昇熱期が実行される。
図4は、昇熱期における電気炉10の様子を示した図である。同図において、45は溶鋼、47は溶鋼45の上に形成された溶融スラグである。酸素吹き込み用のノズル31および廃プラスチック粒体吹き込み用のノズル33の先端は、溶鋼45中に浸漬した状態とされている。
この昇熱期では、アーク熱により溶鋼45を昇熱させるとともに、酸素吹き込み用のノズル31より溶鋼45中に吹込んだ酸素により、溶鋼45中の炭素分や炭材を燃焼させて溶鋼45を昇熱させる。そして、図3の「廃プラ」欄に示された矢印のタイミングで、順次、搬送用ガスとともに廃プラスチック粒体が溶鋼45に直接吹き込まれ、その一部は、溶融スラグ47中のFeOを還元し、溶鋼45の歩留りが高められる。
そして、昇熱期の後、製造された溶鋼45は、出鋼口27から取鍋等に出鋼される。
この昇熱期では、アーク熱により溶鋼45を昇熱させるとともに、酸素吹き込み用のノズル31より溶鋼45中に吹込んだ酸素により、溶鋼45中の炭素分や炭材を燃焼させて溶鋼45を昇熱させる。そして、図3の「廃プラ」欄に示された矢印のタイミングで、順次、搬送用ガスとともに廃プラスチック粒体が溶鋼45に直接吹き込まれ、その一部は、溶融スラグ47中のFeOを還元し、溶鋼45の歩留りが高められる。
そして、昇熱期の後、製造された溶鋼45は、出鋼口27から取鍋等に出鋼される。
次に、昇熱期に溶鋼45中に投入する廃プラスチック粒体の還元能力について、以下の手順で評価した。
JIS SUJ2材の合金組成となるように調整した金属原料を電気炉10の炉体16内に装入し、図3に示す工程に従って加熱、溶解し、溶鋼を得た。ここで昇熱期に用いる炭材(もしくはその代替材)として(1)上記の表1に示す廃プラスチック粒体のみを用いた場合、(2)表1に示す焼成無煙炭のみを用いた場合、(3)これら廃プラスチック粒体と焼成無煙炭とを重量比5:5の割合で混合した混合物を用いた場合、のそれぞれにおいて、炭材(もしくはその代替材としての廃プラスチック粒体)投入前後における溶融スラグ中のFeO含有量(質量%)を測定し、[(投入前FeO含有量)−(投入後FeO含有量)]/(投入前FeO含有量)で表されるFeOの還元率(%)を求めた。その結果を図5に示している。
JIS SUJ2材の合金組成となるように調整した金属原料を電気炉10の炉体16内に装入し、図3に示す工程に従って加熱、溶解し、溶鋼を得た。ここで昇熱期に用いる炭材(もしくはその代替材)として(1)上記の表1に示す廃プラスチック粒体のみを用いた場合、(2)表1に示す焼成無煙炭のみを用いた場合、(3)これら廃プラスチック粒体と焼成無煙炭とを重量比5:5の割合で混合した混合物を用いた場合、のそれぞれにおいて、炭材(もしくはその代替材としての廃プラスチック粒体)投入前後における溶融スラグ中のFeO含有量(質量%)を測定し、[(投入前FeO含有量)−(投入後FeO含有量)]/(投入前FeO含有量)で表されるFeOの還元率(%)を求めた。その結果を図5に示している。
図5は、縦軸がFeO還元率(%)、横軸が投入C原単位である。投入C原単位は、昇熱期に投入された廃プラスチック粒体等の炭素相当量を溶鋼1ton当たりで示している。
同図によれば、廃プラスチック粒体のみによるFeO還元率は、略10〜30%であった。昇熱期に廃プラスチック粒体のみを用いた場合、焼成無煙炭(FeO還元率は略50〜60%)に比べ、その効果は低いものの、投入C原単位を増やすことでFeO還元率を高めることができることが分かる。
一方、廃プラスチック粒体と焼成無煙炭との混合物を用いた場合は、廃プラスチック粒体のみを用いた場合よりも高いFeO還元率が得られており、FeO還元率を高める手段として、廃プラスチックと焼成無煙炭とを混合した混合物を用いることが有効であることが分かる。
同図によれば、廃プラスチック粒体のみによるFeO還元率は、略10〜30%であった。昇熱期に廃プラスチック粒体のみを用いた場合、焼成無煙炭(FeO還元率は略50〜60%)に比べ、その効果は低いものの、投入C原単位を増やすことでFeO還元率を高めることができることが分かる。
一方、廃プラスチック粒体と焼成無煙炭との混合物を用いた場合は、廃プラスチック粒体のみを用いた場合よりも高いFeO還元率が得られており、FeO還元率を高める手段として、廃プラスチックと焼成無煙炭とを混合した混合物を用いることが有効であることが分かる。
以上のように本実施形態によれば、昇熱期に、溶鋼45に直接吹き込んだ廃プラスチック粒体を、溶融スラグ47中の酸化鉄(FeO)の還元剤として使用することができる。このため、炭材よりも低コストの廃プラスチック粒体を、昇熱期における炭材の代替材料として有効に活用することができ、溶鋼の製造コストの低減を図ることができる。
本実施形態では、内部に廃プラスチック粒体を貯留する貯留タンク37と、先端を炉体16内に挿入したノズル33と、これら貯留タンク37とノズル33とを繋ぐ接続管41と、接続管41に搬送用ガスを供給する搬送ガス供給部43と、を備えた吹込装置35を用い、ノズル33の先端を溶鋼45中に浸漬させた状態で、搬送用ガスとともに廃プラスチック粒体を溶鋼45に直接吹き込むことができる。このようにすれば、昇熱期における所望のタイミングで、廃プラスチック粒体を溶鋼45に直接吹き込むことができる。
また本実施形態では、昇熱期に、廃プラスチック粒体を、他の炭材とともに溶鋼に直接吹き込むことができる。使用する廃プラスチック粒体の酸化鉄を還元する効果が低い場合には、廃プラスチック粒体を、ブリーズや無煙炭などの他の炭材と併用して用いることで酸化鉄を還元する効果を高めることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば、本実施形態では、昇熱期にのみ、廃プラスチック粒体を溶鋼に吹き込んだ例を示しているが、図6に示すように溶解期においても所定のタイミングで、順次、廃プラスチック粒体を溶鋼に直接吹き込むことも可能である。また、廃プラスチック粒体を他の炭材とともに溶鋼に吹き込む場合の両者の比率は、上記実施形態の例に限定されるものではなく適宜変更可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10 電気炉
16 炉体
33 ノズル
35 吹込装置
37 貯留タンク
41 接続管
45 溶鋼
16 炉体
33 ノズル
35 吹込装置
37 貯留タンク
41 接続管
45 溶鋼
Claims (3)
- 電気炉の炉体内に装入された金属材料を溶解して溶鋼を生成する溶解期と、前記溶鋼の昇熱および成分調整を行う昇熱期と、を経て、前記炉体内の溶鋼を出鋼する溶鋼の製造方法であって、
前記昇熱期に、廃プラスチック粒体を前記溶鋼に直接吹き込むことを特徴とする溶鋼の製造方法。 - 内部に前記廃プラスチック粒体を貯留する貯留タンクと、先端を前記炉体内に挿入したノズルと、これら貯留タンクとノズルとを繋ぐ接続管と、該接続管に搬送用ガスを供給する搬送ガス供給部と、を備えた吹込装置を用い、前記ノズルの先端を前記溶鋼中に浸漬させた状態で、前記搬送用ガスとともに前記廃プラスチック粒体を前記溶鋼に直接吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の製造方法。
- 前記昇熱期に、前記廃プラスチック粒体を、他の炭材とともに前記溶鋼に直接吹き込むことを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の溶鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726318A (ja) * | 1993-07-09 | 1995-01-27 | Kawasaki Steel Corp | 製鋼用電気炉の操業方法 |
JP2004108656A (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-08 | Nippon Sanso Corp | 廃プラスチックバーナ・ランスおよびこれを用いた冷鉄源の溶解方法 |
-
2019
- 2019-03-29 JP JP2019066206A patent/JP2020164923A/ja active Pending
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