JP5071042B2 - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気センサ及びその製造方法に関し、特に1つの基板に複数の巨大磁気抵抗効果素子を配置して二軸方向や三軸方向の磁界の強さを検知する磁気センサ及びその製造方法に関する。
従来から、磁気センサに使用される素子として、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や磁気トンネル効果素子(TMR素子)等が知られている。これらの磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピン層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備えており、ピン層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を出力として示すものである。このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサとしては、例えば、特許文献1にて提案されている。
そして、特許文献1の磁気センサにおいては、同一の基板の表面に平坦面及び平坦面に対して傾斜する斜面が形成されると共に、これら平坦面上及び斜面上に前述の磁気抵抗効果素子がそれぞれ形成されており、これによって、二軸方向や三軸方向の磁界の強さを測定する磁気センサを構成することができる。
ところで、この構造の磁気センサのGMR素子は、例えば特許文献1に記載されるように、基板の上に形成した配線等のための複数のバイアス磁石部間を磁気抵抗効果を有する帯状の磁性膜が直列に接続した構成とされている。この場合、磁性膜は、基板上に先にバイアス磁石部が形成されることから、磁性膜の両端部がバイアス磁石部の上に積層状態に形成される。
特開2006−261400号公報
このような従来の磁気センサでは、バイアス磁石部の上に積層されている磁性膜の両端部に、バイアス磁石膜の上面と基板の上面との間で鋭利な段差が生じて、断線を生じ易いとともに、その段差の部分で磁区が生じて、ヒステリシス特性を損なう原因となり易い。
この場合、その段差を低減するために、バイアス磁石膜をパターニングする際に、レジストマスクを加熱することで、軟化したレジストマスクの周縁部をテーパ状にした後、そのレジストマスクのテーパを転写させるようにミリング処理すると、バイアス磁石膜の周縁の角がとれてテーパ状になり、磁区が生じにくくなると考えられる。しかしながら、三軸方向の磁界の強さを検知する磁気センサの場合、GMRを斜面上にも形成する必要があるが、この斜面は相対する二つの斜面により形成される溝の両側面であるため、この溝の中にレジストが溜められるようにして形成されるため、平坦面とはレジストの厚さが異なるとともに、軟化させたときに斜面に沿ってだれ易いため、バイアス磁石膜のテーパ角が平坦面のものとは異なってしまい、その結果、GMR形成部位によってテーパ角が異なり、全体としてのヒステリシス特性にばらつきが生じる原因となる。
近年では、耐強磁界性(強い磁界を浴びたときの特性)の劣化を防止することを目的として、ピン層の磁性層にRu層を挟み込んだSAF(Synthetic antiferromagnetic)構造の磁性膜をリード膜によって直列に接続した構成の巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を用いた磁気センサが知られているが、このSAF構造の巨大磁気抵抗効果素子は、リード膜との接合部において特に磁区が発生し易い。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、磁気抵抗効果を有する磁性膜の断線を防止するとともに、ヒステリシス特性を改善して、均一な品質の磁気センサを得ることを目的とする。
本発明の磁気センサは、基板上に形成された磁気抵抗効果を有する磁性膜の抵抗値から磁界の大きさを検出する磁気センサであって、前記基板上に、非磁性かつ導電性材料からなる複数のリード膜が形成されるとともに、これらリード膜の間を直列に接続する複数の前記磁性膜が、各々の両端部において前記リード膜と積層状態をなすように形成され、該磁性膜が積層されている部分の前記リード膜の周縁に、該リード膜の側面と基板上面との間の隅部を埋める非磁性かつ導電性材料からなるサイドスペーサが設けられ、前記磁性膜は、該サイドスペーサ及び前記リード膜の上に形成されていることを特徴とする。
すなわち、導電性材料のサイドスペーサがリード膜の側面と基板上面との間を埋めて、磁性膜に段差が発生しないようにしているとともに、CVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)等の成膜技術を採用することができ、平坦面や斜面の成膜の形成部位にかかわらず膜厚を適切に制御することができる。
この場合、前記サイドスペーサは、リード膜の上面から基板上面にかけて凸円弧面に形成されている形状とするとよく、リード膜の上面から基板上面まで滑らかな表面に形成される。
また、本発明の磁気センサにおいては、前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とが形成され、前記リード膜及び前記磁性膜は、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ配置されている構成としてもよい。
この磁気センサでは、相互に交差する軸方向の磁気を検出することができるため、ニ軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出することが可能であり、平坦面も斜面もほぼ一定の厚さのサイドスペーサとし得て、各部位における磁性膜のヒステリシス特性を均一にすることができる。
そして、このような磁気センサを製造する方法は、基板の上面に非磁性かつ導電性材料からなるリード膜を形成する工程と、該リード膜の上面に被さるようにして基板の上面を覆う非磁性かつ導電性材料からなる導電層を形成する工程と、該導電層に前記基板の上面を露出させるまで異方性エッチングを施すことにより、リード膜の周縁に前記導電層の一部が残ってなるサイドスペーサを形成する工程とを有することを特徴とする。

この製造方法によれば、リード膜を含んで基板上面に導電層を形成することにより、リード膜の周縁位置に相当する導電層の上面がなだらかな凸テーパ面となり、これを異方性エッチングすることにより、その表面形状のままエッチングされ、基板の上面までエッチングすることにより、該リード膜の周縁になだらかなテーパ面のサイドスペーサが形成される。この場合、導電層を厚く積層するほど、なだらかになる。この場合、導電層にパターニングのためのマスク形成は不要である。また、導電性材料の成膜であるので、CVDやPVD等の成膜技術を採用することができ、平面部や斜面部の成膜の部位に合わせて膜圧を適切に制御することができる。
なお、導電層の異方性エッチングは基板の表面を露出させるまで行われるが、リード膜の上面にわずかに導電層が残ったとしても、リード膜の機能には影響しない。
本発明によれば、サイドスペーサの存在により磁性膜に段差が生じないようになるので、その断線が防止されるとともに、その形成部位にかかわらずにサイドスペーサのテーパ角を一定に形成することができ、その結果、磁性膜の厚さも形成部位にかかわらずに一定にし得てヒステリシス特性を改善することができ、均一な品質の磁気センサとすることができる。
以下、図1から図5を参照して本発明の一実施形態に係る磁気センサの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の三軸磁気センサ10は、平面視で互いに直交するX軸、及びY軸に沿った辺を有する正方形状であって、X軸及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する石英やシリコンからなる基板11を備えている。そして、この基板11の上に、それぞれ4個ずつのX軸GMR素子12a〜12d、Y1軸GMR素子12e〜12h(図1(a)の後述するGMRバーを示す実線の部分)、Y2軸GMR素子12i〜12l(図1(a)の後述するGMRバーを示す破線の部分)からなる合計で12個のGMR素子と、パッド部(配線から外部に出力を取り出す部分:図示せず)及びビア部(GMR素子から配線に接続する部分を指すが、このビア部は最終的には露出されない:図示せず)ならびに配線(図示せず)が作り込まれている。なお、基板11内には、LSIや配線層が作り込まれており、LSIが作り込まれた基板を用いたものにおいてはデジタル出力の磁気センサとなされており、配線層のみが作り込まれた基板を用いたものにおいてはアナログ出力の磁気センサとなされている。
ここで、X軸GMR素子は第1X軸GMR素子12aと、第2X軸GMR素子12bと、第3X軸GMR素子12cと、第4X軸GMR素子12dとにより構成されている。そして、基板11のX軸(この場合、図1(a)の左側端部をX軸の基準点とし、この基準点から図の右側へ向かう方向をX軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をX軸負方向とする。以下においても同様である。)の右側端部近傍で、Y軸(この場合、図1(a)の下側端部をY軸の基準点とし、この基準点から図の上側へ向かう方向をY軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をY軸負方向とする。以下においても同様である。)の略中央部(以下ではY軸中央部という)上方に第1X軸GMR素子12aが配置され、その下方に第2X軸GMR素子12bが配置されている。また、基板11のX軸の左側端部近傍で、Y軸中央部上方に第3X軸GMR素子12cが配置され、その下方に第4X軸GMR素子12dが配置されている。
また、Y1軸GMR素子は第1Y1軸GMR素子12eと、第2Y1軸GMR素子12fと、第3Y1軸GMR素子12gと、第4Y1軸GMR素子12hとにより構成されている。そして、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y1軸GMR素子12eが配置され、その右方に第2Y1軸GMR素子12fが配置されている。また、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y1軸GMR素子12gが配置され、その右方に第4Y1軸GMR素子12hが配置されている。
さらに、Y2軸GMR素子は第1Y2軸GMR素子12iと、第2Y2軸GMR素子12jと、第3Y2軸GMR素子12kと、第4Y2軸GMR素子12lとにより構成されている。そして、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y2軸GMR素子12iが配置され、その右方に第2Y2軸GMR素子12jが配置されている。また、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y2軸GMR素子12kが配置され、その右方に第4Y2軸GMR素子12lが配置されている。
ここで、各GMR素子12a〜12d、12e〜12h、12i〜12lは、互いに平行で帯状に隣接配置された複数個(この場合は、例えば4個とするが、X軸GMR素子12a〜12dについては偶数個とすることが好ましい。)のGMRバー(本発明でいう磁気抵抗効果を有する磁性膜)を備えており、これらのGMRバーがリード膜により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜が接続されて形成されている。例えば、図2(なお、図2においては第1X軸GMR素子12aについてのみ示しているが、他のGMR素子においても同様の構成である)に示すように、4個のGMRバー12a−1,12a−2,12a−3,12a−4がリード膜12a−6,12a−7,12a−8により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜12a−5,12a−9が接続されて形成されている。この場合、X軸GMR素子12a〜12dの各GMRバー(12a−1,12a−2,12a−3,12a−4等)は、基板11の表面と平行な平坦面上に形成されており、その長手方向がY軸に対して平行(X軸に直交する)になるように配列されている。
また、図1(b),図4(b)に示すように、Y1軸GMR素子とY2軸GMR素子は、基板11の上に形成された断面形状が台形状の複数の突部(堤部)15の各斜面上に形成されているとともに、Y1軸GMR素子のGMRバー12e−1,12e−2,12e−3,12e−4は突部(堤部)15の第1斜面15a上に形成されており、Y2軸GMR素子のGMRバー12k−1,12k−2,12k−3,12k−4は突部(堤部)15の第2斜面15b上に形成されている。また、これらGMRバー12e−1〜12e−4,12k−1〜12k−4は、その長手方向が突部(堤部)15の稜線の走行方向に平行となるように配されている。なお、各斜面15a,15bの傾斜角度は等しく、基板11の平坦面に対してθ(20°<θ<60°)となるように形成されている。
そして、Y1軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12e−2)とY2軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12k−2)とが1つの突部15で互に背中合わせになるように配置されている。この場合、Y1軸GMR素子12e〜12hの各GMRバーおよびY2軸GMR素子12i〜12lの各GMRバーは、その長手方向がX軸に対して平行(Y軸と垂直)になるように配列されている。
ついで、GMRバーの構成について、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2を例にして、図2,3に基づいて説明する。なお、他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4についてはこれと等しいため、ここではGMRバー12a−2について説明する。また、他のX軸GMR素子12b〜12dおよびY1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
ここで、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2は、図2(b)に示すように、その長手方向がX軸に対して垂直(Y軸に対して平行)になるように配列されたスピンバルブ膜SVからなり、この両端部下方に形成されたリード膜12a−6,12a−7に接続されている。ここで、リード膜12a−6,12a−7はCr等の非磁性金属膜からなり、その膜厚は例えば130nm(1300Å)に設定されている。また、各リード膜12a−6,12a−7は、図示例の場合は平面視で四角形に形成されており、その周縁を囲む枠状にサイドスペーサ21が形成されている。このサイドスペーサ21は、リード膜12a−6,12a−7と同様にCr等の非磁性金属膜からなり、リード膜12a−6,12a−7の周縁を形成している側面と基板11の上面との間の隅部を埋めるように形成され、その上面はリード膜12a−6,12a−7の上面から基板11の上面にかけてなだらかに盛り上がる凸円弧状のテーパ面21aに形成されている。GMRバー12a−2は、リード膜12a−6,12a−7の上面から、このサイドスペーサ21の上面に架け渡されるようにして基板11の上面に形成されている。
そして、スピンバルブ膜SVは、図3(a)に示すように、基板11の上に順次積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層(導電層)S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cによって構成されている。
フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21と、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21の上に形成されて膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22と、NiFe磁性層12a−22の上に形成されて膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23とからなる。
ここで、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21、NiFe磁性層12a−22及びCoFe層12a−23は軟質強磁性体薄膜層を構成している。また、CoFe層12a−23はNiFe層12a−22のNi、及び、スペーサ層SをなすCu層12a−24の拡散を防止するために設けられている。
ピン層Pは、Cu層12a−24の上に形成されて膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25と、第1CoFe磁性層12a−25の上に形成されて膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26と、Ru層12a−26の上に形成されて膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27と、第2CoFe磁性層12a−27の上に形成されてPtを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜(反強磁性層)12a−28とにより構成されている。
なお、上述したフリー層F及びピン層Pを構成する各層や、スペーサ層S、キャッピング層Cの膜厚は、X軸GMR素子12a〜12dの場合のものであり、斜面15a,15bに形成されるY1軸GMR素子12e〜12h及びY2軸GMR素子12i〜12lの場合には、これらを構成する各層がX軸GMR素子12a〜12dの場合の70〜80%程度の膜厚となる。
そして、前述した第2CoFe磁性層12a−27は、図3(b)に示すように、反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打されており、その磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向にピン(固定)されている。また、第1CoFe磁性層12a−25は、第2CoFe磁性層12a−27との間で反強磁性的に結合されており、その磁化の向きがX軸正方向にピン(固定)されている。すなわち、これら2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27によってピン層Pにおける磁化の向きが定められている。
そして、図2(a)、図3(b)及び図4(a)に示すように、上述のように構成された第1X軸GMR素子12aにおける磁界の感度方向は、基板11の平坦面に平行な方向かつフリー層Fの磁化の向きに垂直な方向となっており、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の向きに等しくなっており、GMRバーの長手方向の垂直方向、かつ、X軸正方向(図4(a)の矢印a1方向)となっている。また、第2X軸GMR素子12bにおける磁界の感度方向は、第1X軸GMR素子12aと同様にX軸正方向(図4(a)の矢印b1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印a1,b1方向に磁界が印加された場合には、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印a1,b1方向と反対方向に磁界が印加された場合に、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおける磁界の感度方向は、図4(a)に示すように、これらの各GMRバーの長手方向の垂直方向で、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bと180°反対方向となっている。すなわち、これら第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向(図4(a)の矢印c1,d1方向で、第1X軸GMR素子12a及び第2X軸GMR素子12bのピン層の磁化の向きと180°反対の方向)にピン(固定)されるようにピン層が形成されている。
したがって、図4(a)の矢印c1,d1方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印c1,d1と反対方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向の垂直方向で、突部(堤部)15の第1斜面(傾斜角度はθ)15aに沿うY軸正方向かつZ軸負方向(図4(a),(b)の矢印e1,f1方向)となっている。
したがって、図4(a),(b)の矢印e1,f1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(b)の矢印e1,f1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおける磁界の感度方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向かつZ軸負方向(図4(a),(c)の矢印g1,h1方向)となっている。すなわち、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの磁界の感度方向は、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fと180°反対方向となっている
したがって、図4(a),(c)の矢印g1,h1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(c)の矢印g1,h1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおける磁界の方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12i−2,12i−3および12j−2,12j−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面(傾斜角度はθ)15bに沿うY軸負方向かつZ軸正方向(図4(a),(c)の矢印i1,j1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印i1(j1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印i1(j1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12k−2,12k−3および12l−2,12l−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向かつZ軸正方向(図4(a),(b)の矢印k1,l1方向)となっている。すなわち、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの磁界の感度方向は、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jと180°反対方向となっている。
したがって、図4(a)の矢印k1(l1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印k1(l1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
以上のように構成された三軸磁気センサ10のうちX軸方向(図4(a)の矢印a1,b1方向)の磁気を検出するX軸磁気センサは、図5(a)(なお、図5(a)〜(c)において、各矢印は各GMR素子のピン層PがY軸負方向にピンされたときの磁化の向きが上向きとなるように示している。)に等価回路を示したように、第1〜第4X軸GMR素子12a〜12dがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。このような構成において、パッド13aおよびパッド13bは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vxin+(本例では3V)と電位Vxin-(本例では0(V))が付与される。そして、パッド13cとパッド13dの電位がそれぞれ電位Vxout+と電位Vxout-として取り出され、その電位差((Vxout+)−(Vxout-))がセンサ出力Vxoutとして取り出される。
また、三軸磁気センサ10のうちY1軸方向(図4の矢印e1,f1,g1,h1方向)の磁気を検出するY1軸磁気センサは、図5(b)に等価回路を示したように、第1〜第4Y1軸GMR素子12e〜12hがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13eおよびパッド13fは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy1in+(本例では3V)と電位Vy1in-(本例では0(V))が付与され、パッド13gとパッド13hの電位差がセンサ出力Vy1outとして取り出される。
さらに、三軸磁気センサ10のうちY2軸方向(図4の矢印i1,j1,k1,l1方向)の磁気を検出するY2軸磁気センサは、図5(c)に等価回路を示したように、第1〜第4Y2軸GMR素子12i〜12lがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13iおよびパッド13jは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy2in+(本例では3V)と電位Vy2in-(本例では0(V))が付与され、パッド13kとパッド13lの電位差がセンサ出力Vy2outとして取り出される。
そして、得られた出力Vxout,Vy1outおよびVy2outに基づいて、X軸方向の磁界の成分Hxを下記の(1)式により求めることができる。同様に、Y軸方向の磁界の成分Hyを下記の(2)式により求めることができ、Z軸方向の磁界の成分Hzを下記の(3)式により求めることができる。なお、これらの演算は、例えば基板11に予め形成されたLSIや、三軸磁気センサ10に電気接続された別個のLSIチップ等において行われることとなる。
Hx=2kx×Vxout・・・(1)
Hy=ky(Vy1out−Vy2out)/cosθ・・・(2)
Hz=kz(Vy1out+Vy2out)/sinθ・・・(3)
ただし、θは突部(堤部)15の各斜面15a,15bの傾斜角度であって、この場合のθは20°<θ<60°の関係を有する。また、kx,ky,kzは比例定数であって、各センサの感度が等しければ、kx=ky=kzとなる。
次に、上述のような構成となる三軸磁気センサ10の製造方法について、図6〜図16の断面模式図に基づいて以下に説明する。なお、図6〜図16において、(a)はビア部を示し、(b)はパッド部を示し、(c)はY1軸GMR部およびY2軸GMR部を示している。この場合、上述したように、基板11としては、CMOSプロセスにより予めLSIが作り込まれた基板や、予め配線層のみが作り込まれた基板を用いることが望ましい。
この三軸磁気センサ10の製造方法においては、はじめに、図6に示すように、配線層11aが形成された基板(石英基板またはシリコン基板)11の上に層間絶縁膜(SOG:Spin On Glass)11bを塗布することにより平坦化する。次いで、図7に示すように、ビア部とパッド部の上の層間絶縁膜11bをエッチングで取り除き、配線層11aを外方に露出させる開口部11c,11dを作製する。その後、図8に示すように、これらの表面に、例えばSiO2膜等からなる酸化膜(SiO、厚み:1500Å)11eと、例えばSi34膜等からなる窒化膜(SiN、厚み:5000Å)11fとをプラズマCVDにより成膜する。そして、これらの上にレジストを塗布した後、ビア部とパッド部に開口を形成するようなパターンにカットする。
次いで、ビア部上およびパッド部上の窒化膜11fをエッチングにより除去した後、レジストを除去すると、図9に示すように、窒化膜11fにはビア部上およびパッド部上に酸化膜11eを外方に露出させる開口部11g,11hが形成されることになる。なお、この開口部11g,11hの形成に際しては、酸化膜11eはエッチングしきらずに残存させるようにし、また、開口部11g,11hの開口幅(径)は開口部11c,11dの開口幅(径)よりも小さくなるようにする。これは、開口部11c,11dで層間絶縁膜11bが露出して、水分が配線層やLSIに浸入するのを防止するためである。
その後、図10に示すように、これら窒化膜11f、酸化膜11eの上に、例えばSiO2膜等からなる上層酸化膜(SiO、厚み:5μm)11iをプラズマCVDにより成膜する。次いで、この上層酸化膜11iの上にレジストを塗布してレジスト膜(厚み:5μm)11jを形成する。そして、このレジスト膜11jにビア部とパッド部に開口を形成するためのパターンをカットするとともに、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子の配列用の突部(堤部)15を形成するためのパターンをカットする。このカット後には、150℃の温度で1〜10分間の熱処理を行って、図11に示すように、レジスト膜11jのカド部をテーパ状に形成(テーパ化)する。
その後、上層酸化膜11i及びレジスト膜11jをほぼ同じ比率でエッチングする条件、かつ、このエッチング後に上層酸化膜11iの残存する厚さが最大で約0.5μm(約5000Åとなる条件でドライエッチングを行う。なお、このドライエッチングに際しては、ビア部およびパッド部において上層酸化膜11iの開口幅(径)が窒化膜11fの開口幅(径)よりも大きくならないようにする。
そして、このドライエッチングの終了後に残存するレジスト膜11jを除去することで、図12に示すように、GMR部に上層酸化膜11iからなる突部(堤部)15が形成されることになる。
さらに、この上層酸化膜11iの上にレジストを塗布して、レジストをビア部に開口を形成するためのパターンにカットした後、エッチングを行う。そして、このエッチングで残存したレジストを除去することにより、図13に示すように、ビア部に開口11kが形成されて、基板11の最上層の配線層11aが外方に露出することになる。なお、このエッチングにおいては、図示例のようにパッド部における配線層11a上の下層シリコン酸化膜11e及び上層シリコン酸化膜11iを残存させてもよいが、例えば、ビア部と同様に、これら下層シリコン酸化膜11e及び上層シリコン酸化膜11iも同時に除去してパッド部における配線層11aを外方に露出させるとしても構わない。
その後、図14に示すように、Cr等の材質からなるリード膜11m(後に、例えば、図2(a)に示すリード膜12a−5,12a−6,12a−7,12a−8,12a−9等をなす)をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などによって、上層酸化膜11i上およびビア部において露出する配線層11a上に形成する。そして、これらの上層酸化膜11iおよびリード膜11mの上にレジストを塗布して、このレジストをリード膜11mのパターンにカットした後、リード膜11mのエッチングを行う。このエッチング終了後には上層酸化膜11i上に残存するレジストを除去する。
次いで、このリード膜11mの周囲に前記サイドスペーサ21を形成するのであるが、その工程の詳細を図16により説明する。
図16(a)に示すように上層酸化膜11i上に形成されているリード膜11mに対して、これを覆うようにして、これら上層酸化膜11iおよびリード膜11mの上に図16(b)に示すようにCr等の非磁性金属からなる導電層22をCVD法によって形成する。その後、図16(c)に示すように、この導電層22に表面から異方性エッチバックを施して、リード膜11m及び上層酸化膜11i上の導電層22を除去する。このようにして導電層22に異方性エッチバックを施すと、図16(d)に示すように、リード膜11m及び上層酸化膜11i上の導電層22は除去されるとともに、リード膜11mの周縁付近の導電層22は、リード膜11mと上層酸化膜11iとの間の隅部に枠状に残され、この導電層22の残った部分が前記サイドスペーサ21となる。
このサイドスペーサ21を形成する一連の工程のうち、図16(b)に鎖線で示すように導電層22の膜厚を厚くしておき、これをエッチバックしてリード膜11mの周縁にのみ残すと、図16(d)に鎖線で示すように、サイドスペーサ21の凸円弧面21aもよりなだらかなものになる。
このサイドスペーサ21の凸円弧面21aの上層酸化膜11iに対する勾配は、45度よりもなだらかとすることが好ましい。このように形成するためには、導電層22の膜厚は、少なくともリード膜11mの厚さの1.2倍から3.0倍とすればよい。導電層22の膜厚が、リード膜11mの厚さの1.2倍より薄くなるとサイドスペーサ21の凸円弧面21aが急勾配となり、GMR素子の膜厚制御が困難となる。導電層22の膜厚が、リード膜11mの厚さの3.0倍よりも厚くなると製造コストの観点から好ましくない。さらに、サイドスペーサ21の凸円弧面21aの勾配は、25度から35度となるように形成するのが好ましく、この場合の導電層22の膜厚は、リード膜11mの厚さの1.7倍から2.0倍とすればよい。例えば、膜厚3000Åのリード膜11mを形成した場合には、導電層22の膜厚は5100Åから6000Åとすることで好ましい勾配のサイドスペーサが得られる。
このように形成することで、後述のGMR多層膜をなだらかな斜面に形成することができ、GMR多層膜の膜厚を適切に制御することができる。特に斜面に形成するGMR多層膜は、斜面にスパッタリングを行うことから膜厚の制御が難しく、サイドスペーサを形成することで膜厚の制御を容易に行うことができるようになる。
そして、図16(e)に示すように、スパッタリング法によって、GMR素子をなすGMR多層膜11n(後に、12a〜12d,12e〜12h,12i〜12l等をなす)をこれら上層酸化膜11iおよびリード膜11m、該リード膜11mの周縁のサイドスペーサ21のテーパ面21aの全面を覆うように形成する(素子形成工程)。
この素子形成工程においては、図2(c)に示したように、基板11の上にフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cを順次積層することで、前記GMR多層膜11nが形成されることになる。
また、この工程におけるフリー層Fは、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21、膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22、及び、膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23を順次積層することで形成される。
さらに、この工程におけるピン層Pは、膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25、膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26、膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27、及び、Ptを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−28を順次積層することで形成される。
その後、GMR多層膜11nを形成した基板11に永久棒磁石アレー16(図17参照)を近接させて、後述する規則化熱処理(ピニング処理)を行い、ピン層Pの磁化の向きを固定させる(規則化熱処理工程)。
そして、GMR多層膜11nの表面上に、任意の厚さ、例えば平坦部で2μmの厚みとなるようにレジストを塗布し、このレジストの表面にマスクを配置して、焼き付け、現像処理を行って不必要なレジストを取り除き、後に得られるGMR多層膜11nと同じパターンを有するレジスト膜を形成する。その際、突部(堤部)15でのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるためにレジストをテーパ化する。この後、レジスト膜で保護されていない部分のGMR多層膜11nを、イオンミリングにより除去し、GMR多層膜11nを所定の形状(例えば、複数の狭幅の帯状体の形状)に形成する。なお、このイオンミリングでは、ビア部においてGMR多層膜11n及びリード膜11mの双方が残るようにしており、これによってビア部の縁におけるリード膜11mの断線を予防することができる。
次に、レジスト膜を除去し、図15に示すように、外方に露出する酸化膜11e、上層酸化膜11i、リード膜11m及びGMR多層膜11nの上に、例えばSiO膜等の酸化膜(厚み:1500Å)およびSi34膜等の窒化膜(厚み:5000Å)からなるシリコン保護膜11oをプラズマCVDで成膜し、さらにシリコン保護膜11oの上にポリイミド膜11pを成膜する。これにより、これらポリイミド膜11pおよび前述したシリコン保護膜11oによって保護膜が形成されることになる。
そして、パッド部上のポリイミド膜11pをマスクとして、パッド部の配線層11a上のシリコン保護膜11oおよび酸化膜11eをエッチングにより除去してパッド部を開口して、露出する配線層11aからなる電極パッドを形成し、最後に基板11を切断する。以上により、図1に示した三軸磁気センサ10の製造が完了する。
なお、上述した保護膜および電極パッドの形成は、上記実施形態の手順に限ることはない。すなわち、例えばシリコン保護膜11oを成膜した後に、パッド部上のシリコン保護膜11oをエッチングにより除去してパッド部を開口してパッド部の配線層11aを露出させる。次いで、これらシリコン保護膜11oおよび配線層11aの上にポリイミド膜11pを成膜して保護膜を形成する。最後に、パッド部上のポリイミド膜11pをエッチングにより除去してパッド部の配線層11aを再度露出させて、この配線層11aからなる電極パッドを形成するとしてもよい。
そして、前述した規則化熱処理(ピニング処理)は、図17,18(なお、図17においては永久棒磁石片を5個だけ図示している)に示すように、GMR多層膜11nを形成した表面とは反対側となる基板11の裏面側に永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を配置し、これら基板11および永久棒磁石アレー16を真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより行う。
すなわち、はじめに、隣接する永久棒磁石片の下端の極性が互いに異なるように格子状に配列された永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を用意する。この後、基板11の中心部で永久棒磁石片16a(下端部がN極となる)が配列されるように、かつ、基板11の外側で永久棒磁石片16aの上下左右の領域上に永久棒磁石片16b,16c,16d,16e(下端部がS極となる)が配列されるように永久棒磁石アレー16を配置する。
これにより、基板11の中心部の上に配置された永久棒磁石片16aのN極から、このN極に隣接して基板11の外側に配置された永久棒磁石片16b,16c,16d,16eのS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界H(図17の点線矢印)が形成され、磁界Hは、永久棒磁石片16aのN極から各GMR素子(例えば、図17のX軸GMR素子12a〜12d)に到達することになる。
そして、磁界Hを利用して、真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置した後には、例えば図3(b)に示すように、第2CoFe磁性層12a−27の磁化の向きが、磁界Hと逆向きの状態で反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打ちされて固定されることになる。また、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の向きは、第2CoFe磁性層12a−27との反強磁性的な結合によって磁界Hと同じ向きの状態で固定されることになる。
この結果、図4に示したように、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bにおいては、X軸正方向、すなわち、図4(a)のa1,b1方向にピン層Pの磁化の向きが固定され、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、X軸負方向、すなわち、図4(a)のc1,d1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
一方、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印e1,f1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。また、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印g1,h1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
さらに、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印i1,j1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
また、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印k1,l1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
ここで、本実施形態のようにリード膜の側面と基板上面との隅部を埋めるようにサイドスペーサ21を設けた場合と、従来のようにサイドスペーサがないためにGMRに段差が生じる場合とで、X軸GMR素子、Y1軸GMR素子、Y2軸GMR素子の各GMR素子のヒステリシス特性を比較する試験を行った。
図19,20のグラフは、各GMR素子のヒステリシス特性を示し、その横軸は各GMR素子のヒステリシス値[μT]を示している。また、グラフの縦軸は各GMR素子の全体の試験数を100とした場合の度数[%]を示している。ここで、ヒステリシス値とは、外部の磁場の強さを変化させた時の出力を示すヒステリシス曲線において、出力が0となる時の正の磁場と負の磁場との強さの差とする。
そして、従来の場合のヒステリシス値の分布は、図20に示すように、X軸GMR素子、Y1軸GMR素子、Y2軸GMR素子の各GMR素子のいずれにおいても3.5〜4.0[μT]の付近で10〜11[%]と集中している。また、この分布にはバラツキ(分布の広がり)があり、分布範囲は少なくとも0.5[μT]から13.0[μT]まで広がっている。
一方、本実施形態の場合のヒステリシス値の分布は、図29に示すように、各GMR素子のいずれにおいても、2.0〜2.5[μT]の付近で12〜14[%]と従来の場合よりも高い度数で集中している。また、ヒステリシス値の分布範囲も0.5[μT]から9[μT]までの間にほぼ収まっており、従来の場合と比較して分布のバラツキが少ない。
以上のように、この三軸磁気センサ10によれば、各GMR素子において、リード膜の周縁に、該リード膜の側面と基板の上層酸化膜の上面との間の隅部を埋めるようにサイドスペーサ21が形成されているので、その上に積層されるGMRバーは、リード膜21の上面から上層酸化膜の上面に至る間がサイドスペーサ21の上面に沿って形成されることになり、該サイドスペーサ21の上面形状がリード膜の上面からなだらかな凸円弧面21aに形成されていることから、その上のGMRバーもリード膜の上面から上層酸化膜の上面に至るまでなだらかな凸円弧面で形成されることになる。したがって、GMRバーに断線等の原因となる鋭利な段差が発生することが防止される。
この場合、サイドスペーサ21は、CVD法によって化学的に形成されていることから、リード膜と上層酸化膜との間の段差の部分の形状被覆性に優れており、このCVD法による膜形成と異方性エッチングとを組み合わせることにより、サイドスペーサ21の膜厚を適宜のものに制御することができ、その膜厚制御によってサイドスペーサ21のテーパ角を各リード膜の周縁でほぼ等しく制御することができる。これにより、平坦面及び斜面のいずれにもほぼ同じテーパ角でサイドスペーサ21を形成することができ、その上に積層されるGMRバーの磁気特性をほぼ一定にして、ヒステリシス特性のばらつきの発生を抑制することができる。したがって、このサイドスペーサ21の存在により、ヒステリシス特性に優れた磁気センサを得ることができるものである。
なお、上記実施形態では、サイドスペーサとなる導電層をCVD法によって形成したが、スパッタリング等のPVD法によって成膜してもよい。
また、上記実施形態のサイドスペーサ21は、リード膜11mと同じ非磁性材料のCrにより形成したが、これに限らない。例えば、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、Zn、Al、Cuなどが挙げられる。この中で半導体プロセスとのマッチングの観点を考慮すると、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、W(タングステン)が好ましい非磁性金属として挙げられる。さらに、リード膜11mと接続することから、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、W(タングステン)またはこれらの合金から形成される電気抵抗の低い材料がより好ましく、特にAl(アルミニウム)が好ましい。また、サイドスペーサとして用いる材料は、リード膜11mと同程度の電気抵抗を有する導電性材料で形成されることが好ましい。
このように非磁性金属でサイドスペーサを形成することで、リード膜に磁区が発生することを抑えることもでき、ヒステリシス特性が改善する。なお、非磁性とは、外部磁界を取り去ったときに磁化せず、かつ磁気センサとして機能できるようにGMRバーに磁気的な影響を与えにくい性質をいい、強磁性及び反強磁性の物質を除く意味で用いている。すなわち、反磁性、常磁性の物質ならば非磁性となり得る。
また、上記実施形態においては、ピン層Pを構成する第1CoFe磁性層の磁化の向きは、規則化熱処理において付与する磁界Hと同じ向きの状態で固定されるとしたが、例えば逆向きに固定されるとしても構わない。
さらに、上記実施形態において、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子のGMRバーは、同一の突部15に配置されるとしたが、少なくとも相互に異なる方向に傾斜する斜面に配置されていればよく、例えば別個の突部に配置されるとしても構わない。
また、上記実施形態においては、基板11の平坦面上、相互に異なる方向に傾斜する第1斜面15a及び第2斜面15bにそれぞれGMR素子を配置して三軸方向の磁気を検出する磁気センサについて述べたが、これに限ることはなく、例えば二軸方向あるいは一軸方向の磁気を検出する磁気センサにも適用することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記実施形態においては、ピン層Pを構成する2つのCoFe磁性層にRu層を挟み込んだSAF(Synthetic antiferromagnetic)構造のGMR素子について説明したが、これに限ることはなく、例えば、リード膜となるバイアス磁石膜に、Ru層を有しない構成のGMR素子を積層したものにも適用することができる。また、GMR多層膜の上に、SiO膜等の酸化膜およびSi34膜等の窒化膜からなるシリコン保護膜11oを形成した後に、その上にポリイミド膜11pを設けたが、シリコン保護膜11cをなくして、ポリイミド膜11pのみ設ける構成としてもよい。
この発明の一実施形態に係る磁気センサを模式的に示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’矢視断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を模式的に示しており、(a)は複数の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)バーが接続されて1つのX軸用の巨大磁気抵抗効果素子を構成された状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のB−B’矢視断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を示しており、(a)は図2(b)の内部の積層状態を模式的に示す図であり、(b)はピン層における第1CoFe磁性層及び第2CoFe磁性層の磁化の向きを模式的に示す図である。 図1の三軸磁気センサのピニング方向と感度方向を示しており、図4(a)は全体の平面を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のD部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図4(c)は、図4(a)のE部を拡大して模式的に示す斜視図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサにおいてサイドスペーサを形成する工程を模式的に示す概略断面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)の状態を模式的に示す概略平面図である。 図17のG−G’矢視断面図である。 本実施形態におけるGMR素子のヒステリシス値に対する度数分布を示すグラフである。 従来におけるGMR素子のヒステリシス値に対する度数分布を示すグラフである。
符号の説明
10…三軸磁気センサ、11…基板、12a〜12d…X軸GMR素子、12e〜12h…Y1軸GMR素子、12i〜12l…Y2軸GMR素子、12a−1〜12a−4…GMRバー(磁性膜)、12a−5〜12a−9…リード膜、12a−25…第1CoFe磁性層(第1磁性層)、12a−26…Ru層、12a−27…第2CoFe磁性層(第2磁性層)、12a−28…反強磁性膜(反強磁性層)、15a…第1斜面、15b…第2斜面、16…永久棒磁石アレー(マグネットアレー)、21…サイドスペーサ、21a…凸円弧面、22…導電層、F…フリー層、H…磁界、P…ピン層、S…スペーサ層(導電層)

Claims (4)

  1. 基板上に形成された磁気抵抗効果を有する磁性膜の抵抗値から磁界の大きさを検出する磁気センサであって、
    前記基板上に、非磁性かつ導電性材料からなる複数のリード膜が形成されるとともに、
    これらリード膜の間を直列に接続する複数の前記磁性膜が、各々の両端部において前記リード膜と積層状態をなすように形成され、
    該磁性膜が積層されている部分の前記リード膜の周縁に、該リード膜の側面と基板上面との間の隅部を埋める非磁性かつ導電性材料からなるサイドスペーサが設けられ、
    前記磁性膜は、該サイドスペーサ及び前記リード膜の上に形成されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記サイドスペーサは、リード膜の上面から基板上面にかけて凸円弧面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記基板の表面に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とが形成され、
    前記リード膜及び前記磁性膜は、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気センサ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気センサを製造する方法であって、
    基板の上面に非磁性かつ導電性材料からなるリード膜を形成する工程と、該リード膜の上面に被さるようにして基板の上面を覆う非磁性かつ導電性材料からなる導電層を形成する工程と、該導電層に前記基板の上面を露出させるまで異方性エッチングを施すことにより、リード膜の周縁に前記導電層の一部が残ってなるサイドスペーサを形成する工程とを有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
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