JP2007070582A - ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品 - Google Patents

ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムの補強性に優れるとともに、動倍率を下げることができ、防振性能に優れる、ゴム組成物の製法を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練することを特徴とするゴム組成物の製法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品に関するものである。
一般に、自動車等のエンジンの支持,および振動伝達を抑制するためのエンジンマウントやサスペンションブッシュ等に使用される防振ゴムにおいては、低動倍率であることが重要な性能の1つとして要求されている。また、自動車のタイヤ等に用いる場合には、耐久性も要求される。そのため、従来は、ジエン系ゴムに、カーボンブラックやシリカ等のゴム用補強材を配合してなるゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−231905号公報
しかしながら、従来のゴム組成物は、ゴムの補強性を増すために、カーボンブラック等のゴム用補強材を添加するが、カーボンブラック等のゴム用補強材を増量すると、動倍率が高くなるという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ゴムの補強性に優れるとともに、動倍率を下げることができ、防振性能に優れる、ゴム組成物の製法およびそれによって得られたゴム製品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練するゴム組成物の製法を第1の要旨とする。また、本発明は、上記製法により得られたゴム組成物を加硫してなるゴム製品を第2の要旨とする。
本発明者は、化学的,熱的に安定で壊れにくい分子であり、光エネルギーを吸収しやすく、電子受容性が高く、ラジカル捕捉能を有する等の特徴を備えたフラーレンに着目した。また、カーボンブラックの添加に先立って、ジエン系ゴムを予め高温で素練りした後、カーボンブラック等の他のゴム材料を混練することを想起した。これらにもとづき、本発明者らは実験研究を重ねた結果、ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練すると、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのように推察される。すなわち、ジエン系ゴムとフラーレンとを、150〜200℃の高温で素練りすると、ジエン系ゴムの主鎖が切断され、ラジカルが生成し、ジエン系ゴムが活性化する。この活性化ゴム中のラジカルが、上記フラーレンに捕捉され、フラーレンに上記ゴムがグラフト結合する結果、上記ゴムに対する高温での素練り工程においても、ゴム形状を維持することができるようになる。そして、上記ジエン系ゴム鎖をグラフト結合させたフラーレンを用いて混練り工程を行うと、このグラフト化されたフラーレンが、カーボンブラックへ作用し、カーボンブラックの補強効果をさらに向上させるとともに、動倍率を下げることもできる。
本発明のゴム組成物の製法は、ジエン系ゴムとフラーレンとを、150〜200℃の高温で素練りするため、ジエン系ゴムの主鎖が切断され、ラジカルが生成し、ジエン系ゴムが活性化する。この活性化ゴム中のラジカルが、上記フラーレンに捕捉され、フラーレンに上記ゴムがグラフト結合する結果、上記ゴムに対する高温での素練り工程においても、ゴム形状を維持することができる。そして、上記ジエン系ゴム鎖をグラフト結合させたフラーレンを用いて混練り工程を行うため、このグラフト化されたフラーレンが、カーボンブラックへ作用し、カーボンブラックの補強効果をさらに向上させるとともに、動倍率を下げることができ、防振性能が向上するという効果が得られる。また、フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させることにより、フラーレンを凝集させずに均一に分散させることが可能になる。
そして、上記製法により得られたゴム組成物を加硫してなるゴム製品は、フラーレンの使用により、充分な補強効果を得ることができ、カーボンブラックの低充填配合が可能となり、ゴム製品を軽量化することができるとともに、動倍率を下げることもできるという効果が得られる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明は、ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練することにより、ゴム組成物を得る製法である。
本発明においては、上記ゴム材料の混練り工程に先立って、ジエン系ゴムとフラーレンとを、150〜200℃の高温で混練して、ジエン系ゴム鎖をグラフト結合させたフラーレン(グラフト化フラーレン)を予め作製する素練り工程を行うのであって、これが最大の特徴である。
本発明のゴム組成物の製法について、素練り工程と混練り工程に分けて順を追って説明する。まず、本発明のゴム組成物の製法における、素練り工程について説明する。すなわち、ジエン系ゴムとフラーレンとを、トルエン等の溶剤中で混合する。なお、溶剤中での、ジエン系ゴムとフラーレンとの分散性を向上させ、両者の凝集を抑制する目的で、必要に応じて超音波処理を行っても差し支えない。また、場合によって、フラーレンを予めトルエンに分散し、超音波処理をしたものを用いても差し支えない。つぎに、上記トルエン等の溶剤を除去し、ジエン系ゴムとフラーレンとの混合物(固形分)を得る。この混合物に、さらにジエン系ゴムを所定量添加し、密閉式混練機等の混練機を用いて、150〜200℃の高温下、所定のローター回転数(好ましくは、40〜60rpm)で所定時間(好ましくは、3〜5分間)混練する。また、工程の簡素化を図るために、ジエン系ゴムとフラーレンとを、直接、密閉式混練機等の混練機を用いて混練を行っても差し支えない。
上記素練り工程における混練温度は、150〜200℃の高温に設定する必要があるが、好ましくは160〜180℃の範囲内である。すなわち、混練温度が150℃未満であると、短時間でフラーレンへのポリマーのグラフト化効率が低下し、逆に200℃を超えると、ゴムの低分子量化が生じ、物性低下を引き起こすおそれがあるからである。
上記ジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレン系ゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、NR,BR,SBR,IRが好適に用いられる。
本発明においてフラーレンとは、炭素原子が球状のネットワーク構造をしたものの総称をいう。代表的なフラーレンであるC60は、12個の5員環とその5員環を取り囲む形で20個の6員環が組み合わされ、サッカーボールと同じ形をしたネットワークの各頂点(60個)に炭素原子が位置した構造となっている。その直径は1nm(炭素骨格としては0.7nm)である。本発明におけるフラーレンとしては、上記C60に限定されるものではなく、70個の炭素原子で構成されたC70、82個の炭素原子で構成されたC82、124個の炭素原子で構成されたC124 等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記素練り工程におけるフラーレンの配合量は、ジエン系ゴム100重量部(以下「部」と略す)に対して、1〜20部の範囲内が好ましく、特に好ましくは2〜10部の範囲内である。すなわち、上記フラーレンの配合量が1部未満であると、ゴムへの補強効果が不充分となり、逆に20部を超えると、ゴムの材料費が高くなる傾向がみられるからである。
つぎに、本発明のゴム組成物の製法における、混練り工程について説明する。すなわち、上記の素練り工程で作製したグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを所定の割合で配合し、これらを密閉式混練機等を用いて、所定温度(好ましくは、130〜170℃)で所定時間(好ましくは、3〜5分間)混練することにより、ゴム組成物を作製することができる。
上記ジエン系ゴムとしては、前述の素練り工程で使用したジエン系ゴムと同様のものがあげられる。なお、上記素練り工程におけるジエン系ゴムと、上記混練り工程におけるジエン系ゴムとを、同種のジエン系ゴムを用いても、異種のジエン系ゴムを用いても差し支えない。本発明においては、上記素練り工程におけるジエン系ゴム,および混練り工程におけるジエン系ゴムとして、いずれも天然ゴムを用いることが好ましい。
なお、上記素練り工程におけるジエン系ゴム(a)と、上記混練り工程におけるジエン系ゴム(b)との配合割合は、重量比で、a/b=10/90〜80/20の範囲内が好ましく、特に好ましくはa/b=20/80〜50/50の範囲内である。
また、上記ジエン系ゴムの配合量は、素練り工程のジエン系ゴム(a)と、混練り工程のジエン系ゴム(b)との総量(a+b)100部に対して、上記フラーレンの配合量が0.5〜10部の範囲内となるよう調整することが好ましく、上記フラーレンの配合量が1〜8部の範囲内となるように、上記ジエン系ゴムの配合量を調整することが特に好ましい。すなわち、最終的なフラーレンの配合量が0.5部未満であると、ゴムの補強性が不充分となり、逆に最終的なフラーレンの配合量が10部を超えると、ゴム材料費が高くなる傾向がみられるからである。
上記カーボンブラックとしては、特に限定はなく、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記混練り工程におけるカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、10〜100部の範囲内が好ましく、特に好ましくは30〜80部の範囲内である。すなわち、上記カーボンブラックの配合量が10部未満であると、ゴムの支持性能が小さく、逆にカーボンブラックの配合量が100部を超えると、ムーニー粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がみられるからである。
また、上記混練り工程における硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100部に対して、0.1〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。すなわち、上記硫黄の配合量が0.1部未満であると、架橋密度が不充分で物性が低くなり、逆に硫黄の配合量が7部を超えると、耐熱性が悪化する傾向がみられるからである。
なお、上記混練り工程においては、上記ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとともに、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、軟化剤等を必要に応じて適宜に配合しても差し支えない。
上記加硫促進剤としては、特に限定はなく、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に架橋反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)等があげられる。
上記加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、0.3〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。すなわち、加硫促進剤が0.3部未満であると、架橋反応性が劣る傾向がみられ、逆に加硫促進剤が7部を超えると、ゴム物性(破断強度、破断伸び)が低下するおそれがあるからである。
また、上記加硫助剤としては、特に限定はなく、例えば、亜鉛華(ZnO)、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
このような加硫助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜20部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。
また、上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。
このような老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲内である。
また、加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素系樹脂等があげられる。
このような加工助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム100部に対して、1〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは1〜3部の範囲内である。
本発明のゴム製品は、上記のようにして得られたゴム組成物を、所定の条件でプレス加硫等することにより、目的とするゴム製品を得ることができる。
本発明のゴム製品の用途としては、特に限定はないが、自動車等の車両に用いられるタイヤ,エンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ,産業用防振ゴム,ゴムホース等に好適に用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム〕
RSS♯3〔ML1+4 (100℃):65〕
〔フラーレン〕
フロンティアカーボン社製、nanom mix MF−S〔主成分:C60とC70(85重量%),その他高次フラーレン(15重量%)との混合物〕
〔カーボンブラック〕
FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱業社製、酸化亜鉛二種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルナックS30
〔加硫促進剤(CBS)〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアリルスルフェンアミド(三新化学工業社製、ノクセラーCZ−G)
〔硫黄〕
鶴見化学社製、Sulfax200S
つぎに、上記材料を用いて、各種バッチを作製した。
〔バッチAの作製〕
密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を60℃に設定し、天然ゴム70gを素練りした後、フラーレン2.8gを投入し、密閉式混練機の温度を160℃まで上げた。上記天然ゴムの温度が160℃に達したら、ローター回転数60rpmで5分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔バッチBの作製〕
上記フラーレンの配合量を4.2gに変更する以外は、上記バッチAと同様にして作製した。
〔バッチCの作製〕
上記フラーレンの配合量を5.6gに変更する以外は、上記バッチAと同様にして作製した。
〔バッチDの作製〕
上記フラーレンの配合量を7gに変更する以外は、上記バッチAと同様にして作製した。
〔バッチEの作製〕
密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を60℃に設定し、天然ゴム70gを素練りした後、フラーレン2.8gを投入し、密閉式混練機の温度を150℃まで上げた。上記天然ゴムの温度が150℃に達したら、ローター回転数60rpmで5分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔バッチFの作製〕
密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を60℃に設定し、天然ゴム70gを素練りした後、フラーレン2.8gを投入し、密閉式混練機の温度を200℃まで上げた。上記天然ゴムの温度が200℃に達したら、ローター回転数60rpmで5分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔バッチaの作製〕
密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を60℃に設定し、天然ゴム70gを素練りした後、フラーレン2.8gを投入し、密閉式混練機の温度を140℃まで上げた。上記天然ゴムの温度が140℃に達したら、ローター回転数60rpmで2分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔バッチbの作製〕
密閉式混練機(東洋精機製作所社製、100ccラボプラストミル)の温度を60℃に設定し、天然ゴム70gを素練りした後、フラーレン2.8gを投入し、密閉式混練機の温度を210℃まで上げた。上記天然ゴムの温度が210℃に達したら、ローター回転数60rpmで10分間混練し、フラーレンと天然ゴムとを反応させた。
〔実施例1〕
後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ゴム,バッチ,カーボンブラック,酸化亜鉛,ステアリン酸を、密閉式混練機(東洋精機製作所社製、600ccラボプラストミル)を用い、密閉式混練機の設定温度を100℃にして3分間混練した。その後、ロール(関西ロール社製、6インチテスト用ロール)を用いて、加硫促進剤,硫黄を混練し、ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜6、比較例1〜4〕
各成分の種類もしくは配合量等を、後記の表1および表2に示すものに変更する以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔常態物性〕
各ゴム組成物を、150℃×20分の条件でプレス成形し、JIS5号ダンベルで打ち抜き、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートを用い、JIS K 6251に準拠して、100%モジュラス(M100)、破断強度(TB)、破断伸び(EB)、および硬度(Hs:JIS A)を測定した。
〔動特性〕
(静ばね定数:Ks)
各ゴム組成物を用い、150℃×30分の加硫条件でプレス加硫して、円柱形状(直径50mm、高さ25mm)の加硫ゴム試料を作製した後、この加硫ゴム試料の上下面に対して、円板状金具(直径60mm、厚み6mm)の一対を、接着剤にて接着することにより、テストピースを作製した。つぎに、上記テストピースを円柱軸方向に7mm圧縮させ、2回目の往きの荷重たわみ曲線から1.5mmと3.5mmのたわみ時の荷重を読み取って、静ばね定数(Ks)を算出した。
(動ばね定数:Kd)
上記テストピースを円柱軸方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心、下方から100Hzの周波数により、振幅0.05mmの定変位調和圧縮振動を与え、上方のロードセルにて動的荷重を検出して、JIS K 6394に準じて、動ばね定数(Kd)を算出測定した。
(動倍率:Kd/Ks)
動倍率は、動ばね定数(Kd)/静ばね定数(Ks)の値として求めた。
上記結果から、実施例品は、フラーレンを用いた素練り工程(バッチ処理)を行っているため、常態物性に優れているとともに、動倍率を低下させることもできた。なお、実施例品は、フラーレンの使用により充分な補強効果を得ることができるため、カーボンブラックの低充填配合が可能となり、ゴム製品を軽量化することもできる。
比較例1品と実施例品とを対比すると、比較例1品は、素練り工程(バッチ処理)を行わず、しかもフラーレンに代えてカーボンブラックを使用しているため、100%モジュラス(M100)が著しく低く、補強性に劣っていた。また、比較例2品と比較例1品とを対比すると、比較例2品はカーボンブラックの増量により、100%モジュラス(M100)が上昇しているが、カーボンブラックの高充填配合により、動倍率が著しく上昇し、防振性能が著しく劣っていた。比較例3品は、混練温度が低いバッチaを使用しているため、補強性が充分確保されなかった。比較例4品は、混練温度が高すぎるバッチbを使用しているため、ゴムの低分子量化が進み、破断伸びが小さかった。
本発明の製法により得られるゴム製品は、自動車等の車両に用いられるタイヤ,エンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ,産業用防振ゴム,ゴムホース等に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴムとフラーレンとを150〜200℃の温度で混練し、上記フラーレンにジエン系ゴムをグラフト化させた後、このグラフト化されたフラーレンと、ジエン系ゴムと硫黄とカーボンブラックとを必須成分とするゴム材料とを混練することを特徴とするゴム組成物の製法。
  2. 上記ジエン系ゴムが、天然ゴム,イソプレン系ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム,およびエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載のゴム組成物の製法。
  3. 請求項1または2記載の製法により得られたゴム組成物を加硫してなるゴム製品。
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