JP5108438B2 - 反射板用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明は、反射板として用いたときに高い輝度を得ることができ、かつ経時的な黄変や輝度の低下が抑制された、反射板用ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
[反射層]
反射層は、蛍光増白剤を0.01〜0.2重量%含有する。反射層に含有される蛍光増白剤が0.01重量%未満であると輝度が上がらず、面光源の反射板として用いたときに高い輝度を得ることができない。0.2重量%を超えると色相が緑色にずれ、液晶表示装置の面光源反射板として用いたときに表示の色相がずれ、色の再現性に劣る。
支持層は蛍光増白剤を0.3〜3.5重量%含有するポリエステル組成物からなる。支持層に含有される蛍光増白剤が0.3重量%未満であると輝度が上がらず、面光源の反射板として用いたときに高い輝度を得ることができない。3.5重量%を超えると蛍光増白剤のブリードアウトが発生し製膜工程が汚染されて製膜性が劣ることになる。
反射層の厚みは好ましくは50〜300μmである。反射層の厚みをこの範囲とすることによって高い反射率を確保しながら良好な製膜性を得ることができる。
[ポリエステル]
反射層および支持層のポリエステル組成物のポリエステルとしては、熱可塑性芳香族ポリエステルを用いる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートといった公知のポリエステルを用いることができる。フィルムの黄変を防止する観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは共重合成分を20モル%以下の割合で含んでもよい。共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。
蛍光増白剤としては公知のものを使用することができる。例えばユビテック(チバガイギ−社製)、OB−1(イーストマン社製)、TBO(住友精化社製)、ケイコール(日本曹達社製)、カヤライト(日本化薬社製)、リューコプアEGM(クライアントジャパン社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社製)、JP−Conc(日本化学工業所製)などを用いることができる。
硫酸バリウム粒子としては、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは0.4〜2.5μm、特に好ましくは0.5〜2.0μmの平均粒径の硫酸バリウム粒子を用いる。平均粒径が0.3μm未満であると凝集が生じ易く好ましくなく、3.0μmを超えるとフィルムの破断に繋がりやすく好ましくない。
以下、本発明の反射板用ポリエステルフィルムを製造する方法の一例を説明する。
蛍光増白剤のポリエステル組成物への配合は、重合後のポリエステルに添加し溶融混練することで行うことができる。この場合、蛍光増白剤を比較的高濃度で含有するマスターペレットを製造し、これを蛍光増白剤を含有しないポリエステルペレットに配合することで所望の含有率で蛍光増白剤を含有するポリエステル組成物を得ることができる。
このようにして得られる本発明の反射板用ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表面の反射率が、波長400〜700nmの平均反射率で90%以上、さらに好ましくは92%以上、特に好ましくは94%以上を達成することができる。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
フィルムサンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたフィルムサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を薄膜切片にした後、光学顕微鏡を用いて観察撮影し、写真から各層の厚み比を測定し、フィルム全体の厚みから計算して、各層の厚みを求めた。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%としたときの反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。フィルムの構成が反射層A/支持層Bの2層の場合、反射層A側から測定を行った。
縦方向2.5〜3.4倍、横方向3.5〜3.7倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察した。下記基準で評価した。
○: 1時間以上安定に製膜できる
×: 1時間以内に切断が発生し、安定な製膜ができない
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング製 「トスキュア401」:ガラスフィルタ付き)照射にて照射時間50時間にて前後の色変化をみた。このときの放射照度は約18mW/cm2であった。フィルムの構成が反射層A/支持層Bの2層の場合、反射層A側から照射して測定を行った。
初期のフィルム色相(L1 *、a1 *、b1 *)と、照射後のフィルム色相(L2 *、a2 *、b2 *)とを、色差計(日本電色工業製SZS−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM)にて測定し、下記式で表される色相変化dE*を算出し、下記の基準で評価した。
dE*={(L1 *−L2 *)2+(a1 *−a2 *)2+(b1 *−b2 *)2}1/2
◎: dE* ≦ 5
○: 5 < dE* ≦ 10
△: 10 < dE* ≦ 15
×: 15 < dE*
評価用に用意した液晶テレビ(SHARP社製AQUOS−20V)の直下型バックライト(20インチ)ユニットから、元々組み込まれていた光反射シートを取り外し、測定対象とするフィルムサンプルを組み込んだ。
バックライトユニットの発光面を2×2の4区画に分け、点灯1時間後の正面輝度を、トプコン社製のBM−7を用いて測定した。測定角は1°、輝度計とバックライトユニット発光面との距離は50cmとした。バックライトユニット発光面の面内4箇所における輝度の単純平均を求め、輝度とした。
色度(x,y)を、上記(8)と同様の方法で測定した。得られた色度から、下記の式を用いて基準色との差異である色度差を算出し、下記の基準で評価した。
Δx=基準座標(x=0.300)−測定座標(x)
Δy=基準座標(y=0.310)−測定座標(y)
Δxy=(Δx2+Δy2)1/2
◎: Δxy < 0.05
○: 0.05 ≦ Δxy < 0.10
×: 0.10 ≦ Δxy
上記(7)でフィルムサンプルを組み込んだバックライトユニットを、点灯させたまま3000時間経時させる耐久性試験を行った。耐久性試験後の反射シートの輝度を上記(8)の測定方法で測定した。
上記(7)でフィルムサンプルを組み込んだバックライトユニットを、点灯させたまま3000時間経時させる耐久性試験を行った。耐久性試験の前後での色度を上記(9)の測定方法で測定して色度差を算出し、(9)と同じ基準で評価した。
上記(8)で求めた反射板としての輝度および(10)で求めた耐久性試験後の輝度を用い、輝度低下率を下記の式にて算出した。
輝度低下率(%)=(耐久性試験後の輝度)/(反射板としての輝度)×100
テレフタル酸ジメチル132重量部、イソフタル酸ジメチル18重量部(ポリエステルの酸成分に対して12モル%)、エチレングリコール96重量部、ジエチレングリコール3.0重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルのジエチレングリコール成分量は2.5wt%、ゲルマニウム元素量は50ppm、リチウム元素量は5ppmであった。この共重合ポリエステルを層Aに用い、表1に示す不活性粒子および蛍光増白剤(イーストマン社製OB−1)を添加した。また上述の共重合ポリエステルを層Bに用い、同じく表1に示す不活性粒子を添加した。それぞれ280℃に加熱された2台の押出機に供給し、層Aポリマー、層Bポリマーを層Aと層BがA/Bとなるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを記載された温度にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で表2の温度で熱固定を行い、表2に示す条件にて縦方向の弛緩、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして二軸延伸されたポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの反射板基材としての物性は表2の通りであった。
表1に示す添加量、不活性粒子、蛍光増白剤に変更した以外は実施例1と同様にして、層Aポリマー、層Bポリマーを準備した。表2に示す通りの製膜条件にてポリエステルフィルムを作製し、評価を行った。
表1に示す添加量、不活性粒子、蛍光増白剤に変更した以外は実施例1と同様にして、層Aポリマー、層Bポリマーを準備した。表2に示す通りの製膜条件にてポリエステルフィルムを作製し、評価を行った。
比較例1の二軸延伸ポリエステルフィルム上に紫外線吸収能を有する物質として“ユータブル”UV6010(日本触媒製)のトルエン/酢酸ブチル溶液中に蛍光増白剤として“UVITEX−OB”(CHIBA−GEIGY社製)を塗液中の固形分比で0.03重量%となるように添加した塗料を、乾燥後の厚みが5μmになるように塗布した。乾燥は150℃で2分間熱風乾燥した。
Claims (3)
- 反射層およびこれに接する支持層からなる反射板用ポリエステルフィルムであって、
反射層が蛍光増白剤を0.01〜0.2重量%および硫酸バリウム粒子を31〜60重量%含有するポリエステル組成物からなり、
支持層が蛍光増白剤を0.3〜3.5重量%含有するポリエステル組成物からなり、
反射層が反射面として用いられることを特徴とする反射板用ポリエステルフィルム。 - 反射層の厚みが50〜300μm、支持層の厚みが10〜100μmであり、かつ反射層の厚みが支持層の厚みの3〜5倍である、請求項1記載の反射板用ポリエステルフィルム。
- 請求項1記載の反射板用ポリエステルフィルムからなり、反射層を反射面として用いた反射板。
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