JP2762398B2 - α―サイクロデキストリンの包接化合物及びα―サイクロデキストリンの分離精製法 - Google Patents

α―サイクロデキストリンの包接化合物及びα―サイクロデキストリンの分離精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なα−サイクロデキストリンの包接化
合物に関する。更に、本発明は、α−サイクロデキスト
リンを含有する各種サイクロデキストリン混合物からα
−サイクロデキストリンを効率的に分離精製する方法に
関する。
[従来の技術] サイクロデキストリン類(以下、CD類と略称する。)
は、澱粉にバチルスマセランス菌やバチルスステアロサ
ーモフィラス菌が生産するサイクロデキストリングルカ
ノトランスフェラーゼ(以下、CGTaseと略称する。)が
作用して生成されることは古くから知られている。この
生成CD類には、6個のグルコースが環状にα−1−4結
合したα−サイクロデキストリン(以下、α−CDと略称
する。)が、7個のグルコースが環状に結合したβ−サ
イクロデキストリン、8個のグルコースが環状に結合し
たγ−サイクロデキストリン等と共に含まれる。また、
アミロペクチンの多いモチトウモロコシや分岐デキスト
リンにCGTaseを作用させると分岐サイクロデキストリン
類が生成されると共に上記のような通常のCD類も生成さ
れる。
これらのCD類は一般に各種物質を包接する性質がある
が、CD(ホスト)の種類により取り込まれる物質(ゲス
ト)の選択性が有り、CDの空洞の大きさとゲスト分子の
立体的大きさが適合した時に安定化し、包接され易いと
考えられている。CD類は、水難溶性物質の可溶化機能、
不安定物質の安定化機能、揮発性物質の揮発防止機能、
異臭マスキング機能、化学反応触媒機能等を発揮する
が、これらの機能は、CD類の立体的空洞の中に親油性物
質が包み込まれる包接作用と関連していると考えられて
いる。このようなことから、目的とする発現機能によっ
ては、各種CD類が互いに機能を阻害し合う場合も多い。
のような場合、高純度のCD単体を使用するのが理想的で
ある。
α−CDは、例えば、医薬関連用途としては、薬剤の保
有安定化、可溶化、体内吸収促進、潮解性の防止や、油
脂基剤の粉末化等に有用であり、化粧品関連用途として
は、薬剤の可溶化、皮膚への浸透促進、刺激の抑制や、
香料の安定化、油脂基剤の粉末化等に有用である。しか
るに、かかる機能をより効果的に発揮させるためには、
上述したところより、α−CDが高純度を有することが望
ましいことは当然のことである。
ところで、上述のような澱粉にCGTaseを反応させて得
られる反応混合物中には、上記のような種々のCD類や非
環状デキストリンが含有されており、この中からα−CD
のみを分離することは、α−CDが水への溶解性が高く結
晶し難い物質であるため非常に困難で、更に溶剤等を使
用して純度を上げるのに高コストを要していた。
これまでに知られている上記のような反応混合物から
のCD類の代表的分離法として、次ぎのような方法があ
る。
(1) 糖液にアセトン等の有機溶媒を加えてCD類を沈
澱させる方法(特公昭52-8385号公報参照)。
(2) 陰イオン交換樹脂を用いて精製する方法(特公
昭46-9223号公報参照)。
(3) 多孔性ポリマーからなる疎水性の合成吸着樹脂
を用いる方法(特開昭56-805号公報参照)。
(4) 強酸性イオン交換樹脂のアルカリ金属塩で分画
する方法(特開昭57-30702号公報参照)。
また、最近のα−CDの分離精製法として特開平1-2631
01号公報に開示される方法(5)がある。この方法の第
1段階においては、α−CDを含有する各種CD類の混合物
とモノステアリンのようなモノグリセライドとを水の存
在下に混合して不溶解部を生成させる。次ぎに、この不
溶解部からモノグリセライドを除去するのであるが、か
かる第2段階として二つの方法が該公報に開示されてい
る。第一の方法では、ピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルフォキシド、ホルムアミド等を主要成
分とする溶媒に前記不溶解部を溶解し、得られた溶液を
過剰の水等の溶媒で希釈してモノグリセライドを析出さ
せ、モノグリセライドを除去した後、残存溶液を濃縮し
てα−CDの粉末を得る。第二の方法では、前記不溶解部
を油脂等の適当な分散質に分散させ、減圧高温下でモノ
グリセライドを水蒸気蒸留により留出させるか高真空下
で分子蒸留した後、油脂中に分散しているα−CDを水抽
出し、水相を濃縮してα−CDの粉末を得る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の方法(1)、(2)、(3)及
び(4)は、CD類を他のオリゴ糖やデキストリン等から
分離する場合にはある程度効果的であるが、これらの方
法はα−CDだけを工業的に高純度で分離する目的には高
コストとなり使用することができないものである。
また、上記の方法(5)は、不溶解部からモノグリセ
ライドを除去する第2段階が煩雑であり、まだかなりコ
ストのかかる方法である。加えて、該第2段階の第1の
方法の場合は、ピリジン等の溶媒が有毒であるので、こ
の方法で調製したα−CDは食品用等には使用できないと
考えられる。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決し、各種CD
類混合物から高純度α−CDを容易に分離精製することが
できる方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、例えば、上記のα−CD分離精製法における最終製品
たるα−CDの中間体としてのα−CDの包接化合物を提供
することをも目的とする。
[問題点を解決する手段] 本発明者等は、上述のような当業界の実状に鑑みて、
効率良く実用的なα−CDの分離法を見出すべく鋭意研究
を重ねた結果、ポリエチレングリコールがα−CDとのみ
選択的に包接することを見出した。即ち、本発明者等
は、CD類の包接作用に関する研究が殆ど低分子化合物と
の相互作用に限られいることに鑑みて、種々の水溶性ポ
リマーとCD類との相互作用について検討した。第1表
は、各水溶性ポリマーの20mgをα−CD飽和水溶液1mlに
加え、約25℃で10分間攪はん反応させた場合のポリマー
とα−CDの包接化合物の収率を列挙したものである。
更に、第1表におけると同様の実験の結果、α−CD以
外のCD類(分岐CD類も含む。)を含むオリゴ糖や多糖
類、及び単糖類はポリエチレングリコールと包接化合物
等の錯体を形成しないことが分かった。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであ
る。
即ち、本発明は、包接格子を構成するα−サイクロデ
キストリン分子にポリエチレングリコール分子が包接さ
れているα−サイクロデキストリンの包接化合物を提供
するものである。
更に、本発明は、α−サイクロデキストリンを含有す
る各種サイクロデキストリンの混合物とポリエチレング
リコールとを混合し不溶性のα−サイクロデキストリン
包接化合物を生成させ、次いで前記α−サイクロデキス
トリン包接化合物からポリエチレングリコールを除去す
ることを特徴とするα−サイクロデキストリンの分離精
製法を提供するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のα−CDの包接化合物を形成し得るポリエチレ
ングリコールは、その最低分子量において制限されてい
る。第2表は、平均分子量の異なったポリエチレングリ
コールの各15mgをα−CD飽和水溶液1mlに加え、約25℃
で1時間攪はん反応させた場合のポリエチレングリコー
ル(PEG)とα−CDの包接化合物の収率を列挙したもの
である。
第2表から、α−CDは、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールのような分子
量の小さいものとは、包接化合物を形成しないことがわ
かる。包接化合物を形成するために最低どれだけの分子
量をポリエチレングリコールが有しなければならないか
は、例えば平均分子量400といっても平均値の上下各100
を越える範囲を持って分子量分布しているポリエチレン
グリコールしか得られないのが一般的であるで、正確に
特定することはできない。ただ、第2表から平均分子量
300のポリエチレングリコールでは包接化合物収率が0
%であり、平均分子量400のポリエチレングリコールで
は包接化合物収率が57%であるので、分子量300と400の
中間に必要な最低分子量が有るであろうことは、充分推
測できる。上記のようなことから、本発明のα−CDの包
接化合物におけるポリエチレングリコールの最低分子量
としては、α−CDと包接化合物を形成しうるに必要な最
低分子量としか特定できない。
なお、本明細書で言う「ポリエチレングリコールの平
均分子量」とは、次ぎの手順に従って測定したものであ
る。新たに蒸留したピリジン300mlを正確に量って入れ
た1リットルの遮光した共栓瓶に無水フタル酸42gを加
え、強く振り混ぜて溶かした後、16時間以上放置する。
得られる溶液25mlを正確に量り、約200mlの耐圧共栓瓶
に入れ、これにポリエチレングリコールの試料約1.5gを
精密に量って加え、密栓し、丈夫な布でこれを包み、予
め98±2℃に加熱した水浴中に入れる。この際、瓶の中
の液が水浴の液の中に浸るようにする。98±2℃で30分
間保った後、水浴から瓶を取り出し、室温になるまで空
気中で放冷する。次ぎに、0.5N水酸化ナトリウム液50ml
を正確に加え、更にフェノールフタレインのピリジン溶
液(1→100)5滴を加え、得られる液につき、0.5N水
酸化ナトリウム液で滴定する。ただし、滴定の終点は液
が15秒間持続する淡赤色を呈する時とする。同様の手順
で空試験を行う。
ただし、a:空試験における0.5N水酸化ナトリウム液の
消費量(ml) b:試料の試験における0.5N水酸化ナトリウム
液の消費量(ml) 上述のポリエチレングリコールの平均分子量の測定法
は、「日本薬局方」に記載されているところに従ったも
のである。
包接化合物形成の定量的な検討の結果、ポリエチレン
グリコールの2モノマー単位に対して1分子のα−CDが
結合していることが分かった。第1図は、この結果から
推定したポリエチレングリコールとα−CDとの包接化合
物の構造のモデル図である。第1図において、斜線が施
されている部分がα−CDの断面と考えればよい。
第2図は、平均分子量1000のポリエチレングリコール
とα−CDとの包接化合物の粉末X線回折パターンを示す
線図である。第2図において、横座標のθは回折角を表
わすものであり、縦座標のCPSは反射強度(カウント/
秒)を表わすものである。第2図より、この包接化合物
は結晶性であり、チャンネル型構造を形成していると思
われる。
次ぎに、本発明のα−CDの分離精製法を詳しく説明す
る。本方法は、例えば、各種のCD類、更には非環状デキ
ストリン等を含有する糖液とポリエチレングリコールと
を接触混合させて、α−CDとポリエチレングリコールと
の不溶性の包接化合物の沈澱を生成させ、次いで、この
沈澱を混合物から固液分離し、後述する操作によりポリ
エチレングリコールを遊離させ、α−CDを分離する方法
である。
上記のような糖液とポリエチレングリコールとの混合
比は、通常、α−CD1モルに対しエチレングリコールユ
ニットとして2モル以上となるようにすればよく、ポリ
エチレングリコールを必要以上に多量に使用することは
コスト的に高くつき好ましく無い。
固液分離は、ろ過、遠心分離、限外ろ過膜等を使用し
た膜分離などの一般的な分離手段により行うことができ
る。
α−CDがポリエチレングリコールと包接化合物を生成
する速度は、ポリエチレングリコールの分子量(従っ
て、平均分子量)に依存する。第3図は、各種平均分子
量のポリエチレングリコールの水溶液をα−CD飽和水溶
液に加えた後、約25℃で攪はんした場合の反応時間に対
する比色計による濁度の変化を示すグラフである。比色
計による濁度の測定は、α−CDとしての濃度14.5mg/m
l、温度25℃、光波長420μmの条件で行った。第3図に
おいて、各曲線に付された数字はポリエチレングリコー
ルの平均分子量を表わし、縦座標の濁度「(−logT)」
のTは吸光度である。包接化合物は沈澱の形で析出する
ので、生成包接化合物の量が多くなるに従って、濁度が
高くなる。第3図より、平均分子量600ないし3000のポ
リエチレングリコールとα−CDとの包接化合物生成速度
は、極めて速く、反応時間は数分で充分であることが分
かる。
本発明のα−CDの分離精製法に使用されるポリエチレ
ングリコールの平均分子量は、第2表及び第3図から分
かるように、400ないし50000が好ましく、600ないし300
0が更に好ましく、800ないし2000が特に好ましい。
次ぎに、ポリエチレングリコールの末端水酸基を各種
の他の基で置換したポリエチレングリコールの誘導体の
α−CDとの包接化合物の形成の有無を調べた結果につい
て述べる。ポリエチレングリコール(平均分子量:325
0)の各種誘導体の各12mgをα−CD飽和水溶液1mlに加
え、25℃で1時間攪はん反応させた。この場合の包接化
合物収率を、上記ポリエチレングリコールそのものとα
−CDとの包接化合物の収率と共に第3表に示す。
第3表から、ポリエチレングリコールの両末端基が、
水酸基、アミノ基、メトキシ基の場合は、α−CDと高収
率で包接化合物を生成するが、ポリエチレングリコール
の両末端基がベンゼン環を有する基の場合は、フタル酸
モノメチルエステル基の場合に僅かの収率が得られるも
のの、α−CDと包接化合物を形成しないのが一般的のよ
うである。これは、末端基が大きいと、α−CDがポリエ
チレングリコールに第1図のような串刺状になって行く
ことができないためと考えられる。上述のことから、本
発明のα−CDの包接化合物は、α−CDに包接されている
ポリエチレングリコールの末端基が水酸基の場合に限ら
れるものでは無いことが理解されるであろう。即ち、ア
ミノ基、メトキシ基、その他のα−CDとの包接を許容す
る末端基を有するポリエチレングリコールの場合も、本
発明のα−CDの包接化合物の範囲に含まれるものであ
る。
次ぎに、ポリエチレングリコールとα−CDとの包接化
合物からポリエチレングリコールを遊離除去する操作に
ついて説明する。反応混合物から分離、洗浄した包接化
合物の沈澱を、必要に応じて乾燥した後、適当な有機溶
剤を加え、攪はんすると、ポリエチレングリコールは包
接化合物から遊離されて溶剤中に溶け込んでいき、α−
CDは沈澱のまま残る。この懸濁物から、ろ過、遠心分
離、限外ろ過膜等を使用した膜分離などの一般的な固液
分離手段により、ポリエチレングリコールを含有する溶
剤を除去すると、α−CDの結晶が得られる。上記の有機
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール等の低級アルコール類、ジクロロメタン等のハ
ロゲン化炭化水素類を挙げることができる。また、他の
方法として、包接化合物の沈澱を水中に懸濁し、70℃以
上の温度に加熱すると、包接力が弱まりポリエチレング
リコールが遊離して行き、ポリエチレングリコールとα
−CDの両者は水中に溶解するので、得られる水溶液を、
例えばカラムクロマトグラフィーに比較的高温で掛ける
か、濃縮後熱ろ過して両者を分離することもできる。更
に別の方法として、包接化合物の沈澱を水中に懸濁し、
安息香酸、フェノール、その他のポリエチレングリコー
ルよりα−CDとの包接力の大きい物質を加えると、かか
る物質がα−CDに包接されているポリエチレングリコー
ルと置換して包接され、ポリエチレングリコールは遊離
してくる。ポリエチレングリコールと新たな包接化合物
は水中に溶解することが多いので、その場合、得られる
水溶液を、例えばカラムクロマトグラフィーに掛ける
か、濃縮後ろ過して、両者を分離することもできる。こ
の新たな包接化合物が有用な用途を有するものであれ
ば、これから更にα−CDを分離精製する必要は無く、合
理的である。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明が実施例に限定されるものでないことは言うまでも
無い。
実施例1 10重量%のCD混合物(組成は、α−CD30重量%、β−
CD15重量%、γ−CD5重量%、デキストリン50重量%)
を含む水溶液100mlに15重量%のポリエチレングリコー
ル(分子量:1540)を含む水溶液を加え、常温で30分間
攪はん混合し、ポリエチレングリコールとα−CDとの包
接化合物を沈澱させた。得られた懸濁液を孔径0.45μm
のろ紙を用いたろ過器でろ過し、上記包接化合物の沈澱
を分離した後、200mlの純水で洗浄した。次いで、この
沈澱物をビーカーに移し、99.5%エタノール100mlを加
え、攪はんすると実質的にポリエチレングリコールのみ
がエタノール中に溶け込んで行き遊離するので、得られ
た懸濁液をろ過し、残さを99.5%エタノールで洗浄する
ことにより、純粋のα−CD(純度:100%)を得ることが
できた。
[効果] 本発明のα−CDの包接化合物は、純粋なα−CDを調製
するための中間体として使用できるものであり、α−CD
を含む各種サイクロデキストリンの混合物とポリエチレ
ングリコールとを水の存在下に混合することによって沈
澱として容易に調製することができる。
本発明のα−CDの分離精製法によれば、上記のα−CD
の包接化合物を調製した後、容易にポリエチレングリコ
ールを該包接化合物から除去することができるので、高
純度のα−CDを安価に製造することができる。このよう
にして調製されたα−CDは、ポリエチレングリコールが
極めて毒性の低いものであるため、食品用、医薬用、化
粧品用等に安全に使用できるという利点が有る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のポリエチレングリコールとα−CDと
の包接化合物の推定構造のモデル図であり、斜線図のα
−CDの穴の中にエチレングリコール単位が包接された状
態を示す。 第2図は、平均分子量1000のポリエチレングリコールと
α−CDとの本発明包接化合物の粉末X線回折パターンを
示す線図である。 第3図は、各種平均分子量のポリエチレングリコールの
水溶液をα−CD飽和水溶液に加えた後、攪はんした場合
の反応時間に対する比色計による濁度の変化を示すグラ
フを示す線図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包接格子を構成するα−サイクロデキスト
    リン分子にポリエチレングリコール分子が包接されてい
    るα−サイクロデキストリンの包接化合物。
  2. 【請求項2】α−サイクロデキストリンを含有する各種
    サイクロデキストリンの混合物とポリエチレングリコー
    ルとを水の存在下に混合し不溶性のα−サイクロデキス
    トリン包接化合物を生成させ、次いで前記α−サイクロ
    デキストリン包接化合物から前記ポリエチレングリコー
    ルを除去することを特徴とするα−サイクロデキストリ
    ンの分離精製法。
  3. 【請求項3】前記ポリエチレングリコールの平均分子量
    が400ないし50000であることを特徴とする特許請求の範
    囲第2項記載のα−サイクロデキストリンの分離精製
    法。
  4. 【請求項4】前記α−サイクロデキストリン包接化合物
    に有機溶剤を加えることにより、前記α−サイクロデキ
    ストリン包接化合物から前記ポリエチレングリコールを
    除去することを特徴とする特許請求の範囲第2項又は第
    3項記載のα−サイクロデキストリンの分離精製法。
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