JP2023046259A - センサ - Google Patents

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健三 牧野
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Abstract

【課題】絶縁層にクラックが発生することを防止できるようにしたセンサを実現する。【解決手段】磁気センサ1は、絶縁層304,305,306と、絶縁層304における絶縁層305とは反対側に配置された下部コイル要素71と、第2のMR素子50Bとを備えている。第2のMR素子50Bは、磁化固定層52および自由層54を含んでいる。磁化固定層52および自由層54は、絶縁層306における絶縁層305とは反対側に配置されている。絶縁層304,306の各々は、第1の絶縁材料を含んでいる。絶縁層305は、第2の絶縁材料を含んでいる。【選択図】図10

Description

本発明は、金属層とセンサ素子との間に絶縁層が存在するセンサに関する。
近年、種々の用途で、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサが利用されている。磁気センサを含むシステムでは、基板上に設けられた磁気抵抗効果素子によって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出したい場合がある。この場合、基板の面に垂直な方向の磁界を基板の面に平行な方向の磁界に変換する軟磁性体を設けたり、磁気抵抗効果素子を基板上に形成された傾斜面上に配置したりすることによって、基板の面に垂直な方向の成分を含む磁界を検出することができる。
特許文献1には、X軸センサとY軸センサとZ軸センサが基板上に設けられた磁気センサが開示されている。Z軸センサを構成する磁気抵抗効果素子は、基板の下地膜に形成された突起部の斜面に設けられている。
特開2006-261401号公報
特許文献1に開示された磁気センサでは、基板に配線層等が予め設けられている。下地膜は、配線層の上に形成された複数の絶縁膜によって構成されている。特許文献1に開示された下地膜のように、金属層の上に絶縁層を形成して、磁気抵抗効果素子の支持部材を形成した場合、磁気センサの製造過程で、支持部材にクラックが発生することがあった。
上記の問題は、金属層の上に絶縁層を形成するという要件を満たす限り、支持部材に突起部が存在しない場合にも発生する。また、上記の問題は、磁気センサに限らず、上記の要件を満たす支持部材の上にセンサ素子が形成されたセンサ全般に当てはまる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、金属層とセンサ素子との間に絶縁層が存在するセンサにおいて、絶縁層にクラックが発生することを防止できるようにしたセンサを提供することにある。
本発明のセンサは、所定の物理量を検出するように構成されたセンサである。センサは、第1の方向に沿って順に配置された第1の絶縁層、第2の絶縁層および第3の絶縁層と、第1の絶縁層における第2の絶縁層とは反対側に配置された金属層と、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備えている。センサ素子は、センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含んでいる。機能層は、第3の絶縁層における第2の絶縁層とは反対側に配置されている。第1の絶縁層および第3の絶縁層の各々は、第1の絶縁材料を含んでいる。第2の絶縁層は、第2の絶縁材料を含んでいる。
本発明のセンサでは、第1および第3の絶縁層の各々は、第1の絶縁材料を含み、第2の絶縁層は、第2の絶縁材料を含んでいる。これにより、本発明によれば、金属層とセンサ素子との間に絶縁層が存在するセンサにおいて、絶縁層にクラックが発生することを防止できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置を示す斜視図である。 図1に示した磁気センサ装置を示す平面図である。 図1に示した磁気センサ装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における第3の検出回路の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における第1のチップの一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における第1のチップの一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における第2のチップの一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態における第2のチップの一部を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における第2のチップの変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサを含む電流センサシステムの構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサを示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における検出回路の回路構成を示す回路図である。
以下で説明する本発明の複数の実施の形態は、所定の物理量を検出するように構成されたセンサに関する。複数の実施の形態において、センサは、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子を備えている。例えば、所定の物理量は、検出対象の磁界である対象磁界の方向および強度の少なくとも一方であってもよい。この場合、センサ素子は、対象磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であってもよい。磁気検出素子を備えたセンサは、磁気センサとも呼ばれる。磁気センサは、対象磁界の方向および強度の少なくとも一方を検出するように構成されている。以下、センサが磁気センサである場合を例にとって、複数の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサ装置の構成について説明する。図1は、磁気センサ装置100を示す斜視図である。図2は、磁気センサ装置100を示す平面図である。図3は、磁気センサ装置100の構成を示す機能ブロック図である。
磁気センサ装置100は、磁気センサ1を備えている。磁気センサ1は、本発明における「センサ」に対応する。
磁気センサ1は、第1のチップ2と、第2のチップ3とによって構成されている。磁気センサ装置100は、更に、第1および第2のチップ2,3を支持する支持体4を備えている。第1のチップ2、第2のチップ3および支持体4は、いずれも直方体形状を有している。支持体4は、上面である基準平面4aと、基準平面4aとは反対側に位置する下面と、基準平面4aと下面とを接続する4つの側面とを有している。
ここで、図1および図2を参照して、本実施の形態における基準座標系について説明する。基準座標系は、磁気センサ装置100を基準とした座標系であって、3つの軸によって定義された直交座標系である。基準座標系では、X方向、Y方向、Z方向が定義されている。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では特に、支持体4の基準平面4aに垂直な方向であって、支持体4の下面から基準平面4aに向かう方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。基準座標系を定義する3つの軸は、X方向に平行な軸と、Y方向に平行な軸と、Z方向に平行な軸である。
以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。また、磁気センサ装置100の構成要素に関して、Z方向の端に位置する面を「上面」と言い、-Z方向の端に位置する面を「下面」と言う。また、「Z方向から見たとき」という表現は、Z方向に離れた位置から対象物を見ることを意味する。
第1のチップ2は、互いに反対側に位置する上面2aおよび下面と、上面2aおよび下面とを接続する4つの側面とを有している。第2のチップ3は、互いに反対側に位置する上面3aおよび下面と、上面3aおよび下面とを接続する4つの側面とを有している。
第1のチップ2は、第1のチップ2の下面が支持体4の基準平面4aに対向する姿勢で、基準平面4a上に実装されている。第2のチップ3は、第2のチップ3の下面が支持体4の基準平面4aに対向する姿勢で、基準平面4a上に実装されている。第1のチップ2と第2のチップ3は、それぞれ、例えば接着剤6,7によって支持体4に接合されている。
第1のチップ2は、上面2a上に設けられた複数の第1の電極パッド21を有している。第2のチップ3は、上面3a上に設けられた複数の第2の電極パッド31を有している。支持体4は、基準平面4a上に設けられた複数の第3の電極パッド41を有している。図示しないが、磁気センサ装置100では、複数の第1の電極パッド21と複数の第2の電極パッド31と複数の第3の電極パッド41のうち、対応する2つの電極パッドが、ボンディングワイヤによって互いに接続されている。
ここで、基準平面4aに垂直な方向の寸法を、厚みと言う。図1に示したように、第1のチップ2の厚みと、第2のチップ3の厚みは、同じである。また、支持体4の厚みは、第1のチップ2の厚みおよび第2のチップ3の厚みよりも大きい。
磁気センサ1は、第1の検出回路10と、第2の検出回路20と、第3の検出回路30とを備えている。第1のチップ2は、第1の検出回路10を含んでいる。第2のチップ3は、第2の検出回路20と第3の検出回路30とを含んでいる。
磁気センサ装置100は、更に、プロセッサ40を備えている。支持体4は、プロセッサ40を含んでいる。第1ないし第3の検出回路10,20,30とプロセッサ40は、複数の第1の電極パッド21、複数の第2の電極パッド31、複数の第3の電極パッド41および複数のボンディングワイヤを介して接続されている。
第1ないし第3の検出回路10,20,30の各々は、複数の磁気検出素子を含み、対象磁界を検出して少なくとも1つの検出信号を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、複数の磁気検出素子は、複数の磁気抵抗効果素子である。以下、磁気抵抗効果素子を、MR素子と記す。
プロセッサ40は、第1ないし第3の検出回路10,20,30が生成する複数の検出信号を処理することによって、所定の基準位置における磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出値、第2の検出値および第3の検出値を生成するように構成されている。本実施の形態では特に、上記の互いに異なる3つの方向は、XY平面に平行な2つの方向と、Z方向に平行な方向である。プロセッサ40は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)によって構成されている。
次に、図3ないし図10を参照して、第1ないし第3の検出回路10,20,30について説明する。図4は、第1の検出回路10の回路構成を示す回路図である。図5は、第2の検出回路20の回路構成を示す回路図である。図6は、第3の検出回路30の回路構成を示す回路図である。図7は、第1のチップ2の一部を示す平面図である。図8は、第1のチップ2の一部を示す断面図である。図9は、第2のチップ3の一部を示す平面図である。図10は、第2のチップ3の一部を示す断面図である。
ここで、図7および図9に示したように、U方向とV方向を、以下のように定義する。U方向は、X方向から-Y方向に向かって回転した方向である。V方向は、Y方向からX方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、U方向を、X方向から-Y方向に向かってαだけ回転した方向とし、V方向を、Y方向からX方向に向かってαだけ回転した方向とする。なお、αは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。一例では、αは45°である。また、U方向とは反対の方向を-U方向とし、V方向とは反対の方向を-V方向とする。
また、図10に示したように、W1方向とW2方向を、以下のように定義する。W1方向は、V方向から-Z方向に向かって回転した方向である。W2方向は、V方向からZ方向に向かって回転した方向である。本実施の形態では特に、W1方向を、V方向から-Z方向に向かってβだけ回転した方向とし、W2方向を、V方向からZ方向に向かってβだけ回転した方向とする。なお、βは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。また、W1方向とは反対の方向を-W1方向とし、W2方向とは反対の方向を-W2方向とする。W1方向およびW2方向は、それぞれ、U方向と直交する。
第1の検出回路10は、対象磁界のU方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第1の検出信号を生成するように構成されている。第2の検出回路20は、対象磁界のW1方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第2の検出信号を生成するように構成されている。第3の検出回路30は、対象磁界のW2方向に平行な方向の成分を検出し、この成分と対応関係を有する少なくとも1つの第3の検出信号を生成するように構成されている。
図4に示したように、第1の検出回路10は、電源端V1と、グランド端G1と、信号出力端E11,E12と、第1の抵抗部R11と、第2の抵抗部R12と、第3の抵抗部R13と、第4の抵抗部R14とを含んでいる。第1の検出回路10の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R11,R12,R13,R14を構成する。
第1の抵抗部R11は、電源端V1と信号出力端E11との間に設けられている。第2の抵抗部R12は、信号出力端E11とグランド端G1との間に設けられている。第3の抵抗部R13は、信号出力端E12とグランド端G1との間に設けられている。第4の抵抗部R14は、電源端V1と信号出力端E12との間に設けられている。
図5に示したように、第2の検出回路20は、電源端V2と、グランド端G2と、信号出力端E21,E22と、第1の抵抗部R21と、第2の抵抗部R22と、第3の抵抗部R23と、第4の抵抗部R24とを含んでいる。第2の検出回路20の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R21,R22,R23,R24を構成する。
第1の抵抗部R21は、電源端V2と信号出力端E21との間に設けられている。第2の抵抗部R22は、信号出力端E21とグランド端G2との間に設けられている。第3の抵抗部R23は、信号出力端E22とグランド端G2との間に設けられている。第4の抵抗部R24は、電源端V2と信号出力端E22との間に設けられている。
図6に示したように、第3の検出回路30は、電源端V3と、グランド端G3と、信号出力端E31,E32と、第1の抵抗部R31と、第2の抵抗部R32と、第3の抵抗部R33と、第4の抵抗部R34とを含んでいる。第3の検出回路30の複数のMR素子は、第1ないし第4の抵抗部R31,R32,R33,R34を構成する。
第1の抵抗部R31は、電源端V3と信号出力端E31との間に設けられている。第2の抵抗部R32は、信号出力端E31とグランド端G3との間に設けられている。第3の抵抗部R33は、信号出力端E32とグランド端G3との間に設けられている。第4の抵抗部R34は、電源端V3と信号出力端E32との間に設けられている。
電源端V1~V3の各々には、所定の大きさの電圧または電流が印加される。グランド端G1~G3の各々はグランドに接続される。
以下、第1の検出回路10の複数のMR素子を複数の第1のMR素子50Aと言い、第2の検出回路20の複数のMR素子を複数の第2のMR素子50Bと言い、第3の検出回路30の複数のMR素子を複数の第3のMR素子50Cと言う。第1ないし第3の検出回路10,20,30は磁気センサ1の構成要素であることから、磁気センサ1が複数の第1のMR素子50A、複数の第2のMR素子50Bおよび複数の第3のMR素子50Cを含んでいるとも言える。また、任意のMR素子については、符号50を付して表す。
図11は、MR素子50を示す側面図である。MR素子50は、スピンバルブ型のMR素子である。MR素子50は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層52と、対象磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層54と、磁化固定層52と自由層54の間に配置されたギャップ層53とを有している。MR素子50は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層53はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層53は非磁性導電層である。MR素子50では、自由層54の磁化の方向が磁化固定層52の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。各MR素子50において、自由層54は、磁化容易軸方向が、磁化固定層52の磁化の方向に直交する方向となる形状異方性を有している。なお、自由層54に所定の方向の磁化容易軸を設定する手段として、自由層54に対してバイアス磁界を印加する磁石を用いることもできる。
MR素子50は、更に、反強磁性層51を有している。反強磁性層51、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54は、この順に積層されている。反強磁性層51は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層52との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層52の磁化の方向を固定する。なお、磁化固定層52は、いわゆるセルフピン止め型の固定層(Synthetic Ferri Pinned 層、SFP層)であってもよい。セルフピン止め型の固定層は、強磁性層、非磁性中間層および強磁性層を積層させた積層フェリ構造を有し、2つの強磁性層を反強磁性的に結合させてなるものである。磁化固定層52がセルフピン止め型の固定層である場合、反強磁性層51を省略してもよい。
なお、MR素子50における層51~54の配置は、図11に示した配置とは上下が反対でもよい。
図4ないし図6において、塗りつぶした矢印は、MR素子50の磁化固定層52の磁化の方向を表している。また、白抜きの矢印は、MR素子50に対象磁界が印加されていない場合における、MR素子50の自由層54の磁化の方向を表している。
図4に示した例では、第1および第3の抵抗部R11,R13の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、U方向である。第2および第4の抵抗部R12,R14の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、-U方向である。また、複数の第1のMR素子50Aの各々の自由層54は、磁化容易軸方向がV方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R11,R12の各々における自由層54の磁化の方向は、第1のMR素子50Aに対象磁界が印加されていない場合、V方向である。第3および第4の抵抗部R13,R14の各々における自由層54の磁化の方向は、上記の場合、-V方向である。
図5に示した例では、第1および第3の抵抗部R21,R23の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、W1方向である。第2および第4の抵抗部R22,R24の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、-W1方向である。また、複数の第2のMR素子50Bの各々の自由層54は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R21,R22の各々における自由層54の磁化の方向は、第2のMR素子50Bに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R23,R24の各々における自由層54の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
図6に示した例では、第1および第3の抵抗部R31,R33の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、W2方向である。第2および第4の抵抗部R32,R34の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、-W2方向である。また、複数の第3のMR素子50Cの各々の自由層54は、磁化容易軸方向がU方向に平行な方向となる形状異方性を有している。第1および第2の抵抗部R31,R32の各々における自由層54の磁化の方向は、第3のMR素子50Cに対象磁界が印加されていない場合、U方向である。第3および第4の抵抗部R33,R34の各々における自由層54の磁化の方向は、上記の場合、-U方向である。
磁気センサ1は、複数の第1のMR素子50Aと複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cの各々の自由層54に対して、所定の方向の磁界を印加するように構成された磁界発生器を含んでいる。本実施の形態では、磁界発生器は、第1のMR素子50Aの各々の自由層54に対して所定の方向の磁界を印加する第1のコイル70と、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cの各々の自由層54に対して所定の方向の磁界を印加する第2のコイル80とを含んでいる。第1のチップ2は、第1のコイル70を含んでいる。第2のチップ3は、第2のコイル80を含んでいる。
なお、磁化固定層52の磁化の方向と自由層54の磁化容易軸の方向は、MR素子50の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。また、磁化固定層52の磁化は、上述の方向を主成分とする磁化成分を含むように構成されていてもよい。この場合、磁化固定層52の磁化の方向は、上述の方向またはほぼ上述の方向になる。
以下、第1のチップ2と第2のチップ3の具体的な構造について詳しく説明する。図8は、図7において8-8線で示す位置の断面の一部を示している。
第1のチップ2は、上面201aを有する基板201と、絶縁層202,203,204,205,206,207,208,209,210と、複数の下部電極61Aと、複数の上部電極62Aと、複数の下部コイル要素71と、複数の上部コイル要素72とを含んでいる。基板201の上面201aは、XY平面に平行であるものとする。Z方向は、基板201の上面201aに垂直な一方向でもある。なお、コイル要素とは、コイルの巻線の一部である。また、第1のチップ2は磁気センサ1の構成要素であることから、磁気センサ1が、基板201、絶縁層202~210、複数の下部電極61A、複数の上部電極62A、複数の下部コイル要素71および複数の上部コイル要素72を含んでいるとも言える。
絶縁層202は、基板201の上に配置されている。複数の下部コイル要素71は、絶縁層202の上に配置されている。絶縁層203は、絶縁層202の上において複数の下部コイル要素71の周囲に配置されている。絶縁層204,205,206は、複数の下部コイル要素71および絶縁層203の上に、この順に積層されている。
複数の下部電極61Aは、絶縁層206の上に配置されている。絶縁層207は、絶縁層206の上において複数の下部電極61Aの周囲に配置されている。複数の第1のMR素子50Aは、複数の下部電極61Aの上に配置されている。絶縁層208は、複数の下部電極61Aおよび絶縁層207の上において複数の第1のMR素子50Aの周囲に配置されている。複数の上部電極62Aは、複数の第1のMR素子50Aおよび絶縁層208の上に配置されている。絶縁層209は、絶縁層208の上において複数の上部電極62Aの周囲に配置されている。
絶縁層210は、複数の上部電極62Aおよび絶縁層209の上に配置されている。複数の上部コイル要素72は、絶縁層210の上に配置されている。第1のチップ2は、更に、複数の上部コイル要素72および絶縁層210を覆う図示しない絶縁層を含んでいてもよい。なお、図7では、第1のチップ2の構成要素のうち、絶縁層206、複数の第1のMR素子50Aおよび複数の上部コイル要素72を示している。
基板201の上面201aは、XY平面に平行であり、複数の下部電極61Aの各々の上面も、XY平面に平行になる。従って、上記の状態では、複数の第1のMR素子50Aは、XY平面に平行な平面の上に配置されていると言える。
図7に示したように、複数の第1のMR素子50Aは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。複数の第1のMR素子50Aは、複数の下部電極61Aと複数の上部電極62Aによって、直列に接続されている。なお、隣接する2つの第1のMR素子50Aは、Z方向から見たときに、V方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。
ここで、図11を参照して、複数の第1のMR素子50Aの接続方法について詳しく説明する。図11において、符号61は、任意のMR素子50に対応する下部電極を示し、符号62は、任意のMR素子50に対応する上部電極を示している。図11に示したように、個々の下部電極61は細長い形状を有している。下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61の間には、間隙が形成されている。下部電極61の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR素子50が配置されている。また、個々の上部電極62は細長い形状を有し、下部電極61の長手方向に隣接する2つの下部電極61上に配置されて隣接する2つのMR素子50同士を電気的に接続する。
図示しないが、1列に並んだ複数個のMR素子50の列の端に位置する1つのMR素子50は、下部電極61の長手方向と交差する方向に隣接する他の複数個のMR素子50の列の端に位置する他の1つのMR素子50に接続されている。この2つのMR素子50は、図示しない電極によって互いに接続されている。図示しない電極は、2つのMR素子50の下面同士または上面同士を接続する電極であってもよい。
図11に示したMR素子50が第1のMR素子50Aである場合、図11に示した下部電極61は下部電極61Aに対応し、図11に示した上部電極62は上部電極62Aに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、V方向に平行な方向になる。
なお、本実施の形態では、反強磁性層51、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54を含む積層膜を、MR素子50として説明している。しかし、この積層膜と、下部電極61と、上部電極62とを備えたものを、本実施の形態おけるMR素子としてもよい。積層膜は、複数の磁性膜を含んでいる。
複数の上部コイル要素72の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の上部コイル要素72は、X方向に並ぶように配列されている。本実施の形態では特に、Z方向から見たときに、複数の第1のMR素子50Aの各々には、2つの上部コイル要素72が重なっている。
複数の下部コイル要素71の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の下部コイル要素71は、X方向に並ぶように配列されている。複数の下部コイル要素71の形状および配列は、複数の上部コイル要素72の形状および配列と同じであってもよいし、異なっていてもよい。図7および図8に示した例では、複数の下部コイル要素71の各々のX方向の寸法は、複数の上部コイル要素72の各々のX方向の寸法よりも小さい。また、X方向に隣接する2つの下部コイル要素71の間隔は、X方向に隣接する2つの上部コイル要素72の間隔よりも小さい。
図7および図8に示した例では、複数の下部コイル要素71と複数の上部コイル要素72は、複数の第1のMR素子50Aの各々の自由層54に対して、X方向に平行な方向の磁界を印加する第1のコイル70を構成するように、電気的に接続されている。また、第1のコイル70は、例えば、第1および第2の抵抗部R11,R12における自由層54に対してX方向の磁界を印加し、第3および第4の抵抗部R13,R14における自由層54に対して-X方向の磁界を印加することができるように構成されていてもよい。また、第1のコイル70は、プロセッサ40によって制御されてもよい。
次に、図9および図10を参照して、第2のチップ3の構造について説明する。図10は、図9において10-10線で示す位置の断面の一部を示している。
第2のチップ3は、上面301aを有する基板301と、絶縁層302,303,304,305,306,307,308,309,310と、複数の下部電極61Bと、複数の下部電極61Cと、複数の上部電極62Bと、複数の上部電極62Cと、複数の下部コイル要素81と、複数の上部コイル要素82とを含んでいる。基板301の上面301aは、XY平面に平行であるものとする。Z方向は、基板301の上面301aに垂直な一方向でもある。なお、第2のチップ3は磁気センサ1の構成要素であることから、磁気センサ1が、基板301、絶縁層302~310、複数の下部電極61B、複数の下部電極61C、複数の上部電極62B、複数の上部電極62C、複数の下部コイル要素81および複数の上部コイル要素82を含んでいるとも言える。
絶縁層302は、基板301の上に配置されている。複数の下部コイル要素81は、絶縁層302の上に配置されている。絶縁層303は、絶縁層302の上において複数の下部コイル要素81の周囲に配置されている。絶縁層304,305,306は、複数の下部コイル要素81および絶縁層303の上に、この順に積層されている。
複数の下部電極61Bと複数の下部電極61Cは、絶縁層306の上に配置されている。絶縁層307は、絶縁層306の上において複数の下部電極61Bの周囲と複数の下部電極61Cの周囲に配置されている。複数の第2のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bの上に配置されている。複数の第3のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cの上に配置されている。絶縁層308は、複数の下部電極61B、複数の下部電極61Cおよび絶縁層307の上において複数の第2のMR素子50Bの周囲と複数の第3のMR素子50Cの周囲に配置されている。複数の上部電極62Bは、複数の第2のMR素子50Bおよび絶縁層308の上に配置されている。複数の上部電極62Cは、複数の第3のMR素子50Cおよび絶縁層308の上に配置されている。絶縁層309は、絶縁層308の上において複数の上部電極62Bの周囲と複数の上部電極62Cの周囲に配置されている。
絶縁層310は、複数の上部電極62B、複数の上部電極62Cおよび絶縁層309の上に配置されている。複数の上部コイル要素82は、絶縁層310の上に配置されている。第2のチップ3は、更に、複数の上部コイル要素82および絶縁層310を覆う図示しない絶縁層を含んでいてもよい。
第2のチップ3は、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cを支持する支持部材320を含んでいる。支持部材320は、基板301の上面301aに対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有している。本実施の形態では特に、支持部材320は、絶縁層304,305,306によって構成されている。なお、図9では、第2のチップ3の構成要素のうち、支持部材320、複数の第2のMR素子50B、複数の第3のMR素子50Cおよび複数の上部コイル要素82を示している。
支持部材320は、それぞれ基板301の上面301aから遠ざかる方向(Z方向)に張り出す複数の凸面320cを有している。複数の凸面320cの各々は、U方向に平行な方向に延在している。凸面320cの全体形状は、図10に示した凸面320cの曲線形状(アーチ形状)をU方向に平行な方向に沿って移動してできる半円筒状の曲面である。また、複数の凸面320cは、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。
複数の凸面320cの各々は、基板301の上面301aから最も遠い上端部を有している。本実施の形態では、複数の凸面320cの各々の上端部は、U方向に平行な方向に延在するものとする。ここで、複数の凸面320cのうちの任意の1つの凸面320cに着目する。凸面320cは、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bとを含んでいる。第1の傾斜面320aは、凸面320cのうち、凸面320cの上端部よりもV方向側の面である。第2の傾斜面320bは、凸面320cのうち、凸面320cの上端部よりも-V方向側の面である。図9では、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bとの境界を、点線で示している。
凸面320cの上端部は、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bとの境界であってもよい。この場合、図9に示した点線は、凸面320cの上端部を示している。
基板301の上面301aは、XY平面に平行である。第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜している。基板301の上面301aに垂直な断面において、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bの間隔は、基板301の上面301aから遠ざかるに従って小さくなる。
本実施の形態では、凸面320cが複数存在することから、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bもそれぞれ複数存在する。支持部材320は、複数の第1の傾斜面320aと、複数の第2の傾斜面320bとを有している。
支持部材320は、更に、複数の凸面320cの周囲に存在する平坦面320dを有している。平坦面320dは、基板301の上面301aに平行な面である。複数の凸面320cの各々は、平坦面320dからZ方向に突出している。また、本実施の形態では、複数の凸面320cは、所定の間隔を開けて配置されている。従って、V方向に隣接する2つの凸面320cの間には、平坦面320dが存在する。
本実施の形態では、複数の凸面320cと平坦面320dは、実質的に絶縁層305によって形成されている。すなわち、絶縁層305は、それぞれZ方向に突出した複数の突出部305Cと、複数の突出部305Cの周囲に存在する平坦部305Dとを含んでいる。複数の突出部305Cの各々は、U方向に平行な方向に延在すると共に、凸面320cに対応した形状の上面を有している。また、複数の突出部305Cは、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。平坦部305Dの厚み(Z方向の寸法)は、実質的に一定である。絶縁層306は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層305の上面に沿って形成されている。これにより、絶縁層306の上面が、複数の凸面320cと平坦面320dになる。
なお、絶縁層304は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層305の下面に沿って形成されている。
複数の下部電極61Bは、複数の第1の傾斜面320aの上に配置されている。複数の下部電極61Cは、複数の第2の傾斜面320bの上に配置されている。前述のように、第1の傾斜面320aと第2の傾斜面320bの各々は、基板301の上面301aすなわちXY平面に対して傾斜していることから、複数の下部電極61Bの各々の上面と複数の下部電極61Cの各々の上面も、XY平面に対して傾斜する。従って、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cは、XY平面に対して傾斜した傾斜面上に配置されていると言える。支持部材320は、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cの各々をXY平面に対して傾くように支持するための部材である。
なお、本実施の形態では、第1の傾斜面320aは曲面である。そのため、第2のMR素子50Bは、曲面(第1の傾斜面320a)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第2のMR素子50Bの磁化固定層52の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第2のMR素子50Bの磁化固定層52の磁化の方向であるW1方向および-W1方向は、第1の傾斜面320aのうち、第2のMR素子50Bの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
同様に、本実施の形態では、第2の傾斜面320bは曲面である。そのため、第3のMR素子50Cは、曲面(第2の傾斜面320b)に沿って湾曲する。本実施の形態では、便宜上、第3のMR素子50Cの磁化固定層52の磁化の方向は、直線的な方向として前述のように定義される。第3のMR素子50Cの磁化固定層52の磁化の方向であるW2方向および-W2方向は、第2の傾斜面320bのうち、第3のMR素子50Cの近傍の部分に接する接線が延在する方向でもある。
図9に示したように、複数の第2のMR素子50Bは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第1の傾斜面320aの上には、複数個の第2のMR素子50Bが1列に並んでいる。同様に、複数の第3のMR素子50Cは、U方向とV方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。1つの第2の傾斜面320bの上には、複数個の第3のMR素子50Cが1列に並んでいる。本実施の形態では、複数の第2のMR素子50Bの列と複数の第3のMR素子50Cの列が、V方向に平行な方向において交互に並んでいる。
なお、隣接する1つの第2のMR素子50Bと1つの第3のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第3のMR素子50Cを挟んで隣接する2つの第2のMR素子50Bは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。また、1つの第2のMR素子50Bを挟んで隣接する2つの第3のMR素子50Cは、Z方向から見たときに、U方向に平行な方向にずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。
複数の第2のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bと複数の上部電極62Bによって、直列に接続されている。前述の複数の第1のMR素子50Aの接続方法についての説明は、複数の第2のMR素子50Bの接続方法にも当てはまる。図11に示したMR素子50が第2のMR素子50Bである場合、図11に示した下部電極61は下部電極61Bに対応し、図11に示した上部電極62は上部電極62Bに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
同様に、複数の第3のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cと複数の上部電極62Cによって、直列に接続されている。前述の複数の第1のMR素子50Aの接続方法についての説明は、複数の第3のMR素子50Cの接続方法にも当てはまる。図11に示したMR素子50が第3のMR素子50Cである場合、図11に示した下部電極61は下部電極61Cに対応し、図11に示した上部電極62は上部電極62Cに対応する。また、この場合、下部電極61の長手方向は、U方向に平行な方向になる。
複数の上部コイル要素82の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の上部コイル要素82は、X方向に並ぶように配列されている。本実施の形態では特に、Z方向から見たときに、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cの各々には、2つの上部コイル要素82が重なっている。
複数の下部コイル要素81の各々は、Y方向に平行な方向に延在している。また、複数の下部コイル要素81は、X方向に並ぶように配列されている。複数の下部コイル要素81の形状および配列は、複数の上部コイル要素82の形状および配列と同じであってもよいし、異なっていてもよい。図9および図10に示した例では、複数の下部コイル要素81の各々のX方向の寸法は、複数の上部コイル要素82の各々のX方向の寸法よりも小さい。また、X方向に隣接する2つの下部コイル要素81の間隔は、X方向に隣接する2つの上部コイル要素82の間隔よりも小さい。
図9および図10に示した例では、複数の下部コイル要素81と複数の上部コイル要素82は、複数の第2のMR素子50Bと複数の第3のMR素子50Cの各々の自由層54に対して、X方向に平行な方向の磁界を印加する第2のコイル80を構成するように、電気的に接続されている。また、第2のコイル80は、例えば、第2の検出回路20の第1および第2の抵抗部R21,R22と第3の検出回路30の第1および第2の抵抗部R31,R32における自由層54に対してX方向の磁界を印加し、第2の検出回路20の第3および第4の抵抗部R23,R24と第3の検出回路30の第3および第4の抵抗部R33,R34における自由層54に対して-X方向の磁界を印加することができるように構成されていてもよい。また、第2のコイル80は、プロセッサ40によって制御されてもよい。
次に、第1ないし第3の検出信号について説明する。始めに、図4を参照して、第1の検出信号について説明する。対象磁界のU方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第1の検出回路10の抵抗部R11~R14の各々の抵抗値は、抵抗部R11,R13の抵抗値が増加すると共に抵抗部R12,R14の抵抗値が減少するか、抵抗部R11,R13の抵抗値が減少すると共に抵抗部R12,R14の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E11,E12の各々の電位が変化する。第1の検出回路10は、信号出力端E11の電位に対応する信号を第1の検出信号S11として生成し、信号出力端E12の電位に対応する信号を第1の検出信号S12として生成するように構成されている。
次に、図5を参照して、第2の検出信号について説明する。対象磁界のW1方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第2の検出回路20の抵抗部R21~R24の各々の抵抗値は、抵抗部R21,R23の抵抗値が増加すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が減少するか、抵抗部R21,R23の抵抗値が減少すると共に抵抗部R22,R24の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E21,E22の各々の電位が変化する。第2の検出回路20は、信号出力端E21の電位に対応する信号を第2の検出信号S21として生成し、信号出力端E22の電位に対応する信号を第2の検出信号S22として生成するように構成されている。
次に、図6を参照して、第3の検出信号について説明する。対象磁界のW2方向に平行な方向の成分の強度が変化すると、第3の検出回路30の抵抗部R31~R34の各々の抵抗値は、抵抗部R31,R33の抵抗値が増加すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が減少するか、抵抗部R31,R33の抵抗値が減少すると共に抵抗部R32,R34の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E31,E32の各々の電位が変化する。第3の検出回路30は、信号出力端E31の電位に対応する信号を第3の検出信号S31として生成し、信号出力端E32の電位に対応する信号を第3の検出信号S32として生成するように構成されている。
次に、プロセッサ40の動作について説明する。プロセッサ40は、第1の検出信号S11,S12に基づいて第1の検出値を生成するように構成されている。第1の検出値は、対象磁界のU方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。以下、第1の検出値を記号Suで表す。
本実施の形態では、プロセッサ40は、第1の検出信号S11と第1の検出信号S12の差S11-S12を求めることを含む演算によって、第1の検出値Suを生成する。第1の検出値Suは、差S11-S12そのものであってもよいし、差S11-S12に対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。
プロセッサ40は、更に、第2の検出信号S21,S22および第3の検出信号S31,S32に基づいて、第2の検出値と第3の検出値を生成するように構成されている。第2の検出値は、対象磁界のV方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。第3の検出値は、対象磁界のZ方向に平行な方向の成分に対応する検出値である。以下、第2の検出値を記号Svで表し、第3の検出値を記号Szで表す。
プロセッサ40は、例えば、以下のようにして第2および第3の検出値Sv,Szを生成する。プロセッサ40は、まず、第2の検出信号S21と第2の検出信号S22の差S21-S22を求めることを含む演算によって、値S1を生成すると共に、第3の検出信号S31と第3の検出信号S32の差S31-S32を求めることを含む演算によって、値S2を生成する。次に、プロセッサ40は、下記の式(1)、(2)を用いて、値S3,S4を算出する。
S3=(S2+S1)/(2cosα) …(1)
S4=(S2-S1)/(2sinα) …(2)
第2の検出値Svは、値S3そのものであってもよいし、値S3に対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。同様に、第3の検出値Szは、値S4そのものであってもよいし、値S4に対してゲイン調整およびオフセット調整等の所定の補正を加えたものであってもよい。
次に、磁気センサ1の構造上の特徴について説明する。始めに、図8を参照して、磁気センサ1の第1のチップ2に関する特徴について説明する。第1のチップ2は、Z方向に沿って順に配置された絶縁層204,205,206と、金属層である下部コイル要素71と、センサ素子である第1のMR素子50Aとを含んでいる。
第1のMR素子50Aは、少なくとも、2つの磁性膜すなわち磁化固定層52および自由層54を含んでいる。この2つの磁性膜は、第1のMR素子50Aの一部(要部)を構成している。以下、この2つの磁性膜を、機能層と呼ぶ。機能層は、絶縁層206における絶縁層205とは反対側に配置されている。
下部コイル要素71は、絶縁層204における絶縁層205とは反対側に配置されている。下部コイル要素71は、第1のコイル70の一部である。下部コイル要素71は、例えばCu、AuまたはAlによって形成されている。
絶縁層204,206の各々は、第1の絶縁材料を含んでいる。絶縁層205は、第2の絶縁材料を含んでいる。第2の絶縁材料は、第1の絶縁材料とは異なっている。第2の絶縁材料は、金属層すなわち下部コイル要素71よりも破壊靱性の値が大きいことが好ましい。第2の絶縁材料は、例えばSiOであってもよい。
第1の絶縁材料は、第2の絶縁材料よりも破壊靱性の値が大きいことが好ましい。第1の絶縁材料は、例えば、Al、SiN、AlNまたはMgO等であってもよい。特に、第2の絶縁材料がSiOである場合、第1の絶縁材料としては、Alを用いてもよい。また、絶縁層204,206の各々は、同じ第1の絶縁材料によって形成されていることが好ましい。
絶縁層205は、Z方向における寸法が一定の平坦部を含んでいる。機能層(磁化固定層52および自由層54)は、この平坦部に沿って配置されている。また、Z方向における絶縁層205の最大の寸法は、Z方向における絶縁層204の最大の寸法およびZ方向における絶縁層206の最大の寸法よりも大きくてもよい。
次に、図10を参照して、磁気センサ1の第2のチップ3に関する特徴について説明する。第2のチップ3は、Z方向に沿って順に配置された絶縁層304,305,306と、金属層である下部コイル要素81と、センサ素子である第2および第3のMR素子50B,50Cとを含んでいる。
第2および第3のMR素子50B,50Cの各々は、第1のMR素子50Aと同様に、少なくとも、機能層(磁化固定層52および自由層54)を含んでいる。第2および第3のMR素子50B,50Cの各々の機能層は、絶縁層306における絶縁層305とは反対側に配置されている。
下部コイル要素81は、絶縁層304における絶縁層305とは反対側に配置されている。下部コイル要素81は、第2のコイル80の一部である。下部コイル要素81は、例えばCu、AuまたはAlによって形成されている。
絶縁層304,306の各々は、絶縁層204,206と同様に、第1の絶縁材料を含んでいる。絶縁層305は、絶縁層205と同様に、第2の絶縁材料を含んでいる。絶縁層304,306の各々は、同じ第1の絶縁材料によって形成されていることが好ましい。
絶縁層305は、第1の部分と、Z方向と直交する方向において第1の部分とは異なる位置に配置された第2の部分とを含んでいる。Z方向における第2の部分の最大の寸法は、Z方向における第1の部分の最大の寸法よりも大きい。本実施の形態では、絶縁層305の平坦部305Dが第1の部分に対応し、絶縁層305の突出部305Cが第2の部分に対応する。
突出部305Cは、Z方向に対して傾斜した第1の傾斜面および第2の傾斜面を有している。支持部材320の第1の傾斜面320aは、突出部305Cの第1の傾斜面に対応した形状を有している。支持部材320の第2の傾斜面320bは、突出部305Cの第2の傾斜面に対応した形状を有している。第2のMR素子50Bの機能層は、突出部305Cの第1の傾斜面に沿って配置されている。第3のMR素子50Cの機能層は、突出部305Cの第2の傾斜面に沿って配置されている。
前述のように、突出部305Cは、U方向に平行な方向に延在し、下部コイル要素81は、Y方向に平行な方向に延在している。従って、Z方向から見たときに、下部コイル要素81は、突出部305Cと平坦部305Dとの境界と交差するように延在している。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の作用および効果について説明する。始めに、第1のチップ2を例にとって説明する。本実施の形態では、下部コイル要素71と第1のMR素子50Aとの間に絶縁層204,205,206が存在する。金属層とMR素子との間に絶縁層が配置された磁気センサでは、金属層の材料と絶縁層の材料の違いに起因して、磁気センサの製造過程において、絶縁層にクラックが発生することがある。
これに対し、本実施の形態では、下部コイル要素71と第1のMR素子50Aとの間を、絶縁層204,205,206の積層構造にすることによって、絶縁層204,205,206にクラックが発生することを抑制している。クラックの発生が抑制される理由としては、例えば、以下の理由が挙げられる。絶縁層204,205,206の合計の厚みと1つの絶縁層の厚みを等しくして比較すると、絶縁層204,205,206の各々の厚みは、1つの絶縁層に比べて小さくなる。これにより、絶縁層204,205,206の各々に含まれる欠陥が少なくなる。
ところで、本願の発明者による研究の過程で、絶縁層204,205,206の各々を構成する絶縁材料の組み合わせによって、クラックの発生しやすさが異なることが分かった。本実施の形態では、絶縁層204,206の各々は第1の絶縁材料を含み、絶縁層205は第2の絶縁材料を含んでいる。すなわち、本実施の形態では、絶縁層205の下面側に形成される絶縁層204と絶縁層205の上面側に形成される絶縁層206とを、同じ絶縁材料によって形成している。これにより、本実施の形態によれば、絶縁層205の下面側に形成される層の材料と絶縁層205の上面側に形成される層の材料の違いに起因して、絶縁層205にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本実施の形態では、第2の絶縁材料の破壊靱性の値を、下部コイル要素71を構成する金属材料の破壊靱性の値よりも大きくすることが好ましい。これにより、本実施の形態によれば、絶縁層205にクラックが発生することをより効果的に抑制することができる。また、本実施の形態では、第1の絶縁材料の破壊靱性の値を、第2の絶縁材料の破壊靱性の値よりも大きくすることが好ましい。これにより、本実施の形態によれば、絶縁層204,205,206にクラックが発生することをより効果的に抑制することができる。
上記の第1のチップ2についての説明は、第2のチップ3にも当てはまる。第1のチップ2についての上記の説明中の絶縁層204,205,206および下部コイル要素71を、それぞれ絶縁層304,305,306および下部コイル要素81に置き換え、第1のMR素子50Aを、第2のMR素子50Bまたは第3のMR素子50Cに置き換えれば、第2のチップ3についての説明になる。
また、第2のチップ3では、絶縁層305は、突出部305Cと平坦部305Dとを含む不連続な構造を有している。また、第2のチップ3では特に、下部コイル要素81は、突出部305Cと平坦部305Dとの境界と交差するように延在している。そのため、絶縁層305は、一様な構造を有する絶縁層に比べてクラックが発生しやすい。これに対し、本実施の形態によれば、絶縁層305の下面側に絶縁層304を形成し、絶縁層305の上面側に絶縁層306を形成することによって、絶縁層305にクラックが発生することを抑制することができる。
[変形例]
次に、図12を参照して、本実施の形態における第2のチップ3の変形例について説明する。変形例では、第2のチップ3の支持部材320の複数の凸面320cの各々の全体形状は、図12に示した凸面320cの三角形形状をU方向に平行な方向に沿って移動してできる三角屋根形状である。また、支持部材320の複数の第1の傾斜面320aと複数の第2の傾斜面320bの各々は、平面である。複数の第1の傾斜面320aの各々は、U方向とW1方向に平行な平面である。複数の第2の傾斜面320bの各々は、U方向とW2方向に平行な平面である。
絶縁層305は、図10に示した例と同様に、複数の凸面320cを形成する複数の突出部を含んでいてもよい。あるいは、絶縁層305は、V方向に平行な方向に並ぶ複数の溝部を含んでいてもよい。複数の溝部の各々は、第1の傾斜面320aに対応する第1の壁面と、第2の傾斜面320bに対応する第2の壁面とを有している。1つの凸面320cは、1つの溝部の第1の壁面と、この1つの溝部の-V方向側に隣接する他の1つの溝部の第2の壁面とによって構成される。
なお、図12に示した例では、複数の溝部の各々は、更に、平坦面320dに対応する底面を有している。しかし、複数の溝部の各々は、底面を有していなくてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、図13および図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサについて説明する。図13は、本実施の形態に係る磁気センサを示す斜視図である。図14は、本実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。
本実施の形態に係る磁気センサ101は、第1の実施の形態における第1のチップ2と第2のチップ3を一体化させたものに相当する。図13に示したように、磁気センサ101は、直方体形状のチップの形態を有している。磁気センサ101は、互いに反対側に位置する上面101aおよび下面と、上面101aおよび下面とを接続する4つの側面とを有している。また、磁気センサ101は、上面101a上に設けられた複数の電極パッドを有している。
磁気センサ101は、第1の実施の形態における図1および図2に示した支持体4に実装されていてもよい。この場合、磁気センサ101は、磁気センサ101の下面が、支持体4の基準平面4aに対向する姿勢で、基準平面4a上に実装される。
また、磁気センサ101は、第1の実施の形態における図3ないし図6に示した第1ないし第3の検出回路10,20,30ならびに第1および第2のコイル70,80を含んでいる。第1ないし第3の検出回路10,20,30ならびに第1および第2のコイル70,80の各々の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、第1の検出回路10は、複数の第1のMR素子50Aを含んでいる。第2の検出回路20は、複数の第2のMR素子50Bを含んでいる。第3の検出回路30は、複数の第3のMR素子50Cを含んでいる。第1のコイル70は、複数の下部コイル要素71と複数の上部コイル要素72とを含んでいる。第2のコイル80は、複数の下部コイル要素81と複数の上部コイル要素82とを含んでいる。
また、磁気センサ101は、更に、第1の実施の形態で説明した複数の下部電極61A,61B,61Cおよび複数の上部電極62A,62B,62Cを含んでいる。複数の第1のMR素子50A、複数の第2のMR素子50Bおよび複数の第3のMR素子50Cの各々の接続方法は、第1の実施の形態と同様である。
図14に示したように、磁気センサ101は、更に、上面111aを有する基板111と、絶縁層112,113,114,115,116,117,118,119,120とを含んでいる。基板111の上面111aは、XY平面に平行であるものとする。Z方向は、基板111の上面111aに垂直な一方向でもある。絶縁層112は、基板111の上に配置されている。本実施の形態では、複数の下部コイル要素71と複数の下部コイル要素81は、絶縁層112の上に配置されている。絶縁層113は、絶縁層112の上において複数の下部コイル要素71の周囲と複数の下部コイル要素81の周囲に配置されている。絶縁層114,115,116は、複数の下部コイル要素71、複数の下部コイル要素81および絶縁層113の上に、この順に積層されている。
本実施の形態では、複数の下部電極61A、複数の下部電極61Bおよび複数の下部電極61Cは、絶縁層116の上に配置されている。絶縁層117は、絶縁層116の上において複数の下部電極61Aの周囲、複数の下部電極61Bの周囲および複数の下部電極61Cの周囲に配置されている。複数の第1のMR素子50Aは、複数の下部電極61Aの上に配置されている。複数の第2のMR素子50Bは、複数の下部電極61Bの上に配置されている。複数の第3のMR素子50Cは、複数の下部電極61Cの上に配置されている。
絶縁層118は、複数の下部電極61A、複数の下部電極61B、複数の下部電極61Cおよび絶縁層117の上において複数の第1のMR素子50Aの周囲、複数の第2のMR素子50Bの周囲および複数の第3のMR素子50Cの周囲に配置されている。複数の上部電極62Aは、複数の第1のMR素子50Aおよび絶縁層118の上に配置されている。複数の上部電極62Bは、複数の第2のMR素子50Bおよび絶縁層118の上に配置されている。複数の上部電極62Cは、複数の第3のMR素子50Cおよび絶縁層118の上に配置されている。絶縁層119は、絶縁層118の上において複数の上部電極62Aの周囲、複数の上部電極62Bの周囲および複数の上部電極62Cの周囲に配置されている。
絶縁層120は、複数の上部電極62A、複数の上部電極62B、複数の上部電極62Cおよび絶縁層119の上に配置されている。本実施の形態では、複数の上部コイル要素72と複数の上部コイル要素82は、絶縁層120の上に配置されている。磁気センサ101は、更に、複数の上部コイル要素72、複数の上部コイル要素82および絶縁層120を覆う図示しない絶縁層を含んでいてもよい。
磁気センサ101は、複数のMR素子50を支持する支持部材130を含んでいる。支持部材130は、基板111の上面111aに対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有している。本実施の形態では特に、支持部材130は、絶縁層114,115,116によって構成されている。支持部材130は、それぞれ基板111の上面111aから遠ざかる方向(Z方向)に張り出す複数の凸面130cと、複数の凸面130cの周囲に存在する平坦面130dとを有している。複数の凸面130cの形状および配置は、第1の実施の形態における複数の凸面320cの形状および配置と同じである。
複数の凸面130cの各々は、第1の傾斜面130aと第2の傾斜面130bとを含んでいる。従って、支持部材130は、複数の第1の傾斜面130aと、複数の第2の傾斜面130bとを有している。複数の第1の傾斜面130aの形状および配置は、第1の実施の形態における複数の第1の傾斜面320aの形状および配置と同じである。複数の第2の傾斜面130bの形状および配置は、第1の実施の形態における複数の第2の傾斜面320bの形状および配置と同じである。
磁気センサ101は、複数の第1のMR素子50Aが配置される第1の部分と、複数の第2のMR素子50Bおよび複数の第3のMR素子50Cが配置される第2の部分とを含んでいる。複数の凸面130cは、実質的に、絶縁層115のうちの第2の部分に属する部分によって形成されている。すなわち、絶縁層115の上記の部分は、それぞれZ方向に突出した複数の突出部115Cを含んでいる。複数の突出部115Cの各々は、U方向に平行な方向に延在すると共に、凸面130cに対応した形状の上面を有している。また、複数の突出部115Cは、所定の間隔でV方向に平行な方向に並んでいる。
絶縁層115は、更に、平坦部115Dを含んでいる。平坦部115Dの厚み(Z方向の寸法)は、実質的に一定である。平坦面130dは、実質的に、絶縁層115のうち、磁気センサ101の第1の部分に属する平坦部115Dと、磁気センサ101の第2の部分において複数の突出部115Cの周囲の存在する平坦部115Dによって構成されている。
絶縁層116は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層115の上面に沿って形成されている。これにより、絶縁層116の上面が、複数の凸面130cと平坦面130dになる。なお、絶縁層114は、実質的に一定の厚み(Z方向の寸法)を有し、絶縁層115の下面に沿って形成されている。
本実施の形態では、複数の下部電極61Aは、平坦面130dの上に配置されている。基板111の上面111aは、XY平面に平行であり、複数の下部電極61Aの各々の上面も、XY平面に平行になる。
また、本実施の形態では、複数の下部電極61Bは、複数の第1の傾斜面130aの上に配置されている。複数の下部電極61Cは、複数の第2の傾斜面130bの上に配置されている。第1の傾斜面130aと第2の傾斜面130bの各々は、基板111の上面111aすなわちXY平面に対して傾斜していることから、複数の下部電極61Bの各々の上面と複数の下部電極61Cの各々の上面も、XY平面に対して傾斜する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。始めに、図15を参照して、本実施の形態に係る磁気センサを含む電流センサステムの構成について説明する。本実施の形態に係る磁気センサ410は、導体を流れる検出対象電流の値を検出する電流センサとして用いられる。検出対象電流は、本発明における「所定の物理量」に対応する。図15には、検出対象電流が流れる導体がバスバー402である例を示している。磁気センサ410は、バスバー402の近傍に配置される。以下、検出対象電流を、対象電流Itgと記す。バスバー402の周囲には、対象電流Itgによって磁界403が発生する。磁気センサ410は、磁界403が印加される位置に配置されている。
次に、図16を参照して、本実施の形態に係る磁気センサ410の構成について説明する。図16は、磁気センサ410を示す断面図である。磁気センサ410は、磁気平衡式電流センサである。図16に示したように、磁気センサ410は、コイル411と、複数の磁気検出素子を含む検出回路412とを備えている。コイル411および検出回路412は、後述する複数の絶縁層によって一体化されている。磁気センサ410は、バスバー402からは独立している。
ここで、図15および図16に示したように、本実施の形態におけるX方向、Y方向、Z方向を定義する。本実施の形態では、図15に示した対象電流Itgが流れる方向をY方向とする。また、磁気センサ410の構成要素に関して、Z方向の端に位置する面を「上面」と言い、-Z方向の端に位置する面を「下面」と言う。
磁気センサ410は、バスバー402の上方(バスバー402のZ方向側)またはバスバー402の下方(バスバー402の-Z方向側)に配置される。以下、磁気センサ410がバスバー402の上方に配置された例を示す。
ここで、対象電流Itgによって発生する磁界403のうち、検出回路412によって検出可能な磁界を第1の磁界H1と言う。コイル411は、第1の磁界H1を相殺する第2の磁界H2を発生するためのものである。検出回路412の複数の磁気検出素子は、第1の磁界H1と第2の磁界H2の合成磁界を、検出すべき磁界(検出対象磁界)である対象磁界として検出するように構成されている。また、検出回路412は、対象磁界の強度に応じた磁界検出値Sを生成するように構成されている。第1の磁界H1と第2の磁界H2は、後で説明する図17に示されている。
本実施の形態では、第1の磁界H1の方向と、第2の磁界H2の方向と、対象磁界の方向は、X方向に平行な方向である。検出回路412の構成については、後で詳しく説明する。
図16に示したように、磁気センサ410は、更に、上面461aを有する基板461と、絶縁層462,463,464,465,466,467,468と、下部コイル要素411Lと、上部コイル要素411Uとを備えている。絶縁層462は、基板461の上に配置されている。下部コイル要素411Lは、絶縁層462の上に配置されている。絶縁層463は、絶縁層462の上において下部コイル要素411Lの周囲に配置されている。絶縁層464,465,466は、下部コイル要素411Lおよび絶縁層463の上に、この順に積層されている。
検出回路412は、絶縁層466の上に配置されている。絶縁層467は、検出回路412および絶縁層466を覆うように配置されている。上部コイル要素411Uは、絶縁層467の上に配置されている。絶縁層468は、上部コイル要素411Uおよび絶縁層467を覆うように配置されている。
磁気センサ410は、更に、図示しない磁性層を備えていてもよい。磁性層は、対象電流Itgによって発生する磁束の一部を取り込んで、磁性層が無い場合に比べて、第1の磁界H1の絶対値を小さくする機能を有している。磁性層は、例えば、絶縁層468の上に配置される。
下部コイル要素411Lと上部コイル要素411Uは、コイル411を構成するように、電気的に接続されている。なお、下部コイル要素411Lと上部コイル要素411Uは、それぞれ、複数個ずつ設けられていてもよい。
次に、図17を参照して、磁気センサ410に接続される回路について説明する。磁気センサ410と、磁気センサ410に接続される回路は、磁気センサ装置401を構成する。図17は、磁気センサ装置401の構成を示すブロック図である。図17に示したように、磁気センサ装置401は、磁気センサ410と、フィードバック回路430と、電流検出器440とを備えている。フィードバック回路430は、磁界検出値Sに応じて、第2の磁界H2を発生させるためのフィードバック電流を制御してコイル411に流す。電流検出器440は、コイル411に流れるフィードバック電流の検出値を生成する。電流検出器440は、例えば、フィードバック電流の電流路に挿入された抵抗器である。この抵抗器の両端の電位差は、フィードバック電流の検出値に相当する。以下、電流検出器440によって生成されるフィードバック電流の検出値を、電流検出値と言う。電流検出値は、対象電流Itgの値と比例関係にある。従って、電流検出値は、対象電流Itgの検出値に相当する。
フィードバック回路430は、フィードバック制御回路431を含んでいる。フィードバック制御回路431は、磁界検出値Sに応じて制御されたフィードバック電流を発生してコイル411に供給する。
次に、検出回路412の構成について詳しく説明する。前述のように、検出回路412は、複数の磁気検出素子を含んでいる。磁気検出素子は、例えばMR素子であってもよいし、ホール素子であってもよい。MR素子は、スピンバルブ型のMR素子でもよいし、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子でもよい。本実施の形態では特に、検出回路412は、複数の磁気検出素子として、複数のスピンバルブ型のMR素子450を含んでいる。複数のMR素子450の各々の構成は、第1の実施の形態で説明したMR素子50の構成と同じである。複数のMR素子450の各々は、第1の実施の形態で説明した、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54を含んでいる。複数のMR素子450の各々は、更に、第1の実施の形態で説明した反強磁性層51を含んでいてもよい。
図18は、検出回路412の回路構成を示す回路図である。検出回路412は、電源端V4と、グランド端G4と、2つの信号出力端E41,E42と、差分検出器421と、第1の抵抗部R41と、第2の抵抗部R42と、第3の抵抗部R43と、第4の抵抗部R44とを含んでいる。
第1の抵抗部R41は、電源端V4と信号出力端E41との間に設けられている。第2の抵抗部R42は、信号出力端E41とグランド端G4との間に設けられている。第3の抵抗部R43は、信号出力端E42とグランド端G4との間に設けられている。第4の抵抗部R44は、電源端V4と信号出力端E42との間に設けられている。電源端V4には、所定の大きさの電圧または電流が印加される。グランド端G4はグランドに接続される。
第1ないし第4の抵抗部R41~R44の各々は、少なくとも1つのMR素子450を含んでいる。第1および第3の抵抗部R41,R43の各々における磁化固定層52の磁化の方向は第1の磁化方向である。第2および第4の抵抗部R42,R44の各々における磁化固定層52の磁化の方向は、第1の磁化方向とは反対方向である第2の磁化方向である。ここで、第1の磁化方向および第2の磁化方向に平行な方向を感磁方向と言う。MR素子450の自由層54は、感磁方向に直交する方向を容易軸とする形状異方性を有することが好ましい。
検出回路412には、対象電流Itgによって発生する磁界403とコイル411が発生する磁界が印加される。検出回路412は、印加される上記の2つの磁界の方向が互いに反対方向またはほぼ反対方向になる位置に配置され、且つ上記感磁方向が、印加される上記の2つの磁界の方向に対して平行またはほぼ平行になる姿勢で配置されている。
この例では、対象電流Itgによって発生して検出回路412に印加される磁界における上記感磁方向の成分が第1の磁界H1である。また、コイル411が発生して検出回路412に印加される磁界における上記感磁方向の成分が第2の磁界H2である。
前述のように、第1の磁界H1の方向と、第2の磁界H2の方向は、X方向に平行な方向である。この場合、図18に示したように、検出回路412は、第1の磁化方向がX方向になり、第2の磁化方向が-X方向になるように配置される。なお、第1および第2の磁化方向は、MR素子450の作製の精度および検出回路412のアライメントの精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。また、磁化固定層52の磁化は、第1または第2の磁化方向を主成分とする磁化成分を含むように構成されていてもよい。
検出回路412では、対象磁界の強度に応じて、信号出力端E41,E42間の電位差が変化する。差分検出器421は、信号出力端E41,E42の電位差に対応する信号を磁界検出値Sとして出力する。なお、第1の磁界H1と第2の磁界H2の大小関係に応じて、対象磁界の強度、信号出力端E41,E42間の電位差、ならびに磁界検出値Sは、正の値または負の値となり得る。
次に、図16を参照して、磁気センサ410の構造上の特徴について説明する。磁気センサ410は、Z方向に沿って順に配置された絶縁層464,465,466と、金属層である下部コイル要素411Lと、センサ素子であるMR素子450とを含んでいる。
MR素子450は、第1の実施の形態における第1のMR素子50Aと同様に、少なくとも、機能層(磁化固定層52および自由層54)を含んでいる。機能層は、絶縁層466における絶縁層465とは反対側に配置されている。
下部コイル要素411Lは、絶縁層464における絶縁層465とは反対側に配置されている。下部コイル要素411Lは、コイル411の一部である。下部コイル要素411Lは、例えばCu、AuまたはAlによって形成されている。
絶縁層464,466の各々は、第1の実施の形態における絶縁層204,206と同様に、第1の絶縁材料を含んでいる。絶縁層465は、第1の実施の形態における絶縁層205と同様に、第2の絶縁材料を含んでいる。第2の絶縁材料は、第1の絶縁材料とは異なっている。絶縁層464,466の各々は、同じ第1の絶縁材料によって形成されていることが好ましい。
絶縁層465は、Z方向における寸法が一定の平坦部を含んでいる。機能層(磁化固定層52および自由層54)は、この平坦部に沿って配置されている。また、Z方向における絶縁層465の最大の寸法は、Z方向における絶縁層464の最大の寸法およびZ方向における絶縁層466の最大の寸法よりも大きくてもよい。
絶縁層464,465,466は、第1の実施の形態における絶縁層204,205,206に対応し、下部コイル要素411Lは、第1の実施の形態における下部コイル要素71に対応し、MR素子450は、第1の実施の形態における第1のMR素子50Aに対応する。第1の実施の形態で説明した理由と同じ理由により、本実施の形態によれば、絶縁層464,465,466にクラックが発生することを抑制することができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の金属層は、下部コイル要素に限らず、任意の配線層であってもよい。また、磁気検出素子は、MR素子に限らず、ホール素子等、MR素子以外の磁界を検出する素子であってもよい。
また、第2の絶縁材料は、スピンオングラス材や、ポリイミド等の樹脂材料であってもよい。この場合、第2の絶縁材料を含む絶縁層は弾性変形が可能であるため、絶縁層にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本発明のセンサ素子は、磁気検出素子に限らず、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子であってもよい。所定の物理量としては、磁界に限らず、電界、温度、変位および力等の、センサ素子によって検出可能な任意の物象の状態の量が挙げられる。上記各実施の形態の説明は、磁気検出素子をセンサ素子に置き換えれば、磁気検出素子以外のセンサ素子を備えた磁気センサ以外のセンサにも当てはまる。この場合、機能層は、センサ素子の少なくとも一部を構成する部分であって、所定の物理量に応じて物性が変化する部分であってもよい。また、この場合、金属層は、任意の配線層であってもよい。
以上説明したように、本発明のセンサは、所定の物理量を検出するように構成されたセンサである。センサは、第1の方向に沿って順に配置された第1の絶縁層、第2の絶縁層および第3の絶縁層と、第1の絶縁層における第2の絶縁層とは反対側に配置された金属層と、所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備えている。センサ素子は、センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含んでいる。機能層は、第3の絶縁層における第2の絶縁層とは反対側に配置されている。第1の絶縁層および第3の絶縁層の各々は、第1の絶縁材料を含んでいる。第2の絶縁層は、第2の絶縁材料を含んでいる。
本発明のセンサにおいて、第2の絶縁層は、第1の部分と、第1の方向に直交する第2の方向において第1の部分とは異なる位置に配置された第2の部分とを含んでいてもよい。第1の方向における第2の部分の最大の寸法は、第1の方向における第1の部分の最大の寸法よりも大きくてもよい。第2の部分は、第1の方向に対して傾斜した傾斜面を有していてもよい。機能層は、傾斜面に沿って配置されていてもよい。金属層は、第1の方向から見たときに、第1の部分と第2の部分との境界と交差するように延在していてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、第2の絶縁層は、第1の方向における寸法が一定の平坦部を含んでいてもよい。機能層は、平坦部に沿って配置されていてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、第2の絶縁材料は、金属層よりも破壊靱性の値が大きくてもよい。第2の絶縁材料は、SiOであってもよい。
また、本発明のセンサにおいて、第2の絶縁材料は、樹脂材料であってもよい。
また、本発明のセンサにおいて、第1の絶縁材料は、第2の絶縁材料よりも破壊靱性の値が大きくてもよい。この場合、第1の絶縁材料は、Alであってもよい。第2の絶縁材料は、SiOであってもよい。
また、本発明のセンサにおいて、第1の方向における第2の絶縁層の最大の寸法は、第1の方向における第1の絶縁層の最大の寸法および第1の方向における第3の絶縁層の最大の寸法よりも大きくてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、所定の物理量は、検出対象の磁界である対象磁界の方向および強度の少なくとも一方であってもよい。センサ素子は、対象磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であってもよい。磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子であってもよい。機能層は、複数の磁性膜を含んでいてもよい。
また、本発明のセンサにおいて、金属層は、コイルの一部であってもよい。所定の物理量は、導体を流れる電流であってもよい。コイルは、電流に起因して発生する第1の磁界を相殺するための第2の磁界を発生すように構成されていてもよい。センサ素子は、第1の磁界と第2の磁界の合成磁界を検出するように構成された磁気検出素子であってもよい。
1…磁気センサ、2…第1のチップ、3…第2のチップ、4…支持体、6,7…接着剤、10…第1の検出回路、20…第2の検出回路、30…第3の検出回路、40…プロセッサ、50…MR素子、50A…第1のMR素子、50B…第2のMR素子、50C…第3のMR素子、51…反強磁性層、52…磁化固定層、53…ギャップ層、54…自由層、61,61A,61B,61C…下部電極、62,62A,62B,62C…上部電極、70…第1のコイル、71…下部コイル要素、72…上部コイル要素、80…第2のコイル、81…下部コイル要素、82…上部コイル要素、100…磁気センサ装置、201…基板、201a…上面、202~210…絶縁層、301…基板、301a…上面、302~310…絶縁層、305C…突出部、305D…平坦部、320…支持部材、320a…第1の傾斜面、320b…第2の傾斜面、320c…凸面、320d…平坦面。

Claims (17)

  1. 所定の物理量を検出するように構成されたセンサであって、
    第1の方向に沿って順に配置された第1の絶縁層、第2の絶縁層および第3の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層における前記第2の絶縁層とは反対側に配置された金属層と、
    前記所定の物理量に応じて物性が変化するように構成されたセンサ素子とを備え、
    前記センサ素子は、前記センサ素子の少なくとも一部を構成する機能層を含み、
    前記機能層は、前記第3の絶縁層における前記第2の絶縁層とは反対側に配置され、
    前記第1の絶縁層および前記第3の絶縁層の各々は、第1の絶縁材料を含み、
    前記第2の絶縁層は、第2の絶縁材料を含むことを特徴とするセンサ。
  2. 前記第2の絶縁層は、第1の部分と、前記第1の方向に直交する第2の方向において前記第1の部分とは異なる位置に配置された第2の部分とを含み、
    前記第1の方向における前記第2の部分の最大の寸法は、前記第1の方向における前記第1の部分の最大の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  3. 前記第2の部分は、前記第1の方向に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とする請求項2記載のセンサ。
  4. 前記機能層は、前記傾斜面に沿って配置されていることを特徴とする請求項3記載のセンサ。
  5. 前記金属層は、前記第1の方向から見たときに、前記第1の部分と前記第2の部分との境界と交差するように延在していることを特徴とする請求項2記載のセンサ。
  6. 前記第2の絶縁層は、前記第1の方向における寸法が一定の平坦部を含むことを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  7. 前記機能層は、前記平坦部に沿って配置されていることを特徴とする請求項6記載のセンサ。
  8. 前記第2の絶縁材料は、前記金属層よりも破壊靱性の値が大きいことを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  9. 前記第2の絶縁材料は、SiOであることを特徴とする請求項8記載のセンサ。
  10. 前記第2の絶縁材料は、樹脂材料であることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  11. 前記第1の絶縁材料は、前記第2の絶縁材料よりも破壊靱性の値が大きいことを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  12. 前記第1の絶縁材料は、Alであり、
    前記第2の絶縁材料は、SiOであることを特徴とする請求項11記載のセンサ。
  13. 前記第1の方向における前記第2の絶縁層の最大の寸法は、前記第1の方向における前記第1の絶縁層の最大の寸法および前記第1の方向における前記第3の絶縁層の最大の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  14. 前記所定の物理量は、検出対象の磁界である対象磁界の方向および強度の少なくとも一方であり、
    前記センサ素子は、前記対象磁界の方向および強度の少なくとも一方の変化を検出するように構成された磁気検出素子であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のセンサ。
  15. 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子であり、
    前記機能層は、複数の磁性膜を含むことを特徴とする請求項14記載のセンサ。
  16. 前記金属層は、コイルの一部であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のセンサ。
  17. 前記所定の物理量は、導体を流れる電流であり、
    前記コイルは、前記電流に起因して発生する第1の磁界を相殺するための第2の磁界を発生すように構成され、
    前記センサ素子は、前記第1の磁界と前記第2の磁界の合成磁界を検出するように構成された磁気検出素子であることを特徴とする請求項16記載のセンサ。
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