JP5456962B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5456962B2
JP5456962B2 JP2007257776A JP2007257776A JP5456962B2 JP 5456962 B2 JP5456962 B2 JP 5456962B2 JP 2007257776 A JP2007257776 A JP 2007257776A JP 2007257776 A JP2007257776 A JP 2007257776A JP 5456962 B2 JP5456962 B2 JP 5456962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
laminated film
barium sulfate
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007257776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009083369A (ja
Inventor
博 楠目
淳 小山松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin DuPont Films Japan Ltd filed Critical Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority to JP2007257776A priority Critical patent/JP5456962B2/ja
Publication of JP2009083369A publication Critical patent/JP2009083369A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5456962B2 publication Critical patent/JP5456962B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、積層フィルムに関し、詳しくは、白色の高い反射率を備える積層フィルムに関する。
液晶ディスプレイにおいて、近年、特開昭63−62104号公報に示されるようなサイドライト方式は、薄型で均一に照明できるメリットから、広く用いられるようになっている。またディスプレイの大型化にともないディスプレイの背面からライトを当てるバックライト方式も広く採用されるようになってきている。これらの方式では背面に反射板を設置するが、この反射板には光の高い反射性および高い拡散性が要求される。
近年、液晶ディスプレイの大画面化と高輝度化が進み、反射フィルムとして高い反射率を備えるフィルムが求められている。
特開昭63−62104号公報 特公平8−16175号公報 特開2004−50479号公報 特開2004−330727号公報 特開2005−125700号公報 特開2006−187910号公報 特開2006−212925号公報
しかし、高い反射率を達成するためにフィルムの一つの層に無機粒子を多量に配合すると、その層に割れが発生する問題がある。また、液晶表示装置の大画面化にともない、使用される反射フィルムも大型化しており、大画面の液晶表示装置に組み込む際に、反射フィルムに局所的に大きな荷重が掛かることがあり、フィルムが破損する可能性もある。
反射板として用いられる従来のフィルムは、低密度なフィルムとなりやすく、そのためフィルムが割れやすく、ハンドリングが難しく、安定的に生産することが難しい。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決することを課題とし、紫外線による劣化(黄変)が抑制され、実用上十分な可視光領域の反射性能を備えるために無機粒子を多量に含む層を備えながら、破れにくく、安定して製膜することができ、比重が高いことによってハンドリング性に優れる積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、A層とこれに接するB層とからなり、
A層はイソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸5〜15モル%およびテレフタル酸85〜95モル%のジカルボン酸成分およびエチレングリコールをジオール成分として98モル%以上からなる共重合ポリエステル30〜60重量%ならびに平均粒径0.3〜3.0μmの硫酸バリウム粒子70〜40重量%からなる密度1.00〜1.25g/cmの層であり、
B層はポリエステルからなる密度1.35〜1.50g/cmの層である積層フィルムであって、
A層における硫酸バリウム粒子が、小粒径側から積算した90%体積粒径(D90)が4.8μm以下の硫酸バリウム粒子であり、
少なくとも一方の表面の反射率が96%以上である、
ことを特徴とする積層フィルムである。
本発明によれば、紫外線による劣化(黄変)が抑制され、実用上十分な可視光領域の反射性能を備えるために無機粒子を多量に含む層を備えながら、破れにくく、安定して製膜することができ、比重が高いことによってハンドリング性に優れる積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、少なくともA層とこの層に接するB層から構成される。
[A層]
A層は共重合ポリエステルと硫酸バリウム粒子から構成される。
A層は、A層の組成物100重量%あたり硫酸バリウム粒子を70〜40重量%、好ましくは65〜43重量%、さらに好ましくは60〜45重量%含有する。硫酸バリウム粒子の含有量が40重量%未満であると反射率が低下し、70重量%を超えると、フィルム自体が破れやすくなる。
[B層]
B層は、硫酸バリウム粒子を含有してもしなくてもよい。B層に硫酸バリウム粒子を含有させる場合、その濃度はA層における濃度を超えてはいけない。B層の硫酸バリウム含有量は、B層の組成物100重量%あたり、好ましくは1〜35重量%、さらに好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは4〜25重量%である。
B層に硫酸バリウム粒子を含有させる場合、硫酸バリウム粒子は、A層で使用するものと同じであっても異なるものであってもよいが、製造上の簡便さから同じものを使用し配合割合のみを変更することが望ましい。
B層のポリエステルは、A層と同じポリエステルを用いてもよく、異なるポリエステルを用いてもよいが、製造の観点からは同じポリエステルを用いることが好ましい。
[共重合ポリエステル]
A層の共重合ポリエステルは、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸5〜15モル%およびテレフタル酸85〜95モル%のジカルボン酸成分およびエチレングリコールをジオール成分として98モル%以上からなる共重合ポリエステルであり、好ましくはイソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸7〜13モル%およびテレフタル酸87〜93モル%のジカルボン酸成分からなる共重合ポリエステルである。
イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸が5モル%未満であると製膜が困難であり、15モル%を超えると耐熱性が低いフィルムとなり、実用的なフィルムが得られない。
[硫酸バリウム粒子]
本発明における硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.3〜3.0μm、好ましくは0.4〜2.5μm、特に好ましくは0.5〜2.0μmである。0.3μm未満であると分散性が極端に悪くなり、粒子の凝集が起こるため生産工程上のトラブルが発生し易く、フィルムに粗大突起を形成し、光沢の劣ったフィルムになったり、溶融押出し時に用いられるフィルターが粗大粒子により目詰まりを生じさせる可能性がある。他方、平均粒径が3.0μmを超えるとフィルムの表面が粗くなり光沢が低下するばかりか、適切な範囲に光沢度をコントロールすることが困難となる。
硫酸バリウム粒子は、板状、球状いずれの粒子形状でもよいが、特定の粒度分布であることが好ましい。粒度分布としては、硫酸バリウム粒子を小粒径側から積算した90%体積粒径(D90)が、好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは4.8μm以下、特に好ましくは4.6μm以下である。D90が5.0μmを超えると粗大粒子が存在し、フィルターの詰まりや凝集物となってフィルムに現れてくる。
硫酸バリウム粒子の表面には、分散性を向上させるべく、表面処理を行ってもよい。
[密度]
A層の密度は、好ましくは1.00〜1.25g/cm さらに好ましくは1.05〜1.20g/cmである。密度が1.00g/cm未満であると大型の液晶表示装置に反射フィルムとして用いたときに積層フィルムは自重に耐えられずに変形してしまう。密度が1.25g/cmを超えるとフィルム中の気泡の形成が少なく高い反射率が望めない。
B層の密度は、好ましくは1.35〜1.50g/cm、さらに好ましくは1.36〜1.45g/cmである。密度が1.35g/cm未満であると圧力に対して潰れやすくなったり、所望の反射率が出なくなる。またB層の密度が1.50g/cmを超えるとA層との密度差によってカールやそりの原因になる。
A層およびB層からなる積層フィルム全体の密度は、フィルム製膜時に破断がおこらず、フィルムに十分な耐圧力性能を付与する観点からから、好ましくは1.25g/cm以上、さらに好ましくは1.27〜1.35g/cmである。
[添加剤]
本発明の積層フィルムには、蛍光増白剤を配合してもよい。蛍光増白剤を配合する場合、A層またはB層のポリエステルの組成物に対する濃度として、例えば0.005〜0.2重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%の範囲で配合するとよい。蛍光増白剤の配当量が0.005重量%未満では350nm付近の波長域の反射率が十分でないので配合する意味が乏しく、0.2重量%を越えると、蛍光増白剤の持つ特有の色が現れてしまうため好ましくない。
蛍光増白剤としては、市販のものでは、例えばOB−1(イーストマン社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社製)、JP−Conc(日本化学工業所製)を用いることができる。
また、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤を含有する塗剤を、本発明の積層フィルムに塗布してもよい。塗布は片面に行ってもよく、両面に行ってもよい。
また、本発明の積層フィルムには、無機粒子、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素の粒子を配合してもよい。
また、無機粒子以外に、ボイド形成可能な物質としてポリエステルとは非相溶な樹脂を用いることもできる。例えば、ポリオレフィン、ポリスチレンを用いることができる。さらに詳しい例示としては、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリフルオロスチレン、セルロースアセテートセルロースプロピオネート、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。なかでもポリプロピレン、ポリメチルペンテンが樹脂自体が高透明であるため、光の吸収を抑えて反射率を向上させることができ好ましい。非相溶樹脂を用いる場合、例えば5重量%以下の含有量で用いることができる。
[層構成]
本発明の積層フィルムは、A層/B層の2層からなる構成であってもよく、B層/A層/B層の3層からなる構成であってもよい。
いずれの構成においても、積層フィルムの全体厚みに占めるA層が厚み比率は、フィルム全体厚み100に対して、好ましくは40〜90、さらに好ましくは50〜85である。40未満であると反射率が劣る可能性があり好ましくなく、90を超えると延伸性の観点から好ましくない。
[他の機能層]
フィルムの片面または両面に、他の機能を付与するために、他の機能層をさらに積層した積層体としてもよい。ここでいう機能層としては、例えば、金属薄膜層、ハードコート層、インク受容層、透明ポリエステル層を例示することができる。
[製造方法]
以下、本発明の積層フィルムを製造する方法の例として、A層/B層の積層フィルムの製造方法の一例を説明する。
本発明では、製膜時のフィルターとして線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用い、溶融ポリマーを濾過することが好ましい。この濾過を行なうことにより、一般的には凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑えて、粗大異物が少なく液晶表示装置の反射フィルムとしてふさわしい積層フィルムを得ることができる。
ダイから溶融したポリマーをフィードブロックを用いた同時多層押出し法により、積層未延伸シートを製造する。すなわちA層を形成するポリマーの溶融物とB層を形成するポリマーの溶融物を、フィードブロックを用いて例えばA層/B層となるように積層し、ダイに展開して押出しを実施する。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。
ダイより押出された未延伸シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、未延伸フィルムとなる。この未延伸状フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移点(Tg)以上の温度、さらにはTg〜70℃高い温度とするのが好ましい。無機粒子を含有するポリエステルフィルムは、延伸の際にポリエステルが引き伸ばされるのに対して無機粒子は変形しないため、無機粒子とポリエステルとの界面で剥離が発生し、剥離した箇所はフィルム中のボイドとなる。ボイドの量は、無機粒子の粒径、含有量、種類の他、延伸倍率に依存する。このボイドの形成によって本発明ではA層の密度を1.00〜1.25g/cm、B層の密度を1.35〜1.50g/cmとする。このために必要な延伸倍率は、縦方向、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)ともに、好ましくは2.2〜4.0倍、さらに好ましくは2.3〜3.9倍である。2.2倍未満とするとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.0倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなり好ましくない。この延伸倍率は、ボイドの形成によって所定の密度が得られるように適宜設定すればよい。
縦延伸後のフィルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。2.5倍未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる。
横延伸後のフィルムは両端を把持したまま(Tm−20〜100)℃で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。これより高い温度であるとフィルムの平面性が悪くなり、厚み斑が大きくなり好ましくない。また、熱処理温度が(Tm−80)℃より低いと熱収縮率が大きくなることがある。また、熱固定後フィルム温度を常温に戻す過程で(Tm−20〜100)℃以下の領域の熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜1.5%、さらに好ましくは0.2〜1.2%、特に好ましくは0.3〜1.0%の速度ダウンを実施してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることもできる。
[熱収縮率、厚み、反射率]
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、85℃の熱収縮率が、直交する2方向ともに、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.4%以下、最も好ましくは0.3%以下とすることができる。
2軸延伸後のフィルムの厚みは、好ましくは25〜350μm、さらに好ましくは40〜300μm、特に好ましくは50〜250μmである。25μm以下であると反射率が低下し、350μmを超えるとこれ以上厚くしても反射率の上昇が望めないことから好ましくない。
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、その少なくとも一方の表面の反射率が波長400〜700nmの平均反射率でみて好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上である。96%未満であると十分な画面の輝度を得ることができないので好ましくない。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(2)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを10点測定して平均して各層の厚みを求めた。
(3)反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaS0白板を100%とした時の反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取り上記の範囲での平均値を求めた。フィルムの構成が一方の面がA層、もう一方の面がB層の場合、A層側から測定を行った。
(4)延伸性
縦方向2.5〜3.4倍、横方向3.5〜3.7倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察した。下記基準で評価した。
○:1時間以上安定に製膜できる。
×:1時間以内に切断が発生し、安定な製膜ができない。
(5)熱収縮率
85℃に設定されたオーブン中でフィルムを無緊張状態で30分間保持し、加熱処理前後の標点間距離を測定し、下記式により熱収縮率(85℃熱収縮率)を算出した。
熱収縮率%=((L−L)/L)×100
:熱処理前の標点間距離
L :熱処理後の標点間距離
(6)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
(7)耐光性
キセノンランプ照射(SUNTEST CPS+)にてパネル温度60℃、照射時間300時間にて前後の色変化をみた。フィルムの構成が一方の面がA層、もう一方の面がB層の場合、A層側から照射、測定を行った。
初期のフィルム色相(L 、a 、b )と、照射後のフィルム色相(L 、a 、b )とを色差計(日本電飾製SZS−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM)にて測定し、色変化dEを下記式から算出し、下記の基準で評価した。
dE={(L −L 2+(a −a 2+(b −b 21/2
○: dE≦10
△:10<dE≦15
×:15<dE
(8)熱による変形(たわみ)
フィルムサンプルをA4版に切り出し、フィルムの4辺を金枠で固定したまま、80℃に加熱したオーブンで30分間処理した後、変形(フィルムのたわみ状態)を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
○:たわんだ状態が観察されない。
△:一部に軽微なたわみが観察される。
×:たわんだ部分があり、たわみの凹凸が5mm以上の隆起として観察される。
(9)密度
フィルムを各層に剥離した後、10cm×10cmに切り出しエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて任意の箇所を10点厚み測定し平均値をフィルムの厚みとした後、各層の重量を測定し、A層、B層の密度を算出した。
(10)厚み変化率
積層フィルムを5cm×5cmに切り出した後、50kgの荷重を均一に加えた。その前後の厚み変化率(%)を下記式から求めた。
厚み変化率(%)
=100×(初期のフィルム厚み−加圧後のフィルム厚み)/(初期のフィルム厚み)
(11)硫酸バリウム粒子の粒度分布
島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を使用して測定した。測定前のエチレングリコールへの分散は、硫酸バリウム粒子粉体を5重量%スラリー濃度相当になるよう計量して、ミキサー(たとえばNational MXV253型料理用ミキサー)で10分間攪拌し、常温まで冷却したのち、フローセル方式供給装置に供給した。そして、該供給装置中で、脱泡のために30秒間超音波処理(超音波処理の強度は超音波処理装置のつまみをMAX値を示す位置から60%の位置)してから測定に供した。そして、粒度分布測定結果より90%体積粒径(D90)を求めた。なお、超音波処理は施しているが、これは脱泡のためである。
(12)硫酸バリウム粒子の平均粒径
上記D90同様に、島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を使用して測定した。粒度分布測定結果より50%体積粒径(D50)の値を平均粒子径とした。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル132重量部、イソフタル酸ジメチル7重量部(ポリエステルの酸成分に対して5モル%)、エチレングリコール98重量部、ジエチレングリコール1.0重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルのジエチレングリコール成分量は2.5wt%、ゲルマニウム元素量は50ppm、リチウム元素量は5ppmであった。このポリエステルをA層およびB層に用い、硫酸バリウムのマスターバッチを作製し、表1に示す添加量に調整した。それぞれ285℃に加熱された2台の押出機に供給し、A層ポリマー、B層ポリマーをA層とB層がA/Bとなるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを記載された温度にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き125℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で表2の温度で熱固定を行い、表2に示す条件にて縦方向の弛緩、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして二軸延伸された積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性は表2のとおりであった。
Figure 0005456962
Figure 0005456962
[実施例2〜11]
実施例1において、各成分の添加量、ポリエステルの酸成分を表1に記載のように変更し、表2に示す製膜条件にてフィルムを作製した。一部の水準においては3層フィードブロックを用いて3層フィルムを作製した。
[比較例1、2、5、7および8]
表1および2に示す条件にて製膜を行ったものの、比較例1、2、5は共重合割合が低く、製膜製が困難であった。比較例7はA層側の小粒子径の硫酸バリウムの再凝集、比較例8は粒子径が大きく、目開き50μmの不織布型フィルターにおいては溶融樹脂のろ過が困難であり、サンプル採取に至らなかった。
[比較例3および4]
表1および2に示すように作製した後、評価を行ったが、熱収が大きくたわみも大きいフィルムとなった。
[比較例6]
表1および2に示すように作製した後、評価を行ったが、硫酸バリウムの添加量が少なく満足する反射率が得られなかった。
[比較例9および10]
表1および2に示すように作製した後、評価を行ったが、硫酸バリウムの粒度分布が悪いため、反射率が低い上、耐圧力評価においても比較例9は変化量が大きく劣ったものとなった。
本発明の積層フィルムは、光線の反射率が高く、紫外線に対する劣化が抑えられ、各種の液晶反射板、中でも特に大型用液晶表示装置に最適に用いることができる。この反射フィルムとして用いる場合には、反射層を光源側に用いることが好ましい。
また他の用途としては、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカード、太陽電池のバックシートなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材などとしても用いることができる。

Claims (5)

  1. A層とこれに接するB層とからなり、
    A層はイソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸5〜15モル%およびテレフタル酸85〜95モル%のジカルボン酸成分およびエチレングリコールをジオール成分として98モル%以上からなる共重合ポリエステル30〜60重量%ならびに平均粒径0.3〜3.0μmの硫酸バリウム粒子70〜40重量%からなる密度1.00〜1.25g/cmの層であり、
    B層はポリエステルからなる密度1.35〜1.50g/cmの層である積層フィルムであって、
    A層における硫酸バリウム粒子が、小粒径側から積算した90%体積粒径(D90)が4.8μm以下の硫酸バリウム粒子であり、
    少なくとも一方の表面の反射率が96%以上である、
    ことを特徴とする積層フィルム。
  2. 積層フィルムがA層/B層の2層からなる請求項1記載の積層フィルム。
  3. 積層フィルムがB層/A層/B層の3層からなる請求項1記載の積層フィルム。
  4. 面光源反射板として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 太陽電池のバックシートに用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
JP2007257776A 2007-10-01 2007-10-01 積層フィルム Active JP5456962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007257776A JP5456962B2 (ja) 2007-10-01 2007-10-01 積層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007257776A JP5456962B2 (ja) 2007-10-01 2007-10-01 積層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009083369A JP2009083369A (ja) 2009-04-23
JP5456962B2 true JP5456962B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=40657439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007257776A Active JP5456962B2 (ja) 2007-10-01 2007-10-01 積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5456962B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5319435B2 (ja) * 2009-07-23 2013-10-16 帝人デュポンフィルム株式会社 光反射板用白色フィルム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3946183B2 (ja) * 2003-10-27 2007-07-18 帝人デュポンフィルム株式会社 白色ポリエステルフィルム
WO2005123385A1 (ja) * 2004-06-17 2005-12-29 Teijin Dupont Films Japan Limited 反射板用積層フィルム
JP4830274B2 (ja) * 2004-07-07 2011-12-07 東レ株式会社 白色ポリエステルフイルム
JP4563822B2 (ja) * 2005-01-05 2010-10-13 帝人デュポンフィルム株式会社 二軸配向積層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009083369A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5173417B2 (ja) 積層フィルム
EP1666521B1 (en) Polyester film
JP3946183B2 (ja) 白色ポリエステルフィルム
JP5319435B2 (ja) 光反射板用白色フィルム
TW200846179A (en) Surface optical diffusility polyester film
TWI632403B (zh) White reflective film
JP4734237B2 (ja) 反射板用積層フィルムの製造方法
JP4971690B2 (ja) 二軸延伸フィルム
JP4933737B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4971689B2 (ja) 積層フィルム
JP5021974B2 (ja) 積層フィルム
JP2007328150A (ja) 白色反射フィルム
JP4782617B2 (ja) ポリエステル積層フィルムのロール
JP5230998B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP2009248371A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4563822B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP4896454B2 (ja) 積層フィルム
JP5456962B2 (ja) 積層フィルム
JP2010221455A (ja) 白色積層ポリエステルフィルム
JP5108271B2 (ja) 二軸延伸された積層ポリエステルフィルム
JP5468927B2 (ja) 光反射板用積層白色フィルム
JP2007322875A (ja) 反射フィルム
JP5108438B2 (ja) 反射板用ポリエステルフィルム
KR20170104455A (ko) 직하형 면광원용 백색 반사 필름 및 그것을 사용한 직하형 면광원
JP2009122220A (ja) 積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100624

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110707

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5456962

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250