JPH1046226A - アーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造方法 - Google Patents

アーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造方法

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JPH1046226A
JPH1046226A JP8216037A JP21603796A JPH1046226A JP H1046226 A JPH1046226 A JP H1046226A JP 8216037 A JP8216037 A JP 8216037A JP 21603796 A JP21603796 A JP 21603796A JP H1046226 A JPH1046226 A JP H1046226A
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furnace
steel
arc
iron
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JP8216037A
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Takeshi Suzuki
健史 鈴木
San Nakato
参 中戸
Kenichi Tanmachi
健一 反町
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Kawasaki Steel Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク式電気製鋼炉は高炉−転炉方式に比
し、初期の設備投資額が少いほか、他にも有利な点があ
るので最近見直されている。しかし、従来のアーク式電
気製鋼によった溶鋼は、一般に転炉鋼に比し、窒素濃度
が高く、いわゆる低級鋼の域を脱しない欠点があった。
本発明はこの欠点を克服して少くとも30ppm前後の
低窒素鋼を溶製する効果的な方法を提供する。 【解決手段】 溶銑、固体銑鉄、還元鉄、炭化鉄等を主
原料とするアーク式電気製鋼炉による溶鋼の製造方法に
おいて、炉内原料が溶融してフラットバスを形成するま
での時間帯は、炉の排滓口を全閉のままでアーク加熱を
行い、溶鋼温度が1500℃以上、溶鋼のC濃度が1.
0重量%以上になった時点で、通電を停止し排滓口を開
放する。この開放された排滓口から装入したランスを介
して溶鋼中に酸素を吹込み脱炭すると共に脱窒する。上
記各工程が終了し溶鋼温度が1650℃になったら未還
元のまま出鋼する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアーク式電気炉によ
る低窒素溶鋼の製造方法に係り、特に安定して低窒素鋼
を製造し得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アーク式電気炉製鋼法は、従来の大量生
産の高炉−転炉製鋼法に比し、次の如き利点を有してい
る。 (イ)高炉−転炉製鋼法に比して初期の設備投資額が少
い。 (ロ)生産量の調整が容易である。 (ハ)多様な主原料の変化に対して容易に対応できる。 以上の如き利点が認識されて、近年製鉄所の新設もしく
は改造に際して電気炉製鋼法を選択するケースが増加し
ている。しかし従来の電気炉製鋼による製品の多くは、
原料が多種多様のスクラップであることもあり、一般に
棒鋼や形鋼等のいわゆる低級鋼であり、また電気炉製鋼
法による溶鋼中の窒素濃度は一般に70〜120ppm
と、転炉溶鋼に比較して高いという製造法に基づく本来
的欠点もある。しかし、電気炉製鋼法の上記利点が見直
されている現在、今後、電気炉製鋼による薄板等の高級
鋼製造への展開が期待されているために、溶鋼中の窒素
濃度の低減は避けて通れない大きな課題である。
【0003】溶鋼中の窒素濃度の低減に関し考察する
に、電気炉における脱窒および吸窒反応の基本的な現象
は転炉におけるそれと同一であり、脱窒速度と吸窒速度
のバランスで出鋼時の溶鋼中の窒素濃度が決まると考え
られるが、転炉製鋼に比して設備、操業上の大きな相違
点として以下の項目が挙げられる。 1)炉が実質開放系であり、転炉に比較して大気の吸引
量が多い。すなわち炉内の窒素濃度が高い。 2)アーク中では雰囲気ガスは原子化しており、アーク
スポットで雰囲気ガス中の窒素を吸収しやすい。 3)転炉に比較してCOガス発生量が少く、いわゆるC
hemicalvacuumによる脱窒量が少い。 従来の電気炉製鋼による溶鋼中窒素濃度の低減策として
は、還元鉄や銑鉄等の高炭素含有原料の使用、あるいは
炭材の吹き込み等によりCOガス発生量を増加させるこ
とにより、スラグフォーミングを促進し上記1)、2)
に起因する吸窒量の低減、および3)の効果による脱窒
促進が図られてきた。以下、2〜3の従来技術について
説明する。
【0004】(a)特開昭53−043003号公報 この発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、「溶解素材溶解時に、ミルスケール、アーク炉ダス
ト等の酸化剤を、 酸化剤中の有効酸素濃度(%)≧(スクラップ中の炭素
濃度(%)−0.12)×4/3 となる如く配合して溶け落ちでの鋼浴炭素濃度を0.1
2重量%以下とし、かかる溶鋼にキャリヤーガスによっ
て炭素を目標炭素濃度まで吹込むことを特徴とするアー
ク式操業法。」である。すなわち、この発明は、ミルス
ケール等の酸化剤中の有効酸素濃度を特定値以上に配合
し、溶け落ちでの溶鋼中炭素濃度を低く抑え、この溶鋼
へキャリアガスによって炭素を目標濃度まで吹き込むこ
とによって、低窒素溶鋼を得る方法である。
【0005】(b)特開平3−028312号公報 この発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、 (1)電気炉製鋼において、コークス炉、高炉あるいは
転炉から発生するガスを単独もしくは混合しキャリヤー
ガスとして固体炭素を電気炉に吹込むことを特徴とする
溶鋼への固体炭素吹込み法。 (2)電気炉製鋼において、コークス炉、高炉あるいは
転炉から発生するガスを単独もしくは混合しキャリヤー
ガスとしてアルミ灰を吹込むことを特徴とするアルミ灰
吹込み法。 (3)電気炉製鋼において、コークス炉、高炉あるいは
転炉から発生するガスを単独もしくは混合しキャリヤー
ガスとして溶鋼中にフラックスを吹込むことを特徴とす
るフラックス吹込み法。 すなわち、溶け落ち後の溶鋼中炭素濃度を上昇させる方
法として、炭素吹き込みのキャリアガスとして、コーク
ス炉ガス、高炉ガス、転炉ガスを用いる方法の開示であ
る。
【0006】(c)特開昭52−147513号公報 この発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、「製鋼用電弧炉において、電極を中空にし中空部を
通して電弧部へArなどの不活性ガス、炭化水素などの
還元性ガスの1種もしくは2種以上を供給しながら溶け
落ち時の溶鋼中炭素含有量を0.1%以上とし、かつ還
元期の平均昇温速度を10℃/min以下にすることを
特徴とする製鋼用電弧炉における低窒素鋼の溶製方
法。」である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらスラグフ
ォーミングについては、スラグフォーミング効果が大き
く、かつその程度を制御できる効果的な方法はなく、実
際の操作としてはオペレータが操業の状況をみてスラグ
フォーミング促進剤である炭剤の吹き込み速度を変化さ
せる程度である。従って1チャージ毎にスラグフォーミ
ング状況が異なることが避けられず、安定して低窒素濃
度の溶鋼を得ることは困難である。脱窒の原理は転炉製
鋼と同様にアーク式電気炉製鋼においても、鋼浴中に発
生するCOガス気泡へのNの拡散、排出現象により理解
されている。従って脱炭速度が大きいほど脱窒が促進さ
れる。またCOガス発生量を増加させて脱窒を促進させ
る方法も、COガスが発生している間は効果があるもの
の、COガス発生量が低下する操業末期はアークスポッ
トからの吸窒速度が脱窒速度を上回ると操業の進行に伴
い溶鋼中窒素濃度が上昇する。特に電気炉操業では溶鋼
中炭素濃度が低下していても溶鋼温度が目標出鋼温度に
達していない場合が一般的であり、こうした操業では末
期の昇温過程における吸窒量が大きいため、どのような
方法で炭剤の吹き込みを行っても出鋼時の溶鋼中窒素濃
度は通常の操業と同等となることが多い。従って単に高
炭素含有原料の使用や炭材の吹き込みを行っても安定し
て低窒素濃度の溶鋼を得ることは難しい。また使用炭材
によっては吸窒を招き溶鋼中窒素濃度の上昇を来たすも
のであるので厳選する必要がある。
【0008】また上記特開昭52−147513号公報
の如く、中空電極を用いて中空部より不活性ガスや還元
性ガスを供給する方法は、確かにアークスポットからの
吸窒を制御する効果はあるものの、電極の中空化および
不活性ガスや還元性ガスの使用量の大幅な増加を来た
し、コストの上昇をもたらすので実用的ではない。本発
明の目的は、アーク式電気製鋼炉における低窒素鋼溶製
の上記従来技術の欠点を解消し、常に安定して低窒素鋼
を溶製して得る効果的な方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは次のとおりである。すなわち、 (1)アーク式電気製鋼炉の主原料の一部として溶融銑
鉄、固体銑鉄、還元鉄、炭化鉄のうちから選ばれた一種
もしくは二種以上を配合する溶鋼の製造方法において、
前記炉内原料が溶融してフラットバス(平坦湯面)を形
成するまでの時間帯は炉の排滓口を全閉とした状態でア
ーク加熱を行う段階と、炉内溶鋼温度が1500℃以上
に上昇し、かつ溶鋼中のC濃度が1.0重量%以上のフ
ラットバスを形成した後は通電を停止して前記排滓口を
開放する段階と、前記排滓口の開放後該排滓口から装入
したランスを介して溶鋼中に酸素を吹込み前記溶鋼を更
に精錬ならびに昇温する段階と、前記各段階終了の後前
記溶鋼を未還元のまま出鋼する段階と、を有して成るこ
とを特徴とするアーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造
方法。
【0010】(2)前記排滓口を全閉とした状態でアー
ク加熱を行う時間帯に、炉壁に設置されたバーナーによ
る単独加熱もしくは送酸を伴う併合加熱を行うことを特
徴とする上記(1)に記載のアーク式電気炉による低窒
素溶鋼の製造方法。 (3)前記排滓口を全閉とした状態でアーク加熱を行う
時間帯に、炉上から酸化鉄等の固体酸素源の投入を行う
ことを特徴とする上記(1)もしくは(2)に記載のア
ーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を工程別に説明する。 (1)アーク式電気製鋼炉の主原料の銑鉄、固体銑鉄、
還元鉄等の1もしくは2種以上の炉内原料をアーク加熱
し、平坦な湯面すなわちフラットバス(flatbat
h)を形成するまでの時間帯は、炉の排滓口を全閉とし
た状態でアーク加熱を行う。排滓口を全閉にすることに
よって、大気の吸引量が最小限に制御され、その結果炉
内雰囲気中の窒素濃度が最小限となり、従ってアークス
ポットでの吸窒が最小限の状態で主原料の溶解を完了す
ることができる。また、排滓口を全閉した状態でアーク
加熱と同時に、炉壁に設置したバーナーによる加熱、も
しくは送酸との併合加熱を行うことにより、アークスポ
ットにおける溶解が軽減され、吸窒の少い状態で溶解を
完了することができる。
【0012】(2)炉内溶鋼温度が1500℃以上に上
昇し、かつ溶鋼中のC濃度が1.0重量%以上のフラッ
トバスを形成した後は通電を停止して排滓口を開放す
る。この時点の溶鋼温度を1500℃以上とし、溶鋼中
のC濃度を1.0重量%以上と限定した理由は、実験的
に決めたもので次の如くである。すなわち、開放された
排滓口から装入したランスによって溶鋼中に酸素を吹込
み、その際に生じる脱炭反応等の酸化反応熱のみで目的
の出鋼温度まで溶鋼を昇熱させるためには、この時点で
の溶鋼温度を少なくとも1500℃以上に確保しなけれ
ばならず、また図1、図2の実施例から、この時点の溶
鋼中のC濃度が少くとも1.0重量%以上でない場合に
は、溶鋼温度が目標の出鋼温度に達するまでに、溶鋼中
のCはほとんど脱炭されてしまい、その結果Feを酸化
させて昇熱を行わねばならないこととなる。Feの酸化
により溶鋼の昇熱を行なえば、溶鋼歩留の低下をもたら
す。これを避けるために再通電を行なえば、アークスポ
ットからの吸窒を生ずることとなるからである。
【0013】(3)排滓口の開放後、該開放口から装入
したランスを介して溶鋼中に酸素を吹込み、溶鋼を更に
脱炭精錬し、昇温する。(1)、(2)の工程の主原料
装入、溶解の工程を経て脱窒反応可能の溶鋼温度150
0℃以上、C濃度を少くとも1.0重量%とし、この段
階でアーク加熱を中止して、排滓口から装入したランス
を介して溶鋼中に酸素を吹込み脱炭精錬する。上記の如
く、脱窒の原理は鋼浴中に発生するCOがス気泡へのN
の拡散、排出現象によって理解されている。従って溶鋼
温度が1500℃以上でかつ溶鋼中のC濃度が少くとも
1.0重量%以上になる時点を待って、本発明では開放
した排滓口から装入したランスを介して、溶鋼中に酸素
を吹込み活発な脱炭を行わしめて精錬ならびに昇温する
方法をとったもので、この工程によりCOガス気泡が活
発に発生し、従って活発な脱窒反応が促進され、溶鋼温
度は出鋼温度の1650℃まで上昇する。従ってCOガ
ス発生量の低下した操業末期におけるアーク加熱による
吸窒は回避できる。
【0014】上記各段階の工程終了後、炉内の溶鋼を未
還元のまま出鋼する。また望ましくはフラットバスを形
成するまでの時間帯において、炉内圧を正圧側で保つこ
とができれば大気の吸引量はより低減できる。そのため
炉壁に設置されたバーナーの使用や、バーナーからの酸
素の供給は炉内のガス量を増加させるので好適である。
さらに炉上からの酸化鉄等の固体酸素源の投入はCOガ
スの発生をもたらし、炉内のガス量を増加させるととも
に脱窒にも作用するため、低窒素濃度の溶鋼製造により
有効である。
【0015】
【実施例】本発明を100tアーク炉に適用した例を以
下に示す。このアーク式電気製鋼炉は炉上から小塊原料
の連続投入機能を備えた直流電気炉である。実施例およ
び比較例の主原料配合と操業方法を表1にまとめた。実
施例1〜3は本発明の方法である。このうち実施例1は
炭素含有量が2重量%の固体還元鉄を80%配合した場
合、実施例2は炭素含有量が4.5重量%の銑鉄を45
%配合した場合、実施例3は主原料配合を実施例2と同
様とし、フラットバス形成までの間に炉上より鉄鉱石を
合計15kg/t連続投入した場合である。比較例は主
原料配合が実施例2、3と同様で主原料中の炭素含有量
は多いが、操業は通常の電気炉操業のように1チャージ
の操業期間中排滓口を開放して通電と送酸を行った場合
である。表1に記載された操業は時間帯別に区分し、通
電−2B、2B−溶落ち、溶落ち−出鋼とした。2Bは
第2バスケットを意味し、主原料は通電以前に炉内に装
入する分を第1バスケットとし1Bを以て表し、1Bの
大部分が溶け落ちた後に装入する主原料を第2バスケッ
トと称し2Bにて表示したものである。なお○印は使用
を意味し、×印は不使用を表す。
【0016】
【表1】
【0017】図1は実施例1、2、3および比較例にお
ける溶け落ち時より出鋼直前までの溶鋼中のC濃度を重
量%にて表した線図であり、図2は同様の実施例1、
2、3および比較例における図1と同一の溶け落ち時よ
り出鋼直前までの経過時間における溶鋼中のN濃度の変
化をppmにて表した線図である。図2で示す比較例で
はフラットバスの形成前から送酸を行っているため、こ
の間のCOガスの発生量が多く、溶け落ちでの溶鋼中窒
素濃度は36ppmと低くなる。しかしフラットバスの
形成後はすでに溶鋼中炭素濃度が0.73%まで低下し
ているためCOガスの発生量が減少するとともに、通電
を行っているために操業末期に著しい吸窒が生じ、最終
的に出鋼前の溶鋼中窒素濃度は48ppmとなり、実施
例1、2、3における窒素濃度の30ppm前後と比較
して著しく高いことを示している。
【0018】これに対し実施例1では溶け落ちでの溶鋼
中窒素濃度は54ppmと比較例より高いが、この時の
溶鋼中炭素濃度は1.27%と高く、フラットバス形成
後の送酸による多量のCOガスの発生、および通電の停
止により著しい脱窒反応が生じる。この結果出鋼前の溶
鋼中窒素濃度は32ppmと低値が得られた。実施例2
では実施例1よりも装入主原料中の炭素含有量が多い分
COガスの発生量が増加し、脱窒がより進行した結果、
出鋼前の溶鋼中窒素濃度は29ppmとなった。実施例
3ではフラットバス形成前の鉄鉱石の連続投入によりこ
の時間帯のCOガスの発生量が増加し、溶け落ちでの溶
鋼中窒素濃度は44ppmと他の実施例に比較して操業
初期の窒素ピックアップが抑えられた。フラットバス形
成後は実施例1、2と同様に脱窒が進行し、出鋼前の溶
鋼中窒素濃度は27ppmと最も低い水準に達すること
ができた。なお実施例においては、いずれも溶鋼温度が
1500℃以上となるまで通電を行い、その後に通電を
停止、送酸を開始しているため、送酸のみでも出鋼温度
約1650℃までの昇温は十分可能であった。
【0019】
【発明の効果】本発明はアーク式電気製鋼炉に溶銑、固
体銑鉄、還元鉄等の主原料を装入した後、電気炉の排滓
口を全閉の状態でアーク加熱によって溶解を行い、全主
原料が溶落ちて平坦な湯面(フラットバス)を形成さ
せ、炉内温度が1500℃以上に上昇し、かつ溶鋼中の
C濃度が1.0重量%以上に達した時点で通電を停止し
て排滓口を開放する。その後、開放された排滓口から装
入したランスを介して溶鋼中に酸素ガスを吹込み脱炭反
応と脱窒反応を促進せしめる。かくして溶鋼温度が16
50℃に達したならば未還元のまま出鋼する方法をとっ
たので、次の効果を挙げることができた。 (イ)主原料の溶解工程においては排滓口を全閉してい
るので、大気の吸引量が少く、従って炉内雰囲気中の窒
素濃度が最小限となる。 (ロ)溶鋼温度が1500℃以上となり、炭素濃度が
1.0重量%以上となったならば、開放された排滓口か
らランスによる送酸によって、激しい脱炭反応と、これ
に伴う脱窒反応が行われるので30ppm程度までの脱
窒が可能となった。 (ハ)本発明の方法はアーク加熱による主原料の溶解
と、これに続くランスによる送酸工程をたくみに組合わ
せる方法をとったので、操業が安定し、脱窒反応が促進
され、低窒素鋼の安定製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2、3および比較例の主原
料の溶け落ち期から出鋼直前までの溶鋼中のC濃度%の
経時変化を比較して示した線図である。
【図2】本発明の実施例1、2、3および比較例の主原
料の溶け落ち期から出鋼直前までの溶鋼中のN濃度(p
pm)の経時変化を比較して示した線図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク式電気製鋼炉の主原料の一部とし
    て溶融銑鉄、固体銑鉄、還元鉄、炭化鉄のうちから選ば
    れた一種もしくは二種以上を配合する溶鋼の製造方法に
    おいて、前記炉内原料が溶融してフラットバス(平坦湯
    面)を形成するまでの時間帯は炉の排滓口を全閉とした
    状態でアーク加熱を行う段階と、炉内溶鋼温度が150
    0℃以上に上昇し、かつ溶鋼中のC濃度が1.0重量%
    以上のフラットバスを形成した後は通電を停止して前記
    排滓口を開放する段階と、前記排滓口の開放後該排滓口
    から装入したランスを介して溶鋼中に酸素を吹込み前記
    溶鋼を更に精錬ならびに昇温する段階と、前記各段階終
    了の後前記溶鋼を未還元のまま出鋼する段階と、を有し
    て成ることを特徴とするアーク式電気炉による低窒素溶
    鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記排滓口を全閉とした状態でアーク加
    熱を行う時間帯に、炉壁に設置されたバーナーによる単
    独加熱もしくは送酸を伴う併合加熱を行うことを特徴と
    する請求項1に記載のアーク式電気炉による低窒素溶鋼
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記排滓口を全閉とした状態でアーク加
    熱を行う時間帯に、炉上から酸化鉄等の固体酸素源の投
    入を行うことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の
    アーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造方法。
JP8216037A 1996-07-29 1996-07-29 アーク式電気炉による低窒素溶鋼の製造方法 Pending JPH1046226A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100435500B1 (ko) * 2002-09-09 2004-06-10 주식회사 포스코 전기로에서 저질소 용강의 제조방법
KR101363927B1 (ko) * 2012-08-10 2014-02-20 주식회사 포스코 용강의 정련 방법
JP2020094247A (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 日本製鉄株式会社 精錬用ランス、精錬用ランス装置、電気炉および製鋼方法

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