JP4836399B2 - 加熱炉用の燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて、横幅がある流動状態で燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の酸素含有ガス供給箇所の下方から、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するガス燃料噴出ノズルとが設けられた加熱炉用の燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる加熱炉用の燃焼装置(以下、単に燃焼装置と称する場合がある)は、酸素含有ガス供給部により、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて、横幅がある流動状態で酸素含有ガスを供給し、ガス燃料噴出ノズルにより、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の酸素含有ガス供給箇所の下方から、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域(以下、単に炉内燃焼域と称する場合がある)に向けてガス燃料を噴出して、ガス燃料と燃焼用酸素含有ガスとを炉内で接触させて、加熱対象物の上方に火炎を形成するように燃焼させるものである。
そして、このような燃焼装置では、温度分布を均一化する状態で炉内を加熱することが望まれ、そのように炉内の温度分布を均一化する場合には、ガス燃料噴出ノズルにて、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘って火炎を形成するように、ガス燃料を噴出するように構成する必要がある。
【0003】
このため、従来では、ガス燃料噴出ノズルとして、炉内燃焼域の横幅よりも狭い幅の火炎を形成するようにガス燃料を噴出する複数のガス燃料噴出ノズルを、加熱炉横側部に横方向に間隔を開けて並べて設けて、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘って火炎を形成するように構成していた。ちなみに、前述のように炉内の温度分布を均一化するためにガス燃料噴出ノズルとして複数のガス燃料噴出ノズルを設ける場合において、1個のガス燃料噴出ノズルにて形成される火炎の幅は、炉内燃焼域の横幅をガス燃料噴出ノズルの設置数で除した幅以下になるように、例えば、3個のガス燃料噴出ノズルを設ける場合は、炉内燃焼域の横幅の1/3よりも狭い幅になるように構成していた。
【0004】
又、複数の酸素含有ガス供給部を加熱炉横側部に横方向に並べて設ける場合があるが、その場合は、複数の酸素含有ガス供給部夫々の前方に、夫々に対応する炉内燃焼域を存在させるようにして、各酸素含有ガス供給部に対応するガス燃料噴出ノズルとして、それぞれ炉内燃焼域の横幅よりも狭い幅の火炎を形成するようにガス燃料を噴出する複数のガス燃料噴出ノズルを、各酸素含有ガス供給部に対応する炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘って火炎を形成するように、加熱炉横側部に横方向に間隔を開けて並べて設けていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−201262号公報参照
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような燃焼装置では、ガス燃料噴出ノズルのメンテナンスを行う必要があり、そのメンテナンスの際には、ガス燃料噴出ノズルを加熱炉横側部から取り外して点検整備した後、再び、加熱炉横側部に取り付けることになる。
しかしながら、従来の燃焼装置では、ガス燃料噴出ノズルとして、上述のように、1つの酸素含有ガス供給部に対して複数のガス燃料噴出ノズルを設けていたことから、複数のガス燃料噴出ノズルの夫々についてメンテナンス作業が必要となり、メンテナンス作業が全体として煩雑なものになっていた。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度分布を均一化する状態で炉内を加熱することが可能でありながら、メンテナンス作業を簡略化し得る加熱炉用の燃焼装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の加熱炉用の燃焼装置は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて、横幅がある流動状態で燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の酸素含有ガス供給箇所の下方から、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するガス燃料噴出ノズルとが設けられたものであって、
複数の前記酸素含有ガス供給部が、前記加熱炉横側部に横方向に並べて設けられ、
前記複数の酸素含羞ガス供給部夫々の前方に、夫々に対応する前記炉内燃焼域を存在させるように構成され、
前記各酸素含有ガス供給部に対応する前記ガス燃料噴出ノズルとして、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている前記炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎を形成するように、複数の噴出部にてガス燃料を平面視にて放射状に噴出するように一体状態に構成された1個のガス燃料噴出ノズルが設けられ、
前記ガス燃料噴出ノズルが、ノズル形成体に前記複数の噴出部としての複数の噴出孔を平面視で放射状になるように形成して構成され、
前記ノズル形成体が、平面視にて、直径方向の両側を欠いた概半円状部分と、その概半円状部分の直径に相当する部分に連なる角筒状の嵌め込み部とを備える形状で、且つ、前記嵌め込み部における前記概半円状部分の直径方向に沿う方向の幅を、前記概半円状部分の直径方向に沿う方向の幅よりも狭くし、且つ、前記嵌め込み部における前記概半円状部分の軸心方向での厚さを、前記概半円状部分の軸心方向での厚さよりも薄くするように構成され、
前記ガス燃料噴出ノズルにガス燃料を供給する燃料供給部の先端面に、前記ガス燃料噴出ノズルの前記嵌め込み部を嵌め込むための開口部が形成され、
前記ガス燃料噴出ノズルの側周部を囲む角筒状の冷却水ジャケットが、前記燃料供給部の先端に固定して取り付けられ、かつ、炉壁のバーナ挿通孔に挿入した状態に配置され、
前記冷却水ジャケットの周囲と前記バーナ挿通孔との間の隙間が封止材にて封止され、
前記ガス燃料噴出ノズルが、前記冷却水ジャケットを通して挿脱させることにより、前記燃料供給部に対して取り付け及び取り外しできるように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、1個のガス燃料噴出ノズルの複数の噴出部にて、ガス燃料が平面視にて放射状に噴出されて、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎が形成されることになって、炉内の温度分布を均一化することが可能になる。
そして、ガス燃料噴出ノズルとしては、1つの酸素含有ガス供給部に対して1個のガス燃料噴出ノズルを設けることになるので、ガス燃料噴出ノズルのメンテナンスの際に、メンテナンスを行うガス燃料噴出ノズルの数が少なくなり、メンテナンス作業の簡略化を図ることが可能になる。
ちなみに、複数の酸素含有ガス供給部を加熱炉横側部に横方向に並べて設ける場合は、複数の酸素含有ガス供給部夫々の前方に、夫々に対応する炉内燃焼域を存在させるようにして、各酸素含有ガス供給部に対応するガス燃料噴出ノズルとして、前述のように、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎を形成するように、複数の噴出部にてガス燃料を平面視にて放射状に噴出するように一体状態に構成された1個のガス燃料噴出ノズルを設けることになる。
従って、温度分布を均一化する状態で炉内を加熱することが可能でありながら、メンテナンス作業を簡略化し得る加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
【0009】
また、請求項1によれば、ノズル形成体に平面視で放射状になるように形成された複数の噴出孔により、ガス燃料が平面視にて放射状に噴出されて、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎が形成される。
つまり、ノズル形成体に平面視で放射状になるように複数の噴出孔を形成する簡単な構成にて、ガス燃料噴出ノズルを構成することができるので、燃焼装置の低廉化を図ることが可能となる。
ちなみに、複数の噴出部としての複数の管状体を平面視で放射状になるように配置した状態で一体的に組み付ける構成にて、ガス燃料噴出ノズルを構成することが考えられるが、この場合は、ガス燃料噴出ノズルの構成が複雑化するので、燃焼装置が高騰化する。
従って、加熱炉用の燃焼装置の低廉化を図ることができるようになった。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の加熱炉用の燃焼装置は、請求項1において、前記噴出孔が、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成されている点を特徴構成とする。
即ち、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成された各噴出孔により、直進性良くガス燃料が噴出されるので、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎が安定した形状にて形成される。
つまり、噴出孔を形成するにしても、その孔の直径に対する孔の長さの比率が小さくなるほど噴出孔からのガス燃料噴出の直進性が低下するので、前記比率が小さくなり過ぎると、火炎形状を安定化させる上で好ましくなく、噴出孔を前記比率が2以上になるように形成すると、直進性を効果的に与えた状態でガス燃料を噴出することが可能となり、火炎の形状を安定化することが可能になる。
そして、炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎が安定した形状にて形成されるので、炉内の温度分布を一層均一化することができる。
従って、炉内の温度分布を一層均一化するに当たって好ましい具体構成を提供することができる。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の加熱炉用の燃焼装置は、請求項1又は2において、前記複数の噴出部が、平面視にて、前記ガス燃料噴出ノズルの設置箇所を通り且つ前記酸素含有ガス供給部からの燃焼用酸素含有ガスの供給方向に沿う仮想線の両側にガス燃料を噴出するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、複数の噴出部により、平面視にて、ガス燃料が、前記ガス燃料噴出ノズルの設置箇所を通り且つ前記酸素含有ガス供給部からの燃焼用酸素含有ガスの供給方向に沿う仮想線の両側に噴出されるので、平面視にて、前記ガス燃料噴出ノズルの設置箇所を通り且つ前記酸素含有ガス供給部からの燃焼用酸素含有ガスの供給方向に沿う仮想線の両側に拡がる扇形状の火炎が形成される。
そして、平面視で、前記ガス燃料噴出ノズルの設置箇所を通り且つ前記酸素含有ガス供給部からの燃焼用酸素含有ガスの供給方向に沿う仮想線の両側に拡がる扇形状の火炎が形成されるので、加熱対象物の上方を横幅方向に極力広い範囲にわたって均一に火炎で覆うことが可能になるので、炉内の温度分布を一層均一化することができる。
従って、炉内の温度分布を一層均一化するに当たって好ましい具体構成を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明を加熱炉としてのガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設けるガラス溶解炉について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉は、炉本体1内の下部に平面視で矩形状の溶解槽2を備え、その溶解槽2の一側縁側の燃焼装置設置用の炉壁4に、その燃焼装置設置用の炉壁4に対向する炉壁4に向ける状態で炉内3にガス燃料Gを噴出して溶解槽2の上方に火炎Fを形成すべく燃焼装置を設けるように構成してある。
【0013】
前記燃焼装置設置用の炉壁4の横方向一端に連なる炉壁4における燃焼装置設置側の端部には、ガラス原料を前記燃焼装置からのガス燃料噴出方向と略直交する方向に供給する投入口4iを設け、前記燃焼装置設置用の炉壁4に対向する炉壁4の外部に作業槽9を設けると共に、その作業槽9と溶解槽2との間の炉壁4に、溶解槽2と作業槽9とを連通させる開口部4eを溶解槽2の炉床部に位置させて形成して、所謂、エンドポート式に構成してある。
つまり、前記燃焼装置にて形成される火炎Fにて溶解槽2のガラス原料を溶融させ、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を開口部4e側に向かって蛇行状に流動させながら溶融させ、炉床部の開口部4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽9に導くように構成してある。
【0014】
前記燃焼装置について説明を加えると、前記燃焼装置は、前記燃焼装置設置用の炉壁4に左右に並べて設ける一対の燃焼部を備えて構成して、それら一対の燃焼部を一定時間(例えば、約15〜30分)毎に交互に燃焼させる、所謂交番燃焼を行わせるようにしてある。
前記一対の燃焼部夫々は、燃焼装置設置用の炉壁4に形成した空気口5を通して燃焼用酸素含有ガスとして燃焼用空気Aを炉内3における溶解槽2の上方に向けて斜め下向きに横幅がある流動状態で供給する酸素含有ガス供給部としての1個の空気供給路6と、前記空気口5の下方から、燃焼用空気Aが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域Sに向けてガス燃料Gを噴出する1個のガスバーナBとを備えて、所謂、アンダーポート式に構成し、更には、前記空気供給路6に連通し且つ蓄熱材を備えた1個の蓄熱室8を備えて、蓄熱式に構成してある。尚、前記燃焼装置設置用の炉壁4が前記加熱炉横側部に相当し、前記空気口5が、前記加熱炉横側部における前記空気供給路6の燃焼用酸素含有ガス供給箇所に相当する。
【0015】
つまり、前記一対の空気供給路6の空気口5夫々の前方に、夫々に対応する炉内燃焼域Sを存在させるようにし、各炉内燃焼域Sの横幅(空気口5からの燃焼用空気供給方向に沿う燃焼用空気供給方向視での横幅)は、燃焼用空気供給方向視での炉内3の横幅の略1/2となる。
そして、前記一対の空気供給路6夫々に対応して、即ち、各炉内燃焼域Sに対応して、前記ガスバーナBを1個ずつ設けてある。
【0016】
前記一対の燃焼部のガスバーナBは、前記一定時間毎に交互に、ガス燃料Gを前記炉内燃焼域Sに噴出する噴出状態と、ガス燃料Gの噴出を停止する噴出停止状態とに切り換えるように構成し、前記一対の燃焼部の空気供給路6は、前記噴出状態のガスバーナBの方の燃焼部の空気供給路6を通じて、前記蓄熱室8を通って前記蓄熱材にて高温(1000〜1200°C程度)に予熱された燃焼用空気Aが前記空気口5から前記炉内燃焼域Sに供給される給気状態と、前記噴出停止状態のガスバーナBの方の燃焼部の空気供給路6を通じて、前記空気口5から炉内3の燃焼ガスEが排出されると共にその燃焼排ガスEの排熱を前記蓄熱材に蓄熱させる排気状態とに切り換えるように構成してある。
そして、前記一定時間毎に交互に、前記一対の燃焼部のガスバーナBを前記噴出状態と噴出停止状態とに切り換え、且つ、前記一対の燃焼部の空気供給路6を前記給気状態と前記排気状態とに切り換えて、前述のように前記一対の燃焼部を交互に燃焼させるようにしてある。尚、図1及び図2は、右側の燃焼部が燃焼し、左側の燃焼部が消火している状態を示している。
【0017】
以下、ガスバーナBについて説明を加える。
図3ないし図6に示すように、前記ガスバーナBは、炉内3の前記炉内燃焼域Sにガス燃料Gを噴出する1個のガス燃料噴出ノズル11と、そのガス燃料噴出ノズル11を冷却する冷却水ジャケット12と、そのガス燃料噴出ノズル11にガス燃料Gを供給する燃料供給部13とを備えて構成してある。そして、ガス燃料噴出ノズル11は燃料供給部13に着脱自在なように構成すると共に、後述するように複数種を用意してあり、複数種のガス燃料噴出ノズル11からいずれか1個を選択して、燃料供給部13に取り付けるように構成してある。
【0018】
つまり、前記一対の空気供給路6夫々に対応して、前記ガスバーナBを1個ずつ設けるので、前記一対の空気供給路6夫々に対応するガス燃料噴出ノズル11として、以下のように構成した1個のガス燃料噴出ノズル11を設けてある。
【0019】
図3ないし図6に加えて、図7も参照して、ガス燃料噴出ノズル11について説明を加える。尚、図7の(イ)はガス燃料噴出ノズル11の一部切り欠き平面図であり、(ロ)はガス燃料噴出ノズル11の縦断側面図である。
前記ガス燃料噴出ノズル11は、燃焼用空気Aが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域Sの横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎Fを形成するように、複数の噴出部Nにてガス燃料Gを平面視にて放射状に噴出するように一体状態に構成してある。
具体的には、前記ガス燃料噴出ノズル11は、平面視にて、直径方向の両側を欠いた概半円状部分11bと、その概半円状部分11bにおける直径に相当する部分に連なる角筒状の嵌め込み部11cとを備えた半円状に類する形状のノズル形成体に、概半円状部分11bにおける円弧状の前面11dをガス燃料噴出側とするように、複数の噴出部Nとしての3個の噴出孔11aを平面視で放射状に形成して構成してある。前記3個の噴出孔11aは、平面視で噴出孔並び方向の中央の噴出孔11aの軸心を対称軸にして左右対称になるように形成してあり、もって、複数の噴出部Nを、平面視にて、ガス燃料噴出ノズル11の設置箇所を通り且つ空気供給路6からの燃焼用空気Aの供給方向に沿う仮想線にて左右対称になるようにガス燃料Gを噴出するように構成してある。つまり、複数の噴出部Nを、平面視にて、ガス燃料噴出ノズル11の設置箇所を通り且つ空気供給路6からの燃焼用空気の供給方向に沿う仮想線の両側にガス燃料を噴出するように構成してある。
各噴出孔11aは、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成してある。
【0020】
前記嵌め込み部11cにおける概半円状部分11bの直径方向に沿う方向の幅は、概半円状部分11bの直径方向の幅よりも狭くし、嵌め込み部11cにおける概半円状部分11bの軸心方向での厚さは、概半円状部分11bの軸心方向での厚さよりも薄くしてある。
【0021】
前記ガス燃料噴出ノズル11としては、平面視で両端の噴出孔11aの軸心にて形成される角度を例えば、40°、50°、60°等に異ならせることにより、放射状の3個の噴出孔11aの放射角度の異なるものを複数用意してある。
そして、3個の噴出孔11aの放射角度の異なる複数のガス燃料噴出ノズル11から、炉内燃焼域Sの横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がるように扇形の火炎Fを適正に形成可能なものを選択して、燃料供給部13に取り付けることになる。
【0022】
前記燃料供給部13は、円筒状の箱状に形成し、その先端面に前記ガス燃料噴出ノズル11の嵌め込み部11cを嵌め込むための開口部13wを形成してある。そして、ガス燃料噴出ノズル11の嵌め込み部11cに嵌め込んで、図示しないビスを嵌め込み部11cに螺入することにより、ガス燃料噴出ノズル11を燃料供給部13に取り付けるように構成してある。
燃料供給部13の後端には、都市ガス等のガス燃料Aを供給するガス燃料供給管(図示省略)を接続して、ガス燃料Gを燃料供給部13を通してガス燃料噴出ノズル11に供給して、複数の噴出孔11aから上述のように放射状に噴出するようになっている。
【0023】
前記冷却水ジャケット12は、ガス燃料噴出ノズル11の側周部を囲む角筒状に形成し、冷却水供給口12iに冷却水供給管(図示省略)を接続し、並びに、冷却水排出口12eに冷却水排出管(図示省略)を接続して、内部に冷却水を通流させるように構成してある。
その冷却水ジャケット12は、燃料供給部13の先端に固定して取り付けてあり、その角筒状の冷却水ジャケット12を通してガス燃料噴出ノズル11を挿脱することにより、ガス燃料噴出ノズル11を燃料供給部13に取り付けたり、燃料供給部13から取り外したりするように構成してある。
【0024】
図3及び図4に示すように、上述のように構成したガスバーナBを、ガス燃料噴出ノズル11の先端側から炉壁4のバーナ挿通孔4bに挿入して配置し、ガスバーナBの周囲とバーナ挿通孔4bとの間の隙間を封止材10にて封止して、ガスバーナBの外周部を通じて外部から炉内3に空気が浸入するのを遮断するようにしてある。
【0025】
上述のようにガス燃料噴出ノズル11を構成したことにより、図2及び図4に示すように、平面視にてガス燃料Gを左右対称な放射状に噴出して、平面視で、炉内燃焼域Sの横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる略左右対称な扇形状の火炎Fを形成することが可能になるので、炉内3の温度分布を均一化することができる。
【0026】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
【0027】
(イ) 上記の実施形態においては、本発明をエンドポート式のガラス溶解炉に適用する場合について例示したが、これ以外にも、例えば、所謂サイドポート式のガラス溶解炉にも適用することができる。
サイドポート式のガラス溶解炉は、図8に示すように、平面視で矩形状の溶解槽2の一側縁側の炉壁4に投入口4iを設け、その投入口4iを設けた炉壁4に対向する炉壁4の外部に作業槽9を設けると共に、その作業槽9と溶解槽2との間の炉壁4に、溶解槽2と作業槽9とを連通させる開口部4e(図示省略)を溶解槽2の炉床部に位置させて形成して構成してある。
燃焼装置は、前記投入口4iから作業槽9に向かって左右に位置する炉壁4に夫々設ける一対の燃焼部を備えて構成してある。
前記一対の燃焼部夫々は、燃焼装置設置用の炉壁4に形成した空気口5(図示省略)を通して燃焼用空気を炉内3に向けて斜め下向きに横幅がある流動状態で供給する1個の前記空気供給路6(図示省略)と、前記空気口5の下方から、燃焼用空気が前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域Sに向けてガス燃料を噴出する1個のガスバーナBとからなるガスバーナ組の複数(図9では4組)を横方向に並べて備えると共に、前記複数のガスバーナ組に含まれる複数の空気供給路6に連通する1個の蓄熱室8を備えて構成してある。
そして、前記一対の燃焼部を一定時間毎に交互に燃焼させて、交番燃焼を行わせ、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を溶融させながら、取出し孔4eに向かって流下させて、取出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽9に導くよう構成してある。
この場合も、各空気供給路6の空気口5夫々の前方に、夫々に対応する炉内燃焼域Sが存在し、各空気供給路6に対応して、即ち、各炉内燃焼域Sに対応して、前記ガスバーナBを1個ずつ設けることになる。そして、各ガスバーナBのガス燃料噴出ノズル11の複数の噴出部Nにより、対応する炉内燃焼域Sの横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎Fを形成するように、ガス燃料を平面視にて放射状に噴出する。
【0028】
(ロ) 複数の噴出部Nを、平面視にて、ガス燃料噴出ノズル11の設置箇所を通り且つ空気供給路6からの燃焼用空気の供給方向に沿う仮想線の両側にガス燃料を噴出するように構成する場合に、上記の実施形態において例示したように平面視にてガス燃料を左右対称な放射状に噴出するよう構成する場合に限定されるものではない。
例えば、ガス燃料噴出ノズル11を炉内燃焼域Sの横幅方向の中央に配置する場合は、平面視にて左右対称な放射状に噴出するのが好ましいが、炉内燃焼域Sの横幅方向の中央から左右いずれかにずれた位置に配置する場合は、配置位置に対応して、炉内燃焼域Sの横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎を形成可能なように、平面視にて左右の噴出部Nの噴出角度を異ならせるのが好ましい。
【0029】
(ハ) ガス燃料噴出ノズル11に備える噴出部Nの個数は上記の実施形態において例示した3個に限定されるものではなく、2個でも、4個以上でも良い。
【0030】
(ニ) 噴出孔11aの直径に対する長さの比率は、上記の実施形態において例示した2以上に限定されるものではなく、2より小さくても良いが、小さくする程ガス燃料噴出の直進性が劣るので、極力大きくする方が良い。
【0031】
(ホ) ガス燃料噴出ノズル11を、ノズル形成体に複数の噴出部Nとしての複数の噴出孔11aを平面視で放射状に形成して構成する場合において、ノズル形成体の平面視での形状は、上記の実施形態において例示した如き半円状に類する形状に限定されるものではなく、半円状でも良い。
【0033】
(へ) 空気口5から炉内3に供給する燃焼用酸素含有ガスとしては、上記の実施形態において例示した空気以外に、空気に炉内3から排出した燃焼排ガスを混合したものや、酸素含有率を高くした酸素富化空気等、種々のものを用いることができる。
【0034】
(ト) 本発明は、上記の実施形態で例示したガラス溶解炉や、図8にて示す別実施形態で例示したガラス溶解炉以外にも、種々の加熱炉用の燃焼装置に適用することができる。
例えば、ガスバーナBを交番燃焼させる形式以外に、連続燃焼式のものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を設けたガラス溶解炉の縦断側面図
【図2】 図1におけるI−I矢視図
【図3】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を設けたガラス溶解炉の要部の縦断側面図
【図4】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を設けたガラス溶解炉の要部の横断平面図
【図5】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置のガスバーナの縦断側面図
【図6】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置のガスバーナの正面図
【図7】 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置のガス燃料噴出ノズルを示す図
【図8】 別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の横断面図
【符号の説明】
3 炉内
6 酸素含有ガス供給部
11 ガス燃料噴出ノズル
11a 噴出孔
11b,11c ノズル形成体
N 噴出部
S 炉内燃焼域
Claims (3)
- 加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて、横幅がある流動状態で燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の酸素含有ガス供給箇所の下方から、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するガス燃料噴出ノズルとが設けられた加熱炉用の燃焼装置であって、
複数の前記酸素含有ガス供給部が、前記加熱炉横側部に横方向に並べて設けられ、
前記複数の酸素含有ガス供給部夫々の前方に、夫々に対応する前記炉内燃焼域を存在させるように構成され、
前記各酸素含有ガス供給部に対応する前記ガス燃料噴出ノズルとして、酸素含有ガスが前記横幅がある流動状態で供給されている前記炉内燃焼域の横幅方向の全幅又は略全幅に亘るように拡がる扇形状の火炎を形成するように、複数の噴出部にてガス燃料を平面視にて放射状に噴出するように一体状態に構成された1個のガス燃料噴出ノズルが設けられ、
前記ガス燃料噴出ノズルが、ノズル形成体に前記複数の噴出部としての複数の噴出孔を平面視で放射状になるように形成して構成され、
前記ノズル形成体が、平面視にて、直径方向の両側を欠いた概半円状部分と、その概半円状部分の直径に相当する部分に連なる角筒状の嵌め込み部とを備える形状で、且つ、前記嵌め込み部における前記概半円状部分の直径方向に沿う方向の幅を、前記概半円状部分の直径方向に沿う方向の幅よりも狭くし、且つ、前記嵌め込み部における前記概半円状部分の軸心方向での厚さを、前記概半円状部分の軸心方向での厚さよりも薄くするように構成され、
前記ガス燃料噴出ノズルにガス燃料を供給する燃料供給部の先端面に、前記ガス燃料噴出ノズルの前記嵌め込み部を嵌め込むための開口部が形成され、
前記ガス燃料噴出ノズルの側周部を囲む角筒状の冷却水ジャケットが、前記燃料供給部の先端に固定して取り付けられ、かつ、炉壁のバーナ挿通孔に挿入した状態に配置され、
前記冷却水ジャケットの周囲と前記バーナ挿通孔との間の隙間が封止材にて封止され、
前記ガス燃料噴出ノズルが、前記冷却水ジャケットを通して挿脱させることにより、前記燃料供給部に対して取り付け及び取り外しできるように構成されている加熱炉用の燃焼装置。 - 前記噴出孔が、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成されている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
- 前記複数の噴出部が、平面視にて、前記ガス燃料噴出ノズルの設置箇所を通り且つ前記酸素含有ガス供給部からの燃焼用酸素含有ガスの供給方向に沿う仮想線の両側にガス燃料を噴出するように構成されている請求項1又は2に記載の加熱炉用の燃焼装置。
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