JP2006335052A - 免震ゴム積層体 - Google Patents

免震ゴム積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006335052A
JP2006335052A JP2005166233A JP2005166233A JP2006335052A JP 2006335052 A JP2006335052 A JP 2006335052A JP 2005166233 A JP2005166233 A JP 2005166233A JP 2005166233 A JP2005166233 A JP 2005166233A JP 2006335052 A JP2006335052 A JP 2006335052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
seismic isolation
laminate
carbon black
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005166233A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4572746B2 (ja
Inventor
Kenji Yamamoto
健次 山本
Isao Natsubori
功 夏堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2005166233A priority Critical patent/JP4572746B2/ja
Publication of JP2006335052A publication Critical patent/JP2006335052A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4572746B2 publication Critical patent/JP4572746B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Springs (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】 金属板等の剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられてなる積層体構造の免震ゴム積層体において、かかるゴム層を与えるゴム組成物の加工性を確保しつつ、弾性特性の温度依存性の改善を図り、更に、より一層の高減衰特性を実現すること。
【解決手段】 剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層体にして、前記ゴム層が、ブタジエンゴムを主成分とするゴム材料を用い、該ゴム材料の100重量部に対して、窒素吸着比表面積が150〜230m2 /gで且つアグリゲート間距離が7〜12nmであるカーボンブラックの90〜120重量部と、アスファルト類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種の10〜100重量部とをそれぞれ配合せしめてなるゴム組成物を用いて、形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、免震ゴム積層体に係り、特に土木や建築用等の構造物を支承する免震ゴム積層体、中でも、橋梁の橋脚への支承のために好適に用いられる橋梁用免震ゴム積層体(支承体)に関するものである。
従来から、土木や建築等の分野における構造物の支持に使用されている、免震ゴム積層体たるゴム支承体は、上部構造体と下部構造体との間に介在せしめられて、配置されるものであるが、通常、それらの構造体の重量が極めて大きいために、金属板等の剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられてなる積層体構造とされており、それによって、建物の防振支持乃至は免震支持や橋梁の荷重支持、更には免震支持等の、ゴム支承体としての機能が効果的に果たされ得るようになっている。
具体的には、例えば、図1に示される如く、免震ゴム積層体10は、ゴムブロック12内に、硬質板としての金属板14の複数枚が所定間隔を隔てて埋設されることによって、そのような金属板14と、それら金属板14、14間に位置するゴムブロック12部分であるゴム層16とが、交互に、一体的に積層されてなる構造を有していると共に、ゴムブロック12の上部及び下部には、それぞれ、金属製の上部取付板18及び下部取付板20が固着せしめられた構造となっているのである。
そして、そのような免震ゴム積層体10は、その上部取付板18及び下部取付板20において、橋梁等の上部構造体と橋脚等の下部構造体との間に挟持、配置されて、固定せしめられ、コンクリート橋脚等の大なる重量の上部構造体を支持するようになっているのであり、以て、免震ゴム積層体としての本来の機能が奏せしめられ得るようになっている。即ち、地震、強風、或いは橋上を通過する車両等による重量や加速度の影響によって生じる撓み及び変位が、ゴム積層体の剪断方向の緩衝作用によって吸収され、また、上下方向の振動も、ゴム積層体の緩衝作用によって吸収され得るようになっている。
ところで、上記の如き構造の免震ゴム積層体は、本来的に、高減衰特性を有するものであることが望ましいことは勿論、その設置場所からして、低温度から高温度に至る広い温度領域に晒されやすく、特に、橋梁の橋脚への支承のために使用される橋梁用支承体にあっては、氷点下の温度から30℃を遥かに越える温度に至る、厳しい自然環境下に置かれることとなるところから、弾性係数の温度依存性が少ないものであることが、望ましいのである。
このため、本発明者等にあっては、先に、特開2000−97270号公報(特許文献1)等において、天然ゴム(NR)やジエン系合成ゴム等を主成分とするゴム材料に対して、SAFの如きカーボンブラックの所定割合を配合せしめ、更に、アスファルト類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種からなる減衰特性向上成分を、所定割合において配合してなるゴム組成物を用いて、免震ゴム積層体のゴム層を形成することにより、弾性特性における温度依存性を小さく保ちつつ、減衰特性を有利に向上せしめ得ることを明らかにしたのであり、また、そこでは、そのような減衰特性向上成分による温度依存性に対する影響を効果的に緩衝して、温度依存性を可及的に小さく為すべく、可塑剤を添加することが良いことも、明らかにされている。
しかしながら、そのような免震ゴム積層体を寒冷地において用いるためには、現状よりも更に温度依存性の改良が要請されており、また、それが適用される橋梁全体の低コスト設計を実現する上においては、免震ゴム支承体の減衰特性の向上が有効な手段として考えられており、そのため、更なる温度依存性の改良と減衰特性の向上とが必要とされてきている。そして、そのような要請に応えるべく、従来からの認識に従って、アスファルト類等の減衰特性向上成分の配合量を増量させれば、減衰特性は向上せしめられ得るものの、温度依存性が悪化してしまうという問題が惹起されることとなる。そして、この温度依存性が悪化すると、橋の設計にも困難を来たすようになるのである。
また、この減衰特性を向上せしめる他の手法としては、SAFより更に小粒子のカーボンブラックを使用したり、或いはカーボンブラックを高充填したりすることも考えられるのであるが、その場合において、得られるゴム組成物の加工性が悪化し、焼け(スコーチ)が惹起されやすい材料となってしまう問題があり、その結果、目的とする免震ゴム積層体の作製時において、ゴム/金属間の接着剥がれや、ゴム/ゴム割れが惹起されやすいという問題を内在することとなる。
特開2000−97270号公報
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、金属板等の剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられてなる積層体構造の免震ゴム積層体において、かかるゴム層を与えるゴム組成物の加工性を確保しつつ、弾性特性の温度依存性の改善を図り、更に、より一層の高減衰特性を実現することにある。
そして、本発明にあっては、そのような課題を有利に解決するために、剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層体にして、前記ゴム層が、ブタジエンゴムを主成分とするゴム材料を用い、該ゴム材料の100重量部に対して、窒素吸着比表面積が150〜230m2 /gで且つアグリゲート間距離が7〜12nmであるカーボンブラックの90〜120重量部と、アスファルト類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種の10〜100重量部とをそれぞれ配合せしめてなるゴム組成物を用いて、形成されていることを特徴とする免震ゴム積層体を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う免震ゴム積層体における好ましい態様の一つによれば、前記ブタジエンゴムのシス分含有量が、50%以下であるものが有利に用いられ、これによって、減衰性の更なる向上が図られ得ることとなる。
このように、本発明に従う免震ゴム積層体にあっては、そのゴム層を形成するゴム組成物を構成するゴム材料として、ブタジエンゴム(BR)を主体とするポリマーを用いる一方、カーボンブラックとしては、従来のSAFカーボンよりも更に微粒の高減衰カーボンを用いていることにより、加工性や弾性特性の温度依存性を何等悪化させることなく、その減衰特性を一段と向上せしめ得ることとなったのであり、以て、寒冷地における建物の防振支持乃至は免震支持や橋梁の荷重支持、更には免震支持等の用途に、有利に適用され得るのである。
ところで、かかる本発明に従う免震ゴム積層体は、代表的には、例えば、先に触れたように、図1に示される如き構造を呈するものであって、ゴムブロック12内に、剛性を有する硬質板として、複数の金属板14を、所定の間隔を隔てて埋設配置せしめ、それら金属板14、14間にゴム層16を形成してなる構造とされ、以て、それら金属板14とゴム層16とが交互に積層せしめられてなる積層構造体とされているものである。そして、そこにおいて、そのような免震ゴム積層体10を構成するゴムブロック12、具体的にはゴム層16が、本発明に従って、特定のゴム組成物を用いて形成されているのである。
すなわち、そのようなゴム組成物は、ブタジエンゴムを主成分とするゴム材料を用い、このゴム材料の100重量部に対して、窒素吸着比表面積が150〜230m2 /gで且つアグリゲート間距離が7〜12nmであるカーボンブラックの90〜120重量部と、アスファルト類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種の10〜100重量部とをそれぞれ配合せしめてなるものであって、そこに、本発明の大きな技術的特徴が存しているのである。
そして、そこでは、先ず、かかるゴム組成物を与える主要成分たるゴム材料は、ブタジエンゴム(BR)を主体とする(少なくとも50重量%以上の割合において含まれる)ポリマーにて構成されるものであるが、ここで用いられるBRは、そのガラス転移点が−95〜−102℃と良好であって、その採用によって、最終製品である免震ゴム積層体10のばね(弾性特性)の温度依存性を良好に確保し得ることに加えて、ゴム組成物の加工性の向上乃至はスコーチ性の向上を効果的に図り得るのである。しかも、本発明にあっては、そのようなBRとして、シス分(シス1、4形)の含有量が50%以下であるものが、有利に用いられ、これによって、高歪み領域における減衰特性の向上を効果的に図り得ることとなる。なお、このBRに配合せしめられるゴム成分としては、IR(合成イソプレンゴム)の如きジエン系ゴムを挙げることが出来る。
また、本発明にあっては、配合せしめられるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が150〜230m2 /gの範囲内の微粒である必要があり、また、アグリゲート間距離が7〜12nmの範囲内にある必要がある。ここで、かかる窒素吸着比表面積が150m2 /gよりも低くなったり、アグリゲート間距離が12nmよりも大きくなると、高減衰特性が有利に発揮され得なくなる等の問題があり、一方、窒素吸着比表面積が230m2 /gよりも高くなったり、アグリゲート間距離が7nmよりも小さくなったりすると、ゴム組成物の粘度が上昇して、加工性が悪化し、練り混合時に発熱が大きくなって、ポリマーが分解したりする等の問題を惹起する。
なお、ここで、上記のカーボンブラックのアグリゲート間距離(S)は、よく知られているように、下記の式(1)にて規定されるものである。
S=f・Dst{[k/(φ・β)1/3]−1}・・・(1)
[但し、f=exp(ΔDst/2Dst)2
β=(1+0.0181×CDBP)/1.59
k=定数(0.86)
φ=カーボンブラックの容積分率
Dst=ストークスモード径
ΔDst=Dst分布の半値幅
CDBP=圧縮DBP吸収量]
本発明では、このアグリゲート間距離(S)を、7〜12nmと小さくすることで、カーボンブラックの粒子間の距離を短くして、カーボンブラック間の相互作用(摩擦力)を増加せしめ、剪断特性を発揮するときに、摩擦発熱を生じさせて、減衰特性が効果的に向上せしめられ得るようになるのである。なお、このアグリゲート間距離(S)の数値は、カーボンブラック特性(CDBP、Dst、ΔDst)とカーボンブラックの体積分率とで決まり、そこでは、カーボンブラックの添加量が多くなると、アグリゲート間距離(S)の値は小さくなるが、加工性が悪化するようになるのである。また、そのようなカーボンブラック特性において、本発明にあっては、CDBPが90〜110cm3 /100g程度、Dstが50〜60nm程度、ΔDstが30〜50nm程度の値が、有利に採用されることとなる。
そして、そのような窒素吸着比表面積とアグリゲート間距離を有するカーボンブラックは、前記したゴム材料の100重量部に対して、90〜120重量部の割合において、配合せしめられるのである。なお、この配合量が少なくなると、高減衰特性の発現が不充分となるからであり、また、その配合量が多過ぎる場合にあっては、加工性が悪化する問題を惹起することとなる。
また、本発明において、上記したカーボンブラックと共に配合せしめられる、アスファルト類、タール類及びピッチ類は、何れも、減衰特性の向上を図る性分として配合されるものであって、本発明では、それらの1種乃至は複数が組み合わされて、用いられることとなる。なお、そのような減衰特性向上成分のうち、アスファルト類としては、例えば、各種の天然アスファルトの他、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルトが用いられ、また、タール類としては、コールタール、ケツ岩タール、木タール、オイルガスタール、石油タール、精製タール等が用いられ、更にピッチ類としては、コールタールピッチ、木タールピッチ、ロジンピッチ等が用いられ、そして、それらの中でも、軟化点が110℃以上であるアスファルト類及びピッチ類を使用することが好ましく、更に有利には、かかる軟化点を有する天然アスファルトの使用が、特に推奨される。
そして、この種の減衰特性向上成分の配合量としては、目的とする減衰特性において適宜に決定されることとなるが、その配合において充分な減衰特性の向上を発揮せしめるためには、ゴム材料の100重量部に対して、少なくとも10重量部以上、好ましくは30重量部以上、配合せしめることが必要となる。また、その余りにも多量の配合は、形成されるゴムブロック12の弾性特性の温度依存性を悪化せしめるようにもなるところから、ゴム材料の100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは70重量部以下の配合割合とされる。
なお、本発明においては、凝固点が−30℃以下である可塑剤を、上記したカーボンブラックと減衰特性向上成分に組み合わせて、配合せしめることによって、それらカーボンブラックや減衰特性向上成分によって奏される有効な機能を維持しつつ、それらの成分による温度依存性に対する影響を効果的に緩衝して、かかる温度依存性を小さくすることに、有利に寄与せしめることも可能である。そして、そのような可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペート等のアジペート系可塑剤;ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等のセバケート系可塑剤;トリクレジルフォスフェート(TCP)、クレジルフェニルフォスフェート(CDP)、トリブチルフォスフェート(TBP)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリブトキシエチルフォスフェート(TBXP)等のフォスフェート系可塑剤の他、ジ−2−エチルへキシルアゼレート(DOZ)、ジ−2−エチルヘキシルドデカンジオエート(DODN)等を挙げることが出来、それらの1種或いは2種以上が組み合わされて、用いられることとなる。
また、そのような性質を有する可塑剤にあっては、ゴム材料の100重量部に対して、1〜50重量部の割合において、より好適には、2〜25重量部の割合において配合せしめられるものである。蓋し、その配合量があまりにも少ないと、温度依存性の改善効果を充分に発現し得なくなり、また一方、配合量が多過ぎる場合にあっては、相溶性が悪化するため、本発明に係る免震ゴム積層体10において、可塑剤がゴムブロック12(ゴム層16)の外表面から滲み出る、所謂、ブリードの如き問題を惹起するようになる。
そして、かくの如き、BR系のゴム材料に対して、特定のカーボンブラックや所定の減衰特性向上成分が、所定割合において配合せしめられ、また可塑剤が所定割合にて配合されてなるゴム組成物には、従来と同様に、硫黄の如き加硫剤が添加され、更に、必要に応じて、適当な加硫促進剤、ステアリン酸や亜鉛華等の加硫促進助剤、オイル等の軟化剤、ワックス、老化防止剤等の公知の各種のゴム用配合剤が、通常の範囲内において配合せしめられ、目的とするゴム層16を与えるゴムブロック12の形成に用いられることとなるのである。
また、かくの如きゴム組成物を用いて、本発明に従う免震ゴム積層体を製造するに際しては、従来から公知の各種の手法が適宜に採用され、例えば、図1に示される如き免震ゴム積層体10を得るには、密閉式混練り機等により、所定のゴム組成物の混練りを行なった後において、加硫成形金型を用いて、所定の金属板14或いはそれと共に、上部及び下部取付板18、20の存在下、所定のゴム組成物を注入して、ゴムブロック12を加硫成形せしめることにより、金属板14、14の間にゴム層16が介在せしめられて、一体的に加硫接着されてなる構造とする方法や、適当な接着剤を用いて、金属板14とゴム組成物から形成されたゴム層16とを交互に積層接着せしめて、一体化することにより、積層体と為す方法等が、採用されることとなる。
なお、本発明に従う免震ゴム積層体において、剛性を有する硬質板として用いられる金属板14としては、耐圧縮性に優れた鉄板や鋼板が好適に用いられ得るものであるが、他の金属材質のものであっても、何等差支えなく、更には、硬質プラスチック板材等であっても、耐圧縮性に優れたものであれば、同様に使用可能である。
また、かかる免震ゴム積層体10の全体形状としては、その設置形態に応じた適宜の形状が採用され、例えば、平面形態において、四角形形状や円板形状の他に、楕円形状や五角形、六角形等の多角形形状とすることも可能であり、更に、金属板14やゴム層16の積層数にあっても、免震ゴム積層体の用途に応じて、適宜に決定されることとなる。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、下記表1〜表2に示される各種配合組成のゴム組成物(本発明例1〜6及び比較例1〜3)を調製した。なお、かかるゴム組成物の調製に際して、ゴム材料としては、BR(旭化成工業株式会社製、ジエンNF35R;シス含有量=35%)及び合成イソプレンゴム(IR)を用いると共に、減衰特性向上成分としては、天然アスファルト(軟化点=120℃)を用いた。また、カーボンブラック(CB)としては、カーボンブラックのメーカーから提供された、窒素吸着比表面積の異なる、表3に示される如き特性を有する5種のもの(A〜E)を用いた。なお、ここで、窒素吸着比表面積は、JIS−K−6217−1997に準拠して、測定されたものである。また、表1及び表2において、DOAは、可塑剤としてのジオクチルアジペートであり、MSA及びTBTは、それぞれ、加硫促進剤としてのN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びテトラブチルチウラムジスルフィドをそれぞれ示している。
次いで、上記で得られた各種ゴム組成物を用いて、150℃×30分の加硫条件を採用して、JIS−K−6394(1998)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの動的性質試験法」に規定されている金具付円柱状の剪断方法用試験片を作製した。なお、そのような試験片の作製に際しては、各ゴム組成物の加工性について、練り加工性と成形加工性の観点から、○×の2段階において評価し、その結果を、表1及び表2に併せ示した。その後、得られた各試験片を用いて、JIS−K−6394(1998)に規定される「6.大型試験装置による動的性質試験」に従って、試験温度:−10℃、20℃又は40℃、試験振動数:0.5Hz、歪み振幅(剪断):250%の条件下において、それぞれ、荷重/撓み曲線を11回連続して測定した。
そして、得られた2回目から11回目までの計10回の荷重/撓み曲線から、各測定温度での等価剛性:Keq(−10℃)、Keq(40℃及び20℃)での等価減衰定数:Heqを求めた。また、得られた等価剛性を用い、以下の式から、G(温度依存性)をそれぞれ算出した。そして、それら得られた結果から、減衰特性及び温度依存性について、総合的に判断し、○、×の2段階評価を行い、表1及び表2に併せ示した。
G(温度依存性)=Keq(−10℃)/Keq(40℃)
また、上述の如くして得られた減衰特性と加工性の結果から、それらのバランスが良好であるものを○、それ以外のものを×として、総合的な評価を行ない、その結果を、下記表1及び表2に示した。
Figure 2006335052
Figure 2006335052
Figure 2006335052
かかる表1及び表2の結果から明らかなように、本発明例1〜6に係るゴム組成物は、何れも、温度依存性の影響をあまり受けることなく、また、良好な加工性を保持しつつ、減衰特性のより一層の向上に効果があることが認められると共に、比較例1〜3のゴム組成物に比べて、減衰特性と加工性のバランスにおいて、優れていることが認められるのである。
本発明が適用される免震ゴム積層体の代表的な一例を示す一部切欠き説明図である。
符号の説明
10 免震ゴム積層体
12 ゴムブロック
14 金属板
16 ゴム層
18 上部取付板
20 下部取付板

Claims (2)

  1. 剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層体にして、前記ゴム層が、ブタジエンゴムを主成分とするゴム材料を用い、該ゴム材料の100重量部に対して、窒素吸着比表面積が150〜230m2 /gで且つアグリゲート間距離が7〜12nmであるカーボンブラックの90〜120重量部と、アスファルト類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種の10〜100重量部とをそれぞれ配合せしめてなるゴム組成物を用いて、形成されていることを特徴とする免震ゴム積層体。
  2. 前記ブタジエンゴムのシス分含有量が、50%以下である請求項1に記載の免震ゴム積層体。
JP2005166233A 2005-06-06 2005-06-06 免震ゴム積層体 Active JP4572746B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166233A JP4572746B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 免震ゴム積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005166233A JP4572746B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 免震ゴム積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006335052A true JP2006335052A (ja) 2006-12-14
JP4572746B2 JP4572746B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=37555981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005166233A Active JP4572746B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 免震ゴム積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4572746B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008202660A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Tokai Rubber Ind Ltd 免震ゴム積層体
JP2015004005A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 東洋ゴム工業株式会社 防振ゴム用ゴム組成物
CN113944471A (zh) * 2020-07-17 2022-01-18 中国铁建重工集团股份有限公司 一种盾构机及其盾尾密封刷
CN115182240A (zh) * 2022-09-13 2022-10-14 中裕铁信交通科技股份有限公司 一种摩擦型高阻尼橡胶减震支座及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08269237A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Tokai Rubber Ind Ltd 防振ゴム組成物
JPH10176083A (ja) * 1996-10-15 1998-06-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 免震積層体用ゴム組成物
JP2000097270A (ja) * 1998-07-21 2000-04-04 Tokai Rubber Ind Ltd 免震ゴム積層体
JP2002194140A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Tokai Rubber Ind Ltd ゴム組成物および自動車用防振ゴム
JP2002293992A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Tokai Rubber Ind Ltd 高硬度、高抵抗の防振ゴム及びそれを与えるゴム組成物
JP2004292679A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Tokai Rubber Ind Ltd 防振ゴム組成物およびそれを用いた自動車用防振ゴム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08269237A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Tokai Rubber Ind Ltd 防振ゴム組成物
JPH10176083A (ja) * 1996-10-15 1998-06-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 免震積層体用ゴム組成物
JP2000097270A (ja) * 1998-07-21 2000-04-04 Tokai Rubber Ind Ltd 免震ゴム積層体
JP2002194140A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Tokai Rubber Ind Ltd ゴム組成物および自動車用防振ゴム
JP2002293992A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Tokai Rubber Ind Ltd 高硬度、高抵抗の防振ゴム及びそれを与えるゴム組成物
JP2004292679A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Tokai Rubber Ind Ltd 防振ゴム組成物およびそれを用いた自動車用防振ゴム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008202660A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Tokai Rubber Ind Ltd 免震ゴム積層体
JP2015004005A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 東洋ゴム工業株式会社 防振ゴム用ゴム組成物
CN113944471A (zh) * 2020-07-17 2022-01-18 中国铁建重工集团股份有限公司 一种盾构机及其盾尾密封刷
CN113944471B (zh) * 2020-07-17 2024-01-19 中国铁建重工集团股份有限公司 一种盾构机及其盾尾密封刷
CN115182240A (zh) * 2022-09-13 2022-10-14 中裕铁信交通科技股份有限公司 一种摩擦型高阻尼橡胶减震支座及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4572746B2 (ja) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6261131B2 (ja) 高減衰組成物、制震ダンパおよび免震支承
JP5330460B2 (ja) 高減衰組成物
JP4572746B2 (ja) 免震ゴム積層体
JP2008202660A (ja) 免震ゴム積層体
JP3125103B2 (ja) 免震積層体用ゴム組成物
JP6195338B2 (ja) 高減衰組成物および粘弾性ダンパ
JP2012219150A (ja) 高減衰組成物
JP5568581B2 (ja) 高減衰組成物および粘弾性ダンパ
JP3977589B2 (ja) 免震ゴム積層体
JP4595788B2 (ja) 免震ゴム積層体
JP3666382B2 (ja) 免震ゴム積層体
US6235400B1 (en) Vibration-isolating laminar rubber structure having rubber layers whose composition includes at least one of asphalt, tar and pitch materials
JP2000097270A (ja) 免震ゴム積層体
JP4120602B2 (ja) 免震ゴム積層体
JP2011132481A (ja) 高減衰組成物
JP3879499B2 (ja) 免震ゴム積層体
JP2007263258A (ja) 免震ゴム積層体
JP2014224180A (ja) 高減衰組成物および粘弾性ダンパ
JP5043310B2 (ja) 低反撥ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JPH0657036A (ja) 高減衰性ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP2002340088A (ja) 免震ゴム積層体
JP4114813B2 (ja) 制振壁構造
JPH0859899A (ja) 高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP2006045325A (ja) 高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体
JP2000130505A (ja) 免震ゴム積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4572746

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350