JP2023125569A - 記憶装置、電子機器及び記憶装置の製造方法 - Google Patents

記憶装置、電子機器及び記憶装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023125569000001
【課題】誤書き込みの発生を抑えることを可能にする。
【解決手段】実施形態に係る記憶装置は、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、前記下地層が表面に積層された半導体基板と、を備え、前記下地層は、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、を有し、前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている。
【選択図】図3

Description

本開示は、記憶装置、電子機器及び記憶装置の製造方法に関する。
大容量サーバからモバイル端末に至るまで、各種情報機器の飛躍的な発展に伴い、これを構成するメモリやロジックなどの素子においても高集積化、高速化、低消費電力化等、さらなる高性能化が追求されている。特に不揮発性半導体メモリの進歩は著しく、例えば、大容量ファイルメモリとしてのフラッシュメモリは、ハードディスクドライブを駆逐する勢いで普及が進んでいる。一方、コードストレージ用途さらにはワーキングメモリへの適用を睨み、現在一般に用いられているNORフラッシュメモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を置き換えるべくFeRAM(Ferroelectric random access Memory)、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、PCRAM(Phase-Change Random Access Memory)等の様々なタイプの半導体メモリの開発が進められている。なお、これらのうちの一部は既に実用化されている。
上述したうちの1つであるMRAMは、MRAMの有する磁気記憶素子の磁性体の磁化状態を変化させる(磁化方向を反転させる)ことにより電気抵抗が変化することを利用して、情報の記憶を行う。従って、磁化状態の変化によって決定される上記磁気記憶素子の抵抗状態、詳細には、磁気記憶素子の電気抵抗の大小を判別することにより、記憶された情報を読み出すことができる。このようなMRAMは、高速動作が可能でありつつ、ほぼ無限(1015回以上)の書き換えが可能であり、さらには信頼性も高いことから、すでに産業オートメーションや航空機等の分野で使用されている。加えて、MRAMは、その高速動作と高い信頼性とから、今後コードストレージやワーキングメモリへの展開が期待されている。
上述のようなMRAMのうち、スピントルク磁化反転を用いて磁性体の磁化を反転させるMRAMについては、高速動作等の上述の利点を有しつつ、低消費電力化、大容量化が可能であることから、更なる大きな期待が寄せられている。なお、このようなスピントルク磁化反転を利用したMRAMは、STT-MRAM(Spin Transfer Torque-Magnetic Random Access Memory:スピン注入型MRAM)と呼ばれている。STT-MRAMは、磁気記憶素子として、2つの磁性層(記憶層及び固定層)と、これら磁性層に挟まれた絶縁層(例えばMgO)とを持つMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子を有している。なお、MTJ素子は、TMR(Tunneling Magneto Resistive)素子と呼ばれることもある。
このようなSTT-MRAMのメモリアレイ内には、情報を記録するメモリセルと、記録した情報の抵抗値をH/L(High/Low)判定するためのリファレンスセルとが存在している(例えば、特許文献1参照)。メモリセルは、磁気記憶素子(記憶素子)としてMTJ素子を有している。また、リファレンスセルは、基準抵抗値を生み出すためのリファレンス素子としてMTJ素子を有している。
特開2009-4440号公報
S.Mangin et al. Nature materials,vol.5 March2006,p.210
しかしながら、リファレンスセルの動作を考慮すると、例えば、複数のメモリセルに対してリファレンスセルが共通化されており、情報の読み出し時にリファレンスセルへのアクセス回数が増大する。このため、読み出し時に書き込みが行われてしまう誤書き込み(リードディスターブ:read-disturb)が発生することがある。
そこで、本開示では、誤書き込みの発生を抑えることが可能な記憶装置、電子機器及び記憶装置の製造方法を提供する。
本開示の実施形態に係る記憶装置は、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、前記下地層が表面に積層された半導体基板と、を備え、前記下地層は、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、を有し、前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている。
本開示の実施形態に係る電子機器は、情報を記憶する記憶装置を備え、前記記憶装置は、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、前記下地層が表面に積層された半導体基板と、を備え、前記下地層は、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、を有し、前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている。
本開示の実施形態に係る記憶装置の製造方法は、半導体基板の表面に、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と有する下地層を形成し、前記第1傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有する記憶素子を、前記平面又は前記第2傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有するリファレンス素子を形成する。
第1の実施形態に係る記憶装置の概略構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る記憶装置のセル構造の概略構成の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る記憶装置のセル構造の概略構成の一例を示す断面図である。 第1の実施形態に係るMTJ素子の概略構成の一例を示す断面図である。 第1の実施形態に係るMTJ素子の製造工程の一例を説明するための第1の断面図である。 第1の実施形態に係るMTJ素子の製造工程の一例を説明するための第2の断面図である。 第1の実施形態に係るMgO成膜レートの角度依存性を示すグラフである。 第1の実施形態に係る下地の変形例1を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る下地の変形例2を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る下地の傾斜面の形成工程の一例を説明するための第1の説明図である。 第1の実施形態に係る下地の傾斜面の形成工程の一例を説明するための第2の説明図である。 第1の実施形態に係る下地の傾斜面の形成工程の一例を説明するための第3の説明図である。 第2の実施形態に係るMTJ素子の製造工程の一例を説明するための第1の断面図である。 第2の実施形態に係るMTJ素子の製造工程の一例を説明するための第2の断面図である。 第2の実施形態に係るMTJ素子の製造工程の比較例を説明するための断面図である。 第1又は第2の実施形態に係る記憶装置を備える撮像装置の概略構成の一例を示す図である。 第1又は第2の実施形態に係る記憶装置を備えるゲーム機器の外観の一例を示す斜視図である。 図17に係るゲーム機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る装置や機器、方法等が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において、基本的に同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。なお、各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
また、以下の説明で参照される図面は、本開示の一実施形態の説明とその理解を促すための図面であり、わかりやすくするために、図中に示される形状や寸法、比などは実際と異なる場合がある。さらに、図中に示される素子等は、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。また、以下の説明においては、素子等の積層構造の上下方向は、素子が設けられた基板上の面を上とした場合の相対方向に対応し、実際の重力加速度に従った上下方向とは異なる場合がある。
また、以下の説明においては、磁化方向(磁気モーメント)や磁気異方性について説明する際に、便宜的に「垂直方向」(膜面に対して垂直な方向、もしくは積層構造の積層方向)及び「面内方向」(膜面に対して平行な方向、もしくは積層構造の積層方向に対して垂直な方向)等の用語を用いる。ただし、これらの用語は、必ずしも磁化の厳密な方向を意味するものではない。例えば、「磁化方向が垂直方向である」や「垂直磁気異方性を有する」等の文言は、面内方向の磁化に比べて垂直方向の磁化が優位な状態であることを意味している。同様に、例えば、「磁化方向が面内方向である」や「面内磁気異方性を有する」等の文言は、垂直方向の磁化に比べて面内方向の磁化が優位な状態であることを意味している。
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.第1の実施形態
1-1.記憶装置の構成例
1-2.記憶装置のセル構造の構成例
1-3.MTJ素子の構成例
1-4.MTJ素子の書き込み及び読み出し
1-5.面内磁化方式及び垂直磁化方式のSTT-MRAM
1-6.MTJ素子の製造方法
1-7.下地の変形例1
1-8.下地の変形例2
1-9.下地の傾斜面の形成方法
1-10.作用・効果
2.第2の実施形態
2-1.MTJ素子の製造方法
2-2.作用・効果
3.他の実施形態
4.電子機器の構成例
4-1.撮像装置
4-2.ゲーム機器
5.付記
<1.第1の実施形態>
<1-1.記憶装置の構成例>
第1の実施形態に係る記憶装置(磁気記憶装置)1の構成例について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る記憶装置1の概略構成の一例を示す図である。記憶装置1は、情報を磁性体の磁化方向により保持する記憶装置である。
図1に示すように、記憶装置1は、メモリセル501と、リファレンスセル502と、複数のセンスアンプ(SA)511、512、513とを備える。なお、図1の例では、メモリセル501やリファレンスセル502が一つであるが、実際には複数個存在しており、その個数に合わせて各センスアンプ511、512、513の個数も決定される。
メモリセル501は、記憶素子501aと、選択トランジスタ501bと有する。記憶素子501a及び選択トランジスタ501bは、直列に接続されている。このメモリセル501は、記憶素子501aを用いて情報を記録するセルである。
リファレンスセル502は、複数のリファレンス素子502aと、複数の選択トランジスタ502bと有する。各リファレンス素子502a及び各選択トランジスタ502bは、それぞれ直列に接続されている。図1の例では、リファレンス素子502aの数は八個であり、同様に、選択トランジスタ502bの数も八個である。
このリファレンスセル502は、記録した情報の抵抗値をH/L(High/Low)判定するためのセルである。リファレンス素子502aは、基準抵抗値を生み出すための素子である。例えば、リファレンスセル502は、八個の抵抗値を平均化して基準抵抗値として用いる。なお、リファレンスセル502は、複数(例えば八個)のメモリセル501に共用される。
センスアンプ511は、メモリセル501に対する第1段目のセンスアンプである。このセンスアンプ511は、電圧を増幅するアンプである。
センスアンプ512は、リファレンスセル502に対する第1段目のセンスアンプである。このセンスアンプ512は、センスアンプ511と同様、電圧を増幅するアンプである。
センスアンプ513は、メモリセル501及びリファレンスセル502の両方に対する第2段目のセンスアンプである。このセンスアンプ513は、メモリセル501を流れる読み出し電流による抵抗値(電圧)を、リファレンスセル502を流れる読み出し電流による基準抵抗値(基準電圧)と比較することで、読み出し対象のメモリセル501が保持する情報を判別する。
このような記憶装置1では、メモリセル501及びリファレンスセル502は、アレイ状(例えば行列状)に配置されている。この記憶装置1は、所望のメモリセル501及びリファレンスセル502に対して読み出し電流を流すとともに、その所望のメモリセル501の抵抗状態をリファレンスセル502の抵抗状態を基準として判定することが可能に構成されている。なお、このような機能を実現することが可能であれば、その構成は図1に示す構成に限定されるものではない。
<1-2.記憶装置のセル構造の構成例>
第1の実施形態に係る記憶装置1のセル構造の構成例について図2及び図3を参照して説明する。図2は、第1の実施形態に係る記憶装置1のセル構造の概略構成の一例を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態に係る記憶装置1のセル構造の概略構成の一例を示す断面図である。
ここで、第1の実施形態に係る記憶装置1のセル構造は、上述したメモリセル501及びリファレンスセル502に共通となる。メモリセル501では、記憶素子501a(図1参照)がMTJ素子10(図2参照)により構成され、選択トランジスタ501b(図1参照)が選択トランジスタ20(図2参照)により構成される。同じように、リファレンスセル502では、リファレンス素子502a(図1参照)がMTJ素子10(図2参照)により構成され、選択トランジスタ502b(図1参照)が選択トランジスタ20(図2参照)により構成される。
図2及び図3に示すように、第1の実施形態に係る記憶装置1のセル構造では、複数のMTJ素子10が存在する。各MTJ素子10は、互いに交差(直交)する2種類のアドレス配線、例えば、ビット線70及びゲート電極(ワード線)72の交点付近にそれぞれ配置され、例えば行列状に設けられている。MTJ素子10は二つの端子を有しており、一方の端子はビット線70に電気的に接続され、他方の端子は選択トランジスタ20に電気的に接続される。
選択トランジスタ20は、シリコン基板等の半導体基板200に設けられており、半導体基板200に設けられた素子分離層206により分離された領域に形成されている。この選択トランジスタ20は、MTJ素子10を選択するためのトランジスタである。選択トランジスタ20は、ゲート電極(ワード線)72、ソース領域202及びドレイン領域204を有する。
なお、記憶装置1においては、半導体基板200上に複数のセル(メモリセル501又はリファレンスセル502)が配列される。図2及び図3の例では、1つのセルは、MTJ素子10と、そのMTJ素子10を選択するための1つの選択トランジスタ20とを含む。このため、図2では、4つのセルに対応する部分が抜き出されて示されている。
ゲート電極72は、図2及び図3中の奥行き方向に延伸するように設けられ、ワード線を兼ねている。ドレイン領域204上には配線74が設けられており、配線74はドレイン領域204に電気的に接続されている。ドレイン領域204は、配線74を介して適宜その電位を変更可能に構成されている。図2及び図3の例では、ドレイン領域204は、隣り合って配置される選択トランジスタ20に共通して形成されている。
ソース領域202上にはコンタクト層208が設けられており、コンタクト層208はソース領域202に電気的に接続されている。コンタクト層208上にはMTJ素子10が設けられており、MTJ素子10はコンタクト層208に電気的に接続されている。コンタクト層208は、選択トランジスタ20のソース領域202とMTJ素子10とを電気的に接続する。コンタクト層208は、例えば、コンタクトビアであり、貫通配線の一例である。コンタクト層208は下部電極として機能する。
MTJ素子10上にはコンタクト層210が設けられており、コンタクト層210はMTJ素子10に電気的に接続されている。コンタクト層210上にはビット線70がゲート電極(ワード線)72と直交する方向に延伸するように設けられており、ビット線70はコンタクト層210に電気的に接続されている。コンタクト層210は、MTJ素子10とビット線70とを電気的に接続する。コンタクト層210は、例えば、コンタクトビアであり、貫通配線の一例である。コンタクト層210は上部電極として機能する。
図3に示すように、半導体基板200の上面である表面200aには絶縁層30が設けられている。この絶縁層30は、下部絶縁層32と、上部絶縁層34とを有する。下部絶縁層32は、各コンタクト層208や各ゲート電極(ワード線)72、配線74などを含む。上部絶縁層34は、各MTJ素子10や各コンタクト層210、各ビット線70などを含む。
下部絶縁層32は、平面M1と、傾斜面M2とを有している。平面M1は、半導体基板200の表面(例えば、ウェハ面)200aに平行な面である。傾斜面M2は、半導体基板200の表面200aに対して傾斜する平面である。これらの平面M1や傾斜面M2上には、各MTJ素子10が設けられている。下部絶縁層32は、各MTJ素子10を形成するときの下地層として機能する。下部絶縁層32は、下地層の一例である。傾斜面M2は、第1傾斜面に相当する。
つまり、MTJ素子10を形成するための下地となる下部絶縁層32には、半導体基板200の表面に対する平面M1と傾斜面M2が混在する。例えば、平面M1上のMTJ素子10はリファレンス素子502a(図1参照)に相当し、傾斜面M2上のMTJ素子10は記憶素子501a(図1参照)に相当する。また、MTJ素子10は、トンネル絶縁層(トンネルバリア層)を有しており、このトンネル絶縁層は、後述する絶縁層104(図4参照)に相当する。なお、MTJ素子10は、一例として、同一MTJ材料と同一素子加工を用いて形成される。
ここで、傾斜面M2に形成したMTJ素子10では、平面M1に形成した時よりもトンネル絶縁層(例えばMgO)の成膜レートが低下する。この成膜レートの低下を利用して傾斜の無いエリア(あるいは緩いエリア)である平面M1にMTJ素子10をリファレンス素子502aとして形成することで、トンネル絶縁層の膜厚が厚い(抵抗面積積RAが高く、反転電圧Vcが高い)リファレンス素子502aを形成することが可能となる。つまり、平面M1上のリファレンス素子502aのトンネル絶縁層の厚さは、傾斜面M2上の記憶素子501aのトンネル絶縁層の厚さよりも厚くなる。これにより、誤書き込み(リードディスターブ)への耐性を高めることができる。なお、上述の抵抗面積積RAは、磁気抵抗効果素子の抵抗面積積(Ω・m)であり、面積抵抗とも呼ばれる。
このような記憶装置1には、ゲート電極(ワード線)72及びビット線70に対して所望の電流を印加可能な電源回路(不図示)が設けられている。情報の書き込み時には、電源回路は、書き込みを行いたい所望のセル(メモリセル501)に対応するアドレス配線、すなわち、ゲート電極(ワード線)72及びビット線70に電圧を印加し、MTJ素子10に電流を流す。なお、MTJ素子10は、所定層(後述の記憶層106)の磁気モーメントをスピントルク磁化反転により反転させることにより、1/0の情報の書き込みを行うことができる(詳しくは後述する)。
一方、情報の読み出し時には、記憶装置1は、電源回路によって読み出しを行いたい所望のセル(メモリセル501及びリファレンスセル502)に対応するゲート電極(ワード線)72に電圧を印加し、ビット線70からMTJ素子10を通過して選択トランジスタ20に流れる電流を検出する。詳しくは、記憶装置1は、所望のメモリセル501及びリファレンスセル502に対して読み出し電流を流し、その所望のメモリセル501の抵抗状態(抵抗値)をリファレンスセル502の抵抗状態(基準抵抗値)を基準として判定する。
なお、TMR(トンネル磁気抵抗)効果により、MTJ素子10の所定層(後述の記憶層106)における磁気モーメントの方向に応じてMTJ素子10の電気抵抗が変化するため、検出された電流値の大きさに基づいて1/0の情報を読み出すことができる。このとき、読み出し時の電流は、書き込み時に流れる電流に比べてずっと小さいため、読み出し時にはMTJ素子10の所定層における磁気方向は変化しない。つまり、MTJ素子10は、非破壊での情報の読み出しが可能である。
<1-3.MTJ素子の構成例>
第1の実施形態に係るMTJ素子10、例えば、スピントルク磁化反転を用いたSTT-MRAMのMTJ素子10の構成例(基本構造)について図4を参照して説明する。図4は、MTJ素子10の概略構成の一例を示す断面図である。MTJ素子10は、1つの情報(1/0)を記憶する磁気記憶素子である。
図4に示すように、MTJ素子10は、下地層100と、固定層102と、絶縁層104と、記憶層106と、キャップ層108とを備えている。これらの下地層100、固定層102、絶縁層104、記憶層106及びキャップ層108は、その記載順序で積層されている。絶縁層104は、トンネル絶縁層(トンネルバリア層)に相当する。
MTJ素子10は、固定層102の磁化と記憶層106の磁化の相対的な角度によって情報の「0」、「1」を規定する。例えば、MTJ素子10は、垂直磁化方式のSTT-MRAMを構成する。すなわち、MTJ素子10の積層構造に含まれる磁性層(固定層102及び記憶層106)の磁化方向は、膜面(層面)に対して垂直な方向、言い換えると積層構造の積層方向である。
図4の例では、図示が省略されているが、MTJ素子10は上部電極と下部電極(各コンタクト層210、208)により挟まれる。MTJ素子10において、ゲート電極(ワード線)72及びビット線70を介して、MTJ素子10の下部電極と上部電極との間に電圧が印加され、そのMTJ素子10の記憶層106に対する情報の書き込み及び読み出しが行われる。
なお、MTJ素子10においては、スピントルク磁化反転により、記憶層106の磁化方向は反転するが、固定層102の磁化方向配は反転しない、すなわち磁化方向が固定されているものとして説明する。また、絶縁層104は、固定層102と記憶層106とに挟持されているものとする。
下地層100は、半導体基板200上に下部電極(例えばコンタクト層208)を介して設けられる。例えば、下地層100は、固定層102の結晶配向制御や下部電極に対する付着強度を向上させるための膜により構成されている。
固定層102は、磁化方向が固定された層(磁化固定層)である。この固定層102は、磁化方向が垂直方向に固定された磁気モーメントを有する強磁性体により形成されており、高い保磁力等によって磁気モーメントの方向が固定されている。固定層102は、例えば、少なくとも2層の強磁性層と、非磁性層とを有する積層フェリピン構造に形成されている。
絶縁層104は、各種の非磁性体等から形成され、固定層102と記憶層106との間に挟持されるように設けられる。絶縁層104は、MgO等の絶縁材料で形成された層である。絶縁層104は、上述の材料の他にも、例えば、Al、AlN、SiO、Bi、MgF、CaF、SrTiO、AlLaO、Al-N-O等の各種の絶縁体、誘電体、半導体を用いて構成することもできる。
記憶層106は、磁化方向が変更可能、例えば、反転可能な層である。この記憶層106は、磁化の方向が垂直方向に自由に変化する磁気モーメントを有する強磁性体により形成されており、記憶する情報に対応して磁気モーメントの方向が変化する。記憶層106は、磁性体の磁化状態により情報を記憶するものであり、1つの層から形成されてもよく、複数の層が積層された構造であってもよい。情報の記憶は、一軸異方性を有する記憶層106の磁化の向きにより行われる。
例えば、書込みは、垂直方向に電流を記憶層106に印加し、スピントルク磁化反転を起こすことにより行われる。つまり、記憶層106及び固定層102の積層方向に流す書き込み電流が印加されると、記憶層106の磁化の向きが変化し、記憶層106に情報が記憶される。なお、スピン注入により磁化の向きが反転する記憶層106に対し、トンネルバリア膜の絶縁層104を介して固定層102が設けられ、記憶層106の記憶情報(磁化方向)の基準とされる。
キャップ層108は、例えば、Ta等の各種金属材料、合金材料、酸化物材料等により形成されている。このキャップ層108は、MTJ素子10の製造中において各積層を保護する。なお、キャップ層108は、ハードマスクとして機能してもよい。
このような積層構造のMTJ素子10は、例えば、下地層100からキャップ層108までを真空装置内で連続的に形成し、その後、エッチング等の加工によりMTJ素子10のパターンを形成することによって製造される。MTJ素子10は行列状(マトリクス状)に配置される(図2参照)。
ここで、例えば、記憶層106及び固定層102としては、Co-Fe-Bが用いられる。固定層102は情報の基準であるので、記録や読み出しによって磁化の方向が変化してはいけないが、必ずしも特定の方向に固定されている必要はなく、記憶層106よりも保磁力を大きくするか、膜厚を厚くするか、あるいは、磁気ダンピング定数を大きくして記憶層106よりも磁化を動きにくくすればよい。
また、磁化を固定する場合には、PtMnやIrMn等の反強磁性体を固定層102に接触させるか、あるいは、それらの反強磁性体に接触した磁性体をRu等の非磁性体を介して磁気的に結合させ、固定層102を間接的に固定しても良い。
また、記憶層106における垂直磁化膜では、垂直磁化膜が受ける実効的な反磁界の大きさが飽和磁化量Msよりも小さくなるように、組成が調整されている。前述したように、記憶層106の強磁性材料Co-Fe-B組成を選定し、記憶層106が受ける実効的な反磁界の大きさを低くして、記憶層106の飽和磁化量Msよりも小さくなるようにする。これにより、記憶層106の磁化は垂直方向を向くことになる。
また、トンネルバリア層である絶縁層104をMgO(酸化マグネシウム)で形成した場合には、磁気抵抗変化率(MR比)を高くすることができる。このようにMR比を高くすることによって、MTJ素子10におけるスピン注入の効率を向上し、記憶層106の磁化の向きを反転させるために必要な電流密度を低減することができる。また、本実施形態においては、中間層としての絶縁層104の材料を金属材料に置き換え、巨大磁気抵抗(GMR)効果によるスピン注入を行ってもよい。
上述のMTJ素子10の構成によれば、記憶層106は、その記憶層106が受ける実効的な反磁界の大きさが記憶層106の飽和磁化量Msよりも小さくなるように構成されている。これにより、記憶層106が受ける反磁界が低くなっており、記憶層106の磁化の向きを反転させるために必要な書き込み電流量を低減することができる。これは、記憶層106が垂直磁気異方性をもつために垂直磁化型STT-MRAMの反転電流が適用され、反磁界の点で有利になるためである。また、記憶層106の飽和磁化量Msを低減しなくても書き込み電流量を低減することができるため、記憶層106の飽和磁化量Msを充分な量として、記憶層106の熱安定性を確保することが可能になる。その結果、特性バランスに優れたMTJ素子10を構成することができる。
また、固定層102は積層フェリピン構造になっていることから、固定層102の感度を外部磁界に対して鈍化させ、固定層102に起因する漏洩磁界を遮断するとともに、複数の磁性層の層間結合により、固定層102の垂直磁気異方性の強化を図ることができる。このように、情報保持能力である熱安定性を充分に確保することができるため、特性バランスに優れたMTJ素子10を構成することができる。なお、このような固定層102の磁化方向の固定の手法は、固定層102が、記憶層106に対して下方にある場合であっても、上方にある場合であっても用いることができる。
ここで、積層フェリピン構造が記憶層106に対して下側(すなわち、下地層100側)に設けられる構造は、ボトムピン構造とも称され、積層フェリピン構造が記憶層106に対して上側(すなわち、キャップ層108側)に設けられる構造は、トップピン構造とも称される。つまり、MTJ素子10は、ボトムピン構造及びトップピン構造のいずれの構造であってもよい。
なお、図4の例では、MTJ素子10の積層構造として、記憶層106を基準として下方向に絶縁層104及び固定層102が積層された構造を示したが、MTJ素子10の構造は特に限定されるものではない。例えば、MTJ素子10に他の層を追加してもよく、また、固定層102と記憶層106との位置を入れ替えてMTJ素子10を構成してもよい。一例として、記憶層106とキャップ層108との間に絶縁層(上部トンネルバリア層)及び固定層(上部磁化固定層)をその記載順序で追加してMTJ素子10を構成してもよい。この場合、固定層102が下部磁化固定層として機能し、絶縁層104が下部トンネルバリア層として機能する。
<1-4.MTJ素子の書き込み及び読み出し>
MTJ素子10における情報の書き込み及び読み出しの仕組みについて説明する。まずは、MTJ素子10における情報の書き込みの仕組みについて説明する。MTJ素子10では、記憶層106への情報の書き込みは、先に説明したように、スピントルク磁化反転を用いて行われる。
ここで、スピントルク磁化反転の詳細について説明する。電子は、2種類のスピン角運動量をもつことが知られている。そこで、スピン角運動量を、仮に上向きのスピン角運動量と、下向きのスピン角運動量との2種類のスピン角運動量として定義する。非磁性体内部では、上向きのスピン角運動量と下向きのスピン角運動量とが同数であり、強磁性体内部では、これら両者の数に差がある。
さらに、ここでは、MTJ素子10において、固定層102と記憶層106との磁気モーメントの向きが互いに異なる反平行状態にあり、この状態において、電子を固定層102から記憶層106へ進入させる場合について考える。
電子が固定層102を通過した場合には、スピン偏極が生じ、すなわち、上向きのスピン角運動量と下向きのスピン角運動量との数に差が生じる。さらに、絶縁層104の厚さが十分に薄い場合には、このスピン偏極が緩和して通常の非磁性体における非偏極(上向きと下向きの電子の数が同数)状態になる前に、当該電子は、記憶層106に進入することができる。
記憶層106では、スピン偏極の方向は進入した電子と逆になっている。従って、系全体のエネルギーを下げるために、進入した電子の一部は、反転、すなわちスピン角運動量の向きが変化する。この際、系全体ではスピン角運動量が保存されることから、反転した電子によるスピン角運動量の変化の合計と等価な反作用が記憶層106の磁気モーメント(磁化方向)に与えられる。
電流、すなわち、単位時間に通過する電子の数が少ない場合には、向きを変える電子の総数も少ないために記憶層106の磁気モーメントに発生するスピン角運動量変化も小さい。一方、電流、すなわち、単位時間に通過する電子の数を多くすると、記憶層106の磁気モーメントに所望するスピン角運動量変化を単位時間内に与えることができる。スピン角運動量の時間変化はトルクであり、トルクが所定の閾値を超えると記憶層106の磁気モーメントは反転を開始し、180度反転した状態で安定となる。なお、記憶層106の磁気モーメントが180度反転した状態で安定となるのは、記憶層106を構成する磁性体に磁化容易軸が存在し、一軸異方性があるためである。上記のような仕組みにより、MTJ素子10は、反平行状態から、固定層102と記憶層106との磁気モーメントの向きが互いに同じとなる平行状態へと変化する。
また、平行状態において、電流を逆に記憶層106から固定層102へ電子を侵入させるような向きで流した場合には、固定層102へ到達した際に固定層102で反射されて反転した電子が、記憶層106に進入する際に記憶層106にトルクを与える。従って、与えられたトルクにより、記憶層106の磁気モーメントは反転し、MTJ素子10は平行状態から反平行状態へと変化する。
ただし、平行状態から反平行状態への反転を起こすための反転電流の電流量は、反平行状態から平行状態へと反転させる場合よりも多くなる。なお、平行状態から反平行状態への反転については、簡単に述べると、固定層102の磁気モーメントが固定されているために、固定層102での反転が難しく、系全体のスピン角運動量を保存するために記憶層106の磁気モーメントが反転するためである。このように、MTJ素子10における1/0の記憶は、固定層102から記憶層106に向かう方向又はその逆向きに、それぞれの極性に対応する所定の閾値以上の電流を流すことによって行われる。このように、MTJ素子10における記憶層106の磁気モーメントを反転させて、MTJ素子10の抵抗状態を変化させることにより、MTJ素子10における1/0の書き込みが行われる。
次に、MTJ素子10における情報の読み出しの仕組みについて説明する。MTJ素子10においては、記憶層106からの情報の読み出しは、磁気抵抗効果を用いて行われる。詳細には、MTJ素子10を挟む下部電極(図示省略)と上部電極(図示省略)との間に電流を流した場合、固定層102と記憶層106との磁気モーメントの方向が互いに平行状態であるのか、反平行状態であるのかに基づいて、MTJ素子10の抵抗状態が変化する。そして、MTJ素子10の抵抗状態、すなわち、MTJ素子10が示す電気抵抗の大小を判別することによって、記憶層106に記憶された情報を読み出すことができる。
<1-5.面内磁化方式及び垂直磁化方式のSTT-MRAM>
STT-MRAMにおいては、面内方向に磁気異方性を有する磁性体を用いた面内磁化方式のSTT-MRAMと、垂直方向に磁性異方性を有する磁性体を用いた垂直磁化方式のSTT-MRAMとがある。一般的には、面内磁化方式のSTT-MRAMよりも垂直磁化方式のSTT-MRAMの方が低電力化、大容量化に適しているとされている。これは、垂直磁化方式のSTT-MRAMの方が、スピントルク磁化反転の際に超えるべきエネルギバリアが低く、また垂直磁化膜の有する高い磁気異方性が大容量化により微細化した記憶担体の熱安定性を保持するのに有利なためである。
詳細には、面内磁化方式のSTT-MRAMの反転電流をIc_paraとすると、
平行状態から反平行状態への反転電流は、
Ic_para=(A・α・Ms・V/g(0)/P)(Hk+2πMs)となり、
反平行状態から平行状態への反転電流は、
Ic_para=-(A・α・Ms・V/g(π)/P)(Hk+2πMs)となる。
また、垂直磁化方式のSTT-MRAMの反転電流をIc_perpとすると、
平行状態から反平行状態への反転電流は、
Ic_perp=(A・α・Ms・V/g(0)/P)(Hk-4πMs)となり、
反平行状態から平行状態への反転電流は、
Ic_perp=-(A・α・Ms・V/g(π)/P)(Hk-4πMs)となる。
なお、Aは定数、αはダンピング定数、Msは飽和磁化、Vは素子体積、g(0)P、g(π)Pはそれぞれ平行状態、反平行状態時にスピントルクが相手の磁性層に伝達される効率に対応する係数、Hkは磁気異方性である(非特許文献1参照)。
上記各式において、垂直磁化型の場合の(Hk-4πMs)と面内磁化型の場合の(Hk+2πMs)とを比較すると、垂直磁化型が低記憶電流化により適していることが理解できる。すなわち、垂直磁化方式のSTT-MRAMの場合の(Hk-4πMs)は、面内磁化方式のSTT-MRAMの場合の(Hk+2πMs)に比べて小さい。従って、垂直磁化方式のSTT-MRAMのほうが、反転電流が小さく、書き込みの際の反転電流を低減させるという観点においては、適していることがわかる。
<1-6.MTJ素子の製造方法>
第1の実施形態に係るMTJ素子10の製造方法(記憶装置1の製造方法)の一例について図5から図6を参照して説明する。図5及び図6は、第1の実施形態に係るMTJ素子10の製造工程の一例を説明するための断面図である。図7は、第1の実施形態に係るMgO成膜レートの角度依存性を示すグラフである。
図5に示すように、基板の表面200a(半導体基板200の上面)には、下部絶縁層32が積層される。下部絶縁層32は、平面M1及び傾斜面M2を含む凸部を有している。平面M1及び傾斜面M2には、それぞれコンタクト層208が位置付けられ、垂直方向に延伸するように形成されている。なお、コンタクト層208の上面である露出面208aは、コンタクト層208が下部絶縁層32から露出する。傾斜面M2内の露出面208aは、傾斜面M2と同じ傾斜角度及び傾斜方向で傾斜する面である。この露出面208aは、傾斜面M2に含まれる。このような下部絶縁層32上に、下地層100、固定層102、絶縁層104、記憶層106及びキャップ層108が、その記載順序でスパッタリング等の成膜方法(例えば、DCマグネトロンスパッタ法やRFマグネトロンスパッタ法等)により積層される。
さらに、キャップ層108の上には、フォトマスク40が形成される。フォトマスク40は、例えば、キャップ層108上にフォトレジスト層をスピンコート法等により積層し、そのフォトレジスト層をMTJ素子10の形状及びサイズに合わせてパターニングすることによって形成される。このフォトマスク40がマスクとして用いられ、キャップ層108、記憶層106、絶縁層104、固定層102、下地層100等に対して順次エッチングが行われ、図6に示すように、MTJ素子10が下部絶縁層32の上面、すなわち平面M1及び傾斜面M2にそれぞれ形成される。なお、エッチングとしては、例えば、イオンビームエッチング(IBE)を用いても良く、また、リアクティブイオンエッチング(RIE)を用いても良いし、それらを組み合わせても良い。
このような製造工程によれば、図5に示すように、下地層100からキャップ層108までが真空装置内で連続的に成膜され、その後、エッチング等によるパターニング加工が行われることで、図6に示すように、MTJ素子10が下部絶縁層32の上面に形成される。このとき、MTJ素子10は、下部絶縁層32の平面M1や傾斜面M2上にそれぞれ形成される。平面M1上のMTJ素子10の絶縁層104の厚さ(膜厚)と、傾斜面M2上のMTJ素子10の絶縁層104の厚さは、異なっている。さらに、平面M1上のMTJ素子10の平面形状(平面M1に平行な平面形状)の面積と、傾斜面M2上のMTJ素子10の平面形状(傾斜面M2に平行な平面形状)の面積は、異なっている。
ここで、上述したように、平面M1上のMTJ素子10はリファレンス素子502a(図1参照)に相当し、傾斜面M2上のMTJ素子10は記憶素子501a(図1参照)に相当する。このため、平面M1上のリファレンス素子502aの絶縁層104の厚さは、傾斜面M2上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さよりも厚い。これにより、リファレンス素子502aでは、記憶素子501aに比べて抵抗面積積RAが高く、反転電圧Vcが高くなるので、誤書き込み(リードディスターブ)への耐性を高めることができる。
なお、リファレンス素子502aの抵抗値と記憶素子501aの抵抗値とが同じであり、平面M1上のリファレンス素子502aの平面形状の面積が傾斜面M2上の記憶素子501aの平面形状の面積より大きくてもよい。
図6に示すように、傾斜面M2の傾斜角度が大きくなると、MgOの成膜レート、すなわち絶縁層104の成膜レートは低くなる。つまり、傾斜面M2の傾斜角度が大きくなるほど、絶縁層104の厚さは薄くなる。この特性を利用して、絶縁層104の厚さが異なる複数のMTJ素子10、すなわち、書込み(保持)特性が異なる複数のMTJ素子10を同時に形成することができる。
ここで、傾斜角度に関して、傾斜角度をθとすると、0(deg)<θ≦45(deg)の関係式を満たすことが望ましい。傾斜角度を45(deg)まで傾けた場合、絶縁層104の厚さ(例えば、MgOの膜厚)がCOS則に基づいて半分程度になり、STT-MRAMとして想定される絶縁層104の厚さ範囲(例えば、MgO膜厚範囲)をカバーすることが可能である。一方、傾斜角度を大きくし過ぎると、エッチングによりMTJ素子10の側壁に付着した再デポ物を十分に除去できない懸念があるため、一般的なビーム角度から45(deg)が上限に設定される。
なお、前述の製造工程において、特段の断りが無い限りは、酸化物からなる層以外の層については、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜することが好ましい。また、特段の断りが無い限りは、酸化物層は、RFマグネトロンスパッタ法、もしくは、DCマグネトロンスパッタ法を用いて金属層を成膜し、成膜後に、酸化処理(熱処理)を行い、成膜した金属層を酸化物層に変換することで形成することが好ましい。
<1-7.下地の変形例1>
第1の実施形態に係る下地(下部絶縁層32)の変形例1について図8を参照して説明する。図8は、第1の実施形態に係る下地(下部絶縁層32)の変形例1を説明するための断面図である。
図8に示すように、下部絶縁層32は、平面M1と、傾斜角度が異なる2つの傾斜面M2、M3とを有している。この場合、絶縁層104の厚さが異なる3つのMTJ素子10、すなわち、書込み(保持)特性が異なる3つのMTJ素子10を同時に形成することができる。2つの傾斜面M2、M3は、第1傾斜面及び第2傾斜面に相当する。
変形例1では、傾斜面M3は、傾斜面M2の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する面である。例えば、傾斜面M3や平面M1上のMTJ素子10がリファレンス素子502a(図1参照)として用いられ、また、傾斜面M2上のMTJ素子10が記憶素子501a(図1参照)として用いられる。つまり、リファレンス素子502aは、少なくとも、記憶素子501aが設けられる傾斜面M2よりも傾斜角度が小さい傾斜面M3あるいは平面M1に設けられる。このため、リファレンス素子502aの絶縁層104の厚さが記憶素子501aの絶縁層104の厚さよりも厚くなり、リファレンス素子502aの抵抗面積積RA及び反転電圧Vcは記憶素子501aに比べて高くなるので、誤書き込み(リードディスターブ)への耐性を高めることができる。
なお、傾斜角度が異なる傾斜面M2、M3の数は、特に限定されるものではなく、例えば、必要とする異なる書込み特性の数に応じて変更される。つまり、傾斜をn(nは2以上の整数)段階にすることで、書込み特性が異なるn種類のMTJ素子10を同時に形成することができる。
<1-8.下地の変形例2>
第1の実施形態に係る下地(下部絶縁層32)の変形例2について図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態に係る下地(下部絶縁層32)の変形例2を説明するための断面図である。
図9に示すように、下部絶縁層32は、図6に比べて幅(面内方向の長さ)が広い複数のコンタクト層208を有している。コンタクト層208の上面である露出面208a内に、MTJ素子10が設けられている。露出面208aの面積は、MTJ素子10の下面の面積以上である。傾斜面M2内の露出面208aは、傾斜面M2に含まれる。この露出面208aは、傾斜面M2として機能する。
変形例2でも、平面M1上のMTJ素子10はリファレンス素子502a(図1参照)に相当し、傾斜面M2上のMTJ素子10は記憶素子501a(図1参照)に相当する。このため、リファレンス素子502aの絶縁層104の厚さは記憶素子501aの絶縁層104の厚さよりも厚くなり、リファレンス素子502aの抵抗面積積RA及び反転電圧Vcは記憶素子501aに比べて高くなるので、誤書き込み(リードディスターブ)への耐性を高めることができる。
<1-9.下地の傾斜面の形成方法>
第1の実施形態に係る下地(下部絶縁層32)の傾斜面M2の形成方法の一例について図10から図12を参照して説明する。図10から図12は、第1の実施形態に係る下地の傾斜面M2の形成工程の一例を説明するための図である。
図10に示すように、下地の下部絶縁層32上にレジスト層50がパターニングされ、図11に示すように、下部絶縁層32の上面に対して所定の傾斜角度で入射するイオンビーム(下部絶縁層32の上面に対する斜めイオンビーム入射)により下部絶縁層32がエッチングされる。このとき、イオンビームの一部がレジスト層50により遮蔽され、下部絶縁層32上に傾斜面M2が形成される。そして、図12に示すように、エッチング後にレジスト層50が除去される。これにより、傾斜面M2を有する下部絶縁層32を得ることができる。このような形成工程では、レジスト層50のパターニングとイオンビームの入射角度を制御することで、傾斜面M2の傾斜角度と傾斜方向を調整することが可能であり、また、傾斜面M2の有無を選択することが可能である。
なお、傾斜面M2の形成工程は、傾斜面M2を形成できる手法であれば、図10から図12に示す形成工程に限られるものではない。また、下地(下地層)が傾斜面M2を有することが可能であれば、下地は下部絶縁層32に限られるものではない。
<1-10.作用・効果>
以上説明したように、第1の実施形態によれば、下地層の一例である下部絶縁層32は、半導体基板200の表面200aに対して傾斜する傾斜面(第1傾斜面)M2と、表面200aに平行な平面M1(図1参照)又は表面200aに対して傾斜面M2の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する傾斜面(第2傾斜面)M3(図8参照)と、を有する。記憶素子501aは傾斜面M2に設けられており、リファレンス素子502aは平面M1又は傾斜面M3に設けられている。これにより、リファレンス素子502aの絶縁層104が記憶素子501aの絶縁層104よりも厚くなるので、リファレンス素子502aの抵抗面積積RA及び反転電圧Vcは記憶素子501aに比べて高くなる。したがって、誤書き込み(リードディスターブ)への耐性を高めることが可能になり、誤書き込みの発生を抑えることができる。
また、下部絶縁層32は、平面M1及び傾斜面M3を有し、複数のリファレンス素子502aは、平面M1及び傾斜面M3に設けられてもよい。このような場合でも、誤書き込みの発生を抑えることができる。
また、リファレンス素子502aの抵抗値は、記憶素子501aの抵抗値と同じであり、リファレンス素子502aにおける平面M1に平行な平面形状の面積は、記憶素子501aにおける傾斜面M2に平行な平面形状の面積より大きくてもよい。
また、複数の記憶素子501aは、傾斜面M2及び平面M1に設けられてもよい。これにより、傾斜面M2上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さと、平面M1上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さとは異なる。したがって、絶縁層104の厚さが異なる複数の記憶素子501a、すなわち、書込み(保持)特性が異なる複数の記憶素子501aを同時に形成することができる。つまり、製造工程数を抑えることが可能となり、生産性を向上させることができる。
また、複数の記憶素子501aは、傾斜面M2及び平面M1に加え、傾斜面M3に設けられてもよい。これにより、傾斜面M2上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さと、平面M1上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さと、傾斜面M3上の記憶素子501aの絶縁層104の厚さとは異なる。したがって、書込み(保持)特性が異なる複数のMTJ素子10を同時に形成することが可能となり、生産性を向上させることができる。
また、下部絶縁層32は、平面M1又は傾斜面M3に設けられたリファレンス素子502aに電気的に接続される貫通配線の一例であるコンタクト層208を含んでもよい。これにより、リファレンス素子502aに対する電気配線を簡略化することができる。
また、平面M1又は傾斜面M3は、コンタクト層208が下部絶縁層32から露出する露出面208aを含み、コンタクト層208に電気的に接続されたリファレンス素子502aは、露出面208a内に設けられてもよい(図9参照)。このような場合でも、誤書き込みの発生を抑えることができる。
また、下部絶縁層32は、傾斜面M2に設けられた記憶素子501aに電気的に接続される貫通配線の一例であるコンタクト層208を含んでもよい。これにより、記憶素子501aに対する電気配線を簡略化することができる。
また、傾斜面M2は、コンタクト層208が下部絶縁層32から露出する露出面208aを含み、コンタクト層208に電気的に接続された記憶素子501aは、露出面208a内に設けられてもよい(図9参照)。このような場合でも、誤書き込みの発生を抑えることができる。
<2.第2の実施形態>
<2-1.MTJ素子の製造方法>
第2の実施形態に係るMTJ素子10の製造方法(記憶装置1の製造方法)の一例について図13から図15を参照して説明する。図13及び図14は、第2の実施形態に係るMTJ素子10の製造工程の一例を説明するための断面図である。図15は、第2の実施形態に係るMTJ素子10の製造工程の比較例を説明するための断面図である。
図13に示すように、基板の表面200a(半導体基板200の上面)には、下部絶縁層32が積層される。下部絶縁層32は、平面M1及び複数の傾斜面M2、M4を含む凸部を有している。各傾斜面M2、M4には、それぞれコンタクト層208が位置付けられ、垂直方向に延伸するように形成されている。複数の傾斜面M2、M4は、第1傾斜面及び第3傾斜面に相当する。
なお、コンタクト層208の上面である露出面208aは、コンタクト層208が下部絶縁層32から露出する。傾斜面M2内の露出面208aは、傾斜面M2と同じ傾斜角度及び傾斜方向で傾斜する面である。傾斜面M4内の露出面208aは、傾斜面M4と同じ傾斜角度及び傾斜方向で傾斜する面である。これらの露出面208aは、それぞれ傾斜面M2、M4に含まれる。このような下部絶縁層32上に、下地層100、固定層102、絶縁層104、記憶層106及びキャップ層108が、その記載順序でスパッタリング等の成膜方法(例えば、DCマグネトロンスパッタ法やRFマグネトロンスパッタ法等)により積層される。
さらに、キャップ層108の上には、フォトマスク40が形成される。フォトマスク40は、例えば、キャップ層108上にフォトレジスト層をスピンコート法等により積層し、そのフォトレジスト層をMTJ素子10の形状及びサイズに合わせてパターニングすることによって形成される。このフォトマスク40がマスクとして用いられ、キャップ層108、記憶層106、絶縁層104、固定層102、下地層100等に対して順次エッチングが行われ、図14に示すように、MTJ素子10が下部絶縁層32の上面、すなわち各傾斜面M2、M4にそれぞれ形成される。なお、エッチングとしては、例えば、イオンビームエッチング(IBE)を用いても良く、また、リアクティブイオンエッチング(RIE)を用いても良いし、それらを組み合わせても良い。
このような製造工程によれば、図13に示すように、下地層100からキャップ層108までが真空装置内で連続的に成膜され、その後、エッチング等によるパターニング加工が行われることで、図14に示すように、MTJ素子10が下部絶縁層32の上面に形成される。このとき、MTJ素子10は、下部絶縁層32の各傾斜面M2、M4上にそれぞれ形成される。各傾斜面M2、M4の傾斜角度は同じである。このため、傾斜面M2上のMTJ素子10の絶縁層104の厚さ(膜厚)と、傾斜面M4上のMTJ素子10の絶縁層104の厚さは、同じである。
図13の例では、MTJ素子10の間隔を狭くする場所(例えば、最も狭くする場所)において、それらのMTJ素子10を形成する場所の下部絶縁層32に2つの傾斜面M2、M4が設けられる。例えば、隣接するMTJ素子10の間の下部絶縁層32が図13のような凸状に形成される。2つの傾斜面M2、M4は、互いの面間の離間距離が半導体基板200の表面200aに向かって徐々に広がるように形成されている。
2つの傾斜面M2、M4のうち一方は、面内方向(例えば、ウェハ膜面方向)に対して+a度(正の値)を、それらのうち他方は、面内方向に対して-b度(負の値)を持つ。数値a及びbは同じでもよく、また、異なっていてもよい。このように2つの傾斜面M2の個々の傾斜方向は異なる。なお、「+」と「-」は、傾斜方向が逆であることを示す。傾斜方向は、例えば、二次元で規定されるものでもよく、あるいは、三次元で規定されるものでもよい。
このようなレイアウトによれば、傾斜面M2の傾斜角度B(deg)分だけ、イオンビームが遮蔽される角度上限を増やすことができる。この角度上限はY+B(deg)である。つまり、イオンビームの入射角度範囲の拡張により、イオンビームを相対的に寝かして照射し、MTJ素子10の側壁に付着する再デポ物を除去することができる。したがって、イオンビームエッチング(IBE)による素子加工を行う場合、MTJ素子10によりイオンビームが遮蔽されることが軽減され、MTJ素子10の間隔を狭くしてもショート不良を抑えることが可能になるので、より高密度な記憶装置1を作成することができる。
一方、図15に示す比較例では、下部絶縁層32は平面M1だけを有しており、各MTJ素子10は平面M1上に形成される。このレイアウトでは、イオンビームをY(deg)以上寝かせると、隣接するMTJ素子10やその上のフォトマスク40により遮蔽される。つまり、素子間隔が狭くなる場所では、IBE(イオンビームエッチング)加工時のイオンビームが隣接する一方の素子に遮られることがある。
このように、比較例では、イオンビームの角度が水平に近づいた場合、隣接するMTJ素子10やその上のフォトマスク40によってイオンビームが遮蔽され、MTJ素子10の側壁に付着した付着物、すなわち再デポ物の除去が不十分となり、ショート不良を引き起こすことがある。このショート不良を回避するため、前述のように、イオンビームの入射角度範囲の拡張により、イオンビームを相対的に寝かして照射し、MTJ素子10の側壁に付着する再デポ物を除去することができる。
<2-2.作用・効果>
以上説明したように、第2の実施形態によれば、下部絶縁層32は、半導体基板200の表面200aに対する傾斜方向が異なる複数の傾斜面(第1傾斜面、第3傾斜面)M2、M4(図14参照)を有しており、複数の記憶素子501aは、各傾斜面M2、M4に設けられている。このレイアウトにより、隣接する記憶素子501aの成膜時、互いの素子がイオンビームを遮蔽することが抑えられ、ショート不良素子の原因となる再デポ物(再付着のデポ物)を記憶素子501aから除去することが容易となる。したがって、歩留まりの低下を抑えることが可能になるので、生産性を向上させることができる。
また、各傾斜面M2、M4は、互いの面間の離間距離が半導体基板200の表面200aに向かって徐々に広がる二つの傾斜面であってもよい。このレイアウトにより、隣接する記憶素子501aの成膜時、互いの素子がイオンビームを遮蔽することがより抑えられ、ショート不良素子の原因となる再デポ物を記憶素子501aから除去することが容易となるので、歩留まりの低下を抑え、生産性を確実に向上させることができる。
また、各傾斜面M2、M4の個々の傾斜角度は、同じであってもよく、異なっていてもよい。このとき、各傾斜面M2、M4の傾斜角度を調整することで、例えば、各記憶素子501aの絶縁層104の厚さを変えることが可能であり、書込み(保持)特性が異なる複数の記憶素子501aを形成することができる。
<3.他の実施形態>
上記の実施形態に係る構成は、上記の実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。例えば、構成は、上述した例に限らず、種々の態様であってもよい。また、例えば、上記文書中や図面中で示した構成、処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上記の各実施形態及びそれらの変形例に係る各MTJ素子10を磁気抵抗素子として使用し、記憶装置1として、HDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置を構成してもよい。
<4.電子機器の構成例>
前述の各実施形態(各変形例も含む)に係る記憶装置1を備える電子機器として、撮像装置300及びゲーム機器900について図16から図18を参照して説明する。例えば、撮像装置300及びゲーム機器900は、前述の各実施形態に係る記憶装置1をメモリとして用いる。メモリとしては、例えば、フラッシュメモリ等が挙げられる。
<4-1.撮像装置>
前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を備える撮像装置300について図16を参照して説明する。図16は、前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を備える撮像装置300の概略構成の一例を示す図である。撮像装置300としては、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、撮像機能を有するスマートフォンや携帯電話機等の電子機器が挙げられる。
図16に示すように、撮像装置300は、光学系301、シャッタ装置302、撮像素子303、制御回路(駆動回路)304、信号処理回路305、モニタ306及びメモリ307を備える。この撮像装置300は、静止画像および動画像を撮像可能である。
光学系301は、1枚または複数枚のレンズを有する。この光学系301は、被写体からの光(入射光)を撮像素子303に導き、撮像素子303の受光面に結像させる。
シャッタ装置302は、光学系301および撮像素子303の間に配置される。このシャッタ装置302は、制御回路304の制御に従って、撮像素子303への光照射期間および遮光期間を制御する。
撮像素子303は、光学系301およびシャッタ装置302を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。撮像素子303に蓄積された信号電荷は、制御回路304から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
制御回路304は、撮像素子303の転送動作およびシャッタ装置302のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、撮像素子303およびシャッタ装置302を駆動する。
信号処理回路305は、撮像素子303から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路305が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ306に供給され、また、メモリ307に供給される。
モニタ306は、信号処理回路305から供給された画像データに基づき、撮像素子303により撮像された動画又は静止画を表示する。モニタ306としては、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置が用いられる。
メモリ307は、信号処理回路305から供給された画像データ、すなわち、撮像素子303により撮像された動画又は静止画の画像データを記憶する。メモリ307は、前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を含む。
このように構成されている撮像装置300においても、メモリ307として、上述した記憶装置1を用いることにより、生産性の向上を実現することができる。
<4-2.ゲーム機器>
前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を備えるゲーム機器900について図17及び図18を参照して説明する。図17は、前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を備えるゲーム機器900の概略構成の一例を示す斜視図(外観斜視図)である。図18は、ゲーム機器900の概略構成の一例を示すブロック図である。
図17に示すように、ゲーム機器900は、例えば、横長の扁平な形状に形成された外筐901の内外に各構成が配置された外観を有する。
外筐901の前面には、長手方向の中央部に表示パネル902が設けられる。また、表示パネル902の左右には、それぞれ周方向に離隔して配置された操作キー903及び操作キー904が設けられる。また、外筐901の前面の下端部には、操作キー905が設けられる。操作キー903、904、905は、方向キー又は決定キー等として機能し、表示パネル902に表示されるメニュー項目の選択やゲームの進行等に用いられる。
外筐901の上面には、外部機器を接続するための接続端子906や電力供給用の供給端子907、外部機器との赤外線通信を行う受光窓908等が設けられる。
図18に示すように、ゲーム機器900は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算処理部910と、各種情報を記憶する記憶部920と、ゲーム機器900の各構成を制御する制御部930とを備える。演算処理部910及び制御部930には、例えば、図示しないバッテリー等から電力が供給される。
演算処理部910は、各種情報の設定またはアプリケーションの選択をユーザに行わせるためのメニュー画面を生成する。また、演算処理部910は、ユーザによって選択されたアプリケーションを実行する。
記憶部920は、ユーザにより設定された各種情報を保持する。記憶部920は、前述の各実施形態のいずれかに係る記憶装置1を含む。
制御部930は、入力受付部931、通信処理部933及び電力制御部935を有する。入力受付部931は、例えば、操作キー903、904及び905の状態検出を行う。また、通信処理部933は、外部機器との間の通信処理を行う。電力制御部935は、ゲーム機器900の各部に供給される電力の制御を行う。
このように構成されているゲーム機器900においても、記憶部920として、上述した記憶装置1を用いることにより、生産性の向上を実現することができる。
なお、前述の各実施形態に係る記憶装置1は、演算装置等を成す半導体回路とともに同一の半導体チップに搭載されて半導体装置(System-on-a-Chip:SoC)を構成してもよい。
また、前述の各実施形態に係る記憶装置1は、上述のようにメモリ(記憶部)が搭載され得る各種の電子機器に実装されることが可能である。例えば、記憶装置1は、撮像装置300やゲーム機器900の他にも、ノートPC(Personal Computer)、モバイル機器(例えば、スマートフォンやタブレットPC等)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス、音楽機器等、各種の電子機器に搭載されてもよい。例えば、記憶装置1は、ストレージ等の各種メモリとして用いられる。
<5.付記>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、
前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、
前記下地層が表面に積層された半導体基板と、
を備え、
前記下地層は、
前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、
前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、
を有し、
前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、
前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている、
記憶装置。
(2)
前記下地層は、前記平面及び前記第2傾斜面を有し、
複数の前記リファレンス素子は、前記平面及び前記第2傾斜面に設けられている、
上記(1)に記載の記憶装置。
(3)
前記リファレンス素子の抵抗値は、前記記憶素子の抵抗値と同じであり、
前記リファレンス素子における前記平面に平行な平面形状の面積は、前記記憶素子における前記第1傾斜面に平行な平面形状の面積よりも大きい、
上記(1)又は(2)に記載の記憶装置。
(4)
複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記平面に設けられている、
上記(1)から(3)のいずれか一つに記載の記憶装置。
(5)
複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記平面に加え、前記第2傾斜面に設けられている、
上記(4)に記載の記憶装置。
(6)
前記下地層は、前記表面に対する傾斜方向が前記第1傾斜面と異なる第3傾斜面を有し、
複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面に設けられている、
上記(1)から(5)のいずれか一つに記載の記憶装置。
(7)
前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面は、互いの面間の離間距離が前記表面に向かって徐々に広がる二つの傾斜面である、
上記(6)に記載の記憶装置。
(8)
前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面のそれぞれの傾斜角度は、同じである、
上記(6)又は(7)に記載の記憶装置。
(9)
前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面のそれぞれの傾斜角度は、異なる、
上記(6)又は(7)に記載の記憶装置。
(10)
前記下地層は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられた前記リファレンス素子に電気的に接続される貫通配線を含む、
上記(1)から(9)のいずれか一つに記載の記憶装置。
(11)
前記平面又は前記第2傾斜面は、前記貫通配線が前記下地層から露出する露出面を含み、
前記貫通配線に電気的に接続された前記リファレンス素子は、前記露出面内に設けられている、
上記(10)に記載の記憶装置。
(12)
前記下地層は、前記第1傾斜面に設けられた前記記憶素子に電気的に接続される貫通配線を含む、
上記(1)から(11)のいずれか一つに記載の記憶装置。
(13)
前記第1傾斜面は、前記貫通配線が前記下地層から露出する露出面を含み、
前記貫通配線に電気的に接続された前記記憶素子は、前記露出面内に設けられている、
上記(12)に記載の記憶装置。
(14)
情報を記憶する記憶装置を備え、
前記記憶装置は、
磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、
前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、
前記下地層が表面に積層された半導体基板と、
を備え、
前記下地層は、
前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、
前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、
を有し、
前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、
前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている、
電子機器。
(15)
半導体基板の表面に、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と有する下地層を形成し、
前記第1傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有する記憶素子を、前記平面又は前記第2傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有するリファレンス素子を形成する、
記憶装置の製造方法。
(16)
前記(1)から(13)のいずれか一つに記載の記憶装置を備える電子機器。
(17)
前記(1)から(13)のいずれか一つに記載の記憶装置を製造する記憶装置の製造方法。
1 記憶装置
10 MTJ素子
20 選択トランジスタ
30 絶縁層
32 下部絶縁層
34 上部絶縁層
40 フォトマスク
50 レジスト層
70 ビット線
72 ゲート電極
74 配線
100 下地層
102 固定層
104 絶縁層
106 記憶層
108 キャップ層
200 半導体基板
200a 表面
202 ソース領域
204 ドレイン領域
206 素子分離層
208 コンタクト層
208a 露出面
210 コンタクト層
501 メモリセル
501a 記憶素子
501b 選択トランジスタ
502 リファレンスセル
502a リファレンス素子
502b 選択トランジスタ
511 センスアンプ
512 センスアンプ
513 センスアンプ
M1 平面
M2 傾斜面

Claims (15)

  1. 磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、
    前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、
    前記下地層が表面に積層された半導体基板と、
    を備え、
    前記下地層は、
    前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、
    前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、
    を有し、
    前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、
    前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている、
    記憶装置。
  2. 前記下地層は、前記平面及び前記第2傾斜面を有し、
    複数の前記リファレンス素子は、前記平面及び前記第2傾斜面に設けられている、
    請求項1に記載の記憶装置。
  3. 前記リファレンス素子の抵抗値は、前記記憶素子の抵抗値と同じであり、
    前記リファレンス素子における前記平面に平行な平面形状の面積は、前記記憶素子における前記第1傾斜面に平行な平面形状の面積よりも大きい、
    請求項1に記載の記憶装置。
  4. 複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記平面に設けられている、
    請求項1に記載の記憶装置。
  5. 複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記平面に加え、前記第2傾斜面に設けられている、
    請求項4に記載の記憶装置。
  6. 前記下地層は、前記表面に対する傾斜方向が前記第1傾斜面と異なる第3傾斜面を有し、
    複数の前記記憶素子は、前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面に設けられている、
    請求項1に記載の記憶装置。
  7. 前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面は、互いの面間の離間距離が前記表面に向かって徐々に広がる二つの傾斜面である、
    請求項6に記載の記憶装置。
  8. 前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面のそれぞれの傾斜角度は、同じである、
    請求項6に記載の記憶装置。
  9. 前記第1傾斜面及び前記第3傾斜面のそれぞれの傾斜角度は、異なる、
    請求項6に記載の記憶装置。
  10. 前記下地層は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられた前記リファレンス素子に電気的に接続される貫通配線を含む、
    請求項1に記載の記憶装置。
  11. 前記平面又は前記第2傾斜面は、前記貫通配線が前記下地層から露出する露出面を含み、
    前記貫通配線に電気的に接続された前記リファレンス素子は、前記露出面内に設けられている、
    請求項10に記載の記憶装置。
  12. 前記下地層は、前記第1傾斜面に設けられた前記記憶素子に電気的に接続される貫通配線を含む、
    請求項1に記載の記憶装置。
  13. 前記第1傾斜面は、前記貫通配線が前記下地層から露出する露出面を含み、
    前記貫通配線に電気的に接続された前記記憶素子は、前記露出面内に設けられている、
    請求項12に記載の記憶装置。
  14. 情報を記憶する記憶装置を備え、
    前記記憶装置は、
    磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とをそれぞれ有する記憶素子及びリファレンス素子と、
    前記記憶素子及びリファレンス素子が設けられた下地層と、
    前記下地層が表面に積層された半導体基板と、
    を備え、
    前記下地層は、
    前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、
    前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と、
    を有し、
    前記記憶素子は、前記第1傾斜面に設けられており、
    前記リファレンス素子は、前記平面又は前記第2傾斜面に設けられている、
    電子機器。
  15. 半導体基板の表面に、前記表面に対して傾斜する第1傾斜面と、前記表面に平行な平面又は前記表面に対して前記第1傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する第2傾斜面と有する下地層を形成し、
    前記第1傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有する記憶素子を、前記平面又は前記第2傾斜面上に、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が変更可能な記憶層と、前記固定層と前記記憶層との間に設けられた絶縁層とを有するリファレンス素子を形成する、
    記憶装置の製造方法。
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