通電している電線(架空線)に関する活線作業は、絶縁手袋を着用して直接手作業で行う直接活線作業や、直接、電線の通電部分に触れず、活線近接範囲外から作業を行う間接活線作業がある。
たとえば、間接活線作業で用いる間接活線作業用器具を例示すると、電線を保持するストレーリンクトング(特許文献1)、電線の接地を取る間接接地地絡器具(特許文献2)、あるいは、電線を被覆したままの状態で、針状の針電極を電線に差し込むことで電気的に接続する針電極クランプ(特許文献3および特許文献4)などがある。また、間接接地地絡器具や針電極クランプなどの一部の間接活線作業用器具は、絶縁操作棒に相当する構成を備えていないため、共用操作棒(特許文献5)に接続して使用する。
はじめに、図5を用いて、ストレーリンクトング1の構造について説明する。ストレーリンクトング1は、図5(イ)に示すように、先端側にある先端工具2と、絶縁性を有する長尺の絶縁操作棒3とを備えている。
先端工具2は、略コの字形を有する固定部4と、絶縁操作棒3の軸方向に進退可能に移動する可動部5とを備えている。
そして、図5(ロ)に示すように、固定部4は、先端側に鉤爪状の鉤爪部10を有する爪部11と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する回転体12が挿通された接続部13とを備えている。一方、可動部5は、回転体12の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸体14と、固定部4と協働して電線を保持(把持)可能な可動体15とを備えている。可動体15は、固定部4と対向する面に凹部を有し、固定部4の鉤爪部10から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸体14の先端に取り付けられている。また、固定部4は、電線を締め付けると容易に緩まないように保持するロック機構の一部であるつまみ部16を接続部13に備えている。
絶縁操作棒3は、図5(イ)に示すように、先端部が固定部4の回転体12の基端部に固定され、また、可動部5のネジ軸体14が後退したときに格納可能な空間を先端部に備えている。さらに、間接活線作業において、感電事故を防止するために、絶縁操作棒3のほぼ中間に、安全限界つば31を備えている。これは、作業者が握っても感電しない部分と、それ以外の部分であって、握ると感電する可能性がある部分との境界を明確にするために備えられたものである。さらに、絶縁操作棒3は、降雨時対策として、絶縁操作棒3の先端側から安全限界つば31とのほぼ中間に水切りつば32を備えている。
ここで、ストレーリンクトングの使用方法について、図5(イ)および(ロ)を用いて説明する。まず、固定部4の鉤爪部の先端17と可動部5の可動体15との開き具合を、電線を挿入できる程度まで緩める。そして、絶縁操作棒3を保持して、先端工具2を電線に近づけ、固定部4の鉤爪部の先端17と可動部5の可動体15との隙間18に、電線を通し、鉤爪部10に引っ掛ける。この状態で絶縁操作棒3を回転させると、固定部4は、鉤爪部の先端17と鉤爪部10の基端部分を接点に電線を捻るように力が加わり、回り止めされる。そして、絶縁操作棒3をさらに回転させると、固定部4が回り止めされているため、接続部13に対して回転自在に取り付けられている回転体12が回転する。一方、可動部5は、回転体12が回転するため、回転体12の貫通口にネジ込められたネジ軸体14およびネジ軸体14に固定された可動体15に回転力が加わる。しかし、可動体15は、固定部4の鉤爪部10から基端側に延びる直線部分に凹部を嵌まり込んでいるため、回り止めされている。
よって、絶縁操作棒3を左回転させると、固定部4が電線により回り止めされ、可動体15が固定部4により回り止めされているため、回転体12が左回転して、ネジ軸体14と可動体15は、ネジ軸体14のネジにより、鉤爪部10に向かって前進し、鉤爪部10と可動体15との隙間18が狭くなる。すなわち、電線を締め付けることができる。また、絶縁操作棒3を右回転させると、固定部4が電線により回り止めされ、可動体15が固定部4により回り止めされているため、回転体12が右回転して、ネジ軸体14と可動体15は、ネジ軸体14のネジにより、絶縁操作棒3に向かって後退し、鉤爪部10と可動体15との隙間18が広くなる。すなわち、ロック機構をかけていなければ、電線を緩めることができる。
鉤爪部の先端17と可動体15との開き具合が電線を通すことができる程度まで緩められると、鉤爪部の先端17と可動体15との隙間18に電線を挿入することができる。そして、電線は、固定部4の鉤爪部10に電線を嵌め込み、きつく締め付けることで保持することができる。
また、ストレーリンクトング1には、締め付けた電線が容易に緩まないように、可動部5の後退をロックする機能を備えている。すなわち、図5(ロ)に示すように、絶縁操作棒3は、先端の縁に沿って凹凸を有し、該凹凸は、絶縁操作棒3を左回転するときに対向する面が滑らかな傾斜となっており、右回転するときに対向する面が略垂直な面となっている。つまみ部16は、前記凹凸に向かって、移動可能に取り付けられている。そして、つまみ部16を絶縁操作棒3側に、すなわち、下側に移動させ、絶縁操作棒3を右回転すると、前記凹凸の略垂直な面と接触し、絶縁操作棒3の右回転を、そして、可動体15の後退を制限する。一方、絶縁操作棒3を左回転すると、前記凹凸の滑らかな傾斜と接触するが、傾斜に沿って容易に乗り越えることができるため、絶縁操作棒3の左回転を、そして、可動体15の前進を制限しない。また、つまみ部16を固定部4の鉤爪部10側に、すなわち、上側に移動させると、前記凹凸と接触しないため、左右いずれの回転も制限しない。
次に、間接接地地絡器具や針電極クランプについて説明する。間接接地地絡器具や針電極クランプなどの一部の間接活線作業用器具は、絶縁操作棒に相当する部分を備えていないため、共用操作棒に接続して使用する。なお、共用操作棒は、前述のストレーリンクトングの絶縁操作棒と、間接接地地絡器具などを接続する接続部とを備えている以外の構成が同じであるため、相違点である接続部についてのみ説明する。
図6に示すように、間接接地地絡器具100は、活線の接地をとるための間接活線作業用器具であり、電線を保持可能な3つの地絡金具(ストレーリンクトングの先端工具にあたる)102、102、102と、3つある地絡金具102、102、102のうち、1つの地絡金具102に他の2つの地絡金具102、102を取付可能な仮支持用棒136と、3本の電線であって、一端を各地絡金具102の端子にそれぞれ接続し、他の一端同士を接続する地絡線137、137、137と、接地極138に接続可能な接地金具139と、1本の電線であって、3本の地絡線137、137、137を一端に接続した端子にさらに接続し、他の一端に接地金具139を接続した接地線140とを備えている。
また、地絡金具102は、略コの字形を有する固定部と、共用操作棒の軸方向に進退可能に移動する可動部と、接続部の筒状挿入部を挿入可能な上面をふさがれた円筒状の接続金具141と、地絡線137を接続する接続端子142とを備えている。前記固定部は、先端側に鉤爪状の鉤爪部を有する爪部と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する接続部とを備えている。一方、前記可動部は、前記接続部の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸体と、前記固定部と協働して電線を保持(把持)可能な可動体とを備えている。前記可動体は、固定部と対向する面に凹部を有し、前記固定部の鉤爪部から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸体の先端に取り付けられており、ネジ軸体に対して回転自在になっている。さらに、接続金具141の周面には、筒状挿入部の周面に備えた係止用突起と係合可能な係合切れ込み143が形成されており、切れ込みの形状は、鉤爪状もしくはΤ型となっている。
これに対し、図に示さないが、共用操作棒の先端部は、円筒形をしており、上面がふさがれている筒状挿入部と、筒状挿入部の周面に係止用突起とを備えている。また、係止用突起は、一対の円柱状の突起で構成されており、筒状挿入部の周面に互いに反対側の位置の径方向外側に向かって備えられている。さらに、先端部の上面には、ほぼ中央に孔を設けており、筒状挿入部の内部に形成された空間から凸部を孔から突出させる凸形部材と、該空間の内側からスプリングなどで凸形部材を押し上げる弾性体とを備えている。
ここで、間接接地地絡器具100の使用方法について説明する。まず、仮支持用棒136の取り付けられた短絡金具102に、他の2つの短絡金具102、102を接続する。そして、他の2つの短絡金具102、102を接続した中央の短絡金具102の接続金具141に、共用操作棒の筒状挿入部を、係合切れ込み143に沿って係合用突起を挿入することで接続する。なお、先端部の凸形部材は、鉤爪状の係合切れ込み143の端まで係合用突起が達すると、弾性体により、引き戻す方向に押し戻され、係合用突起が係合切れ込み143の鉤爪状の端に引っ掛かって固定される。つぎに、地面などに打ち込まれた接地極138に接地金具139を接続する。
そして、共用操作棒を保持して、地絡金具102を電線に近づけ、固定部の鉤爪部の先端と可動部の可動体との隙間に、電線を通し、鉤爪部に引っ掛ける。なお、これに先立っては、固定部の鉤爪部と可動体との開き具合を最大にして固定部の接続部と可動体とを当接させることにより、固定部をネジ軸体に対して回転不能なロック状態にしておくことが好ましい。これは、そのようにしておかなければ、短絡金具102が共用操作棒の軸回りに自由に回転できて不安定な状態であるため、共用操作棒を操作して固定部の鉤爪部の先端と可動体との隙間に電線を通そうとしても、短絡金具102を思い通りの向きに操作することができないからである。この状態で共用操作棒を回転させると、固定部は、鉤爪部の先端と鉤爪部の基端部分を接点に電線を捻るように力が加わり、回り止めされる。そして、共用操作棒をさらに回転させると、固定部が回り止めされているため、可動体が回転し、接続部の貫通口にネジ込められたネジ軸体に回転力が加わる。しかし、可動体は、固定部の鉤爪部から基端側に延びる直線部分に凹部を嵌まり込んでいるため、回り止めされている。よって、共用操作棒を左回転させると、固定部が電線により回り止めされ、可動体が固定部により回り止めされているが、ネジ軸体は回転自在であるため、可動体は、ネジにより、固定部の鉤爪部に向かって前進し、鉤爪部と可動体との隙間が狭くなる。すなわち、電線を締め付けることができる。
同様に、仮支持用棒136に取り付けられている他の2つの短絡金具102、102についても、順に共用操作棒を接続して、仮支持用棒136から取り外して、それぞれの電線に保持することで、各電線の接地をとることができる。
また、図7に示すように、針電極クランプ200は、活線に対して電流を取り出すための間接活線作業用器具であり、略コの字形を有する固定部204と、共用操作棒の軸方向に進退可能に移動する可動部205と、固定部204もしくは可動部205に刃を有する針電極236と、固定部204に取り付けられ、針電極236から電流を取り出す出力端子237と、共用操作棒を接続するための接続金具238とを備えている。固定部204は、先端側に鉤爪状の鉤爪部210を有する爪部と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する接続部とを備えている。一方、可動部205は、前記接続部の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸体214と、固定部204と協働して電線を保持(把持)可能な可動体215とを備えている。ネジ軸体214は、可動体215に対して回転自在に取り付けられている。なお、前述の間接接地地絡器具と同様に、接続金具238を共用操作棒に接続して使用する。
ここで、針電極クランプ200の使用方法について説明する。まず、間接接地地絡器具と同様の理由により、固定部204の鉤爪部210と可動体215との開き具合を最大にして固定部204の接続部と可動体215とを当接させることにより、固定部204をネジ軸体214に対して回転不能なロック状態にしておく。そして、接続金具238に共用操作棒の先端部を接続し、出力端子237に出力側電線を接続する。そして、針電極クランプ200を入力側電線に近づけて、共用操作棒を操作することで、間接地絡接地器具の地絡金具と同様に、固定部204の鉤爪部210の先端と可動部205の可動体215との隙間に電線を挿入する。そして、共用操作棒を操作して、電線を締め付け、同時に固定部204及び可動部205のいずれかに接続された針電極236を電線に押し当てる。そうすると、針電極236は、電線の被覆を破って、導体に接続されるため、出力端子237から電流を取り出すことができるようになる。
特開2008−131685号公報(たとえば、段落0033)
特開2002−152935号公報(たとえば、段落0011〜段落0014)
特開2000−209726号公報(たとえば、段落0002)
特開平09−046843号公報(たとえば、段落0002〜段落0005)
特開2008−079432号公報(たとえば、段落0003)
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、第一実施形態に係るストレーリンクトングの構造について、図1を参照して説明する。第一実施形態に係るストレーリンクトング1Aは、図1(イ)に示すように、先端側にある先端工具2Aと、本発明に係る操作棒としての、絶縁性を有する長尺の絶縁操作棒3とを備えている。
そして、先端工具2Aは、略コの字形を有する固定部4Aと、絶縁操作棒3の軸方向に進退可能に移動する可動部5Aとを備えている。
また、図1(ロ)に示すように、固定部4Aは、先端側に鉤爪状の鉤爪部10を有する爪部11と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する回転体12が挿通された接続部13とを備えている。回転体12は、絶縁操作棒3の軸を中心に回転自在であるが、軸方向に進退することができないようになっている。
また、固定部4Aの鉤爪部10から基端側に延びる直線部分には、後述する可動体15Aと対向する部分に一部を突出させた本発明に係る突部としての球体19Aを備えている。球体19Aは、図1(ハ)に示すように、前記直線部分を貫通した突部挿入口20Aに挿入されている。また、突部挿入口20Aの一方の開口21Aは、球体19Aと、スプリングなどの弾性体22Aなどを挿入することができる開口面積を有し、そのまま突部挿入口20Aの他方の開口23Aまでほぼ同じ径となっている。これに対し、突部挿入口20Aの他方の開口23Aは、球体19Aの一部が突出でき、かつ、球体19Aの半球以上が突出しないように、球体19Aの直径以下の開口となっている。そして、球体19Aは、一方の開口21Aより挿入し、他方の開口23Aをふさぎ、弾性体22Aを挿入する。そして、一方の開口21Aは、固定部4Aの弾性体22Aが弾性力を発揮できる位置にフタ24Aが固定される。なお、球体19Aは、突部挿入口20Aから、他方の開口23Aより一部を突出させるために、弾性体22Aとともに挿入され、フタ24Aにて封入されている。よって、一部を突出した球体19Aは、外力により突部挿入口20A内部に押し込み可能な構造となっている。
なお、フタは、球体や弾性体などを取替えるため、突部挿入口の他方の開口23A付近にねじ溝を設け、突部挿入口と面するフタの側面にねじ山を設けるなどして、取り外せる構造であってもよい。
なお、第一実施形態による突部は、回転させることで、抵抗を下げ、より滑らかに、突部挿入口内部に押し込むことができる球体としたが、窪みに嵌めて、クリック感触を発生させることができればよいので、球体に限らず、楕円形や立方体などの他の形状であってもよい。但し、突部が回転するものについては、1つの位置決め手段に対して、可動体と接する部分により、クリック感触が変わることを防ぐため、回転軸に線対称な形状とする。また、突部は、立方体などであって、窪みの底を突部に合わせて立方体とする場合、一度嵌ると、窪みから突部を抜くことが困難となるため、窪みの底に丸みをつけるなどして、窪みから突部を出しやすい形状とする。
一方、可動部5Aは、回転体12の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わされるようにネジ山を切った棒状のネジ軸体14と、固定部4Aと協働して電線を保持(把持)可能な可動体15Aとを備えている。可動体15Aは、固定部4Aと対向する面に凹部を有し、固定部4Aの鉤爪部10から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸体14の先端に取り付けられている。
しかも、可動体15Aは、固定部4Aに対向する部分に、固定部4Aに弾性力により一部を突出させた球体を嵌め込み可能な窪み25Aを備えている。よって、可動体15Aは、基端側に取り付けるネジ軸体14の進退と連動して、前記直線部分に沿って移動可能に構成され、かつ可動体15Aの移動に伴い、窪み25Aに該球体19Aを嵌め込み可能となっている。
そして、固定部4Aと可動部5Aは、可動部5Aの可動体15Aに備えた窪み25Aに、固定部4Aに備えた球体19Aが嵌ることで、位置決めされると共に、クリック感触を発生させる位置決め手段6Aを備えている。なお、位置決めは、固定部4Aの鉤爪部の先端17と可動部5Aの可動体15Aとの隙間18が、特定の電線を通すことができるように、特定の電線の線径より若干余裕のあるように合わされる。
また、本発明に係る操作棒としての絶縁操作棒3は、図1(イ)に示すように、先端部が固定部4Aの回転体12の基端部に固定され、また、可動部5Aのネジ軸体14が後退したときに格納可能な空間を先端部に備えている。さらに、絶縁操作棒3が安全限界つば31と水切りつば32とを備えていることは、背景技術と同様である。
ここで、本実施形態に係るストレーリンクトング1Aの使用方法について、図1を用いて説明する。まず、固定部4Aの鉤爪部の先端17と可動部5Aの可動体15Aとの開き具合が電線を挿入できる程度まで緩める。そして、絶縁操作棒3を保持して、先端工具2Aを電線に近づけ、固定部4Aの鉤爪部の先端17と可動部5Aの可動体15Aとの隙間18に、電線を通し、鉤爪部10に引っ掛ける。この状態で絶縁操作棒3を回転させると、固定部4Aは、鉤爪部の先端17と鉤爪部10の基端部分を接点に電線を捻るように力が加わり、回り止めされる。絶縁操作棒3をさらに回転させると、固定部4Aが回り止めされているため、接続部13に対して回転自在に取り付けられている回転体12が回転する。一方、可動体5Aは、回転体12が回転するため、回転体12の貫通口にネジ込められたネジ軸体14およびネジ軸体14に固定された可動体15Aに回転力が加わる。しかし、可動体15Aは、固定部4Aの鉤爪部10から基端側に延びる直線部分に凹部を嵌め込んでいるため、回り止めされている。
よって、絶縁操作棒3を左回転させると、固定部4Aが電線により回り止めされ、可動体15Aが固定部4Aにより回り止めされているため、回転体12が左回転して、ネジ軸体14と可動体15Aは、ネジ軸体14のネジにより、鉤爪部10に向かって前進し、鉤爪部10と可動体15Aとの隙間18が狭くなる。すなわち、電線を締め付けることができる。また、絶縁操作棒3を右回転させると、固定部4Aが電線により回り止めされ、可動体15Aが固定部4Aにより回り止めされているため、回転体12が右回転して、ネジ軸体14と可動体15Aは、ネジ軸体14のネジにより、絶縁操作棒3に向かって後退し、鉤爪部10と可動体15Aとの隙間18が広くなる。すなわち、ロック機構をかけていなければ、電線を緩めることができる。
そして、可動体15Aと固定部4Aの位置決め手段6Aは、鉤爪部の先端17と可動体15Aとの開き具合が特定の隙間18になると、クリック感触を発生させ、可動体15Aに接続されたネジ軸体14を介して、絶縁操作棒3にクリック感触が伝わる。そこで、絶縁操作棒3の回転を止めると、鉤爪部の先端17と可動体15Aとの開き具合は、電線を通すことができる隙間18となっている。よって、作業者は、電線を鉤爪部の先端17と可動体15Aとの隙間18に挿入することができ、固定部4Aの鉤爪部10に電線を嵌め込み、電線と固定部4A及び可動体15Aとを、きつく締め付けることで電線を保持することができる。
さらに位置決め手段6Aによるクリック感触の発生について説明する。絶縁操作棒3を左回転させると、可動体15Aは、鉤爪部10に向かって前進する。そして、固定部4Aから突出した球体19Aの一部は、可動体15Aの鉤爪側を向いた部分に接触する。しかし、図1(ハ)にあるように、可動体15Aの角が滑らかに切り取られているため、球体19Aは、滑らかに固定部4Aの突部挿入口20Aの内部に押し込められる。ゆえに、作業者は、球体19Aが押し込められるのに伴う抵抗感を感じることはない。
可動体15Aをさらに締め付けると、固定部4Aの球体19Aの位置は、可動体15Aの窪み25Aの位置に達して、弾性体22Aにより球体19Aが再び固定部4Aの外部に突出され、可動体15Aの窪み25Aの中に嵌り、位置決めされるともに、クリック感触を発生させる。そして、クリック感触は、可動体15Aから、ネジ軸体14を経て、絶縁操作棒3に伝達され、作業者は認識することができ、具体的には、作業者の絶縁操作棒3を握る手にクリック感触が伝わることにより、認識することができる。
可動体15Aを続けてさらに締め付けると、固定部4Aの球体19Aは、可動体15Aの窪み25Aを越えて、再び、可動体15Aにより押し下げられ、固定部4Aの突部挿入口20A内部に押し込められるので、可動体15Aは再び前進することができ、電線をきつく締め付けられるまで前進させることができる。
次に、電線を保持したストレーリンクトング1Aを電線から取り外す方法について説明する。まず、可動体15Aは、容易に電線が緩まないように、つまみ部16にてロックされている。従って、つまみ部16を上側に移動させて、ロックを解除する。固定部4Aの鉤爪部の先端17と可動部5Aの可動体15Aとの開き具合を、電線を通すことができるように大きくする。すなわち、絶縁操作棒3を回転させて、可動部5Aを絶縁操作棒3の軸方向に後退させる。そして、可動体15Aと固定部4Aの位置決め手段6Aは、鉤爪部の先端17と可動体15Aとの開き具合が特定の隙間18になると、位置決めされると共に、クリック感触を発生する。このクリック感触は、可動体15Aに接続されたネジ軸体14を介して、絶縁操作棒3に伝達される。そこで、作業者は、絶縁操作棒3の回転を止めることで、可動部5Aを、電線を通すことができる隙間18で停止させることができる。よって、作業者は、電線を、鉤爪部の先端17と可動体15Aとの隙間18を通して、取り外すことができる。
なお、同じ径の電線を再び保持するときは、特に可動部5Aを操作するまでもなく、そのまま電線を鉤爪部の先端17と可動体15Aとの隙間18に挿入することができ、固定部4Aの鉤爪部10に電線を嵌め込み、電線と固定部4A及び可動部5Aとを、きつく締め付けることで電線を保持することができる。
また、位置決め手段6Aに対応する電線の線径以外の電線に対して使用する場合でも、従来どおりの目視による鉤爪部の先端17と可動体15Aとの開き具合の確認をして、絶縁操作棒3を調整しながら回転させることができるため、本発明によるストレーリンクトング1Aは、特定の線径に対応する電線の使用に制限されるものではない。
さらに、位置決め手段6Aは、鉤爪部の先端17と可動体15Aとの開き具合を、基準となる隙間に合わせてもよい。たとえば、電線の線径が、25sq、58sq、200sqを想定するとき、中間の線径である58sqの電線にあった隙間に合わせておくと、他の25sqと200sqの線径の電線に対しては、クリック感触を伝達する前後で、およその判断をすることができる。
よって、本発明に係る第一実施形態のストレーリンクトングを操作する作業者は、固定部の鉤爪部の先端と可動部の可動体との開き具合を目視せずに、絶縁操作棒を操作するだけで、鉤爪部の先端と可動体との開き具合が特定の隙間となったときに、クリック感触を絶縁操作棒から認識することができるため、作業者の熟練度に関係なく、鉤爪部の先端と可動体との開き具合を特定の隙間に合わせることができる。
<第二実施形態>
以下、第二実施形態に係るストレーリンクトングについて図2を参照して説明する。第二実施形態に係るストレーリンクトング1Bは、異なる線径の電線に対応するものであるため、電線の線径が25sq、58sq、200sqの場合を例に説明する。なお、第二実施形態は、第一実施形態と、絶縁操作棒などが同一であるため、以下においては、第一実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に同じ部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ストレーリンクトング1Bの構造について説明する。ストレーリンクトング1Bの主要構造は、第一実施形態と同じであり、図2(イ)に示すように、先端工具2Bと、本発明に係る操作棒としての絶縁操作棒3とを備えている。そして、先端工具2Bは、固定部4Bと、可動部5Bとを備えている。
そして、固定部4Bは、先端側に鉤爪状の鉤爪部10を有する爪部11と、略コの字形の基端部のほぼ中央が貫通され、内周面にネジ溝を切った貫通口を有する回転体12が挿通された接続部13とを備えている。回転体12は、絶縁操作棒3の軸を中心に回転自在であるが、軸方向に進退することができないようになっている。
また、固定部4Bの鉤爪部10から基端側に延びる直線部分には、後述する可動体15Bと対向する部分に一部を突出させた本発明に係る突部としての3つの球体19X、19Y、19Zを備えている。球体19X、19Y、19Zは、図2(ハ)に示すように、それぞれ該直線部分を貫通した突部挿入口20X、20Y、20Zに挿入されている。また、突部挿入口20X、20Y、20Zの一方の開口21X、21Y、21Zは、それぞれ球体19X、19Y、19Zとスプリングなどの弾性体22X、22Y、22Zなどを挿入することができる開口面積を有し、そのままそれぞれ突部挿入口20X、20Y、20Zの他方の開口23X、23Y、23Z近辺までほぼ同じ径となっている。これに対し、突部挿入口20X、20Y、20Zの他方の開口23X、23Y、23Zは、それぞれ球体19X、19Y、19Zの一部が突出でき、かつ、それぞれ球体19X、19Y、19Zの半球以上が突出しないように、それぞれの球体19X、19Y、19Zの直径以下の開口となっている。そして、球体19X、19Y、19Zは、それぞれの一方の開口21X、21Y、21Zより挿入し、それぞれの他方の開口23X、23Y、23Zをふさぎ、それぞれの弾性体22X、22Y、22Zを挿入する。そして、それぞれの一方の開口21X、21Y、21Zは、それぞれの弾性体22X、22Y、22Zが弾性力を発揮できる位置にフタ24X、24Y、24Zが固定される。
一方、図2(ロ)に示すように、可動部5Bは、回転体12の貫通口内周面のネジ溝に噛み合わさるようにネジ山を切った棒状のネジ軸体14と、固定部4Bと協働して電線を保持(把持)可能な可動体15Bとを備えている。可動体15Bは、固定部4Bと対向する面に凹部を有し、固定部4Bの鉤爪部10から基端側に延びる直線部分に該凹部が嵌まり込んだ状態でネジ軸体14の先端に取り付けられている。
しかも、可動体15Bは、固定部4Bに対向する部分に、後述する固定部4Bに弾性力により一部を突出させた球体19X、19Y、10Zを嵌め込み可能な窪み25Bを備えている。よって、可動体15Bは、基端側に取り付けるネジ軸体14の進退と連動して、前記直線部分に沿って移動可能に構成され、かつ可動体15Bの移動に伴い、窪み25Bに球体19X、19Y、19Zを嵌め込み可能となっている。
そして、固定部4Bと可動部5Bは、固定部4Bに備えた球体19X、19Y、19Zが、可動部5Bの可動体15Bに備えた窪み25Bに嵌ることで、位置決めされると共に、クリック感触を発生させる位置決め手段6Bを備えている。一部が突出した球体19X、19Y、19Zは、外力により突部挿入口20X、20Y、20Z内部に押し込み可能な構造となっている。
また、位置決めは、固定部4Bの鉤爪部の先端17と可動部5Bの可動体15Bとの隙間18が三箇所の異なる特定の電線を通すことができるように、三箇所とも特定の電線の線径より若干余裕のある位置となっている。よって、三箇所の球体19X、19Y、19Zは、これらの位置で窪み25Bに嵌るように合わされ、それぞれの球体19X、19Y、19Zで、異なるクリック感触が発生する。
たとえば、位置決めは、固定部4Bの基端側から先端側に向かって並んだ三箇所の突出した球体19X、19Y、19Zに対し、基端側の球体20Xに可動体15Bの窪み25Bが嵌る位置を200sqの線径に合わせ、真ん中の球体20Yに可動体15Bの窪み25Bが嵌る位置を58sqの線径に合わせ、先端側の球体20Zに可動体15Bの窪み25Bが嵌る位置を25sqの線径に合わせる。
そして、固定部4Bと可動部5Bは、可動部5Bの可動体15Bに備えた窪み25Bに、固定部4Bに備えた球体19X、19Y、19Zが嵌ることで、位置決めされると同時に、それぞれの球体19X、19Y、19Zで異なるクリック感触を発生させる位置決め手段6Bを備えている。なお、球体19X、19Y、19Zは、それぞれの突部挿入口20X、20Y、20Zに、それぞれの他方の開口23X、23Y、23Zより一部が突出するようにそれぞれに弾性体22X、22Y、22Zとともに挿入され、それぞれにフタ24X、24Y、24Zにて封入されている。よって、一部が突出した球体19X、19Y、19Zは、外力によりそれぞれの突部挿入口20X、20Y、20Z内部に押し込み可能な構造となっている。
また、位置決め手段6Bは、それぞれ同じ弾性力を有する弾性体22X、22Y、22Zを使用して、固定部4Bのそれぞれの突部挿入口21X,21Y,21Zのそれぞれの一方の開口21X、21Y、21Zをふさぐそれぞれのフタ24X、24Y、24Zの固定位置を、それぞれ異なる深さにする。
たとえば、三箇所のフタ24X、24Y、24Zの固定位置は、基端側から先端側に向かってそれぞれのフタ24X、24Y、24Zを、突部挿入口21X,21Y,21Zの一方の開口21X、21Y、21Zから順に深くなるように固定する。よって、深い位置の球体20Xほど、弾性力が強いため、クリック感触が強く感じることができ、浅い位置の球体20Zほど、弾性力が弱いため、クリック感触が弱く感じられる。よって、操作部32に達したクリック感触の程度により、位置決め手段6Bのどの球体19X、19Y、19Zによるものかを判別することができ、すなわち、どの線径に合った隙間18であるかを判別することができる。
なお、位置決め手段は、必ずしも三箇所である必要はなく、取り付けられるのであれば、取り付け数に制限はない。また、必ずしも突部を複数備える必要はなく、突部の代わりに窪みを複数備えてもよい。この場合、窪みの大きさを変えて、クリック感触に変化を出すことで、位置決め手段のどの窪みによるものかを判別することができ、すなわち、どの線径に合った隙間であるかを判別することができる。
さらに、位置決め手段のクリック感触の変化の出し方についても、フタの固定位置による弾性力の違い以外に、弾性体そのものの弾性力に違いを与えてもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
ここで、本実施形態に係るストレーリンクトングの使用方法について、図2を用いて説明する。まず、固定部4Bの鉤爪部の先端17と可動部5Bの可動体15Bとの開き具合が電線を挿入できる程度まで緩める。そして、絶縁操作棒3を保持して、先端工具2を電線に近づけ、固定部4Bの鉤爪部の先端17と可動部5Bの可動体15Bとの隙間18に、電線を通し、鉤爪部10に引っ掛ける。よって、絶縁操作棒3を左回転させると、固定部4Bが電線により回り止めされ、可動体15Bが固定部4Bにより回り止めされているため、可動体15Bは、鉤爪部10に向かって前進し、鉤爪部10と可動体15Bとの隙間18が狭くなる。すなわち、電線を締め付けることができる。また、絶縁操作棒3を右回転させると、固定部4Bが電線により回り止めされ、可動体15Bが固定部4Bにより回り止めされているため、可動体15Bは、絶縁操作棒3に向かって後退し、鉤爪部10と可動体15Bとの隙間18が広くなる。すなわち、ロック機構をかけていなければ、電線を緩めることができる。
そして、可動体15Bと固定部4Bの位置決め手段6Bは、鉤爪部の先端17と可動体15Bとの開き具合が特定の隙間18になると、クリック感触を発生させ、可動体15Bに接続されたネジ軸体14を介して、絶縁操作棒3にクリック感触が伝わる。さらに、該クリック感触は、電線の線径ごとにクリック感触の強さなどが異なっているため、鉤爪部の先端17と可動体15Bとの開き具合を確認することができ、所望の特定の隙間18になるまで繰り返すことができる。そして、特定の隙間18となれば、絶縁操作棒3の回転を止めると、鉤爪部の先端17と可動体15Bとの開き具合は、電線を通すことができる隙間18となっている。よって、作業者は、電線を鉤爪部の先端17と可動体15Bとの隙間18に挿入することができ、固定部4Bの鉤爪部10に電線を嵌め込み、電線と固定部4B及び可動体15Bとを、きつく締め付けることで電線を保持することができる。
なお、クリック感触は、球体19X、19Y、19Zのそれぞれで異なるため、可動体15Bの停止位置がわからないストレーリンクトング1Bを使用する場合でも、クリック感触の違いにより、判別することができる。これは、他人が使っていたストレーリンクトング1Bを途中から使用する場合などに有効である。
よって、第二実施形態に係るストレーリンクトングを保持する作業者は、異なる線径の電線を利用する場合であっても、固定部の鉤爪部の先端と可動体との開き具合を目視せずに、絶縁操作棒を操作するだけで、鉤爪部の先端と可動体との開き具合が特定の隙間となったときに、クリック感触を絶縁操作棒から認識することができ、異なる線径の電線に合う複数の開き具合のうち、保持する線径の電線に合った開き具合を、クリック感触から、作業者の熟練度に関係なく、特定の隙間に操作することができる。
以上、二つの実施形態に係るストレーリンクトングについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々の変更が可能である。
たとえば、第一及び第二実施形態では、ストレーリンクトングを説明したが、間接接地地絡器具や針電極クランプなどを含むクランプなどの他の間接活線作業用器具であっても適用可能である。ただし、ここでいうクランプとは、狭義によるものであり、ストレーリンクトングを含まない間接活線作業用器具であるが、広義によるクランプは、ストレーリンクトングを含む間接活線作業用器具と捉えることもできる。
また、間接接地地絡器具の場合は、先端工具としての地絡金具に、第一及び第二実施形態に係るストレーリンクトングの先端金具と同じように位置決め手段を取り付けることで、同じ効果を得ることができる。
また、図7にあるように従来使用されている針電極クランプ200の場合は、可動体215が、ストレーリンクトングの可動部のように、固定部204と対向する面に凹部を有していないため、該面と隣り合わせの片面に設けられる突部としての球体を嵌め込む位置に窪みを備えることができない。しかし、図3に示すように、可動体215Aに、該球体219Aを嵌め込むことができる窪み225Aを設けるために、該球体219Aを備える固定部204Aの部分と対向するように板状の突部受け部239Aを備える。なお、球体219Aを受ける窪み225Aを突部受け部239Aに備えて、位置決め手段206Aとしてもよい。針電極クランプは、図7にあるような針電極を可動体に固定するもの以外にも、特許文献3にあるような針電極と可動体が別々に移動可能なものであってもよい。
また、間接接地地絡器具や針電極クランプなどは、背景技術の項で記載したとおり、可動部を限界まで緩めずに共用操作棒を回転させると、固定部と可動体との隙間に電線を挿入しづらい場合があったが、位置決め装置を備えることで、固定部は、可動体を位置決めするとともに、共用操作棒の傾きに対して、容易に回転しないように保持することができる。よって、可動部を最後まで緩めて、可動体を固定部に押し付ける必要がなくなり、共用操作棒を持ち上げるまえにあらかじめ位置決めしておき、固定部の鉤爪部と可動体との隙間に挿入した後の締め付けを減らすことができる。
また、位置決め手段は、第一および第二実施形態では、固定部に突部としての球体を備え、可動部に窪みを備えることでクリック感触を発生させたが、図4に示すように球体に代えて弾性を有する棒状の突起としてもよい。
この例による位置決め手段の構成について、図4を用いて説明すると、固定部304には、棒状の弾性を有する突起319を備え、該突起319は、頂部の一部が突出する程度を残す深さの凹部を有し、該底部に突起319の一端を固定し、かつ、固定した一端を支点に頂部の一部が残る程度に折り曲げるスペースを有する移動空間320に備えられている。また、可動体315は、突起319の頂部を収めることができる四方形の窪み325を備えている。
この例による位置決め手段306の動作について説明すると、可動体315は固定部304に沿って移動すると、突出した突起319の頂部に接触する。但し、図4(イ)にあるように、可動体315の角が滑らかに切り取られているため、徐々に折り曲げられ、クリック感触は発生しない。完全に可動体315により折り曲げられた突起319は、図4(ロ)にあるように、可動体315の窪み325で弾性により起き上がり、クリック感触を発生させることができる。
また、第一および第二実施形態(図1、2参照)などにあるように、可動体は、突部および突起を備える部分と対向する窪み以外の部分に、突部および突起と滑らかに接触するように角を滑らかに切り取ってもよい。これによって、突部および突起は、徐々に固定部の突部挿入口の内部に挿入され、もしくは、弾性により折り曲がることで、作業者にクリック感触と混同するような抵抗感を感じさせないものである。
また、位置決め手段について、必ずしも可動体に窪みを、固定部に突部もしくは突起を備えるものである必要はなく、たとえば、可動体に突部もしくは突起を、固定部に窪みを備えてもよい。また、取り付け位置についても、固定部の内面に窪みもしくは突部のいずれか一方を備え、可動体の凹部の底に他の一方を備えてもよい。もちろん、該突部を突起に変えた場合においても同様である。
また、作業者に対するクリック感触の伝達手段について、先端工具に接続される操作棒に伝達される以外に、操作棒は、電線を締め付けたり、緩めたりする行為のみに使用され、先端工具は、クリック感触の伝達において、突部もしくは突起を窪みに嵌め込むことで、クリック感触としてのクリック音を発し、このクリック音が作業者に伝達されることで、固定部の鉤爪部の先端と可動部の可動体との開き具合が、電線の線径に合っていることを認識するものであってもよい。
また、位置決め手段の取り付け位置は、固定部の鉤爪部の先端と可動部の可動体との開き具合を、電線の線径に合わせる以外に、たとえば、間接接地地絡器具100の仮支持用棒136などに合わせたものを含めてもよい。
1、1A、1B…間接活線作業用器具、2、2A、2B…先端工具、3…絶縁操作棒(操作棒)、4、4A、4B…固定部、5、5A、5B…可動部、6A、6B…位置決め手段
10…鉤爪部、11…爪部、12…回転体、13…接続部、14…ネジ軸体、15、15A,15B…可動体、16…つまみ部、17…鉤爪部の先端、18…隙間、19A、19B…球体、20A、20X、20Y、20Z…突部挿入口、20A、21X、21Y、21Z…開口、22A、22X、22Y、22Z…弾性体、23A、23X、23Y、23Z…開口、24A、24X、24Y、24Z…フタ、25A、25X、25Y、25Z…窪み、31…安全限界つば、32…水切りつば、100…間接接地地絡器具、102…地絡金具(先端工具)、136…仮支持用棒、137…地絡線、138…接地極、139…接地金具、140…接地線、141…接続金具、142…接続端子、143…係合切れ込み、200、200A…針電極クランプ、204、204A…固定部、205、205A…可動部、206A…位置決め手段、210、210A…鉤爪部、214…ネジ軸体、215、215A…可動体、219、219A…球体(突部)、225A…窪み、236…針電極、237…出力端子、238…接続金具、239A…突部受け部、304…固定部、306…位置決め手段、315…可動体、319…突起、320…移動空間、325…窪み