JP5157611B2 - 磁気センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、MIセンサによれば、MI素子という磁気抵抗素子を用いることで薄膜化・小型化が容易であり、その改良も盛んに行われている。また、MR素子の場合には、高周波電流を流した場合のその高周波インピーダンスの磁界による変化をもって磁界強度を検知することができる。
また、TMR素子とは、磁性薄膜層が絶縁層を介して複数層形成され、伝導に関わる電子がスピンを維持しながら絶縁層をトンネル現象によって伝導されることで、このときの磁化の状態によってトンネル透過係数が異なることを利用して磁界検知を行うものである。
また、三次元空間の方位検知ができる磁気センサとして特許文献2、特許文献3、特許文献3に開示されたがある。
また、携帯電話などの機器への搭載を行う場合、小型で薄型のセンサが要求されるが、特許文献2、特許文献3に記載の発明では限界が生じる。これらの特許文献1〜3に記載の発明の課題を解決した構成例として、特許文献4に記載の発明がある。
すなわち、本発明の目的は、製造工数が少なく、同時に複数の軸を有する磁気センサ及びその製造方法を提供することにある。
<検知部を一定の角度をもつ同一傾斜面上に配置した例>
以下に、本実施例の磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサについて図面を用いて説明する。なお、本発明はこれらの実施例に述べるものに限定されることなく、その目的を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一傾斜面に形成した検知部2A,2Bと検知部2とは異なる斜面で平行な二つの面にそれぞれ一つずつ形成した固定抵抗部3A,3Bとからなる。
図4のR1は検知部2B、R2は固定抵抗部3A、R3は固定抵抗部3B、R4は検知部2Aに相当する。このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
検知部2Aは、フリー層21、ピンド層22、絶縁層23、ピンド層側電極24、及びキャップ層25の各層からなる。また、基板との絶縁を保つ絶縁性薄膜26、パッシベーション膜27で表裏覆われている。パッシベーション膜27にはピンド層側電極24及びキャップ層25のそれぞれに配線電極を接合させるためのピンド層側コンタクトホール31とフリー層側コンタクトホール32が開口しており、それらコンタクトホールを通して電気配線される(電気配線用の配線は図中省略)。フリー層21は、外部磁界の向きに応じて磁化の方向が変化する層であり、一方、ピンド層22は、外部磁化の向きに関わらず磁化の方向が固定される層である。また、絶縁層23は、フリー層21およびピンド層22に挟持されトンネル層としての役割を果たす。
また、磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
また、本実施例の図1のように磁気抵抗効果素子は斜面に対して幅方向に長く形成しており、磁気抵抗効果素子をお互い向かい合う傾斜面にのみ形成するようにすることで、よりV溝形状に近い形状とすることができるため磁気センサの小型に有利である。
検知部2C,2Dは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部3C,3Dと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路2とする。検知部2E,2Fは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部3E,3Fと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路3とする。検知部2におけるピンド層21の磁化方向は回路1、回路2、回路3の磁気センサでそれぞれ異なるように配置している。軸Yに対して軸Xと軸Zのピンド層21の磁化方向は紙面上で直行する位置関係を持ち、軸Xと軸Yのピンド層21の磁化方向は紙面上で平行逆向きになる位置関係を持っている。つまり、立体的には基板面から約55°の角度で3方向に放射方向を示す位置関係を持っている。
図14は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図15は、図14のXV−XV線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。
本実施例の磁気センサ301は第1の実施例の固定抵抗部303を基板304の上ボンディングパッド307形成面と同一の面へ形成した構成で、二つの検知部302A,302Bと二つの固定抵抗部303A,303Bとを備えている。
磁気シールド膜の構成については第5の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
検知部302A,302Bは基板304に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部302A,302B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例では溝305底面に平坦部(基板304の表面と略平行な面)をもつ構造にしているが、平坦部(基板304の表面と略平行な面)をもたないV溝構造を有する溝305も本発明上は何ら影響が無い。検知部302A,302B及び固定抵抗部303A,303Bはそれぞれ、図4のブリッジ結線ブロック図を反映した配線306で結線されそれぞれ出力端子にあたるボンディングパッド307A,307B,307C,307Dに繋がっている。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部302A,302Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板304構成としては最適である。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一斜面にそれぞれ配置した検知部302A,302Bと基板304の平坦な面に形成した固定抵抗部303A,303Bとからなる。R1は検知部302B、R2は固定抵抗部303A、R3は固定抵抗部303B、R4は検知部302Aに相当する。
このように本実施例の磁気センサはブリッジ回路を構成してなるので、電源電圧の変動それに検出器の入力インピーダンスや非直線性などに依存しない零位法による高精度の磁界検出が可能である。
本実施例の検知部302と固定抵抗部303を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成は図14を3組組み合わせ実施例1と同様に配列した構成をとることができるので、説明を割愛する。
また、本実施例においても磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
検知部402を配置する溝(突起でも構わない)に配置し、固定抵抗部303を基板304の上ボンディングパッド307形成面と同一の面へ形成した構成を取ることにより、実施例1と比較して磁気センサ401の占有面積が小さくできる。したがって、シリコンウエハから切り出せるチップ数が増えることになり、コスト低減に繋がる。
図16は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図17は、図16のXVII−XVII線概略断面である。
本実施例の磁気センサ401は第1の実施例の固定抵抗部403を検知部402と同一溝の斜面上へ形成した構成で、二つの検知部402A,402Bと二つの固定抵抗部403A,403Bを備えている。
なお、検知部402A,402B及び固定抵抗部403A,403BはTMR素子であり、これらの各素子の膜構成は同等である。固定抵抗部403には磁気シールド膜を形成し外部磁界に対する感度を持たないようにしている。
検知部402A,402Bは基板404に設けられた斜面上に形成されており、磁化の向きは斜面内になるように形成されているとともに、磁化の感度方向は磁気抵抗効果素子(検知部402A,402B)の長手方向対して交差する方向であり、斜面の深さ方向になるように磁化の方向を決めている。
本実施例の磁気センサ401の基板404は(100)シリコンウエハを使用した。(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで溝405が形成されている。溝405の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。
二本の配線406が交差するところができる。その配線間は直接接触しないように層間絶縁膜409を形成して絶縁を取っている。層間絶縁膜としてはプラズマCVD装置を使ったシリコン酸化膜が特に適している。シリコン酸化膜以外にも絶縁性の層間膜材料であればその製法もこの限りではない。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部402A,402Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板404構成としては最適である。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は同一斜面にそれぞれ配置した検知部402A,402Bと検知部402を配した斜面を構成する溝405の検知部402と対向する斜面に形成した固定抵抗部403A,403Bとからなる。R1は検知部402B、R2は固定抵抗部403A、R3は固定抵抗部403B、R4は検知部402Aに相当する。
本実施例の検知部402と固定抵抗部403を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
1軸の磁気センサを3組、組み合わせて配置した3軸磁気センサ構成は図16を実施例1と同様に配列した構成をとることができるので、説明を割愛する。
また、本実施例においても磁気抵抗効果素子はTMR素子に限定されず、GMR素子を用いることも可能である。
検知部402と固定抵抗部403を配置する溝(突起でも構わない)を一つにする構成を取る本実施例の構成をとることにより、実施例1と比較して磁気センサ401の占有面積が小さくできる。よって、シリコンウエハから切り出せるチップ数が増えることになり、コスト低減に繋がる。また、固定抵抗部403も斜面上へ作ることで、検知部402と固定抵抗部403の温度特性などの素子特性が実施例2と比較してより近くできる。よって、より高精度な磁界検出が可能になる。
図6は、本実施例の磁気抵抗効果素子がブリッジ回路配線されて配置した磁気センサの構成の一例で、概略平面を模式的に示す図である。また、図7は図6のVII−VII線断面で斜面上へ磁気抵抗効果素子を配置した概略断面図である。図8はブリッジ結線を示すブロック図である。
本実施例の磁気センサ1は第1の実施例の検知部2と固定抵抗部3との位置を入れ替えた構成で、二つの検知部102A,102Bと二つの固定抵抗部103A,103Bを備えている。
磁気シールド膜の構成については第3の実施例で具体的に説明するとして、ここでは説明を省略する。
これらの基板の中でも本実施例で採用した(100)シリコンウエハはKOH溶液等を用いた異方性ウエットエッチングで基板表面に対して約55°の傾斜角度で(111)方向の結晶面が安定して作れるため、異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部102A,102Bの位置関係は一定となり、再現性の高い製造と高い製造歩留まりが得られることから本発明の基板104構成としては最適である。
本実施例のブリッジ回路を構成する抵抗は異なる二つの平行な斜面にそれぞれ配置した検知部102A,102Bと検知部102とは異なる斜面に形成した固定抵抗部103A,103Bとからなる。R1は検知部102B、R2は固定抵抗部103A、R3は固定抵抗部103B、R4は検知部102Aに相当する。
本実施例の検知部102と固定抵抗部103を構成する磁気抵抗効果素子としてTMR素子を適用しているが、TMR素子については実施例1と同様な構成をとることができるので、説明を割愛する。
(100)シリコンウエハはシリコン窒化膜をエッチングマスクにし、KOH溶液(TMAH溶液でも適用可)にて200μmの深さで5つの溝105(5A,5B,5C,5D,5E)が形成されている。溝5の形状はシリコンウエハの表面に対して約55°の角度を有する4つの斜面から構成されている。本実施例では溝105底面に平坦部(基板104の表面と略平行な面)をもたないV溝構造にしているが、第1の実施例同様の平坦部(基板104の表面と略平行な面)を有する溝105でも本発明上は何ら影響が無い。
検知部102C,102Dは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部103C,103Dと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路2とする。検知部102E,102Fは一つの軸方向の磁気センサとして働き、固定抵抗部103E,103Fと組み合わせたセンサブリッジ回路を回路3とする。
図10は、本実施例を示す磁気センサの概略平面を模式的に示す図であり、第1の実施例の磁気シールド膜を配した固定抵抗部に関して説明するための説明図である。
本実施例では第1の実施例を例にとるが第2の実施例にも同様に適用できる。また、図11は図10のXI−XI線断面図であり、第1の実施例(図3(b))に磁気シールド膜を配した固定抵抗部の断面図である。
固定抵抗部203Aは、フリー層221、ピンド層222、絶縁層223、ピンド層側電極224、キャップ層225、配線電極235、下部磁気シールド膜241、上部磁気シールド膜242、各磁気シールド膜(241,242)と各電極(224,235)との絶縁を保つ絶縁性薄膜(228,229)、基板との絶縁を保つ絶縁性薄膜226、及びパッシベーション膜227の各層から構成されている。
フリー層221は、外部磁界の向きに応じて磁化の方向が変化する層であり、一方、ピンド層222は、外部磁化の向きに関わらず磁化の方向が固定される層である。また、絶縁層223は、フリー層221およびピンド層222に挟持されトンネル層としての役割を果たす。
しかし、フリー層221の表裏を磁気シールド膜(241,242)で覆っているため外部磁界による感度が得られなくなる。
図12は、本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの一部であり、図13は本発明に係る磁気センサの製造方法を示すフローチャートの残りである。
なお、本実施例においては、基板上に所望の傾斜面が予め形成されていることとする。
Ni-Fe合金膜、Si−Fe合金膜,Fe−Ni−Mn−Cu合金膜等の磁気シールド膜を形成する(ステップS102)。
成膜された磁気シールド膜にフォトリソ・エッチングを施し、少なくとも検知部が配置される位置近傍の磁気シールド膜を除去する(ステップS103)。
絶縁性薄膜(シリコン酸化膜など)を形成する(ステップS104)。
磁気抵抗効果素子となる所望の層構成を有する各膜を成膜する(ステップS105)。
成膜された各層にフォトリソ・エッチングの工程を二回施し2段のパターン形状を形成する(ステップS106)。
コンタクトホールを覆うように基板表面全面に配線・ボンディングパッド用非磁性金属膜を形成する(ステップS109)。
絶縁性薄膜(シリコン酸化膜など)を形成する(ステップS111)。
基板表面側(磁気抵抗効果素子が形成されている面)の絶縁性薄膜表層にNi−Fe合金膜、Si−Fe合金膜、Fe−Ni−Mn−Cu合金膜等の磁気シールド膜を形成する(ステップS112)。
固定抵抗部3A,3Bを覆うように磁気シールド膜を残し、他の領域をフォトリソ・エッチングにて除去する(ステップS113)。
ボンディングパッド用メタル上の絶縁性薄膜をフォトリソ・エッチングにて除去する(ステップS114)。
このとき、磁場印加方向は、基板表面に対して垂直方向になるようにする。本実施例のような1軸のセンサとして使う場合は傾斜面に対して垂直以外の方向であれば構わない。
ピンド層の磁化方向が確定した後、ステップS115よりも低い温度で再度磁場中アニール処理を施しフリー層の方向が確定する(ステップS116)。
第1〜第3のセンサブリッジ回路における一対の検知部を傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜斜面の法線方向が同一である斜面上に配しているので、一方向の磁界を付与しながらの磁場中熱処理を1回行うだけで、同一ブリッジ内検知部のピンド層は同一方向に着磁でき、かつ各座標系のピンド層の磁化方向を三次元的に交差する三つの磁化方向に着磁できるため、製造工程の低減ができ、製造歩留まりの向上に繋がる。また、同一基板上へ一体配置できるため小型且つ薄型にできる。小型にできることでセンサの取れ数も増え生産性向上に繋がる。
2A、2B 検知部
3A、3B 固定抵抗部
4 基板
5A、5B 溝
6 配線
7A、7B、7C ボンディングパッド
Claims (9)
- 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
前記基板は、傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする磁気センサ。 - 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
前記基板は傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である傾斜面上に配したことを特徴とする磁気センサ。 - 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と、一対の固定抵抗とがブリッジ接続された複数のセンサブリッジ回路が形成され、前記検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
(100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、各センサブリッジ回路内の一対の検知部は、同一の傾斜面上にそれぞれ配されていることを特徴とする磁気センサ。 - 基板上に磁気抵抗効果素子からなる一対の検知部と外部の磁界に影響されること無く一定の抵抗値を示す一対の固定抵抗とがブリッジ接続された第1から第3のセンサブリッジ回路が形成され、これら第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部の磁化の向きが互いに三次元方向に交差するように形成されている磁気センサにおいて、
(100)単結晶シリコンウエハからなり、該基板表面と約55°の傾斜角度を成す(111)方向の結晶方位面を傾斜面とし斜面の法線方向が三次元的に交差する傾斜面を有し、第1から第3のセンサブリッジ回路における検知部は傾斜の法線方向が三次元的に交差する傾斜面上にそれぞれ配し、同一センサブリッジ回路内の一対の検知部は傾斜面の法線方向が同一である斜面上に配したことを特徴とする磁気センサ。 - 前記固定抵抗は、前記検知部と同一膜種から構成される磁気抵抗効果素子からなり、電気的な絶縁が得られる絶縁部材を介して磁気シールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の磁気センサ。
- 前記固定抵抗は、前記基板に形成した傾斜面上へ配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の磁気センサ。
- 前記磁気抵抗効果素子は、トンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の磁気センサ。
- 基板を準備する工程と、
前記基板に傾斜の法線方向が三次元的に交差する複数の傾斜面を形成する工程と、
各センサブリッジ回路内の一対の検知部を同一の傾斜面上にそれぞれ配する工程と、
前記基板全体を加熱しながら前記基板表面に対して垂直方向からの磁場をかけることで磁気抵抗効果素子からなる検知部のピンド層の着磁を行う工程とを備えたことを特徴とする磁気センサの製造方法。 - 前記磁気抵抗効果素子にトンネル磁気抵抗効果素子を用いることを特徴とする請求項8記載の磁気センサの製造方法。
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