JP5072377B2 - ゴム組成物の製法 - Google Patents

ゴム組成物の製法 Download PDF

Info

Publication number
JP5072377B2
JP5072377B2 JP2007015245A JP2007015245A JP5072377B2 JP 5072377 B2 JP5072377 B2 JP 5072377B2 JP 2007015245 A JP2007015245 A JP 2007015245A JP 2007015245 A JP2007015245 A JP 2007015245A JP 5072377 B2 JP5072377 B2 JP 5072377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
fullerene
vulcanization accelerator
diene rubber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007015245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008179722A (ja
Inventor
成亮 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2007015245A priority Critical patent/JP5072377B2/ja
Publication of JP2008179722A publication Critical patent/JP2008179722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5072377B2 publication Critical patent/JP5072377B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゴム組成物の製法に関するものであり、詳しくは、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ等の防振ゴム製品や、タイヤ,ゴムホース等のゴム製品に用いられるゴム組成物の製法に関するものである。
一般に、自動車等のエンジンの支持,および振動伝達を抑制するためのエンジンマウントやサスペンションブッシュ等に使用される防振ゴムにおいては、低動倍率であることが重要な性能の1つとして要求されている。また、自動車のタイヤ等に用いる場合には、耐久性も要求される。そのため、従来は、ジエン系ゴムに、カーボンブラックやシリカ等のゴム用補強材を配合してなるゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−231905号公報
しかしながら、従来のゴム組成物は、ゴムの補強性を増すために、カーボンブラック等のゴム用補強材を添加するが、カーボンブラック等のゴム用補強材を増量すると、動倍率が高くなるという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ゴムの補強性に優れるとともに、動倍率を下げることができ、防振性能に優れる、ゴム組成物の製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと、架橋剤とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練するゴム組成物の製法を要旨とする。
本発明者は、ゴム製品用のゴム組成物について一連の研究を進める過程で、化学的,熱的に安定で壊れにくい分子であり、光エネルギーを吸収しやすく、電子受容性が高く、ラジカル捕捉能を有する等の特徴を備えたフラーレンに着目した。また、上記ゴム組成物において、カーボンブラックの添加に先立って、ジエン系ゴムを予め高温で素練りした後、カーボンブラック等の他のゴム材料を混練することを想起した。これらにもとづき、本発明者は実験研究を重ねた結果、ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練すると、防振特性等の向上を実現できることを見いだし、すでに特許出願した(特願2005−262462号)。本発明者は、この特願2005−262462号の内容についてさらに改良を図るため研究を続けた結果、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の温度で混練すると、上記加硫促進剤が反応してジエン系ゴムの主鎖中にラジカルが生成する。このラジカルがフラーレンに捕捉され、加硫促進剤が反応したゴムが、フラーレンにグラフト反応する。このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと、架橋剤とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練すると、グラフト化されたフラーレンの分散性がより向上する結果、特願2005−262462号よりも少ないフラーレン量で同等の効果が得られることを見いだし、本発明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのように推察される。すなわち、ジエン系ゴムと加硫促進剤とフラーレンとを150〜200℃の高温で素練りすると、図1に示すように、ジエン系ゴム1の二重結合部分の隣のαメチレンに加硫促進剤2が作用し水素を引き抜くことでラジカルが生成するため、ジエン系ゴム1が活性化する。このラジカルがフラーレン3に捕捉され、加硫促進剤2が反応したジエン系ゴム1が、フラーレン3にグラフト反応する。フラーレン3自体は凝集する性質であるが、本発明では、加硫促進剤2が反応したジエン系ゴム1が、フラーレン3の表面に反応するため、フラーレン3の分散性が向上する。つぎに、上記ジエン系ゴム1をグラフト反応させたフラーレン3を用いて混練り工程を行うと、このグラフト化されたフラーレン3が微分散し、カーボンブラック粒子間に入ることにより、カーボンブラック同士の相互作用が低減し、防振特性が向上する。そのため、フラーレン3の少量添加で、防振特性を向上させることができる等の効果が得られる。
本発明のゴム組成物の製法は、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の温度で混練するため、ジエン系ゴムが、フラーレンの表面に反応し、フラーレンのゴム中への分散性が向上するとともに、上記ゴムに対する高温での予備分散工程においても、ゴム形状を維持することができる。つぎに、上記ジエン系ゴムがグラフト反応したフラーレンを用いて混練り工程を行うため、このグラフト化されたフラーレンが凝集せずに均一に微分散し、カーボンブラック粒子間に入ることにより、カーボンブラック同士の相互作用が低減し、防振特性が向上する。そのため、フラーレンの少量添加で、防振特性を向上させることができる等の効果が得られる。
また、上記加硫促進剤が、チアゾール系加硫促進剤およびスルフェンアミド系加硫促進剤の少なくとも一方であると、ジエン系ゴムとフラーレンとの反応性が向上し、ジエン系ゴムがフラーレンに対してグラフト化しやすくなる。
そして、上記ジエン系ゴムに対する加硫促進剤の配合量が所定の範囲であると、効率よくジエン系ゴムをフラーレンにグラフト化させやすくなる。
また、上記ジエン系ゴムが、天然ゴム,イソプレン系ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つであると、効率よくフラーレンへのグラフト化反応が起こる。
そして、上記製法により得られたゴム組成物を加硫してなるゴム製品は、フラーレンの使用により、充分な補強効果を得ることができるため、ゴム製品の小型化が可能になる。また、カーボンブラックの低充填配合が可能となり、ゴム製品を軽量化することができるとともに、動倍率を下げることもできるという効果が得られる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明は、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと、架橋剤とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練することにより、ゴム組成物を得る製法である。
本発明においては、上記ゴム材料の混練り工程に先立って、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の高温で混練して、フラーレンの表面にジエン系ゴムをグラフト反応させたフラーレン(グラフト化フラーレン)を予め作製する予備分散工程を行うのであって、これが最大の特徴である。
本発明のゴム組成物の製法について、予備分散工程と混練り工程に分けて順を追って説明する。まず、本発明のゴム組成物の製法における、予備分散工程について説明する。すなわち、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを、トルエン等の溶剤中で混合する。なお、溶剤中での、ジエン系ゴムとフラーレンとの分散性を向上させ、両者の凝集を抑制する目的で、必要に応じて超音波処理を行っても差し支えない。また、場合によって、フラーレンを予めトルエンに分散し、超音波処理をしたものを用いても差し支えない。つぎに、上記トルエン等の溶剤を除去し、ジエン系ゴムとフラーレンとの混合物(固形分)を得る。上記の手法で作成した混合物に、さらにジエン系ゴムを所定量添加し、密閉式混練機等の混練機を用いて、150〜200℃の高温下、所定のローター回転数(好ましくは、40〜60rpm)で所定時間(好ましくは、3〜30分間)混練する。なお、上記予備分散工程においては、工程の簡素化を図るために、ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを、直接、密閉式混練機等の混練機を用いて混練しても差し支えない。
上記予備分散工程における混練温度は、150〜200℃の高温に設定する必要があるが、好ましくは160〜180℃の範囲である。すなわち、混練温度が低すぎると、フラーレンへのジエン系ゴムのグラフト化効率が低下し、逆に混練温度が高すぎると、ゴムの低分子量化が生じ、物性低下を引き起こすからである。
上記ジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレン系ゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、NR,BR,SBR,IRが好適に用いられる。
上記加硫促進剤としては、特に限定はなく、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、ジエン系ゴムとの反応性に優れる点で、チアゾール系やスルフェンアミド系の加硫促進剤が好ましい。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、ジエン系ゴムとの反応性に優れる点で、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
上記予備分散工程における加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部(以下「部」と略す)に対して、1〜5部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜4部の範囲である。すなわち、加硫促進剤の配合量が少なすぎると、ジエン系ゴムとの反応性が悪くなり、逆に加硫促進剤の配合量が多すぎると、フラーレンへのゴムの反応効率が上がらず、加硫促進剤を無駄に入れているだけでありゴムの物性向上効果が薄れる傾向がみられるからである。
上記予備分散工程における、素練り促進剤のフラーレンに対する配合量は、特に限定はないが、フラーレン1部に対して、0.01〜1部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.1〜1部の範囲内である。すなわち、上記素練り促進剤の配合量が少なすぎると、フラーレンにゴムをグラフト化させた際の反応時間が長くなる傾向がみられ、逆に素練り促進剤の配合量が多すぎると、ゴムの低分子量化が進みすぎて、破断伸びが低下する傾向がみられるからである。
本発明に用いられるフラーレンとは、炭素原子が球状のネットワーク構造をしたものの総称をいう。代表的なフラーレンC60は、12個の5員環とその5員環を取り囲む形で20個の6員環が組み合わされ、サッカーボールと同じ形をしたネットワークの各頂点(60個)に炭素原子が位置した構造となっている。その直径は1nm(炭素骨格としては0.7nm)である。本発明におけるフラーレンとしては、上記フラーレンC60に限定されるものではなく、70個の炭素原子で構成されたフラーレンC70、82個の炭素原子で構成されたフラーレンC82、124個の炭素原子で構成されたフラーレンC124等があげられ、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記予備分散工程におけるフラーレンの配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、1〜20部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜10部の範囲である。すなわち、フラーレンの配合量が少なすぎると、ゴムへの補強効果が不充分となり、逆にフラーレンの配合量が多すぎると、ゴムの材料費が高くなる傾向がみられるからである。
つぎに、本発明のゴム組成物の製法における、混練り工程について説明する。すなわち、上記の予備分散工程で作製したグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと、架橋剤と、カーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを所定の割合で配合し、これらを密閉式混練機等を用いて、所定温度(好ましくは、130〜170℃)で所定時間(好ましくは、3〜30分間)混練することにより、ゴム組成物を作製することができる。
上記ジエン系ゴムとしては、前述の予備分散工程で使用したジエン系ゴムと同様のものがあげられる。なお、上記予備分散工程におけるジエン系ゴムと、上記混練り工程におけるジエン系ゴムとを、同種のゴムを用いても、異種のゴムを用いても差し支えない。本発明においては、上記予備分散工程におけるジエン系ゴム,および混練り工程におけるジエン系ゴムとして、いずれも天然ゴムを用いることが好ましい。
なお、上記予備分散工程におけるジエン系ゴム(a)と、上記混練り工程におけるジエン系ゴム(b)との配合割合は、重量比で、a/b=10/90〜80/20の範囲が好ましく、特に好ましくはa/b=20/80〜50/50の範囲である。
また、上記ジエン系ゴムの配合量は、予備分散工程のジエン系ゴム(a)と、混練り工程のジエン系ゴム(b)との総量(a+b)100部に対して、上記フラーレンの配合量が0.5〜10部の範囲となるよう調整することが好ましく、上記フラーレンの配合量が1〜8部の範囲となるように、上記ジエン系ゴムの配合量を調整することが特に好ましい。すなわち、最終的なフラーレンの配合量が少なすぎると、ゴムの補強性が不充分となり、逆に最終的なフラーレンの配合量が多すぎると、ゴム材料費が高くなる傾向がみられるからである。
上記カーボンブラックとしては、特に限定はなく、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記混練り工程におけるカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、10〜100部の範囲が好ましく、特に好ましくは30〜80部の範囲である。すなわち、上記カーボンブラックの配合量が少なすぎると、ゴムの支持性能が小さく、逆にカーボンブラックの配合量が多すぎると、ムーニー粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がみられるからである。
上記架橋剤としては、特に限定はなく、例えば、硫黄、過酸化物架橋剤、樹脂架橋剤等あげられ、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記混練り工程における架橋剤の配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、0.1〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲である。すなわち、上記架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋密度が不充分で物性が低くなり、逆に架橋剤の配合量が多すぎると、架橋密度が上がりすぎて伸びの低下がみられるからである。
なお、上記混練り工程においては、上記ジエン系ゴムと、架橋剤と、カーボンブラックとともに、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、軟化剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。
上記混練り工程における加硫促進剤としては、前記予備分散工程で例示したものと同様のものが用いられ、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、チアゾール系やスルフェンアミド系の加硫促進剤が好ましい。
上記加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、0.3〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲である。すなわち、加硫促進剤が少なすぎると、架橋反応性が劣る傾向がみられ、逆に加硫促進剤が多すぎると、ゴム物性(破断強度、破断伸び)が低下するおそれがあるからである。
また、上記加硫助剤としては、特に限定はなく、例えば、亜鉛華(ZnO)、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
このような加硫助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜20部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。
このような老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲である。
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素系樹脂等があげられる。
このような加工助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜5部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜3部の範囲である。
本発明のゴム製品は、上記のようにして得られたゴム組成物を、所定の条件でプレス加硫等することにより得ることができる。
本発明のゴム製品としては、例えば、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ等の防振ゴム製品や、タイヤ,ゴムホース等のゴム製品等があげられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、下記のようにして各種バッチを作製した。
〔バッチAの作製〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合して、バッチを作製した。すなわち、密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を90℃に設定し、天然ゴム100部を素練りした後、加硫促進剤(DM)1部およびフラーレン4部を投入し、密閉式混練機の温度を160℃(混練温度)まで上げた。上記天然ゴムの温度が160℃に達したら、ローター回転数60rpmで5分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔バッチB〜E、a〜cの作製〕
下記の表1に示すように各成分の種類や配合量,もしくは混練温度,混練時間等を変更する以外は、上記バッチAと同様にして各種バッチを作製した。
Figure 0005072377
なお、上記表1に用いた材料は、下記のとおりである。
〔天然ゴム〕
RSS♯3〔ML1+4 (100℃):65〕
〔フラーレン〕
フロンティアカーボン社製、nanom mix ST〔フラーレンC60とC70を主成分(85重量%)とし、高次フラーレンを含有(15重量%)する混合フラーレン〕
〔加硫促進剤(DM)〕
ジベンゾチアゾリルジスルフィド(大内新興化学工業社製、ノクセラーDM−P)
〔加硫促進剤(CBS)〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ−G)
つぎに、上記バッチを用いて、以下のようにしてゴム組成物を調製した。
〔実施例1〕
後記の表2に示す各成分を同表に示す割合で配合して、ゴム組成物を調製した。すなわち、天然ゴム75部と、バッチA26.25部と、カーボンブラック40部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部を、密閉式混練機(東洋精機製作所社製、600ccラボプラストミル)に投入し、密閉式混練機の設定温度を100℃にして3分間混練した。その後、ロール(関西ロール社製、6インチテスト用ロール)を用いて、老化防止剤2部と、加硫促進剤1部と、硫黄(架橋剤)2.5部とを混練し、ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜6、参考例、比較例1,2〕
各成分の種類もしくは配合量等を、後記の表2および表3に示すものに変更する以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
Figure 0005072377
Figure 0005072377
なお、上記表2および表3に用いた材料は、下記のとおりである。
〔天然ゴム〕
RSS♯3〔ML1+4 (100℃):65〕
〔カーボンブラック〕
FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱山社製、酸化亜鉛二種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルナックS30
〔老化防止剤〕
大内新興化学工業社製、オゾノン3C
〔加硫促進剤(CBS)〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ−G)
〔硫黄(架橋剤)〕
鶴見化学社製、SULFAX200S
このようにして得られた実施例,参考例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、上記の表2および表3に併せて示した。
〔物性〕
各ゴム組成物を、150℃×20分の条件でプレス成形し、JIS5号ダンベルで打ち抜き、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートを用い、JIS K 6251に準拠して、モジュラス100%(M100)、破断強度(TB)、破断伸び(EB)、および硬度(Hs:JIS A)を測定した。
〔動特性〕
(静ばね定数:Ks)
各ゴム組成物を用い、150℃×30分の加硫条件でプレス加硫して、円柱形状(直径50mm、高さ25mm)の加硫ゴム試料を作製した後、この加硫ゴム試料の上下面に対して、円板状金具(直径60mm、厚み6mm)の一対を、接着剤にて接着することにより、テストピースを作製した。つぎに、上記テストピースを円柱軸方向に7mm圧縮させ、2回目の往きの荷重たわみ曲線から1.5mmと3.5mmのたわみ時の荷重を読み取って、静ばね定数(Ks)を算出した。
(動ばね定数:Kd100)
上記テストピースを円柱軸方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心、下方から100Hzの周波数により、振幅0.05mmの定変位調和圧縮振動を与え、上方のロードセルにて動的荷重を検出して、JIS K 6394に準じて、動ばね定数(Kd100)を算出測定した。
(動倍率:Kd100/Ks)
動倍率は、動ばね定数(Kd100)/静ばね定数(Ks)の値として求めた。
上記表2および表3の結果から、実施例品は、比較例品に比べて、物性に優れているとともに、動倍率を低下させることもできた。これは、実施例品は、バッチ工程で加硫促進剤を配合しているため、フラーレンの分散性が向上することに起因すると考えられる。また、参考例品は、バッチ工程で加硫促進剤を配合していないため、フラーレンの分散性が実施例品よりは悪くなるが、比較例品に比べて、物性に優れているとともに、動倍率を低下させることもできた。
これに対して、比較例1品は、バッチ工程で加硫促進剤を配合しておらず、しかも混練温度が低いため、補強性が充分確保されず、破断伸びが小さかった。また、比較例2品は、バッチ工程で加硫促進剤を配合しておらず、しかも混練温度が高すぎるため、ゴムの低分子量化が進み、破断伸びが小さかった。
本発明の製法により得られるゴム組成物は、例えば、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ等の防振ゴム製品や、タイヤ,ゴムホース等のゴム製品等に用いられる。
本発明のゴム組成物の製法の一部を示す模式図である。
符号の説明
1 ジエン系ゴム
2 加硫促進剤
3 フラーレン

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムと、加硫促進剤もしくは加硫促進剤と素練り促進剤と、フラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと、架橋剤とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練することを特徴とするゴム組成物の製法。
  2. 上記フラーレンの配合量が、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜2重量部の範囲である請求項1記載のゴム組成物の製法。
  3. 上記加硫促進剤が、チアゾール系加硫促進剤およびスルフェンアミド系加硫促進剤の少なくとも一方である請求項1または2記載のゴム組成物の製法。
  4. 上記加硫促進剤の配合量が、ジエン系ゴム100重量部に対して1〜5重量部の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物の製法。
  5. 上記ジエン系ゴムが、天然ゴム,イソプレン系ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物の製法。
JP2007015245A 2007-01-25 2007-01-25 ゴム組成物の製法 Expired - Fee Related JP5072377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007015245A JP5072377B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 ゴム組成物の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007015245A JP5072377B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 ゴム組成物の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008179722A JP2008179722A (ja) 2008-08-07
JP5072377B2 true JP5072377B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=39723875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007015245A Expired - Fee Related JP5072377B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 ゴム組成物の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5072377B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5337651B2 (ja) * 2009-09-28 2013-11-06 東海ゴム工業株式会社 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ
JP6182419B2 (ja) * 2013-10-15 2017-08-16 株式会社ブリヂストン ゴム組成物の製造方法
JP6196872B2 (ja) * 2013-10-15 2017-09-13 株式会社ブリヂストン ゴム組成物の製造方法
GB2530526B (en) * 2014-09-25 2017-02-08 Amril Ag Styrene-butadiene rubber (SBR)-CNT filled masterbatch
JP2022024528A (ja) * 2020-07-28 2022-02-09 株式会社バルカー シール材用ゴム組成物およびシール材
CN113968996B (zh) * 2021-12-09 2023-05-26 青岛科技大学 一种耐磨疏水低滚阻输送带盖胶及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08239209A (ja) * 1995-03-01 1996-09-17 Toyota Central Res & Dev Lab Inc フラーレン・不飽和化合物結合体とその製造方法
US5750615A (en) * 1996-11-26 1998-05-12 The Goodyear Tire & Rubber Company Use of fullerene carbon in curable rubber compounds
JP3729831B2 (ja) * 2003-05-15 2005-12-21 横浜ゴム株式会社 フラーレンに結合した重合体を含むゴム組成物
JP2005179624A (ja) * 2003-12-20 2005-07-07 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP4871554B2 (ja) * 2005-09-09 2012-02-08 東海ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製法
JP4871553B2 (ja) * 2005-09-09 2012-02-08 東海ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008179722A (ja) 2008-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5072377B2 (ja) ゴム組成物の製法
JP6112755B2 (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム
JP5873063B2 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2015021097A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2010095682A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物、防振ゴムおよびその製造方法
JP2007146035A (ja) 防振ゴム組成物およびそれを用いた防振ゴムの製法
JP7037986B2 (ja) 電気自動車用防振ゴム組成物および電気自動車用防振ゴム部材
JPWO2020066550A1 (ja) 防振ゴム組成物および防振ゴム部材
WO2018198647A1 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物及び車両用防振ゴム
JP6644962B1 (ja) 防振ゴム組成物および防振ゴム部材
JP4871553B2 (ja) ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品
JP4871554B2 (ja) ゴム組成物の製法
JP5101117B2 (ja) 防振ゴム組成物
JP7409936B2 (ja) 防振ゴム組成物および防振ゴム部材
JP2011162585A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2010209285A (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
WO2016120991A1 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物および防振ゴム
JP2008208204A (ja) 防振ゴム組成物およびそれを用いた防振ゴム
WO2019117155A1 (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム
JP6105426B2 (ja) 防振ゴム組成物及び防振ゴム
JP2006316182A (ja) 低反撥ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
WO2014203695A1 (ja) 防振ゴム用ゴム組成物
JP2002293992A (ja) 高硬度、高抵抗の防振ゴム及びそれを与えるゴム組成物
JP7355682B2 (ja) 防振ゴム組成物およびその製造方法、ならびに防振ゴム部材
JP2008179721A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた防振ゴムならびにゴム製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120816

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5072377

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees