JP6622755B2 - 製鋼用加炭剤、及び製鋼方法 - Google Patents

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Description

本開示は、製鋼用加炭剤に関する。
高炉の溶銑の使用が困難な電気炉製鋼分野では、原料としてスクラップが用いられる。スクラップを溶解した溶鋼は、炭素量が不足する場合が多く、炭素量を補う加炭作業が必要となる(特許文献1参照)。
上述の加炭作業では、加炭剤としてコークスが多く使用されるが、石炭、黒鉛、炭化物等の炭素材も使用される。
特公平4−42452号公報
上述の炭素材を溶鋼に投入する場合、酸化雰囲気において炭素材が酸化燃焼することが多い。そのため、炭化に必要な所定量以上の炭素材が必要となり、加炭効率が良くない。また、操業の安定性の目安となるスクラップの溶け落ち時の炭素量(以下、「溶落炭素値」ともいう。)が安定しない。
本開示の一局面は、加炭効率を高め、操業を安定化できる製鋼用加炭剤を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、成型体状の製鋼用加炭剤である。製鋼用加炭剤は、炭素材と、アルミニウムドロスと、鉄粉と、を含む。金属アルミニウムの含有量は2質量%以上10質量%以下である。鉄粉の含有量は20質量%以上50質量%以下である。
このような構成によれば、成型体中に一定量含有されるアルミニウムドロスに由来する金属アルミニウムが炭素材よりも優先して酸素と反応する。また、アルミニウムドロスが含むアルミナ(つまり酸化アルミニウム)が、溶鋼界面において炭素材と大気との接触を防ぐ。これらの結果、炭素材の酸化燃焼が抑制される。
さらに、成型体中に一定量以上含有される鉄粉により、加炭剤の比重が大きくなる。これにより、加炭剤が溶鋼のスラグ上に滞留することが抑制され、スラグ下の溶鋼界面に炭素材を供給することができる。したがって、スラグ上で炭素材が燃焼することが抑制される。以上から、本開示の製鋼用加炭剤によれば、溶鋼に対する加炭効率が高められ、操業の安定性が向上する。
また、不必要な炭素材の燃焼の抑制により、二酸化炭素の発生量が抑えられる。さらに、アルミニウムドロスを原料として用いることで、加炭剤のコスト、ひいては製鋼コストを低減することができる。
本開示の一態様では、炭素材は、石炭、黒鉛、コークス、又は炭化炉由来の炭素含有物質であってもよい。このような構成によれば、従来から使用されている炭素材を利用して加炭剤を製造することができる。
本開示の別の態様は、炭素を溶鋼に添加する工程を備える製鋼方法である。当該製鋼方法では、添加する工程において、本開示の製鋼用加炭剤を溶鋼に投入する。このような構成によれば、加炭効率の高さと操業の安定性とに伴って低コストで製鋼を行うことができる。
以下、本開示が適用された実施形態について、説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態の製鋼用加炭剤は、溶鋼の炭素量を高めるために溶鋼中に投入される成型体である。製鋼用加炭剤の成型形状は特に限定されず、ペレット状、ブリケット状等とすることができる。
成型体のメリットについて以下に説明する。まず、加炭剤は通常、地上バンカーからシューターで炉内に挿入される。したがって、加炭剤が粉末であると、作業負荷が大きくなる。これに対し、加炭剤が成型体であれば、作業効率が向上する。
また、各成分の粉末を混合した加炭剤の場合、炉への装入後に分散し、各成分が離散する可能性がある。これに対し、成型体状の加炭剤では成分が分離しないので、各成分の効果が他の成分に効果的に波及する。
なお、アルミニウムドロスは成型が出来ても、数カ月以上にわたって成型体を維持するのが困難である。しかし、本実施形態の製鋼用加炭剤は、アルミニウムドロスの他に炭素材等を含むため、成型体の寿命が長く、保管が容易である。
製鋼用加炭剤の成型方法としては、押し出し、圧縮等が挙げられるが、高圧での成型が好ましい。ただし、成型物が水を含むと、アルミニウムドロス中の窒化アルミニウムが加水分解するため、アンモニアガスが発生し、作業性の低下が懸念される。また、水分を飛ばすために乾燥工程を行うと、ランニングコストが増大する。そのため、水や結合剤の添加が不要となる高圧成型が好ましい。
製鋼用加炭剤が投入される溶鋼は、特に限定されないが、電気炉におけるスクラップを原料とした溶鋼に特に好適に使用できる。また、電気炉の中でもバッチ式電気炉が特に好ましい。
製鋼用加炭剤は、炭素材と、アルミニウムドロスと、鉄粉とを含む。製鋼用加炭剤は、これらの原料を混合し、成型することで得られる。なお、製鋼用加炭剤は、炭素材、アルミニウムドロス、及び鉄粉以外の原料を含んでもよい。
製鋼用加炭剤の比重としては、2.5以上が好ましく、3以上がより好ましい。比重が上記下限より小さいと、製鋼用加炭剤が溶鋼界面に到達する前に、炭素材が燃焼するおそれがある。なお、比重の上限としては、例えば6である。
<炭素材>
炭素材は、炭素を主成分とする材料である。ここで、「主成分」とは、70質量%以上含まれる成分を意味する。
炭素材としては、石炭、黒鉛、コークス、又は炭化炉由来の炭素含有物質が好ましい。また、木材を炭化させた炭化チップも使用できる。石炭、黒鉛、及びコークスは、天然資源であり、製鋼分野にて従来から使用されている炭素材である。炭化炉由来の炭素含有物質は、廃棄物の減容化手段である有機物の炭化炉から生成される炭化物質である。炭化炉由来の炭素含有物質を使用すれば、天然資源の消費を抑えることができる。なお、成型前の炭素材の粒径としては3mm以下が好ましい。
製鋼用加炭剤における炭素材の含有量の下限としては、30質量%が好ましく、35質量%がより好ましい。一方、炭素材の含有量の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。
また、製鋼用加炭剤における炭素材に由来する炭素(つまり固定炭素)の金属アルミニウム100質量部に対する含有量としては、200質量部以上が好ましい。
さらに、製鋼用加炭剤における固定炭素の含有量の下限としては、20質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。一方、固定炭素の含有量の上限としては、50質量%が好ましく、45質量%がより好ましい。
製鋼用加炭剤における炭素材又は固定炭素の含有量が上記下限よりも小さいと、加炭効率が不十分となるおそれがある。逆に、炭素材又は固定炭素の含有量が上記上限よりも大きいと、アルミニウムドロスや鉄粉等の含有量が小さくなるため、この場合も加炭効率が十分に得られないおそれがある。
<アルミニウムドロス>
アルミニウムドロスは、アルミニウムを溶解するときに発生する溶滓である。アルミニウムドロスは、組成として金属アルミニウム(M−Al)及びアルミナ(Al)を含む。
金属アルミニウムは、活性が高いため、高温酸化雰囲気では炭素材よりも先に酸素と反応する。そのため、金属アルミニウムを含有するアルミニウムドロスの存在により炭素材の酸化燃焼が抑制される。以下に、この効果を確認するために行った試験を説明する。
まず、固定炭素76.32%の土壌黒鉛単体の成型物Aと、この土壌黒鉛に金属アルミニウムを10質量%含んだアルミニウムドロス(AD10)粉末を混合した成型物Bとを作製した。成型物Bは、土壌黒鉛とAD10との混合質量比を7:3とした。
次に、酸化鉄(Fe)の純度95%の一級試薬を反応量以上の140g入れた黒鉛坩堝を2つ用意した。これらの黒鉛坩堝にそれぞれ成型物A及び成型物Bを10gずつ入れ、実験用電気炉にて1400℃、40分の加熱を行い、熱還元反応を比較した。
上記熱還元反応により得られた還元鉄の歩留まりをFe(鉄)の形態分析により行った。具体的には、坩堝の内容物の全量を臭素メタノール、塩酸、王水の順で溶解して、Feの形態分析を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006622755
表1に示されるように、成型物Aと成形物Bとで、還元力は同等であった。つまり、この試験により、炭素材に3質量%の金属アルミニウムを含有させても炭素材100質量%の成型物と同等の還元力が発揮されることが示された。つまり、還元力を維持したまま、炭素材を金属アルミニウムの重量分だけ減らすことができることがわかる。同時に、炭素材の減量により、発生する二酸化炭素の量も低減される。また、アルミニウムドロスに含まれるアルミナは、CaOの滓化促進効果も有する。
製鋼用加炭剤におけるアルミニウムドロスの含有量は、製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量が一定範囲になるように決定される。製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量の下限としては、2質量%であり、4質量%がより好ましい。一方、製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量の上限としては、10質量%であり、8質量%がより好ましい。
製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量が上記下限よりも小さいと、炭素材の酸化燃焼の抑制が不十分となるおそれがある。逆に、製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量が上記上限よりも大きいと、炭素材や鉄粉等の含有量が相対的に小さくなるため、加炭効率が十分に得られないおそれがある。
アルミニウムドロスにおける金属アルミニウムの含有量は一定ではないが、例えばJIS−G−2402(2009)に準拠した分析方法によって、迅速に分析することができる。これにより、金属アルミニウムの含有量を容易に調整できる。
アルミニウムドロスにおける金属アルミニウムの含有量の下限としては、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。一方、アルミニウムドロスにおける金属アルミニウムの含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。
アルミニウムドロスにおける金属アルミニウムの含有量を上記上限以下とすることで、アルミニウムの回収が困難なために製鋼分野での利用が限定されている低品位のアルミニウムドロスを有効活用することができる。なお、アルミニウムドロスにおける金属アルミニウムの含有量が上記下限よりも小さいと、製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量を一定量以上とするためのアルミニウムドロスの量が増大し、炭素材の含有量が相対的に減少するおそれがある。また、成型前のアルミニウムドロスの粒径としては20メッシュ以下が好ましい。
<鉄粉>
鉄粉は、製鋼用加炭剤の比重を高めるために含有される。鉄粉としては、入手性の観点から酸化スケールを用いてもよい。また、酸化していない鉄粉と酸化スケールとを混合して使用してもよい。
製鋼用加炭剤における鉄粉の含有量の下限としては、20質量%であり、25質量%がより好ましい。一方、製鋼用加炭剤における鉄粉の含有量の上限としては、50質量%であり、40質量%がより好ましい。
製鋼用加炭剤における鉄粉の含有量が上記下限よりも小さいと、製鋼用加炭剤の比重が十分に大きくならず、炭素材が溶鋼界面に到達する前に酸化燃焼し、加炭効率が低下するおそれがある。逆に、製鋼用加炭剤における鉄粉の含有量が上記上限よりも大きいと、炭素材やアルミニウムドロス等の含有量が相対的に小さくなるため、この場合も加炭効率が十分に得られないおそれがある。
ここで、酸化スケールは、製鋼所で大量に発生する酸化鉄であり、その代表成分はFeである。酸化スケールを製鋼用加炭剤の原料として用いる場合、溶鋼内で熱を奪うため、電力原単位の増加の懸念がある。これを避けるためには、酸化スケールを還元する金属アルミニウムの含有量を調整すればよい。酸化鉄(Fe)と金属アルミニウムとの反応(いわゆるテルミット反応)は、下記式(1)で表される。
8Al+3Fe→9Fe+4Al+802Kcal/mol・・・(1)
上記式(1)によれば、216gのアルミニウムは、696gの酸化鉄と反応して504gの鉄を生成すると共に802Kcal/molの反応熱を出す。
したがって、例えば製鋼用加炭剤が20質量%の酸化スケールを含む場合、7質量%以上の金属アルミニウムを含有すれば、電力原単位の増加を避けることができる。換言すれば、電力原単位の増加を避けるためには、製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量としては、酸化スケール100質量部に対し、33質量部以上が必要である。
[1−2.製鋼方法]
次に、本実施形態の製鋼用加炭剤を用いた製鋼方法について説明する。
本実施形態の製鋼方法は、炭素を溶鋼に添加する工程を備える。
炭素を溶鋼に添加する工程は、精錬工程の一部である。炭素は、本実施形態の製鋼用加炭剤の炉への投入によって溶鋼に添加される。なお、精錬工程において、溶鋼には、石灰、造滓材等の他の添加剤も装入される。
製鋼用加炭剤は、鉄粉の含有により比重が大きくなっているため、自重によってスラグの下に到達する。つまり、製鋼用加炭剤は、溶鋼界面においてアルミニウムドロスに含まれるアルミニウムによって還元雰囲気を形成する。この還元雰囲気の下、製鋼用加炭剤に含まれる炭素材の酸化燃焼が抑制され、効率よく溶鋼が加炭される。
[1−3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)製鋼用加炭剤中に一定量含有されるアルミニウムドロスに由来する金属アルミニウムが炭素材よりも優先して酸素と反応する。また、アルミニウムドロスが含むアルミナが、溶鋼界面において炭素材と大気との接触を防ぐ。これらの結果、炭素材の酸化燃焼が抑制される。
さらに、成型体中に一定量以上含有される鉄粉により、加炭剤の比重が大きくなる。これにより、加炭剤が溶鋼のスラグ上に滞留することが抑制され、スラグ下の溶鋼界面に炭素材を供給することができる。したがって、スラグ上で炭素材が燃焼することが抑制される。以上から、本開示の製鋼用加炭剤によれば、溶鋼に対する加炭効率が高められ、操業の安定性が向上する。
(1b)不必要な炭素材の燃焼の抑制により、二酸化炭素の発生量が抑えられる。さらに、アルミニウムドロスを原料として用いることで、加炭剤のコスト、ひいては製鋼コストを低減することができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[3.実施例]
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
<実施例1>
まず、炭素材としての粒径3mm以下で固定炭素76.32%の土壌黒鉛と、粒径1mm以下で金属アルミニウムの含有量が30質量%のアルミドロス粉末(AD30)と、粒径1mm以下で金属鉄の含有量が80質量%の鉄粉とを4:2:4の質量比で混合した。この混合物を結合剤と水とを使用せずに高圧成型機で成型し、ブリケット状の製鋼用加炭剤を実施例1として製造した。この製鋼用加炭剤における金属アルミニウムの含有量は6質量%である。
次に、製造した製鋼用加炭剤を用いて実炉試験を行った。試験における溶落炭素(MDC)の目標値を0.3%に設定し、スクラップの挿入量は平均88tとした。このスクラップを原料とする溶鋼に従来の加炭剤である無煙炭と、実施例1の製鋼用加炭剤とを原単位を変えながらチャージごとに投入し、MDCを測定した。これらの結果を表2に示す。なお、表2中、無煙炭の原単位が9.13kg/tとなっている数値は、7チャージの平均結果である。
Figure 0006622755
表2に示されるように、実施例1の製鋼用加炭剤では、原単位を無煙炭に比べて2kg/t減らした場合でも、目標値0.3%を超える0.43%のMDCとすることができた。この実炉試験では、実施例1の製鋼用加炭剤の原単位は7〜9kg/tで0.3%のMDCを達成できる。
さらに、従来の無煙炭と実施例1の製鋼用加炭剤とをそれぞれ用いて試験操業を行い、7チャージにおけるMDCの平均値と、各原単位の平均値とを測定した。これらの結果を表3に示す。
Figure 0006622755
表3に示されるように、実施例1の製鋼用加炭剤では、原単位を無煙炭に対し約3割減らしてもMDCの数値が高くなっている。したがって、実施例1の製鋼用加炭剤を用いた操業の熟練度が増せば、炭粉吹込みの停止も考えられる。その結果、製鋼における溶解期及び酸化精錬の作業が容易になり、労働負荷が低減できる。
<実施例2>
実施例1と同じ土壌黒鉛と、粒径1mm以下で金属アルミニウムの含有量が15質量%のアルミドロス粉末(AD15)と、実施例1と同じ鉄粉とを、5:1:4の質量比で混合し、製鋼用加炭剤を実施例1と同様に製造した(つまり、実施例1からアルミニウム含有量を1.5質量%に減らした)。この製鋼用加炭剤を用いて加炭剤の原単位を8.5kg/tで操業したところ、MDCは0.32%であり、実施例1とほぼ同じであった。
<比較例1>
実施例2と同じ土壌黒鉛と、アルミドロス粉末と、鉄粉とを、6:3:1の質量比で混合し、製鋼用加炭剤を実施例1と同様に製造した。この製鋼用加炭剤を用いて加炭剤の原単位を8.3kg/tで操業したところ、MDCは0.30%であった。
実施例2よりもMDCが下がった理由としては、鉄粉の含有量が減少したため、製鋼用加炭剤がスラグ上に滞留し、その結果、黒鉛が酸化燃焼して加炭効率が低下したためと考えられる。
<比較例2>
加炭剤として炭素を4〜5%含む銑鉄及びコークスを用いて、スクラップ総量88tのうち、4.6tを加炭剤としての銑鉄とし、コークス原単位6.6kg/t、炭粉吹込み原単位1.65kg/tで操業を行った。その結果、MDCは、0.251%で、目標値0.3%には至らなかった。
<比較例3>
加炭剤としてコークスを用いて、コークス原単位9.09kg/t、炭粉吹込み原単位3.82kg/tで操業を行った。その結果、MDCは、0.21%で、目標値0.3%には至らなかった。

Claims (3)

  1. 成型体状の製鋼用加炭剤であって、
    炭素材と、
    アルミニウムドロスと、
    鉄粉と、
    を含み、
    金属アルミニウムの含有量は2質量%以上10質量%以下であり、
    前記鉄粉の含有量は20質量%以上50質量%以下である、製鋼用加炭剤。
  2. 前記炭素材は、石炭、黒鉛、コークス、又は炭化炉由来の炭素含有物質である、請求項1に記載の製鋼用加炭剤。
  3. 炭素を溶鋼に添加する工程を備える製鋼方法であって、
    前記添加する工程において、請求項1又は請求項2に記載の製鋼用加炭剤を溶鋼に投入する、製鋼方法。
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