JP2003212889A - キトサンオリゴ糖の製造方法及びキトサンオリゴ糖アルコール体の製造方法 - Google Patents
キトサンオリゴ糖の製造方法及びキトサンオリゴ糖アルコール体の製造方法Info
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Abstract
などの不純物を効率よく除去することができると共に製
造過程におけるキトサンオリゴ糖の着色を防止すること
ができ、高純度のキトサンオリゴ糖及びキトサンオリゴ
糖アルコール体を効率よく製造できる方法を提供する。 【解決手段】 キトサン加水分解物をイオン交換クロマ
トグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖を分
画した後、各キトサンオリゴ糖画分を活性炭処理するこ
とにより部分アセチル化キトオリゴ糖を選択的に除去す
る。また、キトサン加水分解物を還元処理した後、イオ
ン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキトサン
オリゴ糖アルコール体を分画し、分画した各キトサンオ
リゴ糖アルコール体画分を活性炭処理することにより部
分アセチル化キトオリゴ糖アルコール体を選択的に除去
する。
Description
オリゴ糖及びキトサンオリゴ糖アルコール体を効率よく
製造する方法に関する。
オリゴ糖であるキトサンオリゴ糖は様々な生理活性を有
し、飲食品、医薬品、化粧品等への利用が提案されてい
る。例えば、本出願人は、キトサンオリゴ糖を有効成分
として含有する肝機能障害予防改善剤(特開平10−2
87572号公報)、抗糖尿病剤(特開平11−294
84号公報)、抗酸化剤(特開2000−248276
号公報)等を開示している。
ビ等の甲殻類の殻に含まれるキチンの脱アセチル化物で
あるキトサンを酸又は酵素で加水分解して製造されてい
る。このキトサンの加水分解物は重合度の異なる様々な
キトサンオリゴ糖の混合物であり、これをカラムクロマ
トグラフィーや溶剤分画等の方法によって分画すること
により、キトビオース、キトトリオース、キトテトラオ
ース、キトペンタオース、キトヘキサオース等の重合度
の異なるキトサンオリゴ糖を得ることができる。
ミノ基及び還元性アルデヒド基を有し、特に水溶液状態
で着色・褐変しやすいため、キトサンオリゴ糖を水素還
元して、そのアルデヒド基をアルコールに変換すること
により、安定性を高めた還元キトサンオリゴ糖も提案さ
れている(特開平1−79194号公報)。
来の方法によって精製されたキトサンオリゴ糖は、通常
98%程度の純度であり、本発明者らが、キトサンオリ
ゴ糖をHPLC法(示差屈折検出)で分析したところ、
原料(キトサン)に由来する不純物が混入していること
が明らかとなった。例えば、キトトリオースは1分子中
に3モルのアミノ基を有しているが、イオン交換クロマ
トグラフィーで分離したキトトリオース画分には、1分
子中に3モルのアミノ基及び1モルのアセチル基を有す
るモノアセチルキトテトラオースや、1分子中に3モル
のアミノ基と2モルのアセチル基を有するジアセチルキ
トペンタオースが不純物として見い出された。
ル化度の測定方法(コロイド滴定法)が厳密な測定方法
ではないため、脱アセチル化度100%のキトサンであ
っても実際は微量のアセチル基が残存しており、キトサ
ンを加水分解することにより、キトサンオリゴ糖だけで
なく上記のような部分アセチル化キトオリゴ糖も生成し
てしまうためである。この部分アセチル化キトオリゴ糖
はイオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過クロマトグ
ラフィーで除去することは困難であり、研究用試薬、医
薬品や化粧品原料等として高純度(純度99%以上)の
キトサンオリゴ糖が必要とされる場合には特に問題とな
る。
いてはキトサンオリゴ糖アルコール体という。)におい
ては、原料となるキトサンオリゴ糖の純度の問題に加え
て、還元率の問題から更に純度の低いもの(通常、純度
95%程度)しか製造することができなかった。
比較的不安定な物質であるため、キトサンオリゴ糖やキ
トサンオリゴ糖アルコール体を製造する過程で着色しや
すいという問題もあった。
としたキトビオース、キトテトラオース及びキトヘキサ
オースの化学合成法も報告されている(丸山ら:島津評
論,51,303-311,1995)が、グリコシル化反応の前後
でアミノ基の保護・脱保護の工程が必要であるなど工業
的生産方法としては適していない。
する部分アセチル化キトオリゴ糖などの不純物を効率よ
く除去することができると共に製造過程におけるキトサ
ンオリゴ糖の着色を防止することができ、高純度のキト
サンオリゴ糖及びキトサンオリゴ糖アルコール体を効率
よく製造できる方法を提供することにある。
め、本発明のキトサンオリゴ糖の製造方法は、キトサン
を加水分解する工程と、キトサン加水分解物をイオン交
換クロマトグラフィーに供して重合度別にキトサンオリ
ゴ糖を分画する工程と、分画した各キトサンオリゴ糖画
分を活性炭処理して部分アセチル化キトオリゴ糖を除去
する工程とを含むことを特徴とする。
れば、キトサン加水分解物をイオン交換クロマトグラフ
ィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖を分画した
後、活性炭処理することにより、部分アセチル化キトオ
リゴ糖を効率よく除去することができる。
は、前記キトサン加水分解物に含まれる塩類が固形分当
たり10質量%未満になるまで脱塩した後、イオン交換
クロマトグラフィーを行なうことが好ましい。この態様
によれば、各重合度のキトサンオリゴ糖をより良好に分
離することができる。
ロマトグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖
を分画した後、各キトサンオリゴ糖画分を脱塩すること
が好ましい。この態様によれば、より灰分の少ないキト
サンオリゴ糖を得ることができる。
5.0〜99.5%の逆浸透膜を用いて行なうことが好
ましい。この態様によれば、短時間で効率よく脱塩で
き、脱塩処理工程におけるキトサンオリゴ糖の着色や褐
変を防止することができる。
ル体の製造方法は、キトサンを加水分解する工程と、キ
トサン加水分解物を還元処理する工程と、還元処理した
キトサン加水分解物をイオン交換クロマトグラフィーに
供して重合度別にキトサンオリゴ糖アルコール体を分画
する工程と、分画した各キトサンオリゴ糖アルコール体
画分を活性炭処理して部分アセチル化キトオリゴ糖アル
コール体を除去する工程とを含むことを特徴とする。
製造方法によれば、キトサン加水分解物を還元処理した
後、イオン交換クロマトグラフィーに供することによ
り、製造過程におけるキトサンオリゴ糖の着色や褐変を
防止することができる。また、キトサン加水分解物の還
元処理物をイオン交換クロマトグラフィーに供して重合
度別にキトサンオリゴ糖アルコール体を分画した後、活
性炭処理することにより、部分アセチル化キトオリゴ糖
アルコール体を効率よく除去することができる。
方法においては、前記還元処理を、キトサン加水分解物
に含まれるキトサンオリゴ糖ミクスチャーに対して、そ
の20質量%以上の水素化ホウ素ナトリウムを用いて行
なうことが好ましい。この態様によれば、キトサンオリ
ゴ糖の還元率を99.9%以上に向上することができ、
より高純度のキトサンオリゴ糖アルコール体を得ること
ができる。
物に含まれる塩類が固形分当たり10質量%未満になる
まで脱塩した後、イオン交換クロマトグラフィーを行な
うことが好ましい。この態様によれば、各重合度のキト
サンオリゴ糖アルコール体をより良好に分離することが
できる。
イオン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキト
サンオリゴ糖アルコール体を分画した後、各キトサンオ
リゴ糖アルコール体画分を脱塩することが好ましい。こ
の態様によれば、より灰分の少ないキトサンオリゴ糖ア
ルコール体を得ることができる。
55.0〜99.5%の逆浸透膜を用いて行なうことが
好ましい。この態様によれば、短時間で効率よく脱塩す
ることができる。
方法は、キトサンを加水分解する工程と、キトサン加水
分解物をイオン交換クロマトグラフィーに供して重合度
別にキトサンオリゴ糖を分画する工程と、分画した各キ
トサンオリゴ糖画分を活性炭処理して部分アセチル化キ
トオリゴ糖を除去する工程とを含む。以下、キトサンオ
リゴ糖の製造方法の各工程について説明する。
えばキチンを熱濃アルカリ処理する方法等の常法に従っ
て脱アセチル化することにより調製することができる
が、市販のものを用いることもできる。キトサンの脱ア
セチル化度は80〜100%が好ましい。なお、上述し
たようにアセチル化度の測定方法の問題により、脱アセ
チル化度100%のキトサンであっても微量のアセチル
基が残存している。
分解等の公知の方法によって行なうことができる(Dist
ler, J. J. et al: Method Carbohydr. Chem., 1, 305-
309,1962、Izume, M. et al: Agric. Biol. Chem., 51,
1189-1191, 1987)。
は、キトサンに、その質量の10〜100倍量の酸を加
え、40〜90℃で1〜120時間反応させた後、濾過
して不溶物を除去し、酸を除去又はアルカリで中和する
ことによりキトサン加水分解物を調製することができ
る。上記酸としては、例えば、塩酸、酢酸、ギ酸、硫
酸、リン酸等を用いることができる。
トサンに希酸を加えて溶解した後、所定量のキトサン分
解酵素(キトサナーゼ、D−グルコサミニダーゼ等)を
加えて酵素反応を行ない、酵素失活させた後、反応液を
濾過して不溶物を除去し、pHを中性に調整することに
よりキトサン加水分解物を調製することができる。
き、例えば「キトサナーゼ−RD」(商品名、ピアス株
式会社製、Bacillus sp. PI-7S由来)、「キトサナー
ゼ」(商品名、シグマアルドリッチ株式会社製、Strept
omyces griseus由来)等を用いることができる。
解物に含まれるキトサンオリゴ糖は、通常、重合度2〜
8程度の混合物、すなわちキトビオース、キトトリオー
ス、キトテトラオース、キトペンタオース、キトヘキサ
オース、キトヘプタオース、キトオクタオース等の混合
物である。
トグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖を分
画する工程 上記のようにして調製したキトサン加水分解物を、常法
に従ってイオン交換クロマトグラフィーに供し、キトサ
ンオリゴ糖を重合度別に分画する。
水分解してアルカリで中和した場合など、キトサン加水
分解物が大量の塩類を含む場合は、キトサン加水分解物
に含まれる塩類が固形分当たり10質量%未満、より好
ましくは5.0質量%以下になるまで予め脱塩してから
イオン交換クロマトグラフィーに供することが好まし
い。これにより、イオン交換クロマトグラフィーの分離
能を向上することができる。なお、本発明でいう塩類と
は、キトサンを加水分解する際に用いた無機酸や有機酸
を中和することにより生じる塩(後述のキトサンオリゴ
糖アルコール体の製造方法においては、還元処理により
生じる塩も含む。)を意味する。
電気透析法は効率が悪く、またキトサンオリゴ糖の着色
や褐変を生じやすいため、NaCl阻止率が55.0〜
99.5%の逆浸透膜(以下、RO膜という。)を用い
て行なうことが好ましい。RO膜を用いることにより、
効率よく脱塩することができ、キトサンオリゴ糖の着色
や褐変も防止できる。
ば、Uchida et al: Chitin and Chitosan, edited by S
kjak-braek, G., Anthonsen, T. and Sandford, P., p3
73-382, 1989, Elsevier Applied Science, London and
Ney York等に記載された方法で行なうことができる。
すなわち、キトサン加水分解物を、強酸性イオン交換樹
脂(例えば「AG50W×8(H+ form, 200-400 mesh)」
(商品名、Bio Rad Laboratories製)、「Dowex 50W×
4(H+ form,200-400 mesh)」(商品名、ダウケミカル
カンパニー製)等)を充填したカラムに展開し、0〜
5.5Nの塩酸で濃度勾配溶出することにより、重合度
の小さいキトサンオリゴ糖から順に溶出され、重合度別
にキトサンオリゴ糖を分画することができる。また、各
キトサンオリゴ糖画分に含まれる塩酸はエバポレーショ
ンして除去、又はアルカリで中和しておくことが好まし
い。なお、アルカリで中和した場合、後述する活性炭処
理の前あるいは後に前記と同様にRO膜を用いて脱塩す
ることが好ましい。
炭処理して部分アセチル化キトオリゴ糖を除去する工程 前記工程で得られた各キトサンオリゴ糖画分には、原料
に由来する不純物、すなわち部分アセチル化キトオリゴ
糖が含まれている。この部分アセチル化キトオリゴ糖
は、各画分に含まれるキトサンオリゴ糖と1分子中のア
ミノ基数が同一であり、分子量もほとんど同一であるた
め、イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過クロマト
グラフィー等で分離除去することは困難であるが、活性
炭処理することにより、効率よく除去することができ
る。なお、キトサン加水分解物を分画せずにそのまま活
性炭処理した場合は、疎水性色素や中分子オリゴ糖(分
子量数千)等の他の不純物が優先して活性炭に吸着され
るため、部分アセチル化キトオリゴ糖を除去することは
できない。
に活性炭を加えて撹拌する、各キトサンオリゴ糖画分
を活性炭を充填したカラムに通すことにより行なうこと
ができる。例えば、上記の方法は、各キトサンオリゴ
糖画分に含まれるオリゴ糖(キトサンオリゴ糖及び部分
アセチル化キトオリゴ糖をいう。以下同じ。)の質量に
対して、50〜200%、より好ましくは50〜100
%の活性炭を加えて、10〜90℃で0.5〜50時間
撹拌した後、濾過して濾液を回収すればよい。
造に使用可能な活性炭であれば特に制限なく用いること
ができるが、医薬・酒造の脱色精製に使用されるタイプ
のものが好ましく用いられる。市販品としては、例えば
「タケコール50WR」、「精製白鷺」(いずれも商品
名、武田薬品工業製)等を用いることができる。
れば、製造過程におけるキトサンオリゴ糖の着色を防止
できると共に部分アセチル化キトオリゴ糖を簡単な操作
で除去することができ、高純度(示差屈折検出によるH
PLC法において99%以上)のキトサンオリゴ糖を効
率よく得ることができる。
ル体の製造方法について説明するが、前記キトサンオリ
ゴ糖の製造方法で説明した方法と基本的に同じ操作を行
なう工程については、説明を省略するか簡単に説明する
に留める。
方法と同じであるので説明を省略する。
を採用できるが、本発明においては、以下の理由から水
素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を用いる方法が好
ましく採用される。
リゴ糖のアミノ基には作用せず、還元末端に特異的な還
元剤であり、取り扱いが簡単で安価である。
ゴ糖のグリコシル結合の加水分解が起こる危険性がな
い。
除去することができ、また、万一微量に残存しても安全
性が高い。
は、例えばCampbell, B. J. et al:J. Chromatogr., 62
2, 137-146(1993)に記載された方法に従って行なうこ
とができる。すなわち、キトサンを加水分解した反応液
をpH7〜9に調整して所定量の水素化ホウ素ナトリウ
ムを加え、減圧下、10〜40℃で3〜18時間還元反
応を行なった後、pH3〜6に調整して反応を停止すれ
ばよい。本発明においては、還元率を高く(99.9%
以上)するために、キトサン加水分解物に含まれるキト
サンオリゴ糖ミクスチャーに対して、その20質量%以
上の水素化ホウ素ナトリウムを用いることが好ましい。
水素化ホウ素ナトリウムの使用量が上記より少ないと、
還元率が低下(98%程度)してしまうため好ましくな
い。なお、本発明でいうキトサンオリゴ糖ミクスチャー
とは、キトサンを加水分解することにより生じるグルコ
サミン及びキトサンオリゴ糖の混合物を意味する。
ま還元処理することにより、後工程(イオン交換クロマ
トグラフィー、脱塩等)での着色や褐変を防止できる。
ン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキトサン
オリゴ糖アルコール体を分画する工程 本工程は、前記キトサンオリゴ糖の製造方法で説明した
方法と同様の方法で行なうことができる。すなわち、還
元処理したキトサン加水分解物を、例えば、上記の強酸
性イオン交換樹脂を充填したカラムに展開し、0〜5.
5Nの塩酸で濃度勾配溶出することにより、重合度の小
さいキトサンオリゴ糖アルコール体から順に溶出され、
重合度別にキトサンオリゴ糖アルコール体を分画するこ
とができる。なお、各キトサンオリゴ糖アルコール体画
分に含まれる塩酸はエバポレーションして除去、又はア
ルカリで中和しておくことが好ましい。
水分解してアルカリで中和したキトサン加水分解物を還
元処理した場合や、キトサン加水分解物に含まれるキト
サンオリゴ糖ミクスチャーに対して、その10質量%以
上の還元剤(水素化ホウ素ナトリウム)を用いて還元処
理を行なった場合など、キトサン加水分解物の還元処理
物が大量の塩類を含む場合は、キトサン加水分解物の還
元処理物に含まれる塩類が固形分当たり10質量%未
満、より好ましくは5.0質量%以下になるまで予め脱
塩してからイオン交換クロマトグラフィーに供すること
が好ましい。これにより、イオン交換クロマトグラフィ
ーの分離能を向上することができる。特に、還元剤とし
て水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合に生じるホウ酸
ナトリウムが大量に含まれる場合、その溶出ピークがキ
トビイトールの溶出ピークと重なるため、できる限り除
去しておくことが好ましい。
が、電気透析法による脱塩は効率が悪く非常に時間がか
かるため、前記と同様にNaCl阻止率が55.0〜9
9.5%のRO膜を用いて行なうことが好ましい。
り分画した各キトサンオリゴ糖アルコール体画分に含ま
れる塩酸をアルカリで中和した場合、後述する活性炭処
理の前あるいは後に前記と同様にRO膜を用いて脱塩す
ることが好ましい。
体画分をそれぞれ活性炭処理して部分アセチル化キトオ
リゴ糖アルコール体を除去する工程 前記工程で得られる各キトサンオリゴ糖アルコール体画
分には、部分アセチル化キトオリゴ糖に由来する不純
物、すなわち部分アセチル化キトオリゴ糖アルコール体
が含まれている。この部分アセチル化キトオリゴ糖アル
コール体は、各画分に含まれるキトサンオリゴ糖アルコ
ール体と1分子中のアミノ基数が同一であり、分子量も
ほとんど同一であるため、イオン交換クロマトグラフィ
ーやゲル濾過クロマトグラフィーで分離除去することは
困難であるが、活性炭処理することにより、効率よく除
去することができる。
造方法で説明した方法と同様の方法で行なうことができ
る。例えば、各キトサンオリゴ糖アルコール体画分に活
性炭を加えて撹拌することにより活性炭処理を行なう場
合は、各キトサンオリゴ糖アルコール体画分に含まれる
オリゴ糖アルコール体(キトサンオリゴ糖アルコール体
及び部分アセチル化キトオリゴ糖アルコール体をいう。
以下同じ。)の質量に対して、50〜200%、より好
ましくは50〜100%の活性炭を加えて、10〜60
℃で0.5〜48時間撹拌した後、濾過して濾液を回収
すればよい。
製造方法によれば、製造過程におけるキトサンオリゴ糖
の着色を防止できると共に部分アセチル化キトオリゴ糖
アルコール体を簡単な操作で除去することができ、従来
に比べてより高純度のキトサンオリゴ糖アルコール体を
効率よく得ることができる。
サンオリゴ糖及びキトサンオリゴ糖アルコール体は遊離
体であっても塩を形成していてもよい。塩としては、例
えば塩酸塩、乳酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、ア
スコルビン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、アジピン酸
塩、グルコン酸塩、酒石酸塩等が挙げられるが、特に最
終製品の塩形態を限定するものではない。また、最終製
品の形態は、特に制限されず、必要に応じて溶液、ペー
スト、粉末等を選択できる。
する。 実施例1(キトサンオリゴ糖の製造) 脱アセチル化度(以下DACと略す。)88.5%のキ
トサン200gを、濃塩酸2Lを用いて80℃で1時間
加水分解した後、反応液を冷却し、蒸留水2Lを加え、
不溶物をブフナー濾過器で除去した。得られた濾液をエ
バポレーターで減圧濃縮乾固して塩酸を除去し、キトサ
ン加水分解物96gを得た。
して、イオン交換クロマトグラフィーに供し、キトサン
オリゴ糖を分画した。具体的には、上記キトサン加水分
解物の水溶液をイオン交換樹脂(商品名「Dowex 50W×
4,H+ form,200-400 mesh」、ダウケミカルカンパニー
製、以下同じ。)を充填した25L容カラムに通して、
キトサンオリゴ糖を吸着させた後、カラムの2倍容の脱
イオン水で洗浄した。その後、0〜4Nの塩酸による濃
度勾配溶出を行ない、2.5Lずつフラクションコレク
ターで分取し、キトサンオリゴ糖をニンヒドリン発色法
(570nm)で検出した。その分離クロマトグラムを
図1に示す。
物をイオン交換クロマトグラフィーに供することによ
り、グルコサミン、キトビオース、キトトリオース、キ
トテトラオースが重合度別に分画されていることが分か
る。
フラクションを回収して、減圧濃縮乾固して塩酸を除去
し、キトビオースに相当する画分を得た。
脱イオン水に溶解して、以下の条件でHPLC分析を行
なった(なお、以下の例において、キトサンオリゴ糖及
びキトサンオリゴ糖アルコール体の純度は、特に断りの
ない限り、この条件で測定した。)。
P-50 4E」(4.6mm ID×250mm L) 移動相:CH3CN/H2O/5M CH3COOK(vo
l)=70/30/0.25 温度:35℃ 流速:0.8mL/min 検出:示差屈折(RI)及び紫外部(210nm) その結果を図2に示す。図2に示されるように、RIで
検出されたメインピークは、標準品の溶出時間(R.T.
=7.4分)と一致することからキトビオースと判断し
た。しかしながら、R.T.が13.5分の付近に認めら
れるピークは、アセチル基に由来するUV(210n
m)吸収を持っていることから、部分アセチル化キトオ
リゴ糖であると判断した。この部分アセチル化キトオリ
ゴ糖は、原料キトサンに残存していたアセチル基が原因
で生成したものである。
分の一部を脱イオン水に溶解して、オリゴ糖に対して質
量比で50%の活性炭(商品名「タケコール50W
R」、武田薬品工業製、以下同じ。)を添加して1時間
撹拌した後、活性炭を除去して得られた濾液について、
上記と同様の条件でHPLC分析した。その結果を図3
に示す。
とにより、部分アセチル化キトオリゴ糖が選択的に除去
されていることが分かる。この活性炭処理により、キト
ビオースの純度を99%以上に精製することができた
(活性炭処理前の純度は67%)。なお、活性炭処理前
後におけるキトビオースの回収率は92.8%であっ
た。
交換カラムクロマトグラフィーに供し、キトサンオリゴ
糖を重合度別に分離した。そして、キトトリオースに相
当する画分を回収し、1N NaOH水溶液でpH5.
5に調整して、中和液40L(キトトリオース350
g、NaCl 5.3kg含有)を得た。
処理した後、RO膜を用いて脱塩を行なった。具体的に
は、RO膜装置(商品名「メンブレンマスター RUW-
7」、日東電工株式会社製)に、塩阻止率93%のRO
膜モジュール(商品名「NTR-729HG(2インチ)」、日
東電工株式会社製)を1本セットして、操作圧力2.0
MPa、循環流量6.0L/min、温度18℃の条件
下で、原液タンクに透過液量と同量の水を加えながら原
液(濃縮液)量を一定に保持するダイアフィルトレーシ
ョン方式で脱塩を行なった。
で脱塩を終了し、pH調整後、凍結乾燥してキトトリオ
ース塩酸塩の粉末(純度99.7%)を得た。この粉末
の灰分(NaClが主成分)を分析したところ0.05
質量%であった。
aCl 5.3kg含有)を調製して活性炭処理を行な
った。その一部(5L)を「セレミオン電気透析装置DS
-0」(商品名、旭硝子株式会社製)を用いて脱塩した。
なお、イオン交換膜として「AMV」及び「CMV」(商品
名、旭硝子株式会社製)をそれぞれ20枚用い、循環流
量3.5L/min、電圧15Vに設定した。
た時点で電気透析を終了し、pH調整後、凍結乾燥して
キトトリオース塩酸塩の粉末(純度99.8%)を得
た。この粉末について灰分を分析したところ1.6質量
%であった。
り、キトサン加水分解物を効率よく脱塩できることが分
かる。また、RO膜で脱塩して得られたキトトリオース
塩酸塩は白色で着色が認められなかったのに対して、電
気透析膜で脱塩して得られたものは着色(淡黄色)が認
められた。
の製造) DAC 88.5%のキトサン200gを、実施例1と
同様の方法で加水分解し、減圧濃縮乾固してキトサン加
水分解物96gを得た。
して、1N NaOH水溶液でpH7.5に調整し、還
元剤としてNaBH4(関東化学株式会社製、以下同
じ。)を4.8g(キトサン加水分解物に含まれるキト
サンオリゴ糖ミクスチャーに対して5.0質量%の量)
添加して、室温、減圧下で6時間撹拌して還元処理を行
ない、1N HClでpH4.0に調整して反応を停止
した。
溶液)をイオン交換クロマトグラフィーに供し、キトサ
ンオリゴ糖アルコール体を分画した。具体的には、上記
還元処理物(水溶液)をイオン交換樹脂を充填した25
L容カラムに通して、キトサンオリゴ糖アルコール体を
吸着させた後、カラムの2倍容の脱イオン水で洗浄し
た。その後、0〜4Nの塩酸による濃度勾配溶出を行な
い、2.5Lずつフラクションコレクターで分取し、キ
トサンオリゴ糖アルコール体をニンヒドリン発色法(5
70nm)で検出した。
クションを回収し、エバポレーターで減圧濃縮乾固して
塩酸を除去した。この画分の一部を少量の脱イオン水に
溶解して、実施例1に記載した条件でHPLC分析を行
なった。その結果を図4に示す。
メインピークは標準品のR.T.(9.6分)と一致する
ため、キトトリイトールと判断した。しかしながら、
R.T.が14.8分と17.3分付近に認められるピー
クはアセチル基に由来するUV(210nm)吸収を持
っていることから、部分アセチル化キトオリゴ糖アルコ
ール体であると判断した。この部分アセチル化キトオリ
ゴ糖アルコール体は、原料キトサンを加水分解した際に
生じる部分アセチル化キトオリゴ糖に由来するものであ
る。
る画分の一部を脱イオン水に溶解して、オリゴ糖アルコ
ール体に対して質量比で50%の活性炭を添加して1時
間撹拌した後、活性炭を除去して得られた濾液につい
て、上記と同様の条件でHPLC分析を行なった。その
結果を図5に示す。
とにより部分アセチル化キトオリゴ糖アルコール体が選
択的に除去されていることが分かる。この活性炭処理に
より、キトトリイトールの純度を99%以上に精製する
ことができた(活性炭処理前の純度は62%)。なお、
活性炭処理前後におけるキトトリイトールの回収率は8
7.7%であった。
させて撹拌しながら酢酸を加えて溶解させた(pH5.
0)。この溶液に、キトサナーゼ(商品名「キトサナー
ゼ−RD」、ピアス株式会社製、以下同じ。)を40U
加え、55℃で24時間反応させた。酵素を失活させて
濾過して不溶物を除去した後、1N NaOH水溶液で
pH7.5に調整してキトサン加水分解物(水溶液)を
得た。
を用いて還元処理を行なった。具体的には、還元剤とし
てNaBH4を1.0g(キトサン加水分解物に含まれ
るキトサンオリゴ糖ミクスチャーに対して5.0質量%
の量)添加して、室温、減圧下で6時間撹拌して還元処
理を行ない、1N HClでpH4.0に調整して反応
を停止した。
溶液)をイオン交換クロマトグラフィーに供し、キトサ
ンオリゴ糖アルコール体を分画した。具体的には、上記
還元処理物(水溶液)をイオン交換樹脂を充填した1L
容カラムに通して、キトサンオリゴ糖アルコール体を吸
着させた後、カラムの2倍容の脱イオン水で洗浄した。
その後、0〜4Nの塩酸による濃度勾配溶出を行ない、
70mLずつフラクションコレクターで分取し、キトサ
ンオリゴ糖アルコール体をニンヒドリン発色法(570
nm)で検出した。
分を回収し、エバポレーターで減圧濃縮乾固して過剰な
塩酸を除去した後、脱イオン水を加えて溶解し、実施例
3と同様にして活性炭処理を行なった。そして、pH調
整後、凍結乾燥してキトテトライトール塩酸塩の粉末
(純度99.9%、以下サンプル1という)0.55g
を得た。
還元処理せずに上記と同様にイオン交換カラムに供して
分画して、キトテトラオースに相当する画分を回収し
た。エバポレーターで減圧濃縮乾固して過剰な塩酸を除
去した後、脱イオン水を加えて溶解し、オリゴ糖に対し
て5.0質量%の量のNaBH4を添加して、上記と同
様にして還元処理を行ない、1N HClでpH4.0
に調整して反応を停止した。
クロアシライザー」、旭化成株式会社)を用いて脱塩し
た。なお、イオン交換膜(カートリッジ膜)は「AC−
120−10」(商品名、旭化成株式会社製)を使用し
た。
調整して凍結乾燥してキトテトライトール塩酸塩の粉末
(純度99.9%、以下サンプル2という)0.50g
を得た。
なるように脱イオン水に溶解し、着色度(OD350n
mを指標)を測定したところ、サンプル1の着色度は
0.53、サンプル2の着色度は1.58であった。な
お、還元剤由来のホウ酸ナトリウム(NaBO2)をク
ルクミン法で定量したところ、サンプル1には検出され
なかったが、サンプル2には250ppmのホウ酸ナト
リウムが検出された。
元処理した後、イオン交換クロマトグラフィーに供し、
キトサンオリゴ糖アルコール体を分画することにより、
キトサンオリゴ糖の着色を防止できることが分かる。ま
た、電気透析では、ホウ酸ナトリウムを効率よく除去で
きないことが分かる。
Lを用いて80℃で1時間加水分解した後、反応液を冷
却し、200Lの蒸留水を加えて不溶物をフィルタープ
レス濾過機で除去した。得られた濾液を減圧濃縮乾固し
て塩酸を除去し、キトサン加水分解物13kgを得た。
えて溶解し、6N NaOHを用いてpH7.6に調整
した後、NaBH4を650g(キトサン加水分解物に
含まれるキトサンオリゴ糖ミクスチャーに対して5.0
質量%の量)を添加して室温、減圧下で6時間撹拌して
還元処理を行ない、1N HClでpH5.5に調整し
て反応を停止した。
溶液、130gオリゴ糖/L)の半分を用いてRO膜装
置で脱塩した。具体的には、キトサン加水分解物の還元
処理物(水溶液)50Lを、塩阻止率55%のRO膜モ
ジュール(商品名「SU-610(4インチ)」、東レ株式会
社製)を2本セットした装置(商品名「FVY-1002型」、
東レ株式会社製)の原液タンクに投入し、操作圧力0.
3MPa、循環流量10L/min、温度24℃の条件
下でダイアフィルトレーション方式で脱塩を行なった。
点で原液タンク内(濃縮液)からサンプリングして、キ
トサンオリゴ糖アルコール体をニンヒドリン法で定量
し、ホウ酸ナトリウムをクルクミン法で定量した。その
結果を表1に示す。
リゴ糖アルコール体に対するホウ酸ナトリウムの比率
(100×b/a)は6.5%から0.08%に減少している
ことが分かる。また、脱塩処理による溶液の着色は全く
起こらなかった。
還元処理物(水溶液)の一部(2.5L)をイオン交換
樹脂を充填した25L容カラムに通して、キトサンオリ
ゴ糖アルコール体を吸着させた後、カラムの2倍容の脱
イオン水で洗浄した。その後、0〜4Nの塩酸による濃
度勾配溶出を行ない、2.5Lずつフラクションコレク
ターで分取した。各フラクションに含まれるキトサンオ
リゴ糖アルコール体をニンヒドリン発色法(570n
m)で検出し、グルコサミニイトール、キトビイトー
ル、キトトリイトール、キトテトライトールの順に溶出
し、重合度別に分離していることを確認した。
回収し、減圧濃縮乾固して塩酸を除去し、粉末64gを
得た。この粉末を脱イオン水1Lに溶解し、活性炭32
gを加えて2時間撹拌した後、活性炭を除去した。得ら
れた濾液のpHを4.5に調整後、凍結乾燥して白色粉
末54.4gを得た(活性炭処理による回収率85
%)。この粉末を実施例1に記載した条件でHPLC分
析を行なったところ、キトビイトールの純度は100%
であった。
物(水溶液)の一部(5L)を「セレミオン電気透析装
置DS-0」(商品名、旭硝子株式会社製)を用いて脱塩を
行ない、上記と同様にしてキトサンオリゴ糖アルコール
体及びホウ酸ナトリウムを定量した。なお、イオン交換
膜として「AMV」及び「CMV」(商品名、旭硝子株式会社
製)をそれぞれ20枚用い、循環流量3.5L/mi
n、電圧15Vに設定した。その結果を表2に示す。
に対するホウ酸ナトリウムの比率(100×b/a)は180
分経過しても1.1%であることが分かる(ホウ酸ナト
リウムの84%を除去)。更に、300分まで脱塩処理
を継続しても電流値は0.3A以下にならず、これ以上
は脱塩できないものと判断した。また、溶液の着色が若
干認められた。
り、キトサン加水分解物の還元処理物を効率よく脱塩で
きることが分かる。
分散させて撹拌しながら酢酸を加えて溶解させた(pH
5.0)。この溶液に、キトサナーゼを4U加え、55
℃で24時間反応させた後、酵素を失活させて濾過して
不溶物を除去した後、pHを7.5に調整してキトサン
加水分解物(水溶液)を得た。
BH4を0.4g(キトサン加水分解物に含まれるキト
サンオリゴ糖ミクスチャーに対して10質量%の量)添
加して、室温、減圧下で6時間撹拌して還元処理を行な
い、1N HClでpH4.0に調整して反応を停止し
た。
(水溶液)の半分を、電気透析機(商品名「マイクロア
シライザー」、旭化成株式会社製)を用いて脱塩した。
なお、イオン交換膜(カートリッジ膜)は、商品名「AC
-120-10」(旭化成株式会社製)を用いた。
リウム)の含量は5質量%)をイオン交換クロマトグラ
フィーに供し、キトサンオリゴ糖アルコール体を分画し
た。具体的には、上記脱塩液をイオン交換樹脂を充填し
た100mL容カラムに通してキトサンオリゴ糖アルコ
ール体を吸着させた後、カラムの2倍容の脱イオン水で
洗浄した。その後、0〜4Nの塩酸による濃度勾配溶出
を行ない、10mLずつフラクションコレクターで分取
し、キトサンオリゴ糖アルコール体をニンヒドリン発色
法(570nm)で検出した。その分離クロマトグラム
を図6に示した。
は重合度別に分離されており、ホウ酸ナトリウムのピー
クは、キトビイトールのピークと完全に分離しているこ
とが分かる。
を回収し、減圧濃縮乾固して塩酸を除去し、粉末230
mgを得た。この粉末を脱イオン水100mLに溶解
し、活性炭230mgを加えて1時間撹拌した後、活性
炭を除去した。得られた濾液のpHを4.5に調整後、
凍結乾燥して、白色粉末214mgを得た(活性炭処理
による回収率93%)。この粉末を実施例1に記載した
条件でHPLC分析を行なったところ、キトトライトー
ルの純度は100%であった。
処理物(水溶液)を、脱塩を行なわずにそのままイオン
交換クロマトグラフィーに供し、キトサンオリゴ糖アル
コール体を分画した。その分離クロマトグラムを図7に
示した。なお、イオン交換クロマトグラフィーは上記と
同様にして行なった。
トリイトール、キトテトライトール相互の分離性が不良
であることが分かる。また、ホウ酸ナトリウムのピーク
の一部がキトビイトールのピークと重なっていることが
分かる。
元処理物に含まれる塩類が固形分当たり10質量%以上
の状態でイオン交換クロマトグラフィーを行なった場
合、各キトサンオリゴ糖アルコール体の分離性の低下や
ホウ酸ナトリウムの混入の問題が発生することが分か
る。
せて撹拌しながら酢酸を加えて溶解させた(pH5.
0)。この溶液に、キトサナーゼを15U加え、55℃
で24時間反応して酵素を失活させた後、濾過して不溶
物を除去し、キトサン加水分解物(水溶液)を得た。
NaOH水溶液でpH7.5に調整した後、3分割し
て、各々にNaBH4を1.0g、1.5g、及び2.
0g(キトサン加水分解物に含まれるキトサンオリゴ糖
ミクスチャーに対して、それぞれ10、15、及び20
質量%の量)加え、室温、減圧下で6時間撹拌して還元
処理を行ない、1N HClでpH4.0に調整して反
応を停止した。
トサン加水分解物の還元処理物に含まれる塩類は固形分
当たり1〜3質量%)、各々200mL容のイオン交換
カラムに供し、0〜4Nの塩酸による濃度勾配溶出を行
ない、キトペンタイトールに相当する画分を回収した。
エバポレーターで過剰な塩酸を除去後、活性炭処理し、
pH調整して凍結乾燥してキトペンタイトール塩酸塩の
粉末を、それぞれ42mg、46mg、及び40mg得
た。
ペンタオース)の含量をソモジーネルソン法により測定
した。その結果を表3に示す。
キトサンオリゴ糖ミクスチャーに対して20質量%以上
の量のNaBH4を用いることにより、99.9%以上
の還元率を達成できることが分かる。
を実施例1に記載した条件でHPLC分析を行なったと
ころ、純度100%であった。これは、HPLC法では
還元体と未還元体の分離できないためである。
オリゴ糖の製造方法によれば、キトサンの加水分解物を
イオン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキト
サンオリゴ糖を分画した後、活性炭処理をすることによ
り、イオン交換クロマトグラフィーで除去することが困
難な部分アセチル化キトオリゴ糖を効率よく除去するこ
とができ、高純度のキトサンオリゴ糖を効率よく調製す
ることができる。
ル体の製造方法によれば、キトサン加水分解物を還元処
理した後に、イオン交換クロマトグラフィーに供して重
合度別にキトサンオリゴ糖アルコール体を分画すること
により、製造過程におけるキトサンオリゴ糖の着色や褐
変を防止することができる。そして、イオン交換クロマ
トグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖アル
コール体を分画した後に、活性炭処理をすることによ
り、部分アセチル化キトオリゴ糖アルコール体を効率よ
く除去することができ、高純度のキトサンオリゴ糖アル
コール体を効率よく調製することができる。
ラフィーにより分画した結果を示す図である。
ラフィーにより分画して得られたキトビオース画分をH
PLC分析した結果を示す図である。
ラフィーにより分画して得られたキトビオース画分を活
性炭処理したものをHPLC分析した結果を示す図であ
る。
換クロマトグラフィーにより分画して得られたキトトリ
イトール画分をHPLC分析した結果を示す図である。
換クロマトグラフィーにより分画して得られたキトトリ
イトール画分を活性炭処理したものをHPLC分析した
結果を示す図である。
からイオン交換クロマトグラフィーにより分画した結果
を示す図である。
にイオン交換クロマトグラフィーにより分画した結果を
示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 キトサンを加水分解する工程と、キトサ
ン加水分解物をイオン交換クロマトグラフィーに供して
重合度別にキトサンオリゴ糖を分画する工程と、分画し
た各キトサンオリゴ糖画分を活性炭処理して部分アセチ
ル化キトオリゴ糖を除去する工程とを含むことを特徴と
するキトサンオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項2】 前記キトサン加水分解物に含まれる塩類
が固形分当たり10質量%未満になるまで脱塩した後、
イオン交換クロマトグラフィーを行なう、請求項1に記
載のキトサンオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項3】 キトサン加水分解物をイオン交換クロマ
トグラフィーに供して重合度別にキトサンオリゴ糖を分
画した後、各キトサンオリゴ糖画分を脱塩する、請求項
1又は2に記載のキトサンオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項4】 前記脱塩を、NaCl阻止率が55.0
〜99.5%の逆浸透膜を用いて行なう、請求項2又は
3に記載のキトサンオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項5】 キトサンを加水分解する工程と、キトサ
ン加水分解物を還元処理する工程と、還元処理したキト
サン加水分解物をイオン交換クロマトグラフィーに供し
て重合度別にキトサンオリゴ糖アルコール体を分画する
工程と、分画した各キトサンオリゴ糖アルコール体画分
を活性炭処理して部分アセチル化キトオリゴ糖アルコー
ル体を除去する工程とを含むことを特徴とするキトサン
オリゴ糖アルコール体の製造方法。 - 【請求項6】 前記還元処理を、キトサン加水分解物に
含まれるキトサンオリゴ糖ミクスチャーに対して、その
20質量%以上の水素化ホウ素ナトリウムを用いて行な
う、請求項5に記載のキトサンオリゴ糖アルコール体の
製造方法。 - 【請求項7】 前記還元処理したキトサン加水分解物に
含まれる塩類が固形分当たり10質量%未満になるまで
脱塩した後、イオン交換クロマトグラフィーを行なう、
請求項5又は6に記載のキトサンオリゴ糖アルコール体
の製造方法。 - 【請求項8】 還元処理したキトサン加水分解物をイオ
ン交換クロマトグラフィーに供して重合度別にキトサン
オリゴ糖アルコール体を分画した後、各キトサンオリゴ
糖アルコール体画分を脱塩する、請求項5〜7のいずれ
か一つに記載のキトサンオリゴ糖アルコール体の製造方
法。 - 【請求項9】 前記脱塩を、NaCl阻止率が55.0
〜99.5%の逆浸透膜を用いて行なう、請求項7又は
8に記載のキトサンオリゴ糖アルコール体の製造方法。
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- 2002-01-21 JP JP2002011845A patent/JP4209617B2/ja not_active Expired - Fee Related
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