JP2002293992A - 高硬度、高抵抗の防振ゴム及びそれを与えるゴム組成物 - Google Patents

高硬度、高抵抗の防振ゴム及びそれを与えるゴム組成物

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JP2002293992A
JP2002293992A JP2001098408A JP2001098408A JP2002293992A JP 2002293992 A JP2002293992 A JP 2002293992A JP 2001098408 A JP2001098408 A JP 2001098408A JP 2001098408 A JP2001098408 A JP 2001098408A JP 2002293992 A JP2002293992 A JP 2002293992A
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vibration
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carbon
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JP2001098408A
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English (en)
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Fumihiko Jinno
史彦 甚野
Toshiyuki Mihara
利之 三原
Tsugiko Yoshikawa
亜子 吉川
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振ゴムに必要とされる硬度を有利に確保す
ると共に、Fe−Al間等の異種金属間に介在せしめら
れても、かかる金属における腐食の発生を効果的に低減
し得る高い電気抵抗特性を有する防振ゴム、並びにその
ような防振ゴムを有利に形成し得るゴム組成物を提供す
ること。 【解決手段】 ジエン系ゴム材料をゴム成分として、こ
れに、所定の式にて算出されるカーボン間距離(S):
60nm以上であるカーボンブラックを配合せしめて、
ゴム組成物とした。また、このゴム組成物より、高硬
度、高抵抗の防振ゴムが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、高硬度、高抵抗の防振ゴム及び
それを与えるゴム組成物に係り、特に、防振ゴムに必要
とされる硬度を有利に確保すると共に、Fe−Al間等
の異種金属間に介在せしめられても腐食の発生し難い、
高抵抗特性を備えた防振ゴム、並びにそのような防振ゴ
ムを有利に提供することの出来るゴム組成物に関するも
のである。
【0002】
【背景技術】従来から、柔軟性、弾力性、粘弾性や、緩
衝性等に優れた特性を有するゴムからなる防振ゴムは、
振動或いは衝撃伝達系を構成する部材間に介装されて、
防振性乃至は緩衝性を実現している。そして、よく知ら
れているように、そのような防振ゴムは、各種の分野に
おいて、広く用いられてきており、例えば、自動車にお
いては、エンジンマウントやボディマウント、キャブマ
ウント、メンバマウント、ストラットマウント、ストラ
ットバークッション、サスペンションブッシュ等とし
て、用いられてきている。
【0003】ところで、そのような防振ゴムが使用され
る自動車においては、低燃費化及び高性能化を図るため
に、近年、その軽量化が強く望まれており、そのような
要求に応えるべく、鉄製部材からアルミ製部材への代替
が、広く実施されてきているのである。
【0004】しかしながら、そのようなアルミ化によっ
て、防振ゴムを構成するゴムが、異種金属間(Fe−A
l間等)に介在せしめられることが多くなって、所謂異
種金属接触による局部電池の形成(接触腐食)の如き現
象が、従来に比して、より一層惹起され易くなってきて
いることが認められている。具体的には、防振ゴムとし
ての硬度を確保するために、一般に、補強充填剤として
カーボンブラックがゴム組成物に多量に配合せしめられ
ており、そして、このカーボンブラックの多量の配合に
よって、ゴムの導電性が高められているのであるが、そ
のような導電性の高められたゴムが異種金属間に介装さ
れることによって、より大きな電位差が生じ、腐食が発
生し易くなっているのである。
【0005】このため、防振ゴムにおいては、より一層
優れた電気抵抗性が求められることとなり、そのような
高電気抵抗性を付与する手法として、例えば、上述せる
如き導電性を高めるカーボンブラックの配合量を制限す
る手法や、カーボンブラックに代えて、絶縁性の無機補
強充填剤を配合する手法等が提案されているのである
が、カーボンブラックの配合量を単に減少させるだけで
は、硬度や強度等の物性の低下、更には加工性の悪化等
の問題が新たに惹起され、また、後者の手法にあって
は、硬度は確保されても、その他の強度等の物性や防振
特性が著しく低下するところから、高電気抵抗性と高硬
度を共に備えた防振ゴムを提供することは、非常に困難
であったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、防振ゴムに必要とされる硬度を有利に確保する
と共に、Fe−Al間等の異種金属間に介在せしめられ
ても、かかる金属における腐食の発生を効果的に低減し
得る高い電気抵抗特性を有する防振ゴム、並びにそのよ
うな防振ゴムを有利に形成し得るゴム組成物を、提供す
ることにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、ジエン系ゴム材料をゴム成分とし
て、これに、下記数2の(1)式にて示されるカーボン
間距離(S)が60nm以上であるカーボンブラックを
配合せしめてなることを特徴とするゴム組成物を、その
要旨とするものである。
【数2】
【0008】すなわち、この本発明に従うゴム組成物に
あっては、カーボンブラックが、ゴム成分たるジエン系
ゴム材料に対して、上記数2の(1)式にて表わされる
カーボン間距離(S)が60nm以上となるように、配
合、含有せしめてなるものであるところから、そのよう
なゴム組成物を加硫して得られるゴムにおいては、高い
電気抵抗特性が有利に実現され得ると共に、硬度等の物
性も、充分に高度に確保され得ることとなるのである。
【0009】なお、本発明に従うゴム組成物の好ましい
態様の一つによれば、前記カーボンブラックは、160
nm以上のストークスモード径(Dst)と、60ml
/100g以上の圧縮DBP量(CDBP)を有してい
ることが望ましく、これによって、より一層優れた電気
抵抗特性が実現され得ることとなる。
【0010】また、本発明にあっては、上述の如き本発
明に従うゴム組成物を加硫して得られる高硬度、高抵抗
の防振ゴムをも、その要旨とするものである。そして、
そのようにして得られる防振ゴムには、前述せる如き高
い電気抵抗と、防振ゴムに必要とされる高い硬度とが、
共に、有利に実現され得ているのである。
【0011】
【発明の実施の形態】ところで、防振ゴム等を与えるゴ
ム組成物中に、充填補強剤として配合されるカーボンブ
ラックは、よく知られているように、カーボンブラック
の非常に小さな一次粒子が互いに融合して形成されるパ
ールネックレスや葡萄の房の如き凝集体(アグリゲート
とも呼ばれ、ゴム中への最小分散単位である。)の形態
をもって構成されており、そして、このアグリゲートの
形状(例えば、大きさや、比表面積、ストラクチャー
等)が、カーボンブラックの性能、ひいては、それが配
合されてなるゴム組成物の性能に大きな影響を与えてい
る。
【0012】このため、本発明に従う防振ゴム乃至はそ
れを与えるゴム組成物にあっては、上述せる如きアグリ
ゲートの形状を加味して、カーボンブラックを、ゴム成
分(ジエン系ゴム材料)に対して、前記した数2の
(1)式にて表わされるカーボン間距離(S)、具体的
には、カーボンブラック・アグリゲート間の距離の平均
値が、60nm以上となるように、配合、含有せしめる
必要があるのである。これによって、配合ゴム(ジエン
系ゴム)中のカーボンブラック・アグリゲート間でπ電
子がジャンプすることによって生じると推察されるトン
ネル電流が流れ難くなって、電気抵抗特性が効果的に向
上せしめられ得るのである。
【0013】なお、上記の(1)式からも明らかなよう
に、そのような(1)式にて表わされるカーボン間距離
(S)は、用いられるカーボンブラックの種類によって
決定されるストークスモード径(Dst)やその半値幅
(ΔDst)、圧縮DBP量(CDBP)の他にも、カ
ーボンブラックの配合割合によって算出されるカーボン
ブラックの容積分率(φ)にも依存するところから、上
述の如き条件、60≦Sを満たすためには、カーボンブ
ラックの適切な選択の他に、その選択されたカーボンブ
ラックの適当な配合設計も必要とされることとなる。
【0014】そして、本発明に従う防振ゴム乃至はそれ
を与えるゴム組成物に好適に採用せしめられるカーボン
ブラックとしては、カーボンブラック・アグリゲートの
ストークスモード径(Dst)と圧縮DBP量(CDB
P)とが以下に詳述する条件を満たすようにしたものの
使用が、望まれるのである。
【0015】すなわち、本発明に用いられるカーボンブ
ラックのストークスモード径(Dst)としては、16
0nm以上であるものが好適に採用され、そのような範
囲の中でも、特に、180nm以上であるものが、より
一層好適に採用されることとなる。なお、かかるストー
クスモード径(Dst)の上限としては、一般に、50
0nm程度が採用されることとなる。また、一般に、カ
ーボンブラックの粒子径が小さい程、それを配合して得
られるゴムの硬度や強度が高くなって、防振ゴムに必要
とされる減衰特性も向上するのであるが、ゴム成分中に
均一に分散し難くなったり、導電性が高められてしまう
恐れがあるところから、かかるストークスモード径(D
st)が160nmよりも小さなものは、避けなければ
ならないのである。
【0016】ここにおいて、上記したカーボンブラック
・アグリゲートのストークスモード径(Dst)は、下
記の如き遠心沈降法にて測定されるものである。即ち、
乾燥したカーボンブラックを少量の界面活性剤を含む2
0容量%エタノール水溶液と混合して、カーボンブラッ
ク濃度:50mg/lの分散液を作製し、これを超音波
で充分に分散させて試料とする。一方、ディスクセント
リフュージ装置の回転速度を8000rpmに設定し、
スピン液(2重量%グリセリン水溶液)を10ml加え
た後、1mlのバッファー液(20重量%エタノール水
溶液)を注入する。次いで、得られたカーボンブラック
分散液試料の0.5mlを注射器で加えて、遠心沈降を
開始させ、同時に記録計を作動させて、光学的にカーボ
ンブラック・アグリゲートのストークス相当径の分布曲
線を作成し、そして、そのようにして得られた分布曲線
における最大頻度のストークス相当径をDstモード径
(nm)とする。また、この得られた分布曲線における
最大頻度の50%の頻度が得られる大小2点のストーク
ス相当径の差が、該ストークス径分布における半値幅:
ΔDst(nm)とされる。
【0017】一方、前記した圧縮DBP量(CDBP)
は、ゴム成分中に分散せしめられたカーボンブラック粒
子のストラクチャーの尺度となるものであって、JIS
−K−6217−1997の「ゴム用カーボンブラック
の基本性能試験方法」における「圧縮試料のDBP吸収
量」に規定される方法に基づいて測定されるものであ
る。そして、ゴム成分中に配合されるカーボンブラック
のストラクチャーは、ゴム成分との混練りの際に、その
一部が切断されるのであるが、本発明に用いられるカー
ボンブラックにあっては、かかる圧縮DBP量(CDB
P)が、60ml/100g以上であるものが好適に採
用され、これによって、防振ゴムにおける硬度や強度を
始めとする各種物性や加工性等が有利に確保されること
となる。なお、そのような範囲の上限としては、一般
に、130ml/100g程度であるものが、より好適
に採用されることとなる。
【0018】なお、上記せる如き条件、ストークスモー
ド径(Dst):160nm以上、及び、圧縮DBP量
(CDBP):60ml/100g以上を満たすカーボ
ンブラックとしては、従来から、種々のものが市販され
ており、例えば、ショウブラックIP200(昭和キャ
ボット株式会社製)、シーストS(東海カーボン株式会
社製)、ダイヤブラックG(三菱化学株式会社製)、シ
ーストG−SVH(東海カーボン株式会社製)、シース
トG−V(東海カーボン株式会社製)、シーストG−F
Y(東海カーボン株式会社製)、シーストG−SHM
(東海カーボン株式会社製)等を挙げることが出来、そ
れらの中から適宜に選択され得るが、これらに何等限定
されるものではないことは、言うまでもないところであ
る。
【0019】要するに、添加せしめられるカーボンブラ
ックとしては、その粒子径が大きいもの程、ゴム組成物
から得られる加硫成形品の硬度や強度が低下する傾向に
あるものの、電気抵抗の向上に効果があり、また、同様
な粒子径のものであれば、そのストラクチャーを大きく
する、即ち、圧縮DBP量(CDBP)を大きくするこ
とで、ゴム組成物から得られるものの硬度や強度等の物
性を有利に確保することが出来るのであり、そのため、
本発明にあっては、比較的大きなストークスモード径
(Dst)と高い圧縮DBP量(CDBP)を有するカ
ーボンブラックを採用し、且つ、そのようなカーボンブ
ラックを、上記(1)式にて表わされるカーボン間距離
(S)が60nm以上となるように、適宜に配合、含有
せしめるようにすることが望ましいのであり、これによ
って、防振ゴムの用途上、各種の部材を支持するため等
に必要とされる硬度を有利に確保しつつ、高い電気抵抗
特性を有する防振ゴムが得られるようになっているので
ある。
【0020】ところで、本発明に従うゴム組成物を構成
する主成分たるゴム成分としては、従来から防振ゴムに
用いられるジエン系ゴム材料であれば、特に限定される
ものではなく、例えば、天然ゴム(NR)や、イソプレ
ンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブ
タジエンゴム(SBR)等を用いることが出来るのであ
る。そして、これらのジエン系ゴムは、単独又は任意の
ブレンドとして使用することが出来るが、それらの中で
も、NR、NRとBRとのブレンド物(混合物)、若し
くはNRとSBRとのブレンド物等の、NRを必須の成
分として含むジエン系ゴム材料が、より好適に採用さ
れ、それによって、より一層優れた防振特性が発揮され
ることとなる。なお、これらのジエン系ゴム材料には、
本発明の目的を阻害しない限りにおいて、他のゴム材料
等がブレンドされていても、何等差支えない。
【0021】そして、そのようなジエン系ゴム材料に対
して、上述の如き条件を満足するカーボンブラックが配
合せしめられることによって、本発明に従うゴム組成物
が調製されることとなり、そして、そのゴム組成物を加
硫することによって、本発明の目的の一つとする防振ゴ
ムが製造されることとなるのであるが、ここで、未加硫
のゴム成分の加硫に先立って配合される加硫剤として
は、ジエン系ゴム材料における加硫反応を良好に進行せ
しめ得るものであれば、如何なるものをも採用すること
が出来、一般に、ジエン系ゴム材料の種類や求められる
防振特性等を考慮して、公知の各種の加硫剤の中から、
適当なものが選択されて、ジエン系ゴム材料の使用量に
応じた量において用いられるのである。特に、先述せる
如く、ジエン系ゴム材料としてNRを必須の成分として
含むゴム材料を使用する際には、加硫剤として、硫黄を
用いることが望ましい。
【0022】また、前記したゴム組成物には、更に、上
記の加硫剤と併せて、適当な加硫促進剤や加硫促進助剤
等を、それぞれ、適量においてジエン系ゴム材料に配合
せしめることも可能である。ここで、そのような加硫促
進剤としては、例えば、メルカプトベンゾチアゾール
(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBT
S)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェ
ンアミド(BBS)、N−シクロルヘキシル−2−ベン
ゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジ
エチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(O
BS)等のスルフェンアミド系;ジメチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン
酸亜鉛(ZnEDC)等のジチオカルバミン酸塩類;テ
トラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラ
エチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド(TBTD)等のチウラム系等
を挙げることが出来、また、加硫促進助剤としては、酸
化亜鉛やステアリン酸等を例示することが出来るが、こ
れらに何等限定されるものではない。
【0023】さらに、かかるゴム組成物には、必要に応
じて、老化防止剤、軟化剤、ワックス、充填剤、可塑剤
等、従来から公知の各種のゴム用配合剤を、本発明の目
的を逸脱しない限りにおいて、配合せしめることも可能
である。
【0024】そして、本発明に従うゴム組成物からなる
防振ゴムを製造するに際しては、当業者に自明な各種の
手法が採用され得るのである。例えば、先ず、バンバリ
ーミキサーやロール機等の公知の混練装置を用いて、か
かる装置内に、未加硫のジエン系ゴム材料及び所定の条
件を満たすカーボンブラックを始めとする各種のゴム用
配合剤を導入した後、均一に混練せしめて、目的とする
カーボン間距離を満たすゴム組成物を調製する。次い
で、この得られたゴム組成物に更に加硫剤を均一に混練
せしめた後、所定温度に加熱せしめて、かかるゴム組成
物中のジエン系ゴム材料を加硫することにより、本発明
に従う防振ゴムを製造するのである。
【0025】なお、未加硫のジエン系ゴム材料や、カー
ボンブラック、加硫剤を始めとする各種ゴム用配合剤等
のゴム原料を、それぞれ、混練装置に導入するに際して
は、その導入順序は、上述の場合に何等限定されるもの
でなく、それらを同時に装置に供給するようにしても、
また、加硫剤を除く全てのゴム原料を供給して予備混練
(ベース練り)し、その後の混練り(仕上混練り)の際
に加硫剤を供給するようにしても、何等差支えないので
ある。
【0026】また、混練り条件や加硫条件にあっても、
ジエン系ゴム材料の種類や使用量等に応じて、適宜に設
定され得る。また、かかる加硫の具体的手法も、何等限
定されるものではなく、成形と同時に加硫を行なうプレ
ス加硫等の従来から公知の各種の手法が採用されるので
ある。また、このような加硫成形においては、その加硫
時において、或いは加硫後において、鉄材質やアルミ材
質からなる所定の金具の接着操作を行なっても、何等支
障はないのであり、従って、本発明は、金具を有しない
防振ゴムは、勿論のこと、そのような金具付きの防振ゴ
ムも、また、その適用対象とするものである。更にま
た、防振ゴムの形状、サイズ等も、特に限定されるもの
ではなく、用途等に応じて、適宜に設定され得る。
【0027】そして、そのようにして得られる防振ゴム
は、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウン
ト、メンバマウント、ストラットマウント、ストラット
バークッション、サスペンションブッシュ等の自動車用
防振ゴムとして、有利に用いられることとなる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0029】先ず、ジエン系ゴム材料として、未加硫の
天然ゴム(NR)を準備する一方、カーボンブラックと
して、下記表1に示される如き、8種のカーボンブラッ
クを準備した。
【0030】
【表1】
【0031】そして、先ず、下記表2及び表3(カーボ
ンブラック)に示される各種配合組成に従って、バンバ
リーミキサー内に、NR材料とカーボンブラック、及
び、加硫促進助剤:酸化亜鉛+ステアリン酸、老化防止
剤:オゾノン6C(6PPD:精工化学株式会社製)+
ノンフレックスRD(TMDQ:精工化学株式会社
製)、軟化剤:ナフテン系オイル、ワックス:サンノッ
ク(大内新興化学工業株式会社製)を仕込んで、混練せ
しめた後、更に、加硫剤:硫黄と加硫促進剤:N−シク
ロルヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
(CBS)とを、下記表2に示される割合にて添加し、
ロール機にて混練りして、均一に配合せしめることによ
り、実施例1〜8及び比較例1〜10に係るゴム組成物
を調製した。そして、その得られた未加硫のゴム組成物
を、150℃×20分にて、プレス加硫成形することに
より、NR材料を加硫せしめて、性能評価用の各種テス
トピースを、作製した。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】なお、硬さ試験用のテストピースとして
は、JIS−K−6253−1997の「加硫ゴム物理
試験方法」における「デュロメータ硬さ試験」に定めら
れる、厚さ:2mmの試験片を作製し、また、体積抵抗
率用のテストピースには、SRIS−2304−197
1に規定される150×150mm、厚さ約2mmの表
面平滑な加硫ゴムシートを作製した。また、防振特性の
評価のためのテストピースにあっては、先ず、上記加硫
成形により、直径:50mm及び高さ:25mmの円柱
形状を呈する加硫ゴム試料を作製した後、かかる加硫ゴ
ム試料の上下面に対して、直径:60mm及び厚さ:6
mmの鉄製円盤金具の一対を、接着剤にて加硫接着せし
めることにより、作製した。
【0035】そして、このようにして得られた実施例1
〜8及び比較例1〜10に係る各テストピースを用い
て、以下の如き硬さ試験、体積抵抗試験並びに防振特性
評価試験を行なった。
【0036】−硬さ試験− 上記において得られた硬さ試験用の各テストピースを用
いて、JIS−K−6253−1997の前記「デュロ
メータ硬さ試験」に準じて、タイプAデュロメータによ
り、テストピースの硬さを測定し、その結果を、下記表
4において、JISタイプA硬度(Hs)として、併せ
示した。
【0037】−体積抵抗試験− 上記において得られた各テストピースについて、その体
積抵抗率(ρv)を、社団法人日本ゴム協会制定の「ゴ
ム及びゴム状類似物の体積抵抗率試験方法」SRIS−
2304−1971に従って測定し、その結果を、下記
表4に併せ示した。ただし、この試験において、電極と
しては、直径50mmの主電極と、幅5mm×内径60
mmのガード電極及び、直径が少なくとも100mm以
上の対電極の3個の電極を用いる一方、測定条件は、印
加電圧:500V、印加時間:1分を採用した。
【0038】−防振特性評価試験− 上記で得た防振特性評価試験用の各テストピースを用い
て、それぞれのテストピースに対して、軸方向の荷重を
加えて、軸方向に5.5mm圧縮せしめ、一旦減荷した
後、再度、5.5mm圧縮せしめることにより、その2
回目の加荷過程における荷重−撓み特性を測定して、そ
れに基づいて荷重−撓み曲線を作成し、そして、その曲
線から、撓みが1.25mmと3.75mmの時の荷重
値:P1,P2 (単位は、N)を、それぞれ読み取っ
て、それより、次式: Ks=(P2 −P1 )/2.5 に従って、静的バネ定数:Ks(N/mm)を算出し、
その結果を、下記表4に併せ示した。
【0039】また、各テストピースを軸方向に2.5m
mだけ圧縮せしめた状態で、そのテストピースの下方か
ら、圧縮位置を中心とする振幅:±0.5mmの定変位
調和圧縮振動を、周波数:15Hzにおいて加える試験
を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴ
ムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠し
て、15Hz時の損失係数:tanδを求め、その結果
も、また、下記表4に併せ示した。なお、かかる損失係
数の値が大きいということは、対象とするテストピース
において、15Hzの振動に対して高い減衰性が発揮さ
れているものと、解することが出来る。
【0040】さらに、上記の如くして得られた、各テス
トピースにおける体積抵抗とカーボン間距離、ゴム硬
度、損失係数(tanδ)との関係を、それぞれ、図1
〜3において、グラフにて示した。なお、それらの図に
おいて、○印は実施例に係るテストピースを示す一方、
■印は比較例に係るテストピースを表わしている。
【0041】
【表4】
【0042】かかる表4及び図1〜3に示される結果か
らも明らかなように、実施例1〜8の如く、カーボン間
距離(S):60nm以上のカーボンブラックを配合せ
しめてなるテストピースにあっては、何れも、体積抵抗
が108 Ωcm以上となっており、高い電気抵抗特性が
有利に実現され得ていると共に、防振ゴムの用途上にお
いて所望とされる硬度(JISタイプA硬度)、具体的
には、45(JIS−A)以上も満足するものであるこ
とが分かる。また、これら実施例1〜8にあっては、損
失係数(tanδ)にて表わされる減衰性も、充分高度
に確保され得ていることが分かるのである。なお、それ
らの実施例の中でも、ストークスモード径(Dst):
160nm以上、圧縮DBP量(CDBP):60ml
/100g以上のカーボンブラックを配合せしめてなる
実施例1〜7のテストピースにあっては、何れも、体積
抵抗が109 Ωcm以上となっており、特に優れた電気
抵抗特性が効果的に発揮され得ていることが分かるので
ある。
【0043】これに対して、比較例1〜5に係るテスト
ピースにあっては、何れも、カーボンブラックのストー
クスモード径(Dst)が160nm未満であると共
に、カーボン間距離(S)が、本発明にて規定される範
囲から外れているために、電気抵抗が低下して、それら
に接触する金属に腐食の発生が惹起され易くなることが
認められるのである。更に、比較例6〜10に示される
如く、カーボンブラックのストークスモード径(Ds
t)及び圧縮DBP量(CDBP)が、それぞれ、16
0nm以上及び60ml/100g以上であっても、カ
ーボン間距離(S)が60nmに満たなければ、実施例
1〜8に係るテストピースと同様な高い体積抵抗を得る
ことは困難であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従うゴム組成物を加硫して得られるゴム(防振ゴム)
にあっては、防振ゴムに必要とされる硬度が有利に確保
されると共に、高い電気抵抗特性が実現され得ているの
である。従って、本発明に従う防振ゴムが、Fe−Al
間等の異種金属間に介装せしめられても、かかる金属に
おける腐食の発生が効果的に低減され得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において得られた、体積抵抗とカーボン
間距離(S)との関係を示すグラフである。
【図2】実施例において得られた、体積抵抗とゴム硬度
(Hs)との関係を示すグラフである。
【図3】実施例において得られた、体積抵抗と損失係数
(tanδ)との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 亜子 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 BA01 BB10 4J002 AC011 AC031 AC061 BC051 DA016 DA047 DE108 EF058 EV158 EV168 EV278 EV328 FD016 FD147 FD158 GM00 GN00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム材料をゴム成分として、こ
    れに、下記数1の(1)式にて示されるカーボン間距離
    (S)が60nm以上であるカーボンブラックを配合せ
    しめてなることを特徴とするゴム組成物。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記カーボンブラックが、160nm以
    上のストークスモード径(Dst)と、60ml/10
    0g以上の圧縮DBP量(CDBP)を有している請求
    項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のゴム組成
    物を加硫して得られる高硬度、高抵抗の防振ゴム。
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