JP5070671B2 - 親水性材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーとシクロデキストリン系環状化合物からなる包接化合物から構成され、水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーに対してシクロデキストリン系環状化合物が0.3〜30重量%であることを特徴とする水不溶性の親水性材料。
(2)水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーとシクロデキストリン系環状化合物からなる包接化合物から構成され、水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーに対してシクロデキストリン系環状化合物が0.3〜10重量%であることを特徴とする水不溶性の親水性材料。
(3)水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーとシクロデキストリン系環状化合物からなる包接化合物から構成され、水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーに対してシクロデキストリン系環状化合物が0.3〜3重量%であることを特徴とする水不溶性の親水性材料。
(4)シクロデキストリン系環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする(1)に記載の親水性材料。
(5)シクロデキストリン系環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする(2)に記載の親水性材料。
(6)シクロデキストリン系環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする(3)に記載の親水性材料。
(7)フイルム形成能を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の親水性材料。
(8)水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーとシクロデキストリン系環状化合物からなる包接化合物から構成され、フイルム形成能を有し、フイルムの含水率が100%以上であることを特徴とする親水性材料。
(9)水不溶性のポリエチレングリコール系ポリマーとシクロデキストリンからなる包接化合物から構成され、フイルム形成能を有し、フイルムの含水率が100%以上であることを特徴とする親水性材料。
(10)ポリエチレングリコール系ポリマーが、ポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコール誘導体と、生分解性ポリマーが化学的に結合したポリマーからなることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の親水性材料。
(11)ポリエチレングリコール系ポリマーが、ポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレングリコール誘導体の末端に生分解性ポリマーが化学的に結合したポリマーであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の親水性材料。
(12)医療用デバイスとして使用することを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の親水性材料。
(13)水不溶性ポリマーとシクロデキストリン系環状化合物からなる包接化合物から構成される親水性材料の製造方法であって、重合反応により水不溶性ポリエチレングリコール系ポリマーを製造する工程においてシクロデキストリン系環状化合物を添加することを特徴とする親水性材料の製造方法。
(14)シクロデキストリン系環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする(13)に記載の親水性材料の製造方法。
(15)(1)〜(12)記載の親水性材料を少なくとも含有する粒子。
(16)親水性材料の含有量が0.1重量%〜90重量%であることを特徴とする(15)記載の粒子。
(17)平均粒子径が20〜2000μmであることを特徴とする(16)記載の粒子。
(18)粒子径分布が平均粒子径±100μmであることを特徴とする(17)記載の粒子。
(19)生体内の管状の器官を塞栓するための粒子であることを特徴とする(18)記載の粒子。
(20)血管を塞栓するための粒子であることを特徴とする(19)記載の粒子。
(21)(1)〜(12)のいずれかに記載の親水性材料もしくは(15)〜(20)のいずれかに記載の粒子を少なくとも含むことを特徴とする血管塞栓材料。
水中に3時間以上浸漬し飽和含水させた水膨潤状態の重量をW、乾燥時の重量をW0とすると、
含水率(%)=(W−W0)/W0×100
で表すことができる。粒子、フイルムなどを純水中または生理食塩水に浸漬して含水率を測定することができる。含水率が100%以上であることが好ましい。
含水率が100%以上であれば、含水状態におけるフイルムや粒子の柔軟性が高く、生体を傷つけ難く、また高い生体適合性が期待できる。
また、水膨潤性の指標として、粒子における体積膨潤率を用いることもできる。
水膨潤時の体積および半径をそれぞれV、R、乾燥時の体積および半径をそれぞれV0、R0とすると、
体積膨潤率(%)=(V−V0)/V0×100
または、
体積膨潤率(%)=(R3−R03)/R03×100
で表すことができる。顕微鏡下に乾燥時、および純水中または生理食塩水中に浸漬した時の粒子の半径、体積を測定し、算出することができる。体積膨潤率としては、50〜700%が好ましく用いられる。
試験環境 :試験室温度23℃、試験室湿度50%
試験片形状 :短冊形(80mm×7.5mm)
引張試験機 :RTM−100型;(株)オリエンテック製
チャック間距離:20mm
試験速度 :10mm/分
試験片は包接化合物を塩化メチレンなどの有機溶媒に溶解後、シャーレに展開し、厚さ10〜50μmのフイルムを得、短冊形に切り出して、測定することができる。
窒素気流下においてフラスコにD,L−ラクチド(ピュラック社製)40.3gと平均分子量8750のポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール(PEG−PPG−PEG)のブロック共重合体”プルロニック”F68(80重量%ポリエチレングリコール含有、旭電化工業(株)製)17.3gを混合し、140℃で溶融・混合させた後、β−シクロデキストリン(アルドリッチ社製)8.6gを添加し、150℃にてジオクタン酸スズ(和光純薬工業(株)製)を添加し、A−B−A型コポリマー(ポリラクチド−(PEG−PPG−PEG)−ポリラクチド)を得た。コポリマーをクロロホルムに溶解し、大過剰のメタノ−ル中へ滴下して、白色沈殿物を得た。
β−シクロデキストリンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、白色沈殿物を得た。
精製水100mLに平均分子量20000のポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製)40.0gおよびα−シクロデキストリン(和光純薬工業(株)製)0.7gを添加し、80℃で溶解させた後、4℃で5日間放置した。さらに、真空乾燥機で乾燥して白色生成物を得た。この白色生成物は常温において精製水に溶解した。
α−シクロデキストリンの添加量が2.9g、白色生成物の添加量が21.6gとしたことを除いては、実施例2と全く同様にして白色沈殿物を得、キャストフイルムの引張弾性率、含水率を測定した。結果を表1に示した。精製水中に5時間浸漬後、フイルムを水中から取り出したところ、水はフイルム表面に広がったままで、水をハジく様子は観察されなかった。
α−シクロデキストリンの添加量が9.1g、白色生成物の添加量が24.8gとしたことを除いては、実施例2と全く同様にして白色沈殿物を得、キャストフイルムの引張弾性率、含水率を測定した。結果を表1に示した。精製水中に5時間浸漬後、フイルムを水中から取り出したところ、水はフイルム表面に広がったままで、水をハジく様子は観察されなかった。
α−シクロデキストリンを添加しなかったことを除いては実施例2と同様にして白色沈殿物を得、キャストフイルムの引張弾性率、含水率を測定した。結果を表1に示した。精製水中に5時間浸漬後、フイルムを水中から取り出したところ、直後にフイルム表面で水をハジく様子が観察され、血管塞栓材料として不適でることがわかった。
α−シクロデキストリンの添加量が34.6g、白色生成物の添加量が37.7gとしたことを除いては、実施例2と全く同様にして白色沈殿物を得たが、この白色沈殿物は塩化メチレンに対して不溶物が存在しており、キャストフイルムには白色の異物が存在した。
平均分子量2000のポリエチレングリコール1.5gを10mLの精製水に溶解させた水溶液と、14.5gのα−シクロデキストリンを100mLの精製水に溶解させたシクロデキストリン飽和水溶液を室温で混合し、超音波を10分間照射後、そのまま室温で終夜放置した。遠心分離後、精製水で2度洗浄し、真空乾燥して白色生成物を得た。
Claims (10)
- ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール、のブロック共重合体と、
ポリラクチドと、
が化学的に結合したコポリマーに、
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択されるシクロデキストリンが包接され、
前記コポリマーに対する前記シクロデキストリンの割合が0.3〜30重量%である、医療用材料。 - 前記コポリマーに対する前記シクロデキストリンの割合が0.3〜10重量%である、請求項1記載の医療用材料。
- 前記コポリマーに対する前記シクロデキストリンの割合が0.3〜3重量%である、請求項1記載の医療用材料。
- 前記コポリマーは、A−B−A型コポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項記載の医療用材料。
- ポリエチレングリコール又はポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール、のブロック共重合体と、
ポリラクチドと、
の重合時に、
α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択されるシクロデキストリンを添加して製造する、請求項1〜4のいずれか一項記載の医療用材料の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項記載の医療用材料を含有する粒子。
- 前記医療用材料の含有量が、0.1重量%〜90重量%である、請求項6記載の粒子。
- 平均粒子径が20〜2000μmである、請求項6又は7記載の粒子。
- 粒子径分布が平均粒子径±100μmである、請求項8記載の粒子。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の医療用材料又は請求項7〜10のいずれか一項記載の粒子を含む、血管塞栓材料。
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