JP2700424B2 - エイコサペンタエン酸類の包接化合物 - Google Patents

エイコサペンタエン酸類の包接化合物

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、有用な生理活性を有するエイコサペンタエ
ン酸類の包接化合物に関し、更に詳細には、エイコサペ
ンタエン酸、そのアルカリ金属塩及び低級アルキルエス
テルの包接化合物に関する。
(従来の技術及びその問題点) エイコサペンタエン酸(以下、EPAと記載する)は血
中コレステロール低下作用,抗血栓作用等のいわゆる動
脈硬化症の予防並びに治療において、その効果が認めら
れている有用なものである。しかしEPAは油状であり、
水溶性が低くまた自動酸化を受け易い等、取扱いの非常
に厄介な物質である。特に、酸化についていえば、EPA
は数パーセントでも酸化を受けると、特有の臭気や有害
な過酸化脂質のため商品としての価値が失われてしま
う。このため、これまでにも分岐を有しないサイクロデ
キストリン(以下、非分岐CDと記載する)や乳化剤等の
可溶化剤を利用した安定化、粉末化,水溶性化が試みら
れてきた。
非分岐CDによるEPAの包接方法には、従来から混練法
及び飽和水溶液法が用いられており、特開昭58−13541,
昭60−34156が知られている。
混練法は水の存在下に非分岐CDとEPAを接触させるだ
けであり、包接化合物を得るためには最も簡単な方法で
あるが、この方法では酸化安定性の優れた包接粉末を得
ることは非常に難しい。
一方、飽和水溶液法により包接化合物を得る方法は、
非分岐CDとEPAを含水アルコール中に加熱撹拌溶解後、
5〜7時間かけてゆっくりと一定の速さで冷却しながら
包接化合物の結晶を生成させるので、比較的安定な包接
化合物を得ることができる。しかしこのためには、包接
化合物を生成させるために相当な時間を要するばかり
か、冷却速度が速すぎたり冷却ペースが一定に保てない
と酸化安定性の優れた包接粉末が得られにくい欠点があ
る。このようなわけで安定な包接化合物を得るために
は、冷却速度を厳格にコントロールする必要がある。更
に、加熱撹拌の際、50〜70%のアルコール水溶液を使用
するため、製造に際し防爆及び防火装置が必要となる。
しかも得られた包接化合物は飲食物として扱うことが多
いために、アルコールとしてエタノールを用いなければ
ならず、生産コストへの影響が大である。
その上、非分岐CDを用いて混練法又は飽和水溶液法で
得られた包接粉末は、水に殆ど溶解しないことから使用
の際制約を受けざるを得ない。
一方、EPAの水溶性を向上させる手段として乳化剤等
の可溶化剤を使用する方法があるが、このためには多量
の乳化剤を必要とする上にこの方法では酸化安定性を図
ることがまったく出来ない。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記問題点を解決すべく種々研究を重ねた
結果、EPAを分岐サイクロデキストリンで包接させるこ
とにより、従来より用いられている非分岐CDの包接化合
物には見られない、極めて安定性が高く且つ水溶性の包
接化合物が簡単な方法で得られることを見出し本発明を
完成した。
本発明はEPA、そのアルカリ金属及びその低級アルキ
ルエステル(以下、エイコサペンタエン酸類と記載す
る)を分岐CDで包接してなる包接化合物である。
エイコサペンタエン酸類としては、EPA、EPAナトリウ
ム、EPAカリウム等のEPAのアルカリ金属塩、EPAメチル
エステル、EPAエチルエステル、EPAプロピルエステル等
のEPAの低級アルキルエステルを使用することができ
る。
本発明で使用される分岐CDは、α−CD,β−CD,γ−CD
等のCDに、グルコース,マルトース,マルトトリオース
等の小糖類が1分子又は2分子α−1,6結合したもので
あり、グルコース分子が1個結合したものをグルコシル
CD(以下、G1−CDと記載する)、2個結合したものをジ
グルコシルCD(以下、G1・G1−CDと記載する)、同様に
マルトース分子が1個結合したものをマルトシルCD(以
下G2−CDと記載する)、2個結合したものをジマルトシ
ルCD(以下、G2・G2−CDと記載する)と称する。本発明
では、好ましい分岐CDとしてG1−β−CD、G2−β−CD等
の分岐β−CDを挙げることができる。また、分岐CDは、
2種以上の混合物としても使用することが出来る。
本発明の包接化合物は、分岐CDとエイコサペンタエン
酸類とを水の存在下に接触させ、EPA類と分岐CDとの包
接化合物を生成せしめ、所望によりこの包接化合物を乾
燥,粉末化することにより製造される。接触は、通常、
分岐CDの水溶液にエイコサペンタエン酸類を添加し、ホ
モジナイザー等の撹拌装置で数分〜数十分撹拌すること
により行われる。
エイコサペンタエン酸類の1分子は通常1分子の分岐
CDと包接化合物をつくる。したがって本発明ではエイコ
サペンタエン酸類1モルに対し、通常0.1〜10倍モル、
好ましくは、ほぼ等モルの分岐CDが使用される。
得られた包接化合物は、通常そのまま乾燥し粉末化す
ることでエイコサペンタエン酸類の包接化合物含有粉末
にすることが出来る。
また、本発明のエイコサペンタエン酸類の包接化合物
(粉末)は、所望により、澱粉,ブドウ糖,乳糖,ガム
質,セルロース等の添加剤を加えて加工することも出来
る。
(実施例) 次に、参考例及び実施例を示し本発明を更に詳細に説
明する。
参考例及び実施例中のEPA含量は次ぎのようにして測
定した。即ち、試料を適量の50%エタノール水溶液に溶
解後内部標準物質のメタノール溶液を一定量添加する。
次に塩化メチレンにてEPA及び内部標準物質を抽出し、3
5℃以下で塩化メチレンを減圧留去後、ホウフッ化メタ
ノール錯体でメチル化を行い、ガスクロマトグラフィー
(島津GC−14A,クロマトパックC−R4A)により定量し
た。内部標準物質にはα−リノレン酸を使用した。
(ガスクロ条件) カラム=DEGS,キャリヤーガス=窒素ガス,流量=40ml/
分,検出器=FID,カラム温度=180℃ EPAメチルエステル含量の測定は、リノレン酸メチル
を内部標準として、同一のガスクロ条件で実施した。
参考例1(非分岐CD・EPA包接化合物の調製) (a)混練法A α−CD又はβ−CDの10%水溶液10ml(β−CDはスラリ
ー)にそれぞれ等モルのEPA(ナカライテスク製、純度9
9%)を添加してホモジナイザーにて10000rpm,10分間混
練後、生成した包接沈澱を遠心分離(遠沈)で集め、水
洗,遠沈を3回くりかえした後沈澱部をそのまま凍結乾
燥した。得量及びEPA含量は下記のとうりである。
得量(g) EPA含量(mg/g) α−CD 0.96 116 β−CD 0.97 178 (b)混練法B γ−CD 1gに水0.7mlを加えスラリーとした後にEPA 1g
を添加してメノウ製乳ばち上で30分間十分に混練した。
減圧乾燥器で乾燥後クロロホルムで洗浄を行いさらに減
圧乾燥して包接粉末を得た。得量は0.95g、EPA含量は79
mg/gであった。
(c)飽和水溶液法 α−CD又はβ−CDのそれぞれ1gにEPA0.2gを添加し、
これに60%メタノール80mlを加え撹拌下加温溶解する。
1時間還流した後、約5時間かけて5℃まで冷却する。
生成した沈澱をグラスフィルターにろ過して集め、60%
メタノールで3回洗浄後、減圧乾燥して包接粉末を得
た。
得量及びEPA含量を下記に示す。
得量(g) EPA含量(mg/g) α−CD 0.87 140 β−CD 0.85 120 実施例1(分岐CD・EPA包接化合物の調製) G1−α−CD,G1−β−CD,G2−β−CD及び分岐βミック
スCD(G2−β−CD63%G2・G2−β−CD31%含有)のそれ
ぞれ10%水溶液10mlに、分岐CDと等モルのEPAを添加
し、室温下ホモジナイザーにて10000rpmで10分間包接
後、0.45μmのミリポアフィルターで2回ろ過をくりか
えし(2回のろ過で完全にクリアーな溶液が得られ
る。)、ろ液を凍結乾燥しEPAの包接化合物の粉末を得
た。
得量及びEPA含量は下記のとうりである。
得量(g) EPA含量(mg/g) G1−α−CD 0.93 43 G1−β−CD 0.95 85 G2−β−CD 0.94 79 分岐βミックスCD 0.94 73 実施例2 10%分岐CD水溶液10mlに当モル量のEPAを加え、約300
0rpmで撹拌しながら0.1M水酸化ナトリウムを少量ずつ添
加してpHを弱アルカリ性(約9.5)とした後、10000rpm
で10分間ホモジナイズを行う。次いで0.45μmミリポア
フィルターにて2回ろ過を行い、ろ液を凍結乾燥してEP
Aナトリウムの包接化合物の粉末を得た。
EPA含量は、得られた粉末の一定量を水に溶解後、希
塩酸で弱酸性としてから塩化メチレン抽出を行い、塩化
メチレン相を水洗後35℃以下で減圧下に濃縮乾固し、以
下前記と同じ方法で定量した。得量及びEPA含量は下記
のとうりである。
得量(g) EPA含量(mg/g) G1−β−CD 0.98 148 G2−β−CD 0.96 142 実施例3 10%分岐CD水溶液10μmに当モル量のEPAメチルエス
テル(シグマ社製、純度99%)を加え、10000rpm,10分
間ホモジナイズする。0.45μmミリポアフィルターにて
2回ろ過後ろ液を凍結乾燥しEPAメチルエステルの包接
化合物の粉末を得た。
EPAメチルエステル含量は、得られた粉末の一定量を
水に溶解後塩化メチレン抽出を行い、定容後ガスクロマ
トグラフにて定量した。
得量及びEPAメチルエステル含量は下記のとうりであ
る。
得量 EPAメチルエステル含量 G1−β−CD 0.91(g) 39(mg/g) G2−β−CD 0.89 27 実施例4(安定性試験) 実施例1で調製した分岐CD・EPA包接化合物と、参考
例1の混練法で調製した非分岐CD・EPA包接化合物(対
照品)の37℃における保存安定性試験を実施した。
試料中のEPA含量を測定し、試験前の含量を100%とし
て経時的に残存率を求めた。
結果を表1に示す。
実施例5(安定性試験) 実施例1で調製した分岐CD・EPA包接化合物と、参考
例I(c)の飽和水溶液法で調製した非分岐CD・EPA包
接化合物(対照品)の37℃における保存安定性試験を実
施した。
試料中のEPA含量を測定し、試験前の含量を100%とし
て経時的に残存率を求めた。
結果を表2に示す。
実施例6(水溶性試験) 実施例1と調製した分岐CD・EPA包接化合物と、参考
例1(a)及び(b)で調製したα−CD,β−CD及びγ
−CDの包接化合物の水への溶解性を調べた。
溶解性の測定は、各試料0.1gを2mlの水に添加し、密
栓して10分間振とう機で振とう溶解後、0.45μmのミリ
ポアフィルターでろ過し、ろ液中に溶解したEPA量を定
量することにより行った。
結果を表3に示す。
(発明の効果) 本発明で得られたエイコサペンタエン酸類の包接化合
物は、従来から用いられている非分岐CDによる包接化合
物と比べて、安定性(実施例4及び5)及び水溶性(実
施例6)が極めて高い。
したがって、本発明化合物は医薬品として、EPA類含
有錠剤,散剤,粉剤及び注射剤として用いることが出来
る。さらには、粉ミルク等の栄養付与食品等への添加剤
として使用できる。更に、水溶性EPAとして広く研究用
試薬(例えば、培地添加剤)としての利用が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、EPAのG2−β−CD包接化合物の水溶液の紫外
線吸収スペクトルを示し、第2図は、同包接化合物のKB
rによる赤外線吸収スペクトルを示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エイコサペンタエン酸、そのアルカリ金属
    塩及びその低級アルキルエステルからなる群から選ばれ
    る少なくても1種の化合物を、分岐サイクロデキストリ
    ンで包接してなる包接化合物。
  2. 【請求項2】エイコサペンタエン酸を分岐サイクロデキ
    ストリンで包接してなる包接化合物。
  3. 【請求項3】包接化合物が粉末状である請求項1又は2
    記載の包接化合物。
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