JP6051589B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光反射板としての使用に好適な積層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明はフィルム内部に空洞を含有し、製膜性・反射特性に優れ、かつ撓みを低減させ輝度ムラに優れたポリエステルフィルムに関するもので、画像表示用のバックライト装置およびランプリフレクターの反射シート、照明用器具の反射シート、照明看板用反射シート、太陽電池用背面反射シート等に好適に使用され、特に画像表示用のバックライト装置の反射板に好適に使用することができる積層ポリエステルフィルムに関するものである。
液晶ディスプレイ等に用いられる平面型画像表示方式における、面光源装置の反射板および反射シート、照明看板の背面反射シート、太陽電池の背面反射シートなどの用途に、内部に空洞を含有した白色ポリエステルフィルムが、均一で高い輝度、寸法安定性、安価である等の特性から広く用いられている。高い輝度を発現する方法として、ポリエステルフィルム中に例えば硫酸バリウムなどの無機粒子を多数含有し、ポリエステル樹脂と粒子の界面および、粒子を核として生成する微細な空洞の空洞界面での光反射を利用する方法(特許文献1参照)、ポリエステルと非相溶な樹脂を混合することにより、非相溶な樹脂を核として生成する微細な空洞の空洞界面での光反射を利用する方法(特許文献2参照)、圧力容器中で不活性ガスをポリエステルフィルムに含浸させることで、内部に生成した空洞の界面での光反射を利用する方法(特許文献3参照)等、ポリエステルフィルム中に含有された無機粒子とポリエステル樹脂の屈折率差および微細な空洞とポリエステル樹脂の屈折率差を利用した方法が広く用いられている。
近年、液晶ディスプレイの多様化が進み、携帯型モバイル用途からパソコン、大画面TV用途まで、液晶ディスプレイの画面サイズの展開の幅は広い。反射シートにおいては、大画面ほど剛性が必要とされるため厚いフィルムが用いられ、画面サイズに適応して100μm〜500μmまで様々な厚みの反射シートが利用されている。しかし、反射シートの厚膜化は、コストの増加につながる他、液晶ディスプレイの薄型化といった観点からも好ましくなく、厚膜化に依らない反射シートの高剛性化が求められている。
一方、近年、液晶ディスプレイの光源として、消費電力量が小さく高出力化が可能なLED光源を使用する方式が用いられ、従来のバックライト装置の背面に光源を配置させる方式に加え、光源を側面に配置させた薄型化に有利な方式が採用されている。これに応じて、LEDバックライトの筐体には、筐体の強度向上や電気配線と基盤格納のために高さ10mm以下の凹凸状の加工や、LED光源に近い筐体端部に放熱用の溝加工が設けられていることがある。LED光源を側面に配置した方式においては、反射シートは、上述のような凹凸のある筐体の上に設置され、さらに反射シートの上には導光板が重なられるため、導光板の重みにより、筐体の凹凸部に反射シートが押しつけられる。そのため、従来の反射シートでは、反射シートが筐体の凹みに沿って撓み輝度ムラが発生するという問題があり、反射シートの高剛性化への要求はますます強くなっている状況である。
しかしながら、通常、反射シートに用いられる空洞含有ポリエステルフィルムでは、内部に空洞を含有しているため、空洞を含有していない通常のポリエステルフィルムに比べて、その剛性は劣っている。反射シートと同じく空洞含有ポリエステルフィルムが用いられている受容紙用途おいては、剛性の低下により、ハンドリング性の悪化、折れしわの発生といった問題が発生する問題があった。受容紙用途における空洞含有ポリエステルフィルムの高剛性化手段としては、フィルムの比重を大きくする方法(特許文献4参照)や、空洞含有層の両側に積層された支持層の厚みを厚くする方法(特許文献4および5参照)が知られている。
特開2003−160682号公報 特公平8−16175号公報 特開2001−166295号公報 特開2002−105232号公報 特開2001−121665号公報
しかしながら、受容紙用途での厚み範囲は一般に25〜75μmであるのに対し、反射シート用途での空洞含有ポリエステルフィルムの厚み範囲は100μm〜500μmと厚く、特に液晶ディスプレイの大画面化が進む近年、空洞含有ポリエステルフィルムの比重を高くすることは、高コスト化につながる他、反射シートが高重量化し作業性(ハンドリング性)を悪化させる問題がある。また、空洞界面の減少による反射率の低下が懸念される。一方、支持層を厚くすることにより剛性を確保する方法も、高比重化につながる上、反射層が全体厚みに占める割合が小さくなるため、支持層を厚くするほど反射率が低下するという問題があった。
本発明は上記問題を解決し、高比重化、厚膜化によらず反射シートの筐体内での撓みを低減させることで、輝度ムラに優れ、かつ高い反射特性を維持した空洞含有ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の積層ポリエステルフィルムは
内部に空洞を含有するポリエステル層(A)の少なくとも片側に、ポリエステル層(B)が積層された積層ポリエステルフィルムであって、
フィルムの厚み方向の任意の断面において、下記のとおりに定義される形状Pから空洞部分を除いてできる形状の重心を面積中心とし、フィルム全体の厚さを1としたときの、面積中心から近い方のフィルム表面までの距離Xが0.35以上0.48以下であり、
テーバー式剛性度試験機によるフィルムの曲げ角度15度での剛性度が以下の式を満たすことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。ここで、形状Pは長方形であって、二組の向かい合う辺のうち、一組の辺がフィルム厚み方向に垂直で、その長さは60μmであり、もう一組の辺がフィルム厚み方向に平行で、その長さはフィルム全体の厚みT(μm)である。
(1)0.15≦ΔS≦0.70
(2)ΔS≦−8X+4
但し、ΔS:剛性の表裏差ΔS=(SB-SA)/((SA+SB)/2)、SB:B層側に曲げたときの剛性度(mN・m)、SA:A層側に曲げたときの剛性度(mN・m)である。
本発明によれば、反射シートの筐体内での撓みを低減し輝度ムラに優れ、さらに製膜性、反射特性に優れた積層ポリエステルフィルムを、高比重化によることなく低コストで得ることができる。
本発明のバックライトの断面図である。
本発明者らは、前記課題の解決、すなわち高比重化によることなく反射シートの筐体内での撓みを低減し輝度ムラに優れ、さらに製膜性、反射特性に優れた積層ポリエステルフィルムについて鋭意検討した結果、支持層側に曲げたときの剛性のみを選択的に強化したポリエステルフィルムが、かかる課題を一挙に解決する事ができることを見出し究明したものである。
本発明のポリエステルフィルムは、その剛性に表裏差がある必要がある。反射シートの筐体内での撓みは、反射シートが筐体側に曲がることにより発生する場合がほとんどであり、したがって反射シートには筐体側に曲げたときの剛性を強化することが要求される。剛性に表裏差を持たせ、筐体側に曲げたときの剛性のみを選択的に強化したフィルムとすることは、反射シートの筐体内での撓みを低減でき好ましい上、片側の剛性のみを選択的に強化しているため、剛性の表裏差が無い従来技術のように厚膜化、高比重化や支持層の厚膜化を不必要に行う必要がなく、フィルムの低比重化を達成できるため、反射界面となる空洞の量を増やすことができ高い反射率を達成できるため好ましい。また、加工時の作業性(ハンドリング性)にも優れたフィルムを得ることができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、内部に空洞を含有するポリエステル層(A)の少なくとも片側に、ポリエステル層(B)が積層された積層ポリエステルフィルムである。なお、A層とはポリエステル層(A)を、B層とはポリエステル層(B)を指す。
本発明において、A層は内部に空洞を含有している。内部に空洞を多数含有することで、ポリエステル樹脂と空洞間の屈折率差を利用して、散乱ロスを押さえながら、反射率を高める事が出来る。A層中に空洞を含有せしめ、高い反射率と隠蔽性を発現させる方法としては、(1)ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて空洞を形成する方法、(2)ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3)ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な空洞を発生させる方法、(4)前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等が挙げられる。
本発明においては、製膜性、内部に含有せしめる空洞の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの空洞の形成し易さなどの総合的な点から、前記の(3)の非相溶樹脂の使用および(4)の無機系微粒子を使用する方法を用いることが好ましく、さらに軽量性の観点から(3)の非相溶樹脂の使用がもっとも好ましい。本方法においては、ポリエステルに非相溶な樹脂および/または無機粒子の含有量が多いほど、また2軸延伸の工程において延伸倍率が高いほど、ポリエステル内部に光を反射する界面が生成されるため、高い反射率と隠蔽性を発現することが可能である。
非相溶な樹脂としては、単独重合体であっても共重合体であってもよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられる。これらは2種以上を併用してもよい。特にポリエステルとの臨界表面張力差が大きく、延伸後の熱処理によって変形しにくい樹脂が好ましく、具体的には、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、および、環状ポリオレフィン樹脂、ならびに、これらの共重合体を挙げることができる。これらの中でも特に環状オレフィン共重合体であるエチレンとビシクロアルケンの共重合体が好ましい。
また、無機粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素などが挙げられ、特に好ましくは、硫酸バリウムが用いられる。
本発明において、A層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物を添加してもよい。例えば、光沢度調整や白色度調整、耐光性付与などを目的として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、アルミナなど無機微粒子を添加してもよい。これらの無機粒子に代表される添加物は、単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムに用いられるポリエステル樹脂とは、その構成する成分として以下が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸では、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、ジフェン酸およびそのエステル誘導体が挙げられ、また脂肪族ジカルボン酸では、アジピン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、エイコ酸、ダイマー酸およびそのエステル誘導体が、脂環族ジカルボン酸では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びそのエステル誘導体が挙げられ、また多官能酸では、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステル誘導体が代表例として挙げられる。また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコールやポリエチレングリコール、およびポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルなどが代表例として挙げられる。製造されるポリエステルフィルムの機械強度、耐熱性、製造コストなどを加味すると、本発明におけるポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレートを基本構成とすることが好ましい。この場合の基本構成とは、含有されるポリエステル樹脂に対して50重量%以上がポリエチレンテレフタレートであるという意味である。
これらのポリエステル樹脂中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加物、たとえば蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などが添加されていてもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、テーバー式剛性度試験機によるフィルムの曲げ角度15度での剛性度が以下の式を満たす必要がある。
(1)ΔS=(SB-SA)/((SA+SB)/2)
(2)0.15≦ΔS≦0.70
(3)ΔS≦−8X+4
但し、ΔS:剛性の表裏差、SB:B層側に曲げたときの剛性度(mN・m)、SA:A層側に曲げたときの剛性度(mN・m)、X:フィルムの厚み方向の任意の断面において、下記のとおりに定義される形状Pから空洞部分を除いてできる形状の重心を面積中心とし、フィルム全体の厚さを1としたときの、面積中心から近い方のフィルム表面までの距離。但し、形状Pは長方形であって、二組の向かい合う辺のうち、一組の辺がフィルム厚み方向に垂直で、その長さは60μmであり、もう一組の辺がフィルム厚み方向に平行で、その長さはフィルム全体の厚みT(μm)である。
ΔSは0.15以上0.70以下である必要がある。ΔSが大きくなることは、支持層であるB層側に曲げたときの剛性が選択的に強くなっていることを意味しており、反射シートとして用いた場合、B層側を筐体側に向けて配することで筐体内での撓みを低減できるため好ましい。反射シートとして用いた場合、ΔSが0.15を下回ると、筐体内での撓みが発生しやすくなり輝度ムラが発生するため好ましくない。また、撓みが発生しないよう、従来技術で行われている方法(特許文献4参照)のように、A層の空洞を減らしたり、B層の厚みを厚くした場合は、反射率を損ねてしまううえ、高比重化によりコストが高くなったりするため好ましくない。輝度ムラ、反射率の観点からΔSはより好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.35以上、もっとも好ましくは0.50以上である。一方、ΔSが0.70を越える、もしくは(2)式を満たさない場合は、反射面であるA層側に曲げたときの剛性が低くなりすぎ、製膜性が悪化したり、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生し、輝度ムラとなるため好ましくない。ΔSはより好ましくは0.65以下である。ΔSは、Xおよびカール値を調整することにより、上記範囲に調整することが可能である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フィルムの厚さを1としたとき、フィルム厚み方向の断面の空洞部分を除いた面積の中心から近い方のフィルム表面までの距離Xが0.35以上0.48以下である必要がある。Xが0.35未満の場合、A層の空洞占有率が高すぎ製膜性が悪化するため好ましくない。また、Xが0.48を越えると、剛性の表裏差が小さくなり、つまりΔSが小さくなり0.15を下回るため好ましくない。Xが0.46を越えると、ΔSが0.30を下回るため、Xはより好ましくは0.46以下、もっとも好ましくは0.44以下である。
さらに、本発明の積層ポリエステルフィルムのフィルム厚み方向の断面の空洞部分を除いた面積の中心(以下、面積中心と称す。)は、A層中に存在することが好ましい。面積中心がA層中に存在しない場合、B層が厚くなりすぎて、反射率に劣り好ましくない。
Xを上記範囲とする方法は、特に限定されないが、層構成を厚さ方向に非対称にする方法が好ましい。中でも、A層/B層の2層構成であることが好ましいが、B層/A層/C層やB層/A層/C層のような3層構成、あるいは4層以上の構成であってもよい。3層以上の構成とする場合は、面積中心から近い方の表面に配された層をB層とし、その反対表面に配された層をC層とした。
また、Xは、各フィルム表面に垂直に切断した時の断面中における各層の空洞占有率、各層の厚みを調整することにより調整することができる。本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、B層は実質的に気泡を含有しないことが輝度ムラの観点から好ましい。実質的に気泡を含有しないとは、空洞占有率が5%未満である層状態をいう。本発明の積層ポリエステルフィルムにおいては、A層の空洞により反射特性を発現させているため、A層の空洞占有率は高いほど反射率の点で好ましく、A層の空洞占有率は20%以上が好ましく、より好ましくは32%以上である。一方、A層の空洞占有率が高くなり過ぎると反射率の点では好ましいが、A層の機械強度が低下し製膜性が悪化するため、製膜性の点からA層の空洞占有率は60%以下であることが好ましい。本発明の積層ポリエステルフィルムはA層の空洞占有率がB層の空洞占有率より高いことが好ましく、A層とB層の空洞占有率の差を大きくすることで、Xを小さくすることができる。Xを上記範囲とするためには、A層とB層の空洞占有率の差が15%以上であることが好ましく、より好ましくは32%以上である。一方、A層とB層の空洞占有率の差が大きくなり過ぎると、機械強度が低下し製膜性が悪化するため、製膜性の点からA層とB層の空洞占有率の差は50%以下であることが好ましい。
次にB層の厚みについて述べる。本発明の積層ポリエステルフィルムは前述のとおりA層の空洞占有率がB層の空洞占有率より高いことが好ましいが、その場合B層の厚みを厚くすることで、Xを小さくすることができる。しかし、B層の厚みがフィルム全体の厚みに対して35%を越えると、面積中心がA層中に位置することが困難となり、反射率に劣る。したがって、Xを上記範囲できる点、反射率の点から、B層の厚みはフィルム全体の厚みに対して、10〜50%であることが好ましく、より好ましくは10〜35%、もっとも好ましくは15〜35%である。
また、本発明において、積層ポリエステルフィルムの全厚みは100μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは150μm以上350μm以下である。積層ポリエステルフィルムの全厚みが100μm以上とすることは反射率の点で好ましく、また厚みが厚いほど剛性が高くなり筐体内での撓みが発生しにくいため輝度ムラの点からも好ましい。また、上限は特に制限する必要はないが、反射率、作業性、コストの点から500μm以下、より好ましくは350μm以下とすることが好ましい。500μmを超えるとこれ以上厚くしても反射率の上昇が望めず、またバックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に高重量化により作業性(ハンドリング性)が悪化する。

本発明において、積層ポリエステルフィルムの全体の見かけ密度は0.5g/cm以上0.9g/cm以下が好ましい。見かけ密度を0.5g/cm以上とすることで、剛性が高くなり、加工、組み立て時に生じる折れ、筐体の凹凸部による反射シートの撓みによる輝度ムラを抑制でき、また製膜性の点からも好ましい。一方、反射率の観点からは空洞が多いこと、つまり見かけ密度が低いほうが好ましく、見かけ密度は0.9g/cm以下であることが好ましい。見かけ密度を0.9g/cm以下とすることは、コストの点からも好ましく、さらに画面の対角寸法が101.6cm以上の大画面バックライト用の反射シートとして用いる場合、反射シートが高重量化しないためバックライトに組み込むために枚葉にして作業する際の作業性(ハンドリング性)の点からも好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムのカール値は0.25mm以上0.80mm以下が好ましく、より好ましくは0.30mm以上0.70mm以下である。ここで、カール値とは、フィルムを38mm幅×70mm長さの長方形に切り出した時のカール値であり、B層側に凸となる方向を正の値として測定したものである。B層側に凸となるようにカールさせることで、ΔSを大きくすることができ、反射シートとして用いた際B層側を筐体側に向けて配することで筐体内での撓みが発生しにくくなり、輝度ムラの発生を抑制することができ、また製膜性の観点からもカール値は正の値であることが好ましい。カール値が大きいほどΔSを大きくすることができ、ΔSを0.30以上とするためには、カール値を0.25mm以上とすることが好ましい。また、ΔSを−8X+4の値以下とする、もしくは0.70以下とするためには、カール値は0.80mm以下であることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面の波長560nmでの相対反射率が97.0%以上であることが、反射シートとして使用する上で好ましい。なお相対反射率は98.5%以上がより好ましく、さらに好ましくは99.0%以上、最も好ましくは99.5%以上である。Xが上記範囲を外れない範囲で、A層の空洞占有率を高くする、またはB層を薄くすることで、反射率を高くすることができる。
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。ここでは、A層に空洞を含有せしめる方法として、前述の(3)ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な空洞を発生させる方法、(4)前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等について説明するが、この例に限定されるものではない。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法としては、以下の工程をその順に含む工程であることが好ましい。
[工程1]ポリエステル樹脂を押出機にて溶融せしめる工程。
[工程2]押出機から溶融樹脂を押出し、未延伸フィルムに形成せしめる工程。
[工程3]未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸する工程。
以下に[工程1][工程2][工程3]を詳細に説明する。
まず、押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、まず、A層を形成するため、融点230〜280℃のポリエステルペレットを十分に真空乾燥する。この乾燥原料には、空洞を発現させるために、ポリエステルと非相様な樹脂または気泡形成性の無機粒子を10〜50重量%加えることが好ましい。次に、この乾燥原料を、240〜320℃の温度に加熱された押出機(A)に供給し、溶融押出後10〜50μmカットのフィルターにて濾過した後に、Tダイ複合口金内に導入する。
一方、B層を形成するため、真空乾燥したポリエステルペレットを十分に真空乾燥する。この乾燥原料には、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、有機の滑剤、無機の微粒子、充填剤、耐光剤、帯電防止剤、核剤、染料、分散剤、カップリンブ剤などを添加してもよい。次に、この乾燥原料を、240〜320℃の温度に加熱された押出機(A)に供給し、溶融押出後10〜50μmカットのフィルターにて濾過した後に、Tダイ複合口金内に導入する。
押出機(A)のポリマーおよび押出機(B)のポリマーをTダイ複合口金内に導入し、フィードブロック装置を使用してA/BまたはA/B/Aとなるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。この溶融積層シートは、10〜60℃に冷却されたキャスティングドラムで冷却固化され、未延伸フィルムとなる。このとき、冷却ロール面とその反対面で冷却能力が異なると、結晶化度などの構造がフィルムの表裏で異なるものとなってしまい、カール値が変動してしまう。そのため、冷却ロール面とは反対のフィルム表面を低温の気体や液体などを吹きつけて冷却させることが好ましく、特に、低温のエアーを吹きつける方法は、設備の簡易さの点で有利である。低温のエアーを吹きつける場合、冷却速度を速めるために、エアーの温度は好ましくは7℃以上15℃以下であり、エアーの速度は、好ましくは15m/秒以上30m/秒以下であることが好ましい。エアー速度が上記範囲未満の場合、エアーとフィルムの熱伝達係数が不足して冷却速度が遅くなり、エアー速度が30m/秒を超える場合、エアーにより口金とロール間のフィルムが振動して厚みムラになる。エアーを吹きつける方法としては、スリットや穴がランダムに配置されたノズルから均一にエアーを吹出す公知の装置を用いることが出来る。また、エアーをノズルに供給する前に冷却水や液体窒素などを用いた熱交換器を通過させることは、エアーの温度を上記範囲にするために有効である。
次に、この未延伸状フィルムをロール加熱、赤外線加熱等でポリエステルのガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、長手方向(以降、縦方向と呼ぶ)に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。また、延伸中のフィルムの両表面の温度が以下の条件を満たすことが好ましい。
5≦T1−T2≦30
T1:A層側のフィルム表面の温度、T2:B層側のフィルム表面の温度
延伸中のフィルムの両表面の温度に表裏差をつけることで、フィルム表裏での構造にゆがみが生じ、カール値を調整することができる。T1−T2が下限より低いとカール値が小さくなり好ましくなく、さらにT1−T2が0℃未満の場合は縦延伸工程での平面性悪化により以後の製膜工程での製膜性が悪化したり、輝度ムラが発生したりするため好ましくない。一方、上限より高いと、カール値が0.80mmを越えてしまい、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生し、輝度ムラとなったり、ポリエステルの結晶化が進んだり、平面性が悪化したりすることで縦延伸以降での製膜安定性が悪化したりするため好ましくない。
縦延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.2〜4.0倍、より好ましくは2.3〜3.9倍である。2.2倍未満とすると反射特性に劣ったり、フィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.0倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなり好ましくない。縦延伸後のフィルムは、続いて、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)の延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのガラス転移温度(Tg)より高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜4.5倍、より好ましくは2.8〜3.9倍である。2.5倍未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる。
このようにして、得られた未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸することで、ポリエステルと非相様な樹脂または気泡形成性の無機粒子を核として空洞を発現することができる。ここでは、逐次二軸延伸法によって延伸する場合を例に詳細に説明したが、本発明の積層ポリエステルフィルムは逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法のいずれの方法で延伸してもよい。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて120〜220℃の温度で1〜30秒間の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却し、巻き取る。上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
得られた積層フィルムを、ロールの形状に巻き取りフィルムロールに巻き取る場合は、B層側がロールの外面側になるように巻くことが好ましい。B層側がロールの外面になるように巻くことで、ロールから巻き出されて使用される積層ポリエステルフィルムはA層側に適度な巻き癖がつき、ΔSが向上するため好ましい。
このようにして得られる本発明の積層ポリエステルフィルムおよびポリエステルフィルムロールから巻き出されてなる積層ポリエステルフィルムは、高比重化によることなく、反射率、製膜性を維持しつつ、液晶バックライトの輝度ムラが低減されているので、液晶画面用のエッジライトおよび直下型ライトの面光源の反射シート、およびリフレクターとして好適に使用することができる。特に、LED光源を側面に配置させた画面の対角寸法が50.8cm以上のモニター用バックライト装置において、好適に使用することができる。
また、本発明は上述した積層ポリエステルフィルムを用いた液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトに関し、輝度ムラの観点から好ましくはB層が筐体側に向けて配されてなることが好ましく、液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトであることが好ましい。以下、本発明に係るバックライトの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。
図1は本発明に係るバックライトの実施形態の構成を示す概略断面図である。
この実施形態のバックライトは、透光材からなる導光板1の一側端部に複数の点光源4が配置され、導光板1の光出射面側と反対側に反射板2が設けられた構成となっており、反射板2は匡体3上に載置されている。
ここで、匡体3は、反射板2と相対向する面に高さ5〜10mmの凹凸を有する構成になっている。また、反射板2には、上述した積層ポリエステルフィルムが使用されている。点光源4については、導光板1の一側端部、両側端部、四側端部のいずれの配置とした構成でもよい。なお、導光板1は、本発明の特徴とするものではないので、その詳細説明を省略する。
この実施形態のバックライトでは、反射板2に上述した積層ポリエステルフィルムが使用されているため、凹凸のある筐体3に反射板2を載置しても、光源点灯時に光源から発せられた熱による溝部分での反射板2の撓みを抑えることができる。したがって、輝度ムラの少ないバックライトを得ることができる。
また、この実施形態のバックライトでは、匡体3は、反射板2と相対向する面に高さ5〜20mmの凹凸を有するため、筐体自体の剛性が高まる。また、凹部が通気孔となってバックライト内部の熱を外部に放出し、バックライトの温度の異常上昇を抑えることができる。さらに、凸部の背面側には配線基盤を収納することができる。なお、凹凸の高さは凸面に置いたスケールからの凹部の距離を別のスケールを使って測定した。凹凸の高さが5mm未満である場合、配線基盤の収納が困難となり、また、20mmを超える場合は、バックライトの薄型化が困難となるため好ましくない。
本発明においてバックライトの大きさは、画面の対角寸法が66cm以上177.8cm以下であることが好ましい。ここで、バックライトの大きさとはバックライトの対角線の長さを指す。上記範囲以下のバックライトでは反射板を構成するフィルム自体の自重に起因する撓みの影響を受けにくい。また、上記範囲以上のバックライトでは輝度ムラ防止効果が十分得られる。
〔物性の測定ならびに効果の評価方法〕
本発明の物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)フィルム厚み・層厚み
フィルムの厚みは、JIS C2151−2006に準じて測定した。
ミクロトームを用いて厚み方向に潰すことなくフィルムを切断し、切片サンプルを得た。
該切片サンプルの断面を日立製作所製走査型電子顕微鏡(FE-SEM)S-2100A形を用いて、2000倍の倍率で撮像し、撮像から積層厚みを採寸し各層厚みを算出した。
(2)空洞占有率
上記(1)のように走査型電子顕微鏡で撮影した断面写真のフィルム面方向の幅60(μm)の領域から、空洞部分のみOHP用透明フィルム上に、油性ペンでトレースしたのち、イメージアナライザーを使用して、油性ペンで塗りつぶされたA層の空洞の占有面積(A)を算出した。得られた占有面積(A)およびA層のフィルム面方向の幅60(μm)の面積を用い、下記の式で計算される値を空洞占有率とする。B層についても同様に、B層の空洞の占有面積(B)を算出し、B層のフィルム面方向の幅60(μm)の面積を用い、下記の式で計算される値を空洞占有率とする。
A層中の空洞占有率=(A)/A層のフィルム面方向の幅60(μm)の面積×100 (%)
B層中の空洞占有率=(B)/B層のフィルム面方向の幅60(μm)の面積×100 (%)。
(3)見かけ密度
フィルムを100×100mm角に切取り、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109−10)に、直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10−4gの単位まで読み取る。下記の式で計算される値を見かけ密度とする。
見かけ密度=w/d×100 (g/cm)。
(4)剛性度
剛性度は、JIS P−8125−2000による曲げ角度15°におけるものであり、テーパー式剛性度試験器TELEDYNE MODEL150−D(NORTH Tonowanda、New York USA製)を使用した。B層側に曲げたときの剛性度、A層側に曲げたときの剛性度をそれぞれ3点測定し、その平均値をそれぞれSB,SAとした。
(5)面積中心
面積中心とは、フィルム表面に垂直に切断した時のフィルムの断面を上記(1)のように走査型電子顕微鏡で観察した時、フィルム厚み方向に垂直な1組の辺(長さ60μm)とフィルム厚み方向に平行なもう1組の辺(長さT(μm))で形成される長方形の形状Pから空洞部を除いてできる形状の重心であり、Xとは、フィルム全体の厚さを1としたときの、面積中心から近い方のフィルム表面までの距離である。すなわち、Xは必ず0.5以下となる。算出方法としては、まず各層の厚み、空洞占有率よりフィルム厚み方向の断面における空洞部を除いた部分の面積I、面積中心で厚み方向に2分割されたいずれか一方の領域における空洞部を除いた部分の面積IIを算出し、I÷2=IIの方程式を解くことでXを算出した。なお、面積I、面積IIを求める際、フィルム面方向の長さは任意の値で計算して構わないが、以下に説明する算出方法では、面方向の長さ60μmあたりの面積として、面積I、面積IIを計算している。ここで、TA:A層の厚み(μm)、TB:B層の厚み(μm)、TC:C層の厚み(μm)、T:フィルム全体の厚み(μm)、YA:A層の空洞占有率(%)、YB:B層の空洞占有率(%)、YC:C層の空洞占有率(%)である。
(i)A/B層の2層構成の場合
空洞占有率の高い層をA層として算出した。空洞占有率はA層の方がB層より高いため、面積中心はB層表面に近い位置に存在するため、B層表面から面積中心までの距離をXという前提で、以下の計算を行った。フィルム厚み方向の断面における空洞部を除いた部分の面積は以下式で計算される。
I(μm)=60×(TA×(1−YA/100)+TB×(1−YB/100))
一方、面積中心で厚み方向に2分割されたB層側の領域における空洞部を除いた部分の面積は、A層に面積中心があったと仮定すると
II(μm)=60×((T×X−TB)×(1−YA/100)+TB×(1−YB))
と計算される。IIは、Iの半分となるため、I÷2=IIよりXを得た。面積中心がA層中に存在した場合は、すなわち、得られたXの値が式(TB÷T)より得られる値より大きい場合は、この値をXとした。
一方、面積中心がB層中に存在した場合、すなわち、得られたXの値が式(TB÷T)より得られる値より小さい場合は、面積中心で厚み方向に2分割されたB層側の領域における空洞部を除いた部分の面積は、
II’ (μm)=60×T×X×(1−YB/100)
と計算される。II’は、Iの半分となるため、I÷2=II’よりXを算出して用いた。
(ii)B/A/C層の3層構成の場合
本発明において、3層以上の構成とする場合は、面積中心から近い方の表面に配された層をB層とし、その反対表面に配された層をC層とするが、面積中心に近い面がどちらか不明な場合は、まず、仮にある一方の面をB層と仮決めし、B層側のフィルム表面からの面積中心までの距離をXとして、以下に説明する計算を行うことでXを算出した。得られたXの値が、0.5以下であった場合は、仮決めしたB層を、B層と確定し、得られたXの値を用いた。一方、得られたXの値が0.5を越えた場合は、仮決めしたB層が間違えていたこととなるので、仮決めしたB層とは反対側の表面に配された層をB層と確定し、X’=1−Xにより得られたX’の値をXとして用いた。
フィルム全体における空洞部を除いた部分の面積は以下式で計算される。
I(μm)=60×(TA×(1−YA/100)+TB×(1−YB/100)+TC×(1−YC/100))
一方、面積中心で厚み方向に2分割されたB層側の領域における空洞部を除いた部分の面積は、A層に面積中心があったと仮定すると
II(μm)=60×((T×X−TB)×(1−YA/100)+TB×(1−YB))
と計算される。IIは、Iの半分となるため、I÷2=IIよりXを得た。面積中心がA層中に存在した場合は、すなわち、得られたXの値が式(TB÷T)より得られる値より大きく、式((TB+TA)÷T)より得られる値より小さい場合は、この値をXとした。
一方、得られた面積中心がB層またはC層中に存在した場合、すなわち得られたXの値が式(TB÷T)より得られる値より小さい、または式((TB+TA)÷T)より得られる値より大きい場合は、面積中心で厚み方向に2分割されたB層側の領域における空洞部を除いた部分の面積は、B層に面積中心があったと仮定すると、
II’ (μm)=60×T×X×(1−YB/100)
と計算される。II’は、Iの半分となるため、I÷2=II’よりXを得た。面積中心がA層中に存在した場合は、すなわち、得られたXの値が式(TB÷T)より得られる値より小さい場合は、この値をXとした。
一方、得られた面積中心がC層中に存在した場合、すなわち、得られたXの値が式((TB+TA)÷T)より得られる値より大きい場合は、面積中心で厚み方向に2分割されたB層側の領域における空洞部を除いた部分の面積は、
II’ ’ (μm)=60×T×(1−X)×(1−YC/100)
と計算される。II’ ’は、Iの半分となるため、I÷2=II’ ’よりXを算出して用いた。
(iii)4層以上の多層構成の場合
2層、3層の場合と同様の考え方で、まず各層の厚み、空洞占有率よりフィルム全体における空洞部を除いた部分の面積I、面積中心で厚み方向に2分割されたいずれか一方の領域における空洞部を除いた部分の面積IIを算出し、I÷2=IIの方程式を解くことでXを算出した。
ここでは、各層の空洞占有率が厚み方向に対して均一であることを前提に、Xの算出方法を述べたが、空洞占有率が厚み方向に対して不均一である場合には、上記(1)のように走査型電子顕微鏡で撮影した断面写真から、空洞部分のみOHP用透明フィルム上に、油性ペンでトレースしたのち、イメージアナライザーを使用して、油性ペンで塗りつぶされた部分の質量重心の位置を解析し、解析により得られた質量重心までの距離が近い方のフィルム表面に配された層をB層として、フィルム全体の厚さを1としたときの、B層表面から質量重心までの距離をXとした。
(6)カール値
フィルムを38mm幅×70mm長さの長方形に切り出し、B層が下面となるように平面に置いた。このときのフィルム四隅の浮き上がりを測定して、四隅の値の平均値をカール値(mm)とした。このとき、四隅が浮き上がっていない場合は、フィルムをひっくり返しB層が上面となるようにフィルムを平面に置き、四隅の浮き上がりを測定して、四隅の値の平均値をカール値とした。このとき、B層を下面としたときフィルム四隅が浮き上がった場合のカール値を正の値、B層を上面としたときフィルム四隅が浮き上がった場合のカール値を負の値とした。
なお、B層を下面としたとき、上面としたとき、いずれの場合もフィルム四隅が浮き上がらなかった場合は、カール値ゼロとした。
(7)延伸時のフィルムの表面温度
延伸中のフィルム表面の温度をキーエンス製非接触温度計IT2−80を用いて、放射率0.95で測定した。測定はフィルムの幅方向の中央、両端の3点について行い、その平均値をフィルム温度とし、A層側のフィルム表面の温度をT1、B層側のフィルム表面の温度をT2とした。
(8)相対反射率
分光光度計((株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%としたときの550nmの波長における相対反射率を測定した。
◎:99.5%以上
○:99%以上99.5%未満
△○:98.5%以上99%未満
△:98.5%未満
×:97.0%未満。
(9)輝度ムラ
Samsung(株)製C7000シリーズで画面の対角寸法が116.8cmのバックライト(厚さ5mmのパターン印刷した導光板と、この導光板の左右二辺に配置された複数のLED光源と、該導光板の光出射面側と反対側に配置された反射板と、この反射板を載置する筐体が配設された液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトで、該筐体の反射板側には相互に略平行に並んだ、上辺部から下辺部まで繋がる4本の凹部とこの凹部と筐体上下辺で仕切られた凸部(高さ7mm)を有し、この筐体凸部の背面側に電子基盤を格納した液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライト。)内に張り合わせてある反射フィルムを所定のフィルムサンプルに変更し、点灯させた。なお、このときB層側が筐体側に向けて配されるようにフィルムサンプルを設置した。その状態で1時間待機して光源を安定化させた後、500lxの照明環境下または暗所環境下において目視で輝度ムラとして認識できるものを観察した。さらに、拡散板RM803(住友化学(株)製、厚み2mm)/拡散シートGM3((株)きもと製)2枚を重ねた上で、同様に500lxの照明環境下または暗所環境下において目視で輝度ムラの有無、およびその程度を観察し、下記の基準で輝度ムラを判定し、×を不合格とし、△以上を合格とした。なお、ここでいう輝度ムラとは、反射シートの撓み、しわ、平面性不良によるものである。
◎:優良
(拡散板/拡散シートを重ねても重ねなくても、500lxの照明環境下、暗所環境下ともに輝度ムラは見えない。)
○:良好
(拡散板/拡散シート無しでは、500lxの照明環境下においては、輝度ムラが見えないが、暗所環境下においては、輝度ムラが見える。拡散板/拡散シートを重ねると、500lxの照明環境下、暗所環境下ともに輝度ムラが見えない。)
△○:可
(拡散板/拡散シート無しでは、500lxの照明環境下、暗所環境化ともに輝度ムラが見えるが、拡散板/拡散シートを重ねると、500lxの照明環境下、暗所環境下ともに輝度ムラが見えない。)
△:劣る
(拡散板/拡散シート無しでは、500lxの照明環境下、暗所環境化ともに輝度ムラが見える。拡散板/拡散シートを重ねると、500lxの照明環境下においては、輝度ムラが見えないが、暗所環境下においては、輝度ムラが見える。)
×:非常に劣る
(拡散板/拡散シートを重ねても、重ねなくても500lxの照明環境下、暗所環境下ともに輝度ムラが見える。)。
(10)製膜安定性
安定に製膜できるか、下記基準で評価した。×を不合格とし、△以上を合格と判定した。
◎:36時間以上安定に製膜できる。
○:24時間以上安定に製膜できる。
△:12時間以上24時間未満安定に製膜できる。
×:12時間以内に破断が発生し、安定な製膜ができない。
本発明を実施例に基づいて説明する。
<実施例1〜4、5、6、8〜22>
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
表1または表2に示すA層用の原料と、B層用の原料を、280℃に加熱された押出機(A)および押出機(B)の2台の押出機にそれぞれ供給し、A層とB層がA層/B層となるような2層フィードブロック装置を使用してTダイ複合口金内に導入、積層してシート状に共押出成形し、溶融押出シートを得た。なお、表1中の略称は以下の意味である。
・PMP:ポリメチルペンテン(三井化学(株)製“TPX”)
・COC:環状オレフィン共重合体(エチレンとノルボルネンの共重合樹脂)(ポリプラスチックス社製“TOPAS”)
・BaSO:硫酸バリウム(平均粒子径0.5μm)
さらにこのシートを表面温度20℃の冷却ドラムで冷却固化して得た未延伸フィルムを得た。このとき、冷却ドラムの反対面側は、10℃の冷風を風速20m/秒で吹き付け冷却した。つぎにこの未延伸フィルムを85℃に加熱したロール群に導き、2個以上のロールの周速差を利用して長手方向(縦方向)に3.4倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。なお、延伸中のA層側フィルム温度TA、B層側フィルム温度TBを表1に記載の温度となるように、A層側、B層側それぞれに設置したラジエーションヒーターにより、その出力を調整しながら延伸中のフィルムを加熱した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.6の倍率で延伸した。その後テンター内で190℃で熱固定を行い、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして空洞含有二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムより任意で10mm×10mmのサンプルを切り出し、ミクロトームを用いて厚み方向に潰すことなくフィルムを切断し、切片サンプルを得た。該切片サンプルの断面をSEMで観察し、得られた画像からXを算出した。なお、観察は2000倍で行い、フィルムの面方向の長さとしては60μmの範囲を観察した。得られたXおよびフィルムのその他の物性は表3または表4のとおりであった。
<実施例5>
表1に記載した原料を280℃に加熱された押出機(A)および押出機(B)の2台の押出機にそれぞれ供給し、A層とB層がA層/B層となるような2層フィードブロック装置を使用してTダイ複合口金内に導入、積層してシート状に共押出成形し、溶融押出シートを得た。さらにこのシートを表面温度20℃の冷却ドラムで冷却固化して得た未延伸フィルムを得た。このとき、冷却ドラムの反対面側には冷風は吹き付けなかった。その後、表1に示す条件をとる他は実施例1と同様の方法で縦延伸、横延伸、熱固定、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして空洞含有二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表3のとおりであった。
<実施例7>
表1に示すB層用の原料を、280℃に加熱された押出機(B)に、表1に示すA層用の原料を押出機(A)にそれぞれ供給し、3層フィードブロック装置を使用してTダイ複合口金に導入、積層してシート状に共押出成形し、溶融押出シートを得た。この際、押出機(B)のポリマーが中央部に、押出機(A)のポリマーが両表面側になるようにし、さらに複合管内で表裏層の圧力差をつけることにより、表裏表層厚みの異なるB層/A層/B層(C層)からなる積層シートを共押出成形し溶融積層シートを得た。その後、表1に示す条件をとる他は実施例1と同様の方法で白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表3のとおりであった。
<比較例1〜4>
表2に示すA層用の原料とB層用の原料を、280℃に加熱された押出機(A)および押出機(B)の2台の押出機にそれぞれ供給し、B層/A層/B層(C層)となるように3層フィードブロック装置を使用してTダイ複合口金に導入、積層してシート状に共押出成形し、溶融押出シートを得た。その後、表1に示す条件をとる他は実施例1と同様の方法で白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。Xは0.48を越えており、剛性の表裏差ΔSは0.15未満であり、輝度ムラに非常に劣るものであった。
<比較例5、6>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。カール値が0.80mmを越えており、−8X+4の値を、剛性の表裏差ΔSが越えてしまい、破断が発生し、安定な製膜ができず製膜安定性に劣った。また、得られたフィルムは、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生しやすく輝度ムラに非常に劣るものであった。
<比較例7>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。カール値が0.80mmを越えており、−8X+4の値を、剛性の表裏差ΔSが越えてしまい、破断が発生し、安定な製膜ができず製膜安定性に劣った。また、得られたフィルムは、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生しやすく輝度ムラが発生したが使用可なレベルであった。
<比較例8>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。カール値が0.80mmを越えており、ΔSは0.73と高く、また−8X+4の値を越えていた。破断が発生し、安定な製膜ができず製膜安定性に劣り、また、得られたフィルムは、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生しやすく輝度ムラに劣るものであった。
<比較例9>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。カール値が0.80mmを越えており、ΔSは0.81と高く、破断が発生し、安定な製膜ができず製膜安定性に劣った。また、得られたフィルムは、バックライトに組み込むために枚葉にして作業する際に折れしわが発生しやすく輝度ムラに劣るものであった。
<比較例10>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。カール値が−0.70mmとA層側を凸としてカールしており、剛性の表裏差ΔSが0.15未満であった。縦延伸後のフィルムでの平面性が悪化し、破断が発生し、安定な製膜ができず製膜安定性に劣った。
<比較例11、12>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムの物性は表4のとおりであった。A層の空洞占有率が高すぎるためXが0.35未満であり、製膜性に劣るものであった。
<比較例13>
表2に記載した原料、条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。得られたフィルムから実施例1と同様にして算出したX、およびその他の物性は表4のとおりであった。A層の空洞占有率が低すぎるためXが0.48を越えており、反射率に非常に劣るものであった。
Figure 0006051589
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1 導光板
2 反射板
3 筐体
4 光源

Claims (10)

  1. 内部に空洞を含有するポリエステル層(A)の少なくとも片側に、ポリエステル層(B)が積層された積層ポリエステルフィルムであって、
    フィルムの厚み方向の任意の断面において、下記のとおりに定義される形状Pから空洞部分を除いてできる形状の重心を面積中心とし、フィルム全体の厚さを1としたときの、面積中心から近い方のフィルム表面までの距離Xが0.35以上0.48以下であり、
    テーバー式剛性度試験機によるフィルムの曲げ角度15度での剛性度が以下の式を満たすことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。ここで、形状Pは長方形であって、二組の向かい合う辺のうち、一組の辺がフィルム厚み方向に垂直で、その長さは60μmであり、もう一組の辺がフィルム厚み方向に平行で、その長さはフィルム全体の厚みT(μm)である。
    (1)0.15≦ΔS≦0.70
    (2)ΔS≦−8X+4
    但し、ΔS:剛性の表裏差ΔS=(SB-SA)/((SA+SB)/2)、SB:B層側に曲げたときの剛性度(mN・m)、SA:A層側に曲げたときの剛性度(mN・m)である。
  2. 前記面積中心が、A層中に存在することを特徴とする請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 前記剛性の表裏差ΔSが0.30以上0.70以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. フィルムを38mm幅×70mm長さの長方形に切り出した時のカール値が、B層側に凸となる方向を正として、0.25〜0.80mm以下である請求項1〜3いずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  5. 前記カール値が、0.30mm以上0.80mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の積層ポリエステルフィルム。
  6. 少なくとも一方の表面の波長550nmでの相対反射率が97.0%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  7. 以下の工程をその順に含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
    [工程1]ポリエステル樹脂を押出機にて溶融せしめる工程。
    [工程2]押出機から溶融樹脂を押出し、未延伸フィルムに形成せしめる工程。
    [工程3]未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸する工程であって、延伸中のフィルムの両表面の温度が以下の条件を満たす工程。
    5≦T1−T2≦30
    T1:層A側のフィルム表面の温度(℃)。
    T2:層B側のフィルム表面の温度(℃)。
  8. 前記[工程2]が、溶融樹脂をシート状に押出し冷却ロール上で冷却して未延伸フィルムを得る工程であって、冷却ロール面とは反対のフィルム表面にエアーを吹きつけて冷却させる工程を有することを特徴とする請求項7に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  9. 筐体、および、請求項1〜6のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムを有してなる液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトであって、積層ポリエステルフィルムのB層側が筐体側に向けて配されてなる液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライト。
  10. 筐体、および、請求項7または8のいずれかに記載の製造方法を用いて製造した積層ポリエステルフィルムを用いてなる液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトの製造方法であって、積層ポリエステルフィルムのB層側が筐体側に向けて配される液晶ディスプレイ用エッジライト式バックライトの製造方法。
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