JP2023046268A - センサ - Google Patents

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Hiromichi Umehara
圭祐 ▲高▼杉
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剛大 礒田
Takehiro Isoda
健治 稲毛
Kenji Inage
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Abstract

【課題】傾斜面上に形成されるセンサ素子の形状の精度を高めることができるセンサを実現する。【解決手段】磁気センサ1は、平坦部32と突出部31とを含む絶縁層305と、第1のMR素子50Bと、第2のMR素子50Cとを備えている。突出部31は、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを有している。第1のMR素子50Bは、第1の傾斜面305aの上に配置されている。第2のMR素子50Cは、第2の傾斜面305bの上に配置されている。突出部31は、U方向に沿って延在すると共に、突出部31におけるU方向の端においてそれぞれ-U方向に凹んだ複数の凹部31a1を含んでいる。【選択図】図8

Description

本発明は、傾斜面上にセンサ素子が配置されたセンサに関する。
近年、種々の用途で、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサが利用されている。磁気センサを含むシステムでは、基板上に設けられた磁気抵抗効果素子によって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出したい場合がある。この場合、基板の面に垂直な方向の磁界を基板の面に平行な方向の磁界に変換する軟磁性体を設けたり、磁気抵抗効果素子を基板上に形成された傾斜面上に配置したりすることによって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出することができる。
特許文献1には、X軸センサとY軸センサとZ軸センサが基板上に設けられた磁気センサが開示されている。Z軸センサを構成する磁気抵抗効果素子は、基板の下地膜に形成された突起部の斜面に設けられている。突起部は、酸化ケイ素よりなる厚膜に対してドライエッチングを行うことによって形成される。磁気抵抗効果素子は、フォトリソグラフィを用いて溝部の斜面に形成された多層金属薄膜をエッチングすることによって形成される。
特開2006-261401号公報
特許文献1に開示された磁気センサのように、基板の面に対して傾いた磁気抵抗効果素子を用いる磁気センサでは、磁気センサの感度を高めるために、傾斜面により多くの磁気抵抗効果素子を形成することが好ましい。傾斜面は、上方から見て、一方向に長い形状を有している。磁気抵抗効果素子は、傾斜面の端部の近傍にも形成される。しかし、傾斜面の端部の近傍では、エッチングに用いられるフォトレジストマスクを形成するためのフォトレジストが流れてしまい、電極等の金属膜や磁気抵抗効果素子を精度よく形成することができない場合があった。
上記の問題は、磁気センサに限らず、傾斜面上にセンサ素子が形成されるセンサ全般に当てはまる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、傾斜面上に形成されるセンサ素子の形状の精度を高めることが可能なセンサを提供することにある。
本発明のセンサは、所定の物理量を検出するように構成されたセンサである。本発明のセンサは、上面を有する基板と、基板の上に配置された支持部材と、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備えている。支持部材は、基板の上面に平行な平坦面を有する平坦部と、平坦面から突出した形状を有する少なくとも1つの突出部とを含んでいる。少なくとも1つの突出部は、基板の上面に対して傾斜した傾斜面を有している。センサ素子は、センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含んでいる。機能層は、傾斜面の上に配置されている。少なくとも1つの突出部は、基板の上面に平行な第1の方向に沿って延在すると共に、少なくとも1つの突出部における第1の方向の端においてそれぞれ基板の上面に平行な方向に凹んだ複数の凹部を含んでいる。
本発明のセンサでは、少なくとも1つの突出部は、複数の凹部を含んでいる。これにより、本発明によれば、傾斜面上に形成されるセンサ素子の形状の精度を高めることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における支持部材を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における突出部の第1および第2の部分を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における突出部の第1および第3の部分を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における複数の凹部を示す平面図である。 図11に示した複数の凹部のうちの1つの凹部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における複数の突出部の複数の端部の配置の第1の変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における複数の突出部の複数の端部の配置の第2の変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における突出部の端部の変形例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態における複数の凹部を示す平面図である。
以下で説明する本発明の実施の形態は、所定の物理量を検出するように構成されたセンサに関する。実施の形態において、センサは、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子を備えている。例えば、所定の物理量は、検出対象の磁界である対象磁界の方向および強度の少なくとも一方であってもよい。この場合、センサ素子は、対象磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であってもよい。磁気検出素子を備えたセンサは、磁気センサとも呼ばれる。磁気センサは、対象磁界の方向および強度の少なくとも一方を検出するように構成されている。以下、センサが磁気センサである場合を例にとって、実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る磁気センサ1は、本発明における「センサ」に対応する。
図1に示したように、磁気センサ1は、直方体形状のチップの形態を有している。磁気センサ1は、互いに反対側に位置する上面1aおよび下面と、上面1aおよび下面とを接続する4つの側面とを有している。また、磁気センサ1は、上面1a上に設けられた複数の電極パッドを有している。
ここで、図1を参照して、本実施の形態における基準座標系について説明する。基準座標系は、磁気センサ1を基準とした座標系であって、3つの軸によって定義された直交座標系である。基準座標系では、X方向、Y方向、Z方向が定義されている。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では特に、磁気センサ1の上面1aに垂直な方向であって、磁気センサ1の下面から上面1aに向かう方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。基準座標系を定義する3つの軸は、X方向に平行な軸と、Y方向に平行な軸と、Z方向に平行な軸である。
以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。また、磁気センサ1の構成要素に関して、Z方向の端に位置する面を「上面」と言い、-Z方向の端に位置する面を「下面」と言う。また、「Z方向から見たとき」という表現は、Z方向に離れた位置から対象物を見ることを意味する。
図2に示したように、磁気センサ1は、第1の検出回路20と、第2の検出回路30とを備えている。第1および第2の検出回路20,30の各々は、複数の磁気検出素子を含み、対象磁界を検出して少なくとも1つの検出信号を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、複数の磁気検出素子は、複数の磁気抵抗効果素子である。以下、磁気抵抗効果素子を、MR素子と記す。
第1および第2の検出回路20,30が生成する複数の検出信号は、プロセッサ40によって処理される。磁気センサ1とプロセッサ40は、磁気センサ装置100を構成する。プロセッサ40は、第1および第2の検出回路20,30が生成する複数の検出信号を処理することによって、所定の基準位置における磁界の互いに異なる2つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出値および第2の検出値を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、上記の互いに異なる2つの方向は、XY平面に平行な1つの方向と、Z方向に平行な方向である。プロセッサ40は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)によって構成されている。
プロセッサ40は、例えば、磁気センサ1を支持する支持体に含まれていてもよい。この支持体は、複数の電極パッドを有している。第1および第2の検出回路20,30とプロセッサ40は、例えば、磁気センサ1の複数の電極パッド、支持体の複数の電極パッドおよび複数のボンディングワイヤを介して接続されている。磁気センサ1の複数の電極パッドが磁気センサ1の上面1aに設けられている場合、磁気センサ1は、磁気センサ1の下面が支持体の上面に対向する姿勢で、支持体の上面上に実装されていてもよい。
次に、図3ないし図6を参照して、第1および第2の検出回路20,30について説明する。図3は、第1の検出回路20の回路構成を示す回路図である。図4は、第2の検出回路30の回路構成を示す回路図である。図5は、磁気センサ1の一部を示す平面図である。図6は、磁気センサ1の一部を示す断面図である。
ここで、図5に示したように、U方向とV方向を、以下のように定義する。U方向は、X方向から-Y方向に向かって回転した方向である。V方向は、Y方向からX方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、U方向を、X方向から-Y方向に向かってαだけ回転した方向とし、V方向を、Y方向からX方向に向かってαだけ回転した方向とする。なお、αは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。一例では、αは45°である。また、U方向とは反対の方向を-U方向とし、V方向とは反対の方向を-V方向とする。
また、図6に示したように、W1方向とW2方向を、以下のように定義する。W1方向は、V方向から-Z方向に向かって回転した方向である。W2方向は、V方向からZ方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、W1方向を、V方向から-Z方向に向かってβだけ回転した方向とし、W2方向を、V方向からZ方向に向かってβだけ回転した方向とする。なお、βは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。また、W1方向とは反対の方向を-W1方向とし、W2方向とは反対の方向を-W2方向とする。W1方向およびW2方向は、それぞれ、U方向と直交する。
第1の検出回路20は、対象磁界のW1方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第1の検出信号を生成するように構成されている。第2の検出回路30は、対象磁界のW2方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第2の検出信号を生成するように構成されている。
図3に示したように、第1の検出回路20は、電源端V2と、グランド端G2と、信号出力端E21,E22と、第1の抵抗部R21と、第2の抵抗部R22と、第3の抵抗部R23と、第4の抵抗部R24とを含んでいる。第1の検出回路20の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R21,R22,R23,R24を構成する。
第1の抵抗部R21は、電源端V2と信号出力端E21との間に設けられている。第2の抵抗部R22は、信号出力端E21とグランド端G2との間に設けられている。第3の抵抗部R23は、信号出力端E22とグランド端G2との間に設けられている。第4の抵抗部R24は、電源端V2と信号出力端E22との間に設けられている。
図4に示したように、第2の検出回路30は、電源端V3と、グランド端G3と、信号出力端E31,E32と、第1の抵抗部R31と、第2の抵抗部R32と、第3の抵抗部R33と、第4の抵抗部R34とを含んでいる。第2の検出回路30の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R31,R32,R33,R34を構成する。
第1の抵抗部R31は、電源端V3と信号出力端E31との間に設けられている。第2の抵抗部R32は、信号出力端E31とグランド端G3との間に設けられている。第3の抵抗部R33は、信号出力端E32とグランド端G3との間に設けられている。第4の抵抗部R34は、電源端V3と信号出力端E32との間に設けられている。
電源端V2,V3の各々には、所定の大きさの電圧または電流が印加される。グランド端G2,G3の各々はグランドに接続される。
以下、第1の検出回路20の複数のMR素子を複数の第1のMR素子50Bと言い、第2の検出回路30の複数のMR素子を複数の第2のMR素子50Cと言う。第1および第2の検出回路20,30は磁気センサ1の構成要素であることから、磁気センサ1が複数の第1のMR素子50Bおよび複数の第2のMR素子50Cを含んでいるとも言える。また、任意のMR素子については、符号50を付して表す。
図7は、MR素子50を示す側面図である。MR素子50は、スピンバルブ型のMR素子である。MR素子50は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層52と、対象磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層54と、磁化固定層52と自由層54の間に配置されたギャップ層53とを有している。MR素子50は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層53はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層53は非磁性導電層である。MR素子50では、自由層54の磁化の方向が磁化固定層52の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。各MR素子50において、自由層54は、磁化容易軸方向が、磁化固定層52の磁化の方向に直交する方向となる形状異方性を有している。なお、自由層54に所定の方向の磁化容易軸を設定する手段として、自由層54に対してバイアス磁界を印加する磁石を用いることもできる。
MR素子50は、更に、反強磁性層51を有している。反強磁性層51、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54は、この順に積層されている。反強磁性層51は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層52との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層52の磁化の方向を固定する。なお、磁化固定層52は、いわゆるセルフピン止め型の固定層(Synthetic Ferri Pinned 層、SFP層)であってもよい。セルフピン止め型の固定層は、強磁性層、非磁性中間層および強磁性層を積層させた積層フェリ構造を有し、2つの強磁性層を反強磁性的に結合させてなるものである。磁化固定層52がセルフピン止め型の固定層である場合、反強磁性層51を省略してもよい。
なお、MR素子50における層51~54の配置は、図7に示した配置とは上下が反対でもよい。
図3および図4において、塗りつぶした矢印は、MR素子50の磁化固定層52の磁化の方向を表している。また、白抜きの矢印は、MR素子50に対象磁界が印加されていない場合における、MR素子50の自由層54の磁化の方向を表している。
図3に示した例では、第1および第3の抵抗部R21,R23の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、W1方向である。第2および第4の抵抗部R22,R24の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、-W1方向である。また、複数の第1のMR素子50Bの各々の自由層54は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R21,R22の各々における自由層54の磁化の方向は、第1のMR素子50Bに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R23,R24の各々における自由層54の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
図4に示した例では、第1および第3の抵抗部R31,R33の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、W2方向である。第2および第4の抵抗部R32,R34の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、-W2方向である。また、複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層54は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R31,R32の各々における自由層54の磁化の方向は、第2のMR素子50Cに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R33,R34の各々における自由層54の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
磁気センサ1は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層54に対して、所定の方向の磁界を印加するように構成された磁界発生器を含んでいる。本実施の形態では、磁界発生器は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層54に対して所定の方向の磁界を印加するコイル80を含んでいる。
なお、磁化固定層52の磁化の方向と自由層54の磁化容易軸の方向は、MR素子50の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。また、磁化固定層52の磁化は、上述の方向を主成分とする磁化成分を含むように構成されていてもよい。この場合、磁化固定層52の磁化の方向は、上述の方向またはほぼ上述の方向になる。
以下、図5および図6を参照して、磁気センサ1の具体的な構造について詳しく説明する。図6は、図5において6-6線で示す位置の断面の一部を示している。
磁気センサ1は、上面301aを有する基板301と、絶縁層302,303,304,305,306,307,308,309,310と、複数の下部電極61Bと、複数の下部電極61Cと、複数の上部電極62Bと、複数の上部電極62Cと、複数の下部コイル要素81と、複数の上部コイル要素82とを含んでいる。基板301の上面301aは、XY平面に平行であるものとする。Z方向は、基板301の上面301aに垂直な一方向でもある。なお、コイル要素とは、コイルの巻線の一部である。
絶縁層302は、基板301の上に配置されている。複数の下部コイル要素81は、絶縁層302の上に配置されている。絶縁層303は、絶縁層302の上において複数の下部コイル要素81の周囲に配置されている。絶縁層304,305,306は、複数の下部コイル要素81および絶縁層303の上に、この順に積層されている。
複数の下部電極61Bと複数の下部電極61Cは、絶縁層306の上に配置されている。絶縁層307は、絶縁層306の上において複数の下部電極61Bの周囲と複数の下部電極61Cの周囲に配置されている。複数の第1のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bの上に配置されている。複数の第2のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cの上に配置されている。絶縁層308は、複数の下部電極61B、複数の下部電極61Cおよび絶縁層307の上において複数の第1のMR素子50Bの周囲と複数の第2のMR素子50Cの周囲に配置されている。複数の上部電極62Bは、複数の第1のMR素子50Bおよび絶縁層308の上に配置されている。複数の上部電極62Cは、複数の第2のMR素子50Cおよび絶縁層308の上に配置されている。絶縁層309は、絶縁層308の上において複数の上部電極62Bの周囲と複数の上部電極62Cの周囲に配置されている。
絶縁層310は、複数の上部電極62B、複数の上部電極62Cおよび絶縁層309の上に配置されている。複数の上部コイル要素82は、絶縁層310の上に配置されている。磁気センサ1は、更に、複数の上部コイル要素82および絶縁層310を覆う図示しない絶縁層を含んでいてもよい。
磁気センサ1は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cを支持する支持部材を含んでいる。支持部材は、基板301の上面301aに対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有している。本実施の形態では特に、支持部材は、絶縁層305によって構成されている。なお、図5では、磁気センサ1の構成要素のうち、絶縁層305、複数の第1のMR素子50B、複数の第2のMR素子50Cおよび複数の上部コイル要素82を示している。
絶縁層305は、それぞれ基板301の上面301aから遠ざかる方向(Z方向)に張り出す複数の凸面305cを有している。複数の凸面305cの各々は、U方向に平行な方向に延在している。凸面305cの全体形状は、図6に示した凸面305cの曲線形状(アーチ形状)をU方向に平行な方向に沿って移動してできる半円筒状の曲面である。また、複数の凸面305cは、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。
複数の凸面305cの各々は、基板301の上面301aから最も遠い上端部を有している。本実施の形態では、複数の凸面305cの各々の上端部は、U方向に平行な方向に延在するものとする。ここで、複数の凸面305cのうちの任意の1つの凸面305cに着目する。凸面305cは、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを含んでいる。第1の傾斜面305aは、凸面305cのうち、凸面305cの上端部よりもV方向側の面である。第2の傾斜面305bは、凸面305cのうち、凸面305cの上端部よりも-V方向側の面である。図5では、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとの境界を、点線で示している。
凸面305cの上端部は、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとの境界であってもよい。この場合、図5に示した点線は、凸面305cの上端部を示している。
基板301の上面301aは、XY平面に平行である。第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜している。基板301の上面301aに垂直な断面において、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの間隔は、基板301の上面301aから遠ざかるに従って小さくなる。
本実施の形態では、凸面305cが複数存在することから、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bもそれぞれ複数存在する。絶縁層305は、複数の第1の傾斜面305aと、複数の第2の傾斜面305bとを有している。
絶縁層305は、更に、複数の凸面305cの周囲に存在する平坦面305dを有している。平坦面305dは、基板301の上面301aに平行な面である。複数の凸面305cの各々は、平坦面305dからZ方向に突出している。また、本実施の形態では、複数の凸面305cは、所定の間隔を開けて配置されている。従って、V方向に隣接する2つの凸面305cの間には、平坦面305dが存在する。
絶縁層305は、平坦面305dを有する平坦部32と、平坦面305dから突出した形状を有する少なくとも1つの突出部とを含んでいる。本実施の形態では特に、少なくとも1つの突出部は、複数の突出部31である。複数の突出部31の各々は、Z方向に突出した形状を有している。複数の突出部31の各々は、U方向に平行な方向に延在すると共に、凸面305cを有している。本実施の形態では、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々は、凸面305cの一部であることから、複数の突出部31の各々が、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを有しているとも言える。
また、複数の突出部31は、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。平坦部32は、複数の突出部31の周囲に存在する。平坦部32の厚み(Z方向の寸法)は、実質的に一定である。
なお、絶縁層304は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層305の下面に沿って形成されている。絶縁層306は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層305の上面に沿って形成されている。
複数の下部電極61Bは、複数の第1の傾斜面305aの上に配置されている。複数の下部電極61Cは、複数の第2の傾斜面305bの上に配置されている。前述のように、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜していることから、複数の下部電極61Bの各々の上面と複数の下部電極61Cの各々の上面も、XY平面に対して傾斜する。従って、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cは、XY平面に対して傾斜した傾斜面上に配置されていると言える。絶縁層305は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々をXY平面に対して傾くように支持するための部材である。
なお、本実施の形態では、第1の傾斜面305aは曲面である。そのため、第1のMR素子50Bは、曲面(第1の傾斜面305a)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第1のMR素子50Bの磁化固定層52の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第1のMR素子50Bの磁化固定層52の磁化の方向であるW1方向および-W1方向は、第1の傾斜面305aのうち、第1のMR素子50Bの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
同様に、本実施の形態では、第2の傾斜面305bは曲面である。そのため、第2のMR素子50Cは、曲面(第2の傾斜面305b)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第2のMR素子50Cの磁化固定層52の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第2のMR素子50Cの磁化固定層52の磁化の方向であるW2方向および-W2方向は、第2の傾斜面305bのうち、第2のMR素子50Cの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
図5に示したように、複数の第1のMR素子50Bは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第1の傾斜面305aの上には、複数個の第1のMR素子50Bが1列に並んでいる。同様に、複数の第2のMR素子50Cは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第2の傾斜面305bの上には、複数個の第2のMR素子50Cが1列に並んでいる。本実施の形態では、複数の第1のMR素子50Bの列と複数の第2のMR素子50Cの列が、V方向に平行な方向において交互に並んでいる。
なお、隣接する1つの第1のMR素子50Bと1つの第2のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第2のMR素子50Cを挟んで隣接する2つの第1のMR素子50Bは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第1のMR素子50Bを挟んで隣接する2つの第2のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。
複数の第1のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bと複数の上部電極62Bによって、直列に接続されている。ここで、図7を参照して、複数の第1のMR素子50Bの接続方法について詳しく説明する。図7において、符号61は、任意のMR素子50に対応する下部電極を示し、符号62は、任意のMR素子50に対応する上部電極を示している。図7に示したように、個々の下部電極61は細長い形状を有している。下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61の間には、間隙が形成されている。下部電極61の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR素子50が配置されている。また、個々の上部電極62は細長い形状を有し、下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61上に配置されて隣接する2つのMR素子50同士を電気的に接続する。
図示しないが、1列に並んだ複数個のMR素子50の列の端に位置する1つのMR素子50は、下部電極61の長手方向と交差する方向に隣接する他の複数個のMR素子50の列の端に位置する他の1つのMR素子50に接続されている。この2つのMR素子50は、図示しない特定の電極によって互いに接続されている。この特定の電極は、2つのMR素子50の下面同士または上面同士を接続する電極であってもよい。
図7に示したMR素子50が第1のMR素子50Bである場合、図7に示した下部電極61は下部電極61Bに対応し、図7に示した上部電極62は上部電極62Bに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
同様に、複数の第2のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cと複数の上部電極62Cによって、直列に接続されている。前述の複数の第1のMR素子50Bの接続方法についての説明は、複数の第2のMR素子50Cの接続方法にも当てはまる。図7に示したMR素子50が第2のMR素子50Cである場合、図7に示した下部電極61は下部電極61Cに対応し、図7に示した上部電極62は上部電極62Cに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
なお、本実施の形態では、反強磁性層51、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54を含む積層膜を、MR素子50として説明している。しかし、この積層膜と、下部電極61と、上部電極62とを備えたものを、本実施の形態おけるMR素子としてもよい。積層膜は、複数の磁性膜を含んでいる。下部電極61は、凸面305cと複数の磁性膜との間に配置された非磁性金属層である。MR素子は、複数の積層膜と、複数の下部電極61と、複数の上部電極62とを備えていてもよい。
複数の上部コイル要素82の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の上部コイル要素82は、X方向に並ぶように配列されている。本実施の形態では特に、Z方向から見たときに、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々には、2つの上部コイル要素82が重なっている。
複数の下部コイル要素81の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の下部コイル要素81は、X方向に並ぶように配列されている。複数の下部コイル要素81の形状および配列は、複数の上部コイル要素82の形状および配列と同じであってもよいし、異なっていてもよい。図5および図6に示した例では、複数の下部コイル要素81の各々のX方向の寸法は、複数の上部コイル要素82の各々のX方向の寸法よりも小さい。また、X方向に隣接する2つの下部コイル要素81の間隔は、X方向に隣接する2つの上部コイル要素82の間隔よりも小さい。
図5および図6に示した例では、複数の下部コイル要素81と複数の上部コイル要素82は、複数の第1のMR素子50Bと複数の第2のMR素子50Cの各々の自由層54に対して、X方向に平行な方向の磁界を印加するコイル80を構成するように、電気的に接続されている。また、コイル80は、例えば、第1の検出回路20の第1および第2の抵抗部R21,R22と第2の検出回路30の第1および第2の抵抗部R31,R32における自由層54に対してX方向の磁界を印加し、第1の検出回路20の第3および第4の抵抗部R23,R24と第2の検出回路30の第3および第4の抵抗部R33,R34における自由層54に対して-X方向の磁界を印加することができるように構成されていてもよい。また、コイル80は、プロセッサ40によって制御されてもよい。
次に、第1および第2の検出信号について説明する。始めに、図3を参照して、第1の検出信号について説明する。対象磁界のW1方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第1の検出回路20の抵抗部R21~R24の各々の抵抗値は、抵抗部R21,R23の抵抗値が増加すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が減少するか、抵抗部R21,R23の抵抗値が減少すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E21,E22の各々の電位が変化する。第1の検出回路20は、信号出力端E21の電位に対応する信号を第1の検出信号S21として生成し、信号出力端E22の電位に対応する信号を第1の検出信号S22として生成するように構成されている。
次に、図4を参照して、第2の検出信号について説明する。対象磁界のW2方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第2の検出回路30の抵抗部R31~R34の各々の抵抗値は、抵抗部R31,R33の抵抗値が増加すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が減少するか、抵抗部R31,R33の抵抗値が減少すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E31,E32の各々の電位が変化する。第2の検出回路30は、信号出力端E31の電位に対応する信号を第2の検出信号S31として生成し、信号出力端E32の電位に対応する信号を第2の検出信号S32として生成するように構成されている。
次に、プロセッサ40の動作について説明する。プロセッサ40は、第1の検出信号S21,S22および第2の検出信号S31,S32に基づいて、第1の検出値と第2の検出値を生成するように構成されている。第1の検出値は、対象磁界のV方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。第2の検出値は、対象磁界のZ方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。以下、第1の検出値を記号Svで表し、第2の検出値を記号Szで表す。
プロセッサ40は、例えば、以下のようにして第1および第2の検出値Sv,Szを生成する。プロセッサ40は、まず、第1の検出信号S21と第1の検出信号S22の差S21-S22を求めることを含む演算によって、値S1を生成すると共に、第2の検出信号S31と第2の検出信号S32の差S31-S32を求めることを含む演算によって、値S2を生成する。次に、プロセッサ40は、下記の式(1)、(2)を用いて、値S3,S4を算出する。
S3=(S2+S1)/(2cosα) …(1)
S4=(S2-S1)/(2sinα) …(2)
第1の検出値Svは、値S3そのものであってもよいし、値S3に対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。同様に、第2の検出値Szは、値S4そのものであってもよいし、値S4に対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の構造上の特徴について説明する。磁気センサ1は、上面301aを有する基板301と、基板301の上に配置された支持部材と、第1のMR素子50Bと、第2のMR素子50Cとを備えている。本実施の形態では特に、絶縁層305が支持部材に対応する。基板301と絶縁層305との間には、複数の下部コイル要素81と絶縁層302~304が介在している。絶縁層305は、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを有している。
第1および第2のMR素子50B,50Cの各々は、少なくとも、2つの磁性膜すなわち磁化固定層52および自由層54を含んでいる。第1のMR素子50Bの上記2つの磁性膜は、第1のMR素子50Bの一部(要部)を構成している。第2のMR素子50Cの上記2つの磁性膜は、第2のMR素子50Cの一部(要部)を構成している。以下、上記2つの磁性膜を、機能層と呼ぶ。第1のMR素子50Bの機能層は、第1の傾斜面305aの上に配置されている。第2のMR素子50Cの機能層は、第2の傾斜面305bの上に配置されている。
第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bは、互いに異なる方向に向いている。1つの凸面305cにおいて、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bは、基板301の上面301aに垂直な仮想のUZ平面を中心として対称であってもよい。
磁気センサ1の低背化の観点から、基板301の上面301aに垂直な方向、すなわちZ方向に平行な方向における第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々の寸法は、1.4μm以上3.0μm以下の範囲内であることが好ましい。
絶縁層305は、凸面305cを有している。凸面305cは、基板301の上面301aから遠ざかる方向に張り出している。凸面305cの少なくとも一部は、基板301の上面301aに対して傾斜している。本実施の形態では特に、凸面305cは、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bとを含んでいる。
基板301の上面301aに垂直な方向、すなわちZ方向に平行な方向における凸面305cの寸法は、Z方向に平行な方向における第1および第2の傾斜面305a,305bの各々の寸法と同じである。すなわち、Z方向に平行な方向における凸面305cの寸法は、1.4μm以上3.0μm以下の範囲内であることが好ましい。また、V方向に平行な方向における凸面305cの寸法は、例えば3μm以上16μm以下であることが好ましい。
絶縁層305は、平坦部32と、複数の突出部31とを含んでいる。以下、1つの突出部31に着目して、突出部31の形状について詳しく説明する。図8は、支持部材すなわち絶縁層305を示す平面図である。
突出部31は、基板301の上面301aに平行なU方向に沿って延在すると共に、U方向の端に位置する端部31aと、-U方向の端に位置する端部31bとを有している。図8に示したように、Z方向から見たときの端部31a,31bの各々の形状は、周期的なギザギザ形状等、凹凸のある形状である。端部31a,31bの各々の形状については、後で詳しく説明する。
突出部31は、第1の部分311と、第1の部分311に対してU方向の先にある第2の部分312と、第1の部分311に対して-U方向の先にある第3の部分313とを含んでいる。図8では、第1の部分311と第2の部分312との境界および第1の部分311と第3の部分313との境界を、それぞれ破線で示している。第2の部分312は、端部31aを含んでいる。第3の部分313は、端部31bを含んでいる。
第1の部分311は、突出部31の主要な部分である。図示しないが、第1の部分311の上には、第1および第2のMR素子50B,50Cの各々の機能層(磁化固定層52および自由層54)が配置されている。一方、第2および第3の部分312,313の上には、機能層は配置されていなくてもよい。
下部電極61、上部電極62および前述の図示しない特定の電極は、第2および第3の部分312,313の上に配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。また、上部コイル要素82は、第2および第3の部分312,313の上に配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。
図9は、第1の部分311と第2の部分312を示す断面図である。図9では、突出部31と平坦部32との境界および第1の部分311と第2の部分312との境界を、それぞれ破線で示している。Z方向における第1の部分311の最大の寸法(第1の部分311の最大の厚み)は、一定またはほぼ一定である。また、突出部31と交差し且つUZ平面に平行な任意の断面において、Z方向における第1の部分311の寸法(第1の部分311の厚み)は、一定またはほぼ一定である。
Z方向における第2の部分312の寸法(第2の部分312の厚み)は、第1の部分311から遠ざかるに従って小さくなる。すなわち、Z方向における第2の部分312の最大の寸法(第2の部分312の最大の厚み)は、第1の部分311から遠ざかるに従って小さくなっていてもよい。また、突出部31と交差し且つUZ平面に平行な任意の断面において、Z方向における第2の部分312の寸法は、第1の部分311から遠ざかるに従って小さくなっていてもよい。
また、Z方向における第2の部分312の寸法は、Z方向における第1の部分311の寸法以下であってもよい。すなわち、Z方向における第2の部分312の最大の寸法(第2の部分312の最大の厚み)は、Z方向における第1の部分311の最大の寸法(第1の部分311の最大の厚み)以下であってもよい。また、突出部31と交差し且つUZ平面に平行な任意の断面において、Z方向における第2の部分312の寸法(第2の部分312の厚み)は、Z方向における第1の部分311の寸法(第1の部分311の厚み)以下であってもよい。
第2の部分312の寸法についての説明は、第3の部分313にも当てはまる。第2の部分312の寸法の説明中の第2の部分312を第3の部分313に置き換えれば、第3の部分313の寸法についての説明になる。
また、第2の部分312と第3の部分313は、突出部31の長手方向の中央と交差するVZ平面に対して対称な形状を有していてもよいし、対称な形状を有していなくてもよい。
次に、図11および図12を参照して、突出部31の端部31aの形状について詳しく説明する。図11は、複数の凹部を示す平面図である。図12は、図11に示した複数の凹部のうちの1つの凹部を示す平面図である。
図11に示したように、突出部31は、突出部31におけるU方向の端においてそれぞれ基板301の上面301aに平行な方向に凹む複数の凹部31a1を含んでいる。図11に示した例では、複数の凹部31a1の凹部の各々は、-U方向に凹んでいる。また、第2の部分312は、複数の凹部31a1を含んでいる。
ここで、隣接する2つの凹部31a1の間に位置する部分を、凸部31a2と言う。図11に示したように、突出部31は、複数の凸部31a2を含んでいる。凸部31a2は、基板301の上面301aに平行な方向に突出した形状を有している。図11に示した例では、複数の凸部31a2の各々は、U方向に突出している。突出部31の端部31aは、複数の凹部31a1と複数の凸部31a2とによって構成されている。凹部31a1と凸部31a2が交互に並ぶことによって、Z方向から見たときの端部31aの形状が、周期的なギザギザ形状になる。
図12に示したように、凹部31a1は、互いに対向する2つの側壁SW1,SW2を有している。2つの側壁SW1,SW2の間隔D1は、U方向に沿って(第1の部分311から遠ざかるに従って)大きくなっていてもよい。すなわち、V方向に平行な方向における凹部31a1の寸法は、U方向に沿って(第1の部分311から遠ざかるに従って)大きくなっていてもよい。
図示しないが、凹部31a1は、更に、互いに対向する他の2つの側壁を有していてもよい。他の2つの側壁の間隔は、第1の部分311からの距離によらずに一定であってもよい。他の2つの側壁は、2つの側壁SW1,SW2に対して、U方向の先に位置していてもよい。
なお、凸部31a2は、実質的に、隣接する2つの凹部31a1の一方の側壁SW1と、隣接する2つの凹部31a1の他方の側壁SW2とを有している。この側壁SW1とこの側壁SW2との間隔D2は、U方向に沿って(第1の部分311から遠ざかるに従って)小さくなる。すなわち、V方向に平行な方向における凸部31a2の寸法は、U方向に沿って(第1の部分311から遠ざかるに従って)小さくなる。
また、図11に示したように、複数の凹部31a1は、U方向と交差する方向に沿って並んでいる。図11に示した例では特に、複数の凹部31a1は、U方向と直交するV方向に沿って並んでいる。複数の凹部31a1は、V方向に平行な方向における両端に位置する2つの特定の凹部31a1を含んでいる。図11に示した例では、2つの特定の凹部31a1の各々は、図12に示した2つの側壁SW1,SW2を有している。
ここで、図12に示した間隔D1のある値を、凹部31a1の幅と定義する。また、図12に示した間隔D2のある値を、隣接する2つの凹部31a1の間隔と定義する。例えば、間隔D1の平均値を凹部31a1の幅とし、間隔D2の平均値を隣接する2つの凹部31a1の間隔としてもよい。あるいは、U方向に平行な方向における凹部31a1の中央と交差するVZ断面における間隔D1,D2を、それぞれ凹部31a1の幅および隣接する2つの凹部31a1の間隔としてもよい。本実施の形態では、隣接する2つの凹部31a1の間隔は、凹部31a1の幅よりも大きい。なお、隣接する2つの凹部31a1の間隔は、実質的に、凸部31a2の幅でもある。従って、本実施の形態では、凸部31a2の幅は、凹部31a1の幅よりも大きい。
なお、図8では、理解を容易にするために、複数の突出部31の複数の端部31aがV方向に沿って並んでいる例を示している。すなわち、複数の端部31aは、U方向に平行な方向において同じ位置に配置されている。しかし、複数の端部31aは、V方向に沿って並んでいなくてもよい。
ここで、図13および図14を参照して、複数の端部31aがV方向に沿って並んでいない第1の変形例および第2の変形例について説明する。図13は、複数の端部31aの配置の第1の変形例を示す平面図である。第1の変形例では、複数の端部31aは、Y方向に沿って並んでいる。すなわち、複数の端部31aは、X方向に平行な方向において同じ位置に配置されている。
なお、第1の変形例では、複数の突出部31の各々において、複数の凹部31a1は、U方向と直交する方向に沿って並んでいてもよいし、U方向と90°以外の角度をなして交差する方向に沿って並んでいてもよい。図13に示した例では、複数の凹部31a1は、Y方向に沿って並んでいる。
また、前述のように、複数の上部コイル要素82は、Y方向に平行な方向に延在している。第1の変形例では、複数の上部コイル要素82は、複数の端部31aまたは複数の第2の部分312の上に配置された上部コイル要素82を含んでいてもよい。
図14は、複数の端部31aの配置の第2の変形例を示す平面図である。第2の変形例では、複数の端部31aは、X方向に沿って並んでいる。すなわち、複数の端部31aは、Y方向に平行な方向において同じ位置に配置されている。
なお、第2の変形例では、第1の変形例と同様に、複数の突出部31の各々において、複数の凹部31a1は、U方向と直交する方向に沿って並んでいてもよいし、U方向と90°以外の角度をなして交差する方向に沿って並んでいてもよい。図14に示した例では、複数の凹部31a1は、V方向に沿って並んでいる。
また、第2の変形例では、複数の上部コイル要素82は、1つの端部31aまたは1つの第2の部分312の上に配置された上部コイル要素を含んでいてもよいし、2つ以上の端部31aまたは2つ以上の第2の部分312の上に配置された上部コイル要素を含んでいてもよい。また、複数の上部コイル要素82の各々は、複数の突出部31の複数の端部31aに対して-Y方向の先の位置において、複数の下部コイル要素81と電気的に接続されていてもよい。
ここまでは、突出部31の端部31aの形状について説明してきた。突出部31の端部31bの形状は、端部31aと同様の形状を有している。すなわち、突出部31は、突出部31における-U方向の端においてそれぞれ基板301の上面301aに平行な方向に凹む複数の凹部を含んでいる。第3の部分313は、上記の複数の凹部を含んでいる。突出部31の端部31bは、上記の複数の凹部と、それぞれ上記の複数の凹部のうちの隣接する2つの凹部の間に位置する複数の凸部とによって構成されている。凹部と凸部が交互に並ぶことによって、Z方向から見たときの端部31bの形状が、周期的なギザギザ形状になる。
突出部31の端部31aと突出部31の端部31bは、突出部31の長手方向の中央と交差するVZ平面に対して対称な形状を有していてもよい。この場合、上記の複数の凹部の各々は、U方向に凹む。
複数の凹部31a1の形状についての説明は、基本的には、突出部31の端部31bを構成する複数の凹部にも当てはまる。また、複数の端部31aの配置についての説明は、基本的には、複数の端部31bにも当てはまる。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、絶縁層305の突出部31の上には、第1および第2のMR素子50B,50C、下部電極61B,61Cならびに上部電極62B,62C(以下、MR素子50等と言う。)が形成される。MR素子50等は、フォトリソグラフィを用いて被エッチング膜をエッチングすることによって形成される。そのため、磁気センサ1の製造過程では、突出部31の上に、所定の平面形状を有するフォトレジストマスクが形成される。
ここで、突出部31の端部31aの近傍に、フォトレジストマスクを形成することを考える。端部31aの形状が滑らかな形状である場合、フォトレジストマスクを形成するためのフォトレジストが流れてしまい、その結果、フォトレジストマスクを精度よく形成することができなくなる。
これに対し、本実施の形態では、突出部31は、端部31aを構成する複数の凹部31a1を含んでいる。本実施の形態によれば、突出部31の端部31aの形状を、凹凸のある形状とすることにより、フォトレジストが流れることを抑制することができ、フォトレジストマスクを精度よく形成することが可能になる。その結果、本実施の形態によれば、突出部31の端部31aの近傍に形成されるMR素子50等の形状精度を高めることができる。
同様に、本実施の形態では、突出部31は、端部31bを構成する複数の凹部を含んでいる。本実施の形態によれば、上述の理由と同じ理由により、突出部31の端部31bの近傍に形成されるMR素子50等の形状精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、Z方向における第2の部分312の寸法は、第1の部分311から遠ざかるに従って小さくなる。本実施の形態では特に、Z方向における第2の部分312の寸法は、Z方向における第1の部分311の寸法以下である。すなわち、本実施の形態では、第1の部分311から第2の部分312にかけて、突出部31が盛り上がっていない。これにより、本実施の形態によれば、第1の部分311と第2の部分312との境界の近傍に形成されるMR素子50等の形状精度を高めることができる。更に、本実施の形態によれば、第1の部分311と第2の部分312との境界の近傍に形成される上部コイル要素82の形状が崩れることを抑制することができる。
同様に、本実施の形態では、Z方向における第3の部分313の寸法は、第1の部分311から遠ざかるに従って小さくなる。本実施の形態では特に、Z方向における第3の部分313の寸法は、Z方向における第1の部分311の寸法以下である。本実施の形態によれば、上述の理由と同じ理由により、第1の部分311と第3の部分313との境界の近傍に形成されるMR素子50等の形状精度を高めることができると共に、第1の部分311と第3の部分313との境界の近傍に形成される上部コイル要素82の形状が崩れることを抑制することができる。
次に、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、Z方向に平行な方向における凸面305cの寸法は、1.4μm以上3.0μm以下の範囲内であることが好ましい。例示的な実施形態によれば、凸面305cの寸法を1.4μm以上とすることにより、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの各々の傾きを大きくして、対象磁界のZ方向に平行な方向の成分に対する磁気センサ1の感度を高めることができる。その結果、例示的な実施形態によれば、第2の検出値Szを精度よく生成することができる。また、例示的な実施形態によれば、凸面305cの寸法を3.0μm以下とすることにより、磁気センサ1の製造過程において、第1の傾斜面305aと第2の傾斜面305bの上に、フォトレジスト層よりなるフォトレジストマスクを精度よく形成することができる。
[変形例]
次に、図15を参照して、突出部31の端部31aの変形例について説明する。図15は、端部31aの変形例を示す平面図である。変形例では、複数の凹部31a1は、V方向に平行な方向における両端に位置する2つの特定の凹部31a1を含んでいる。2つの特定の凹部31a1以外の複数の凹部31a1は、図12を参照して説明した2つの側壁SW1,SW2を有している。一方、2つの特定の凹部31a1の各々は、側壁SW1または側壁SW2に相当する側壁を1つだけ有している。
[第2の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図16は、本実施の形態における複数の凹部を示す平面図である。
本実施の形態では、隣接する2つの凹部31a1の間隔(例えば、図12に示した間隔D2の平均値)は、凹部31a1の幅(例えば、図12に示した間隔D1の平均値)以下である。図16に示した例では、隣接する2つの凹部31a1の間隔は、凹部31a1の幅よりも小さい。すなわち、本実施の形態では、凸部31a2の幅は、凹部31a1の幅よりも小さい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば磁気検出素子は、MR素子に限らず、ホール素子等、MR素子以外の磁界を検出する素子であってもよい。
また、磁気センサ1は、更に、対象磁界のXY平面に平行な一方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第3の検出信号を生成するように構成された第3の検出回路を備えていてもよい。この場合、プロセッサ40は、少なくとも1つの第3の検出信号に基づいて、対象磁界のU方向に平行な方向の成分に対応する検出値を生成するように構成されていてもよい。第3の検出回路は、第1および第2の検出回路20,30と一体化されていてもよいし、第1および第2の検出回路20,30とは別のチップに含まれていてもよい。
また、本発明のセンサ素子は、磁気検出素子に限らず、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子であってもよい。所定の物理量としては、磁界に限らず、電界、温度、変位および力等の、センサ素子によって検出可能な任意の物象の状態の量が挙げられる。上記の実施の形態の説明は、磁気検出素子をセンサ素子に置き換えれば、磁気検出素子以外のセンサ素子を備えた磁気センサ以外のセンサにも当てはまる。この場合、機能層は、センサ素子の少なくとも一部を構成する部分であって、所定の物理量に応じて物性が変化する部分であってもよい。また、この場合、金属層は、任意の配線層であってもよい。
以上説明したように、本発明のセンサは、所定の物理量を検出するように構成されたセンサである。本発明のセンサは、上面を有する基板と、基板の上に配置された支持部材と、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備えている。支持部材は、基板の上面に平行な平坦面を有する平坦部と、平坦面から突出した形状を有する少なくとも1つの突出部とを含んでいる。少なくとも1つの突出部は、基板の上面に対して傾斜した傾斜面を有している。センサ素子は、センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含んでいる。機能層は、傾斜面の上に配置されている。少なくとも1つの突出部は、基板の上面に平行な第1の方向に沿って延在すると共に、少なくとも1つの突出部における第1の方向の端においてそれぞれ基板の上面に平行な方向に凹んだ複数の凹部を含んでいる。
本発明のセンサにおいて、少なくとも1つの突出部は、第1の部分と、第1の部分に対して第1の方向の先にあると共に複数の凹部を含む第2の部分とを含んでいてもよい。基板の上面に垂直な第2の方向における第2の部分の寸法は、第1の部分から遠ざかるに従って小さくなっていてもよい。第2の方向における第2の部分の寸法は、第2の方向における第1の部分の寸法以下であってもよい。機能層は、第1の部分の上に配置されていてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、複数の凹部の少なくとも一部の凹部は、互いに対向する2つの側壁を有していてもよい。2つの側壁の間隔は、第1の方向に沿って大きくなっていてもよい。複数の凹部は、基板の上面に平行且つ第1の方向と交差する第3の方向に沿って並ぶと共に、第3の方向に平行な方向における両端に位置する2つの特定の凹部を含んでいてもよい。2つの特定の凹部の各々は、2つの側壁を有していてもよい。複数の凹部のうちの隣接する2つの凹部の間隔は、複数の凹部の各々の幅よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、複数の凹部は、基板の上面に平行且つ第1の方向と直交する方向に沿って並んでいてもよい。あるいは、複数の凹部は、基板の上面に平行且つ第1の方向と90°以外の角度をなして交差する方向に沿って並んでいてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、少なくとも1つの突出部は、複数の突出部であってもよい。
また、本発明のセンサにおいて、所定の物理量は、外部磁界の方向および強度の少なくとも一方であってもよい。センサ素子は、外部磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であってもよい。磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子であってもよい。機能層は、複数の磁性膜を含んでいてもよい。磁気抵抗効果素子は、更に、傾斜面と複数の磁性膜との間に配置された非磁性金属層を含んでいてもよい。
1…磁気センサ、20…第1の検出回路、30…第2の検出回路、31…突出部、32…平坦部、40…プロセッサ、50…MR素子、50B…第1のMR素子、50C…第2のMR素子、51…反強磁性層、52…磁化固定層、53…ギャップ層、54…自由層、61,61B,61C…下部電極、62,62B,62C…上部電極、80…コイル、81…下部コイル要素、82…上部コイル要素、100…磁気センサ装置、301…基板、301a…上面、302~310…絶縁層、305a…第1の傾斜面、305b…第2の傾斜面、305c…凸面、305d…平坦面、311…第1の部分、312…第2の部分、313…第3の部分、SW1,SW2…側壁。

Claims (15)

  1. 所定の物理量を検出するように構成されたセンサであって、
    上面を有する基板と、
    前記基板の上に配置された支持部材と、
    前記所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備え、
    前記支持部材は、前記基板の前記上面に平行な平坦面を有する平坦部と、前記平坦面から突出した形状を有する少なくとも1つの突出部とを含み、
    前記少なくとも1つの突出部は、前記基板の前記上面に対して傾斜した傾斜面を有し、
    前記センサ素子は、前記センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含み、
    前記機能層は、前記傾斜面の上に配置され、
    前記少なくとも1つの突出部は、前記基板の前記上面に平行な第1の方向に沿って延在すると共に、前記少なくとも1つの突出部における前記第1の方向の端においてそれぞれ前記基板の前記上面に平行な方向に凹んだ複数の凹部を含むことを特徴とするセンサ。
  2. 前記少なくとも1つの突出部は、第1の部分と、前記第1の部分に対して前記第1の方向の先にあると共に前記複数の凹部を含む第2の部分とを含み、
    前記基板の前記上面に垂直な第2の方向における前記第2の部分の寸法は、前記第1の部分から遠ざかるに従って小さくなることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  3. 前記第2の方向における前記第2の部分の寸法は、前記第2の方向における前記第1の部分の寸法以下であることを特徴とする請求項2記載のセンサ。
  4. 前記機能層は、前記第1の部分の上に配置されていることを特徴とする請求項2記載のセンサ。
  5. 前記複数の凹部の少なくとも一部の凹部は、互いに対向する2つの側壁を有していることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  6. 前記2つの側壁の間隔は、前記第1の方向に沿って大きくなることを特徴とする請求項5記載のセンサ。
  7. 前記複数の凹部は、前記基板の前記上面に平行且つ前記第1の方向と交差する第3の方向に沿って並ぶと共に、前記第3の方向に平行な方向における両端に位置する2つの特定の凹部を含み、
    前記2つの特定の凹部の各々は、前記2つの側壁を有していることを特徴とする請求項5記載のセンサ。
  8. 前記複数の凹部のうちの隣接する2つの凹部の間隔は、前記複数の凹部の各々の幅よりも大きいことを特徴とする請求項5記載のセンサ。
  9. 前記複数の凹部のうちの隣接する2つの凹部の間隔は、前記複数の凹部の各々の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5記載のセンサ。
  10. 前記複数の凹部は、前記基板の前記上面に平行且つ前記第1の方向と直交する方向に沿って並んでいることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  11. 前記複数の凹部は、前記基板の前記上面に平行且つ前記第1の方向と90°以外の角度をなして交差する方向に沿って並んでいることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  12. 前記少なくとも1つの突出部は、複数の突出部であることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  13. 前記所定の物理量は、外部磁界の方向および強度の少なくとも一方であり、
    前記センサ素子は、前記外部磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のセンサ。
  14. 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子であり、
    前記機能層は、複数の磁性膜を含むことを特徴とする請求項12記載のセンサ。
  15. 前記磁気抵抗効果素子は、更に、前記傾斜面と前記複数の磁性膜との間に配置された非磁性金属層を含むことを特徴とする請求項13記載のセンサ。
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