JP5157611B2 - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗素子を用いた磁気センサおよびその製造方法に関する。
従来、各種の磁気抵抗素子を用いたセンサとして、磁気抵抗効果素子(MR素子)、磁気インピーダンス素子(MI素子)、フラックスゲートセンサ、半導体ホール効果センサ等が用いられている。
例えば、MIセンサによれば、MI素子という磁気抵抗素子を用いることで薄膜化・小型化が容易であり、その改良も盛んに行われている。また、MR素子の場合には、高周波電流を流した場合のその高周波インピーダンスの磁界による変化をもって磁界強度を検知することができる。
磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた磁気センサの素子として、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)等が知られている。GMR素子とは、強磁性層と非強磁性層とが交互に複数層形成され、隣接する2つの磁性層の磁化方向が、外部磁界の強さに応じて平行な場合と反平行な場合とで変化する抵抗を利用して磁気検知を行うものである。
また、TMR素子とは、磁性薄膜層が絶縁層を介して複数層形成され、伝導に関わる電子がスピンを維持しながら絶縁層をトンネル現象によって伝導されることで、このときの磁化の状態によってトンネル透過係数が異なることを利用して磁界検知を行うものである。
これら磁気抵抗効果素子は磁化の向きが所定の向きに固定されたピンド層(固定層)と、磁化の向きが外部磁界の向きに応じて変化するフリー層(自由層)とを備えている。磁気センサとして外部磁界を検知する時は固定されたピンド層の磁化方向に対して外部磁界の向きに応じて変化するフリー層の磁化方向の相対関係に応じて抵抗値は変化することを利用して磁界の方向を検知するものである。
ところで、近年、カーナビゲーションや携帯電話機器などGPSを用いた機器が増えてきている。そのような中で、GPSからの電波が遮られる場所における現在地確認での使用などにおいて、超小型の磁気センサが求められている。そのため、ICと一体化ができるシリコンウエハ上に作られた磁気センサは好都合である。また、磁気センサを二次元平面若しくは三次元空間での方位検知が要求されている。
二次元平面の方位検知ができる磁気センサとして特許文献1に開示された技術がある。
また、三次元空間の方位検知ができる磁気センサとして特許文献2、特許文献3、特許文献3に開示されたがある。
特許文献1に記載の発明は、直交する2方向(X軸方向,Y軸方向)の磁界の変化をそれぞれ検出するように磁気抵抗効果素子それぞれ直交する位置関係になるよう基板上に平面配置し、各方向数個の磁気抵抗効果素子でホイーストンブリッジ接続したものである。
特許文献2に記載の発明は、TMR素子を適用した技術が開示されており、TMR素子を3軸上に独立に配置している。この1軸の磁界変化を検出する磁気センサが実装技術を用いてお互いに直交する3軸へ配置した説明図になっている。
特許文献3に記載の発明は、MR素子からなる2軸の磁気検知部と1軸の検知部を可撓性基板上に形成し、両検知部を電気的に接続する薄膜導体部で可撓性基材を曲げることで3軸方位センサを構成している。
特許文献4に記載の発明は、直交する2方向(X軸方向,Y軸方向)の磁界の変化をそれぞれ検出するように磁気抵抗効果素子それぞれ直交する位置関係になるよう基板上に平面配置し、さらに基板上に形成した斜面上にZ軸方向の磁界の変化を検出するように磁気抵抗効果素子を配置している。また、各方向数個の磁気抵抗効果素子でホイーストンブリッジ接続している。
特許第3498737号公報 特開2003−008101号公報 特開2006−010591号公報 特開2006−308573号公報
3軸の磁気センサとして、特許文献2に記載の発明のように単軸の磁気センサチップを直交する3軸方向に実装させた3軸磁気センサや、特許文献3に記載の発明のように2軸の磁気検知部と1軸の検知部を可撓性基板上に形成し、可撓性基材を曲げることで3軸磁気センサを構成したものが提案されている。
特許文献2に記載の発明は、三次元実装になることで各軸の直交度の精度を向上させるのは難しく、電気配線の引き回しも複雑である。必然的に3軸の磁気センサとしては比較的大きなものになる。特許文献3に記載の発明は、2軸の磁気検知部は各々の軸のピンド層(固定層)の磁化方向の相対位置関係は高い精度で作りこむことができる。
一方、2軸の磁気検知部と1軸の検知部との磁化方向の相対位置関係は可撓性基材の曲げ方(曲がり方)により精度が決まってくる。そのため、2軸の磁気検知部と1軸の検知部との磁化方向の相対位置関係は2軸の磁気検知部内の位置関係と比較すると精度は低下する。また、可撓性基材を曲げて固定するためにある幅の糊代が必要となるため、可撓性基材を固定する基材は厚く大きくなってくる。
このように3軸間での相対位置精度のバラツキは測定した外部磁界の出力から読み取る位置精度の低下に繋がる。
また、携帯電話などの機器への搭載を行う場合、小型で薄型のセンサが要求されるが、特許文献2、特許文献3に記載の発明では限界が生じる。これらの特許文献1〜3に記載の発明の課題を解決した構成例として、特許文献4に記載の発明がある。
磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた磁気センサは前述の通り、磁化の向きが所定の向きに固定されたピンド層(固定層)と、磁化の向きが外部磁界の向きに応じて変化するフリー層(自由層)とを備えている。磁気センサとして外部磁界を検知する時は固定されたピンド層の磁化方向に対して外部磁界の向きに応じて変化するフリー層の磁化方向の相対関係に応じて抵抗値は変化することを利用して磁界の方向を検知するものなので、ピンド層(固定層)の磁化の方向は多軸のセンサでは最適な方向は異なってくる。ピンド層の磁化方向は磁場中で所定の温度で熱処理することで決定される。そのため、同一基板上へ2軸以上のセンサでは各軸毎に磁界の向きを変えてピンド層(固定層)の着磁を行っていた(特許文献1、特許文献4参照。)。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、同一基板上に3軸の磁気センサを配置することで各軸の相対位置関係を高精度にし、ブリッジ接続される基準抵抗(外部磁界の方向の影響を受けることなく一定の抵抗値を示す抵抗)を同一基板中に形成し、全ての軸のピンド層(固定層)の着磁を一方向の磁界からなる磁場中で熱処理をすることで同時に形成できる3軸の磁気センサ及びその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、製造工数が少なく、同時に複数の軸を有する磁気センサ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、前記基板は、傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、前記基板は傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である傾斜面上に配したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、(100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、(100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である斜面上に配したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の発明において、前記固定抵抗は、前記検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子からなり、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の発明において、前記固定抵抗は前記基板へ形成した傾斜面上へ配置したことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項記載の発明において、前記磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、基板を準備する工程と、前記基板に傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を形成する工程と、各センサブリッジ回路内の一対の検知部を同一の傾斜面上にそれぞれ配する工程と、前記基板全体を加熱しながら前記基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁を行う工程とを備えたことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記磁気抵抗効果素子にトンネル磁気抵抗効果素子を用いることを特徴とする。
本発明によれば、複数のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。
本発明に係る磁気センサの一実施の形態は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、基板は、傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする。
上記構成によれば、基板は、傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることにより、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、基板は傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である傾斜面上に配したことを特徴とする。
上記構成によれば、基板は傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である傾斜面上に配したことにより、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、(100)単結晶シリコンウエハからなり、基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする。
上記構成によれば、基板が(100)単結晶シリコンウエハからなり、基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面からなる傾斜斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。さらには検知部を配置する斜面は結晶面で規定されるため各軸間での検知部位置精度が高くなり、3軸間での位置関係が結晶面位置関係で一意的に決まるため、ばらつきの少ない安定した製造ができる。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、(100)単結晶シリコンウエハからなり、基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である斜面上に配したことを特徴とする。
上記構成によれば、基板が(100)単結晶シリコンウエハからなり、基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面からなる傾斜斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。さらには検知部を配置する斜面は結晶面で規定されるため各軸間での検知部位置精度が高くなり、3軸間での位置関係が結晶面位置関係で一意的に決まるため、ばらつきの少ない安定した製造ができる。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、上記構成に加え、固定抵抗は、検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子からなり、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われていることを特徴とする。
上記構成によれば、固定抵抗は電気的な絶縁が取れる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われているので、磁気抵抗効果素子等の外部磁界に対して感度をもつ素子を提供した場合でも外部磁界に影響されること無く固定抵抗として機能するとともに、検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子なので、素子の温度特性を同一にでき、磁気センサ特性が安定する。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、上記構成に加え、固定抵抗は前記基板に形成した傾斜面上へ配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、磁気センサの占有面積を小さくすることができるので、シリコンウエハから切り出せるチップ数が増えることになり、コスト低減に繋がる。
本発明に係る磁気センサの他の実施の形態は、上記構成に加え、磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする。
上記構成によれば、磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗効果素子であることにより、少ない消費電力で磁気検知が可能となるため地球環境負荷が低減できる。
本発明の磁気センサの製造方法に係る一実施の形態は、基板を準備する工程と、基板に傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を形成する工程と、各センサブリッジ回路内の一対の検知部を同一の傾斜面上にそれぞれ配する工程と、基板全体を加熱しながら基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁を行う工程とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、基板全体を加熱しながら基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁(磁化方向を固定する)を行うので、一度の着磁工程で検知部の着磁ができる。
本発明の磁気センサの製造方法に係る他の実施の形態は、上記構成に加え、固定抵抗を検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子とし、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆う工程を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、固定抵抗を検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子とし、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆う工程を備えたことにより、磁気抵抗効果素子等の外部磁界に対して感度をもつ素子を提供した場合でも外部磁界に影響されること無く固定抵抗として機能するとともに、検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子なので、素子の温度特性を同一にでき、磁気センサ特性が安定する。
本発明の磁気センサの製造方法に係る他の実施の形態は、上記構成に加え、磁気抵抗効果素子にトンネル磁気抵抗効果素子を用いることを特徴とする。
上記構成によれば、少ない消費電力で磁気検知が可能となるため地球環境負荷が低減できる。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。
<検知部を一定の角度をもつ同一傾斜面上に配置した例>
以下に、本実施例の磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサについて図面を用いて説明する。なお、本発明はこれらの実施例に述べるものに限定されることなく、その目的を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
図1は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図2は図1のII−II線断面で斜面上に磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。図3は図1の磁気抵抗効果素子構造であり、図3(a)はその平面図、図3(b)は図1のIIIb−IIIb線断面図である。図4はブリッジ結線を示すブロック図である。
本実施例の磁気センサ1は、二つの検知部2A,2Bと二つの固定抵抗部3A,3Bを備えている。なお、検知部2A,2B及び固定抵抗部3A,3BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部3A,3Bには磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。磁気シールド膜の構成については第3の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
検知部2A,2B及び固定抵抗部3A,3Bは基板4に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部2A,2B及び固定抵抗部3A,3B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。本実施例の磁気センサ1の基板4は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて100μmの深さで二つの溝5Aと溝5Bとが形成されている。溝5A,5Bの形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
本実施例では溝底面に平坦部(基板4の表面と略平行な面)を有しているが、平坦部を有しない形状でも発明上は何ら影響が無い。そのため、図示しないが溝底面に平坦部を有しないV溝構造を有する基板への適用も可能である。溝底面に平坦部を有しないV溝構造の場合は溝底面に平坦部を有しない分磁気センサの占有エリアが狭くなりより小型化が狙える。
また、本実施例の図1のように磁気抵抗効果素子は斜面に対して幅方向に長く形成しており、磁気抵抗効果素子をお互い向かい合う傾斜面にのみ形成するようにすることで、よりV溝形状に近い形状とすることができるため磁気センサの小型に有利である。検知部2A,2B及び固定抵抗部3A,3Bはそれぞれ、図4のブリッジ結線ブロック図を反映した配線6で結線されそれぞれ入出力端子にあたるボンディングパッド7A,7B,7C,7Dに接続されている。二つの溝5Aと溝5Bとの間は配線6が形成できるようなスペースからなる。
また、本実施例では基板4に二つの溝5A,5Bを掘り込む形態をとったが、この溝が逆に突起となるようエッチングマスクを反転しKOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて加工した基板4としても適用できる。
但し、配線6とボンディングパッド7A〜7Dがエッチング加工された平面上に配置されるためエッチング加工された平面の平坦性が要求される。さらに、本実施例の磁気抵抗効果素子に用いられる基板には、(100)シリコンウエハの他に(110)シリコンウエハ、シリコン以外の半導体、ガラス材、セラミック材、非磁性金属などが適用可能である。本実施例では4角錐の頂部を切り取った逆台形形状を適用しているが、4角錐のほかに3角錐以上の多角錐、円錐でももちろんよい。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、検知部2A,2Bの位置関係が一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板構成としては最適である。
次に、図4のブリッジ結線ブロック図を参照してブリッジ回路について説明する。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一傾斜面に形成した検知部2A,2Bと検知部2とは異なる斜面で平行な二つの面にそれぞれ一つずつ形成した固定抵抗部3A,3Bとからなる。
図4のR1は検知部2B、R2は固定抵抗部3A、R3は固定抵抗部3B、R4は検知部2Aに相当する。このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
次に、図3を参考に検知部2Aを例に挙げて磁気抵抗効果素子であるTMR素子について説明する。
検知部2Aは、フリー層21、ピンド層22、絶縁層23、ピンド層側電極24、及びキャップ層25の各層からなる。また、基板との絶縁を保つ絶縁性薄膜26、パッシベーション膜27で表裏覆われている。パッシベーション膜27にはピンド層側電極24及びキャップ層25のそれぞれに配線電極を接合させるためのピンド層側コンタクトホール31とフリー層側コンタクトホール32が開口しており、それらコンタクトホールを通して電気配線される(電気配線用の配線は図中省略)。フリー層21は、外部磁界の向きに応じて磁化の方向が変化する層であり、一方、ピンド層22は、外部磁化の向きに関わらず磁化の方向が固定される層である。また、絶縁層23は、フリー層21およびピンド層22に挟持されトンネル層としての役割を果たす。
TMR素子としては、基板4上に、例えばFe−Niのような反強磁性体22−1とCo−Fe22−2などの磁性層とで構成されたピンド層22が積層される。そして、このピンド層22の上部に絶縁層23を積層して、さらにその上層にフリー層21を積層する。絶縁層23としては、SiO2などの絶縁材料や、Al23, MgOのような非磁性金属酸化物などが用いられる。また、フリー層21としては、例えばCo−FeやFe−Niなどを用いることができる。
また、磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
図5は、1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。本実施例の3軸磁気センサ1Aは、検知部2(2A,2B,2C,2D,2E,2F)と固定抵抗部3(3A,3B,3C,3D,3E,3F)とをそれぞれ6個ずつと合計12個のボンディングパッド7さらには各ボンディングパッド7と各検知部2及び各固定抵抗部3を電気的に接続する配線6とを備えている。
なお、検知部2及び固定抵抗部3はTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。検知部2及び固定抵抗部3は基板4に設けられた斜面上に形成されていて、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部2及び固定抵抗部3)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ1Aの基板4は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて100μmの深さで5つの溝5(5A,5B,5C,5D,5E)が形成されている。溝5の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
本実施例では溝底面に平坦部(基板104の表面と略平行な面)を有しているが、平坦部を有しない形状でも本発明上は何ら影響が無い。そのため、図示しないが溝底面に平坦部を有しないV溝構造を有する基板への適用も可能である。溝底面に平坦部を有しないV溝構造の場合は溝底面に平坦部を有しない分、磁気センサの占有エリアが狭くなりより小型化が狙える。
また、本実施例の図1のように磁気抵抗効果素子は斜面に対して幅方向に長く形成しており、磁気抵抗効果素子をお互い向かい合う傾斜面にのみ形成するようにすることで、よりV溝形状に近い形状とすることができるため磁気センサの小型に有利である。
検知部2A,2Bは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部3A,3Bと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路1とする。
検知部2C,2Dは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部3C,3Dと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路2とする。検知部2E,2Fは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部3E,3Fと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路3とする。検知部2におけるピンド層21の磁化方向は回路1、回路2、回路3の磁気センサでそれぞれ異なるように配置している。軸Yに対して軸Xと軸Zのピンド層21の磁化方向は紙面上で直行する位置関係を持ち、軸Xと軸Yのピンド層21の磁化方向は紙面上で平行逆向きになる位置関係を持っている。つまり、立体的には基板面から約55°の角度で3方向に放射方向を示す位置関係を持っている。
<検知部を一定の角度をもつ同一傾斜面上に配置した他の例>
図14は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図15は、図14のXV−XV線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。
本実施例の磁気センサ301は第1の実施例の固定抵抗部303を基板304の上ボンディングパッド307形成面と同一の面へ形成した構成で、二つの検知部302A,302Bと二つの固定抵抗部303A,303Bとを備えている。
なお、検知部302A,302B及び固定抵抗部303A,303BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部303には磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。
磁気シールド膜の構成については第5の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
検知部302A,302Bは基板304に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部302A,302B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ301の基板304は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで溝305Aが形成されている。溝305Aの形はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
本実施例では溝305底面に平坦部(基板304の表面と略平行な面)をもつ構造にしているが、平坦部(基板304の表面と略平行な面)をもたないV溝構造を有する溝305も本発明上は何ら影響が無い。検知部302A,302B及び固定抵抗部303A,303Bはそれぞれ、図4のブリッジ結線ブロック図を反映した配線306で結線されそれぞれ出力端子にあたるボンディングパッド307A,307B,307C,307Dに繋がっている。
本実施例の磁気抵抗効果素子に用いられる基板304には、(100)シリコンウエハの他に(110)シリコンウエハ、シリコン以外の半導体、ガラス材、セラミック材、非磁性金属などが適用可能である。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部302A,302Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板304構成としては最適である。
次に、図4のブリッジ結線ブロック図を参照してブリッジ回路について説明する。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一斜面にそれぞれ配置した検知部302A,302Bと基板304の平坦な面に形成した固定抵抗部303A,303Bとからなる。R1は検知部302B、R2は固定抵抗部303A、R3は固定抵抗部303B、R4は検知部302Aに相当する。
このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
本実施例の検知部302と固定抵抗部303を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成は図14を3組組み合わせ実施例1と同様に配列した構成をとることができるので、説明を割愛する。
また、本実施例においても磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
(本実施例の効果)
検知部402を配置する溝(突起でも構わない)に配置し、固定抵抗部303を基板304の上ボンディングパッド307形成面と同一の面へ形成した構成を取ることにより、実施例1と比較して磁気センサ401の占有面積が小さくできる。したがって、シリコンウエハから切り出せるチップ数が増えることになり、コスト低減に繋がる。
<検知部と固定抵抗部を一つの溝の斜面上へ配置した例>
図16は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図17は、図16のXVII−XVII線概略断面である。
本実施例の磁気センサ401は第1の実施例の固定抵抗部403を検知部402と同一溝の斜面上へ形成した構成で、二つの検知部402A,402Bと二つの固定抵抗部403A,403Bを備えている。
なお、検知部402A,402B及び固定抵抗部403A,403BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部403には磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。
磁気シールド膜の構成については第5の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
検知部402A,402Bは基板404に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部402A,402B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ401の基板404は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで溝405が形成されている。溝405の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
本実施例では溝405底面に平坦部(基板404の表面と略平行な面)をもつ構造にしているが、平坦部(基板404の表面と略平行な面)をもたないV溝構造を有する溝405でも本発明上は何ら影響が無い。検知部402A,402B及び固定抵抗部403A,403Bはそれぞれ、図4のブリッジ結線ブロック図を反映した配線406で結線されそれぞれ入出力端子にあたるボンディングパッド407A,407B,407C,407Dに繋がっている。
二本の配線406が交差するところができる。その配線間は直接接触しないように層間絶縁膜409を形成して絶縁を取っている。層間絶縁膜としてはプラズマCVD装置を使ったシリコン酸化膜が特に適している。シリコン酸化膜以外にも絶縁性の層間膜材料であればその製法もこの限りではない。
本実施例の磁気抵抗効果素子に用いられる基板404には、(100)シリコンウエハの他に(110)シリコンウエハ、シリコン以外の半導体、ガラス材、セラミック材、非磁性金属などが適用可能である。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部402A,402Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板404構成としては最適である。
次に、図4のブリッジ結線ブロック図を参照してブリッジ回路について説明する。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一斜面にそれぞれ配置した検知部402A,402Bと検知部402を配した斜面を構成する溝405の検知部402と対向する斜面に形成した固定抵抗部403A,403Bとからなる。R1は検知部402B、R2は固定抵抗部403A、R3は固定抵抗部403B、R4は検知部402Aに相当する。
このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
本実施例の検知部402と固定抵抗部403を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成は図16を実施例1と同様に配列した構成をとることができるので、説明を割愛する。
また、本実施例においても磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
(本実施例の効果)
検知部402と固定抵抗部403を配置する溝(突起でも構わない)を一つにする構成を取る本実施例の構成をとることにより、実施例1と比較して磁気センサ401の占有面積が小さくできる。よって、シリコンウエハから切り出せるチップ数が増えることになり、コスト低減に繋がる。また、固定抵抗部403も斜面上へ作ることで、検知部402と固定抵抗部403の温度特性などの素子特性が実施例2と比較してより近くできる。よって、より高精度な磁界検出が可能になる。
<二つの検知部を平行な二つの傾斜斜面上に配した例>
図6は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図7は図6のVII−VII線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。図8はブリッジ結線を示すブロック図である。
本実施例の磁気センサ1は第1の実施例の検知部2と固定抵抗部3との位置を入れ替えた構成で、二つの検知部102A,102Bと二つの固定抵抗部103A,103Bを備えている。
なお、検知部102A,102B及び固定抵抗部103A,103BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部103には磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。
磁気シールド膜の構成については第3の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
検知部102A,102B及び固定抵抗部103A,103Bは基板104に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部102A,102B及び固定抵抗部103A,103B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ101の基板104は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで二つの溝105Aと溝105Bが形成されている。溝105A,105Bの形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
本実施例では溝105底面に平坦部(基板104の表面と略平行な面)をもたないV溝構造にしているが、第1の実施例と同様の平坦部(基板104の表面と略平行な面)を有する溝105でも本発明上は何ら影響が無い。検知部102A,102B及び固定抵抗部103A,103Bはそれぞれ、図8のブリッジ結線ブロック図を反映した配線106で結線されそれぞれ入出力端子にあたるボンディングパッド107A,107B,107C,107Dに繋がっている。二つの溝105Aと溝105Bの間は配線106が這いまわせるスペースからなる。
本実施例の磁気抵抗効果素子に用いられる基板104には、(100)シリコンウエハの他に(110)シリコンウエハ、シリコン以外の半導体、ガラス材、セラミック材、非磁性金属などが適用可能である。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部102A,102Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板104構成としては最適である。
次に、図8のブリッジ結線ブロック図を参照してブリッジ回路について説明する。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部102A,102Bと検知部102とは異なる斜面に形成した固定抵抗部103A,103Bとからなる。R1は検知部102B、R2は固定抵抗部103A、R3は固定抵抗部103B、R4は検知部102Aに相当する。
このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
本実施例の検知部102と固定抵抗部103を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
また、本実施例においても磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
図9は、1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。本実施例の3軸磁気センサ101Aは、検知部102(102A,102B,102C,102D,102E,102F)と固定抵抗部103(103A,103B,103C,103D,103E,103F)をそれぞれ6個ずつと合計12個のボンディングパッド107さらには各ボンディングパッド107と各検知部102及び各固定抵抗部103を電気的に接続する配線106とを備えている。
なお、検知部102及び固定抵抗部103はTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。検知部102及び固定抵抗部103は基板104に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部102及び固定抵抗部103)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ101Aの基板104は(100)シリコンウエハを使用した。
(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで5つの溝105(5A,5B,5C,5D,5E)が形成されている。溝5の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。本実施例では溝105底面に平坦部(基板104の表面と略平行な面)をもたないV溝構造にしているが、第1の実施例同様の平坦部(基板104の表面と略平行な面)を有する溝105でも本発明上は何ら影響が無い。
検知部102A,102Bは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部103A,103Bと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路1とする。
検知部102C,102Dは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部103C,103Dと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路2とする。検知部102E,102Fは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部103E,103Fと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路3とする。
検知部102におけるピンド層21(第1の実施例と同様構成のTMR素子のピンド層21)の磁化方向は回路1、回路2、回路3の磁気センサでそれぞれ異なるように配置している。回路2に対して回路1と回路3のピンド層21の磁化方向は紙面上で直行する位置関係を持ち、回路1及び回路2のピンド層21の磁化方向は紙面上で平行逆向きになる位置関係を持っている。つまり、立体的には基板面から約55°の角度で3方向に放射方向を示す位置関係を持っている。
以上、代表して実施例1,2を示したが、回路1、回路2、回路3でピンド層21の磁化の方向がそれぞれ異なる方向であれば、検知部(2,102)と固定抵抗層(3,103)の斜面上の配置は必ずしも実施例1や実施例2の配置でなくても構わない。
<磁気シールド膜構成例>
図10は、本実施例を示す磁気センサの概略平面を模式的に示す図であり、第1の実施例の磁気シールド膜を配した固定抵抗部に関して説明するための説明図である。
本実施例では第1の実施例を例にとるが第2の実施例にも同様に適用できる。また、図11は図10のXI−XI線断面図であり、第1の実施例(図3(b))に磁気シールド膜を配した固定抵抗部の断面図である。
本実施例の磁気センサ201は、二つの検知部202A,202Bと二つの固定抵抗部203A,203Bを備えている。なお、検知部202A,202B及び固定抵抗部203A,203BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部203は絶縁性薄膜を介して磁気シールド膜が形成されている。固定抵抗部203はこのように磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。
次に、図11を参考に固定抵抗部203Aを例に挙げて磁気抵抗効果素子であるTMR素子について説明する。
固定抵抗部203Aは、フリー層221、ピンド層222、絶縁層223、ピンド層側電極224、キャップ層225、配線電極235、下部磁気シールド膜241、上部磁気シールド膜242、各磁気シールド膜(241,242)と各電極(224,235)との絶縁を保つ絶縁性薄膜(228,229)、基板との絶縁を保つ絶縁性薄膜226、及びパッシベーション膜227の各層から構成されている。
パッシベーション膜227にはピンド層側電極224とキャップ層225それぞれに配線電極235を接合させるためのピンド層側コンタクトホール231とフリー層側コンタクトホール232とが開口しており、それらコンタクトホールを通して電気配線される。
フリー層221は、外部磁界の向きに応じて磁化の方向が変化する層であり、一方、ピンド層222は、外部磁化の向きに関わらず磁化の方向が固定される層である。また、絶縁層223は、フリー層221およびピンド層222に挟持されトンネル層としての役割を果たす。
しかし、フリー層221の表裏を磁気シールド膜(241,242)で覆っているため外部磁界による感度が得られなくなる。
TMR素子としては、基板204上に、例えばFe−Niのような反強磁性体222−1とCo−Fe222−2などの磁性層とで構成されたピンド層222が積層される。そして、このピンド層222の上部に絶縁層223を積層して、さらにその上層にフリー層221を積層する。絶縁層223としては、SiO2などの絶縁材料や、Al2O3, MgOのような非磁性金属酸化物などが用いられる。また、フリー層221としては、例えばCo−FeやFe−Niなどを用いることができる。
また、磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。本実施例のように、センサブリッジ回路を構成する検知部と固定抵抗部を同一材料、層構成にし、固定抵抗部のみを絶縁性薄膜を介して磁気シールド膜で覆うようにすることで、検知部と固定抵抗部の温度特性を同一にできるので、環境温度による特性のばらつきを抑制することができる。
ここで、本実施例の磁気センサ201に用いられる磁気抵抗効果素子の形成方法について説明する。
図12は、本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの一部であり、図13は本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの残りである。
なお、本実施例においては、基板上に所望の傾斜面が予め形成されていることとする。
まず、傾斜面が形成された基板に対し、絶縁性薄膜(シリコン酸化膜など)を形成する(ステップS101)。
Ni-Fe合金膜、Si−Fe合金膜,Fe−Ni−Mn−Cu合金膜等の磁気シールド膜を形成する(ステップS102)。
成膜された磁気シールド膜にフォトリソ・エッチングを施し、少なくとも検知部が配置される位置近傍の磁気シールド膜を除去する(ステップS103)。
絶縁性薄膜(シリコン酸化膜など)を形成する(ステップS104)。
磁気抵抗効果素子となる所望の層構成を有する各膜を成膜する(ステップS105)。
成膜された各層にフォトリソ・エッチングの工程を二回施し2段のパターン形状を形成する(ステップS106)。
そしてパターニングされた素子に絶縁性を有する保護層を形成する(ステップS107)。 フォトリソ・エッチングにて保護層へコンタクトホールを形成する(ステップS108)。
コンタクトホールを覆うように基板表面全面に配線・ボンディングパッド用非磁性金属膜を形成する(ステップS109)。
各コンタクトホール間を結ぶ配線と入出力端子と結線するためのボンディングパッド用メタルをフォトリソ・エッチング工程にて形成する(ステップS110)。
絶縁性薄膜(シリコン酸化膜など)を形成する(ステップS111)。
基板表面側(磁気抵抗効果素子が形成されている面)の絶縁性薄膜表層にNi−Fe合金膜、Si−Fe合金膜、Fe−Ni−Mn−Cu合金膜等の磁気シールド膜を形成する(ステップS112)。
固定抵抗部3A,3Bを覆うように磁気シールド膜を残し、他の領域をフォトリソ・エッチングにて除去する(ステップS113)。
ボンディングパッド用メタル上の絶縁性薄膜をフォトリソ・エッチングにて除去する(ステップS114)。
次に、磁場中アニール処理を施しピンド層の方向が確定する(ステップS115)。
このとき、磁場印加方向は、基板表面に対して垂直方向になるようにする。本実施例のような1軸のセンサとして使う場合は傾斜面に対して垂直以外の方向であれば構わない。
ピンド層の磁化方向が確定した後、ステップS115よりも低い温度で再度磁場中アニール処理を施しフリー層の方向が確定する(ステップS116)。
このステップでの磁場印加方向は、基板面に対して平行になるように印加する。このときピンド層の磁化方向は、ステップS115で確定しているのでその方向は変更されない。以上、基板全体を加熱しながら基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁(磁化方向を固定する)を行うので、一度の着磁工程で検知部の着磁ができる。
以上、実施例1〜5の基板(4、104、204、304、404)へ形成する(100)シリコンウエハを使用し、溝(5、105、205、305、405)の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。としたが、傾斜角度は水平を除く角度であれば任意の角度で良く、溝以外に突起でも適用可能である。基板の材料も(100)シリコンウエハ以外にも(110)シリコンウエハ、シリコン以外の半導体、ガラス材、セラミック材、非磁性金属などが適用可能である (各実施例中にも記載) 。(100)シリコン基板を使うなら、その結晶方位面54.7°(約55°)が都合がよい。
〔作用効果〕
第1〜第3のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。
基板が(100)単結晶シリコンウエハからなり、基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面からなる傾斜斜面を有し、第1〜第3のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。
また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。さらには検知部を配置する斜面は結晶面で規定されるため各軸間での検知部位置精度が高くなり、3軸間での位置関係が結晶面位置関係で一意的に決まるため、ばらつきの少ない安定した製造ができる。
固定抵抗は電気的な絶縁が取れる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われているので、磁気抵抗効果素子等の外部磁界に対して感度をもつ素子を提供した場合でも外部磁界に影響されること無く固定抵抗として機能するとともに、検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子なので、素子の温度特性を同一にでき、磁気センサ特性が安定する。
磁気抵抗効果素子に高感度であるTMR素子を採用しているので、少ない消費電力で磁気検知が可能となるため地球環境負荷が低減できる。
基板全体を加熱しながら基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁(磁化方向を固定する)を行うので、一度の着磁工程で検知部の着磁ができる。
本発明は、カーナビゲーションや携帯電話機器などGPSを用いた機器に搭載し、GPSからの電波が遮られる場所における現在地確認等の用途として利用することができる。
本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 図1のII−II線断面で斜面上に磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。 図1の磁気抵抗効果素子構造であり、(a)はその平面図、(b)は図1のIIIb−IIIb線断面図である。 ブリッジ結線を示すブロック図である。 1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 図6のVII−VII線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。 ブリッジ結線を示すブロック図である。 1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 本実施例を示す磁気センサの概略平面を模式的に示す図であり、第1の実施例の磁気シールド膜を配した固定抵抗部に関して説明するための説明図である。 図10のXI−XI線断面図であり、第1の実施例(図3(b))に磁気シールド膜を配した固定抵抗部の断面図である。 本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの一部である。 本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの残りである。 本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 図14のXV−XV線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。 本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。 図16のXVII−XVII線略断面である。
符号の説明
1 磁気センサ
2A、2B 検知部
3A、3B 固定抵抗部
4 基板
5A、5B 溝
6 配線
7A、7B、7C ボンディングパッド

Claims (9)

  1. 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
    前記基板は、傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
    前記基板は傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である傾斜面上に配したことを特徴とする磁気センサ。
  3. 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
    (100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする磁気センサ。
  4. 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
    (100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である斜面上に配したことを特徴とする磁気センサ。
  5. 前記固定抵抗は、前記検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子からなり、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の磁気センサ。
  6. 前記固定抵抗は、前記基板に形成した傾斜面上へ配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の磁気センサ。
  7. 前記磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の磁気センサ。
  8. 基板を準備する工程と、
    前記基板に傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を形成する工程と、
    各センサブリッジ回路内の一対の検知部を同一の傾斜面上にそれぞれ配する工程と、
    前記基板全体を加熱しながら前記基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁を行う工程とを備えたことを特徴とする磁気センサの製造方法。
  9. 前記磁気抵抗効果素子にトンネル磁気抵抗効果素子を用いることを特徴とする請求項8記載の磁気センサの製造方法。
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