JP5072559B2 - タイルの浮き修復工法 - Google Patents

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Description

本発明は壁面等のタイル自体や石材自体などに浮きが生じた部分の剥離や剥落を防止するためのタイルの浮き修復工法に関する。
従来、外壁等のタイルの浮きを修復する場合、タイル浮きチェックを行った際、タイル陶片浮き及び貼付けモルタル浮きと、コンクリートとモルタル層の境の浮きとの2種類が生じていた。この時、コンクリートとモルタル層の境の浮きを修復する場合は、浮き状態に合せた注入穴をコンクリートドリルで穿設させ、グリースガンのノズルを深く突っ込み、高圧を加えて浮いた空間にエポキシ樹脂などの接着剤を流し込み、接着し一体化させる工法であった。
一方、タイル陶片浮き及び貼付けモルタル浮きの場合の修復は、前記グリースガンを使用して修復しようとすると、テーパー状のノズルが充分に挿入するための深さが得られないため、注入時にノズルが浮き上がり、接着剤がタイル陶片の裏面に回り込む前に、その周りに溢れ出してタイル陶片の表面やその周囲を汚してしまう結果となる。この場合、後から溶剤を使用して拭き取っても、時間が経つと紫外線によって残存成分が黄色く変色するので、依頼主からクレームが多くなる原因となり、且つ、接着不良を多発させる原因となる恐れがあった。又、例え接着剤がノズルからタイル陶片の裏面に回り込んでも、高圧のためタイル陶片が浮き上がる或いはタイル陶片に亀裂を生じてしまう問題も起き易い等の原因で、前記グリースガンを使用して修復することは行われていないのが現状である。
従って、一般にタイル陶片浮き及び貼付けモルタル浮きの場合の修復工法としては、カッターを入れて浮いているタイル陶片を撤去し、新たなタイル陶片を貼付ける方法と、タイル陶片の中央に穴を開け、アンカーピンで一枚ずつ固定する方法とが行われている。又、この時に使用されるアンカーピンとしては、棒状のステンレスピンを用いる場合が多い。
しかしながら、前記浮いているタイル陶片を撤去し、新たなタイル陶片を貼付ける方法は、浮いたタイル陶片を割って除去し、且つ貼付けモルタルも除去させてからタイル貼着面をきれいにし、更に新たなタイル陶片を貼着するため、手間が掛かると共に、新たなタイル陶片を貼着したタイル陶片が、周囲のタイル陶片と色調が異なってしまい、修復した所が目立つものとなっていた。又、前記タイル陶片の中央に穴を開け、アンカーピンで一枚ずつ固定する方法は、タイル陶片に穴を穿設すると共にアンカーピンをタイル陶片の表面よりも凹ませて打込み、凹み部を修復する作業が行われるため、手間が掛かると共に、アンカーピンを打込んだ箇所は近くで見ると直ぐに分かってしまい、外観を均一な色調に仕上げることは難しかった。
このため、タイル陶片を傷つけることなく接着剤が注入される接着方法として、本発明者が提案した特願2006−202762や特願2006−252208或いは特願2007−167631がある。この特願2006−202762や特願2006−252208の工法は、接着剤がタイル陶片の裏足方向から流れ込み易くして、その裏面全体が接着可能とするために、浮いたタイル陶片の側面の目地、つまり、タイル陶片の裏足方向と直角面側をダイヤモンドカッターにより除去する目地除去工程を行い、その目地部分の周囲にマスキング工程を行う。この時、必要に応じて挿入穴の穿設工程を行う。次に目地に注入用座金をマスキング材の上に接着して固定する座金固定工程を行い、注入用座金から低圧用の注入器によって接着剤を目地に充填させる接着工程が行われ、その後、注入器撤収工程を行った後、目地に詰まった接着剤を直ぐに掻き取ってきれいに拭取る目地清掃工程が行われる。挿入穴を用いる場合には目地清掃工程の前に、そこに止め金具を押込んでセットする止め金具装着工程も行われる。そして目地充填工程を行い、マスキング材除去工程を行って修復工程は終了するものであった。又、この工法で使用する低圧用の注入器の注入用座金(以降、受座具と言う)は、円盤状の受座本体と、該受座本体の表面中央に円筒状に突出させて形成すると共に前記注入器を取付けるための注入器取付部とから構成されたものである。この受座具を固定する際、予め除去した目地の周囲のタイル陶片にマスキング材を貼着すると共にシール材を塗布し、且つ、目地の中央に注入器取付部が来るようにセットして固定させ、エアー抜き穴を確保した後、受座具の外周に更にシール材を塗布して確実に固定させていた[図4(c)参照]。そして、適宜粘度のエポキシ樹脂などの接着剤(81)が入れられた注入器を、注入器取付部に取付け、低圧力で加圧させながら接着剤(81)をタイル陶片(1)裏側に注入し、接着剤(81)がエアー抜き穴から流出された時点を充填状態と判断して、接着剤(81)の注入を終了していた。
しかしながら、特願2006−202762や特願2006−252208の工法は、受座具の外周にシール材を塗布する際に、受座具の外周とエアー抜き穴の距離に余裕がないので、注意してシール材を塗布しないと、シール材がエアー抜き穴に付着して穴を塞ぐ恐れがあった。又、前記接着剤(81)が充填したか否かを判断する場合、エアー抜き穴から接着剤(81)が流出された状態を見る他に方法がないのが現状であり、且つ、注入器取付部からエアー抜き穴までの距離が短いため、タイル陶片(1)の裏足にまで充分に回る前に、接着剤(81)がエアー抜き穴から流出する恐れもあるのが現状であると共に流出した接着剤(81)が床面に落下して床を汚す恐れがあった。この接着剤(81)が充填されたと判断する際に、不確定要素があるため、官公庁の公認工法として指定されていないのが現状である。
一方、特願2007−167631の工法は、上記同様に浮いたタイル陶片の側面の目地を除去する目地除去工程を行い、その目地部分の周囲にマスキング工程を行わずに、図5や図6に示す弾力性を有した長尺な受座帯体を、除去した目地に嵌入させて、次に受座帯体に、適宜粘度の接着剤が充填された注入器と充填確認用部材を取付け、前記注入器によって接着剤が低圧力でタイル陶片の裏面に注入されると共に少なくとも前記受座帯体裏側の目地に充填し、且つ接着剤の充填具合を確認しながら充填工程が行われる。そして、注入器と充填確認用部材の撤収工程を行い、接着剤が固化した後に受座帯体を引抜く撤収工程が行われる。その後、目地に目地材を埋め戻して修復工程は終了するのである。
しかしながら、特願2007−167631の工法に於いて、受座帯体を除去した目地に嵌入させる際に、目地幅の広さに合せた受座帯体を揃える必要があると共にタイル陶片に欠けた箇所があると、受座帯体を嵌入させても接着剤充填時に前記欠けた箇所から接着剤がはみ出てしまう恐れがあるため、欠けた箇所や受座帯体を嵌入させた際の浮き箇所などにもシール材を塗布する必要があった。
特願2006−202762号公報 特願2006−252208号公報 特願2007−167631号公報
本発明は壁面や天井面及び床面などのタイル陶片浮きや石材などの浮きを修復する際に、特に接着作業が簡単で低コストで行えると共に修復作業のマスキング作業が不要で、且つ修復作業が確実に行えるタイルの浮き修復工法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、目地の幅の広さが異なる場合やタイル陶片に欠けた箇所がある場合でも簡単に対応でき、且つタイル陶片の連続修復枚数に関係なく極めて容易に対応できるタイルの浮き修復工法を提供するにある。
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、浮いたタイル陶片の側面の目地を除去するイ)目地除去工程と、目地から所定工具を挿入してタイル陶片或いはその下部の貼付けモルタルに剥離隙間を確保するロ)接着剤注入隙間の確保工程と、目地の略半分に可撓性の長尺部材を設置するハ)長尺部材設置工程と、長尺部材の上から剥離可能なシール材を注入させるニ)シール材充填工程と、シール材の固化後、長尺部材を引抜くホ)長尺部材引抜き工程と、長尺部材が抜かれた目地の両端にシール材を注入するヘ)密閉工程と、シール材の上から尖鋭な工具で取付穴を穿設するト)取付穴加工工程と、前記取付穴から接着剤を充填させると共に接着剤の充填具合を接着剤充填確認用部材で確認するチ)接着剤充填工程と、接着剤充填確認用部材と注入器を撤収すると共に接着剤の固化後、シール材を剥離して除去させるリ)シール材除去工程と、目地に目地材を埋め戻すヌ)目地埋め戻し工程とを、順次行うタイルの浮き修復工法と成す。尚、本発明で言う「タイル陶片の側面」とは、タイル陶片の裏足方向と直角面側の側面を指す。又、本発明で言う「タイル陶片」とは、単に陶磁器製タイルだけを指すのではなく、レンガ,外壁タイル,石板などの総称として用いるものとする。また本発明で言う「接着剤」とは、エポキシ系,ウレタン系,アクリル系,セメント系などの流動性を有した接着剤を指すものとする。
またタイル陶片浮きや貼付けモルタル浮きが、2枚以上のタイル陶片に渡る場合の接着剤注入隙間の確保工程が、除去した目地の少なくとも上下端の目地に予めサンダーで分離溝を入れ、除去した目地から所定工具を挿入してタイル陶片或いは貼付けモルタルに剥離隙間が確保されるようにすると良く、またシール材に弾力性を有したものを使用するのが好ましい。
請求項1のように浮いたタイル陶片(1)の側面の目地(2)を除去するイ)目地除去工程と、除去した目地(2)から所定工具(10)を挿入してタイル陶片(1)或いはその下部の貼付けモルタル(3)に剥離隙間を確保するロ)接着剤注入隙間の確保工程と、目地(2)の深さの略半分の厚さを有した可撓性で長尺部材(5)が、目地(2)に押圧して設置されるハ)長尺部材設置工程と、長尺部材(5)の上から剥離可能なシール材(6)を注入して目地(2)が充填され且つその両側のタイル陶片(1)上に渡って塗布されるニ)シール材充填工程と、シール材(6)の固化後、長尺部材(5)を引抜くホ)長尺部材引抜き工程と、目地(2)の両端にシール材(6)を注入して目地(2)の下部空間が密閉されるヘ)密閉工程と、シール材(6)の上から尖鋭な工具で取付穴(61)を所定個数穿設するト)取付穴加工工程と、取付穴(61)に接着剤充填確認用部材(7)を差込み、他の取付穴(61)に、適宜粘度の接着剤(81)が充填された注入器(8)の先端を差込むと共に低圧力でタイル陶片(1)の裏側に接着剤(81)を注入し、且つ目地(2)の深さの略半分に接着剤(81)を充填させると共に接着剤(81)の充填具合を接着剤充填確認用部材(7)で確認するチ)接着剤充填工程と、その後、接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を撤収すると共に接着剤(81)の固化後、シール材(6)を剥離して除去させるリ)シール材除去工程と、目地(2)に目地材(9)を埋め戻すヌ)目地埋め戻し工程とを、順次行うことにより、壁面や天井面及び床面などのタイル陶片浮きや石材などの浮きを修復する際に、特に接着作業が簡単で低コストで行えると共に修復作業のマスキング作業などが不要で、且つ修復作業が確実に行えるものとなり、特には、連続したタイル陶片(1)の修復に適した工法となる。しかも目地(2)の幅の広さやタイル陶片(1)の修復枚数に関係なく自在に作業が行えるものとなる。更にタイル陶片(1)か貼付けモルタル(3)に浮きを生じている方が肌分けされて剥離隙間を確保できるため、片手で注入器(8)を軽く押すだけで接着剤(81)が剥離隙間に滲み込むように充填され、タイル陶片(1)浮きの修復と共に貼付けモルタル(3)浮きの修復も同時に行えるものとなる。又、注入器(8)は、市販されている使い捨て用注射器本体(針が付けられていないもの)が利用でき、施工のコストダウンに貢献できるものとなる。
請求項2のようにタイル陶片(1)浮きや貼付けモルタル(3)浮きが2枚以上のタイル陶片(1)に渡る場合の接着剤注入隙間の確保工程が、除去した目地(2)の少なくとも上下端の目地(2)に予めサンダーなどで分離溝を入れ、除去した目地(2)から所定工具(10)を挿入してタイル陶片(1)或いは貼付けモルタル(3)に剥離隙間が確保されることにより、2枚以上のタイル陶片(1)の浮きであっても、一度に接着剤注入工程が確実に行えるものとなる。
請求項3に示すようにシール材(6)に弾力性を有したものを使用することにより、チ)接着剤充填工程の後、接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を撤収する際、接着剤(81)の固化前に、シール材(6)に差込んで取付けた接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を引抜いても、拡張された取付穴(61)が弾力性によって収縮し、閉じた状態となるため、取付穴(61)から接着剤(81)が流出しなくなり、接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を他の場所へ移動して直ぐに使用できるものとなるため、少ない機材で効率良く作業が行えるものとなる。
図1は本発明の実施形態を示す図であり、この図番について説明する。(1)は外壁などのタイル陶片であり、該タイル陶片(1)の裏面には裏足が複数本設けられている。(2)はタイル陶片(1)の周囲に設けた目地であり、(3)はタイル陶片(1)をコンクリート(4)に固定するための貼付けモルタルである。(5)は除去した目地(2)の深さの略半分の厚さを有した可撓性の長尺部材であり、該長尺部材(5)としては合成樹脂製の編まれた紐などを用いると良いが、引抜く際に切れない強度を有するものであれば他のものでも良い。
(6)は長尺部材(5)の上から注入する剥離可能なシール材であり、該シール材(6)には適宜な弾力性を有するものを用いるのが好ましく、低圧樹脂注入用ひび割れシールの用途に用いられる一般的なものを使用すると良い。又、前記シール材(6)が固化後、接着剤(81)を注入する取付穴(61)と、後述する接着剤充填確認用部材(7)を差込んで取付けるための取付穴(61)とが穿設される(図3参照)。(7)は取付穴(61)に差込み接着剤(81)の充填具合を確認するための接着剤充填確認用部材であり、該接着剤充填確認用部材(7)としては、本発明者が提案した特願2007−167631,特願2007−167619,特願2007−144751などで実施される充填確認用部材を使用すると良いが、これに限定されるものではない。(8)は適宜粘度のエポキシ系接着剤(81)が充填された注入器であり、該注入器(8)としては、市販されている使い捨て用の注射器本体(針を外した状態のもの)を使用すれば良いが、これに限定されるものではない。(9)は一般の目地材であり、(10)は目地(2)から挿入して、タイル陶片(1)浮き或いは貼付けモルタル(3)浮きの箇所に剥離隙間が確保されるための剥がし用の金属製の所定工具であり、これは本発明者が特願2007−129236で提案したものを用いれば良い。
本発明の修復工程を図1に基づいて説明する。予め、タイル陶片(1)を図示しない小ハンマーなどで叩いて浮きチェックを行い、タイル陶片(1)浮き及び貼付けモルタル(3)浮きと、コンクリート(4)とモルタル層との境の浮きを区別して、図2に示すようなマーキングを付けておく。先ず始めに、浮いたタイル陶片(1)の側面の目地(2)、つまり、タイル陶片(1)の裏足方向と直角面側を、本発明者が提案した特願2006−202762で記載した要領でダイヤモンドカッター等により、図2に示す図中の斜線部分の目地(2)を除去し、イ)目地除去工程を終了する[図1(a)参照]。次に除去した目地(2)から所定工具(10)を図2の図中の2点鎖線に示すように挿入してタイル陶片(1)或いはその下部の貼付けモルタル(3)に剥離隙間を確保するロ)接着剤注入隙間の確保工程を行う。この時、浮いたタイル陶片(1)が上下方向で、2枚以上に渡って連続する場合には、前記斜線部分の目地(2)の目地材と貼付けモルタル(3)を除去しておくと共にその上下端の目地(2)にサンダーなどで分離溝を入れておくと、必要な箇所のみに剥離隙間が確保できるものとなる。尚、前記所定工具(10)による接着剤注入隙間の確保工程は、本発明者が提案した特願2007−129236で記載した要領で行えば良い。
次に除去した目地(2)に紐状の長尺部材(5)を押圧して設置すると、目地(2)の深さの略半分に長尺部材(5)が設置され、ハ)長尺部材設置工程を終了する[図1(b)参照]。その後、長尺部材(5)の上から剥離可能なシール材(6)を注入し、その目地(2)が充填され且つその両側のタイル陶片(1)上に渡って塗布されるニ)シール材充填工程を行う[図1(c)参照]。この時、壁面の表面側から見ると、図1(d)に示すように除去した目地(2)とその両側のタイル陶片(1)上に渡ってシール材(6)は塗布されるのである。そしてシール材(6)が固化した後、長尺部材(5)を引抜き、ホ)長尺部材引抜き工程が完了する。この時、長尺部材(5)が引抜かれると、図1(e)に示すように目地(2)の両端に隙間が形成される。この隙間にシール材(6)を注入して、目地(2)の下部空間が密閉され、ヘ)密閉工程を終了する[図1(f)参照]。
隙間に注入したシール材(6)が固化した後、目地(2)の略中央に沿ってシール材(6)の上から尖鋭な工具を貫通させて取付穴(61)が所定個数穿設されるト)取付穴加工工程を行う(図3参照)。この時の取付穴(61)の個数は、原則としてタイル陶片(1)1枚に対して2つであるが、連続する場合、取付穴(61)の個数はタイル陶片(1)の枚数の2倍に限定されるものではない[図4(b)参照]。又、前記尖鋭な工具としては、錐や千枚通しなどを使用すれば良い。次に取付穴(61)に、適宜粘度の接着剤(81)が充填された注入器(8)の先端を差込むと共に接着剤充填確認用部材(7)を差込んで行く。そして、前記下部空間に接着剤(81)を白抜き矢印のように注入し、且つ前記目地(2)の深さの略半分に接着剤(81)を充填させると共に接着剤(81)の充填具合を前記接着剤充填確認用部材(7)で確認するチ)接着剤充填工程を行う[図1(g)参照]。尚、この接着剤(81)を注入する際は、ロ)接着剤注入隙間の確保工程と接着剤充填確認用部材(7)によるエアー抜き確保の作用により、注入器(8)を片手で軽く押すだけで接着剤(81)は浸透して行くものとなる。又、この時にタイル陶片(1)の上から振動を加えると、接着剤(81)がより奥まで確実に浸透して行くものとなる。
その後、接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を撤収すると共に接着剤(81)の固化後、前記シール材(6)を剥離して除去させれば、リ)シール材除去工程は終了する[図1(h)参照]。尚、前記接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)を撤収する際、弾力性を有したシール材(6)が用いられると、接着剤(81)の固化を待たずに撤収しても、取付穴(61)が弾力性によって収縮して漏れないため、接着剤充填確認用部材(7)と注入器(8)の撤収が素早く行えると共に他の修復箇所へ移動して使用することが可能となる。次に目地(2)に目地材(9)を埋め戻すヌ)目地埋め戻し工程を行ってタイルの浮き修復工法が完了するのである[図1(i)参照]。
このようにして本発明工法が用いられてタイル陶片(1)浮きが1枚の場合の修復後、約1000箇所前後を小ハンマーなどで叩いて浮きチェックが行われる方法で確認すると共に、修復したタイル陶片(1)を抜取りで剥がし、その接着剤(71)の回り込み具合を目視で確認する方法により、接着状態のチェックした結果、全て良好であった。又、コンクリート(4)と貼付けモルタル(3)の浮きが連続する場合であっても略完全に修復出来ることが確認された。
本発明の実施形態を示す説明図である。 本実施形態の接着剤注入隙間の確保工程が行われた状態を示す正面図である。 本実施形態の密閉工程及び取付穴加工工程が行われた状態を示す正面図である。 本実施形態と従来の受座具が取付けられた状態とを示す説明図である。 従来の実施形態で使用される受座帯体示す斜視図である。 従来の実施形態で使用される他の受座帯体を示す斜視図である。
符号の説明
1 タイル陶片
2 目地
3 貼付けモルタル
5 長尺部材
6 シール材
61 取付穴
7 接着剤充填確認用部材
8 注入器
81 接着剤
9 目地材
10 所定工具

Claims (3)

  1. イ)浮いたタイル陶片(1)の側面の目地(2)を除去する目地除去工程。
    ロ)除去した前記目地(2)から所定工具(10)を挿入して前記タイル陶片(1)或いはその下部の貼付けモルタル(3)に剥離隙間を確保する接着剤注入隙間の確保工程。
    ハ)前記目地(2)の深さの略半分の厚さを有した可撓性で長尺部材(5)が、前記目地(2)に押圧して設置される長尺部材設置工程。
    ニ)前記長尺部材(5)の上から剥離可能なシール材(6)を注入して前記目地(2)が充填され且つその両側の前記タイル陶片(1)上に渡って塗布されるシール材充填工程。
    ホ)前記シール材(6)の固化後、前記長尺部材(5)を引抜く長尺部材引抜き工程。
    ヘ)除去された前記目地(2)の両端に前記シール材(6)を注入して前記目地(2)の下部空間が密閉される密閉工程。
    ト)前記シール材(6)の上から尖鋭な工具で取付穴(61)を所定個数穿設する取付穴加工工程。
    チ)前記取付穴(61)に接着剤充填確認用部材(7)を差込み、他の取付穴(61)に、適宜粘度の接着剤(81)が充填された注入器(8)の先端を差込むと共に低圧力で前記タイル陶片(1)の裏側に接着剤(81)を注入し、且つ前記目地(2)の深さの略半分に接着剤(81)を充填させると共に接着剤(81)の充填具合を前記接着剤充填確認用部材(7)で確認する接着剤充填工程。
    リ)その後、前記接着剤充填確認用部材(7)と前記注入器(8)を撤収すると共に接着剤(81)の固化後、前記シール材(6)を剥離して除去させるシール材除去工程。
    ヌ)前記目地(2)に目地材(9)を埋め戻す目地埋め戻し工程。
    以上の工程を少なくとも順次行うことを特徴とするタイルの浮き修復工法。
  2. 前記タイル陶片(1)浮きや貼付けモルタル(3)浮きが2枚以上の前記タイル陶片(1)に渡る場合の接着剤注入隙間の確保工程が、除去した目地(2)の少なくとも上下端の目地(2)に予めサンダーで分離溝を入れ、除去した前記目地(2)から前記所定工具(10)を挿入して前記タイル陶片(1)或いは前記貼付けモルタル(3)に剥離隙間が確保された請求項1記載のタイルの浮き修復工法。
  3. 前記シール材(6)に弾力性を有したものが用いられた請求項1記載のタイルの浮き修復工法。
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