JP5070905B2 - 光反射板用積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)β晶活性を有するポリプロピレン樹脂と平均粒子径50〜500nmの無機粒子(a)とを含み、空孔率が30〜80%である層(A層)の少なくとも片面に、結晶化温度Tmcが100℃〜115℃の範囲のポリプロピレン樹脂を含む層(B層)を有し、このB層に、ガラス転移点Tgが50℃〜150℃の範囲の熱可塑性樹脂層(C層)が積層されてなり、A層またはB層の波長560nmの光反射率が95%以上である光反射板用積層フィルム
を特徴とする。
一方、β晶分率は、ある時点でのポリプロピレン樹脂中のβ晶の存在比率を示す値であり、それまでのポリプロピレン樹脂の工程履歴によって変化する値である。β晶分率の評価は上記したβ晶活性の測定における最初の加熱時の融解ピークからβ晶、α晶の融解熱量を求め、同様の式により計算される値である。
ここで、式中のR1は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。
ここで、式中のR4は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R5、R6は同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。
本発明で使用する無機粒子(a)としては、コロイダルシリカや凝集シリカ、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどを挙げることができるが、無機粒子自体の光反射性の観点から、フィルムを白色化する顔料としての効果が高い酸化チタン、硫酸バリウムや炭酸カルシウムなどを好ましく用いることができる。中でもルチル型酸化チタン無機粒子、アナターゼ型酸化チタン無機粒子が光反射率向上効果および内部ボイド形成数の観点から特に好ましい。
上記の無機微粒子、有機微粒子は、単独でも2種以上を併用してもよい。
A/B/C/D、
A/B/D/C、
A/B/D/C/D、
B/A/B/C/D、
B/A/B/D/C、
B/A/B/D/C/D
などがある。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
アイソタクチックインデックス(II)は、沸騰n−ヘプタン抽出残分から求める。試料を沸騰n−ヘプタンで一定時間抽出し、抽出されない部分の質量(%)を求めてアイソタクチックインデックスを算出する。
同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたIIの平均値を該サンプルのIIとした。(2)メルトフローレイト(MFR)
ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体樹脂は、JIS K 7210(1995)の条件Mに準拠して測定する(230℃、2.16kg)。エチレン系樹脂は、JIS K 7210(1995)の条件Dに準拠して測定する(190℃、2.16kg)。
樹脂またはフィルム5mgをサンプルとしてアルミパンに採取し、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業製 RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で20℃から20℃/分で250℃まで昇温し、そのまま5分間保持する。次いで、20℃/分で25℃まで降温し、そのまま5分間保持する。そして、再度20℃/分で250℃まで昇温し測定を行う。2回目の昇温の際、145〜157℃の温度域で観察されるポリプロピレンのβ晶融解ピークと158℃以上に観察されるポリプロピレンのα晶融解ピークについて、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、各々の融解熱量を算出する。なお、融解熱量の較正はインジウムを用いて行う。β晶活性はβ晶融解熱量(ΔHβ)、α晶融解熱量(ΔHα)から以下の式で算出する。
一方、β晶分率は、ある時点でのポリプロピレン樹脂またはフィルム中のβ晶の存在比率を示す値であり、それまでのポリプロピレン樹脂またはフィルムの製造工程履歴によって変化する値である。β晶分率の評価は上記したβ晶活性の測定における最初の加熱時の融解ピークからβ晶、α晶の融解熱量を求め、同様の式により計算される値である。
・X線源 :CuKα線(Niフィルター使用)
・出力 :40kV、20mA
・スリット系 :2mmφ−1°−1°
・検出器 :シンチレーションカウンター
・計数記録装置:理学電気(株)製 RAD−C型
・測定方法 :2θ/θスキャン(ステップスキャン、2θ範囲10〜55°、0.05°ステップ、積算時間2秒)。
なお、ポリプロピレンの結晶型(α晶、β晶)の構造、得られる広角X線回折プロファイルなどは、例えば、エドワード・P・ムーア・Jr.著、“ポリプロピレンハンドブック”、工業調査会(1998)、p.135−163;田所宏行著、“高分子の構造”、化学同人(1976)、p.393;ターナージョーンズ(A.Turner−Jones)ら, “マクロモレキュラー ヒェミー”(Makromolekulare Chemie),75,p.134−158や、これらに挙げられた参考文献なども含めて多数の報告があり、それを参考にすればよい。
ポリプロピレン樹脂層においては、樹脂またはフィルム10gを135℃に加熱したキシレンに溶解させる。遠心分離によりキシレンに不溶である無機粒子を沈降させ、濾別することで無機粒子を採取し、重量を測定することで無機粒子の含有量を算出する。
無機粒子含有量については、試料と白金ルツボの重量(V1)を室温23℃、湿度65%の室内で秤量した後、試料を白金ルツボに入れて下部よりガスバーナーで加熱溶融飛散させる。その後、700℃の加熱炉で1時間焼成した後、室温23℃、湿度65%の室内で冷却して、試料と白金ルツボの重量(V2)の重量を測定し、下記式にて重量を測定して求めた。
また、非相溶性樹脂性の含有量については、基材樹脂の良溶媒で樹脂を溶解させた後、1H−NMR法にて、各樹脂組成のピーク比から含有量を求める。
樹脂に添加前の粒子、もしくは上記のように熱溶媒を用いて樹脂、フィルムから濾別し単離した粒子または非相溶性樹脂を透過型電子顕微鏡(日立製作所製 H−7100FA)を用いて30,000倍で写真撮影を行う。写真上の個々の粒子について円相当径を測定する。1,000個の粒子について、円相当径を求め、粒子径を0〜0.05μm、0.05〜0.10μm、0.10〜0.15μm・・・、0.55〜0.60μm・・・、とグループ分けし、それぞれのグループにいくつの粒子が含まれるか粒度分布を求める。各グループの中間値をそのグループの代表径diとし(たとえば、0.10〜0.15μmのグループではdi=0.125μm)、グループに含まれる粒子個数niとから、下記式により平均粒子径(重量平均径)を算出する。
ガラス転移点Tgが50℃〜150℃の熱可塑性樹脂で熱溶媒に溶けない樹脂においては、フィルム層断面をカッターで切り出し、その断面をRuO4染色超薄切片法によりフィルムの横方向−厚み方向に断面を有する超薄切片(サンプル)を採取した。すなわち、ミクロトーム法を用いて上記断面を有する超薄切片を採取し、該切片をRuO4で染色し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、下記条件で観察した。
・加速電圧:100kV
・観察倍率:10,000倍
得られた像を用いて、面積10μm×10μm当たりに存在する全ての粒子の短径、長径を測定し、これら全ての平均値を粒子の平均粒子径とした(単位:μm)。ここでいう長径、短径は、粒子のサイズを横方向、厚み方向に沿って計測した。また、像の端で粒子が見切れてしまっているものについては、測定する必要は無い。なお、ここでいう短径、長径とは、断面に観察される各粒子のサイズを横方向、厚み方向に沿って計測した値のうち、それぞれ最も小さい部分と最も大きい部分の長さである。
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992)A−2法に準じて、フィルムの任意の10ヶ所について厚みを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。
分光光度計(日立製作所製 U−3410)に、φ60積分球(日立製作所製 130−0632)および10度傾斜スペーサーを取り付けた状態で560nmの光反射率をC層を積層した側とは反対側のフィルム面(A層またはB層)について求めた値である。3回測定した平均値を求め、高光反射率を示す表面の値を光反射率とした。
直読式ヘーズメーター(スガ試験機製 HGM−2DP)を使用して全光線透過率を測定した。測定は5回行い、その平均値を採用した。
フィルム組成の樹脂または積層フィルム断面を走査型電子顕微鏡で10,000倍の倍率で観察して求めた積層各層の厚みに応じて各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分5mgをサンプルとしてアルミパンに採取し、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業製 RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で20℃から10℃/分で280℃まで昇温し、そのまま5分間保持する。次いで、10℃/分で25℃まで降温し、そのまま5分間保持する。そして、再度20℃/分で280℃まで昇温し測定を行う。2回目の昇温の際に観察される高温側の平坦部を基準に引いたベースラインから観察される初期吸熱ピークをガラス転移点Tgとし、1回目の昇温後、10℃/分で25℃まで降温する際にみられる発熱ピークを結晶化温度Tmcとして求めた。
フィルムの空孔率は、シートを30mm×40mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計SD−120Lを用い、水中置換法にて10点測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。また、測定は、フィルムの見かけ比重(d1)を測定した後、さらに、このシートを280℃の熱プレスによって熱融解して圧縮して完全に空孔を排除したシート作成し、該シートを30℃の水に浸漬して急冷したシートの見掛け比重(d2)を同様に測定する。フィルム全体の空孔率は下記式により求めた。
(12)B層、D層の空孔率
凍結ミクロトーム法を用い、−100℃でフィルムの横方向−厚み方向断面を採取した。得られたフィルムの断面に、Ptをコートした後、下記条件にて走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察し、断面像を採取した。
・加速電圧:2kV
・観察倍率:10,000倍。
(13)A層またはC層の空孔率
A層およびB層を含むポリプロピレン樹脂フィルムにおけるポリプロピレン樹脂層(A層)の空孔率は、(11)のフィルム全体の空孔率と(12)のスキン層の空孔率から、下記式にて求めた。
ここで、A層/B層の界面については、SEMの断面写真での空孔率の差で判断する。
C層/D層の界面については、SEMの断面写真での空孔率の差で判断する。
フィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)の熱収縮率測定は、フィルムの長手方向、幅方向をそれぞれサンプルの長さ方向とした幅10mm、長さ300mmのサンプルについて、両端部から50mmのところに線を引き試長200mm(A)とする。一方の端部を枠に張り付け、もう一方の端部に荷重3gを付けた後、100℃に保たれたオーブンに1時間入れて加熱した後、23℃の室内に1時間放置後、試長200mmの寸法変化(B)を読みとり、下記式にて求めた。
フィルムの長手方向、幅方向についてそれぞれ10点測定し平均値を求めた。
フィルムを200mm四方に切り出し、温度23℃、相対湿度65%の室内にて厚さ5mm以上の鋼板上に置き、鋼板からフィルムの4辺の浮き上がりを測定するものである。このとき、4辺の内最も浮き上がった高さをカール値として求め、切り出した10枚について求めたカール値の平均値をそのフィルムのカール値とした。
二軸延伸後の白色OPPの表面を目視により観察し、以下の基準で判定した。
製膜機に配置された金属製ロール、特に延伸ロールへの非相溶性樹脂や粒子の脱落に起因する白粉が付着、連続1時間の製膜中の安定製膜性を観察し、以下の基準で判定した。
本発明のA層樹脂組成は、ポリプロピレン樹脂として住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4(MFR:5g/10分、アイソタクチックインデックス(以下、IIと表記):97%、以下hPP1と表記する)を81.7質量%、メタロセン触媒法により重合された低密度ポリエチレン(デュポンダウエラストマー社製、“エンゲージ”8411;MFR:18g/10分(190℃);以下、単にVLDPEと略称する場合がある)3質量%、平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン無機粒子(以下、TiO2−1と表記する)を15質量%、β晶核剤である、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100、以下、単にβ晶核剤と表記する)を0.3質量%混合して計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、20℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして混合組成物を得た(以下β晶PPと表記する)。該β晶PPのβ晶活性は74%であった。
A層樹脂組成としてhPP−1を91.7質量%、VLDPEを3質量%、平均粒子径200nmのTiO2を5質量%、β晶核剤を0.3質量%を混合して二軸押出機にて300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、20℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてA層用の組成物を得た。また、B層樹脂として無機粒子の添加量を1質量%とした以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。本発明の積層フィルムは工程通過性に優れ、フィルムの反射率は95%と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が1%以下で、カールも7mm以下と小さく、表面欠点もないことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
A層樹脂組成としてhPP−1を68.7質量%、主鎖骨格中に長鎖分岐を有するポリプロピレンである、Basell製ポリプロピレンPF−814(MFR:3g/10分、II:97%;以下、単にHMS−PPと略称する場合がある)3質量%、VLDPEを3質量%、平均粒子径200nmのTiO2を25質量%、β晶核剤を0.3質量%を混合して二軸押出機にて300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、20℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてA層用の組成物を得た以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。本発明の積層フィルムは工程通過性に優れ、フィルムの反射率は103%と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が0%で、カールも2mmと小さく、表面欠点もないことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
実施例1において、A層樹脂組成で平均粒子径60nmの超微粒子酸化亜鉛(堺化学(株)製、“FINEX”25LP、以下、ZnOと表記する)を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。積層フィルムは工程通過性に優れ、フィルムの反射率は96%と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が1%で、カールも5mmと小さく、表面欠点もないことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
実施例1において、A層樹脂組成で平均粒子径500nmのシリカ無機粒子(水澤化学(株)製、“SILNEX”NH−5、以下、SiO2−2と表記する)を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。積層フィルムは工程通過性に優れ、フィルムの反射率は99%と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が1%で、カールも5mmと小さく、表面欠点もないことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
実施例1において、実施例6ではB層の樹脂にエチレン3質量%共重合したポリプロピレン樹脂(以下rPP2と表記する)を用い、白色OPPの厚み構成をB層/A層/B層=2/31/2μm、白色PETの厚み構成を2/96/2μmとし、実施例7では、B層の樹脂に実施例1のhPP1を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。実施例6、実施例7の積層フィルムはいずれも表面欠点はなく、工程通過性に優れ、フィルムの反射率は95%以上と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が1%以下で、カールも小さく、D層との密着力も高いことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
C層の樹脂として、ガラス転移点Tgが100℃のシンジオタクジックポリスチレン(出光化学製、“ザレック”S−100、以下、SPSと表記する)80質量%と、実施例1でA層に用いた用いたTiO220質量%の混合組成を用い、D層を積層せずに単膜で300℃で溶融押出を行い、そのまま表面温度60℃の金属ロール上に吐出し、静電印加法にてロール上密着させて冷却し、未延伸シートを得た。この未延伸シートを温度105℃で長手方向に3倍に延伸し、続いてテンターにて120℃の予熱ゾーンを通して125℃で巾方向に3.5倍に延伸した。さらに引き続き200℃にて8秒間熱処理し、トータル厚み50μmの二軸延伸SPSフィルム(以下白色OSPSと略称する)を得た。
C層の樹脂として、ガラス転移点Tgが150℃のポリカーボネート(出光化学製、“タフロン”A1700、以下、PCと表記する)80質量%と実施例1でA層に用いた用いたTiO220質量%の混合組成を用い、D層を積層せずに単膜で300℃で溶融押出を行い、そのまま表面温度60℃の金属ロール上に吐出し、静電印可法にてロール上密着させて冷却し、厚さ50μmの未延伸シートを得た。次に、該未延伸のPCシートの面に実施例1と同様にPET−Uを塗布して、塗布乾燥後の厚みで2μm塗布して白色OPPとPCを重ね合わせた後、金属ロールとゴムの一対の加圧ニップロールに通し、白色OPP側のゴムロール温度を80℃、PC側の金属ロール温度を110℃(白色OPP側とPC側の温度差30℃)、加圧圧力0.1MPaの条件で積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。本発明の積層フィルムは工程通過性に優れ、フィルムの反射率は97%と高く、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が0%で、カールもなく、表面欠点がなく、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
実施例1の白色OPPと白色PETの積層条件において、OPP側のゴムロール温度を60℃、白色PET側の金属ロール温度を120℃(OPP側温度とOPET側の温度差60℃)とし、加圧圧力を0.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本発明の光反射板用積層フィルムの樹脂組成および構成を表1、表2に示し、そのフィルム特性を表3に示した。本発明の積層フィルムは、反射率は98%を維持し、100℃で1時間加熱後の熱収縮率が1%以下で、カールも2mmと小さく、表面欠点もないことから、小型化、薄膜化が要求されるモバイル情報機器用液晶画面の面光源部材として好適に用いることができる。
実施例1において、白色OPETのC層樹脂組成として、ボイド形成剤をTiO2−1に代え、添加量を10質量%とした以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。C層の空孔率が低いと、白色OPPと積層した後の光反射率が低下し、カールも大きくなる。
実施例1において、OPPのA層樹脂組成でβ晶核剤NU−100を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。本積層フィルムのA層のhPP1がβ晶活性を有していないために空孔率が低く、反射率が90%と低いものとなり、モバイル情報機器用液晶画面の反射板として用いたときに画面が暗くなり、面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、OPPのA層樹脂組成で平均粒子径30nmのアナターゼ型酸化チタン(富士チタン工業製、“TAF−1500S”、以下、TiO2−2と表記する)を添加混合した以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。本積層フィルムのA層に添加した無機粒子径が本発明の範囲以下であるため空孔率が低く、反射率が92%と低いものとなり、モバイル情報機器用液晶画面の反射板として用いたときに画面が暗くなり、面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、OPPのA層樹脂組成で平均粒子径900nmのシルカ粒子(水澤化学製、“AMT−08”、以下、SiO2−3と表記する)を25質量%添加混合した以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。本積層フィルムのA層に添加した無機粒子径が本発明の範囲以上に大きく、添加量も多いため製膜中に破れが多発し、また工程通過性にも劣り、フィルムは空孔率が85%と高いが反射率は93%と低く、モバイル情報機器用液晶画面の反射板として用いたときに画面が暗くなり、面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、OPPのA層樹脂組成のTiO2−1添加量を2質量%とし、B層樹脂組成のエチレンを4質量%共重合したポリプロピレン樹脂(住友化学製、FL−6412、以下rPP3と表記する)を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。本積層フィルムのA層の空孔率が低いために光反射率が93%と低く、B層結晶化温度が98℃と低いために製膜工程で加熱ロールに粘着して表面欠点が起こり、また、製膜中のフィルム破れも多発して生産性に劣るものであった。また、本フィルムをモバイル情報機器用液晶画面の反射板として用いたときに反射むらが出て、面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、白色OPPのB層樹脂組成で、高結晶性のホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー製、F300SV、hPP2と表記する)を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。白色OPPのB層の結晶化温度が118℃と高いために、B層表面にPPの結晶形態によるクレーター状の凹凸が形成されて製膜工程中で削れが起こり、また、結晶性が高いために製膜中のフィルム破れも多発して生産性に劣るものであった。また、C層またはD層との密着性に劣り、モバイル情報機器用液晶画面の反射板として用いたときに反射むらが出て、面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、白色OPPに積層されるC層樹脂として、ガラス転移点Tgが0℃の厚さ50μmのOPP(東レ製、“トレファン”)を用いた以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。C層のガラス転移点Tgが低いために、100℃加熱時の熱収縮率が2%と大きく、カールも12mmと大きくなって、モバイル情報機器用液晶画面の面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、白色OPPと白色OPETを積層する際の加熱温度を、白色OPP側を130℃、白色PET側を140℃とした以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。積層する加圧ニップロールの温度が高く、また両面の温度差が小さいことから、カールが20mmと大きくなって、モバイル情報機器用液晶画面の面光源部材としては実用性に劣るものであった。
実施例1において、白色OPPと白色OPETを積層する際の加圧ニップ圧力を0.7MPaとした以外は、実施例1と同様にして光反射板用積層フィルムを得た。本積層フィルムの樹脂組成および構成を表4、表5に示し、そのフィルム特性を表6に示した。積層する加圧ニップロールのニップ高いことから、フィルムのボイドが潰れて反射率が低下し、また、カールの13mmと大きくなって、モバイル情報機器用液晶画面の面光源部材としては実用性に劣るものであった。
Claims (5)
- β晶活性を有するポリプロピレン樹脂と平均粒子径50〜500nmの無機粒子(a)とを含み、空孔率が30〜80%である層(A層)の少なくとも片面に、結晶化温度Tmcが100℃〜115℃の範囲のポリプロピレン樹脂を含む層(B層)を有し、このB層に、ガラス転移点Tgが50℃〜150℃の範囲の熱可塑性樹脂層(C層)が積層されてなり、A層またはB層の波長560nmの光反射率が95%以上である光反射板用積層フィルム。
- C層が、平均粒子径0.5〜5μmのボイド形成剤(c)を10〜30質量%含有し、空孔率が10〜50%である、請求項1に記載の光反射板用積層フィルム。
- 100℃で1時間加熱による熱収縮率が、長手方向(MD)および幅方向(TD)共に1%以下である、請求項1または2に記載の光反射板用積層フィルム。
- 一辺が200mmの正方形サンプルのカールが10mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の光反射板用積層フィルム。
- A層およびB層を含むポリプロピレンフィルムとC層を含む熱可塑性樹脂フィルムとを積層するに際し、ポリプロピレンフィルムおよび熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤およびアクリル系接着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の接着剤を塗布乾燥後の厚みで1〜10μm塗布して両者を重ね合わせた後、得られた積層体を金属ロールとゴムロールとからなる一対の加圧ニップロールに通し、加圧ニップロールの温度を60〜130℃の範囲で、ポリプロピレンフィルム側のロール温度を熱可塑性樹脂フィルム側の温度よりも20℃以上低くし、加圧圧力を0.1〜0.5MPaの範囲で積層する請求項1〜4のいずれかに記載の光反射板用積層フィルムの製造方法。
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