JPWO2009047927A1 - ヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法 - Google Patents
ヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2009047927A1 JPWO2009047927A1 JP2009506844A JP2009506844A JPWO2009047927A1 JP WO2009047927 A1 JPWO2009047927 A1 JP WO2009047927A1 JP 2009506844 A JP2009506844 A JP 2009506844A JP 2009506844 A JP2009506844 A JP 2009506844A JP WO2009047927 A1 JPWO2009047927 A1 JP WO2009047927A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- charcoal
- coconut
- arc furnace
- furnace
- scrap
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/52—Manufacture of steel in electric furnaces
- C21C5/5211—Manufacture of steel in electric furnaces in an alternating current [AC] electric arc furnace
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/52—Manufacture of steel in electric furnaces
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/52—Manufacture of steel in electric furnaces
- C21C5/527—Charging of the electric furnace
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C7/00—Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C7/00—Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
- C21C7/0025—Adding carbon material
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C7/00—Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
- C21C7/0025—Adding carbon material
- C21C2007/0031—Adding carbon material being plastics, organic compounds, polymers
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/10—Biofuels, e.g. bio-diesel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Coke Industry (AREA)
Abstract
Description
しかしながら、コークスや無煙炭などの炭材を大量に使用することで、大量の化石燃料由来のCO2ガス、つまり温室効果ガスが大気中に排出されることになる。例えば、年産百万トンの標準的な規模の製鋼工場で、炭素分が85質量%の粉コークスを溶鋼1トン当たり25kg使用すると、この製鋼工場1基のみで年間当たり77,916トンのCO2ガスが排出されることになる。
このように、アーク炉製鋼プロセスにおいては、化石燃料であるコークス、無煙炭などの炭材が使用され、その結果、地球温暖化ガス(温室効果ガス)であるCO2ガスが大量に大気に排出されている。この化石燃料からなる炭材に替えて木炭などのバイオマス炭化物を使用すれば、計算上、温室効果ガスの排出はなくなる。尚、バイオマス燃料から発生するCO2ガスは、カーボン・ニュートラル(carbon neutral)と呼ばれ、温室効果ガス(地球温暖化ガス)には計上されない。
上記目的を達成するために、本発明は、
ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、12%以上の残留揮発分を有する炭化物を鉄スクラップに混入してアーク炉に装入する工程と、
前記鉄スクラップを溶解して溶鋼を製造する工程と、
を有するアーク炉製鋼方法を提供する。
炭化物を鉄スクラップに混入してアーク炉に装入する工程は、ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、12%以上の残留揮発分を有する炭化物と化石燃料由来の炭材とを、鉄スクラップに混入してアーク炉に装入してもよい。
本発明のアーク炉製鋼方法は、さらに、ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、残留揮発分が12%未満の炭化物をランスからアーク炉内に吹き込む工程を有するのが好ましい。
図2は、収率と残留揮発分の関係を示す図である。
図3は、アーク炉において本発明を実施している様子を示す概略図であり、スクラップの溶解初期の状態を示す概略図である。
図4は、アーク炉において本発明を実施している様子を示す概略図であり、スクラップの溶け落ち直後の状態を示す概略図である。
図5は、アーク炉において本発明を実施している様子を示す概略図であり、昇温完了後の溶鋼の精錬期を示す概略図である。
マレイシアやインドネシアではココナツヤシやアブラヤシの産業が盛んである。ここで大量に発生するヤシガラは乾留されて、炭化物(Cahrcoal)となる。以下、ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラを乾溜して得られる炭化物を「ヤシガラ炭」と記す。このヤシガラ炭は、かさ密度が若干コークスよりも小さい程度であり、固形炭素分も高いことから、十分にコークスなど化石燃料の代替物として製鋼用アーク炉で使用することは可能である。表1にアブラヤシヤシガラ炭とコークスとの物性の比較を示す。
現在、製鋼用アーク炉プロセスで広く使用されているコークスや無煙炭、オイルコークスなどの固形炭素分は85%以上で、揮発分は8%以下である。ヤシガラ炭の固形炭素を85%以上まで上げて揮発分を8%以下まで下げようとすると、ヤシガラ炭製造時の処理温度を上げて処理時間を延ばす必要があり、収率が小さくなる。この収率とは得られたヤシガラ炭重量を必要としたヤシガラ重量で除したものであり、現在活性炭原料用に製造されているヤシガラ炭製造の場合は、22%〜25%程度である。このヤシガラ炭の現在の価格は前述のように250−270US$/tonであり、ヤシガラ価格に大きく左右される。表2にヤシガラ炭1トン製造と出荷の価格構成の例を示す。
本発明は、製鋼用電炉で使用可能なレベルにまでヤシガラ炭中の揮発分を残し、収率(Yield)を上げることによって代替ヤシガラ炭の経済性を上げるものである。例えば収率を35%とすると原料費は114US$でヤシガラ炭価格は214US$/ton、45%とすると原料費は89US$でヤシガラ炭価格は189US$/tonとなり、化石燃料に対して十分な競争力を確保できる。
収率を上げるためにはヤシガラ炭製造時に、乾留処理温度を下げて処理時間(Carbonizing time)を短くすることとなる。図1にヤシガラ炭の処理温度および処理時間と収率の関係を示す。また図2に収率と残留揮発分の関係を示す。
本発明においては、ヤシガラ炭製造時に、収率を上げて揮発分を多く(12%以上)残したヤシガラ炭を製造する。このヤシガラ炭を電炉で使用する際には、粗粒を溶解前のスクラップに混入して炉に装入する。揮発分はスクラップ溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素分は加炭材として働く。スクラップ混入炭材の全量がこのヤシガラ炭でも良く、またこの炭材を一部として残りは従来のように低揮発分・高固形炭素のものでもよい。高揮発分の炭材を溶鋼やスラグ中に吹き込むと、スラグフォーミングやスラグ中の酸化鉄の還元に悪影響があるとの情報があるため(「電気製鋼」第56巻第1号(1985年1月号)「固体炭素による溶滓中FeOの還元について」)、吹込み炭材は従来のように低揮発分・高固形炭素のものが望ましい。
次に、鉄スクラップを溶解精錬して溶鋼を製造するアーク炉製鋼方法におけるコークス代替ヤシガラ炭の具体的な使用方法について説明する。図3〜図5は、アーク炉において冷鉄源を溶解する際に本発明を実施している様子を示す概略図であり、図3は、冷鉄源の溶解初期の状態を示し、図4は、冷鉄源の溶け落ち直後の状態を示し、図5は、アーク炉製鋼プロセス末期の昇温完了後の溶鋼精錬期を示している。
図3〜図5において、外殻を鉄皮として内部を耐火物で施工された炉本体2の周辺上部には、水冷構造で金属製の炉側壁3が配置され、この炉側壁3の上部開口部は、開閉自在で且つ水冷構造の金属製の炉蓋4で覆われている。そして、この炉蓋4を貫通して、炉本体2の内部まで上下移動が可能な3本の黒鉛製の電極5が設けられている。それぞれの電極5は3相交流電源(図示せず)に連結しており、電極5と電極5との間及び電極5と冷鉄源9や溶鋼10などの炉内装入物との間でアーク12を発生させるようになっている。
また、炉側壁3を貫通して、炉本体2の内部まで上下移動が可能な、酸素ガス吹き込みランス6及び炭材吹き込みランス7が設けられ、酸素ガス吹き込みランス6からは酸素ガスが炉本体2の内部に吹き込まれ、そして、炭材吹き込みランス7からは空気や窒素ガスなどを搬送用ガスとして炭材が炉本体2の内部に吹き込まれるようになっている。炉蓋4にはダクト8が設けられ、炉内で発生する高温の排ガスはダクト8を介して集塵機(図示せず)に吸引され、また、炉本体2には出鋼口(図示せず)が設けられている。
先ず、スクラップ9とココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られた、12%以上の残留揮発分を有する炭化物20が、クレーンなどで吊られた供給バケット(図示せず)などから炉蓋4が開放されたアーク炉1の炉内に装入される(この期間を「原料装入期」と称す)。次いで、炉蓋4を閉じて電極5を炉内に挿入し、電極5とスクラップ9との間にアーク12を発生させて、発生するアーク熱でスクラップ9を溶解して溶鋼10を生成させる(この期間を「スクラップ溶解期」と称す)。スクラップと共に装入された炭化物中の残留揮発分は溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素は熱源や加炭材として働く。通常、溶鋼10が生成したなら、生石灰、蛍石などのフラックスを炉内に装入し、溶融スラグ11を溶鋼10の上に形成させ、溶鋼10の酸化を防止するとともに溶鋼10の保温を図ることが行われる。そして、炉内に装入したスクラップ9の全量が溶け落ちたなら、生成した溶鋼10をアーク熱によって所定の温度まで昇温し(この期間を「昇温期」と称す)、所定温度までの昇温が完了した後は、溶鋼10の成分調整を行い(この期間を「精錬期」と称す)、その後、溶鋼10を出鋼口から溶鋼保持容器に出鋼し、出鋼後、必要に応じて溶融スラグ11をスラグポットなどに排出する(この期間を「出鋼・排滓期」と称す)。つまり、原料装入期、冷鉄源溶解期、昇温期、精錬期及び出鋼・排滓期を1サイクルとして、スクラップ9から溶鋼10が製造される。
本発明においては、この製鋼プロセスのスクラップ溶解期、昇温期、精錬期に、コークス代替ヤシガラ炭を補助燃料または加炭材として使用することができる。
スクラップ溶解期には、電極5とスクラップ9との間にアーク12を発生させて、発生するアーク熱でスクラップ9を溶解して溶鋼10を生成させる。炭化物20中の残留揮発分は溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素は熱源や加炭材として働く。図1に示すように、スクラップ9の円滑な溶け落ちのために、炉内に堆積するスクラップ9に向けて、酸素ガス吹き込みランス6から酸素ガスを吹き込むとともに、炭材吹き込みランス7から低揮発分・高固形炭素の炭材を吹き込む。スクラップ9の一部は吹き込まれる酸素ガスにより酸化され、生成する酸化熱で加熱されて溶解する。
昇温期には、堆積するスクラップ9が無くなることから、高温のアーク12が露出して大きな熱損失や炉本体2の側壁耐火物の損傷が懸念される。そこで、本発明では、冷鉄源溶解期において、溶鋼10が生成したなら、生石灰、蛍石などのフラックスを炉内に装入し、溶融スラグ11を形成させ、溶鋼10の酸化を防止するとともに溶鋼10の保温を図る。そして、昇温期には、図4に示すように、酸素ガス吹き込みランス6及び炭材吹き込みランス7の先端を溶融スラグ11に浸漬させ、酸素ガス吹き込みランス6からは酸素ガスを、また、炭材吹き込みランス7からは炭材を溶融スラグ11に吹き込む。吹き込まれて溶融スラグ11に懸濁した炭材と、吹き込まれる酸素ガスとが反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用して電力使用量を節約するとともに、反応生成物のCOガスが溶融スラグ11を泡立たせるので、アーク12が泡立ちした溶融スラグ11に包まれてアーク12の着熱効率が上昇する。溶融スラグ11が泡立つ現象を「スラグのフォーミング」と称している。
精錬期には、図3に示すように、炭材を炭材吹き込みランス7から溶融スラグ11に吹き込む。これにより、溶融スラグ中の酸化鉄が還元されて、鉄分として溶鋼10に回収される。また、溶融スラグ中の酸化鉄の還元反応で生成するCOガスによって溶融スラグ11が泡立つので、前述した昇温期と同じようにアーク12が溶融スラグ11に包まれて、アーク12の着熱効率が上昇する。尚、炭材を成分調整用の加炭材として使用する場合には、炭材吹き込みランス7の先端を溶鋼10に浸漬させ、炭材を溶鋼中に吹き込み添加する。
この固体燃料は熱源としてだけでなく、還元剤としても機能し、精錬プロセスそのものにおいても重要な役割を果たしている。 鉄1トン当りのコークスの使用量は、20〜30 kg に達している。
ガスが排出されることになる。
しかしヤシガラ炭の用途は、現状ではほぼ活性炭原料に限られていて生産規模が小さく、また、昨今の化石燃料価格の高騰にともない、ヤシガラが石炭よりも高額の燃料として取引されだしたことから、電炉企業が継続的に使用する状況にはない。
インドネシアとマレイシアのコークスおよび代替化石燃料の価格は180-200 US$/ton、ヤシガラ価格は 40 US$/ton、ヤシガラ炭価格は 250-270 US$/ton であり、継続的にヤシガラ炭を電炉企業が継続的に使用することはない。
この収率とは得られたヤシガラ炭重量を必要としたヤシガラ重量で除したものであり、現在活性炭原料用に製造されているヤシガラ炭製造の場合は、22 % 〜 25 % 程度である。 このヤシガラ炭の現在の価格は前述のように250-270US$/tonであり、ヤシガラ価格に大きく左右される。表2にヤシガラ炭1トン製造と出荷の価格構成の例を示す。
本発明は、製鋼用電炉で使用可能なレベルにまでヤシガラ炭中の揮発分を残し、収率(Yield) を上げることによって代替ヤシガラ炭の経済性を上げるものである。
例えば収率を 35 % とすると原料費は 114 US$ でヤシガラ炭価格は 214 US$/ton、45 % とすると原料費は 89 US$ でヤシガラ炭価格は 189 US$/ton となり、化石燃料に対して十分な競争力を確保できる。
図1にヤシガラ炭の処理温度および処理時間と収率の関係を示す。 また図2に収率と残留揮発分の関係を示す。
本発明においては、ヤシガラ炭製造時に、収率を上げて揮発分を多く(12 % 以上)残したヤシガラ炭を製造する。 このヤシガラ炭を電炉で使用する際には、粗粒を溶解前のスクラップに混入して炉に装入する。揮発分はスクラップ溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素分は加炭材として働く。
スクラップ混入炭材の全量がこのヤシガラ炭でも良く、またこの炭材を一部として残りは従来のように低揮発分・高固形炭素のものでもよい。高揮発分の炭材を溶鋼やスラグ中に吹き込むと、スラグフォーミングやスラグ中の酸化鉄の還元に悪影響があるとの情報があるため(「電気製鋼」第56巻第1号(1985年1月号)「固体炭素による溶滓中 FeO の還元について」)、吹込み炭材は従来のように低揮発分・高固形炭素のものが望ましい。
次いで、炉蓋4を閉じて電極5を炉内に挿入し、電極5とスクラップ9との間にアーク12を発生させて、発生するアーク熱でスクラップ9を溶解して溶鋼10を生成させる(この期間を「スクラップ溶解期」と称す)。スクラップと共に装入された炭化物中の残留揮発分は溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素は熱源や加炭材として働く。通常、溶鋼10が生成したなら、生石灰、蛍石などのフラックスを炉内に装入し、溶融スラグ11を溶鋼10の上に形成させ、溶鋼10の酸化を防止するとともに溶鋼10の保温を図ることが行われる。
スクラップ溶解期には、電極5とスクラップ9との間にアーク12を発生させて、発生するアーク熱でスクラップ9を溶解して溶鋼10を生成させる。炭化物20中の残留揮発分は溶解時に燃焼して熱源となり、残った固形炭素は熱源や加炭材として働く。図1に示すように、スクラップ9の円滑な溶け落ちのために、炉内に堆積するスクラップ9に向けて、酸素ガス吹き込みランス6から酸素ガスを吹き込むとともに、炭材吹き込みランス7から低揮発分・高固形炭素の炭材を吹き込む。スクラップ9の一部は吹き込まれる酸素ガスにより酸化され、生成する酸化熱で加熱されて溶解する。
そして、昇温期には、図4に示すように、酸素ガス吹き込みランス6及び炭材吹き込みランス7の先端を溶融スラグ11に浸漬させ、酸素ガス吹き込みランス6からは酸素ガスを、また、炭材吹き込みランス7からは炭材を溶融スラグ11に吹き込む。吹き込まれて溶融スラグ11に懸濁した炭材と、吹き込まれる酸素ガスとが反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用して電力使用量を節約するとともに、反応生成物のCOガスが溶融スラグ11を泡立たせるので、アーク12が泡立ちした溶融スラグ11に包まれてアーク12の着熱効率が上昇する。溶融スラグ11が泡立つ現象を「スラグのフォーミング」と称している。
表4に試験結果の概要を示す。
電炉の性能の評価となるTap to Tap(1ヒート所要時間:分) と電力原単位はコークス使用時よりも良い数値を示しているが、これは高揮発分が有効な熱源として働いたものである。出鋼時の溶鋼中の炭素量 (%) は加炭効果に悪影響はない。
2 炉本体
3 炉側壁
4 炉蓋
5 電極
6 酸素ガス吹込みランス
7 炭材吹き込みランス
8 ダクト
9 スクラップ
10 溶鋼
11 溶融スラグ
12 アーク
20 炭化物
Claims (4)
- ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、12%以上の残留揮発分を有する炭化物を鉄スクラップに混入してアーク炉に装入する工程と、
前記鉄スクラップを溶解して溶鋼を製造する工程と、
を有するヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法。 - 炭化物を鉄スクラップに混入してアーク炉に装入する工程が、ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、12%以上の残留揮発分を有する炭化物と化石燃料由来の炭材とを、鉄スクラップに混入してアーク炉に装入することからなる請求項1に記載のヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法。
- さらに、ココナツヤシまたはアブラヤシのヤシガラ(Coconut shell charcoal or PKS charcoal)を乾留して得られ、残留揮発分が12%未満の炭化物をランスからアーク炉内に吹き込む工程を有する請求項1に記載のヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法。
- さらに、低揮発分の炭材をランスからアーク炉内に吹き込む工程を有する請求項1に記載のヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2008/056733 WO2009047927A1 (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | ヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2009047927A1 true JPWO2009047927A1 (ja) | 2011-02-17 |
JP5042308B2 JP5042308B2 (ja) | 2012-10-03 |
Family
ID=40549077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009506844A Active JP5042308B2 (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | ヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5042308B2 (ja) |
KR (1) | KR101341758B1 (ja) |
CN (1) | CN101558170B (ja) |
WO (1) | WO2009047927A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5581760B2 (ja) * | 2010-03-19 | 2014-09-03 | Jfeスチール株式会社 | 鋼屑中の銅の除去方法及び鋼屑を鉄源とした溶鋼の製造方法 |
CN102959059B (zh) * | 2010-08-17 | 2015-11-25 | 宇部兴产株式会社 | 固体燃料及其制造方法、制造装置 |
JP5998763B2 (ja) * | 2011-09-28 | 2016-09-28 | Jfeスチール株式会社 | 転炉製鋼方法 |
JP5942425B2 (ja) * | 2011-12-28 | 2016-06-29 | Jfeスチール株式会社 | 鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法 |
CN103160630A (zh) * | 2013-02-20 | 2013-06-19 | 罕王实业集团有限公司 | 一种利用棕榈壳替代部分焦炭冶炼红土镍矿方法 |
CN113355474A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-09-07 | 江阴市尚疯新能源技术开发有限公司 | 一种用铁矿、氢气、氧气炼钢铁碳中和的方法 |
CN115478127B (zh) * | 2022-09-21 | 2024-01-09 | 北京力科华越新材料科技有限公司 | 一种生物质发泡剂及其制备方法和在电弧炉泡沫渣埋弧炼钢中的应用 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52120923A (en) * | 1976-04-05 | 1977-10-11 | Nittetsu Kinzoku Kogyo Kk | Flux for casting extremely soft rimmed steel |
JP2000008115A (ja) * | 1998-06-19 | 2000-01-11 | Nkk Corp | 冷鉄源の溶解方法 |
JP2001026810A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-01-30 | Daido Steel Co Ltd | 電気炉の操業方法 |
JP2009046726A (ja) * | 2007-08-20 | 2009-03-05 | Jp Steel Plantech Co | アーク炉製鋼方法 |
-
2008
- 2008-03-28 KR KR1020097004943A patent/KR101341758B1/ko active IP Right Grant
- 2008-03-28 CN CN2008800007094A patent/CN101558170B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2008-03-28 WO PCT/JP2008/056733 patent/WO2009047927A1/ja active Application Filing
- 2008-03-28 JP JP2009506844A patent/JP5042308B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20100126171A (ko) | 2010-12-01 |
JP5042308B2 (ja) | 2012-10-03 |
KR101341758B1 (ko) | 2013-12-16 |
CN101558170A (zh) | 2009-10-14 |
CN101558170B (zh) | 2012-12-26 |
WO2009047927A1 (ja) | 2009-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5042308B2 (ja) | ヤシガラ炭使用のアーク炉製鋼方法 | |
JP2009046726A (ja) | アーク炉製鋼方法 | |
WO2015105107A1 (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP5552754B2 (ja) | アーク炉の操業方法 | |
JP5236926B2 (ja) | 溶鋼の製造方法 | |
JP2010209436A (ja) | 溶鉄の昇熱方法 | |
JP5348647B2 (ja) | ロータリーキルンの操業方法 | |
JP5069087B2 (ja) | 高炉ガスの利用方法 | |
JP2007138207A (ja) | 溶融還元方法 | |
JP5892103B2 (ja) | クロム鉱石の溶融還元方法 | |
JP5942425B2 (ja) | 鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法 | |
JP6622755B2 (ja) | 製鋼用加炭剤、及び製鋼方法 | |
JP6476940B2 (ja) | 溶鋼の製造方法 | |
JP5862515B2 (ja) | アブラ椰子核殻炭による高炉操業方法 | |
JP2017186607A (ja) | 電気炉精錬方法 | |
JP4479541B2 (ja) | 高クロム溶鋼の溶製方法 | |
JP2014224286A (ja) | 高炉の操業方法 | |
KR20160048409A (ko) | 전기로의 산소 및 가탄재 공급방법 | |
JP5526614B2 (ja) | 溶融還元方法 | |
Vorob’ev et al. | Lignite-coke briquets in ferroalloy production | |
JP6237664B2 (ja) | アーク炉の操業方法及び溶鋼の製造方法 | |
JP2023115784A (ja) | 転炉の操業方法および転炉の昇熱用副原料 | |
JP2020164923A (ja) | 溶鋼の製造方法 | |
JP2000008115A (ja) | 冷鉄源の溶解方法 | |
Mizin et al. | Replacement of Coke by Clinkering Coal in Ferroalloy Production outside Russia |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120420 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120710 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120710 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5042308 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |