JP4137094B2 - 加熱炉用の燃焼装置 - Google Patents
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Description
前記炉壁における前記燃料噴出部装着用凹部とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを前記外筒状体の先端が前記内筒状体の先端よりも突出する状態で同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置に関する。
そして、そのように中央噴出路31及び周囲噴出路32から噴出されたガス燃料を、外筒状体10の等径状の内周面部分10sによる案内により、外筒状体10の先端開口から噴出部軸心方向に沿う直進状に噴出させるように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、燃料噴出部からのガス燃料の噴出方向(即ち、噴出部軸心方向)に沿う方向での炉内の長さが短い加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると火炎が炉壁に当たって炉壁の耐久性が低下するので、火炎の長さの短縮化が望まれ、又、燃料噴出部からのガス燃料の噴出方向の先方に炉内ガスの排気口が設けられた加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると、炉外に放出される熱量が多くなってエネルギ効率が低下するので、火炎の長さを短縮して、炉外に放出される熱量を少なくすることが望まれるものであり、それに併せて、燃料噴出部からのガス燃料の噴出方向に直交する方向での炉内の温度分布を小さくするために、火炎の幅の増大化が望まれる。
そして、燃料噴出部から噴出されたガス燃料を噴出部径方向外方に広がらせ難いことから、火炎の幅を十分に広くし難いものであり、又、火炎を燃料噴出部装着用凹部の内面に十分にへばりつかせて火炎の長さを短くし難いものであり、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図る上で改善の余地があった。
前記炉壁における前記燃料噴出部装着用凹部とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを前記外筒状体の先端が前記内筒状体の先端よりも突出する状態で同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記外筒状体の先端部の内周面が、先端側ほど大径となる先広がり状に形成され、
前記環状の周囲噴出路に、その周囲噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている点を特徴とする。
従って、燃料噴出部の大径化を回避しながら、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
前記内筒状体が、その先端が前記外筒状体の前記先広がり状の内周面部分の後端よりも先端側に位置するように設けられている点を特徴とする。
しかしながら、これらの場合は、環状の周囲噴出路のガス燃料噴出位置及び中央噴出路のガス燃料噴出位置が、噴出部軸心方向において、外筒状体の先広がり状の内周面部分の後端と同位置に位置する、又は、外筒状体の先広がり状の内周面部分の後端よりも後方側に位置することになって、環状の周囲噴出路から旋回する状態で噴出されるガス燃料と中央噴出路から噴出されるガス燃料とが混合し易くなるので、環状の周囲噴出路から噴出されるガス燃料の旋回力の低下を十分に抑制することができない。従って、燃料噴出部によりガス燃料を噴出部径方向外方に十分に広がらせるように噴出させることができず、火炎の幅を広くすると共に火炎の長さを短くする上で、不利となる。
前記環状の周囲噴出路が、前記外筒状体における前記先広がり状の内周面部分よりも後端側においては、先端側ほど小径となる先細状噴出路部分と、その先細状噴出路部分の後端に連なり且つ径が軸心方向に沿って等径又は略等径の等径状噴出路部分とを備えるように形成されている点を特徴とする。
前記中央噴出路からのガス燃料の噴出量と前記周囲噴出路からのガス燃料の噴出量との比率を調節する噴出量比調節手段が設けられている点を特徴とする。
以下、図面に基づいて、本発明をガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設ける加熱炉の一例であるガラス溶解炉について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉は、平面視で矩形状の溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一側縁を区画する炉壁4に設けた投入口4iからガラス原料を投入し、その投入口4iを設けた炉壁4に対向する炉壁4に形成した取り出し孔4eから溶融ガラスを取り出すように構成してある。
そして、投入口4iから取り出し孔4eへ向かう原料移送方向に対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向に沿って延設し、炉本体1の左右の炉壁4の上部に、複数の空気口(所謂ポート)5を原料移送方向に沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
つまり、空気供給路6は、溶解炉横側部の空気口5(酸素含有ガス供給口に相当する)から炉内7に空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給部に相当する。
前記空気供給路6は、燃焼用空気を前記空気口5から斜め下方に向けて、燃料噴出部Bから噴出されるガス燃料の燃焼域に供給するように構成してある。
そして、各燃料噴出部装着用凹部4sに、燃料噴出部Bを先端側ほど上方に位置する上向きの傾斜姿勢にて設けてある。ちなみに、水平方向に対する燃料噴出部Bの上向き傾斜角度は、例えば、8°程度に設定してある。
炉内7の燃焼ガスEは、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出部Bの側の空気口5から、蓄熱室3に流入し、蓄熱材を通過して、蓄熱材に排熱が回収された後、排気される。
蓄熱室3においては、燃焼ガスEを排出させる状態のときに、燃焼ガスEから排熱を蓄熱材に回収して蓄熱し、燃焼用空気Aを供給する状態のときには、蓄熱材の蓄熱により燃焼用空気Aを予熱する。そして、そのように予熱された燃焼用空気Aが、空気供給路6を通流して空気口5から炉内7に供給されるのである。
尚、図6は、図5におけるロ−ロ矢視図であり、図7は、図5におけるハ−ハ矢視図である。
図4ないし図7に示すように、前記燃料噴出部Bは、外筒状体10と内筒状体20とを外筒状体10の先端が内筒状体20の先端よりも突出する状態で噴出部軸心Pにて同軸心状に備えて、内筒状体20の筒内にて中央噴出路31を形成し且つ内筒状体20と外筒状体10との間に環状の周囲噴出路32を形成するように構成してある。
そして、本発明では、前記外筒状体10の先端部の内周面12cを先端側ほど大径となる先広がり状に形成し、前記環状の周囲噴出路20に、その周囲噴出路20から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段としての旋回羽根33を設けてある。
そして、外筒噴出路形成部12として、後述するように仕様が異なる複数種を用意して、仕様が異なる外筒噴出路形成部12を外筒本体部11の先端に付け換え自在なように構成してある。
そして、内筒噴出路形成部22として、後述するように仕様が異なる複数種を用意して、仕様が異なる内筒噴出路形成部22を内筒本体部21の先端に付け換え自在なように構成してある。
又、外筒噴出路形成部12の内周面は、内径が噴出部軸心方向に沿って等径な等径状の内周面部分12aと、内径が先端側ほど小径となる先細状の内周面部分12bと、内径が先端側ほど大径となる先広がり状の内周面部分12cとが、後端側から先端側に向けて連なる形状に形成してある。
前記雌ねじ部12sは、前記外筒噴出路形成部12の内周面における等径状の内周面部分12aに形成してある。
又、内筒噴出路形成部22の内周面は、内径が噴出部軸心方向に沿って等径な等径状の大径内周面部分22dと、内径が先端側ほど小径となる先細状の内周面部分22eと、内径が前記等径状の大径内周面部分22dよりも小径で且つ噴出部軸心方向に沿って等径な等径状の小径内周面部分22fとが、後端側から先端側に向けて連なる形状に形成してある。
前記雌ねじ部22sは、前記内筒噴出路形成部22の内周面における等径状の大径内周面部分22dに形成してある。
その旋回羽根33の羽根体33w夫々は、内筒噴出路形成部22の径方向視にてその内筒噴出路形成部22の軸心、即ち、噴出部軸心Pに対してその周方向一方側に傾斜角度α(図5参照)にて傾斜するように設けてある。以下、羽根体33wが噴出部軸心Pに対して傾斜する傾斜角度αを旋回羽根33の旋回角度と記載する場合がある。
例えば、等径状の小径外周面部分22cの外径を22mmφとしてある。
そして、外筒噴出路形成部12を外筒本体部11の先端に取り付け且つ内筒噴出路形成部22を内筒本体部21の先端に取り付けた状態で、内筒噴出路形成部22の先端と外筒噴出路形成部12の先端との噴出部軸心方向での間隔(図5においてLにて示す)を8〜20mmの範囲で異ならせるように、等径状の小径外周面部分22cにおける噴出部軸心方向での長さを異ならせてある。
例えば、その旋回羽根33の旋回角度を15°〜45°の範囲で異ならせてある。
又、外筒噴出路形成部12の先端の先広がり状の内周面部分12cにて、上述のように、外筒状体10の先端部の内周面12cが先端側ほど大径となる先広がり状に形成されることになる。
つまり、前記環状の周囲噴出路32が、前記外筒状体10における前記先広がり状の内周面部分12cよりも後端側においては、先端側ほど小径となる先細状噴出路部分32bと、その先細状噴出路部分32bの後端に連なり且つ径が軸心方向に沿って略等径の等径状噴出路部分32aとを備えるように形成されている。
図5に示すように、中央噴出路31からガス燃料Gが噴出部軸心方向に直進状に噴出され、その中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gの周囲を覆う状態で、環状の周囲噴出路32からガス燃料Gが旋回羽根33による旋回作用により旋回する状態で噴出され、そのように環状の周囲噴出路32から旋回する状態で噴出されたガス燃料Gが、外筒状体10の先端部の先広がり状の内周面部分12cによる案内により、外筒状体10の先端開口から先広がり状に旋回する状態で噴出されるので、燃料噴出部Bからガス燃料Gが噴出部径方向外方に十分に広がるように噴出される。
つまり、燃料噴出部Bにより噴出部径方向外方に十分に広がるように噴出されたガス燃料Gは、燃料噴出部装着用凹部4sの内面に十分にへばりつく火炎Fを形成して燃焼することになり、このように燃焼する火炎Fは、燃料噴出部Bから噴出されたガス燃料Gが噴出部径方向外方に十分に広がりながら速やかに燃焼することにより、長さが十分に短く、しかも、幅が十分に広くなるのである。
従って、環状の周囲噴出路32から噴出されるガス燃料Gの旋回力の低下を十分に抑制することが可能となるので、燃料噴出部Bによりガス燃料Gを噴出部径方向外方に一段と広がらせるように噴出させることが可能となり、火炎Fの幅を一段と広くすると共に、火炎Fの長さを一段と短くすることが可能となる。
従って、火炎Fの幅を一段と広くすると共に、火炎Fの長さを一段と短くすることができる。
又、前記内筒本体部21の先端に接続する内筒噴出路形成部22として、前記旋回羽根33の旋回角度が大きいものを選択するほど、前記燃料噴出部Bから噴出されるガス燃料Gの噴出部径方向外方への広がりを大きくすることができるので、火炎Fの幅を広くすると共に、火炎Fの長さを短くすることができる。
図8に示すように、この第2実施形態では、上記の第1実施形態と同様に、前記外筒状体10の先端部の内周面12cを先端側ほど大径となる先広がり状に形成し、前記環状の周囲噴出路32に、その周囲噴出路32から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回羽根33を設けてある。
そして、第1実施形態と同様に、前記外筒状体10を、長尺円筒状の外筒本体部11とその外筒本体部11の先端に着脱自在に接続される外筒噴出路形成部12とを備えて構成し、前記内筒状体20を、長尺円筒状の内筒本体部21とその内筒本体部21の先端に着脱自在に接続される内筒噴出路形成部22とを備えて構成し、更に、外筒噴出路形成部12を第1実施形態と同様に構成してあるが、前記内筒噴出路形成部22が第1実施形態と異なる。
又、前記環状の周囲噴出路32を、前記外筒状体10における前記先広がり状の内周面部分12cよりも後端側においては、先端側ほど小径となる先細状噴出路部分32bと、その先細状噴出路部分32bの後端に連なり且つ径が軸心方向に沿って略等径の等径状噴出路部分22bとを備えるように形成してある。
図9に示すように、この第3実施形態では、上記の第1実施形態と同様に、前記外筒状体10の先端部の内周面12cを先端側ほど大径となる先広がり状に形成し、前記環状の周囲噴出路20に、その周囲噴出路20から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回羽根33を設けてある。
そして、第1実施形態と同様に、前記外筒状体10を、長尺円筒状の外筒本体部11とその外筒本体部11の先端に着脱自在に接続される外筒噴出路形成部12とを備えて構成し、前記内筒状体20を、長尺円筒状の内筒本体部21とその内筒本体部21の先端に着脱自在に接続される内筒噴出路形成部22とを備えて構成してあるが、前記外筒噴出路形成部12及び前記内筒噴出路形成部22が第1実施形態と異なる。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明の燃焼装置は、上記の実施形態に例示したサイドポート式のガラス溶解炉以外に、図10及び図11に示すように、所謂エンドポート式のガラス溶解炉の燃焼装置にも適用することができる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、左右一対の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させてある。
そして、前記左右一対の空気口5を形成した炉壁4の内側において、前記左右一対の空気口5夫々の下方に、有底円筒状の燃料噴出部装着用凹部4sを設け、各燃料噴出部装着用凹部4sに、第1実施形態と同様の燃料噴出部Bを第1実施形態と同様に設けて、左右の燃料噴出部Bを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、燃料噴出部Bを設けた側面側からそれに対向する側面側の取り出し孔4eに向けて、火炎Fの長手方向に沿って流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
又、上記の第2実施形態において、内筒状体20を、その先端が外筒状体10の先広がり状の内周面部分12cの後端よりも噴出部軸心方向において後端側に位置するように設けても良い。
又、上記の第3実施形態において、内筒状体20を、その先端が外筒状体10の先広がり状の内周面部分12cの後端よりも噴出部軸心方向において先端側に位置するように設けたり、その先端が外筒状体10の先広がり状の内周面部分12cの後端よりも噴出部軸心方向において後端側に位置するように設けても良い。
4s 燃料噴出部装着用凹部
5 酸素含有ガス供給口
6 酸素含有ガス供給部
7 炉内
10 外筒状体
12c 先広がり状の内周面部分
20 内筒状体
31 中央噴出路
32 周囲噴出路
32a 等径状噴出路部分
32b 先細状噴出路部分
33 旋回手段
39,40 噴出量比調節手段
B 燃料噴出部
Claims (4)
- 炉内にガス燃料を噴出する燃料噴出部が、炉壁の炉内側に設けられた有底筒状の燃料噴出部装着用凹部の底部における中央又は略中央に、先端が前記炉壁の内面よりも後退した状態で設けられ、
前記炉壁における前記燃料噴出部装着用凹部とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを前記外筒状体の先端が前記内筒状体の先端よりも突出する状態で同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置であって、
前記外筒状体の先端部の内周面が、先端側ほど大径となる先広がり状に形成され、
前記環状の周囲噴出路に、その周囲噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている加熱炉用の燃焼装置。 - 前記内筒状体が、その先端が前記外筒状体の前記先広がり状の内周面部分の後端よりも先端側に位置するように設けられている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
- 前記環状の周囲噴出路が、前記外筒状体における前記先広がり状の内周面部分よりも後端側においては、先端側ほど小径となる先細状噴出路部分と、その先細状噴出路部分の後端に連なり且つ径が軸心方向に沿って等径又は略等径の等径状噴出路部分とを備えるように形成されている請求項1又は2記載の加熱炉用の燃焼装置。
- 前記中央噴出路からのガス燃料の噴出量と前記周囲噴出路からのガス燃料の噴出量との比率を調節する噴出量比調節手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱炉用の燃焼装置。
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