JP2002340088A - 免震ゴム積層体 - Google Patents

免震ゴム積層体

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JP2002340088A
JP2002340088A JP2001145023A JP2001145023A JP2002340088A JP 2002340088 A JP2002340088 A JP 2002340088A JP 2001145023 A JP2001145023 A JP 2001145023A JP 2001145023 A JP2001145023 A JP 2001145023A JP 2002340088 A JP2002340088 A JP 2002340088A
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JP
Japan
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rubber
weight
seismic isolation
parts
laminate
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Application number
JP2001145023A
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English (en)
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Kenji Yamamoto
健次 山本
Isao Natsubori
功 夏堀
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板等の剛性を有する硬質板とゴム層とが
交互に積層せしめられてなる積層体構造の免震ゴム積層
体にして、免震支承用としての高減衰特性を有すると共
に、弾性特性の温度依存性が少なく、なお且つゴム層を
与えるゴム組成物の加工性に優れる免震ゴム積層体を提
供すること。 【解決手段】 剛性を有する硬質板14とゴム層16と
が交互に積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層
体10において、前記ゴム層16を、ゴム材料の100
重量部に対して、アスファルト類、タール類及びピッチ
類のうちの少なくとも1種を1〜70重量部の割合で配
合すると共に、ポリオレフィン系ワックスを1〜35重
量部の割合で更に配合してなるゴム組成物を用いて、形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、免震ゴム積層体に係り、特に土
木や建築用等の構造物を支承する免震ゴム積層体、中で
も、橋梁の橋脚への支承のために好適に用いられる橋梁
用免震ゴム積層体(支承体)に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、土木や建築等の分野における構
造物の支持に使用されている、免震ゴム積層体たるゴム
支承体は、上部構造体と下部構造体との間に介在せしめ
られて、配置されるものであるが、通常、それらの構造
体の重量が極めて大きいために、金属板等の剛性を有す
る硬質板とゴム層とが交互に積層せしめられてなる積層
体構造とされており、それによって、建物の防振支持乃
至は免震支持や橋梁の荷重支持、更には免震支持等の、
ゴム支承体としての機能が効果的に果たされ得るように
なっている。
【0003】具体的には、例えば、図1に示される如
く、免震ゴム積層体10は、ゴムブロック12内に硬質
板としての金属板14の複数枚が所定間隔を隔てて埋設
されることによって、そのような金属板14と、それら
金属板14,14間に位置するゴムブロック12部分で
あるゴム層16とが、交互に、一体的に積層されてなる
構造を有していると共に、ゴムブロック12の上部及び
下部には、それぞれ、金属製の上部取付板18及び下部
取付板20が固着せしめられた構造となっているのであ
る。そして、そのような免震ゴム積層体10は、その上
部取付板18及び下部取付板20において、橋梁等の上
部構造体と橋脚等の下部構造体との間に挟持、配置され
て、固定せしめられ、コンクリート橋脚等の大なる重量
の上部構造体を支持するようになっているのであり、以
て免震ゴム積層体としての本来の機能が奏せしめられ得
るようになっている。即ち、地震、強風或いは橋上を通
過する車両等による重量や加速度の影響によって生じる
撓み及び変位が、ゴム積層体の剪断方向の緩衝作用によ
って吸収され、また上下方向の振動も、ゴム積層体の緩
衝作用によって吸収され得るようになっているのであ
る。
【0004】ところで、上記の如き構造の免震ゴム積層
体は、本来的に、高い減衰特性を有するものであること
が望ましいことは勿論、その設置場所からして、低温度
から高温度に至る広い温度領域に晒され易く、特に、橋
梁の橋脚への支承のために使用される橋梁用支承体にあ
っては、氷点下の温度から30℃を遙かに超える温度に
至る厳しい自然環境下におかれることとなるところか
ら、弾性係数の温度依存性が少ないものであることが、
望ましい。
【0005】しかしながら、従来の免震ゴム積層体にあ
っては、そのゴム層(ゴムブロック)を与えるゴム組成
物として、単に、天然ゴム(NR)の如きゴム材料に適
当な加硫剤を配合してなる、通常のゴム組成物が用いら
れているところから、減衰特性が今一つ充分でないこと
に加えて、そのような減衰特性を向上せしめるとされる
従来から公知の成分を配合したりすると、弾性係数の温
度依存性が比較的大きくなって、免震ゴム積層体として
の特性、特に弾性特性が周囲温度に左右されるという問
題を内在するものであった。
【0006】かかる状況下、そのような弾性特性を向上
せしめるべく、例えば、(1)カーボンブラックの配合
量を増大せしめる手法や、(2)オイルの配合量を減少
せしめる手法、(3)加硫剤である硫黄の添加量を増加
させる手法等が、種々検討されてきているのであるが、
その中で、(1)及び(2)の手法にあっては、混練り
・成形時にゴムの温度が上昇してゴムが焼け易くなると
共に、ゴム組成物のムーニー粘度が上昇して加工性が悪
化したり、また、(3)の手法にあっては、免震ゴム積
層体に必要とされる減衰特性が低下せしめられるといっ
た問題が惹起せしめられていたのである。
【0007】一方、本願出願人にあっては、先に、特開
2000−97270号公報において、所定のゴム材料
に対して、アスファルト類、タール類及びピッチ類のう
ちの少なくとも1種を所定割合において配合してなるゴ
ム組成物を用いて、免震ゴム積層体のゴム層を形成する
ことにより、弾性特性における温度依存性を小さく保ち
つつ、減衰特性を有利に向上せしめ得ることを明らかに
したのであるが、そのような先の出願に係る免震ゴム積
層体について、本発明者等が更なる検討を加えた結果、
前記アスファルト類等のゴム組成物への配合によって、
免震ゴム積層体のゴム層(ゴムブロック)の形成時にお
けるゴム組成物の加工性、例えば練り加工性や成形加工
性等が低下して、生産性に望ましくない影響をもたらす
等といった新たな問題が惹起されることを、知見したの
である。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、金属板等の剛性を有する硬質板とゴム層とが交
互に積層せしめられてなる積層体構造の免震ゴム積層体
にして、免震支承用としての高減衰特性を有すると共
に、弾性特性の温度依存性が少なく、なお且つゴム層を
与えるゴム組成物の加工性に優れる免震ゴム積層体を提
供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、そのような課
題を解決するために、剛性を有する硬質板とゴム層とが
交互に積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層体
にして、前記ゴム層が、ジエン系ゴムを主成分とするゴ
ム材料の100重量部に対して、アスファルト類、ター
ル類及びピッチ類のうちの少なくとも1種を1〜70重
量部の割合で配合すると共に、ポリオレフィン系ワック
スを1〜35重量部の割合で更に配合してなるゴム組成
物を用いて形成されていることを特徴とする免震ゴム積
層体を、その要旨とするものである。
【0010】すなわち、このような本発明に従う免震ゴ
ム積層体にあっては、金属板の如き硬質板の間に位置せ
しめられるゴム層を与えるゴム組成物に、アスファルト
類、タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種とポ
リオレフィン系ワックスとを組み合わせて、それらを、
それぞれ所定割合において配合せしめたところに、大き
な特徴を有しているのである。要するに、本発明にあっ
ては、そのようなアスファルト類、タール類及びピッチ
類のうちの少なくとも1種のものの特定量の配合によっ
て、高い減衰特性と、弾性係数の如き弾性特性における
小さな温度依存性とを両立的に達成し得たばかりでな
く、ポリオレフィン系ワックスの特定量の配合によっ
て、前記アスファルト類等により奏される高減衰特性と
小さな温度依存性に大きな影響を何等与えることなく、
ゴム組成物の練り加工性や成形加工性等を有利に向上せ
しめ得たのである。
【0011】なお、かくの如き本発明に従う免震ゴム積
層体における好ましい態様の一つによれば、前記ゴム組
成物が、前記ゴム材料の100重量部に対して、30n
m以下の一次粒子径を有するカーボンブラックを、50
〜150重量部の割合において更に含んでいることが望
ましく、これによって、かかるゴム組成物の加工性を充
分に確保しつつ、アスファルト類等の成分の含有に起因
する温度依存性への影響を効果的に緩衝乃至は回避し
て、目的とする弾性特性を有利に実現することが出来
る。
【0012】また、本発明に従う免震ゴム積層体の他の
好ましい態様の一つにおいては、前記ゴム組成物に対し
て、凝固点が−30℃以下である可塑剤が、前記ゴム材
料の100重量部に対して1〜50重量部の割合におい
て、更に配合せしめられることとなる。即ち、かかる特
定の可塑剤を所定量においてゴム組成物中に配合せしめ
ることによって、前述せる如きアスファルト類等の成分
の配合によって発揮される有効な減衰特性を高度に維持
しつつ、減衰特性及び弾性特性の温度依存性を更に有利
に小ならしめることが出来るのである。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、かかる本発明に従う免
震ゴム積層体は、代表的には、図1に示される如き構造
を呈するものであって、ゴムブロック12内に、剛性を
有する硬質板として、所定間隔を隔てて配置された複数
の金属板14によって、それら金属板14,14間に、
ゴム層16が形成され、以て、それら金属板14とゴム
層16とが交互に積層せしめられてなる積層構造とされ
ているものであり、そこにおいて、このような免震ゴム
積層体10を構成するゴムブロック12(具体的には、
ゴム層16)が、本発明に従って、特定のゴム組成物を
用いて形成されているのである。
【0014】すなわち、そのようなゴム組成物は、所定
のゴム材料の100重量部に対して、アスファルト類、
タール類及びピッチ類のうちの少なくとも1種と共に、
ポリオレフィン系ワックスを、それぞれ所定割合におい
て配合せしめてなるものであって、そこに、本発明の格
別顕著な特徴が存している。
【0015】ここにおいて、かかるアスファルト類、タ
ール類及びピッチ類は、何れも、弾性特性における温度
依存性の悪化を阻止乃至は抑制しつつ、減衰特性の向上
を図る成分として配合されるものであって、本発明で
は、それらの1種乃至は複数が組み合わされて、用いら
れることとなる。なお、かくの如き減衰特性向上成分の
うち、アスファルト類としては、例えば、各種の天然ア
スファルトの他、ストレートアスファルト、ブローンア
スファルト、カットバックアスファルト等の石油アスフ
ァルト等が用いられ、また、タール類としては、コール
タール、ケツ岩タール、木タール、オイルガスタール、
石油タール、精製タール等が用いられ、更にピッチ類と
しては、コールタールピッチ、木タールピッチ、ロジン
ピッチ等が用いられる。そして、それらの中でも、軟化
点が110℃以上であるアスファルト類及びピッチ類を
使用することが好ましく、更に有利には、かかる軟化点
を有する天然アスファルトの使用が、特に推奨されるの
であって、それによって、より高い減衰特性と、弾性特
性におけるより小さな温度依存性とを、両立して達成す
ることが出来るのである。
【0016】そして、この種の減衰特性向上成分の配合
量としては、目的とする減衰特性に応じて適宜に決定さ
れることとなるが、その配合によって充分な減衰特性の
向上を発揮せしめるためには、ゴム材料の100重量部
に対して、少なくとも1重量部以上、好ましくは5重量
部以上、より好ましくは20重量部以上、配合せしめる
ことが必要となる。また、その余りにも多量の配合は、
形成されるゴムブロック12の弾性特性の温度依存性を
悪化せしめるようになるところから、ゴム材料の100
重量部に対して70重量部以下、好ましくは60重量部
以下の配合割合とされるのである。
【0017】一方、上述せる如き減衰特性向上成分と共
にゴム組成物に配合せしめられるポリオレフィン系ワッ
クスは、前記した減衰特性向上成分により奏される高減
衰特性と、弾性特性における小さな温度依存性とを、大
きく阻害することなく、それら特性を充分高度に確保す
ると共に、該減衰特性向上成分により低下するゴム組成
物の加工性、例えば、練り加工性や成形加工性等を、実
用上、有利となる程度にまで高めることが出来るという
特徴を発揮するものである。
【0018】すなわち、かかるポリオレフィン系ワック
スを配合することによって、ゴム組成物の粘度が有利に
低下せしめられ得ることとなり、以て、後に詳述する如
き免震ゴム積層体10の製造におけるゴム組成物の混練
り工程において、混練り性が良好なものとなって、その
練り時間の短縮化が有利に図られ得ると共に、混練りゴ
ムの温度上昇に起因してゴムが焼けるようなことが効果
的に防止され得るのであり、更には、各種ゴム用配合剤
をゴム組成物に配合するような場合に、ゴム組成物中に
おいて配合剤が均一に且つ容易に分散するようになり、
以て所望の特性が充分に奏され得るようになる。また、
ゴム組成物の成形工程において、射出成形性や押出成形
性、カレンダー分出し性等が優れたものとなる他、金型
を用いた成形を行なう場合において、得られる製品(免
震ゴム積層体10)の型離れ性が良くなると共に、高温
雰囲気下でのゴム層16の引裂き強度も向上することと
なるところから、金型から製品を取り出す際にゴム層1
6において裂けが発生するようなことが、効果的に阻止
され得ることとなる。この他、加硫前のゴム組成物にお
けるスコーチの発生が有利に防止され得るという利点も
ある。
【0019】そして、本発明では、かくの如きポリオレ
フィン系ワックスが、ゴム材料の100重量部に対し
て、1〜35重量部の割合となるように、好適には6〜
25重量部となる割合において、配合せしめられること
となる。けだし、ポリオレフィン系ワックスの配合量が
過少である場合には、充分な加工性を実現することが出
来なくなるからであり、また、過大な配合量にあって
は、ゴム組成物の混練り工程において、ゴム組成物がバ
ンバリー等の混練り装置に粘着して、却って、加工性が
悪化せしめられると共に、弾性特性における温度依存性
が大きくなるからである。
【0020】ここにおいて、かかるポリオレフィン系ワ
ックスとしては、従来から公知の各種のポリオレフィン
系ワックスの中から適宜に選定して、使用することが出
来、例えば、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレ
ン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、アミド変性
ポリエチレン系ワックス、フッ素変性ポリエチレン系ワ
ックス等を挙げることが出来、それらのうちの1種以上
が組み合わされて、用いられることとなる。
【0021】なお、一般に、ワックス類は、天然ワック
スと合成ワックスとに分類され、上記したポリオレフィ
ン系ワックスは、合成ワックスに分類されるものであ
り、本発明の目的とする優れた弾性特性を実現する免震
ゴム積層体を得るためには、そのようなポリオレフィン
系ワックスの使用が必要とされるのである。勿論、この
ポリオレフィン系ワックスの他にも、動・植物ワック
ス、マイクロクリスタリンワックスやパラフィンワック
ス等の各種のワックスが存在するのであるが、例えば、
かかるポリオレフィン系ワックスに代えて、マイクロク
リスタリンワックス等を採用する場合にあっては、得ら
れる免震ゴム積層体のゴム層における弾性率が低下する
等の問題が惹起されるのである。
【0022】また、上述せる如き減衰特性向上成分及び
ポリオレフィン系ワックスと共に、本発明に従う免震ゴ
ム積層体10を構成するゴム層16を与えるゴム組成物
の構成成分の一つであるゴム材料としては、従来から免
震ゴム積層体の製造に用いられている各種のゴム材料の
中から適宜に選定されることとなるが、本発明にあって
は、かかるゴム材料の主成分として、ジエン系ゴム、つ
まり、天然ゴム及びジエン系合成ゴムのうちの少なくと
も1種以上が、採用されることとなる。なお、そのジエ
ン系合成ゴムとしては、合成ポリイソプレンゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム等を例示することが出来る。また、ゴム材料に
は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、他のゴム
材料等がブレンドされていても、何等差支えない。
【0023】而して、本発明に係るゴム組成物には、上
記のポリオレフィン系ワックスの他にも、前記した減衰
特性向上成分に組み合わせて、カーボンブラックを配合
せしめることが望ましく、それによって、温度依存性が
悪化するのを、より一層効果的に阻止乃至は回避するこ
とが出来る。そして、かかるカーボンブラックは、一般
に、ゴム材料の100重量部に対して、50〜150重
量部の割合、好ましくは70〜100重量部の割合にお
いて、配合せしめられることとなる。何故ならば、その
配合量が少なくなり過ぎると、目的とする弾性特性を充
分に得ることが出来なくなるからであり、逆に配合量が
過多となる場合には、ゴム組成物の練り加工性や成形加
工性等が大きく低下するようになるからである。
【0024】なお、そのようなカーボンブラックとして
は、一次粒子径の小さなもの、一般に、30nm程度以
下の一次粒子径を有するカーボンブラックが望ましく、
有利にはHAFカーボン、ISAFカーボン、SAFカ
ーボン等が好適に用いられるが、その中でも、粒径のよ
り小さなSAFカーボンが、特に有利に用いられること
となる。このような粒径のカーボンブラックを配合する
ことによって、減衰特性の向上にも大いに寄与し得るば
かりでなく、前記ポリオレフィン系ワックスによっても
たらされる加工性の向上効果を最大限に享受することが
出来るのである。
【0025】また、本発明においては、ゴム組成物に対
して、凝固点が−30℃以下である可塑剤を配合せしめ
ることによって、前記減衰特性向上成分によって奏され
る有効な機能を維持しつつ、かかる成分による温度依存
性に対する影響を効果的に緩衝して、温度依存性を可及
的に小さく為すことも、可能である。そして、このよう
な可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジペート(D
OA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、ジブチ
ルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペ
ート等のアジペート系可塑剤;ジブチルフタレート(D
BP)、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタレー
ト系可塑剤;ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチ
ルセバケート(DBS)等のセバケート系可塑剤;トリ
クレジルフォスフェート(TCP)、クレジルフェニル
フォスフェート(CDP)、トリブチルフォスフェート
(TBP)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、
トリブトキシエチルフォスフェート(TBXP)等のフ
ォスフェート系可塑剤の他、ジ2−エチルヘキシルアゼ
レート(DOZ)、ジ2−エチルヘキシルドデカンジオ
エート(DODN)等を挙げることが出来、それらの1
種、或いは2種以上が組み合わされて用いられることと
なる。
【0026】また、そのような性質を有する可塑剤を配
合するに際しては、ゴム材料の100重量部に対して、
1〜50重量部の割合において、より好適には2〜25
重量部の割合において、配合せしめることが望ましい。
これは、その配合量が余りにも少ないと、温度依存性の
改善効果を充分に発現し得なくなるからであり、また一
方、配合量が多すぎる場合には、相溶性が悪化するた
め、本発明に係る免震ゴム積層体10において、可塑剤
がゴムブロック12(ゴム層16)の外表面から滲み出
る、所謂、ブリードを惹起することとなるからである。
【0027】而して、このように、所定のゴム材料に対
して、特定の減衰特性向上成分及びポリオレフィン系ワ
ックスがそれぞれ所定割合にて配合せしめられ、また、
カーボンブラックや可塑剤が所定量において配合されて
なるゴム組成物には、従来と同様に、硫黄の如き加硫剤
が添加され、更に必要に応じて、適当な加硫促進剤、ス
テアリン酸や亜鉛華等の加硫促進助剤、オイル等の軟化
剤、老化防止剤等の公知の各種のゴム用配合剤が、通常
の範囲内において配合せしめられ、そしてそれが目的と
するゴム層16を与えるゴムブロック12の形成に用い
られることとなる。
【0028】また、かくの如きゴム組成物を用いて、本
発明に従う免震ゴム積層体を製造するに際しては、従来
から公知の各種の手法が適宜に採用され、例えば、図1
に示される如き免震ゴム積層体10を得るには、密閉式
混練り機等により、所定のゴム組成物の混練りを行なっ
た後において、加硫成形金型を用いて、所定の金属板1
4或いはそれと共に、上部及び下部取付板18,20の
存在下、混練りされたゴム組成物を射出等により成形キ
ャビティ内に注入せしめて、ゴムブロック12を加硫成
形せしめることにより、金属板14,14の間にゴム層
16が介在せしめられて、一体的に加硫接着されてなる
構造とする方法や、ゴム組成物を混練りせしめ、次いで
それを押出成形したり、或いはカレンダーにて所定厚み
に分出しせしめて成形すること等により、ゴム層16を
形成した後、適当な接着剤を用いて、その得られたゴム
層16と所定の金属板14とを交互に積層、接着せしめ
て、ゴムブロック12を作製し、更に必要に応じて、そ
の上下面に取付板18,20を接着せしめて一体化する
ことにより、積層体と為す方法等が、採用されることと
なる。
【0029】なお、本発明に従う免震ゴム積層体におい
て、剛性を有する硬質板として用いられる金属板として
は、耐圧縮性に優れた鉄板や鋼板が好適に用いられ得る
ものであるが、他の金属材質のものであっても、何等差
し支えなく、更には硬質プラスチック板材等であって
も、耐圧縮性に優れたものであれば、同様に使用可能で
ある。
【0030】また、かかる免震ゴム積層体の全体形状と
しては、その設置形態に応じた適宜の形状が採用され、
例えば、平面形態において、四角形形状や円盤形状の他
に、楕円形状や五角形、六角形等の多角形形状とするこ
とも可能であり、更に金属板やゴム層の積層数にあって
も、免震ゴム積層体の用途に応じて適宜に決定されるこ
ととなるのである。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0032】先ず、下記表1〜表3に示される各種配合
組成のゴム組成物(実験例1〜19)を調製した。な
お、かかるゴム組成物の調製に際して、ゴム材料として
は、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、又は
合成イソプレンゴム(IR)を用いると共に、ピッチと
してはコールタールピッチ、タールとしては精製コール
タール、更にアスファルトとしては、ストレートアスフ
ァルト、若しくは軟化点が110℃の天然アスファルト
を、それぞれ用いた。また、ポリオレフィン系ワックス
として、独国:クラリアント社製のポリエチレンワック
ス(Licowax PE 890、Licowax PE 520、Licowax PE 19
0、Licowax PE 130)、フッ素変性ポリエチレン系ワッ
クス(Ceridust 9610 F)又は酸化ポリエチレン系ワッ
クス(Ceridust 3715)を用いた。また、比較のため
に、ポリオレフィン系ワックスとは異なる種類のワック
スとして、マイクロクリスタリンワックス(サンタイ
ト、精工化学社製)を準備した。更に、軟化剤として
は、ナフテン系プロセスオイル乃至はアロマオイルを用
いると共に、加硫剤としては硫黄を用いる一方、加硫促
進助剤として、亜鉛華(ZnO)及びステアリン酸を用
いた。更にまた、表中におけるDOA及びDOPは、可
塑剤としてのジオクチルアジペート(凝固点:−60
℃)及びジオクチルフタレート(凝固点:−50℃)
を、それぞれ示している一方、MSA及びTBTは、そ
れぞれ、加硫促進剤としてのN−オキシジエチレン−2
−ベンゾチアゾールスルフェンアミド及びテトラブチル
チウラムジスルフィドを示すものである。なお、カーボ
ンブラックとして用いたSAFカーボン及びHAFカー
ボンの一次粒子径は、それぞれ、19nm及び30nm
程度であった。
【0033】次いで、上記で得られた各種ゴム組成物を
用いて、JIS−K−6300−1994の「未加硫ゴ
ム物理試験方法」における「6.ムーニー粘度試験」に
準拠して、L型ロータを用いて、予熱時間:1分、ロー
タの回転時間:3分、及び試験温度121℃の試験条件
下で、それぞれのムーニー粘度を求めると共に、以下の
ゴム特性評価試験をそれぞれ行ない、それらの結果を、
下記表1〜3に併せ示した。
【0034】−ゴム特性評価試験− 各種ゴム組成物から、150℃×30分の加硫条件を採
用して、JIS−K−6394−1998「加硫ゴム及
び熱可塑性ゴムの動的性質試験方法」に規定される金具
付円柱状のせん断方法用試験片を作製した。なお、その
ような試験片の作製に際しては、各ゴム組成物の加工性
について、○、×の2段階において、客観的に評価し
た。次に、その得られた各試験片を用いて、JIS−K
−6394−1998に規定される「6.大形試験装置
による動的性質試験」に従って、試験温度:−10℃、
23℃及び40℃、試験振動数:0.5Hz、平均歪み
(剪断):0%、歪み振幅(剪断):175%の条件下
において、それぞれ荷重−撓み曲線を求め、それより、
各測定温度での絶対バネ定数:|K* |(−10℃)、
|K* |(40℃)、23℃での損失角の正弦:sin
δ、及び23℃での弾性率(=貯蔵剪断弾性係数G1
を求め、また、以下の式から、減衰定数及びG(温度依
存性)をそれぞれ算出して、得られた弾性率(=貯蔵剪
断弾性係数G1 )、減衰定数及びG(温度依存性)の結
果を下記1〜3に併せ示した。 減衰定数=(sin δ)/2 G(温度依存性)=|K* |(−10℃)/|K*
(40℃)
【0035】そして、上述の如くして得られた減衰定
数、G(温度依存性)及び弾性率の結果から、それらの
特性について、全てが良好であるものを○、それ以外の
ものを×として、特性評価を行ない、それらの結果を、
下記表1〜3に併せ示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】かかる表1〜3の結果から明らかなよう
に、実験例1〜15に係るゴム組成物にあっては、何れ
も、弾性特性において温度依存性の影響をあまり受ける
ことがなく、しかも減衰特性の向上に効果があることが
認められ、また、ムーニー粘度が適度な値(一般に、3
0〜100程度が好ましい)となっていると共に、その
加工性(練り加工性、成形加工性)において良好なもの
となっていることが、分かる。
【0040】これに対して、ポリオレフィン系ワックス
を何等含まない実験例16に係るゴム組成物にあって
は、ムーニー粘度が高く、加工性が悪くなっていること
が認められる。また、実験例17のゴム組成物にあって
は、ポリオレフィン系ワックスの配合量が本発明の範囲
外であるために、かかるゴム組成物の練り加工性が悪化
していると共に、弾性特性における温度依存性が大きく
なっていることが分かる。更に、実験例18のゴム組成
物にあっては、減衰特性向上成分が何等含有されていな
いために、かかるゴム組成物の練り加工性や減衰特性が
悪化している。また、実験例19のゴム組成物にあって
は、ポリオレフィン系ワックスには分類されないマイク
ロクリスタリンワックスが用いられているところから、
弾性率が低下していることが認められる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従う免震ゴム積層体にあっては、高減衰特性と弾性特
性における小さな温度依存性とが、共に、有利に実現さ
れ得ることに加えて、それを構成するゴム層を与えるゴ
ム組成物の加工性においても、極めて優れたものと為さ
れ得たのである。従って、そのような特徴を有する免震
ゴム積層体が容易且つ有利に製造され得ることとなった
のであり、またそれは免震支承用の高減衰支承体として
有利に用いられ得、地震、強風、或いは橋上を通過する
車両等による重量や加速度の影響によって生じる撓み及
び変位が、ゴム積層体の剪断方向における緩衝作用によ
って有効に吸収され、更に上下方向の振動も、ゴム積層
体の緩衝作用によって、有利に吸収され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される免震ゴム積層体の代表的な
一例を示す、一部切欠説明図である。
【符号の説明】
10 免震ゴム積層体 12 ゴムブロック 14 金属板 16 ゴム層 18 上部取付板 20 下部取付板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 95:00 C08L 23:12 23:12) Fターム(参考) 2D059 AA37 GG01 GG05 3J048 AA01 BA08 BB02 BD04 DA01 EA39 3J059 AB01 AD05 BA43 BC06 BC19 GA42 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AG002 BB023 BB113 BB181 BB241 BB243 BB253 BB283 DA036 FD016 FD020 FD023 GF00 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板とゴム層とが交互に
    積層せしめられて構成されてなる免震ゴム積層体にし
    て、前記ゴム層が、ジエン系ゴムを主成分とするゴム材
    料の100重量部に対して、アスファルト類、タール類
    及びピッチ類のうちの少なくとも1種を1〜70重量部
    の割合で配合すると共に、ポリオレフィン系ワックスを
    1〜35重量部の割合で更に配合してなるゴム組成物を
    用いて形成されていることを特徴とする免震ゴム積層
    体。
  2. 【請求項2】 前記ゴム組成物が、前記ゴム材料の10
    0重量部に対して、30nm以下の一次粒子径を有する
    カーボンブラックを、50〜150重量部の割合におい
    て更に含んでいる請求項1記載の免震ゴム積層体。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物に対して、凝固点が−3
    0℃以下である可塑剤が、前記ゴム材料の100重量部
    に対して1〜50重量部の割合において、更に配合せし
    められている請求項1又は請求項2記載の免震ゴム積層
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104728322A (zh) * 2013-12-24 2015-06-24 北京橡胶工业研究设计院 内置超高分子量聚乙烯骨架的橡胶减震制品
WO2018080301A1 (en) * 2016-10-31 2018-05-03 Or Tan Teng High hysteresis rubber damping composition

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CN104728322A (zh) * 2013-12-24 2015-06-24 北京橡胶工业研究设计院 内置超高分子量聚乙烯骨架的橡胶减震制品
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