以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態としての間接活線先端工具110の構成例を示している。図1(a)は正面から見た図であり、図1(b)は側面から見た図である。この間接活線先端工具110は、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具110は、薄板状の鋼板、例えばステンレス薄鋼板を用いて形成されている。この間接活線先端工具110は、帯板状の基部111と、この基部111の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部112とを有している。
U字状の先端部112の幅(20mm)は、基部111の幅(20mm)と等しくされている。また、U字状の先端部112の2つの先端には、図1(b)に示すように、断面形状が先細りとなるように片側にだけテーパが付けられている。なお、テーパを両側につけるようにしてもよい。
基部111の長手方向の他端側は、取り付け部113とされている。この取り付け部113を用いることで、間接活線先端工具110を、既存の先端工具、例えばカバー押さえ器などに取り付けることができる。この取り付け部113には、長手方向に複数、この実施の形態においては4個の穴114が一定間隔をもって形成されている。この穴114の間隔は、間接活線先端工具110を取り付ける既存の先端工具の取り付け箇所に形成された穴の間隔と等しくされている。
間接活線先端工具110は、この穴114を利用し、取り付けビス、固定ナットを用いて、既存の先端工具に取り付けられる。この場合、取り付けに使用する穴114を変えることで、既存の先端工具に対する間接活線先端工具110の取り付け位置、つまり、U字状の先端部112の位置を調整することが可能となる。この意味で、一定間隔に形成された複数の穴114は位置調整手段を構成している。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図2は他の実施の形態としての間接活線先端工具120の構造を示している。図2(a)は正面から見た図であり、図2(b)は側面から見た図である。この間接活線先端工具120は、上述した間接活線先端工具110(図1参照)と同様に、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具120は、薄板状の鋼板、例えばステンレス薄鋼板を用いて形成されている。この間接活線先端工具120は、帯板状の基部121と、この基部121の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部122とを有している。
U字状の先端部122の幅(30mm)は、基部121の幅(20mm)より大きくされている。このような構成により、全体の大きさを抑制しながら、U字状の先端部122の面積が広くされている。また、U字状の先端部122の2つの先端には、図2(b)に示すように、断面形状が先細りとなるように片側にだけテーパが付けられている。なお、テーパを両側につけるようにしてもよい。
U字状の先端部122の凹部の深さ(15mm)は、上述の間接活線先端工具110(図1参照)のU字状の先端部112の凹部の深さ(15mm)と等しくされている。しかし、U字状の先端部122の凹部の幅(14mm)は、上述の間接活線先端工具110のU字状の先端部112の凹部の幅(10mm)より大きくされている。この場合、後述するように、ホック取り付け部のホック係合状態を解除するために先端部122を取り付けホック部に挿入するとき、ホックの径が若干大きくても当該ホックを凹部内に位置させることが可能となり、自由度が高められる。
基部121の長手方向の他端側は、取り付け部123とされている。この取り付け部123を用いることで、間接活線先端工具120を、既存の先端工具、例えばかバー押さえ器などに取り付けることができる。この取り付け部123には、長手方向に複数、この実施の形態においては4個の穴124が一定間隔をもって形成されている。この穴124の間隔は、間接活線先端工具120を取り付ける既存の先端工具の取り付け箇所に形成された穴の間隔と等しくされている。
間接活線先端工具120は、この穴124を利用し、取り付けビス、固定ナットを用いて、既存の先端工具に取り付けられる。この場合、取り付けに使用する穴124を変えることで、既存の先端工具に対する間接活線先端工具120の取り付け位置、つまり、U字状の先端部122の位置を調整することが可能となる。この意味で、一定間隔に形成された複数の穴124は位置調整手段を構成している。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図3は他の実施の形態としての間接活線先端工具130の構造を示している。図3(a)は正面から見た図であり、図3(b)は側面から見た図である。この間接活線先端工具130は、上述した間接活線先端工具110(図1参照)、間接活線先端工具120(図2参照)と同様に、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具130は、薄板状の鋼板、例えばステンレス薄鋼板を用いて形成されている。この間接活線先端工具130は、帯板状の基部131と、この基部131の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部132とを有している。
U字状の先端部132の幅(30mm)は、基部131の幅(20mm)より大きくされている。このような構成により、全体の大きさを抑制しながら、U字状の先端部132の面積が広くされている。また、U字状の先端部132の2つの先端には、図3(b)に示すように、断面形状が先細りとなるように両側にテーパが付けられている。なお、テーパを片側につけるようにしてもよい。
U字状の先端部132の凹部の深さ(28mm)は、上述の間接活線先端工具110,120のU字状の先端部112,122の凹部の深さ(15mm)より大きくされている。この場合、後述するように、ホック取り付け部のホック係合状態を解除するために先端部132を取り付けホック部に挿入するとき、ホックが凹部の奥に当接するまで挿入しなくても当該ホックを凹部内に位置させることが可能となり、自由度が高められる。
また、U字状の先端部132の凹部の幅(14mm)は、上述の間接活線先端工具120と同様に、上述の間接活線先端工具110のU字状の先端部112の凹部の幅(10mm)より大きくされている。この場合、後述するように、ホック取り付け部のホック係合状態を解除するために先端部132を取り付けホック部に挿入するとき、ホックの径が若干大きくても当該ホックを凹部内に位置させることが可能となり、自由度が高められる。
基部131の長手方向の他端側は、取り付け部133とされている。この取り付け部133を用いることで、間接活線先端工具130を、既存の先端工具、例えばかバー押さえ器などに取り付けることができる。この取り付け部133には、長手方向に複数、この実施の形態においては4個の穴134が一定間隔をもって形成されている。この穴134の間隔は、間接活線先端工具130を取り付ける既存の先端工具の取り付け箇所に形成された穴の間隔と等しくされている。
間接活線先端工具130は、この穴134を利用し、取り付けビス、固定ナットを用いて、既存の先端工具に取り付けられる。この場合、取り付けに使用する穴134を変えることで、既存の先端工具に対する間接活線先端工具130の取り付け位置、つまり、U字状の先端部132の位置を調整することが可能となる。この意味で、一定間隔に形成された複数の穴134は位置調整手段を構成している。
次に、上述の間接活線先端工具130の既存の先端工具への取り付け例について説明する。ここでは、既存の先端工具がカバー押さえ器である場合について説明する。なお、間接活線先端工具110,120の既存の先端工具への取り付け例については、間接活線先端工具130の場合と同様であるのでその説明は省略する。
図4は、間接活線先端工具としてのカバー押さえ器500の構成例を示している。このカバー押さえ器500は、カバー押さえ部501と、菊座アダプタ502と、装着用アダプタ503とから構成されている。装着用アダプタ503は、間接活線共用操作棒に着脱自在に装着可能なツイストロック式のアダプタである。
菊座アダプタ502は、カバー押さえ部501の向きを変更するために設けられている。この菊座アダプタ502の固定部502aは装着用アダプタ503に固定されている。また、菊座アダプタ502の可動部502bにはカバー押さえ部501が固定されている。蝶ナット502cを緩めて菊座アダプタ502の固定部502aに対する可動部502bの回転位置を変化させることで、カバー押さえ部501の向きを変えることができる。カバー押さえ部501は、薄板状の鋼板、例えば帯状のステンレス薄鋼板を用いて形成されている。
間接活線先端工具130は、図5に示すように、カバー押さえ器500のカバー押さえ部501に、取り付けビス601と固定ナット602を用いて固定される。この場合、カバー押さえ器500のカバー押さえ部501には、図6に示すように、カバー押さえ部501の固定端側に、ビス止め用の穴504が2個形成されている。間接活線先端工具130は、図7に示すように、このカバー押さえ部501の穴504が利用されて、当該カバー押さえ部501にビス止めされる。
上述したように、間接活線先端工具130の取り付け部133には、4個の穴134が長手方向に一定間隔をもって形成されている。そのため、取り付けに使用する穴134を変えることで、取り付け位置を調整できる。図7に示す取り付け例では、先端側の2個の穴134を使用しており、最短取り付け状態となる。これに対して、図8に示す取り付け例では、後端側の2個の穴134を使用しており、最長取り付け状態となる。また、図9に示す取り付け例では、中間の2個の穴134を使用しており、中間取り付け状態となる。
次に、上述の間接活線先端工具130を用いて、高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際の作業手順について説明する。ここでは、高圧カバーが高圧引き下げ線用コネクタカバーであり、間接活線先端工具130がカバー抑え器500に取り付けられた状態で使用される例について説明する。なお、間接活線先端工具110,120の使用例については、間接活線先端工具130の場合と同様であるのでその説明は省略する。
図10は、高圧引き下げ線用コネクタカバー200を示している。この高圧引き下げ線用コネクタカバー200は、一対のカバー部材201a,201bからなっている。これら一対のカバー部材201a,201bは、その長手方向に沿って一端側(背面側)が弾性ヒンジ202(図10では見えない)により、開閉自在に連結されている。一方のカバー部材、例えばカバー部材201bには、例えば、間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)で把持するための突片204が設けられている。
高圧引き下げ線用コネクタカバー200が電線に取り付けられている状態では、図10に示すように、一対のカバー部材201a,201bは、その長手方向に沿って他端側(前面側)が取り付けホック部203により連結されている。取り付けホック部203は、カバー部材201aに連接されたホック部203aと、カバー部材201bに連接されたホック部203bとからなっている。
この場合、カバー部材201a,201bが取り付けホック部203により連結されている状態では、ホック部203a,203bの互いに対向する部分に形成されているホックが係合された状態となっている。なお、カバー部材201a,201bが取り付けホック部203により連結されている状態では、ホック部203a,203bは互いに当接した状態に置かれる。しかし、各ホック部203a,203bにはテーパ206が付けられているため、ホック部203a,203bの間にはテーパ206の部分で隙間ができた状態となっている。
高圧引き下げ線用コネクタカバー200の取り付けホック部203におけるホック係合状態を解除するため、まず、図11に示すように、上述したようにテーパ206でできた隙間の部分から、ホック部203a,203bとの間に、間接活線先端工具130の先端部132が挿入される。そして、その後、この間接活線先端工具130の先端部132が捻られて、ホック係合状態が解除される。図12は、取り付けホック部203のホック係合状態が解除されて、カバー部材201a,201bが離れた状態を示している。
この図12に示すように、ホック部203a,203bの間に間接活線先端工具130の先端部132が挿入されたとき、その先端部132の凹部内にホック207が位置した状態となり、この状態で間接活線先端工具130の先端部132が捻られることで、ホック部203a,203bのホック係合状態が解除される。
次に、高圧カバーが実際に電線Wに取り付けられている場合において、上述の間接活線先端工具130を用いて、高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際の作業手順について説明する。
最初に、高圧カバーが上述した高圧引き下げ線用コネクタカバー200である場合について説明する。
まず、図13に示すように、カバー部材201bに連接されている突片204が遠隔操作用ヤットコ(間接活線把持工具)300で把持された状態で、一方の側の取り付けホック部203におけるホック係合状態を解除するため、その取り付けホック部203のホック部203a,203bの間に、間接活線先端工具130の先端部132が挿入される。
そして、その後、図14に示すように、この間接活線先端工具130の先端部132が捻られて、ホック係合状態が解除される。また、他方の側の取り付けホック部203に関しても、同様にして、そのホック係合状態が解除される。
次に、高圧カバーがジャンパースリーブカバー250である場合について説明する。
このジャンパースリーブカバー250は、図15、図16に示すように、一対のカバー部材251a,251bからなっている。これら一対のカバー部材251a,251bは、その長手方向に沿って一端側が弾性ヒンジ252により開閉自在に連結されている。
このジャンパースリーブカバー250が電線Wに取り付けられている状態では、図15に示すように、一対のカバー部材251a,251bは、その長手方向に沿って他端側(下端側)が取り付けホック部253により連結されている。このように、カバー部材251a,251bが取り付けホック部253により連結されている状態では、ホック部253a,253bの互いに対向する部分に形成されているホックが係合された状態となっている。
まず、図15に示すように、ジャンパースリーブカバー250が遠隔操作用ヤットコ(間接活線把持工具)300で把持された状態で、一方の側の取り付けホック部253におけるホック係合状態を解除するため、その取り付けホック部253のホック部253a,253bの間に、間接活線先端工具130の先端部132が挿入される。
そして、その後、図16に示すように、この間接活線先端工具130の先端部132が捻られて、ホック係合状態が解除される。また、他方の側の取り付けホック部253に関しても、同様にして、そのホック係合状態が解除される。
以上説明したように、図1〜図3に示す間接活線先端工具110〜130においては、U字状の先端部112〜132を高圧カバーの取り付けホック部に挿入して捻ることで取り付けホック部のホック係合状態を解除するものであり、ホック直近での捻り動作(梃子動作)であって、ホック係合状態を解除するための応力がカバー本体(カバー部材)に伝わり易く、作業者は取り付けホック部のホック係合状態の解除を容易に行うことができる。
また、図1〜図3に示す間接活線先端工具110〜130においては、U字状の先端部112〜132を高圧カバーの取り付けホック部に挿入して捻ることで取り付けホック部のホック係合状態を解除するものであり、以下のような効果がある。すなわち、電線の動揺が少なく、作業者は安全に作業できる。また、U字状の先端部112〜132は取り付けホック部にのみ挿入されるので、電線Wの芯線を損傷するおそれがない。また、U字状の先端部112〜132を高圧カバーの取り付けホック部分に挿入して捻る作業が行われるだけなので、高圧カバーの変形、損傷が少なく、当該高圧カバーを再使用できる確率が高くなる。
また、図1〜図3に示す間接活線先端工具110〜130においては、U字状の先端部112〜132の2つの先端に断面形状が先細りとなるようにテーパが付けられており、作業者は、取り付けホック部のホック係合状態を解除する際に、このU字状の先端部112〜132を高圧カバーの取り付けホック部に挿入することが容易となる。
また、図2、図3に示す間接活線先端工具120,130においては、U字状の先端部122,132の幅は基部121,131の幅より大きくされていることから、全体の大きさを抑制しながらU字状の先端部122,132の面積を広くできる。このように、U字状の先端部122,132の面積を広げることで、このU字状の先端部122,132を取り付けホック部に挿入して捻る作業におけるカバー本体(カバー部材)との接触面積が増加し、取り付けホック部のホック係合状態の解除作業が容易となる。
また、図1〜図3に示す間接活線先端工具110〜130においては、基部の長手方向の他端側が取り付け部113〜133とされ、この取り付け部113〜133には長手方向に複数の穴114〜134が一定間隔をもって形成されている。そのため、この取り付け部113〜133に形成されている穴114〜134を用いて、この間接活線先端工具110〜130を、既存の先端工具、例えばかバー押さえ器などに、取り付けビス、固定ナットを用いて取り付けることができる。このように既存の先端工具に取り付けることで、既存の先端工具の機能性が向上すると共に、先端工具取り替えを抑制して作業効率の向上を図ることができる。また、この取り付け部113〜133には長手方向に複数の穴114〜134が一定間隔をもって形成されているので、取り付けに使用する穴を変えることで、取り付け位置を作業がし易いように調整できる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図17、図18は、実施の形態としての間接活線先端工具140の構成例を示している。図17は、間接活線先端工具140の斜視図を示している。図18は、間接活線先端工具140の縦断面図を示している。この間接活線先端工具140は、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具140は、帯板状の基部141と、この基部141の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部142と、この基部141の長手方向の他端側に固定されている取り付け部143とを有している。基部141および先端部142は、薄板状の鋼板、例えばステンレス薄鋼板を用いて形成されている。
基部141および先端部142の部分は、上述の図3に示す間接活線先端工具130と同様の構成である。基部141の他端側には、図18に示すように、長手方向に複数、この実施の形態においては4個の穴144が一定間隔をもって形成されている。
取り付け部143は、間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)の把持部に取り付け可能な構成となっている。この取り付け部143は、基部141の他端側に、上述した穴144を利用して、ビス146を用いて固定されている。この場合、取り付けに使用する穴144を変えることで、当該間接活線先端工具140を間接活線把持工具の把持部に取り付けた際のU字状の先端部142の位置を調整することが可能となる。この意味で、取り付け部143は位置調整手段を有している。
取り付け部143の構成を説明する。取り付け部本体11は、アルミ合金等の金属により形成されている。図17、図18に示すように、取り付け部本体11には、間接活線把持工具の把持部(以下、単に、「把持部」という)を挿入する挿入口14と、この挿入口14から内部に凹状の挿入部15が形成されている。
また、この取り付け部本体11には、挿入口14の開口端面の所定の部位(把持部の表面に形成されたリブ部に対応する部位)から、把持部の挿入方向に所定長さに延びるスリット17が形成されている。このスリット17は、取り付け部143を把持部に取付ける際に、把持部の外側面に形成された凸状の補強用のリブ部との干渉を防ぐとともに、ガイド機能の効果を奏する。
また、取り付け部本体11には、把持部に係合する係合手段13が備えられている。この係合手段13は、係合ピン19と、ピン受け部21と、コイルスプリング22とを備えている。
係合ピン19は、円板状のヘッド部24と、このヘッド部24に植立された棒状の軸部25とからなっている。ピン受け部21は、円筒状に形成されており、取り付け部本体11の上面に植立されている。このピン受け部21には、その中央に、上述した挿入部15に連通し、係合ピン19の軸部25が摺動するピン孔20が形成されている。
コイルスプリング22は、上述のピン穴20に配置されている。上述した係合ピン19の軸部25は、このコイルスプリング22の内側を貫通した状態に置かれる。このコイルスプリング22の一端22aはピン孔20内に取り付けられ、その他端22bは係合ピン19に取り付けられている。これにより、係合ピン19は、コイルスプリング22により、図示の状態を維持するように、A方向に常に付勢されている。
図17、図18に示す間接活線先端工具140は、図19に示すように、間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)300の把持部301に取り付けて使用される。取り付け動作を説明する。
まず、作業者は、係合ピン19のヘッド部24を掴み、コイルスプリング22の付勢力に抗して、引上げる。そのとき、軸部25はピン孔20内に入り込み、その先端が挿入部15に突出しない着脱可能状態となる。次に、作業者は、把持部301をその表面に形成されたリブ部(図示せず)と取り付け部本体11に形成されたスリット17,17とが一致するように配し、把持部301を取り付け部本体11の挿入口14から挿入部15内に所定長だけ押し込む。
次に、作業者は、係合ピン19のヘッド部24を手放す。このとき、係合ピン19はコイルスプリング22の付勢力により、軸部25の先端が把持部301表面に当接し、間接活線先端工具140の取り付け部143と把持部301は係合した状態となる。これにより、図19に示すように、間接活線先端工具140は間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)300の把持部301に取り付けられる。なお、間接活線先端工具140を間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)300の把持部301から取り外す動作は、上述した取り付け動作と逆の動作となる。
詳細説明は省略するが、上述したように間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)300の把持部301に取り付けられた間接活線先端工具140を用いて高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際の作業手順は、上述したカバー抑え器500に取り付けられた間接活線工具110〜130を用いた場合と同様である。
図17、図18に示す間接活線先端工具140においては、上述した間接活線先端工具110〜130(図1〜図3参照)と同様の効果を奏する。また、図17、図18に示す間接活線先端工具140においては、作業者は、間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)300の把持部301に取り付けて使用でき、その着脱も容易に行うことができる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図20、図21は、実施の形態としての間接活線先端工具150の構成例を示している。この間接活線先端工具150は、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具150は、帯板状の基部151と、この基部151の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部152と、この基部151の長手方向の他端側に固定されている取り付け部153とを有している。基部151および先端部152は、薄板状の鋼板、例えばステンレス薄鋼板を用いて形成されている。基部151および先端部152の部分は、上述の図3に示す間接活線先端工具130と同様の構成である。基部151の他端側には、長手方向に複数、この実施の形態においては4個の穴154が一定間隔をもって形成されている。
取り付け部153は、装着用アダプタ155と、菊座アダプタ156とから構成されている。装着用アダプタ155は、間接活線共用操作棒に着脱自在に装着可能なツイストロック式のアダプタである。菊座アダプタ156は、基部151の角度、従って先端部152の角度を調整するために設けられている。菊座アダプタ156は角度調整手段を構成している。
菊座アダプタ156は固定部156aおよび可動部156bとからなっている。菊座アダプタ156の固定部156aは装着用アダプタ155に固定されている。そして、菊座アダプタ156の可動部156bは、基部151の他端側に、上述した穴154を利用して、取り付けビスおよび固定ナットを用いて固定されている。この場合、取り付けに使用する穴154を変えることで、当該間接活線先端工具150を間接活線共用操作棒に取り付けた際のU字状の先端部152の位置を調整することが可能となる。この意味で、取り付け部153は位置調整手段を有している。
図20、図21に示す間接活線先端工具150においては、蝶ナット156cを緩めて菊座アダプタ156の固定部156aに対する可動部156bの回転位置を変化させることで、基部151の角度、従って先端部152の角度を変えることができる。この場合、基部151の角度は、基部151の面と平行な面内で調整される。なお、図20、図21に示す基部151の角度調整例は一例である。
図20、図21に示す間接活線先端工具150は、間接活線共用操作棒の先端に取り付けて使用される。詳細説明は省略するが、間接活線共用操作棒の先端に取り付けられた間接活線先端工具150を用いて高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際の作業手順は、上述したカバー抑え器500に取り付けられた間接活線工具110〜130を用いた場合と同様である。
図20、図21に示す間接活線先端工具150においては、上述した間接活線先端工具110〜130(図1〜図3参照)と同様の効果を奏する。また、図20、図21に示す間接活線先端工具150においては、作業者は、取り付け部153に間接活線共用操作棒に着脱自在に装着可能なツイストロック式のアダプタ(装着用アダプタ155)を備えているので、間接活線共用操作棒の先端に取り付けて使用でき、その着脱も容易に行うことができる。
さらに、図20、図21に示す間接活線先端工具150においては、取り付け部153に角度調整手段としての菊座アダプタ156を備えているので、作業者は、間接活線共用操作棒等に対する基部151の角度、従ってU字状の先端部152の角度を作業がし易いように任意に調整でき、作業効率を高めることができる。
なお、角度調整手段は、菊座アダプタ156以外の構造であってもよい。また、図20、図21に示す間接活線先端工具150においては、基部151の角度を、この基部151の面と平行な面内で調整可能とされたものである。しかし、図22、図23に示すように、菊座コネクタ156の可動部156aに対する基部151の取り付け角度を、図20、図21に示す間接活線先端工具150に対して、90度だけずらした間接活線先端工具150′も考えられる。この間接活線先端工具150′においては、基部151の角度を、この基部151の面と直交する面内で調整可能となる。なお、図22、図23において、図20、図21と対応する部分には同一符号を付して示している。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図24は、実施の形態としての間接活線先端工具160の構成例を示している。この間接活線先端工具160は、例えば、高圧カバーのホック取り付け部のホック係合状態を解除するために使用される。
この間接活線先端工具160は、帯板状の基部161と、この基部161の長手方向の一端側に連接されているU字状の先端部162と、この基部161の長手方向の他端側に連接されている取り付け部163とを有している。基部161、先端部162および取り付け部163は、例えば、ステンレス鋼板により形成されている。基部161および先端部162は、上述の図3に示す間接活線先端工具130と同様に、薄板状に形成されている。また、取り付け部163は、ドライバービットアダプタの挿入孔に挿入可能に、所定の断面形状を持つ棒状に形成されている。
図24に示す間接活線先端工具160は、図25に示すように、間接活線共用操作棒の先端に取り付けるためのアダプタ170により間接活線共用操作棒に取り付けて使用される。アダプタ170は、装着用アダプタ170aにドライバービットアダプタ170bが接続された構成となっている。装着用アダプタ170aは、間接活線共用操作棒に着脱自在に装着可能なツイストロック式のアダプタである。ドライバービットアダプタ170bは、従来周知のドライバービットを着脱自在に装着するためのアダプタである。図24に示す間接活線先端工具160は、その取り付け部163がドライバービットアダプタ170bの挿入孔に挿入されて固定されることで、アダプタ170に取り付けられる。
図24に示す間接活線先端工具160は、上述したようにアダプタ170により間接活線共用操作棒に取り付けて使用される。詳細説明は省略するが、間接活線共用操作棒の先端にアダプタ170を介して取り付けられた間接活線先端工具160を用いて高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際の作業手順は、上述したカバー抑え器500に取り付けられた間接活線工具110〜130を用いた場合と同様である。
図24に示す間接活線先端工具160においては、上述した間接活線先端工具110〜130(図1〜図3参照)と同様の効果を奏する。また、図24に示す間接活線先端工具160においては、作業者は、ドライバービットアダプタ170bを持つアダプタ170が先端に装着された間接活線共用操作棒に取り付けて使用でき、その着脱も簡単に行うことができる。
なお、上述実施の形態においては、この発明の間接活線先端工具を高圧カバーの取り付けホック部のホック係合状態を解除する際に使用する旨説明したが、この発明の間接活線先端工具は、その他の同様の取り付けホック部のホック係合状態を解除する際にも使用できることは勿論である。
110・・・間接活線先端工具、111・・・基部、112・・・先端部、113・・・取り付け部、114・・・穴、120・・・間接活線先端工具、121・・・基部、122・・・先端部、123・・・取り付け部、124・・・穴、131・・・基部、132・・・先端部、133・・・取り付け部、134・・・穴、140・・・間接活線先端工具、141・・・基部、142・・・先端部、143・・・取り付け部、144・・・穴、146・・・ビス、150,150′・・・間接活線先端工具、151・・・基部、152・・・先端部、153・・・取り付け部、154・・・穴、155・・・装着用アダプタ、156・・・菊座アダプタ、160・・・間接活線先端工具、161・・・基部、162・・・先端部、163・・・取り付け部、200・・・高圧引き下げ線用コネクタカバー、201a,201b・・・カバー部材、202・・・弾性ヒンジ、203・・・取り付けホック部、204・・・突片、206・・・テーパ、207・・・ホック、250・・・ジャンパースリーブカバー、300・・・間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ)、301・・・把持部、500・・・カバー抑さえ器