JP2022024528A - シール材用ゴム組成物およびシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が向上したシール材を得ることができるシール材用ゴム組成物、およびこれを架橋してなるシール材を提供する。【解決手段】エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部と、フラーレン0.001~5質量部と、を含むシール材用ゴム組成物、およびその架橋物からなるシール材が提供される。シール材用ゴム組成物は、好ましくは架橋剤をさらに含む。シール材用ゴム組成物は、好ましくはフラーレン以外のフィラーをさらに含む。【選択図】なし

Description

本発明は、シール材用ゴム組成物およびシール材に関する。
シール材は、過酷な環境下において使用されることがあり、耐熱性、耐蒸気性、耐候性、耐寒性、耐久性等に優れたシール材が求められている。特許文献1には、シール材の耐久性を向上させるために、含フッ素エラストマーにフラーレンを配合させた組成物が開示されている。
特開2016-079358号公報
近年、製鉄機械向けシール材など、非常に高温な環境(特に250℃~300℃)で連続、または断続的に高温蒸気をシールする需要が増加している。これまで、タイヤ加硫機用シール材等、高温の蒸気に晒されるような用途においては、エチレン-プロピレン-ジエンゴムが好んで使用されていた。しかしながら、エチレン-プロピレン-ジエンゴムの適用最高温度は通常150℃付近であり、それ以上の高温で用いられる場合には、シール材の重量減少等の劣化が生じるという問題があった。
他の高耐熱材料であるフッ素ゴムは、蒸気存在下では加水分解によりポリマー鎖が断裂し、早期に劣化が生じる。同じく高耐熱材料であるシリコーンゴムは、機械的強度が低いため、耐摩耗性が求められるような動的な部分では使用が困難であった。したがって、これらのシール材は、高温蒸気下での使用という市場要求を満足できるものではなかった。
本発明の目的は、耐熱性が向上したシール材を得ることができるシール材用ゴム組成物、およびその架橋物からなるシール材を提供することである。
本発明は、以下に例示するシール材用ゴム組成物およびシール材を含む。
[1] エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部と、フラーレン0.001~5質量部と、を含むシール材用ゴム組成物。
[2] 前記エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部に対して、前記フラーレンを3質量部以下含む、[1]に記載のシール材用ゴム組成物。
[3] 架橋剤をさらに含む、[1]または[2]に記載のシール材用ゴム組成物。
[4] 前記架橋剤は、有機過酸化物であり、
(前記有機過酸化物の理論活性酸素量)×(前記有機過酸化物の質量部数)を理論ラジカル発生量としたときに、前記理論ラジカル発生量1質量部に対して前記フラーレンを20質量部以下含む、[3]に記載のシール材用ゴム組成物。
[5] 前記フラーレン以外のフィラーをさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載のシール材用ゴム組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のシール材用ゴム組成物の架橋物からなるシール材。
本発明によれば、耐熱性が向上したシール材を得ることができるシール材用ゴム組成物、およびその架橋物からなるシール材を提供することができる。
JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を300℃×72時間で実施した後の比較例1の試験用成形品の写真である。 JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を300℃×72時間で実施した後の実施例3の試験用成形品の写真である。 JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を300℃×72時間で実施した後の比較例1の試験用成形品の断面の電子顕微鏡写真である。 JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を300℃×72時間で実施した後の実施例3の試験用成形品の断面の電子顕微鏡写真である。
<シール材用ゴム組成物>
シール材用ゴム組成物は、エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部と、フラーレン0.001~5質量部と、を含む。本発明に係るシール材用ゴム組成物を架橋してなるシール材は、高温下でも劣化しにくく、例えば250℃以上、好ましくは300℃以上の高温に晒した場合でもシール材の重量減少が抑制される。本発明に係るシール材は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される熱重量減少率が、好ましくは-4.0%以下、-3.0%以下、-2.0%以下または-1.5%以下である。
本発明に係るシール材用ゴム組成物を架橋してなるシール材は、例えば250℃以上、好ましくは300℃以上の高温に晒した場合でもクラックの発生が抑制または軽減され、シール材を摺動部に用いたときでもクラックの進行が抑制され得る。本発明に係るシール材は、後述する実施例に記載の方法に従って測定されるクラックの深さが、好ましくは800μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、200μm以下または100μm以下である。
[エチレン-プロピレン-ジエンゴム]
エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)は、エチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位およびジエンモノマー由来の構成単位からなる三元共重合体である。EPDMは、主鎖に二重結合がないため耐オゾン性、耐候性、耐薬品性、耐水性に優れる他、耐熱性にも優れる。EPDMにおいては、エチレン由来の構成単位とプロピレン由来の構成単位との含有比を調整することにより、ゴム特性を制御することができる。例えば、エチレン由来の構成単位の比率を高めると、ゴムの耐薬品性および機械的強度は高まる傾向にある。一方、エチレン由来の構成単位の比率を下げると、ゴムの成形加工性および流動性は低下する傾向にある。インジェクション成形によってより加工性良く高品質の成形品(シール材)を作製するためには、用いるゴム成分の流動性は比較的低いことが好ましい。
このような観点から、EPDMにおけるエチレン由来の構成単位の含有量は、通常70質量%以下であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは58質量%以下である。エチレン由来の構成単位の含有量が上記の範囲であれば、EPDMに良好な流動性を与えることができるとともに、シール材に良好な低温性を付与することができる。
一方、エチレン由来の構成単位の含有量が過度に低いと、得られるシール材の引張強度が不足する。従って、エチレン由来の構成単位の含有量は、通常40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
EPDMを構成するジエンモノマーの具体例は、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4-ヘキサジエン(1,4-HD)、メチルテトラヒドロインデン、5-メチレン-2-ノルボルネン、シクロオクタジエン、ジシクロオクタジエン等の非共役ジエンモノマーを含む。これらの中でも、EPDMが良好な架橋速度(加硫速度)を示し、また、得られるシール材の耐熱性にも優れることから、ENBまたは1,4-HDを用いることが好ましく、とりわけ架橋速度に優れることから、ENBを用いることがより好ましい。ジエンモノマーは、1種のみを用いてよいし、2種以上を併用してもよい。
EPDMにおけるジエンモノマー由来の構成単位の含有量は、架橋速度およびゴム組成物の成形加工性を高める観点から、通常1.0質量%以上であり、好ましくは2.5質量%以上である。また、架橋後に二重結合が多量に残存することによる高温環境下でのシール材の劣化のしやすさを考慮して、ジエンモノマー由来の構成単位の含有量は、通常14質量%以下であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下である。
シール材用ゴム組成物に用いられるゴム成分は、JIS K6300-1:2013に準拠して測定される100℃におけるムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕が好ましくは90以下であり、より好ましくは60以下である。ゴム成分のムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕は、好ましくは30以上であり、より好ましくは35以上であり、さらに好ましくは38以上である。
EPDMの市販品の具体例としては、三井化学株式会社製の「EPT」、住友化学株式会社製の「エスプレン」、JSR株式会社製の「EP」、ランクセス製の「KELTAN」等である。好ましくは三井化学株式会社製の「EPT-4045M」、「EPT-3045」等を用いることができる。
[フラーレン]
フラーレンは、炭素のみから構成され、中空状の閉殻構造をなす球殻状又は略球殻状の炭素クラスタである。フラーレンの炭素数は、通常60以上130以下の偶数である。フラーレンとしては、C60、C70、C76、C82、C84、C96等を用いてもよく、これらの混合物を用いてもよい。入手が容易である観点から、フラーレンとしては、C60、C70およびその他高次フラーレンの混合物を用いることが好ましい。
フラーレンの含有量は、EPDM100質量部に対して0.001~5質量部であり、好ましくは0.01~3質量部であり、0.1質量部以上であってもよい。フラーレンの含有量が少なすぎると、シール材に十分な耐熱性を付加することができず、フラーレンの含有量が多すぎると圧縮永久ひずみが悪化するおそれがある。
ゴムとの接着面積を増加させ、耐熱性を向上させる観点から、フラーレンは、シール材用ゴム組成物中で高分散されていることが好ましい。フラーレンが高分散している状態とは、好ましくはフラーレン以外のフィラーが無充填であるゴムの引き裂き断面部を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)により観察したときに、任意の視野3μm四方に直径0.5μm以上のフラーレン凝集体が認められない状態である。シール材用ゴム組成物の混練はこれを達成し得る方法で行なうことが好ましい。フラーレンの分散度は、例えば溶媒の変更、混練温度の上昇等、公知の方法によって向上させることができる。
[架橋剤]
シール材用ゴム組成物は、好ましくは架橋剤をさらに含む。架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄、有機硫黄化合物、ジスルフィッド等が挙げられ、好ましくは有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物として、EPDMおよびH-NBRに採用されているものとして、例えば2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-パーオキシヘキサン-3、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-パーオキシヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ-イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、4,4-ジ-t-ブチルパーオキシ-ブチルバレレート、2,2-ジ-t-ブチルパーオキシ-ブタン、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-ベンゾイルパーオキサイド、ビス(o-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ビス(p-メチルベンゾイル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンジラート等が例示される。有機過酸化物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シール材用ゴム組成物における架橋剤の含有量は、EPDM100質量部に対して、通常0.1~20質量部であり、好ましくは1.0~15質量部である。この範囲内であれば、架橋反応を十分に進行させ、十分な架橋密度を得ることができるため、シール材に良好な弾性、硬度、機械的強度および耐熱性を付与することが可能である。
シール材用ゴム組成物は、架橋剤が有機過酸化物であり、(有機過酸化物の理論活性酸素量)×(有機過酸化物の質量部数)を理論ラジカル発生量としたときに、理論ラジカル発生量1質量部に対して好ましくはフラーレンを20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下含む。有機過酸化物の理論活性酸素量は、下記式で表される。
理論活性酸素量(%)=(16×化合物中の過酸化結合数)/有機過酸化物の分子量×100
フラーレンは過酸化ラジカルをトラップするため、シール材用ゴム組成物がフラーレンを含むとき、架橋密度が低下しやすく、シール材の圧縮永久ひずみは大きくなる傾向がある。しかしながら、架橋剤として有機過酸化物を上記の範囲で含むシール材は、圧縮永久ひずみを小さくすることができる。シール材の圧縮永久ひずみ率(200℃×72時間)は好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下である。
耐熱性および圧縮永久ひずみの両方が良好であるシール材を得る観点からは、シール材用ゴム組成物は、例えばEPDM100質量部と、フラーレン0.001~5質量部と、を含み、かつ、理論ラジカル発生量1質量部に対してフラーレンが20質量部以下となるように有機過酸化物を含む。シール材用ゴム組成物は、好ましくはEPDM100質量部と、フラーレン0.001~3質量部と、を含み、かつ、理論ラジカル発生量1質量部に対してフラーレンが10質量部以下となるように有機過酸化物を含む。
[フラーレン以外のフィラー]
シール材用ゴム組成物は、好ましくはフラーレン以外のフィラーをさらに含む。フラーレン以外のフィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン、クレー、タルク、珪藻土、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、粒状または粉末状樹脂、金属粉、ガラス粉、セラミックス粉等が挙げられる。フラーレン以外のフィラーを含むことにより、シール材の補強性を向上させることができる。
カーボンブラックの含有量は、EPDM100質量部に対して好ましくは20~150質量部であり、より好ましくは30~80質量部であり、さらに好ましくは40~70質量部である。カーボンブラックが少なすぎると、十分な補強性を得ることができず、カーボンブラックが多すぎると、クラックが発生しやすくなったり、剛性が高すぎてシール性が低下しやすくなる。
[その他の含有成分]
本発明のシール材用ゴム組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の他の成分を含有することができる。他の含有成分としては、例えば共架橋剤、界面活性剤、老化防止剤、加硫促進剤、酸化防止剤、加工助剤(ステアリン酸等)、加硫助剤(酸化亜鉛等)、安定剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、多価アルコール、難燃剤、ワックス類、滑剤等の添加剤を挙げることができる。添加剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。シール材用ゴム組成物が上記の添加剤を含有する場合、その含有量は当該分野において通常用いられる量であってよい。
共架橋剤としては、例えばキノンジオキシム、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2-ポリブタジエン、メタクリル酸金属塩、アクリル酸金属塩等が挙げられる。共架橋剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シール材用ゴム組成物における共架橋剤の含有量は、好ましくはEPDM100質量部あたり0.1~20質量部であり、より好ましくは1.0~10質量部である。共架橋剤の含有量がこの範囲であるとき、良好な伸び特性を維持しつつ成形品(シール材)の硬度および耐熱性をより高めたシール材を得ることができる。
老化防止剤としては、フェノール誘導体、芳香族アミン誘導体、アミン-ケトン縮合物、ベンズイミダゾール誘導体、ジチオカルバミン酸誘導体、チオウレア誘導体等が挙げられる。
加硫促進剤としては、チウラム系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸塩系の化合物等が挙げられる。
加工助剤としては、熱可塑性樹脂、液状ゴム、オイル、軟化剤、内部離型剤、粘着付与剤等が挙げられ、シール材用ゴム組成物は、例えばパラフィン系オイルを含有することができる。加工助剤の含有量は、シール材用ゴム組成物100質量部に対し、好ましくは0.5~5質量部であり、より好ましくは1.0~2.5質量部である。
内部離型剤としては、例えば高級脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、炭化水素樹脂等が挙げられる。離型性向上の観点から、内部離型剤の含有量は、シール材用ゴム組成物100質量部に対し、好ましくは0.5~5質量部であり、より好ましくは1.0~2.5質量部である。内部離型剤の含有量が0.5質量部よりも少ないと、離型効果が少なく、金型にゴムが貼りついて金型を汚染してしまうおそれがある。
シール材用ゴム組成物が可塑剤を多く含むと、系全体としての架橋密度の低下や、可塑剤成分の熱分解による母材ゴムの熱劣化が生じやすくなる。その結果、シール材の耐摩耗性、耐熱性等の低下を招き、シール性が低下するおそれがある。このような観点からは、シール材用ゴム組成物は、好ましくは可塑剤を含まない。
可塑剤の具体例は、狭義の可塑剤(フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、リン酸エステル系、クエン酸エステル系、トリメリット系可塑剤等)の他、オイル(ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、植物油、エポキシ化植物油等)も含む。
シール材用ゴム組成物は、上述の含有成分を均一に混練りすることにより調製できる。混練り機としては、例えばミキシングロール、加圧ニーダー、インターナルミキサー(バンバリーミキサー)等の従来公知のものを用いることができる。この際、各配合成分のうち、架橋反応に寄与する成分(架橋促進剤、架橋遅延剤、架橋剤等)を除く成分を先に均一に混練しておき、その後、架橋反応に寄与する成分を混練するようにしてもよい。混練り温度は、例えば常温付近である。
<シール材>
シール材は、上述のシール材用ゴム組成物の架橋物からなるものである。シール材は、シール材用ゴム組成物を架橋(加硫)・成形することにより作製することができる。架橋・成形方法は、インジェクション成形、圧縮成形、移送成形等の従来公知の方法を採用することができる。
成形時における加熱温度(架橋温度)は、例えば100~200℃程度であり、加熱時間(架橋時間)は、例えば0.5~120分程度である。成形時には、二次加硫を行うことが好ましい。
シール材は、パッキンやガスケット等であることができる。シール材の形状はその用途に応じて適宜選択され、その代表例は、断面形状がO型であるOリングである。シール材は、例えば溝内で圧縮され、流体の漏洩を防ぐ目的で使用される。シール材が動的に使用される場合には、シール材の内径側もしくは外径側の金属面が往復運動または回転運動し、シール材表面と擦れることによって流体の漏洩を防ぐ。流体は、例えば圧縮空気、作動油、水である。EPDMは耐水性に優れるため、本発明に係るシール材は、250~300℃の高温蒸気の存在下でも劣化が抑制され、流体の漏洩を抑制することができる。シール材は、例えば高温蒸気が発生しやすい製鉄機械、タイヤ成型機等のシール材として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[シール材の評価]
〔1〕熱重量減少
JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を、300℃×72時間、圧縮率25%で実施し、試験前後の試験用成形品の重量を測定し、下記式に従って熱重量減少率を求めた。試験用成形品は直径Φ29、厚み12.5mmの架橋物を用いた。
重量減少率(%)={(試験後の重量-試験前の重量)/(試験前の重量)}×100
〔2〕クラックの深さ
JIS K6262:2019に準拠した圧縮永久ひずみ試験を、300℃×72時間、圧縮率25%で実施した。試験用成形品は直径Φ29、厚み12.5mmの架橋物を用いた。試験後の試験用成形品をカッターで切断し、その断面おいてクラックの表面からの深さを走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製、TM4000)で測定した。測定は試料側面近傍の視野2mm四方について、5箇所で行い、その平均の値をクラックの深さとした。
〔3〕圧縮永久ひずみ
JIS K6262:2019に準拠してシール材の圧縮永久ひずみを求めた。直径Φ29、厚み12.5mmの試験用成形品を200℃×72時間、圧縮率25%で保持した。試験用成形品の圧縮を解放し、試験室の標準温度で30分間放冷した後に、試験用成形品の厚みを測定した。圧縮永久ひずみ率(Compression Set、CS)は下記式に基づいて算出した。
圧縮永久ひずみ率(%)={(h0-h1)/(h0-h2)}×100
h0は試験前の試験用成形品の厚み(mm)、h1は30分間放冷後の試験用成形品の厚み(mm)、h2はスペーサ-の厚み(高さ)(mm)である。
[シール材用ゴム組成物の調製および成形品の作製(実施例1~6)]
表1に記載された各成分を8インチオープンロールで混練し、比較例1および実施例1~6のシール材用ゴム組成物を調製した。得られたシール材用ゴム組成物を温度170℃に加熱された金型に投入し、加圧プレスにて成形した。成形時間は15分であった。さらに温度180℃で1時間二次加硫し、試験用成形品を得た。試験用成形品の評価結果を表1に示す。
Figure 2022024528000001
表中の各配合物の詳細は、次のとおりである。表における配合量の単位は質量部である。
(1)EPDM:EPT-3045(三井化学株式会社製、エチレン由来の構成単位の含有量が56質量%、ジエンモノマーであるENB由来の構成単位の含有量が4.7質量%、JIS K6300-1:2013に準拠して測定される100℃におけるムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕が40である。)
(2)加硫助剤:酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製)
(3)フィラー:シーストGSO(東海カーボン株式会社製、FEFカーボンブラック)
(4)共架橋剤:TAIC(日本化成株式会社製、トリアリルイソシアヌレート)
(5)架橋剤:パークミルD(日本油脂株式会社、有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド)、理論活性酸素量5.92%)
(6)フラーレン:nanom mix ST(フロンティアカーボン株式会社製、C60、C70およびその他高次フラーレンの混合物)
300℃×72時間の圧縮永久ひずみ試験後の比較例1および実施例3の試験用成形品を図1および図2にそれぞれ示す。フラーレンを含まない比較例1の試験用成形品は表面に大きなクラックが複数生じていたのに対して、フラーレンを含有する実施例3の試験用成形品は、大きなクラックが生じておらず、変形も少なかった。300℃×72時間の圧縮永久ひずみ試験後の比較例1および実施例3の試験用成形品の断面の電子顕微鏡観察像を図3および図4に示す。
[シール材用ゴム組成物の調製および成形品の作製(実施例7)]
表2に記載のように、フラーレン以外のフィラーを含まないシール材組成物を実施例1と同じ方法によって調製し、比較例2および実施例7の試験用成形品を作製した。表中の各配合物の詳細は、表1と同じである。試験用成形品の評価結果を表2に示す。
Figure 2022024528000002

Claims (6)

  1. エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部と、フラーレン0.001~5質量部と、を含むシール材用ゴム組成物。
  2. 前記エチレン-プロピレン-ジエンゴム100質量部に対して、前記フラーレンを3質量部以下含む、請求項1に記載のシール材用ゴム組成物。
  3. 架橋剤をさらに含む、請求項1または2に記載のシール材用ゴム組成物。
  4. 前記架橋剤は、有機過酸化物であり、
    (前記有機過酸化物の理論活性酸素量)×(前記有機過酸化物の質量部数)を理論ラジカル発生量としたときに、前記理論ラジカル発生量1質量部に対して前記フラーレンを20質量部以下含む、請求項3に記載のシール材用ゴム組成物。
  5. 前記フラーレン以外のフィラーをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシール材用ゴム組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のシール材用ゴム組成物の架橋物からなるシール材。
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