JP5045273B2 - 磁気センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサ及びその製造方法に関し、特に1つの基板に複数の巨大磁気抵抗効果素子を配置して二軸方向や三軸方向の磁界の強さを検知する磁気センサ及びその製造方法に関する。
従来から、磁気センサに使用される素子として、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)や磁気トンネル効果素子(TMR素子)等が知られている。これらの磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピン層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備えており、ピン層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を出力として示すものである。このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサとしては、例えば、特許文献1にて提案されている。
そして、特許文献1の磁気センサにおいては、同一の基板の表面に平坦面及び平坦面に対して傾斜する斜面が形成されると共に、これら平坦面上及び斜面上に前述の磁気抵抗効果素子がそれぞれ形成されており、これによって、二軸方向や三軸方向の磁界の強さを測定する磁気センサを構成することができる。
ところで、近年では、ピン層における耐強磁界性の向上を目的として、ピン層の磁性層にRu層を挟み込んだSAF(Synthetic antiferromagnetic)構造のGMR素子を磁気センサに用いることが知られている。
また、このようなGMR素子は、帯状に形成された複数のGMRバーからなるが、その周面には、ピン層やフリー層等の各層の形成材料が露出しているものである。そこで、GMR素子の耐水性、耐熱性、電気絶縁性等を確保するために、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により酸化膜、窒化膜等からなる保護膜(パッシベーション膜)が形成されている。
特開2006−261400号公報
ところで、上述の磁気センサに使用されるGMR素子にあっては、プラズマCVD法等によりGMR素子を保護する酸化膜を形成する際、チャンバー内にはプラズマにより活性化された酸素が存在しており、この酸素がGMR素子に吸着してしまうという問題がある。GMR素子に酸素が吸着してしまうと、GMR素子が局部的に酸化してしまうという問題がある。なお、以上の問題点は、TMR素子を被覆する保護膜をプラズマCVD法等で形成する場合にも同様に存在する。
GMR素子のうち、GMRバーを構成するフリー層の形成材料が酸化してしまうと、フリー層の軟磁気特性が劣化してしまうため、磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を正確に出力できなくなってしまう。その結果、磁気ヒステリシスループが大きくなってしまい、磁気センサの特性(いわゆる、ヒステリシス特性)を悪化させてしまうという問題がある。
以上の問題点は、平坦面及び斜面に形成されるGMR素子に対して存在するが、特に斜面に形成されるGMR素子において顕著に現れる。具体的には、GMR素子を形成する場合、イオンミリングにより各GMRバーとして形成されるが、この時露出するGMRバーの周面のうち、GMRバーの長手方向に沿う側面が基板に対して傾斜(順テーパ)するように形成される。そして、斜面に形成されたGMR素子のGMRバーは、その斜面の上側と下側とでGMRバーの側面における傾斜の形状が異なり、上側に向かう傾斜に比べ下側に向かう傾斜の方が裾広がりとなる。つまり、下側に向かう傾斜は、他の部分に比べ薄く、フリー層の露出面積も多いため、酸化の影響を受けやすい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ヒステリシス特性に優れた磁気センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、本発明は以下の手段を提供している。
本発明の磁気センサの製造方法は、基板の上に、フリー層、導電層及びピン層を順次積層して磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程を有する磁気センサの製造方法において、前記基板の上に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と前記平坦面に対して傾斜する斜面とを形成してなる酸化膜が設けられ、前記磁気抵抗効果素子は、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ複数形成され、複数の前記磁気抵抗効果素子が互いに平行で帯状に隣接配置され、両端部が端子部となるリード膜により直列接続され、前記磁気抵抗効果素子上に金属膜を形成する金属膜形成工程と、前記金属膜を酸化させて金属酸化膜を形成する酸化工程とを有し、前記金属膜は、不活性ガス雰囲気下で行われるスパッタリング法により形成され、前記金属膜形成工程は、前記磁気抵抗効果素子と共に前記リード膜及び前記酸化膜上に前記金属膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る磁気センサ製造方法によれば、磁気抵抗効果素子の上に金属膜を酸化させてなる金属酸化膜を形成するため、磁気抵抗効果素子の上にCVD酸化膜形成する際、その金属酸化膜によって磁気抵抗効果素子を保護することができる。したがって、CVD法により活性化された酸素が磁気抵抗効果素子上に吸着して、磁気抵抗効果素子が酸化することを防ぐことができる。
また、前記磁気センサの製造方法において、前記金属膜の上にCVD法によりCVD酸化膜を形成するCVD膜形成工程有し、前記CVD膜形成工程時において、CVD法により活性化された酸素を用いて前記金属膜を酸化させることを特徴とする。
このように、CVD膜形成工程に先立って磁気抵抗効果素子の上に金属膜を形成することで、CVD膜形成工程において、金属膜によって磁気抵抗効果素子を保護することができるため、CVD法により活性化された酸素が磁気抵抗効果素子の上に吸着して、磁気抵抗効果素子が酸化することを防ぐことができる。したがって、ヒステリシス特性に優れた磁気抵抗効果素子を製造することができる。
さらに、CVD膜形成工程時において、CVD法により活性化された酸素を用いて金属膜を酸化させることができるため、製造プロセスを簡略化させることができる。
前記金属膜の膜厚は10〜30Åであってもよい。
また、前記金属膜は、不活性ガス雰囲気下で行われるスパッタリング法により形成されることを特徴とする。
このように、スパッタリング法により不活性ガス雰囲気下のチャンバー内において金属膜を成膜することで、磁気抵抗効果素子の上に酸素が吸着することを防ぐことができる。
また、前記金属酸化膜は、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムからなることを特徴とすることを特徴とする。
このように、金属酸化膜が非磁性を有する酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムからなることで、磁気抵抗効果素子に酸素が吸着することを確実に防ぐことができる。
さらに、前記磁気センサにおいては、前記基板の上に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と該平坦面に対して傾斜する斜面とが形成され、前記磁気抵抗効果素子が、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ配置されていてもよい。
このように、平坦面上及び前記斜面上に各々磁気抵抗効果素子が配置された磁気抵抗効果素子を形成した磁気センサでは、相互に交差する軸方向の磁気を検出することができるため、二軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出することが可能となる。
前記磁気センサにおいては、前記斜面上に配置された前記磁気抵抗効果素子は、長手方向に沿う両側面が前記斜面に対して順テーパー形状に形成され、前記斜面の下側に位置する側面は上側に位置すると側面と比べ傾斜が小さく裾広がりに形成されていてもよい。
前記磁気センサにおいては、前記基板には予めLSI及び配線層が作り込まれ、前記配線層の最上層には電極パッドが形成され、前記CVD酸化膜上にポリイミド膜を形成する工程と、前記ポリイミド膜をエッチングにより除去して前記パッド部の前記配線層からなる電極パッドを形成する工程とを有する方法であってもよい。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子の上に金属膜を酸化させてなる金属酸化膜を形成するため、磁気抵抗効果素子の上にCVD酸化膜形成する際、その金属酸化膜によって磁気抵抗効果素子を保護することができる。したがって、CVD法により活性化された酸素が磁気抵抗効果素子上に吸着して、磁気抵抗効果素子が酸化することを防ぐことができる。これにより、磁気ヒステリシスループが小さく、ヒステリシス特性に優れた磁気抵抗効果素子を製造することができる。
以下、図1から図7を参照して本発明の一実施形態に係る磁気センサの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の三軸磁気センサ10は、平面視で互いに直交するX軸、及びY軸に沿った辺を有する正方形状であって、X軸及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する石英やシリコンからなる基板11を備えている。そして、この基板11の上に、それぞれ4個ずつのX軸GMR素子12a〜12d、Y1軸GMR素子12e〜12h(図1(a)の後述するGMRバーを示す実線の部分)、Y2軸GMR素子12i〜12l(図1(a)の後述するGMRバーを示す破線の部分)からなる合計で12個のGMR素子と、パッド部(配線から外部に出力を取り出す部分:図示せず)及びビア部(GMR素子から配線に接続する部分を指すが、このビア部は最終的には露出されない:図示せず)ならびに配線(図示せず)が作り込まれている。なお、基板11内には、LSIや配線層が作り込まれており、LSIが作り込まれた基板を用いたものにおいてはデジタル出力の磁気センサとなされており、配線層のみが作り込まれた基板を用いたものにおいてはアナログ出力の磁気センサとなされている。
ここで、X軸GMR素子は第1X軸GMR素子12aと、第2X軸GMR素子12bと、第3X軸GMR素子12cと、第4X軸GMR素子12dとにより構成されている。そして、基板11のX軸(この場合、図1(a)の左側端部をX軸の基準点とし、この基準点から図の右側へ向かう方向をX軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をX軸負方向とする。以下においても同様である。)の右側端部近傍で、Y軸(この場合、図1(a)の下側端部をY軸の基準点とし、この基準点から図の上側へ向かう方向をY軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をY軸負方向とする。以下においても同様である。)の略中央部(以下ではY軸中央部という)上方に第1X軸GMR素子12aが配置され、その下方に第2X軸GMR素子12bが配置されている。また、基板11のX軸の左側端部近傍で、Y軸中央部上方に第3X軸GMR素子12cが配置され、その下方に第4X軸GMR素子12dが配置されている。
また、Y1軸GMR素子は第1Y1軸GMR素子12eと、第2Y1軸GMR素子12fと、第3Y1軸GMR素子12gと、第4Y1軸GMR素子12hとにより構成されている。そして、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y1軸GMR素子12eが配置され、その右方に第2Y1軸GMR素子12fが配置されている。また、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y1軸GMR素子12gが配置され、その右方に第4Y1軸GMR素子12hが配置されている。
さらに、Y2軸GMR素子は第1Y2軸GMR素子12iと、第2Y2軸GMR素子12jと、第3Y2軸GMR素子12kと、第4Y2軸GMR素子12lとにより構成されている。そして、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y2軸GMR素子12iが配置され、その右方に第2Y2軸GMR素子12jが配置されている。また、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y2軸GMR素子12kが配置され、その右方に第4Y2軸GMR素子12lが配置されている。
ここで、各GMR素子12a〜12d、12e〜12h、12i〜12lは、互いに平行で帯状に隣接配置された複数個(この場合は、X軸GMR素子12a〜12dについては偶数個とすることが好ましい。)のGMRバーを備えており、これらのGMRバーがリード膜により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜が接続されて形成されている。例えば、図2(なお、図2においては第1X軸GMR素子12aについてのみ示しているが、他のGMR素子においても同様の構成である)に示すように、4個のGMRバー12a−1,12a−2,12a−3,12a−4がリード膜12a−6,12a−7,12a−8により直列接続され、これらの端部に端子部となるリード膜12a−5,12a−9が接続されて形成されている。この場合、X軸GMR素子12a〜12dの各GMRバー(12a−1,12a−2,12a−3,12a−4等)は、基板11の表面と平行な平坦面上に形成されており、その長手方向がY軸に対して平行(X軸に直交する)になるように配列されている。
X軸GMR素子12a〜12dを配する前記平坦面は、基板11の厚さ方向に直交する平坦面であり、例えば図3に示すように、基板11の上に形成されたSiO膜等からなる上層酸化膜(シリコン酸化膜)11iによって形成されており、X軸GMR素子12a〜12dは、この上層酸化膜11iの上に、配置されている。
ここで、図3に示すように、X軸GMR素子12aを構成するGMRバー12a−2の長手方向に沿う両側面22a,22bは、互いに上層酸化膜11iに対して傾斜しており、順テーパ形状に形成されている。
GMRバー12a−2の上には、金属酸化膜11rが形成されている。この金属酸化膜11rは、この金属酸化膜11rは、非磁性を有するAlO等の酸化膜(例えば、Al)からなり、GMRバー12a−2の表面を覆うように、基板11の全面に亘って膜厚が例えば、10〜30Åで形成されている。
金属酸化膜11rの上には、CVD酸化膜11oが形成されている。このCVD酸化膜11oは、例えば例えば、SiOからなり、例えば膜厚が1500Åで形成されている。
CVD酸化膜11oの表面には、窒化膜11sが形成されている。この窒化膜11sは、SiN(例えば、Si)膜等の硬質な材料からなり、膜厚が例えば5000Åで形成されている。窒化膜11sの表面には、ポリイミドからなるポリイミド膜11pが形成されている。
このようにPVD絶縁膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11s、ポリイミド膜11pにより、GMRバー12a−2の保護膜として構成されており、これら保護膜によりGMRバー12a−2の耐水性、耐熱性、電気絶縁性を確保することができる。
なお、ここでは第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2を例にして説明したが、他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4及び、他のX軸GMR素子12b〜12dのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
また、図1(b),図4(b)に示すように、Y1軸GMR素子とY2軸GMR素子は、基板11の上の後述する上層酸化膜11iにより構成された断面形状が台形状の複数の突部(堤部)15の各斜面上に形成されているとともに、Y1軸GMR素子のGMRバー12e−1,12e−2,12e−3,12e−4は突部(堤部)15の第1斜面15a上に形成されており、Y2軸GMR素子のGMRバー12k−1,12k−2,12k−3,12k−4は突部(堤部)15の第2斜面15b上に形成されている。また、これらGMRバー12e−1〜12e−4,12k−1〜12k−4は、その長手方向が突部(堤部)15の稜線の走行方向に平行となるように配されている。なお、各斜面15a,15bの傾斜角度は等しく、基板11の平坦面に対してθ(20°≦θ≦60°)となるように形成されている。
そして、Y1軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12e−2)とY2軸GMR素子の各GMRバー(例えば、12k−2)とが1つの突部15で互に背中合わせになるように配置されている。この場合、Y1軸GMR素子12e〜12hの各GMRバーおよびY2軸GMR素子12i〜12lの各GMRバーは、その長手方向がX軸に対して平行(Y軸と垂直)になるように配列されている。
ここで、Y1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lを配する各斜面15a,15bも、例えば図5に示すように、前述した平坦面と同様にして基板11の上に形成されるSiO膜等からなる上層酸化膜11iによって構成されており、この上層酸化膜11iの上に、各Y1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lが設けられている。
図5に示すように、第1斜面15a上に配置されたGMRバー12e−1であって、長手方向に沿う両側面23a、23bは、互いに上層酸化膜11iに対して傾斜しており、上層酸化膜11iに対して順テーパ形状に形成されている。また、第1斜面15aの下側に位置する側面23bは、上側に位置する側面23aと比べ傾斜が小さく裾広がりに形成されている。
また、GMRバー12e−1上にも、前述した金属酸化膜11rが形成されており、その金属酸化膜11r上には保護膜として、CVD酸化膜11o及び窒化膜11s、ポリイミド膜11pが形成されている。なお、ここでは第1Y軸GMR素子12eのGMRバー12e−1を例にして説明したが、Y1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
ついで、GMRバーの構成について、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2を例にして、図2,6に基づいて説明する。なお、他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4についてはこれと等しいため、ここではGMRバー12a−2について説明する。また、他のX軸GMR素子12b〜12dおよびY1軸GMR素子12e〜12hおよびY2軸GMR素子12i〜12lのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
ここで、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2は、図2(b)に示すように、その長手方向がX軸に対して垂直(Y軸に対して平行)になるように配列されたスピンバルブ膜SVからなり、この両端部下方に形成されたリード膜12a−6,12a−7に接続されている。ここで、リード膜12a−6,12a−7はCr等の非磁性金属膜からなり、その膜厚は例えば130nm(1300Å)に設定されている。
そして、スピンバルブ膜SVは、図6(a)に示すように、基板11の上に順次積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層(導電層)S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cによって構成されている。
フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21と、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21の上に形成されて膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22と、NiFe磁性層12a−22の上に形成されて膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23とからなる。
ここで、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21、NiFe磁性層12a−22及びCoFe層12a−23は軟質強磁性体薄膜層を構成している。また、CoFe層12a−23はNiFe層12a−22のNi、及び、スペーサ層SをなすCu層12a−24の拡散を防止するために設けられている。
ピン層Pは、Cu層12a−24の上に形成されて膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25と、第1CoFe磁性層12a−25の上に形成されて膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26と、Ru層12a−26の上に形成されて膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27と、第2CoFe磁性層12a−27の上に形成されてPtを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−28とにより構成されている。
なお、上述したフリー層F及びピン層Pを構成する各層や、スペーサ層S、キャッピング層Cの膜厚は、X軸GMR素子12a〜12dの場合のものであり、斜面15a,15bに形成されるY1軸GMR素子12e〜12h及びY2軸GMR素子12i〜12lの場合には、これらを構成する各層がX軸GMR素子12a〜12dの場合の70〜80%程度の膜厚となる。
そして、前述した第2CoFe磁性層12a−27は、図6(b)に示すように、反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打ちされており、その磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向にピン(固定)されている。また、第1CoFe磁性層12a−25は、第2CoFe磁性層12a−27との間で反強磁性的に結合されており、その磁化の向きがX軸正方向にピン(固定)されている。すなわち、これら2つのCoFe磁性層12a−25,12a−27によってピン層Pにおける磁化の向きが定められている。
そして、図2(a)、図4(a)及び図6(b)に示すように、上述のように構成された第1X軸GMR素子12aにおける磁界の感度方向は、基板11の平坦面に平行な方向かつフリー層Fの磁化の向きに垂直な方向となっており、GMRバーの長手方向の垂直方向、かつ、X軸正方向(図4(a)の矢印a1方向)となっている。また、第2X軸GMR素子12bにおける磁界の感度方向は、第1X軸GMR素子12aと同様にX軸正方向(図4(a)の矢印b1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印a1,b1方向に磁界が印加された場合には、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印a1,b1方向と反対方向に磁界が印加された場合に、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおける磁界の感度方向は、図4(a)に示すように、これらの各GMRバーの長手方向の垂直方向で、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bと180°反対方向となっている。すなわち、これら第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向(図4(a)の矢印c1,d1方向で、第1X軸GMR素子12a及び第2X軸GMR素子12bのピン層の磁化の向きと180°反対の方向)にピン(固定)されるようにピン層が形成されている。
したがって、図4(a)の矢印c1,d1方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印c1,d1と反対方向に磁界が印加された場合には、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向の垂直方向で、突部(堤部)15の第1斜面(傾斜角度はθ)15aに沿うY軸正方向かつZ軸負方向(図4(a),(b)の矢印e1,f1方向)となっている。
したがって、図4(a),(b)の矢印e1,f1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(b)の矢印e1,f1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおける磁界の感度方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12e−2,12e−3および12f−2,12f−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向かつZ軸負方向(図4(a),(c)の矢印g1,h1方向)となっている。すなわち、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの磁界の感度方向は、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fと180°反対方向となっている
したがって、図4(a),(c)の矢印g1,h1方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a),(c)の矢印g1,h1と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおける磁界の方向は、図4(c)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12i−2,12i−3および12j−2,12j−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面(傾斜角度はθ)15bに沿うY軸負方向かつZ軸正方向(図4(a),(c)の矢印i1,j1方向)となっている。
したがって、図4(a)の矢印i1(j1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印i1(j1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合には、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値が磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおける磁界の感度方向は、図4(b)に示すように、これらの各GMRバー(例えば、12k−2,12k−3および12l−2,12l−3等)の長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向かつZ軸正方向(図4(a),(b)の矢印k1,l1方向)となっている。すなわち、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの磁界の感度方向は、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jと180°反対方向となっている。
したがって、図4(a)の矢印k1(l1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印k1(l1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
以上のように構成された三軸磁気センサ10のうちX軸方向(図4(a)の矢印a1,b1方向)の磁気を検出するX軸磁気センサは、図7(a)(なお、図7(a)〜(c)において、各矢印は各GMR素子のピン層PがY軸負方向にピンされたときの磁化の向きが上向きとなるように示している。)に等価回路を示したように、第1〜第4X軸GMR素子12a〜12dがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。このような構成において、パッド13aおよびパッド13bは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vxin+(本例では3V)と電位Vxin-(本例では0(V))が付与される。そして、パッド13cとパッド13dの電位がそれぞれ電位Vxout+と電位Vxout-として取り出され、その電位差((Vxout+)−(Vxout-))がセンサ出力Vxoutとして取り出される。
また、三軸磁気センサ10のうちY1軸方向(図4の矢印e1,f1,g1,h1方向)の磁気を検出するY1軸磁気センサは、図7(b)に等価回路を示したように、第1〜第4Y1軸GMR素子12e〜12hがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13eおよびパッド13fは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy1in+(本例では3V)と電位Vy1in-(本例では0(V))が付与され、パッド13gとパッド13hの電位差がセンサ出力Vy1outとして取り出される。
さらに、三軸磁気センサ10のうちY2軸方向(図4の矢印i1,j1,k1,l1方向)の磁気を検出するY2軸磁気センサは、図7(c)に等価回路を示したように、第1〜第4Y2軸GMR素子12i〜12lがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13iおよびパッド13jは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy2in+(本例では3V)と電位Vy2in-(本例では0(V))が付与され、パッド13kとパッド13lの電位差がセンサ出力Vy2outとして取り出される。
そして、得られた出力Vxout,Vy1outおよびVy2outに基づいて、X軸方向の磁界の成分Hxを下記の(1)式により求めることができる。同様に、Y軸方向の磁界の成分Hyを下記の(2)式により求めることができ、Z軸方向の磁界の成分Hzを下記の(3)式により求めることができる。なお、これらの演算は、例えば基板11に予め形成されたLSIや、三軸磁気センサ10に電気接続された別個のLSIチップ等において行われることとなる。
Hx=2kx×Vxout・・・(1)
Hy=ky(Vy1out−Vy2out)/cosθ・・・(2)
Hz=kz(Vy1out+Vy2out)/sinθ・・・(3)
ただし、θは突部(堤部)15の各斜面15a,15bの傾斜角度であって、この場合のθは20°≦θ≦60°の関係を有する。また、kx,ky,kzは比例定数であって、各センサの感度が等しければ、kx=ky=kzとなる。
次に、上述のような構成となる三軸磁気センサ10の製造方法について、図8〜図20の断面模式図に基づいて以下に説明する。なお、図8〜図20において、(a)はビア部を示し、(b)はパッド部を示し、(c)はY1軸GMR部およびY2軸GMR部を示している。この場合、上述したように、基板11としては、CMOSプロセスにより予めLSIが作り込まれた基板や、予め配線層のみが作り込まれた基板を用いることが望ましい。
この三軸磁気センサ10の製造方法においては、はじめに、図8に示すように、配線層11aが形成された基板(石英基板又はシリコン基板)11の上に層間絶縁膜(SOG:Spin On Glass)11bを塗布することにより平坦化する。次いで、図9に示すように、ビア部とパッド部の上の層間絶縁膜11bをエッチングで取り除き、配線層11aを外方に露出させる開口部11c,11dを作製する。その後、図10に示すように、これらの表面に、例えばSiO膜等からなる酸化膜(SiO、膜厚:1500Å)11eと、例えばSi膜等からなる窒化膜(SiN、膜厚:5000Å)11fとをプラズマCVD法により成膜する。そして、これらの上にレジストを塗布した後、ビア部とパッド部に開口を形成するようなパターンにカットする。
次いで、ビア部上およびパッド部上の窒化膜11fをエッチングにより除去した後、レジストを除去すると、図11に示すように、窒化膜11fにはビア部上およびパッド部上に酸化膜11eを外方に露出させる開口部11g,11hが形成されることになる。なお、この開口部11g,11hの形成に際しては、酸化膜11eはエッチングしきらずに残存させるようにし、また、開口部11g,11hの開口幅(径)は開口部11c,11dの開口幅(径)よりも小さくなるようにする。これは、開口部11c,11dで層間絶縁膜11bが露出して、水分が配線層やLSIに浸入するのを防止するためである。
その後、図12に示すように、これら窒化膜11f、酸化膜11eの上に、例えばSiO膜等からなる上層酸化膜(SiO、膜厚:5μm)11iをプラズマCVD法により成膜する。次いで、この上層酸化膜11iの上にレジストを塗布してレジスト膜(膜厚:5μm)11jを形成する。そして、このレジスト膜11jにビア部とパッド部に開口を形成するためのパターンをカットするとともに、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子の配列用の突部(堤部)15を形成するためのパターンをカットする。このカット後には、150℃の温度で1〜10分間の熱処理を行って、図13に示すように、レジスト膜11jのカド部をテーパ状に形成(テーパ化)する。
その後、上層酸化膜11i及びレジスト膜11jをほぼ同じ比率でエッチングする条件、かつ、このエッチング後に上層酸化膜11iの残存する厚さが最大で約0.5μm(約5000Åとなる条件でドライエッチングを行う。なお、このドライエッチングに際しては、ビア部およびパッド部において上層酸化膜11iの開口幅(径)が窒化膜11fの開口幅(径)よりも大きくならないようにする。
そして、このドライエッチングの終了後に残存するレジスト膜11jを除去することで、図14に示すように、GMR部に上層酸化膜11iからなる突部(堤部)15が形成されることになる。
さらに、この上層酸化膜11iの上にレジストを塗布して、このレジストをビア部に開口を形成するためのパターンにカットした後、エッチングを行う。そして、このエッチングで残存したレジストを除去することにより、図15に示すように、ビア部に開口11kが形成されて、基板11の最上層の配線層11aが外方に露出することになる。なお、このエッチングにおいては、図示例のようにパッド部における配線層11a上の酸化膜11e及び上層酸化膜11iを残存させてもよいが、例えば、ビア部と同様に、これら酸化膜11e及び上層酸化膜11iも同時に除去してパッド部における配線層11aを外方に露出させるとしても構わない。
その後、図16に示すように、Cr等の材質からなるリード膜11m(後に、例えば、図2(a)に示すリード膜12a−5,12a−6,12a−7,12a−8,12a−9等をなす)をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などによって、上層酸化膜11i上およびビア部において露出する配線層11a上に形成する。そして、これらの上層酸化膜11iおよびリード膜11mの上にレジストを塗布して、このレジストをリード膜11mのパターンにカットした後、リード膜11mのエッチングを行う。
この場合、突部(堤部)15の斜面15a,15bでのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるために熱処理を行ってレジストをテーパ化してもよい。なお、このエッチング終了後には上層酸化膜11i上に残存するレジストを除去する。
そして、スパッタリング法によって、GMR素子をなすGMR多層膜11n(後に、12a〜12d,12e〜12h,12i〜12l等をなす)をこれら上層酸化膜11iおよびリード膜11mの表面上に形成する(素子形成工程)。
この素子形成工程においては、図6に示したように、基板11の上にフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.8nm(28Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び、膜厚が2.5nm(25Å)のタンタル(Ta)又はチタン(Ti)からなるキャッピング層Cを順次積層することで、前記GMR多層膜11nが形成されることになる。
また、この工程におけるフリー層Fは、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21、膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22、及び、膜厚が1.2nm(12Å)のCoFe層12a−23を順次積層することで形成される。
さらに、この工程におけるピン層Pは、膜厚が3.2nm(32Å)の第1CoFe磁性層12a−25、膜厚が0.5nm(5Å)のRu層12a−26、膜厚が2.2nm(22Å)の第2CoFe磁性層12a−27、及び、Ptを45〜55mol%含むPtMn合金からなる膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−28を順次積層することで形成される。
その後、GMR多層膜11nを形成した基板11に永久棒磁石アレー16(図21,22参照)を近接させて、後述する規則化熱処理(ピニング処理)を行い、ピン層Pの磁化の向きを固定させる(規則化熱処理工程)。
そして、GMR多層膜11nの表面上に、任意の厚さ、例えば平坦部で2μmの膜厚となるようにレジストを塗布し、このレジストの表面にマスクを配置して、焼き付け、現像処理を行って不必要なレジストを取り除き、後に得られるGMR多層膜11nと同じパターンを有するレジスト膜を形成する。その際、突部(堤部)15でのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるためにレジストをテーパ化する。この後、レジスト膜で保護されていない部分のGMR多層膜11nを、イオンミリングにより除去し、GMR多層膜11nを所定の形状(例えば、複数の狭幅の帯状体の形状)に形成する。また、イオンミリングによりGMR多層膜11nは各々分離され、この時露出される面が各GMR多層膜11nの周面(例えば、側面22a,22b,23a,23b)として形成されることとなる。なお、このイオンミリングでは、ビア部においてGMR多層膜11n及びリード膜11mの双方が残るようにしており、これによってビア部の縁におけるリード膜11mの断線を予防することができる。
次に、レジスト膜を除去し、外方に露出する酸化膜11e、上層酸化膜11i、リード膜11m及びGMR多層膜11nの上に、保護膜を形成していく。
そこで、まずGMR多層膜11nの表面にAlO等の酸化膜からなる金属酸化膜11rを形成する。
図17に示すように、GMR多層膜11nの表面を覆うように、アルミの金属膜11tを形成する(金属膜形成工程)。具体的には、アルゴン、窒素等の不活性ガスが充填された不活性ガス雰囲気下のチャンバー内でスパッタリング法により成膜する。ここで、金属膜11tの最適な膜厚は、上述したように10〜30Å程度であることが好ましく、さらには20〜30Å程度がより好ましい。膜厚を10Åより薄く形成しようとする場合、島状となって全面を覆う膜が形成されず、活性化された酸素が金属膜11tにピンホールが発生してしまう等、均一に成膜することが困難であり、活性化された酸素がGMR多層膜11n内まで侵入し、GMR多層膜11nの表面が酸化してしまう虞があるため好ましくない。また、30Åより厚く形成する場合、金属膜11tの厚さ方向に完全に酸化することができず、導電性を持った金属膜11tのまま残存してしまうため好ましくない。
次に、GMR多層膜11nの表面に形成された金属膜11tを酸化させる(酸化工程)。具体的には、チャンバー内に基板11を載置し、チャンバー内を真空引きした後、酸素を1気圧(大気圧)充填する。その後、純酸素雰囲気下の常温で20分間程度放置することにより、金属膜11tが酸化されて金属酸化膜11rが形成される(図18参照)。
なお、30Åより厚く形成する場合は、上述の金属膜11tの形成工程と金属膜11tの酸化工程とを繰り返し行う、多段酸化により形成することも可能である。
このように、スパッタリング法により、チャンバー内に酸素を充填せず、不活性ガスのみの雰囲気下で金属膜11tを形成し、熱酸化により金属酸化膜11rを形成することで、GMR多層膜11nの表面に酸素が吸着することなくGMR多層膜11nを被覆することができる。なお、金属膜11tは、真空蒸着法、レーザアブレーション法等、スパッタリング法以外のPVD(Physical Vapor Deposition)法により形成することも可能である。導電率の高い金属膜11tを酸化させたAlOからなる金属酸化膜11rは、その性質から導電率が低くGMRバー、リード膜に対して絶縁性を有し、かつ磁気センサとして機能するGMRバーに磁気的な影響を与えない非磁性の性質を持つことから、金属酸化膜11rの形成領域は基板の全面に形成することができ、その後にパッド部を露出させることができる。
次に、図19に示すように、金属酸化膜11r上に、プラズマCVD法によりSiOのうち化学両論的なSiOを多く含んだ酸化膜(膜厚:1500Å)からなるCVD酸化膜11oを形成する(CVD膜形成工程)。具体的には、チャンバー内に基板11を載置し、基板11を約250℃に加熱する。そして、チャンバー内に反応ガスを充填し、そのガスをプラズマによりエネルギーを加えて活性化させ、ガス反応を促進させることで成膜する。
さらに、CVD酸化膜11o上に、プラズマCVD法によりSiN(例えば、Si)膜等からなる窒化膜11s(膜厚:5000Å)を形成する。具体的には、前述したCVD酸化膜11oの形成方法と同様に、チャンバー内に基板11を載置し、基板11を約250℃に加熱する。そして、チャンバー内に反応ガスを充填し、そのガスをプラズマによりエネルギーを加えて活性化させ、ガス反応を促進させることで成膜する。なお、CVD酸化膜11oや窒化膜11s等の酸化膜、窒化膜の形成方法は、プラズマCVD法の他に、熱や光を用いたCVD法で行うことも可能である。
そして、図20に示すように、窒化膜11sの上にポリイミド膜11pを成膜する。このように、GMR多層膜11n上に金属酸化膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11s、ポリイミド膜11pを成膜することにより、GMR多層膜11nの保護膜が形成されることになる。
そして、パッド部上のポリイミド膜11pをマスクとして、パッド部の配線層11a上の酸化膜11e、金属酸化膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11sをエッチングにより除去してパッド部を開口して、露出する配線層11aからなる電極パッドを形成し、最後に基板11を切断する。以上により、図1に示した三軸磁気センサ10の製造が完了する。
なお、上述した保護膜および電極パッドの形成は、上記実施形態の手順に限ることはない。すなわち、例えば金属酸化膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11sを成膜した後に、パッド部上の金属酸化膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11sをエッチングにより除去してパッド部を開口してパッド部の配線層11aを露出させる。次いで、これら金属酸化膜11r、CVD酸化膜11o、窒化膜11s、配線層11aの上にポリイミド膜11pを成膜して保護膜を形成する。最後に、パッド部上のポリイミド膜11pをエッチングにより除去してパッド部の配線層11aを再度露出させて、この配線層11aからなる電極パッドを形成するとしてもよい。
そして、前述した規則化熱処理(ピニング処理)は、図21,22(なお、図21においては永久棒磁石片を5個だけ図示している)に示すように、GMR多層膜11nを形成した表面とは反対側となる基板11の裏面側に永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を配置し、これら基板11および永久棒磁石アレー16を真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより行う。
すなわち、はじめに、隣接する永久棒磁石片の下端の極性が互いに異なるように格子状に配列された永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を用意する。この後、基板11の中心部上で永久棒磁石片16a(下端部がN極となる)が配列されるように、かつ、基板11の外側で永久棒磁石片16aの上下左右の領域上に永久棒磁石片16b,16c,16d,16e(下端部がS極となる)が配列されるように永久棒磁石アレー16を配置する。
これにより、基板11の中心部の上に配置された永久棒磁石片16aのN極から、このN極に隣接して基板11の外側に配置された永久棒磁石片16b,16c,16d,16eのS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界H(図21の点線矢印)が形成され、磁界Hは、永久棒磁石片16aのN極から各GMR素子(例えば、図22のX軸GMR素子12a〜12d)に到達することになる。
そして、磁界Hを利用して、真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置した後には、例えば図6(b)に示すように、第2CoFe磁性層12a−27の磁化の向きが、磁界Hと逆向きの状態で反強磁性膜12a−28に交換結合的に裏打ちされて固定されることになる。また、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の向きは、第2CoFe磁性層12a−27との反強磁性的な結合によって磁界Hと同じ向きの状態で固定されることになる。
なお、第1CoFe磁性層12a−25の磁化の向きは、規則化熱処理において付与する磁界Hと同じ向きに固定されるとしても構わない。
この結果、図4に示したように、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bにおいては、X軸正方向、すなわち、図4(a)のa1,b1方向にピン層Pの磁化の向きが固定され、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、X軸負方向、すなわち、図4(a)のc1,d1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
一方、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印e1,f1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。また、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印g1,h1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
さらに、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向、すなわち、図4(c)の矢印i1,j1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
また、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向、すなわち、図4(b)の矢印k1,l1方向にピン層Pの磁化の向きが固定されることとなる。
ここで、本実施形態のようにGMR素子とCVD酸化膜との間に、GMR素子を覆う金属酸化膜を形成した場合と、従来のようにGMR素子上に直接、CVD酸化膜を形成した場合とで、X軸GMR素子、Y1軸GMR素子、Y2軸GMR素子の各GMR素子のヒステリシス特性を比較する試験を行った。なお、本試験の金属酸化膜は、チャンバー内に充填する不活性ガスにアルゴンを用い、アルミの金属膜をスパッタリング法により形成した後、酸化させたものである。
図23,24のグラフは、各GMR素子のヒステリシス特性を示しており、その横軸は各GMR素子のヒステリシス値[μT]を示している。また、グラフの縦軸は各GMR素子の全体の試験数を100とした時の度数[%]を示す。ここで、ヒステリシス値とは、外部の磁場の強さを変化させた時の出力を示すヒステリシス曲線において、出力が0となる時の正の磁場と負の磁場の強さの差とする。
そして、従来の場合のヒステリシス値の分布は、図24に示すように、X軸GMR素子、Y1軸GMR素子、Y2軸GMR素子の各GMR素子のいずれにおいても、3.5[μT]から4.0[μT]の付近で10[%]から11[%]と集中していることがわかる。また、この分布にはバラツキ(分布の広がり)があり、分布範囲は少なくとも0.5[μT]から13[μT]まで広がっている。
従来では、GMR素子上に、直接、CVD酸化膜を形成していたため、CVD酸化膜の成膜時に、チャンバー内でプラズマにより活性化された酸素がGMR素子に吸着して、GMR素子が酸化してしまう結果、ヒステリシス値が高く、バラツキも生じてしまっていたものと考えられる。
一方、本実施形態の場合のヒステリシス値の分布は、図23に示すように、各GMR素子のいずれにおいても、1.0[μT]から1.5[μT]の付近で、22[%]から23[%]と従来の場合よりも高い度数で集中している。また、ヒステリシス値の分布範囲も0.5[μT]から5.0[μT]までの間に収まっており従来の場合と比較してバラツキが少ない。
本実施形態では、GMR素子とCVD酸化膜との間に、チャンバー内に酸素を充填しない不活性雰囲気下で金属膜を形成した後、その金属膜を酸化させることで金属酸化膜を形成しているため、CVD酸化膜の成膜時に、金属酸化膜によってチャンバー内で活性化された酸素がGMR素子に吸着することを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態の三軸磁気センサ10によれば、GMR素子を保護する保護膜を形成する際、CVD酸化膜11oの形成工程に先立ってGMR素子上にスパッタリング法により金属膜11tを形成した後、金属膜11tを酸化させて金属酸化膜11rを形成することで、チャンバー内に酸素を充填しない不活性ガス雰囲気下でGMR素子を被覆することができる。
そして、プラズマCVD法により金属酸化膜11r上にCVD酸化膜11oを形成することで、プラズマにより酸素が活性化された雰囲気下でCVD酸化膜11oを形成しても、金属酸化膜11rによってGMR素子を保護することができる。したがって、活性化された酸素がGMR素子の表面に吸着して、GMR素子のうち、GMRバーを構成するフリー層Fが酸化することによるフリー層Fの軟磁気特性の劣化を防ぐことができる。これにより、GMR素子の磁気ヒステリシスループを小さくすることができるため、ヒステリシス特性に優れたGMR素子を製造することができる。
特に、第1斜面15a(及び第2斜面15b)に形成されたGMR素子のGMRバーにおいて、長手方向に沿う下側の側面23bは、上側の側面23aに比べ裾広がりに形成されるため、側面23bには酸素が吸着しやすくなってしまうが、このような場合に対してもGMRバーを確実に保護して、酸化を防ぐことができる。
また、平坦面上及び斜面15a,15b上に各々GMR素子を形成した三軸磁気センサ10では、相互に交差する軸方向の磁気を検出することができるため、二軸方向あるいは三軸方向の磁気を検出することが可能となる。
次に、図17,18を援用して本発明の第2実施形態に係る磁気センサの製造方法について説明する。
本発明は、前述した金属酸化膜11rの形成方法について第1実施形態と異なる。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図16に示すように、GMR多層膜11nの表面に金属膜11tを形成する。具体的には、第1実施形態と同様のスパッタリング法によりアルミの金属膜11t(膜厚:10〜30Å)を形成する。
次に、プラズマCVD法により金属膜11t上に、SiOのうち化学両論的なSiOを多く含んだ酸化膜(膜厚:1500Å)からなるCVD酸化膜11oを形成する。
具体的には、基板11を金属膜11tが形成された状態でチャンバー内に載置し、その基板11を約250℃に加熱する。そして、チャンバー内に反応ガスを充填し、そのガスをプラズマによりエネルギーを加えて活性化させ、ガス反応を促進させることで成膜する。この時、活性化された酸素は、まずGMR多層膜11nの表面に形成された金属膜11tと結合することで金属膜11tが酸化される。これにより、金属膜11tは、金属酸化膜11r(例えば、Al)として形成され、その後、金属酸化膜11r上に酸素とシリコンが結合したCVD酸化膜11oが形成されることとなる。
つまり、プラズマCVD法によりCVD酸化膜11oを形成する際、プラズマにより活性化された酸素が、GMR多層膜11nの表面に形成された金属膜11tと結合することを利用して金属膜11tを積極的に酸化させていく。これにより、CVD酸化膜11oの成膜時に金属膜11tがGMR多層膜11nの表面を保護し、GMR多層膜11nの酸化を防いだ上で金属酸化膜11rを形成することができる。
続いて、金属酸化膜11r及びCVD酸化膜11oが形成された後、第1実施形態と同様の工程を経ることで図1に示した三軸磁気センサ10の製造が完了する。
このように、本実施形態においては、プラズマCVD法によるCVD酸化膜11oの形成工程時にチャンバー内で活性化された酸素を用いて金属膜11tを酸化させることができるため、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、三軸磁気センサ10の製造プロセスを簡略化することができる。
なお、上記実施形態において、スパッタリング法によりAlOからなる金属酸化膜11rを形成したが、AlOの酸化膜に限らず、スパッタリング法のようにチャンバー内に酸素を含まない形成方法で形成すれば、MgO、TiO等の非磁性かつ絶縁性の金属酸化膜で形成することも可能である。ここで非磁性とは、外部磁界を取り去ったときに磁化せず、かつ磁気センサとして機能できるようにGMRバーに磁気的な影響を与えにくい性質をいい、強磁性及び反強磁性の物質を除く意味で用いている。すなわち、常磁性、反磁性の物質ならば非磁性となり得る。また、金属酸化膜の絶縁性は、電圧を印加したときに電流の流れにくい性質をいう。
また、本実施形態においては、基板の全面に金属酸化膜を形成した後に、金属酸化膜の上に形成されたポリイミド膜等と同時にパッド部をエッチングにより開口した場合について説明したが、それに限ることはない。金属酸化膜の形成領域は、少なくともパッド部が開口しており、GMR素子を覆うように形成されていればよい。例えば、図25に示すように、基板上のパッド部(図8〜20に示す(b)の領域)における配線層11a形成領域を除く領域に形成してもよい。このように形成することで、選択的エッチングの難しい金属酸化膜(MgO等)をイオンミリングで除去することもできる。
さらに、上記実施形態においては、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子のGMRバーは、同一の突部15に配置されるとしたが、少なくとも相互に異なる方向に傾斜する斜面に配置されていればよく、例えば別個の突部に配置されるとしても構わない。
また、上記実施形態においては、基板11の平坦面上、相互に異なる方向に傾斜する第1斜面15a及び第2斜面15bにそれぞれGMR素子を配置して三軸方向の磁気を検出する磁気センサについて述べたが、これに限ることはなく、例えば二軸方向あるいは一軸方向の磁気を検出する磁気センサにも適用することができる。
また、上記実施形態においては、上層酸化膜11i上にGMR素子を形成したが、上層酸化膜11iとGMR素子との間にSiN(例えば、Si)等からなる窒化膜を形成してもよい。さらに、金属酸化膜11r上に、SiO膜等からなるCVD酸化膜11o及びSi34膜等からなる窒化膜11sを形成した後に、その上にポリイミド膜11pを設けたが、CVD酸化膜11o及び窒化膜11sをなくして、ポリイミド膜11pのみ設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、ピン層Pを構成する2つのCoFe磁性層にRu層を挟み込んだSAF構造のGMR素子について説明したが、これに限ることはなく、例えば、Ru層を除いた構成のGMR素子にも適用することができる。また、磁気トンネル効果素子(TMR素子)を用いた場合の磁気センサについても適用することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の一実施形態に係る磁気センサを模式的に示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’矢視断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を模式的に示しており、(a)は複数の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)バーが接続されて1つのX軸用の巨大磁気抵抗効果素子を構成された状態を示す概略平面図であり、(b)は(a)のB−B’矢視断面図である。 図2のO−O’線に相当する部分における巨大磁気抵抗効果素子の概略断面図である。 図1の三軸磁気センサのピニング方向と感度方向を示しており、図4(a)は全体の平面を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のD部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図4(c)は、図4(a)のE部を拡大して模式的に示す斜視図である。 図2のJ部に相当する部分における巨大磁気抵抗効果素子の概略断面図である。 図1の磁気センサを構成する巨大磁気抵抗効果素子を示しており、(a)は図2(b)の内部の積層状態を模式的に示す図であり、(b)はピン層における第1CoFe磁性層及び第2CoFe磁性層の磁化の向きを模式的に示す図である。 ブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(a)はX軸センサのブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(b)はY1軸センサのブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(c)はY2軸センサのブリッジ結線を示すブロック図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 図1の磁気センサの製造工程を模式的に示す概略断面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)の状態を模式的に示す概略平面図である。 図21のG−G’矢視断面図である。 本実施形態におけるGMR素子のヒステリシス値に対する度数分布を示すグラフである。 従来におけるGMR素子のヒステリシス値に対する度数分布を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る磁気センサの金属酸化膜の形成領域を模式的に示す概略構成図である。
符号の説明
10…三軸磁気センサ、11…基板、11i…上層酸化膜(シリコン酸化膜)、11n…GMR多層膜(GMR素子)、11o…CVD酸化膜、11r…金属酸化膜、11t…金属膜、12a〜12d…X軸GMR素子、12e〜12h…Y1軸GMR素子、12i〜12l…Y2軸GMR素子、12a−25…第1CoFe磁性層(第1磁性層)、12a−26…Ru層、12a−27…第2CoFe磁性層(第2磁性層)、12a−28…反強磁性膜、15a…第1斜面、15b…第2斜面、16…永久棒磁石アレー(マグネットアレー)、F…フリー層、H…磁界、P…ピン層、S…スペーサ層(導電層)

Claims (6)

  1. 基板の上に、フリー層、導電層及びピン層を順次積層して磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程を有する磁気センサの製造方法において、
    前記基板の上に、前記基板の厚さ方向に直交する平坦面と前記平坦面に対して傾斜する斜面とを形成してなる酸化膜が設けられ、
    前記磁気抵抗効果素子は、前記平坦面上及び前記斜面上にそれぞれ複数形成され、
    複数の前記磁気抵抗効果素子が互いに平行で帯状に隣接配置され、両端部が端子部となるリード膜により直列接続され、
    前記磁気抵抗効果素子上に金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜を酸化させて金属酸化膜を形成する酸化工程とを有し、
    前記金属膜は、不活性ガス雰囲気下で行われるスパッタリング法により形成され、
    前記金属膜形成工程は、前記磁気抵抗効果素子と共に前記リード膜及び前記酸化膜上に前記金属膜を形成することを特徴とする磁気センサの製造方法。
  2. 前記金属膜の上にCVD法によりCVD酸化膜を形成するCVD膜形成工程を有し、
    前記CVD膜形成工程時において、CVD法により活性化された酸素を用いて前記金属膜を酸化させることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサの製造方法。
  3. 前記金属膜の膜厚は10〜30Åであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気センサの製造方法。
  4. 前記金属酸化膜は、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムからなることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気センサの製造方法。
  5. 前記斜面上に配置された前記磁気抵抗効果素子は、
    長手方向に沿う両側面が前記斜面に対して順テーパー形状に形成され、
    前記斜面の下側に位置する側面は上側に位置すると側面と比べ傾斜が小さく裾広がりに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気センサの製造方法。
  6. 前記基板には予めLSI及び配線層が作り込まれ、前記配線層の最上層には電極パッドが形成され、
    前記CVD酸化膜上にポリイミド膜を形成する工程と、
    前記ポリイミド膜をエッチングにより除去して前記パッド部の前記配線層からなる電極パッドを形成する工程とを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の磁気センサの製造方法。
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