JPH05247102A - γ−サイクロデキストリンの包接化合物及びγ−サイクロデキストリンの分離精製法 - Google Patents

γ−サイクロデキストリンの包接化合物及びγ−サイクロデキストリンの分離精製法

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JPH05247102A
JPH05247102A JP4052291A JP4052291A JPH05247102A JP H05247102 A JPH05247102 A JP H05247102A JP 4052291 A JP4052291 A JP 4052291A JP 4052291 A JP4052291 A JP 4052291A JP H05247102 A JPH05247102 A JP H05247102A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種サイクロデキストリンの混合物から高純
度γ−サイクロデキストリンを容易に分離精製する。 【構成】 各種サイクロデキストリンの混合物とポリメ
チルビニールエーテルとを水の存在下に混合し、不溶性
のγ−サイクロデキストリンの包接化合物を生成させ、
次いで該包接化合物から溶剤抽出等の方法により該ポリ
メチルビニールエーテルを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なγ−サイクロデ
キストリン包接化合物に関する。更に、本発明は、γ−
サイクロデキストリンを含有する各種サイクロデキスト
リン混合物からγ−サイクロデキストリンを効率的に分
離精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サイクロデキストリン類(以下、CD類
と略称する。)は、澱粉にバチルスマセランス菌やバチ
ルスステアロサーモフィラス菌が生産するサイクロデキ
ストリングルカノトランスフェラーゼ(以下、CGTa
seと略称する。)が作用して生成されることは古くか
ら知られている。
【0003】この生成CD類には、8個のグルコースが
環状に結合したγ−サイクロデキストリン(以下、γ−
CDと略称する。)が、6個のグルコースが環状にα−
1−4結合したα−サイクロデキストリン(以下、α−
CDと略称する。)、7個のグルコースが環状に結合し
たβ−サイクロデキストリン(以下、β−CDと略称す
る。)等と共に含まれる。
【0004】また、アミロペクチンの多いモチトウモロ
コシや分岐デキストリンにCGTaseを作用させると
分岐サイクロデキストリン類が生成されると共に上記の
ような通常の非分岐CD類も生成される。
【0005】これらのCD類は一般に各種物質を包接す
る性質があるが、CD(ホスト)の種類により取り込ま
れる物質(ゲスト)の選択性が有り、CDの空洞の大き
さとゲスト分子の立体的大きさが適合した時に安定化
し、包接され易いと考えられている。
【0006】CD類は、水難溶性物質の可溶化機能、不
安定物質の安定化機能、揮発性物質の揮発防止機能、異
臭マスキング機能、化学反応触媒機能等を発揮するが、
これらの機能は、CD類の立体的空洞の中に親油性物質
が包み込まれる包接作用と関連していると考えられてい
る。このようなことから、目的とする発現機能によって
は、各種CD類が互いに機能を阻害し合う場合も多い。
このような場合、高純度のCD単体を使用するのが理想
的である。
【0007】γ−CDは、例えば、医薬関連用途として
は、薬剤の保有安定化、可溶化、体内吸収促進、潮解性
の防止や、油脂基剤の粉末化等に有用であり、化粧品関
連用途としては、薬剤の可溶化、皮膚への浸透促進や刺
激の抑制、香料の安定化、油脂基剤の粉末化等に有用で
ある。しかるに、かかる機能をより効果的に発揮させる
ためには、上述したところにより、γ−CDが高純度を
有することが望ましいことは当然である。
【0008】ところで、上述のような澱粉にCGTas
eを反応させて得られる反応混合物中には、上記のよう
な種々のCD類や非環状デキストリンが含有されてお
り、この中からγ−CDのみを分離することは、γ−C
Dが水への溶解性が著しく高く結晶し難い物質であるた
め非常に困難で、更に溶剤等を使用して純度を上げるの
に高コストを要していた。
【0009】これまでに知られている上記のような反応
混合物からのCD類の代表的分離法として、次ぎのよう
な方法がある。
【0010】(1)糖液にアセトン等の有機溶媒を加え
てCD類を沈澱させる方法(特公昭52-8385号公報参
照)。
【0011】(2)陰イオン交換樹脂を用いて精製する
方法(特公昭 46-9223号公報参照)。
【0012】(3)多孔性ポリマーからなる疎水性の合
成吸着樹脂を用いる方法(特開昭56-805号公報参照)。
【0013】(4)強酸性イオン交換樹脂のアルカリ金
属塩で分画する方法(特開昭57-30702号公報参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の方法(1)、(2)、(3)及び(4)は、CD類を
他のオリゴ糖やデキストリン等から分離する場合にはあ
る程度効果的であるが、これらの方法はγ−CDだけを
工業的に高純度で分離する目的には高コストとなり使用
することができないものである。
【0015】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
し、各種CD類混合物から高純度γ−CDを容易に分離
精製することができる方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、例えば、上記のγ−CD分離精製
法における最終製品たるγ−CDの中間体としてのγ−
CDの包接化合物を提供することをも目的とする。
【0016】
【問題点を解決する手段】本発明者等は、上述のような
当業界の実状に鑑みて、効率良く実用的なγ−CDの分
離法を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリメチルビ
ニールエーテルがγ−CDとのみ選択的に包接すること
を見出した。
【0017】即ち、本発明者等は、CD類の包接作用に
関する研究が殆ど低分子化合物との相互作用に限られて
いることに鑑みて、種々の水溶性ポリマーとCD類との
相互作用について検討した。表1は、各水溶性ポリマー
の20mgをγ−CD飽和水溶液1mlに加え、約25℃で10分
間攪拌反応させた場合のポリマーとγ−CDの包接化合
物の収率を列挙したものである。
【0018】
【表1】 ポリマー (平均分子量) 収率(%) ポリビニルアルコール(重合度:5百) 0 ポリビニルアルコール(重合度:2千) 0 ポリアクリルアミド (1万) 0 ポリビニルピロリドン (1万) 0 ポリエチレングリコール (1千) 0 ポリメチルビニールエーテル* 72 *〔東京化成工業(株)製〕
【0019】更に、表1におけると同様の実験の結果、
γ−CD以外のCD類(分岐CD類も含む。)を含むオ
リゴ糖や多糖類、及び単糖類はポリメチルビニールエー
テルと包接化合物等の錯体を形成しないことが分かっ
た。
【0020】本発明は、上記の知見に基いて完成された
ものである。
【0021】即ち、本発明は、包接格子を構成するγ−
サイクロデキストリン分子にポリメチルビニールエーテ
ル分子が包接されているγ−サイクロデキストリンの包
接化合物を提供するものである。
【0022】更に、本発明は、γ−サイクロデキストリ
ンを含有する各種サイクロデキストリンの混合物とポリ
メチルビニールエーテルとを混合し不溶性のγ−サイク
ロデキストリン包接化合物を生成させ、次いで前記γ−
サイクロデキストリン包接化合物からポリメチルビニー
ルエーテルを除去することを特徴とするγ−サイクロデ
キストリンの分離精製法を提供するものである。
【0023】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に使用されるポリメチルビニールエーテルとしては、東
京化成工業(株)製のもの、BASF社製のLutonal M4
0 (商品名)等が市販されており、前者は30%の水溶液
かメタノール溶液の形で入手することができ、後者はソ
ルベント・フリー、50%水溶液、70%エタノール溶液、
70%トルエン溶液の形で入手できる。
【0024】ポリメチルビニールエーテル〔東京化成工
業(株)製〕15mgをγ−CD飽和水溶液1mlに加え、約
25℃で10分間攪拌反応すると、ポリメチルビニールエー
テルとγ−CDの包接化合物が生成した。このときの該
包接化合物の収率は72%であった。
【0025】なお、γ−CDがポリメチルビニールエー
テルとの包接化合物を形成していることを確認するため
に、熱重量測定器TGA−50(島津製作所製)を使用
して、熱重量分析を行った。
【0026】図3は、γ−CD(サンプル量:7.346mg)
の熱重量分析の結果を示すもので、図中、曲線1は温度
曲線(昇温連度:約10℃/分)であり、曲線2はサンプ
ルの重量曲線で温度の上昇と共にサンプル重量が減少し
ていく様子を示し、曲線3はサンプル重量減少の微分曲
線〔単位時間当りの重量減少量(mg/分) 〕である。図
3の横軸は時間を表し、単位は分(min)である。図3の
右側縦軸は温度を表し、50℃毎に1目盛が付されてい
る。図3の左側縦軸はサンプル重量(mg)及び単位時間当
りのサンプル重量減少量(mg/分) を表し、サンプル重量
の場合は0.7mg 毎に1目盛が付されている勘定となり、
単位時間当りの重量減少量の場合は、0.5mg/分毎に1目
盛が付されている勘定となる。
【0027】図3より、γ−CDの熱分解温度(急激な
重量減少の終了点における温度とする。)が 323.8℃で
あることがわかる。
【0028】図4は、上記のγ−CDとポリメチルビニ
ールエーテルとの包接化反応物(サンプル量:3.774mg)
の熱重量分析の結果を示すもので、図中、曲線4は温度
曲線(昇温連度:約10℃/分)であり、曲線5はサンプ
ルの重量曲線であり、曲線6はサンプル重量減少の微分
曲線〔単位時間当りの重量減少量(mg/分)〕である。
図4の横軸は時間を表し、単位は分(min) である。図4
の右側縦軸は温度を表し、50℃毎に1目盛が付されてい
る。図4の左側縦軸はサンプル重量パーセント及び単位
時間当りのサンプル重量減少量(mg/分) を表し、サンプ
ル重量パーセントの場合は11%毎に1目盛が付されてい
る勘定となり、単位時間当りのサンプル重量減少量の場
合は、0.3mg/分毎に1目盛が付されている勘定となる。
【0029】図4からγ−CDとポリメチルビニールエ
ーテルとの包接化反応物の熱分解温度は、338.6 ℃であ
り、確かに上記の反応により包接化合物が形成されたこ
とが分かる。
【0030】包接化合物形成の定量的な検討の結果、ポ
リメチルビニールエーテルの2モノマー単位に対して1
分子のγ−CDが結合していることが分かった。これ
は、 1H−NMRスペクトルによっても確認された。ま
た、2モノマー単位のメチルビニールエーテルの長さ
が、γ−CDの空洞の長さに相当することも分かって
る。図1は、この結果から推定したポリメチルビニール
エーテルとγ−CDとの包接化合物の構造のモデル図で
ある。図1において、斜線が施されている部分がγ−C
Dの断面と考えればよい。
【0031】図2は、東京化成工業(株)製のメチルビ
ニールエーテルとγ−CDとの包接化合物の粉末X線回
折パターンを示す線図である。図2において、横座標の
θは回折角を表わすものであり、縦座標のCPSは反射
強度(カウント/秒)を表わすものである。図2より、
この包接化合物は結晶性であり、チャンネル型構造を形
成していると思われる。
【0032】次ぎに、本発明のγ−CDの分離精製法を
詳しく説明する。本方法は、例えば、各種のCD類、更
には非環状デキストリン等を含有する糖液とポリメチル
ビニールエーテルとを接触混合させて、γ−CDとポリ
メチルビニールエーテルとの不溶性の包接化合物の沈澱
を生成させ、次いで、この沈澱を混合物から固液分離
し、後述する操作によりポリメチルビニールエーテルを
遊離させ、γ−CDを分離する方法である。
【0033】上記のような糖液とポリメチルビニールエ
ーテルとの混合比は、通常、γ−CD1モルに対しメチ
ルビニールエーテルユニットとして2モル以上となるよ
うにすればよく、ポリメチルビニールエーテルを必要以
上に多量に使用することはコスト的に高くつき好ましく
無い。
【0034】固液分離は、濾過、遠心分離、限外濾過膜
等を使用した膜分離などの一般的な分離手段により行う
ことができる。
【0035】γ−CDがポリメチルビニールエーテルと
包接化合物を生成する速度は、極めて速く、反応時間は
数分で充分である。
【0036】次ぎに、ポリメチルビニールエーテルとγ
−CDとの包接化合物からポリメチルビニールエーテル
を遊離除去する操作について説明する。
【0037】反応混合物から分離、洗浄した包接化合物
の沈澱を、必要に応じて乾燥した後、適当な有機溶剤を
加え、攪拌すると、ポリメチルビニールエーテルは包接
化合物から遊離されて溶剤中に溶け込んでいき、γ−C
Dは沈澱のまま残る。この懸濁物から、濾過、遠心分
離、限外濾過膜等を使用した膜分離などの一般的な固液
分離手段により、ポリメチルビニールエーテルを含有す
る溶剤を除去すると、γ−CDの結晶が得られる。
【0038】上記の有機溶剤の具体例としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール
類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類を挙げる
ことができる。
【0039】また、他の方法として、包接化合物の沈澱
を水中に懸濁し、70℃以上の温度に加熱すると、包接力
が弱まりポリメチルビニールエーテルが遊離して行き、
ポリメチルビニールエーテルとγ−CDの両者は水中に
溶解するので、得られる水溶液を、例えば、カラムクロ
マトグラフィーに比較的高温で掛けるか、濃縮後熱濾過
して両者を分離することもできる。
【0040】更に別の方法として、包接化合物の沈澱を
水中に懸濁し、安息香酸、フェノール、その他のポリメ
チルビニールエーテルよりγ−CDとの包接力の大きい
物質を加えると、かかる物質がγ−CDに包接されてい
るポリメチルビニールエーテルと置換して包接され、ポ
リメチルビニールエーテルは遊離してくる。ポリメチル
ビニールエーテルと新たな包接化合物は水中に溶解する
ことが多いので、その場合、得られる水溶液を、例えば
カラムクロマトグラフィーに掛けるか、濃縮後濾過し
て、両者を分離することもできる。この新たな包接化合
物が有用な用途を有するものであれば、これから更にγ
−CDを分離精製する必要は無く、合理的である。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明が実施例に限定されるものでないことは言
うまでも無い。
【0042】実施例1 10重量%のCD混合物(組成は、α−CD30重量%、β
−CD15重量%、γ−CD5重量%、デキストリン50重
量%)を含む水溶液100m1に30重量%のポリメチルビニ
ールエーテル〔東京化成工業(株)製〕を含む水溶液を
加え、常温で30分間攪拌混合し、ポリメチルビニールエ
ーテルとγ−CDとの包接化合物を沈澱させた。
【0043】得られた懸濁液を孔径0.45μm の濾紙を用
いた濾過器で濾過し、上記包接化合物の沈澱を分離した
後、200ml の純水で洗浄した。
【0044】次いで、この沈澱物をビーカーに移し、9
9.5%エタノール100ml を加え、攪拌すると実質的にポ
リメチルビニールエーテルのみがエタノール中に溶け込
んで行き遊離するので、得られた懸濁液を濾過し、残渣
を99.5%エタノールで洗浄することにより、実質的に純
粋なγ−CDを得ることができた。
【0045】
【効果】本発明のγ−CDの包接化合物は、純粋なγ−
CDを調製するための中間体として使用できるものであ
り、γ−CDを含む各種サイクロデキストリンの混合物
とポリメチルビニールエーテルとを水の存在下に混合す
ることによって沈澱として容易に調製することができ
る。
【0046】本発明のγ−CDの分離精製法によれば、
上記のγ−CDの包接化合物を調製した後、容易にポリ
メチルビニールエーテルを該包接化合物から除去するこ
とができるので、高純度のγ−CDを安価に製造するこ
とができる。このようにして調製されたγ−CDは、ポ
リメチルビニールエーテルが毒性の低いものであるた
め、食品用、医薬用、化粧品用等に完全に使用できると
いう利点が有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリメチルビニールエーテルとγ−C
Dとの包接化合物の推定構造のモデル図であり、斜線部
のγ−CDの穴の中にメチルビニールエーテル単位が包
接された状態を示す。
【図2】ポリメチルビニールエーテルとγ−CDとの本
発明包接化合物の粉末X線回折パターンを示す線図であ
る。
【図3】γ−CDの熱重量分析の結果を示す線図であ
る。
【図4】ポリメチルビニールエーテルとγ−CDとの本
発明包接化合物の熱重量分析の結果を示す線図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】図3は、γ−CD(サンプル量:7.34
6mg)の熱重量分析の結果を示すもので、図中、曲線
1は温度曲線(昇温速度:約10℃/分)であり、曲線
2はサンプルの重量曲線で温度の上昇と共にサンプル重
量が減少していく様子を示し、曲線3はサンプル重量減
少の微分曲線(単位時間当りの重量減少量(mg/
分))である。図3の横軸は時間を表し、単位は分(m
in)である。図3の右側縦軸は温度を表し、50℃毎
に1目盛が付されている。図3の左側縦軸はサンプル重
量(mg)及び単位時間当りのサンプル重量減少量(m
g/分)を表し、サンプル重量の場合は0.7mg毎に
1目盛が付されている勘定となり、単位時間当りの重量
減少量の場合は、0.5mg/分毎に1目盛が付されて
いる勘定となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】図4は、上記のγ−CDとポリメチルビニ
ールエーテルとの包接化反応物(サンプル量:3.77
4mg)の熱重量分析の結果を示すもので、図中、曲線
4は温度曲線(昇温速度:約10℃/分)であり、曲線
5はサンプルの重量曲線であり、曲線6はサンプル重量
減少の微分曲線〔単位時間当りの重量減少量(mg/
分)〕である。図4の横軸は時間を表し、単位は分(m
in)である。図4の右側縦軸は温度を表し、50℃毎
に1目盛が付されている。図4の左側縦軸はサンプル重
量パーセント及び単位時間当りのサンプル重量減少量
(mg/分)を表し、サンプル重量パーセントの場合は
11%毎に1目盛が付されている勘定となり、単位時間
当りのサンプル重量減少量の場合は、0.3mg/分毎
に1目盛が付されている勘定となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】包接化合物形成の定量的な検討の結果、ポ
リメチルビニールエーテルの2モノマー単位に対して1
分子のγ−CDが結合していることが分かった。これ
は、H−NMRスペクトルによっても確認された。ま
た、2モノマー単位のメチルビニールエーテルの長さ
が、γ−CDの空洞の長さに相当することも分かってい
る。図1は、この結果から推定したポリメチルビニール
エーテルとγ−CDとの包接化合物の構造のモデル図で
ある。図1において、斜線が施されている部分がγ−C
Dの断面と考えればよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】本発明のγ−CDの分離精製法によれば、
上記のγ−CDの包接化合物を調製した後、容易にポリ
メチルビニールエーテルを該包接化合物から除去するこ
とができるので、高純度のγ−CDを安価に製造するこ
とができる。このようにして調製されたγ−CDは、ポ
リメチルビニールエーテルが毒性の低いものであるた
め、食品用、医薬用、化粧品用等に完全に使用できると
いう利点を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包接格子を構成するγ−サイクロデキス
    トリン分子にポリメチルビニールエーテル分子が包接さ
    れているγ−サイクロデキストリンの包接化合物。
  2. 【請求項2】 γ−サイクロデキストリンを含有する各
    種サイクロデキストリンの混合物とポリメチルビニール
    エーテルとを水の存在下に混合し不溶性のγ−サイクロ
    デキストリン包接化合物を生成させ、次いで前記γ−サ
    イクロデキストリン包接化合物から前記ポリメチルビニ
    ールエーテルを除去することを特徴とするγ−サイクロ
    デキストリンの分離精製法。
  3. 【請求項3】 前記γ−サイクロデキストリン包接化合
    物に有機溶剤を加えることにより、前記γ−サイクロデ
    キストリン包接化合物から前記ポリメチルビニールエー
    テルを除去することを特徴とする請求項2に記載のγ−
    サイクロデキストリンの分離精製法。
JP4052291A 1991-02-13 1991-02-13 γ−サイクロデキストリンの包接化合物及びγ−サイクロデキストリンの分離精製法 Expired - Lifetime JP2798514B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273963A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Ezaki Glico Co Ltd 分画された高重合度環状グルカンの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006273963A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Ezaki Glico Co Ltd 分画された高重合度環状グルカンの製造方法

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