JP2905573B2 - ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン精製物及びその製造法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン精製物及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、特に医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等
の用途に適したヒドロキシアルキル化シクロデキストリ
ン精製物及びその製造法に関する。
「従来の技術」 シクロデキストリンは、グリコース分子が6〜12個環
状にα−1,4結合した円筒状構造を有し、その円筒状分
子内に種々の物質を包接するという性質を持つ。これら
のシクロデキストリン−被包接物質に包接複合体は、被
包接物質の生理的活性等の性質を改変することなく、そ
の溶解性あるいは生体への吸収性等を向上させることが
できる。したがって、シクロデキストリンは、食品、医
薬品等はもとより、医薬部外品、化粧品やその他の化学
工業用途にも使用されている。
シクロデキストリンは、澱粉糊液にシクロデキストリ
ン生成酵素を作用させることにより製造されている。工
業的規模で製造されるシクロデキストリンとしては、
α,β,γ−シクロデキストリンあるいはシクロデキス
トリンと糖類の混合物等が知られている。
これらのシクロデキストリンは、水にある程度溶解す
るものの、その溶解度が低いという問題を有している。
すなわち、現在最も安価に供給でき、かつ多方面で利用
されているβ−シクロデキストリンの場合で25℃にて1.
85g/100mlと低く、α又はγ−シクロデキストリンの場
合でも13.0g/100ml及び30.0g/100mlである。このように
溶解度が低いため、各種の製品開発において障害となる
場合があった。
シクロデキストリンの有する上記の欠点を改善するた
めに、アルキル化、ヒドロキシアルキル化等の各種のシ
クロデキストリン誘導体が開発されて利用されており、
特にヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化等のヒ
ドロキシアルキル化シクロデキストリンは、その物性、
経済性等に優れており、代表的なシクロデキストリン誘
導体として知られている。
ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンは、主とし
てアルカル金属の塩基性水溶液中にてシクロデキストリ
ンとヒドロキシアルキル化剤とを反応させる方法によっ
て製造されている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上記ヒドロキシアルキル化シクロデキ
ストリンの製造工程では、ヒドロキシアルキル化剤のエ
ポキシ環が水と反応してヒドロキシル化したエチレング
リコール、プロピレングリコール等のグリコール類が副
生し、これらのグリコール類を除去することが困難であ
るため、高純度のヒドロキシアルキル化シクロデキスト
リンを効率よく製造することは困難であった。反応副生
成物であるグリコール類の生成量は、ヒドロキシアルキ
ル化剤として用いるアルケンオキサイドの量、アルカリ
剤の量、反応温度、時間等によって変動するが、通常、
製品中に3〜10重量%程度のグリコール類が残存するの
が常であった。
これらのグリコール類は、抗菌剤としての作用を持っ
ており、特にエチレングリコールは、皮膚刺激性及び溶
血作用共に大きく、その毒性は高い。プロピレングリオ
ールにおいては、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品の
使用は認められているが、表示義務があり、皮膚刺激性
によるアレルギー症状を引き起こす例がある。このよう
に、グリコール類が製品中に残存することは、特に医薬
品、医薬部外品、化粧品等に使用する場合に大きな障害
となっていた。
したがって、本発明の目的は、医薬品、医薬部外品、
化粧品、食品等の用途にも適した高純度のヒドロキシア
ルキル化シクロデキストリン精製物及びその製造法を提
供することにある。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本発明は、グリコール類を
実質的に含まないことを特徴とするヒドロキシアルキル
化シクロデキストリン精製物を提供するものである。
また、本発明のもう一つは、シクロデキストリンにヒ
ドロキシアルキル化剤を反応させてヒドロキシアルキル
化シクロデキストリンを生成した後、前記反応生成物を
クロマトグラフィー分画法で精製してグリコール類を除
去することを特徴とするヒドロキシアルキル化シクロデ
キストリン精製物の製造法を提供するものである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
シクロデキストリンのヒドロキシアルキル化は、アル
カリ金属を触媒として、アルカリ水溶液中に溶解させた
シクロデキストリンに、ヒドロキシアルキル化剤を反応
させることによって行われる。この反応式は、次式で表
わされる。
(式中、Rは水素、アルキル基等の官能基を表わす。) このとき、ヒドロキシアルキル化剤は水と反応し、多
価アルコールが形成される。この反応式は、次式で表わ
される。
(式中、Rは水素、アルキル基等の官能基を表わす。) ヒドロキシアルキル化剤は、一般に揮発性が高いが、
生成するこれらグリコール類は、沸点が180℃以上と揮
発性が低く、水及び有機溶媒にも溶解するという性質を
もち、その極性はヒドロキシアルキル化シクロデキスト
リンに近い。
本発明では、上記反応生成物から、残留したヒドロキ
シアルキル化剤及びグリコール類等の副生成物を除去す
るため、クロマトグラフィー分画法を用いる。
上記クロマトグラフィー分画法において、特に分画剤
として強酸性陽イオン交換樹脂のアルカリ金属塩あるい
はアルカリ土類金属塩を用いることにより、効率よく分
離精製できる。
本発明において、強酸性陽イオン交換樹脂としては、
市販されている各種の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる
ことができ、通常はスチレンの架橋共重合体にスルホン
酸基が結合した強酸性陽イオン交換樹脂のアルカリ金属
塩あるいはアルカリ土類金属塩等を用いることができ
る。
なお、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンと反
応副生成物であるグリコール類とを分離する方法とし
て、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンの溶解し
ない有機溶媒で洗浄する方法、あるいは分子量の差を利
用して膜により透析する方法等を試みたが、これらの方
法では、精製物の歩留まりや単位時間における処理量に
問題があり、効果的に除去、精製は困難であった。
本発明において、原料として用いられるシクロデキス
トリンとしては、通常のα,β,γ−シクロデキストリ
ンを用いることができるが、これらの混合物又はこれら
と糖液の混合物であってもよい。分画に用いるヒドロキ
シアルキル化シクロデキストリンは、前述した公知の方
法により、例えばNaOH等の塩基性水溶液中において、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のヒドロキ
シアルキル化剤を作用させることにより調製することが
できる。
この好ましい例を挙げると、原料としてのシクロデキ
ストリン結晶、シクロデキストリン混合物あるいはシク
ロデキストリン混合物含有糖液を、この原料1重量部
(乾燥重量)に対して水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等を0.02〜0.2重量部含有する水0.6〜3.0重量部に溶
解させる。このシクロデキストリン溶液を20〜50℃に保
持し、一般式 (式中、Rは水素、アルキル基等の官能基を表わす。)
で示されるアルケンオキサイドとして、例えばエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド等の0.1〜5重量部を1〜3時間で滴下する。反応は2
0〜50℃で行う。反応時間は、6〜48時間程度である。
ヒドロキシアルキル化の度合(置換度)は、シクロデ
キストリンの総モル数に対するシクロデキストリンに結
合したヒドロキシアルキル基の総モル数の比であるDS、
あるいは構成糖単位であるグリコースの総モル数に対す
るヒドロキシアルキル基の総モル数の比であるMSで表わ
される。置換度は、ヒドロキシアルキル化剤として用い
るアルケンオキサイドの量、触媒として用いるアルカリ
金属塩の量、反応系の体積及び温度、そして反応時間に
よって増減し、同時に、反応副生成物であるグリコール
類の生成量も同様に挙動を示す。通常、置換度は、DSで
2〜14程度である。
精製に用いるヒドロキシアルキル化シクロデキストリ
ン原料溶液中の反応副生成物含量は、できうる限り少な
いことが望ましく、目的とするヒドロキシアルキル化シ
クロデキストリンの置換度及び副生成物含量になるよう
に、上記条件、すなわち反応系におけるシクロデキスト
リンの量、ヒドロキシアルキル化剤の添加量、アルカリ
金属塩の添加量、反応温度及び時間等を十分に検討計画
し、それに従って製造を行うことが好ましい。
反応終了液中には、グリコール類の他に、未反応のヒ
ドロキシアルキル化剤と、反応中間物質であるアルデヒ
ド又はケトアルコール類等が少量ではあるが残存してい
る。本発明では、この反応液をそのままクロマトグラフ
ィー分画にかけてもよいが、前処理によって上記の未反
応のヒドロキシアルキル化剤及びその反応中間物等を除
去することが好ましい。これらの除去は、水蒸気蒸留
法、すなわち反応終了液中に、温度130〜180℃の水蒸気
を、1〜1.5kg/cm2で1〜6時間、通気することで行な
うことができる。
こうして、未反応のヒドロキシアルキル化剤及びその
反応中間物等を低減した原料溶液は、クロマトグラフィ
ー分画に先立って、公知の方法であるイオン交換膜、イ
オン交換樹脂あるいはその両者を併用した方法で脱塩す
ることが好ましい。
更に、分離精製に用いる原料溶液は、適度な濃度、好
ましくは固形分比Bx.20〜60に濃縮することが好まし
い。この濃度は、用いる液体クロマトグラフィーの充填
剤の種類及び送液方法又はパイプ等の設備規模、カラム
L/D比等によって、成分の流出時間へ影響を与えるた
め、それぞれの条件により決定される。
次に、上記のようにして調製したヒドロキシアルキル
化シクロデキストリンを主成分とする糖液を、強酸性陽
イオン交換樹脂を充填したカラムに通液して該糖液から
高純度ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンを分画
採取する工程について説明する。
強酸性陽イオン交換樹脂としては、市販されている各
種の強酸性陽イオン交換樹脂を用いることができ、通常
はスチレンの架橋共重合体にスルホン酸塩が結合した強
酸性陽イオン交換樹脂のアルカリ金属塩あるいはアルカ
リ土類金属塩等を用いることができる。樹脂の粒度は、
細かい程ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンと反
応副生成物との分離が良好となるが、余り細かすぎると
カラムに充填し通液する際の圧力損失が大となるので、
粒度範囲は20〜200メッシュ、好ましくは30〜100メッシ
ュ程度のものがよい。分画に際しての温度は、高い程分
離は良好になるが、糖及び反応副生成物の分解による褐
変や樹脂の寿命等を考慮すると、50〜80℃の範囲で行わ
れるのが好ましい。
通液する処理液のpHは、3〜8程度であればよく、濃
度は、60%以下好ましくは20〜50%程度である。カラム
の通液速度は、SV(空間速度)0.1〜1.0が好ましい。そ
の後、溶出液を水又は温水に切り替え、分別溶出を行
う。カラムへの通液方式は、固定床式、移動床式、疑似
移動床式等を適宜選択して適用できる。
本発明においては、本発明の製造法によってグリコー
ル類の含有量を固形分中1.5重量%以下、好ましくは0.1
重量%以下に抑えることが好ましく、さらには0重量%
にまで抑えることも可能である。
本発明法におけるヒドロキシアルキル化シクロデキス
トリンと反応副生成物との分別クロマトグラムの一例を
示すと次の通りである。
β−シクロデキストリン結晶の5kg(乾燥重量)を、
アルカリ金属塩として水酸化ナトリウム500gを水5に
分散溶液させたアルカリ溶液に、分散させた後、30℃に
恒温保持し、プロピレンオキサイド1.0を2時間で添
加が完了する速度で滴下した。30℃で16時間反応を行な
った後、イオン交換樹脂にて脱塩し、濃縮及び活性炭に
よる脱色を行ない、濃度が21.2%で、プロピレングリコ
ール含有量が対固形分で2.55%の反応終了糖液を得た。
この反応終了糖液16を、強酸性陽イオン交換樹脂
(三菱化成工業(株)製、商品名「ダイヤイオンUBK−5
30」、Na型)400を充填した内径300mm、高さ5400mmの
カラムに、SV=0.23、温度60℃にて通液した。こうして
分画した場合の溶出曲線は、第1図に示す通りであっ
た。図においてaはヒドロキシプロピル化β−シクロデ
キストリン、bはプロピレングリコールを表わす。
第1図の各溶出曲線の積分値から、溶出するヒドロキ
シプロピル化β−シクロデキストリン及びプロピレング
リコールの各フラクション中に含まれる固形分を算出
し、その値を用いて、ヒドロキシプロピル化β−シクロ
デキストリンの回収率、及びそのとき回収した製品中の
プロピレングリコール含有量を算出した。その結果を表
1に示す。表中のプロピレングリコール含有量の測定方
法は、次の方法によって行なった。
プロピレングリコールの定量は、ガスクロマトグラフ
ィーにて行なった。測定用カラムは「TENAX−GC」(商
品名、ガスクロ工業(株)製、3mmφ×1m)及び水素検
出器(FID)を用い、キャリヤーガスは窒素を毎分20ml
の流速で、カラム温度は100〜250℃の範囲を毎分10℃の
速度で昇温をかけて測定した。また、内部標準物質とし
て1,3−ブチレングリコール(関東化学(株)製、特
級)を用いて測定した。
表1に示されるように、例えば140分で分画を終了す
ると、プロピレングリコールを全く含まないヒドロキシ
プロピル化β−シクロデキストリンが78.3%、150分で
はプロピレングリコール0.1%を含むヒドロキシプロピ
ル化β−シクロデキストリンが83.9%、170分ではプロ
ピレングリコール1.5%を含むヒドロキシプロピル化β
−シクロデキストリンが91.1%回収できることがわか
る。
このように、本発明によれば純度の高いヒドロキシア
ルキル化シクロデキストリンを採取することができるば
かりでなく、分画カラムに投入した原料中のヒドロキシ
アルキル化シクロデキストリン及びグリコール類がカラ
ム充填剤に吸着されることなく、水によって容易に溶出
されるので、原料液の通液と水による溶出を繰り返して
行うことが可能であり、したがって効率よくヒドロキシ
アルキル化シクロデキストリンを採取製造することがで
きる。
また、本発明においては、クロマトグラフィー分画に
よるグリコール類除去の前後に他の処理工程を導入する
ことによって、更に効率よく分離精製を行うことができ
る。例えば逆浸透膜や透析膜による膜処理、水蒸気蒸留
あるいは凍結乾燥法、加熱減圧乾燥法等の乾燥方法を適
宜組み合わせることにより、本発明を更に効果的に実施
することができる。
「作用及び効果」 本発明によれば、シクロデキストリンにヒドロキシア
ルキル化剤を反応させて得られる、ヒドロキシアルキル
化シクロデキストリンを含有する反応生成物を、クロマ
トグラフィー分画法、好ましくは強酸性陽イオン交換樹
脂のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩等を用
いたクロマトグラフィー分画法によって分画することに
より、反応副生成物であるグリコール類を効率的に除去
して高純度のヒドロキシアルキル化シクロデキストリン
を得ることができる。こうして得られた本発明のヒドロ
キシアルキル化シクロデキストリン精製物は、例えば化
粧品、医薬部部品、医薬品等の用途にも安全に使用する
ことができる。
「実施例」 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、
皮膚の安全性に関する試験方法は、以下の通りである。
女性(53名)の前腕内側部にテストサンプル(50%水
溶液)を、鳥居パッチテスト絆創膏につけ、24時間閉塞
貼付する。24時間後、パッチテスト絆創膏を除去し、3
時間後に下記の判定基準に基づき皮膚反応を判定した。
(判定基準) 陰極 (−) 反応の全くないもの 疑陽性 (±) かすかな紅斑 弱陽性 (+) 明らかな紅斑 中等度陽性 (++) 紅斑と湿潤、浮腫、丘疹 強陽性 (+++) 小水泡、浮腫、丘疹 結果は、テストサンプル(50%水溶液)での陽性率
(%)[(+)以上の反応を示した数/パネル数×10
0]で表わした。
実施例1 β−シクロデキストリン結晶25kg(乾燥重量)を、ア
ルカリ金属塩として水酸化ナトリウム1kgを水20に分
散溶解させたアルカリ溶液に分散させた。このシクロデ
キストリン分散溶液を30℃に恒温保持し、同温度に平衡
に達したとき、プロピレンオキサイド12.5を2時間で
添加が完了する速度で滴下した。その後、30℃の恒温に
保持して12時間反応を行なった。
次に、イオン交換膜を用いて上記糖液を脱塩し、更に
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂により、完全に
金属塩を除去した。その後、濃縮及び活性炭による脱色
を行った。こうして得られた反応終了糖液は、固形分濃
度Bx.51.2で、プロピレングリコール含量は3.86%であ
った。
更に、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化成工業(株)
製、商品名「ダイヤイオンUBK−530」、Na型)400を
充填したカラムに、カラム通液温度60℃、空間流速SV=
0.23にて、上記糖液を10分間充填した。そして、糖液を
充填した後70分から140分までを製品画分として得た。
この分画液をフラッシュエバポレーターにて濃縮し、活
性炭脱色したものをスプレードライにて乾燥したとこ
ろ、プロピレングリコール含量が0.05%であるヒドロキ
シプロピル化β−シクロデキストリン白色粉末4kgを得
た。皮膚に対する安全性は、陽性率0%であった。
実施例2 β−シクロデキストリン結晶5kg(乾燥重量)を、ア
ルカリ金属塩として水酸化ナトリウム1kgを水5に分
散溶解させたアルカリ溶液に分散させた。このシクロデ
キストリン分散溶液を30℃に恒温保持し、プロピレンオ
キサイド1.25を2時間で添加が完了する速度で滴下し
た。そして、30℃で20時間反応を行った。
反応が終了した反応槽中に150℃、1kg/cm2の水蒸気を
1時間通気し、その後、イオン交換樹脂にて脱塩し、更
に、濃縮及び活性炭による脱色を行った。こうして得ら
れた反応終了糖液は、固形分濃度がBx.37.1で、プロピ
レングリコール含有量は対固形分6.24%であった。
次に、強酸性陽イオン交換樹脂「XFS−43279」(商品
名、ダウケミカル社製)25を充填したカラム2本を直
列に接続し、このカラムに上記糖液2.04をカラム通液
温度60℃、空間流速SV=0.49で5分間充填した。糖液を
充填後11分から29分までを製品画分として得た。
この分画液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、
活性炭で脱色したものを凍結乾燥及び粉砕したところ、
プロピレングリコール含量が1.45%のヒドロキシプロピ
ル化β−シクロデキストリン白色粉末551gを得た。皮膚
に対する安全性は、陽性率1.9%であった。
実施例3 β−シクロデキストリン結晶5kg(乾燥重量)を、ア
ルカリ金属塩として水酸化ナトリウム800gを水7.0に
分散溶液させたアルカリ溶液に分散させた。このシクロ
デキストリン分散溶液を40℃に恒温保持し、同温度に平
衡に達したとき、プロピレンオキサイド2.5を4時間
で添加が完了する速度で滴下した。その後、30℃の恒温
に保持して48時間反応させた。
次に、上記糖液を陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換
樹脂で処理して完全に金属塩を除去し、次いで、濃縮及
び活性炭による脱色を行った。得られた反応終了糖液
は、固形分濃度が30.2%で、プロピレングリコール含量
は固形分当り7.5%であった。
この反応終了糖液を、実施例2と同じ強酸性イオン交
換樹脂50を充填したカラムに、カラム通液温度60℃、
空間流速SV=0.5にて、5分間充填した。糖液の充填後1
7分から45分までを製品分画として得た。この分画液を
濃縮したところ、プロピレングリコール含量は1.5%で
あった。
この分画液をスプレードライにて乾燥し、縦30cm、横
60cm、深さ8cmの長方形トレイに入れ、減圧乾燥器によ
り、温度180℃、減圧度40mmHgにて6時間乾燥したとこ
ろ、プロピレングリコール含量0.9%の白色粉末2kgを得
た。皮膚に対する安全性は、陽性率0%であった。
実施例4 β−シクロデキストリン結晶を、その乾燥重量100gに
対し、アルカリ金属塩として水酸化ナトリウム16kgを水
200mlに溶解させたアルカリ溶液に分散させた。このシ
クロデキストリン分散溶液を30℃にて、プロピレンオキ
サイド50mlと反応させた。反応は、30℃で16時間行なっ
た。
反応終了糖液を透析膜「Seamless Cellulose Tubin
g」(商品名、Union Cabide corp.社製)中に封入し、
水道水中に6時間浸漬し、凍結乾燥して、プロピレング
リコール含量2.0%のヒドロキシプロピル化β−シクロ
デキストリン50gを得た。
この粉末を蒸留水150mlに溶解し、実施例2と同様に
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムにて分画し、
実施例2と同様に濃縮、脱色し、乾燥、粉砕して、プロ
ピレングリコール含量0.01%以下のヒドロキシプロピル
化β−シクロデキストリン白色粉末40gを得た。皮膚に
対する安全性は、陽性率0%であった。
実施例5 β−シクロデキストリン結晶を、その乾燥重量25ggに
対し、アルカリ金属塩として水酸化ナトリウム2kgを水2
0に溶解させたアルカリ溶液に分散させた。このシク
ロデキストリン溶液を30℃に恒温保持し、同温度に平衡
に達したとき、プロピレンオキサイド8を添加し、30
℃の恒温で保持して18時間反応させた。
この反応終了糖液の一部を凍結乾燥してプロピレング
リコール含量を測定したところ、乾燥重量当たり5.5%
であった。
また、反応終了糖液に150℃、1.2kg/cm2の水蒸気を6
時間通気した後、再びその一部を凍結乾燥してプロピレ
ングリコール含量を測定したところ、乾燥重量当たり3.
5%であった。
次に、反応終了糖液をBx.30まで濃縮し、イオン交換
膜を用いて脱塩し、更に陽イオン交換樹脂及び陰イオン
交換樹脂により、完全に金属塩を除去した。
その後、この糖液を再び濃縮し、実施例2と同様な強
酸性陽イオン交換樹脂400を充填したカラムを用い、
分画精製した。この分画精製して得た液をフラッシュエ
バポレーターにて濃縮し、更に活性炭脱色した。この精
製反応糖液をスプレードライにて乾燥したところ、プロ
ピレングリコール含量が0.1%であるヒドロキシプロピ
ル化β−シクロデキストリン白色粉末18kgを得た。皮膚
に対する安全性は、陽性率0%であった。
実施例6 β−シクロデキストリン結晶100gを、アルカリ金属塩
として水酸化ナトリウム20gを水300mlに溶解させたアル
カリ溶液に分散させた。この分散溶液を攪拌しつつ、30
℃に恒温保持し、同温度に平衡に達したとき、エチレン
オキサイド50mlを緩やかに添加した。更に攪拌しつつ、
30℃に恒温保持し、20時間反応させた。
次に、反応液を塩酸を用い中和した後、透析膜「Seam
less Cellulose Tubing」(商品名、Union Cabide Cor
p.社製)中に封入し、水道水中に10時間浸漬した。透析
した反応液を凍結乾燥したところ、エチレングリコール
含量1.6%のヒドロキシエチル化β−シクロデキストリ
ン30gを得た。
この粉末を、精製水100mlに溶解し、実施例2と同様
に強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムにて分画
し、濃縮及び脱色した。この分画精製液を、凍結乾燥し
粉砕したところ、エチレングリコール含量0.03%のヒド
ロキシプロピル化β−シクロデキストリンの白色粉末24
gを得た。皮膚に対する安全性は、陽性率0%であっ
た。
実施例7 β−シクロデキストリン結晶500gを、アルカリ金属塩
として水酸化ナトリウム50を水500mlに溶解させたアル
カリ溶液に分散させた。この分散溶液を攪拌しつつ、30
℃に恒温保持し、同温度に平衡に達したとき、ブチレン
オキサイド200mlを緩やかに添加した。更に攪拌しつ
つ、30℃に恒温保持し、24時間反応させた。
次に、反応液の150mlを塩酸を用い中和した後、透析
膜「Seamless Cellulose Tubing」(商品名、Union Cab
ide Corp.社製)中に封入し、水道水中に8時間浸漬し
た。透析した反応液を凍結乾燥したところ、ブチレング
リコール含量3.0%のヒドロキシエチル化β−シクロデ
キストリン20gを得た。
この粉末を、精製水50mlに溶解し、実施例2と同様に
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムにて分画し、
濃縮及び脱色した。この分画精製液を、凍結乾燥し粉砕
したところ、ブチレングリコール含量0.08%のヒドロキ
シプロピル化β−シクロデキストリンの白色粉末14gを
得た。皮膚に対する安全性は、陽性率0%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は反応糖液を強酸性陽イオン交換樹脂カラムに通
液した場合のヒドロキシアルキル化シクロデキストリン
とプロピレングリコールの溶出曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 伯 神奈川県横浜市栄区元大橋2―27―7 (72)発明者 勝村 芳雄 神奈川県横浜市栄区尾月20―14 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08B 37/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリコール類を実質的に含まないことを特
    徴とするヒドロキシアルキル化シクロデキストリン精製
    物。
  2. 【請求項2】シクロデキストリンにヒドロキシアルキル
    化剤を反応させてヒドロキシアルキル化シクロデキスト
    リンを生成した後、前記反応生成物をクロマトグラフィ
    ー分画法で精製してグリコール類を除去することを特徴
    とするヒドロキシアルキル化シクロデキストリン精製物
    の製造法。
  3. 【請求項3】前記クロマトグラフィーの分画剤として、
    強酸性陽イオン交換樹脂を用いる請求項2記載のヒドロ
    キシアルキル化シクロデキストリン精製物の製造法。
  4. 【請求項4】前記クロマトグラフィー分画法による精製
    工程の前後に、逆浸透膜又は透析膜による分画法、水蒸
    気蒸留法、乾熱乾燥法、乾熱減圧乾燥法から選ばれた1
    種又は2種以上の処理方法を組み合わせて処理する請求
    項2又は3記載のヒドロキシアルキル化シクロデキスト
    リン精製物の製造法。
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