JP4190564B2 - 加熱炉用の燃焼装置 - Google Patents
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Description
その燃料噴出部のガス燃料噴出箇所とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とが設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置に関する。
そして、周囲噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合が速くなり過ぎないようにするには、周囲噴出路から噴出されるガス燃料の流速を遅くして、周囲噴出路から噴出されたガス燃料により燃焼用酸素含有ガスを巻き込むエジェクタ作用が強くなり過ぎないようにすることになる。
その燃料噴出部のガス燃料噴出箇所とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とが設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記燃料噴出部にガス燃料を供給する燃料供給部が、前記中央噴出路にガス燃料を供給するように設けられ、
前記内筒状体が長尺状であり、
前記外筒状体が、前記内筒状体における先端側部分の外周部に設けられ、
前記内筒状体における前記外筒状体内に位置する部分に、前記中央噴出路に供給されたガス燃料の一部を前記周囲噴出路に供給するように連通孔が設けられ、
前記中央噴出路内における前記連通孔よりもガス燃料通流方向下流側で且つ先端の中央噴出口よりもガス燃料通流方向上流側の箇所に、ガス燃料の通過を制限する通過孔を備えた通過制限体が設けられている点を特徴とする。
そのように、周囲噴出路から噴出されるガス燃料の流速を遅くすることができることにより、周囲噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合が速くなり過ぎないようにして、中央噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合を緩慢に行わせることができるようになり、中央噴出路から噴出されるガス燃料を輝炎を形成する状態で燃焼させることができるようになる。
従って、小型軽量化を図りながら、輝炎を形成する状態でガス燃料を燃焼し得る加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
又、ガス燃料は、中央噴出路を、通流面積の広い部分から通流面積が狭まった通過制限体の通過孔を通過した後、通流面積の広い部分を通流する形態で通流する。
つまり、ガス燃料は、通過制限体の通過孔を通過した後、通流面積の広い部分を通流することにより、動圧が弱められて、中央噴出路の長手方向に直交する面における流速分布が小さくなるので、中央噴出路から噴出されるガス燃料の乱流化が抑制されて層流化が促進して、中央噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合をより一層緩慢化することができる。
そして、そのように、中央噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合をより一層緩慢化することができることにより、燃料噴出部へのガス燃料の供給量を多くして燃焼量を大きくしても、輝炎を適切に形成する状態でガス燃料を燃焼させることが可能となる。
従って、輝炎を形成する状態でガス燃料を燃焼させることができながら、ターンダウン比を大きくすることができるようになった。
前記通過制限体が、前記内筒状体の内径よりも小径で且つ先端が閉じられた筒状部と、その筒状部の基端部と前記内筒状体との間に位置する環状部とを備えて構成され、
前記通過孔が、前記通過制限体における前記筒状部の周壁に、その周方向に分散する状態で複数設けられている点を特徴とする。
そして、中央噴出路から噴出されるガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとの混合を更に緩慢化することができることにより、燃料噴出部へのガス燃料の供給量を更に多くして燃焼量を更に大きくしても、輝炎を適切に形成する状態でガス燃料を燃焼させることが可能となる。
従って、輝炎を形成する状態でガス燃料を燃焼させることができながら、ターンダウン比を更に大きくすることができるようになった。
前記外筒状体の先端噴出口が横長状である点を特徴とする。
そして、中央噴出路から噴出されるガス燃料を緩慢燃焼させて、火炎の長さを長くすることができることに加えて、火炎の横幅を広くすることができるので、例えば、溶解槽に貯留されるガラス等の加熱対象物の上面に沿わせて火炎を広く形成することが可能となり、加熱対象物を良好に加熱することが可能となる。
従って、加熱対象物を良好に加熱することが可能な加熱炉用の燃焼装置を得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明をガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設ける加熱炉の一例であるガラス溶解炉について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉は、平面視で矩形状の溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一側縁を区画する炉壁4に設けた投入口4iからガラス原料を投入し、その投入口4iを設けた炉壁4に対向する炉壁4に形成した取り出し孔4eから溶融ガラスを取り出すように構成してある。
そして、投入口4iから取り出し孔4eへ向かう原料移送方向に対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向に沿って延びるように設け、炉本体1の左右の炉壁4の上部に、複数の空気口(所謂ポート)5を原料移送方向に沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
つまり、空気供給路6は、溶解炉横側部の空気口5(酸素含有ガス供給口に相当する)から炉内7に空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給部に相当する。
前記空気供給路6は、燃焼用空気Aを前記空気口5から斜め下方に向けて、燃料噴出部Bから噴出されるガス燃料Gの燃焼域に供給するように構成してある。
そして、各燃料噴出部装着孔4sに、燃料噴出部Bをその先端を前記先広がり状の内周面部分よりも後退させた状態で挿通して設けてある。
炉内7の燃焼ガスEは、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出部Bの側の空気口5から、蓄熱室3に流入し、蓄熱材を通過して、蓄熱材に排熱が回収された後、排気される。
尚、図6は、図5におけるロ−ロ矢視図であり、図7は、図5におけるハ−ハ矢視図である。
図4ないし図7に示すように、前記燃料噴出部Bは、外筒状体10と内筒状体20とを外筒状体10の先端が内筒状体20の先端よりも突出する状態で同軸心状に備えて、内筒状体20の筒内にて中央噴出路31を形成し且つ内筒状体20と外筒状体10との間に環状の周囲噴出路32を形成するように構成してある。尚、外筒状体10と内筒状体20とは同軸心状であるので、以下では、外筒状体10及び内筒状体20夫々の軸心を統一して噴出部軸心Pと称する場合がある。
その旋回羽根36の羽根体36w夫々は、内筒ノズル部22の径方向視にてその内筒ノズル部22の軸心、即ち、噴出部軸心Pに対してその周方向一方側に傾斜するように設けて、周囲噴出路32から噴出されるガス燃料Gを旋回させる構成としてある。
図4及び図5に示すように、前記外筒本体部11の後端開口部にリング状の蓋板13を溶接にて取り付け、前記内筒本体部21の先端部を蓋板13の孔に挿通した状態で、その内筒本体部21を蓋板13に溶接にて固定して、外筒本体部11と内筒本体部21とを同軸心状に一体的に組み付けてある。
以下、このように外筒本体部11と内筒本体部21とを同軸心状に一体的に組み付けたものを、燃料噴出部本体Bmと称する場合がある。
更に、図8にも示すように、前記内筒ノズル部22の大等径状部分22Aの内周面における後端部分に、先端側の部分よりも大径の大径内周面部分22aを形成してある。
例えば、図5ないし図8に示すように、複数種のハット状通過制限体41のうちの1種として、24個の通過孔40hを、周方向全周にわたって分散する状態で12個並ぶ列が噴出部軸心Pに沿う方向に2列並び且つ隣り合う列同士で千鳥状になる形態で前記筒状部41Aの周壁に設けたもの備えてある。
ちなみに、各通過孔40hの開口面積、前記筒状部41Aの周方向に並ぶ個数、又は、噴出部軸心Pに沿う方向に並ぶ列数を異ならせることにより、総通過孔面積が異なる複数種のハット状通過制限体41を備えてある。
つまり、中央噴出路31内に設けるハット状通過制限体41を、複数の通過孔40hの総通過孔面積が異なるものに変更自在なように構成してある。
又、外筒状体10における前記内筒状体20からの突出部分の内周面が、等径状の案内用内周面部分12cにて構成されることになる。
図5に示すように、燃料供給路33から中央噴出路31に供給されたガス燃料Gは、所定の分配比率にて複数の連通孔34を通して周囲噴出路32に分配される。
そして、中央噴出路31を通流するガス燃料Gは、ハット状通過制限体41の複数の通過孔40hを内筒状体20の径方向に向かって通過した後、内筒状体20の長手方向に沿う方向に向きを変える形態で通流することにより、動圧が弱まって層流化が促進された状態で、内筒ノズル部22の小等径状部分22Cにて直進するように案内されて、中央噴出口31nから噴出部軸心方向に直進状に噴出される。
一方、複数の連通孔34を通して周囲噴出路32に分配されるガス燃料Gは、中央噴出路31から通流面積が狭まった連通孔34を通して周囲噴出路32の長手方向に直交する方向に向けて周囲噴出路32に供給されることにより、動圧が弱まり、更に、ガス燃料Gの通流方向が周囲噴出路32の長手方向に直交する方向からその周囲噴出路32の長手方向に沿う方向に変わることにより、動圧が更に弱まり、そして、旋回羽根36を通過することから、流速が低下し且つ旋回する状態で、中央噴出口31nから噴出されるガス燃料Gの周囲を覆うように、環状の周囲噴出口32nから噴出される。つまり、周囲噴出路32から噴出されるガス燃料Gの流速を遅くして、中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gを緩慢燃焼させるのに好都合な流速にすることができる。
又、周囲噴出路32から噴出される旋回状のガス燃料流Gにて、中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gの周囲を覆い、しかも、周囲噴出路32から噴出されるガス燃料Gの流速が遅くて、そのガス燃料Gと燃焼用空気Aとの混合が速くなり過ぎないようにすることができると共に、中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gは層流状態で通流するので、その中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gと燃焼用空気Aとの混合を緩慢化することができるものとなり、中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gを炭素粒を効率良く発生させながら燃焼させることができて、輝炎の発生率をより一層向上させることができる。
更に、環状の周囲噴出路32からガス燃料Gが旋回する状態で噴出されるので、火炎Fの幅を広くすることができる。
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態においては、燃料噴出部Bの構成が異なる以外は、第1実施形態と同様に構成してあるので、燃料噴出部Bの構成について説明する。
そして、図9に示すように、この第2実施形態においては、前記通過制限体40の構成が上記の第1実施形態と異なる以外は、燃料噴出部Bを上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、前記通過制限体40について説明する。
その円板状通過制限体42としては、通過孔40hの開口面積が前記内筒ノズル部22の横断面積よりも小さい状態で異なる複数種を備えてある。
つまり、中央噴出路31内に設ける円板状通過制限体42を、通過孔40hの開口面積が異なるものに変更自在なように構成してある。
図9に示すように、燃料供給路33から中央噴出路31に供給されたガス燃料Gは、所定の分配比率にて複数の連通孔34を通して周囲噴出路32に分配される。
そして、中央噴出路31を通流するガス燃料Gは、通流面積が狭まった円板状通過制限体42の通過孔40hを通過した後に、通流面積の広い部分を通流する形態で通流することにより、動圧が抑制されて層流化が促進された状態で、内筒ノズル部22の小等径状部分22Cにて直進するように案内されて、中央噴出口31nから噴出部軸心方向に直進状に噴出され、環状の周囲噴出路32を通流するガス燃料Gは、上記の第1実施形態において説明したのと同様に通流して、外筒状体10から噴出されることになる。つまり、周囲噴出路32から噴出されるガス燃料Gの流速を遅くして、中央噴出路31から噴出されるガス燃料Gを緩慢燃焼させるのに好都合な流速にすることができる。
尚、前記円板状通過制限体42の通過孔40hの開口面積を中央噴出路31における通流面積が最も狭い部分、つまり、内筒ノズル部22の小等径状部分22Cにおける筒内の横断面積よりも小さくしてあることから、前記円板状通過制限体42の通過孔40hにて律速となって中央噴出路31を通流するガス燃料の流速が決まるので、中央噴出路31から噴出されたガス燃料の層流状態が乱れるのを防止することができる。
以下、本発明の第3実施形態を説明するが、この第3実施形態においては、燃料噴出部Bの構成が異なる以外は、第1実施形態と同様に構成してあるので、燃料噴出部Bの構成について説明する。
そして、図10及び図11に示すように、この第3実施形態においては、前記外筒状体10の先端噴出口10aが横長状である点以外は、燃料噴出部Bを上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、前記外筒状体10について説明する。
次に別実施形態を説明する。
又、外筒状体10の先端噴出口10aを横長状に形成する場合、その具体的な形状は上記の第3実施形態において例示した横長円形状に限定されるものではなく、例えば、楕円形状や横方向に長い長方形状でも良い。
この場合、前記通過孔40hの個数又は各通過孔40hの開口面積を異ならせることにより、前記ガス燃料分配比率を変更することになる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、左右一対の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させてある。
そして、前記左右一対の空気口5を形成した炉壁4における前記左右一対の空気口5夫々の下方に、燃料噴出部装着孔4sを設け、各燃料噴出部装着孔4sに、第1実施形態と同様の燃料噴出部Bを第1実施形態と同様に設けて、左右の燃料噴出部Bを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、燃料噴出部Bを設けた側面側からそれに対向する側面側の取り出し孔4eに向けて、火炎Fの長手方向に沿って流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
6 酸素含有ガス供給部
7 炉内
10 外筒状体
10a 先端噴出口
20 内筒状体
31 中央噴出路
31n 中央噴出口
32 周囲噴出路
33 燃料供給部
34 連通孔
40 通過制限体
40h 通過孔
41A 筒状部
41B 環状部
B 燃料噴出部
Claims (3)
- 炉内にガス燃料を噴出する燃料噴出部と、
その燃料噴出部のガス燃料噴出箇所とは異なる箇所に設けられた酸素含有ガス供給口から、前記燃料噴出部から噴出されるガス燃料の燃焼域に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部とが設けられ、
前記燃料噴出部が、外筒状体と内筒状体とを同軸心状に備えて、前記内筒状体の筒内にて中央噴出路を形成し且つ前記内筒状体と前記外筒状体との間に環状の周囲噴出路を形成するように構成された加熱炉用の燃焼装置であって、
前記燃料噴出部にガス燃料を供給する燃料供給部が、前記中央噴出路にガス燃料を供給するように設けられ、
前記内筒状体が長尺状であり、
前記外筒状体が、前記内筒状体における先端側部分の外周部に設けられ、
前記内筒状体における前記外筒状体内に位置する部分に、前記中央噴出路に供給されたガス燃料の一部を前記周囲噴出路に供給するように連通孔が設けられ、
前記中央噴出路内における前記連通孔よりもガス燃料通流方向下流側で且つ先端の中央噴出口よりもガス燃料通流方向上流側の箇所に、ガス燃料の通過を制限する通過孔を備えた通過制限体が設けられている加熱炉用の燃焼装置。 - 前記通過制限体が、前記内筒状体の内径よりも小径で且つ先端が閉じられた筒状部と、その筒状部の基端部と前記内筒状体との間に位置する環状部とを備えて構成され、
前記通過孔が、前記通過制限体における前記筒状部の周壁に、その周方向に分散する状態で複数設けられている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。 - 前記外筒状体の先端噴出口が横長状である請求項1又は2記載の加熱炉用の燃焼装置。
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