JP3755905B2 - 液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シート - Google Patents

液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シート Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示装置のバックライトユニットを形成する、多孔性樹脂シートからなる光反射シートに関する。詳しくは、高い光反射効率を有する多孔性樹脂シートからなる、液晶表示装置のバックライトユニットを形成する光反射シートに関する。本発明における液晶表示装置として、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶表示装置が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、光反射シートは様々な分野で用いられてきており、特に、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶表示装置の主要部品として数多く使用されている。液晶表示装置は、薄型で省電力が図り得るものであることが重要である。また、液晶表示装置の大面積化、表示品位の向上が望まれており、この為には大容量の光量を液晶部分に供給することが必要とされる。液晶表示装置の省電力化を可能とし、小型化、薄型化を図り、且つバックライトユニットから供給される光量を多くするためには、光反射シートの光反射効率が高くなければならず、高輝度が得られるバックライト用の光反射シートが要求されている。
【0003】
液晶表示装置のバックライトユニットには、光源を直接液晶部の下部に置く方式と、光源を透明な導光板の横に置く方式がある。液晶表示装置を薄型化するためには後者の方式が適している。後者の方式の問題点は、導光板を経由する光の一部を液晶部に伝え、更に導光板を経由する光の残部を光反射シートで反射せしめて再び導光板に戻して光を有効に利用するものであるため、導光板と光反射シート間の光の漏れや、導光板、光反射シートによる光の吸収等により、直接光源を液晶部の後部に置く方式よりも液晶部に伝わる光量が少なくなることである。従って、導光板の下に置く光反射シートは、光線の反射率がより高く、透過率の低いものが要求される。
【0004】
一方、液晶表示面のカラー化や大型化が望まれており、さらに液晶の表示品位を向上させる必要が生じており、この要望に応えるためにも液晶表示装置のバックライト部に用いる光反射シートは少しでも多くの光を液晶部に供給することが求められている。
【0005】
従来、液晶表示装置のバックライト部を形成する光反射シートとして、特開昭59−8782号公報に開示されるような、白色顔料が練り込まれたポリエチレンテレフタレートフィルム等が用いられていた。しかし、該フィルム等は、光の反射がフィルム表面および内部の顔料で起こっているために十分な光の反射が得られなかった。また、特開昭63−161029号公報に開示されるような、微粒子状炭酸カルシウムを5〜30重量%含有するポリエチレンテレフタレ−トの延伸フィルムが用いられていた。しかし、該延伸フィルムは、微粒子状炭酸カルシウムの含有量が少ないため、開孔率が低く樹脂と細孔との界面での光の反射が十分ではなく、かかる要請に応えるには不充分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これらの問題を解決し、多孔性樹脂シートからなり、優れた光線反射効率と輝度を有する液晶表示装置バックライトユニットの光反射シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に特定量の無機系充填剤を配合して得られた特定の光線反射率を有する多孔性樹脂シートが液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シートに適することを見出し、本発明に到った。
【0008】
すなわち、本発明は、液晶表示装置のバックライトユニットを形成する、多孔性樹脂シートからなる光反射シートであって、該多孔性樹脂シートが熱可塑性樹脂100重量部に対して無機系充填剤100〜300重量部を含み、開孔率が40〜70%であり、且つ波長550nmの光線反射率が95%以上であることを特徴とする液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シートである。
【0009】
本発明の液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シートの特徴は、特定量の熱可塑性樹脂と無機系充填剤を含む多孔性樹脂シートであって、特定の光線反射率を有する点にある。そのため、シート表面の他にその内部に反射層を多数含有しており優れた光線反射率を有する。
【0010】
以下、本発明の液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シートについて詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置バックライトユニット部の光反射体は、熱可塑性樹脂に特定量の無機系充填剤を添加、混合して樹脂組成物となし、得られた樹脂組成物から、例えば溶融押出成形等により未延伸シートを成形し、次いで、得られた未延伸シートを一軸または二軸延伸することにより製造される。
【0011】
本発明で使用する熱可塑性樹脂は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である線形低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ4−メチルペンテン系樹脂等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ−p−キシリレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等に代表されるポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等に代表されるポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオルエチレン、ポリクロルトリフルオルエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオルエチレンとヘキサフルオルプロピレンとの共重合体等に代表されるフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニル−n−ブチルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等にに代表されるポリビニルエーテル系樹脂、ポリメチルビニルケトン、ポリメチルイソブロペニルケトン、ポリエチルビニルケトン、ポリフェニルビニルケトン、ポリナフチルビニルケトン、ポリ−p−クロルフェニルケトン、ポリオキシアルキルビニルケトン等に代表されるポリビニルケトン系樹脂、ポリアセトアルデヒド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等に代表されるポリエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等に代表されるポリアミド系樹脂、ポリイソプレン、ポリブタジエン等に代表されるジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール、芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリアリレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリアセン、ポリイミダゾピロロン、ポリキノリン、ポリナフチリジン、ポリキノキサリン等に代表される耐熱性樹脂等が挙げられる。
【0012】
これらの熱可塑性樹脂の内、シートへの成形性、得られたシートの耐熱性および延伸性等を総合的に勘案すると、好ましくはポリオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂である。具体的には、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である線形低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPEと略す)、ポリプロピレン樹脂(以下、PPと略す)、エチレン−プロピレン共重合体(以下、EPと略す)およびポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETと略す)である。
【0013】
熱可塑性樹脂の分子量はシートへの成形性に影響を及ぼし、分子量が高過ぎても低過ぎても製膜性が低下する。かかる点を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂の場合、分子量のパラメータであるメルトインデックス(以下、MIという)が、ポリエチレン系樹脂の場合には0.5〜7g/10min程度(190℃、荷重2.16kg)、ポリプロピレン樹脂の場合には1〜10g/10min程度(230℃、荷重2.16kg)、ポリ4−メチルペンテン系樹脂の場合には10〜70g/10min程度(260℃、荷重5.0kg)であることが好ましい。また、PETの場合、分子量のパラメータである固有粘度(IV)は、0.6〜1.1dl/g程度が好ましい。
尚、本発明におけるポリオレフィン系樹脂のMIは、ASTM D−1238に規定される方法により、上記条件で測定した値である。また、PETの分子量のパラメータである固有粘度は、テトラヒドロフランを溶媒として、ウベローデ粘度計を使用して25℃において測定した溶液粘度である。
【0014】
本発明に用いる無機系充填剤としては、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物等が好ましく用いられる。これらのものを例示すると、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金属塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の金属酸化物等が挙げられる。さらに、ケイ酸カルシウム類、セメント類、ゼオライト類、タルク等の粘土類も使用できる。
【0015】
これらの内、熱可塑性樹脂との混合性または分散性、シートの延伸性および得られる多孔性樹脂シートの開孔性、開孔率等を総合的に勘案すると、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウムが好ましい。さらに好ましくは硫酸バリウム、炭酸カルシウムであり、特に好ましくは硫酸バリウムである。硫酸バリウムを用いる場合には、熱可塑性樹脂との分散性、混合性がよい沈降性硫酸バリウムが好ましい。
また、無機系充填剤の粒度は得られる多孔性樹脂シートの表面状態に影響を及ぼすので、0.1〜7μm程度の平均粒子径を有する無機系充填剤が好ましい。さらに好ましくは0.2〜5μmである。
【0016】
無機系充填剤の添加量は得られる多孔性樹脂シートの光線反射率に影響を及ぼす。無機系充填剤の添加量が少ないと得られる多孔性樹脂シートの開孔率が低くなり、逆に多いと開孔率が高くなる。開孔率が低い多孔性樹脂シートは、樹脂層と空気層との界面における光の反射量が減り、高い光線反射率を有する多孔性樹脂シートが得られない。従って、光反射シートに適する多孔性樹脂シートは、適度の開孔率と高い光線反射率を有するものである。また、無機系充填剤の添加量が多いと多孔性樹脂シートの開孔率が高くなり光線反射率は増すが、シートの生産性、多孔性樹脂シートの強度が低下する。かかる点を総合して考慮すると、無機系充填剤の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対し、100〜300重量部である。
無機系充填剤が硫酸バリウムである場合、好ましい添加量範囲は熱可塑性樹脂100重量部に対し、180〜300重量部である。さらに好ましくは180〜250重量部である。また、それ以外の無機系充填剤である場合、好ましい添加量範囲は熱可塑性樹脂100重量部に対し、120〜200重量部である。
【0017】
本発明の光反射体は、上記熱可塑性樹脂に特定量の上記無機系充填剤を添加、混合した樹脂組成物が用いられるが、本発明の目的を妨げない範囲内で、安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤等の他の添加剤を添加しても良い。
【0018】
これらの他の添加剤の内、紫外線吸収能を有するものを添加することが好ましい。紫外線吸収能を有する添加剤として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系化合物等に代表される紫外線吸収剤が挙げられる。また、酸化チタン等も使用できる。
【0019】
これらの添加量は、例えば紫外線吸収剤の場合、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。また、酸化チタンの場合、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜30重量部用いられる。
【0020】
熱可塑性樹脂と無機系充填剤、必要に応じて、紫外線吸収剤、安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤等の他の添加剤とを混合して樹脂組成物を製造する方法には特に制限はない。例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等を用いて室温またはその近傍の温度において混合する方法が挙げられる。
また、混合した後、ストランドダイが装着された一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて、用いる熱可塑性樹脂の融点または軟化点以上の温度、好ましくは融点または軟化点+20℃以上、熱可塑性樹脂の分解温度未満の温度範囲において混練、溶融押出して、溶融ストランドとし、冷却した後、切断してペレット状に成形する方法も挙げられる。熱可塑性樹脂に無機系充填剤を均一に分散、混合するためにはペレット状に成形する方法が好ましい。
【0021】
上記のようにして得られた熱可塑性樹脂組成物からシートを成形する方法にも特に制限はない。例えば、Tダイが装着された一軸または二軸スクリュー型押出機を用いる押出成形法、円形ダイが装着された押出機を用いるインフレーション成形法、カレンダー成形法等の公知の方法が挙げられる。
シートの成形温度は、用いる熱可塑性樹脂により異なるが、通常、用いる樹脂の融点または軟化点以上の温度、好ましくは、融点または軟化点+20℃以上、分解温度未満の温度範囲である。
【0022】
得られた未延伸樹脂シートは、ロール法、テンター法等の公知の方法で少なくとも一軸方向に延伸される。延伸は一段で行ってもよいし、多段階に分けて行っても良い。また、二軸方向に延伸しても良い。さらに、延伸後必要に応じて、得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行っても良い。
延伸中のシートの切断を防止し、且つ均一な延伸を行い、好ましい開孔率を有する多孔性樹脂シートを得るためには、延伸温度は、ビカット軟化点(JIS K−6760に規定される方法で測定した値)未満であることが好ましい。また、延伸倍率は、前記の無機系充填剤の添加量と同様に、得られる延伸シートの開孔率に影響を及ぼす。延伸倍率が低いと得られる延伸シートの開孔率が低下し、高いと開孔率が高くなる。しかし、延伸倍率が高過ぎると延伸中にシートが切断することがあるので好ましくない。かかる観点から、一軸延伸の場合には5〜8倍、二軸延伸の場合には一軸方向に4〜7倍、その方向と直角方向に1.1〜3倍程度であることが好ましい。さらに好ましい延伸倍率は、一軸延伸の場合には5.5〜7.5倍、二軸延伸の場合には一軸方向に4.5〜6.5倍、その方向と直角方向に1.1〜2.5倍程度である。
【0023】
多孔性樹脂シートの厚みが薄いと光の透過率が高くなり光線反射率が低下する傾向にある。また、厚いと光の反射率は変わらないが、シートの生産性が低下する。従って、光反射シートとして用いる本発明の多孔性樹脂シートの厚みは、通常、100〜500μm程度である、好ましくは100〜400μm、さらに好ましくは100〜300μmである。
【0024】
上記組成および製造条件で得られる多孔性樹脂シートは、40%以上の開孔率を有する多孔性樹脂シートである。多孔性樹脂シートを光反射シートとして用いるには、高い光線反射率を有することが望まれる。多孔性樹脂シートの開孔率が40%未満であると、樹脂層と空気層との界面が減少するため光線反射率が低下する。光反射シートとして用いる多孔性樹脂シートは、少なくとも40%以上の開孔率を有し、波長が550nmの光の光線反射率が95%以上であることが好ましい。光反射シートとして用いる多孔性樹脂シートの開孔率は高ければ高いほど好ましいが、延伸シートの成形性、延伸性等を勘案するとその上限は70%程度である。従って、好ましい多孔性樹脂シートは、上記方法で得られる多孔性樹脂シートの内、開孔率が40〜70%のものである。
【0025】
本発明により得られた多孔性樹脂シートは、液晶表示装置のバックライトユニットの光反射シートとして用いられる。その場合、上記のようにして得られた多孔性樹脂シート1枚で光反射シートを形成してもよいが、複数枚積層して用いてもよい。強度を補う、光の透過を減らす等の理由により適宜、多孔性樹脂シートの非反射側に他のシート等を補強材として積層してもよい。補強用シートは、反射シートの反射率に影響を及ぼすので、波長550nmの光線反射率が80%以上であることが好ましい。補強用シートを積層して用いる場合は、多孔性樹脂シートが導光板に面するように積層しなければならない。
多孔性樹脂シートと他のシートとの積層方法としては、各種接着剤を用い接着する方法、熱接着する方法等が挙げられる。
【0026】
次いで、上記のようにして得られた多孔性樹脂シートを液晶表示装置のバックライトユニットを形成する光反射シートとして用いる代表的例を図面に示して説明する。〔図1〕は、光源部が透明な導光板の横に、また、光反射シートが導光板の下方にそれぞれ配設された液晶表示装置のバックライトユニットの断面図の一例である。該図において、光源1から生じた光線はランプホルダー2、光反射シート3、導光板4および光拡散シート5に照射される。光源1から生じた光線は、導光板4を経由し、光の一部を拡散シート5に照射し、更に導光板4を経由する光の残部を光反射シート3で反射させて、再び導光板4に戻して光拡散シート5へ照射することができる。
【0027】
本発明においては、上記光反射シート3として、上記のようにして得られた多孔性樹脂シートを用いるものである。多孔性樹脂シートは、該シートの表面で光線を反射するだけでなく、シート内部の樹脂層と空気層との界面においても光線を反射するため、優れた光線反射性能を有する。従って、上記のようにして得られた多孔性樹脂シートを液晶表示装置のバックライトユニットを形成する光反射シートとして用いることにより、従来得られなかったような優れた反射率と輝度を有するバックライトユニットが形成される。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、開孔率、輝度、および光線反射率は下記の方法により測定した値である。
(1)開孔率の測定方法(%)
用いた樹脂組成物の真比重(A)と得られた多孔性樹脂シートの嵩比重(B)から数式(1)〔数1〕
【0029】
【数1】
Figure 0003755905
により開孔率(C)を算出する。
【0030】
(2)輝度の測定方法(相対値)
〔図1〕に示したような形式の、光源、ランプホルダー、光反射シート、導光板および光拡散シートから形成された液晶表示装置のバックライトユニット(富士通(株)製)の光反射シートとして、実施例または比較例で得られた多孔性樹脂シートを装着し、導光板上での輝度を輝度計(ミノルタカメラ(株)製、形式:LS−110型)を用いて測定する。尚、輝度は、厚み188μmの白色ポリエチレンテレフタレートシート(東レ(株)製、商品名:E60)の輝度を100とした時の相対値で示す。
【0031】
(3)光線反射率の測定方法(%)
JIS−K7105の測定法Bに準拠して、分光光度計〔(株)日立製作所製、形式:U−3400〕を用いて測定し、波長550nmの光の反射率を代表値として用いた。尚、標準反射板として酸化アルミニウムを用いた時の反射率を100とした時の相対値で示す。
【0032】
実施例1
密度0.920g/cm3、メルトインデックス(MI)2.0g/10minの線形低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、商品名:ウルトゼックス2021L:以下、LLDPEという)100重量部に対し、平均粒子径0.94μmの沈降性硫酸バリウム(バライト工業(株)製、商品名:HD)230重量部(樹脂100体積%に対し、48体積%)、紫外線吸収剤(アデカアーガス(株)製、商品名:MARK LA−36)0.5重量部、ステアリン酸カルシウム3重量部をタンブラーミキサーを用いて混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をベント型二軸押出機を用いてペレット状に加工した。このペレットをTダイが装着された押出機を用いて、230℃において溶融押出して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを85℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で6.5倍の延伸倍率で一軸延伸し、〔表1〕に示した厚みを有する多孔性樹脂シートを得た。得られた多孔性樹脂シートの開孔率、輝度および光線反射率を前述の方法で評価した。シートの組成(重量部)および評価結果を〔表1〕に示す。
【0033】
実施例2〜4
LLDPEと硫酸バリウムの配合割合を〔表1〕に示す重量割合とし、延伸倍率を〔表1〕に示す倍率として、また、多孔性樹脂シートの厚みを〔表1〕に示す厚みとした以外、実施例1と同様の方法で多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表1〕に示す。
【0034】
実施例5
密度0.900g/cm3、MI1.5g/10minのプロピレンホモポリマー(三井東圧化学(株)製、商品名:ノーブレンFO−50F:以下、PPという)を用いた以外、実施例1と同様の方法で多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表1〕に示す。
【0035】
実施例6
密度0.900g/cm3、MI1.5g/10minのエチレン−プロピレンコポリマー(三井東圧化学(株)製、商品名:MJS−G:以下、EPという)を用いた以外,実施例1と同様の方法で多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表1〕に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003755905
【0037】
実施例7
紫外線吸収剤として、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−670)をポリプロピレン100重量部に対し16重量部を用いた以外、実施例5と同様の方法で多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表2〕に示す。
【0038】
実施例8
無機系充填剤として平均粒子径1.1μmの炭酸カルシウム(同和カルファイン(株)製、商品名:SST−40)を〔表2〕に示す重量割合で用い、ステアリン酸カルシウムの代わりにヒマシ油(伊藤製油(株)、商品名:菱形特A)を樹脂100重量部に対し7.5重量部用いた以外、実施例1と同様の方法で厚み200μmの多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表2〕に示す。
【0039】
実施例9
密度1.34g/cm3、固有粘度(IV)0.76dl/gのポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤナイトPA−500、以下、PETという))を用い、6.0倍の延伸倍率で一軸延伸した以外は、実施例1と同様の方法で厚み200μmの多孔性樹脂シートを得た。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表2〕に示す。
【0040】
比較例1
線形低密度ポリエチレン(LLDPE)と硫酸バリウムの配合割合をそれぞれ〔表2〕に示す重量割合とした以外、実施例1と同様の方法で多孔性樹脂シートを製造したが、延伸の際にフィルムが切れて光反射シートが得られなかった。
【0041】
比較例2〜3
線形低密度ポリエチレン(LLDPE)と硫酸バリウムの配合割合をそれぞれ〔表2〕に示す重量割合とした以外、実施例1と同様の方法で多孔性樹脂シートを製造した。得られたシートを実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表2〕に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003755905
【0043】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置バックライトユニット部の光反射シートは、特定量の熱可塑性樹脂と無機系充填剤を含み、特定の光線反射率を有する多孔性樹脂シートを素材とするために、優れた光線反射率と輝度を有する。従って、光を有効に利用できる高輝度のバックライトユニットを備えた液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、光源部が透明な導光板の横に、また、光反射シートが導光板の下方にそれぞれ配設された液晶表示装置のバックライトユニットの断面図の一例である。
【符号の説明】
1 光源
2 ランプホルダー
3 光反射シート
4 導光板
5 光拡散シート

Claims (7)

  1. 液晶表示装置のバックライトユニットを形成する、多孔性樹脂シートからなる光反射シートであって、該多孔性樹脂シートが熱可塑性樹脂100重量部に対して無機系充填剤100〜300重量部を含み、5〜8倍に一軸延伸して得られたシートであり、且つ開孔率が40〜70%波長550nmの光線反射率が95%以上であることを特徴とする液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
  2. 液晶表示装置のバックライトユニットを形成する、多孔性樹脂シートからなる光反射シートであって、該多孔性樹脂シートが熱可塑性樹脂100重量部に対して無機系充填剤100〜300重量部を含み、下記条件で二軸延伸して得られたシートであり、且つ開孔率が40〜70%、波長550nmの光線反射率が95%以上であることを特徴とする液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
    (a)一方の軸方向に4〜7倍延伸し、
    (b)a方向とは直角の方向に1.1〜3倍延伸する。
  3. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
  4. 無機系充填剤が硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルミナおよび水酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の充填剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
  5. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であり、且つ、無機充填剤として硫酸バリウムを180〜300重量部含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
  6. 多孔性樹脂シートが他の添加剤として、熱可塑性樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤0.01〜5重量部および酸化チタン1〜30重量部から選ばれた少なくとも1種類の添加剤および該量を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
  7. 多孔性樹脂シートの厚みが100〜300μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置バックライトユニット部の導光板下光反射シート。
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