JP2012206077A - 無機質球状化粒子の製造方法、無機質球状化粒子製造用バーナ及び無機質球状化粒子製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の無機質球状化粒子の製造方法は、高圧雰囲気内でバーナによって発生させた火炎にキャリアガスによって原料粉体を投入して無機質球状化粒子を製造する無機質球状化粒子の製造方法であって、原料粉末の融点に応じて高圧雰囲気の圧力を調整するとともに、火炎長をキャリアガスの噴出速度によって調整することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
そこで、火炎法を用いた球状粒子の製造方法においては、高圧雰囲気中で火炎を形成することで、理論最高温度以上の火炎温度を形成し、原料粉末を処理する方法も行われている(例えば、特許文献3参照)。
この高圧燃焼球状粒子製造用バーナのノズル部100は、キャリアガスに搬送された原料粉末を供給する原料粉末供給路101と、原料粉末供給路101の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる燃料ガス供給路102と、燃料ガス供給路102の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる旋回酸素供給路103と、旋回酸素供給路103の外側の円周上に配置された複数の供給路からなる直進酸素供給路104と、直進酸素供給路104の外側の円周上に配置された冷却水通路105a,105bと、先端側に拡径した燃焼室106とを備えている。
また、原料粉末供給路101の先端には燃焼室106の底部108に形成された複数の噴出口からなる原料粉末噴出口107、燃料ガス供給路102の各供給路の先端には燃料ガス噴出口109、旋回酸素供給路103の各供給路の先端には旋回酸素噴出口110、直進酸素供給路104の各供給路の先端には直進酸素噴出口111が形成されている。
図1を参照するに、無機質球状化粒子製造装置10は、キャリアガス供給源11と、燃料ガス供給源12と、支燃性ガス供給源13と、原料フィーダー14と、冷却水循環供給源15と、無機質球状化粒子製造用バーナ16と、竪型炉17と、送風ブロア18と、捕集部19を構成するサイクロン21及びバグフィルター23と、空気導入口22と、空気供給管24と、ダクト25,26と、圧力調整弁20と、圧力計Pと、噴出速度制御装置Mとを有する。
燃料ガス供給源12は、無機質球状化粒子製造用バーナ16に、燃料ガスを供給可能な状態で、無機質球状化粒子製造用バーナ16(具体的には、後述するノズル部28)と接続されている。燃料ガスとしては、例えば、LPG(Liquefied petroleum gas)を用いることができる。
支燃性ガス供給源13は、無機質球状化粒子製造用バーナ16に、支燃性ガスを供給可能な状態で、無機質球状化粒子製造用バーナ16と接続されている。支燃性ガスとしては、例えば、酸素または酸素富化空気を用いることができる。
無機質原料粉体Xとしては、例えば、シリカ(融点は1722℃)、アルミナ(融点は2053℃)、ジルコニア(融点は2680℃)等を例に挙げることができる。
竪型炉17内の圧力は、原料粉末の融点に応じて、圧力調整弁20の開度を制御することによってあらかじめ設定された高圧雰囲気に調節される。
圧力調整弁20の開度の調整は自動又は手動で行うことができる。
噴出速度制御装置Mを用いずに、竪型炉17内の圧力を示す圧力計Pからの圧力値とバーナに供給される燃料量とに基づいてバーナの火炎長を計算し、手動で噴出面積変更部材37の移動を行ってもよい。
さらに、図2では、説明の便宜上、無機質球状化粒子製造用バーナ16の構成要素ではない、キャリアガス供給源11、燃料ガス供給源12、支燃性ガス供給源13、原料フィーダー14、及び冷却水循環供給源15を図示する。
ノズル部28の先端面33aは、ノズル部28の延在方向に対して直交する平面とされている。ノズル部28の先端面33aは、円形面とされており、燃焼室31により露出されている。
ノズル部28の先端面33aに露出された原料粉体輸送孔34の直径Dは、例えば、30mmとすることができる。
挿入穴52は、ノズル部28の基端35を貫通するように設けられている。挿入穴52は、原料粉体供給管36内に形成される後述する第1の空間58と対向するように配置されている。挿入穴52は、第1の空間58及び原料粉体輸送孔34に噴出面積変更部材37を挿入するための穴である。
シール材56としては、例えば、Oリングを用いることができる。
第1の空間58には、キャリアガス及び原料導入口36Aを介して、キャリアガスに輸送された無機質原料粉体Xが供給される。第1の空間58に供給されたキャリアガス及び無機質原料粉体Xは、原料粉体輸送孔34に輸送される。
噴出面積変更部材37の直径は、原料粉体供給管36の内径よりも小さくなるように構成されている。噴出面積変更部材37は、噴出面積変更部材37の中心軸がノズル部28の中心軸と一致するように、原料粉体輸送孔34、及び原料粉体供給管36内(第1の空間58)に収容されている。
先端部61の先端面61aは、ノズル部28の先端面33aに対して平行な円形面とされている。ノズル部28の先端面33aに露出された原料粉体輸送孔34の直径Dが30mmの場合、先端面61aの直径は、例えば、2mmとすることができる。
図2及び図3を参照するに、原料粉体噴出用溝39は、原料粉体輸送孔34に露出されたノズル部28の先端33の面39aと噴出面積変更部材37を構成する先端部61の外周側面61bとの間に設けられた環状の溝である。
原料粉体噴出用溝39から噴出されるキャリアガスの噴出速度は、原料粉体噴出用溝39の溝幅のうち、ノズル部28の先端面33aに露出された部分の溝幅E、すなわち、キャリアガスが噴出できる実質的な面積(噴出面積)により決定される。
図5は、図4に示す無機質球状化粒子製造用バーナのA−A線方向の断面図である。図4及び図5に示す原料粉体噴出用溝39の幅E(あるいは、噴出面積)は、図2及び図3に示す原料粉体噴出用溝39の幅E(あるいは、噴出面積)よりも狭い場合を例に挙げて図示している。
つまり、噴出面積変更部材37は、ノズル部28の延在方向に移動することで、ノズル部28の先端面33aに露出された原料粉体噴出用溝39の幅E(あるいは、噴出面積)を変更する機能を有する。
この場合、火炎中における無機質原料粉体Xの滞留時間を長くすることが可能となるので、高融点の無機質原料粉体X1を溶融させる際に適している。
この場合、火炎中における無機質原料粉体Xの滞留時間を短くことが可能となるので、上記X1よりも低い融点の無機質原料粉体X2を溶融させる際に適している。
したがって、融点の異なる無機質原料粉体Xを処理して無機質球状化粒子Yを生成する際、無機質球状化粒子製造用バーナ16、或いはノズル部28を取り替える必要がなくなるため、所望の形状とされた無機質球状化粒子Yを効率よく生成できる。
燃料ガス供給管41の基端側には、燃料ガス供給管41と一体に構成され、かつ燃料ガス供給管41の外側に突出する燃料ガス導入口41Aが形成されている。燃料ガス導入口41Aは、燃料ガス供給源12と接続されている。燃料ガス導入口41Aは、燃料ガス供給源12から供給された燃料ガスを、第2の空間66に導入するための導入口である。
複数の燃料ガス噴出孔44は、原料粉体噴出用溝39よりも外側の位置に配置されている。複数の燃料ガス噴出孔44は、原料粉体噴出用溝39から噴出される無機質原料粉体X及びキャリアガスの外側から燃料ガスを噴出する。
複数の支燃性ガス噴出孔45は、複数の原燃料ガス噴出孔44よりも外側の位置に配置されている。複数の支燃性ガス噴出孔45は、複数の燃料ガス噴出孔44から噴出された燃料ガスの外側から支燃性ガスを噴出する。
このように、ノズル部28の先端面33aの中心Cに対して同心円状に原料粉体噴出用溝39、複数の燃料ガス噴出孔44、及び複数の支燃性ガス噴出孔45を配置することにより、火炎が無機質原料粉体Xの噴流を包み込むことが可能となるため、火炎により無機質原料粉体Xを効率よく溶融することができる。
図2を参照するに、筒状部29は、冷却水用管路68と、冷却水供給口69と、冷却水回収口71と、支燃性ガス導入口72と、を有する。
竪型炉17の下端側には、空気供給管24が接続されている。また、竪型炉17の下端側には、空気供給管24と対向するように、サイクロン21と接続されたダクト25が設けられている。
竪型炉17内では、無機質球状化粒子製造用バーナ16の火炎により、無機質原料粉体Xが溶融され、溶融した無機質原料粉体Xが竪型炉17の下方に移動しながら固まることで無機質球状化粒子Yとなる。
空気導入口22を介して、サイクロン21の上端に導入された空気は、無機質球状化粒子を冷却すると共に、ダクト26を介して、無機質球状化粒子Yをバグフィルター23に輸送する。
また、燃料ガス供給源12から燃料ガスとして、LPG(Liquefied petroleum gas)を5Nm3/hの供給量で供給すると共に、支燃性ガス供給源13から支燃性ガスとして、酸素を20Nm3/hの供給量で供給した。
まず、大気圧(1atm)の条件において、ガラス化率(η)99%以上となるようなシリカ粉末の供給条件を決定した。
この条件において、キャリアガスの噴出速度を一定とした条件において、炉内圧力を変化させ、得られるシリカ粉末のガラス化率を測定した。
次に、本発明に係る無機質球状化粒子の製造方法を用いて、各圧力において形成されるバーナ火炎長に対し、火炎内での粒子滞留時間が同じとなるように、図2に示す原料粉体噴出用溝39の幅E(あるいは、噴出面積)を変えることでキャリアガスの噴出速度を調整し、各圧力についてガラス化率(η)を測定した。
この結果を図6に示す。
図6に示す通り、キャリアガスの噴出速度を調整しなかった場合には、圧力が上昇すると、ガラス化率が低下している。これは、火炎長が短くなって火炎内での粒子滞留時間が短縮したためである。これに対して、本発明に係る無機質球状化粒子の製造方法を用いて、キャリアガスの噴出速度を調整した場合には、ガラス化率(η)99%以上の無機質球状化粒子を得ることが可能であることが確認された。これは、炉内圧力の上昇に伴って火炎長が短くなったものをキャリアガスの噴出速度を調整することで火炎長を元の長さに回復させ、火炎内での粒子滞留時間を同じになるように維持して無機質球状化粒子の製造を行ったからである。
まず、大気圧(1atm)の条件において、ガラス化率(η)99%以上となるようなシリカ粉末の供給条件を決定した。
キャリアガスの噴出速度を一定とした条件において、炉内圧力を変化させ、99%以上のガラス化率が得られるシリカ粉末供給速度を求めた。
次に、本発明に係る無機質球状化粒子の製造方法を用いて、各圧力において形成されるバーナ火炎長に対し、火炎内での粒子滞留時間が同じとなるように、図2に示す原料粉体噴出用溝39の幅E(あるいは、噴出面積)を変えることでキャリアガス噴出速度を調整し、99%以上のガラス化率が得られるシリカ粉末供給速度を求めた。
図7は、大気圧におけるシリカ粉末供給速度をωp0、各圧力におけるシリカ粉末供給速度をωpとして、各圧力におけるシリカ粉末の供給速度比ωp/ωp0で、従来技術と本発明の効果を比較したものである。
Claims (6)
- 高圧雰囲気内でバーナによって発生させた火炎にキャリアガスによって原料粉体を投入して無機質球状化粒子を製造する無機質球状化粒子の製造方法であって、
前記原料粉末の融点に応じて前記高圧雰囲気の圧力を調整するとともに、火炎長を前記キャリアガスの噴出速度によって調整することを特徴とする無機質球状化粒子の製造方法。 - 前記圧力の調整を行った後に、火炎長を維持するように前記キャリアガスの噴出速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の無機質球状化粒子の製造方法。
- 前記キャリアガスの噴出速度の調整を、前記バーナにおいて同心状に配置された原料粉体噴出孔の噴出面積を変化させることによって行うことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の無機質球状化粒子の製造方法。
- 前記キャリアガスの噴出速度を変化させることにより前記高圧雰囲気の圧力を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無機質球状化粒子の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無機質球状化粒子の製造方法に使用するバーナであって、キャリアガスによって原料粉体を噴出するための原料粉体噴出孔が同心状に設けられ、前記キャリアガスの噴出速度を調整するために前記原料噴出孔の噴出面積を変化させることができることを特徴とする無機質球状化粒子製造用バーナ。
- 請求項5に記載の無機質球状化粒子製造用バーナを炉頂部に鉛直下向きに設けられた竪型炉と、該竪型炉内の圧力を調節する圧力調節弁と、下流にサイクロン及びバグフィルターとを備えることを特徴とする無機質球状化粒子製造装置。
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