JP4655505B2 - 架橋生分解性粒子およびその製造方法 - Google Patents

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東レ株式会社
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Description

本発明は、3次元架橋された生分解性粒子とその製造方法およびその用途、とりわけ生体内において血管を塞ぎ、血流の閉塞に使用する塞栓形成材料用途に関する。

さらに具体的には、分岐を有するポリエチレングリコール誘導体の末端水酸基に生体内分解性高分子が化学的に結合した3次元コポリマー粒子により血管内部を塞ぎ、血流の閉塞に使用する塞栓形成材料であって、最終的に生体内で分解され、分解成分が代謝または体外へ排出可能な、生体内に残存しない血管塞栓材料に関する。

肝臓などの臓器の手術に伴う切開に先立って、出血を最小限にする目的で、塞栓材料を血管内に注入することにより、確実かつ迅速に止血することができる。また、出血防止の他に、切除不能な腫瘍に対し、止血により栄養を遮断する動脈塞栓術、さらには抗癌剤と血管塞栓材料とを組み合わせて投与して腫瘍内での抗癌剤濃度を高く維持する化学塞栓療法が有効な療法として知られている。このような出血時における血管の閉塞、血流制御、腫瘍への血液供給の遮断などを目的として、血管塞栓材料が使用されている。

カテーテルおよびその操作手法の発達により、適当な塞栓材料を塞栓しようとする部位へ選択的に正確に送り込むことが可能となった。このような血管内塞栓形成材料としては、ポリマー粒子、ポリマーゲル、金属コイルが知られている。

血管塞栓材料としては、これまでゼラチンスポンジ、ポリビニルアルコール、分解性デンプン粒子(DSM)、ヨウ化ケシ油、架橋コラーゲン繊維、エチルセルロースマイクロカプセル、シアノアクリレート、ステンレスコイルなどが用いられている。ポリマー粒子からなる塞栓材料は、造影剤などに分散させた状態で、生体内に配置されたマイクロカテーテルを介して、マイクロシリンジなどにより患部に向けて注入することにより導入することができる。このようなポリマー粒子の塞栓材料によれば、深部に位置する患部まで到達して塞栓を形成することができる。

しかしながら、ポリマー粒子からなる塞栓材料には以下のような問題点がある。
(1)形状が不定形で粒子径分布が広いため、血管の目的部位で塞栓できないことがある。
(2)カテーテル内で凝集あるいは高粘度化して、カテーテルを詰まらせることがある。
(3)患部に至る途中の正常な血管で凝集あるいは高粘度化して、患部に到達させることができないことがある。
(4)材質が硬く、血管の断面形状にフィットしないため、血流量を低下させるものの、完全に塞栓できない場合がある。
(5)ポリマーには造影性がないので、患部の塞栓状態および塞栓部位をX線透視下において確認することができない。
(6)さらに、生体内分解性塞栓形成材料としては、血液に接する箇所とそうでない箇所など、置かれた微小環境の違いにより同じ粒子であっても、また同じ種類の粒子であっても分解速度が大きく異なることがある。
とりわけカテーテル内での詰まりは深刻な問題であった。血管径よりもやや大きめの球状粒子で血管を塞栓できるのが理想的であるが、粒子を患部まで搬送するのに用いるマイクロカテーテルの内径は血管径よりも小さいために、粒子はカテーテル内で機械的に圧縮される。

また、カテーテルを使った塞栓療法だけでなく、シリンジや注射針を使った薬剤キャリアの投与でも、細孔を通過する際には大きな圧が発生し体内に入った変形キャリア粒子が凝集して血管を詰まらせるという問題が発生しうる。

従来技術として、生分解性のポリ乳酸またはポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマーからなる、特定の薬剤を含有する血管塞栓材料が開示されているが(特許文献1参照)、これとても基材ポリマーの疎水性が高く、上記の(1)〜(5)の問題があった。

一方、ポリエチレングリコール(以下、PEGと記載)と、ポリ乳酸(以下、PLAと記載)またはポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマー(以下PLGAと記載)からなるブロックコポリマーとして、PLA−PEG、PLA−PEG−PLA、PLGA−PEG−PLGAなどの基材ポリマーに薬剤を混合して徐放させるという医薬・製薬用途への適用が開示されている(特許文献2参照)。これらの公知の技術から調製される粒子は、PEGの導入によって親水化されているものの機械的な弾性が無いためにカテーテル入り口で詰まってカテーテル内に入らないか、カテーテルを通過できたとしても通過した粒子は変形して血管断面形状に合った塞栓ができなかった。

分解性デンプン粒子(DSM)は弾性のある生分解性粒子として転移性肝癌の塞栓治療に適用されているものの、デンプンは天然物であり分子量等のポリマーの品質を一定に保つのが難しく、また、体内の酵素で数十分以内に分解されてしまうために長時間の塞栓効果が得られない。
特開平5−969号公報 特公平5−17245号公報

合成ポリマーからなり、生体内分解性で、しかも機械的弾性を有する球状の3次元架橋粒子を提供し、例えば、シリンジ内やカテーテル内、目的外の血管内において凝集詰まりを起こすことなく目的部位を確実に閉塞することができ、塞栓部位や塞栓環境によらず特定の期間後に血流閉塞状態が解除され、材料が生体内で分解し、分解成分が代謝または体外へ排出可能な血管塞栓材料に適用できる架橋生分解性粒子を提供することにある。とりわけ、細いカテーテルを通過した後も元の形状を復元して血管サイズにあった塞栓ができる生分解性粒子を提供することにある。

本発明の目的は、以下の構成により達成される。
(1)水溶性合成ポリマーが化学架橋されてなることを特徴とする架橋生分解性粒子。
(2)水膨潤時の体積膨潤率が50〜700%であることを特徴とする(1)に記載の架橋生分解性粒子。
)水溶性合成ポリマーがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートおよびポリビニルピロリドンのうち少なくとも1種を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の架橋生分解性粒子。
)水溶性合成ポリマーが、多価アルコールの全ての水酸基にポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが結合した分岐ポリマーであることを特徴とする(1)〜()に記載の架橋生分解性粒子。
)多価アルコールがグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトールから選ばれることを特徴とする()に記載の架橋生分解性粒子。
)水溶性合成ポリマーが多価カルボン酸で架橋されていることを特徴とする(1)1〜()に記載の架橋生分解性粒子。
)多価カルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸から選ばれる少なくとも1種またはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチロラクトン、それらのブロック共重合体、それらのランダム共重合体から選ばれる少なくとも1種の生分解性ポリマーの末端水酸基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸であることを特徴とする()に記載の架橋生分解性粒子。
(8)生分解性ポリマーの末端水酸基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸が、無水コハク酸を用いて生分解性ポリマーの末端水酸基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸であることを特徴とする(7)に記載の架橋生分解性粒子。
(9)水溶性合成ポリマーの重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする(1)〜(8)に記載の架橋生分解性粒子。
(10)生分解性ポリマーの重量平均分子量が3000〜100000であることを特徴とする(7)または(8)に記載の架橋生分解性粒子。
(11)平均粒子径が20〜2000μmであることを特徴とする(1)〜(10)に記載の架橋生分解性粒子。
(12)粒子径分布が、平均粒子径±100μmであることを特徴とする(1)〜(11)に記載の架橋生分解性粒子。
(13)形状が37℃において球状粒子であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の架橋生分解性粒子。
(14)37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の80%以下であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の架橋生分解性粒子。
(15)生体内の管状の器官を塞栓するための粒子であることを特徴とする(14)記載の架橋生分解性粒子。
(16)血管を塞栓するための粒子であることを特徴とする(15)記載の架橋生分解性粒子。
(17)(1)〜(16)のいずれかに記載の架橋生分解性粒子を少なくとも含むことを特徴とする血管塞栓材料。



(18)水溶性合成ポリマーと多価カルボン酸誘導体を良溶媒に溶解した溶液を貧溶媒中に、撹拌下で滴下して液滴を作り、液滴中で架橋反応を行う架橋生分解性粒子の製造方法。

(19)多価カルボン酸誘導体がジカルボン酸誘導体であることを特徴とする(20)記載の架橋生分解性粒子の製造方法。

本発明の架橋生分解性粒子は、高い親水性と機械的弾性および生分解性を有する。したがって、特に、カテーテル、シリンジ、注射針などを通して体内に注入される医薬用キャリアや塞栓物質などの医療用デバイスとして有用であり、生分解性を有する生体内に残存しない材料として使用することができる。例えば医療用デバイスの一つである血管塞栓材料として利用した場合には、シリンジ内、カテーテル内や目的外の血管内において凝集詰まりを起こすことなく目的部位を確実に閉塞することができ、塞栓部位や塞栓環境によらず特定の期間後に血流閉塞状態が解除され、材料が生体内で分解し、分解成分が代謝または体外へ排出可能である。

本発明の粒子は、粒子の構成成分である水溶性合成ポリマーが分子間で化学架橋されていることが必須である。化学架橋とは化学結合によって結合されている状態であり、化学結合はエステル結合、チオエステル結合、アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ウレイド結合から自由に選択することができる。生分解性であり、加水分解しやすい、酵素分解しやすいという点でエステル結合、アミド結合、ウレイド結合が好ましく用いられる。

架橋するためには粒子を構成する水溶性合成ポリマーが分子中に反応性の官能基を少なくとも2つ以上有することが必須であり、反応性の官能基としてはカルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオール基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、グリシジル基、クロロカルボニル基、クロロフォルミル基が好ましく用いられる。エステル結合、アミド結合、ウレイド結合を形成する点で水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、クロロカルボニル基、クロロフォルミル基が特に好ましく用いられる。

本発明の水溶性合成ポリマーは、ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレングリコールをその成分とするブロック共重合体などであって、水溶性のものを指す。医薬・医療分野での実績があり、生体適合性も良く、エステル結合を形成できる水酸基を有しているという点で、水溶性合成ポリマーとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンが好ましく用いられる。粒子が3次元架橋構造をとるためには、水溶性合成ポリマーが多分岐していることが好ましく、多価アルコールにポリエチレングリコールなどの水溶性合成ポリマーが結合したポリマー、例えば”サンブライト”(日本油脂(株)製)が特に好ましく用いられる。

本発明に使用する水溶性合成ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、重量平均分子量200〜50000の範囲が好ましく使用できる。水溶性合成ポリマーの重量平均分子量が200以上であると、ブロックコポリマーの親水性が増し、均一な生分解性が得られる。一方、水溶性合成ポリマーの重量平均分子量が50000を以下であれば、生体内で分解したポリマーから生成する水溶性合成ポリマーが体外に排出されにくくなることもない。

本発明の水溶性合成ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(以下、ブロックBと記載する)と生分解性ポリマー(以下、ブロックAと記載する)が化学的に結合したコポリマーであってもよい。ポリエチレングリコールの両末端生分解性ポリマーが化学的に結合したコポリマー(A−B−A型ブロックコポリマー)またはポリエチレングリコールの片末端に生分解性ポリマー単位が化学的に結合したコポリマー(A−B型ブロックコポリマー)、ポリエチレングリコールと生分解性ポリマーが交互に結合した((A−B)n型マルチブッロクコポリマー)がさらに好ましい。また、ポリエチレングリコールの両末端に生分解性ポリマーが化学的に結合したコポリマーであってポリエチレングリコールの重量平均分子量が2000〜50000、コポリマーの重量平均分子量が3000〜100000であるコポリマー、またはポリエチレングリコールの片末端に生分解性ポリマーが化学的に結合したコポリマーであってポリエチレングリコールの重量平均分子量が2000〜50000、コポリマーの重量平均分子量が3000〜100000であるコポリマーが特に好ましい。

A−B−A型コポリマー、A−B型コポリマーの重量平均分子量が3000未満であるとコポリマーはゲル状で、血管内に送達時にカテーテルや血管に粘着し、血管内の狙った部位を塞栓することができない場合がある。一方、重量平均分子量が100000を越えると材料の生体内での分解にかかる時間が長くなり過ぎる。

水溶性合成ポリマーのゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による分子量測定は以下のように例示することができる。

[測定条件]
カラム:TSKゲルXLシリーズ(内径7.8mm×長さ30cm;東ソー社製)、溶離液:クロロホルム、カラム温度:35℃、流速:1.0ml/分、検出方法:屈折率、検量線:ポリスチレン標準サンプルを使用して作成
GPCによって測定された主ピークより算出される数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比、すなわちMw/Mnの比が2以下の分子量分布が狭いコポリマーであることが均一な生体内分解性発現の点から好ましい。

本発明の水溶性合成ポリマーにおいて、A−B−A型ブロックコポリマーの製造方法を例示する。ポリエチレングリコールは常法によりエチレンオキサイドを重合して合成するか、市販品を入手して得る。ポリエチレングリコールの平均分子量は特に限定されるものではないが、200〜50000が好ましい。平均分子量が特定されたポリエチレングリコールとして、”マクロゴール”の名前で市販されているものが好ましく使用される。ポリエチレングリコールを合成する場合、例えば、エチレンオキサイドの開環重合法により合成する場合には、合成したポリエチレングリコールの分子量分布が狭いことが好ましい。

次に、ポリエチレングリコール(ブロックB)と後述する生分解性ポリマー(ブロックA)の原料(例えば、乳酸、グリコール酸等の単量体またはラクチド、グリコリド等の環状二量体)の共重合を、後述する適当な触媒を用いて、例えば、溶融重合法、開環重合法によって行った後、生成したA−B−A型コポリマーを分別沈殿法で精製する。すなわち、ブロックAに相当する生分解性ポリマーとブロックBに相当するポリエチレングリコールの双方のポリマーが溶解する有機溶媒(以下、このような溶媒を良溶媒という)にA−B−A型コポリマーを溶解させ、この溶液を撹拌しながら、その中にブロックAに相当する生分解性ポリマーまたはブロックBに相当するポリエチレングリコールのいずれか一方は溶解するが、他方は溶解しない有機溶媒(以下、このような溶媒を貧溶媒という)を滴下し、精製した沈殿物を系外に取り出す操作を繰り返し、その分画を取り出す方法により、分子量分布の狭い共重合体、すなわち、Mw/Mnの比の値の小さなA−B−A型コポリマーを製造することができる。

貧溶媒を滴下し沈殿が生成した後の白濁物の温度を変化させて、一度沈殿物を溶解させた後に再び元の温度にゆっくりと戻して沈殿を生成させることにより、分別精度を上げることもできる。

前記溶融重合、開環重合は、乾燥空気あるいは乾燥窒素気流中、撹拌翼を備えた重合槽中に、原料である所定の平均分子量のポリエチレングリコールと生分解性ポリマー原料を投入し、加熱して混合物を触媒とともに撹拌することにより得られる。また、例えば、ベント付き二軸混練押出機またはそれに類似する撹拌および送り機能を有する装置を用いて、生分解性ポリマー原料および触媒を溶融状態で撹拌、混合、脱気しつつ、連続的にA−B−A型コポリマーを取り出すことにより重合を遂行することもできる。

生分解性ポリマー原料として、例えば、α−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸等)、α−ヒドロキシ酸の環状二量体(例えば、ラクチド、グリコリド等)およびヒドロキシジカルボン酸(例えば、リンゴ酸等)、環状エステルであるトリメチレンカーボネート、ε−カプロラクトン、1,4−ジオキサノン、1,4−ジオキセパン−7−オンから選択される1種または2種以上が使用される。上記α−ヒドロキシ酸の環状二量体の中では、ラクチド、グリコリドが好ましい。ヒドロキシジカルボン酸の中では、リンゴ酸が好ましい。生分解性ポリマー原料の2種以上を使用する場合には、乳酸(またはラクチド)とグリコール酸(またはグリコリド)の組み合わせが好ましく、乳酸とグリコール酸の比率は100:0〜60:40が好ましい。また、生分解性ポリマー原料の2種以上を使用する場合には、乳酸(またはラクチド)とε−カプロラクトンの組み合わせが好ましく、乳酸とε−カプロラクトンの比率は100:0〜40:60が好ましい。なお、上記の内、分子内に光学活性を有するものは、D−体、L−体、D,L−体のいずれであってもよい。

A−B−A型コポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)の両末端に乳酸またはラクチドを重合して得られるポリ乳酸−PEG−ポリ乳酸(ポリラクチド−PEG−ポリラクチド)、ポリ(乳酸/グリコール酸)−PEG−ポリ(乳酸/グリコール酸)(ポリ(ラクチド/グリコリド)−PEG−ポリ(ラクチド/グリコリド))、ポリ(乳酸/ε−カプロラクトン)−PEG−ポリ(乳酸/ε−カプロラクトン)が特に好ましい。

重合に使用する触媒としては、通常のポリエステルの重合に使用される触媒であれば特に限定されない。例えば、塩化スズ等のハロゲン化スズ、2−エチルヘキサン酸スズ等の有機酸スズ、ジエチル亜鉛、乳酸亜鉛、乳酸鉄、ジメチルアルミニウム、カルシウムハイドライド、ブチルリチウムやt−ブトキシカリウム等の有機アルカリ金属化合物、金属ポルフィリン錯体またはジエチルアルミニウムメトキシド等の金属アルコキシド等を挙げることができる。

前記分別沈殿法に使用する良溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランやハロゲン系有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム)またはこれらの混合溶媒を例示することができる。

良溶媒の使用量は、原料の仕込量や共重合組成により異なるが、通常A−B−Aコポリマーの濃度として、1〜50重量%になるような量、好ましくは1〜25重量%になるような量である。

前記分別沈殿法に使用する貧溶媒としては、アルコール系や炭化水素系の有機溶媒が好ましい。

本発明の架橋生分解性粒子において、A−Bブロックコポリマーの製造方法を例示する。片末端ポリエチレングリコールとしては特に限定されないが、メトキシポリエチレングリコールが好ましい。メトキシポリエチレングリコールは常法により合成するか、市販品を入手して得る。メトキシポリエチレングリコールの平均分子量は特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール単位の平均分子量が200〜50000が好ましい。平均分子量が特定されたポリエチレングリコールとして、”サンブライト”(日本油脂(株)製)の名前で市販されているものが好ましく使用される。生分解性ポリマー(Aブロック)単位の原材料、重合方法、重合触媒、精製方法、精製時の溶媒については、上記A−B−A型ブロックコポリマーの場合と同様である。

A−B型コポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)の片末端に乳酸またはラクチドを重合して得られるポリ乳酸−PEG(ポリラクチド−PEG)、ポリ(乳酸/グリコール酸)−PEG(ポリ(ラクチド/グリコリド)−PEG)、ポリ(乳酸/ε−カプロラクトン)−PEGが特に好ましい。

水溶性合成ポリマーを架橋する場合には、架橋剤が必要となる。架橋剤とは、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオール基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、グリシジル基などの反応性官能基を少なくとも2つ以上有する多価官能性化合物である。

水酸基を有する水溶性合成ポリマーに対しては、生分解可能なエステル結合を形成できるという点で2つ以上のカルボキシル基を持った多価カルボン酸が好ましい。とりわけ、生体内に存在するシュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸は安全性の点から好ましい。多価カルボン酸はこのような低分子量カルボン酸であってもよいし、ポリマーであってもよい。架橋剤がポリマーの場合は反応性官能基が主鎖にあっても側鎖にあってもよいが、ポリマーはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアミノ酸およびそれらの共重合体、などのように生分解性であるか、腎臓から排出される分子量40000ダルトン以下であることが必須である。ポリ乳酸や、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトンおよびそれらの共重合体は一方の末端にカルボキシル基を、もう一方の末端に水酸基を有するので、水酸基にカルボキシル基を導入することによってジカルボン酸とすることができる。カルボキシル基を導入する方法については特に限定されないが、無水コハク酸と反応させる方法が簡便であり収率も高く好ましい。カルボキシル基はそのままでは水酸基と反応しないので、酸クロリドなどのカルボン酸誘導体に変換してから水酸基と反応させることができる。例えば、塩化チオニルを使ってカルボン酸クロリドとし、分岐ポリエチレングリコールと反応させればよい。そのほかにはジカルボン酸エステルと水溶性合成ポリマーとをエステル交換反応で架橋する方法もある。

前述したポリエチレングリコールと生分解性ポリマーの水溶性ブロック共重合体のようにカルボキシル基を有する水溶性合成ポリマーに対しては、水溶性合成ポリマーのカルボキシル基を塩化チオニルを使って活性化した後に分岐ポリエチレングリコールと反応させればよい。この場合には、最終的に得られる粒子は分岐ポリエチレングリコールが生分解性ポリマーで架橋されている状態となる。

架橋反応は一旦粒子状に成型した後に行ってもよいし、粒子を成型しながら行ってもよい。一旦粒子を形成してしまうと反応性官能基の動きが制限されて架橋しにくくなり、架橋剤を使う場合には架橋剤が粒子内部に進入しにくいため、粒子成型と同時に架橋する方法が好ましく用いられる。例えば、ポリマーと架橋試薬を溶解しない溶媒中で、ポリマーと架橋剤の溶液のエマルジョンを調製し、液滴の中で架橋して粒子を作ることができる。全ての構成ポリマーの間で架橋が起こることによって粒子は3次元的に安定な状態となり、力学的に弾性に富んだ状態となる。本発明の粒子を構成するポリマーは水溶性であるが、化学架橋された粒子は水に不溶性であり、水中や体液中では粒子内に水が進入して粒子は膨潤するが、架橋構造によって膨潤はある含水量を上限に抑制され、水が進入しようとする浸透圧と架橋による機械的反発力が均衡し好ましい弾性が生じる。このような弾性を有する粒子を血管塞栓材料などに適用した場合には、粒子はマイクロカテーテル内腔などの微少な空間も形を変形して通過することが可能であり、特異の弾性で血管形状に合わせて血管壁に密着し完璧な塞栓を可能にする。

本発明における平均粒子径、粒子径分布は、純水または生理食塩水中におけるそれを指す。本発明の血管塞栓材料の粒子径の測定は、市販の種々の測定装置で可能であって特に限定されないが、例えばサイエンティフィック・インスツルメント社製コールター・マルチサイザーIIまたはIIIが好ましく使用できる(電気抵抗法)。測定は生理食塩水中で行うことができるので、血管内の環境に近い形で測定することができる。また、粒子を1個1個測定するので、特異的に大きな粒子または特異的に小さな粒子も粒子径を測定することができる。平均粒子径としては、個数平均または体積平均の値を算出できる。また、乾燥時の粒子径については目開きの大きさとそのふるいで分画される重量から算出される値を平均粒子径として測定できる(ふるい法)。さらに、顕微鏡下に1個ずつ、輪郭を円とした半径を求め、数平均することにより求めることもできる(直接観察法)。

本発明の架橋生分解性粒子は、球状粒子であることが好ましい。棒状、直方体、立方体などの形状はその粒子径が不明確で、血管に塞栓する場合に粒子の向きによって塞栓状態が異なるが、球状粒子であればより完全な閉塞が可能となる。

本発明の架橋生分解性粒子の平均粒子径は20〜2000μmが好ましく、50〜1500μmがさらに好ましい。塞栓の対象となる血管径から、このような範囲にあることが好ましい。平均粒子径が大きすぎても小さすぎても、目的の血管部位を塞栓することは難しくなるので、塞栓の対象となる血管径に合わせて適宜選択することが好ましい。また、粒子径分布については、より完全な塞栓の目的から分布幅が小さいことが好ましい。分布幅は好ましくは平均粒子径±100μm、さらに好ましくは平均粒子径±50μmの範囲である。なお、粒子径の分布幅とは、粒子の総数の99%以上がその範囲内にある粒子径の範囲をいう。

本発明の架橋生分解性粒子は、37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の80%以下であることが好ましい。また、37℃のリン酸緩衝溶液浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の50%以下であること、37℃のリン酸緩衝溶液浸漬7日後における残存重量が、浸漬前の重量の50%以下であることがさらに好ましい。

架橋生分解性粒子は、柔軟で血管を傷付けないことも重要である。また、血管断面が必ずしも丸いとは限らないため、血管の形状に合わせて変形できる材料が好ましい。この点、本発明の架橋生分解性粒子は含水して水を蓄えると材料が柔軟となるため好ましい。水膨潤性は含水率をその指標とすることができる。水膨潤状態の重量をW、乾燥時の重量をW0とすると、
含水率(%)=(W−W0)/W0×100
で表すことができる。粒子、フイルムなどを純水中または生理食塩水に浸漬して測定することができる。

また、水膨潤性の指標として、粒子における体積膨潤率を用いることもできる。
水膨潤時の体積および半径をそれぞれV、R、乾燥時の体積および半径をそれぞれV0、R0とすると、
体積膨潤率(%)=(V−V0)/V0×100
または
体積膨潤率(%)=(R3−R03)/R03×100
で表すことができる。顕微鏡下に乾燥時、および純水中または生理食塩水中に浸漬した時の粒子の半径、体積を測定し、算出することができる。体積膨潤率としては、50〜700%が好ましく用いられる。

本発明の架橋生分解性粒子を血管塞栓材料として用いる場合には、そのままあるいは用時適当な分散媒あるいはヨウ化ケシ油などの造影剤に分散して使用することができる。造影剤としては、公知のものを用いることができ、イオン性造影剤であっても非イオン性造影剤であってもよい。具体的には、イオパミロン(シェーリング社製)、ヘキサブリックス(栄研化学)、オムニパーク(第一製薬製)、ウログラフィン(シェーリング社製)、イオメロン(エーザイ製)などを挙げることができる。本発明の架橋生分解性粒子と造影剤を使用前に混合してから所定の部位へ注入することができる。水膨潤性の高い場合、造影剤の一部が含水とともに塞栓材料内部に保持されて造影性を発現する。分散媒としては、分散剤(例えばポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、カルボキシメチルセルロースなど)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ブドウ糖など)を注射用蒸留水に溶解したもの、あるいはゴマ油、コーン油などの植物油が挙げられる。分散された架橋生分解性粒子は、適当な動脈から腫瘍支配動脈に血管造影剤でモニターしながら挿入されたカテーテルを用いて、投与される。また、この粒子には通常注射剤に用いられる防腐剤、安定化剤、等張化材、可溶化剤、分散剤、賦形剤などを添加してもよい。

本発明の架橋生分解性粒子を血管内塞栓材料として用いる場合には、油性造影剤であるヨウ化ケシ油(リピオドール・ウルトラフルイド)などと併用してもよい。また、ヨウ化ケシ油と制癌剤であるスマンクス、マイトマイシン、アドレアマイシン、ビンブラスチンを併用して使用してもよい。

本発明に言う薬効成分とは、薬効が知られるものであれば特に限定されるものではないが、制癌剤(例えば、アルトレタミン、ブレオマイシン、マイトマイシン、塩酸ドキソルビシン、ピシバニール、クレスチン、レンチナン、シクロホスファミド、チオテパ、テガフール、硫酸ビンブラスチン、塩酸ピラルビシン)、血管新生阻害剤、ステロイド系ホルモン剤、肝臓疾患薬、痛風治療薬、糖尿病薬、循環器用薬、高脂血症薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、消化器官用薬、抗精神薬、化学療法剤、抗酸化剤、ペプチド系薬物、蛋白系薬物(例えば、インターフェロン)、などを挙げることができる。

次に実施例を示し本発明を詳説するが、本発明はこれに限定されるものではない。

<実施例1>
窒素気流下においてフラスコにL−ラクチド(ピュラック社製)40.3gと脱水済みの平均分子量20000の8分岐型ポリエチレングリコール(「サンブライト」日本油脂工業(株)製)17.3gを混合し、140℃で溶融・混合させた後、180℃にてジオクタン酸スズ(和光純薬工業(株)製)8.1mgを添加し反応させ、8分岐型コポリマー(PLA×8−PEG)を得た。コポリマーをクロロホルムに溶解し、大過剰のメタノ−ル中へ滴下して、白色沈殿物を得た。GPC法による重量平均分子量は約60000であった。

上記精製ポリマー6gをN, N-ジメチルホルムアミド(DMF)20mLに溶解し、氷浴上で塩化チオニル0.01mLを滴下した。得られた溶液を当量のサンブライトのDMF溶液に滴下して激しく攪拌した後、デカン中に滴下して激しく攪拌してエマルジョンにした。一晩攪拌して粒子をアルコールで洗浄して乾燥し球状粒子を得た。ナイロンメッシュにより分画し、平均粒子径275μm、分布が平均粒子径±20μmの粒子径の揃った球状粒子を得た。この分画粒子を生理食塩水に浸漬すると平均粒子径約350μm、分布が平均粒子径±40μmの球状粒子分散液が得られた。

球状粒子分散液をシリンジからCORDIS(コーディス)社製カテーテルMASS TRANSIT(マストランジット;全長約1400mm、先端部の長さ180mm、先端部内径約680μm)に注入したところ、シリンジ壁に付着することもなく抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、カテーテル内を目視観察したところ、球状粒子は全く観察されなかった。カテーテル通過前後の粒径は、それぞれ350±40μm、350±30μmであり、通過前後で粒径に変化がなかった。

次に、球状粒子分散液をシリンジからBOSTON SCIENTIFIC(ボストンサイエンティフィック)社製カテーテルSPINNAKER 1.5F(スピネーカー;全長約1650mm、先端部の長さ150mm、先端部内径約280μm)に注入したところ、抵抗なく注入することができた。カテーテル通過前後の粒径は、それぞれ350±40μm、335±30μmであり、通過前後で粒径に変化がなかった。

また、光学顕微鏡下に、乾燥した約255μmの球状粒子を生理食塩水に浸漬すると、約340μmに膨潤することが確認できた。体積膨潤率は133%であった。

以上から、粒子径の揃った親水性かつ、含水により弾性のある粒子を使用することにより、マイクロカテーテル(内径約680μmのカテーテル)内を粒子の凝集詰まりを起こすことなく通過した。一方、血管モデルとしての細径カテーテル(内径約280μmのカテーテル)においては、確実な塞栓を行うことができた。
また、含水により粒子が膨潤しているため、柔軟で血管を傷つけ難く、血管形状に追随して変形し、より完全な塞栓が期待できる。

なお、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.3)中に上記球状粒子を加え、37℃で28日間経過後、孔径約0.2μmのメンブレンフィルターで固形分を取り、真空乾燥後、処理前の重量と比較して残存重量を求めたところ65%であった。

<実施例2>
ポリ乳酸(重量平均分子量約10000)5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)20mLに溶解し、氷浴上で塩化チオニル0.05mLを滴下した。得られた溶液を当量のサンブライトのDMF溶液に滴下して激しく攪拌した後、デカン中に滴下して激しく攪拌してエマルジョンにした。一晩攪拌して粒子をアルコールで洗浄して乾燥し球状粒子を得た。ナイロンメッシュにより分画し、平均粒子径250μm、分布が平均粒子径±25μmの粒子径の揃った球状粒子を得た。この分画粒子を生理食塩水に浸漬すると平均粒子径約370μm、分布が平均粒子径±40μmの球状粒子分散液が得られた。

球状粒子分散液をシリンジからCORDIS(コーディス)社製カテーテルMASS TRANSIT(マストランジット;全長約1400mm、先端部の長さ180mm、先端部内径約680μm)に注入したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、カテーテル内を目視観察したところ、球状粒子は全く観察されなかった。カテーテル通過前後の粒径は、それぞれ370±40μm、370±40μmであり、通過前後で粒径に変化がなかった。

次に、球状粒子分散液をシリンジからBOSTON SCIENTIFIC(ボストンサイエンティフィック)社製カテーテルSPINNAKER 1.5F(スピネーカー;全長約1650mm、先端部の長さ150mm、先端部内径約280μm)に注入したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、カテーテル内を目視観察したところ、球状粒子は全く観察されなかった。カテーテル通過前後の粒径は、それぞれ370±40μm、350±50μmであり、通過前後で粒径にほとんど変化がなかった。

また、光学顕微鏡下に、乾燥した約250μmの球状粒子を生理食塩水に浸漬すると、約360μmに膨潤することが確認できた。体積膨潤率は144%であった。

<比較例1>
「精製ポリマー」に替えてポリ乳酸(重量平均分子量約50000)を用いて、実施例1と同様の方法でポリ乳酸の球状粒子分散液を得た。生理食塩水中における平均粒子径は約300μm、分布は平均粒子径±20μmであった。このポリ乳酸の球状粒子分散液をシリンジからCORDIS社製カテーテルMASS TRANSIT(全長約1400mm、先端部の長さ180mm、先端部内径約680μm)に注入したところ、粒子の大半はシリンジ壁に接着した。ピストンを押すことによって壁に付着した粒子は剥がれてカテーテルへ入っていったが、ある程度粒子が入ったところで強い抵抗を感じ、注入に時間を要した。その後、カテーテルを長手方向に切開し、カテーテル内を観察したところ、球状粒子が観察された。カテーテル通過前後の粒径は、それぞれ300±20μm、190±80μmであり、通過前後で粒径は著しく減少した。

次に、球状粒子分散液をシリンジからBOSTON SCIENTIFIC(ボストンサイエンティフィック)社製カテーテルSPINNAKER 1.5F(スピネーカー;全長約1650mm、先端部の長さ150mm、先端部内径約280μm)に注入したところ、すぐにカテーテルは詰まり注入することができなくなった。その後、カテーテルを長手方向に切開し、カテーテル内を目視観察したところ、カテーテルは変形した粒子で詰まっていた。

以上から、ポリエチレングリコールを架橋してないポリマーでは、カテーテルや血管に付着しやすく詰まりやすいと考えられた。

以上から、粒子径の揃った親水性かつ、含水により弾性に富んだ粒子を使用することにより、シリンジに付着することもなく、マイクロカテーテル内を粒子の凝集詰まりを起こすことなく通過した。また、含水により粒子が膨潤しているため、柔軟で血管を傷つけ難く、血管形状に追随して変形し、より完全な塞栓が期待できる。

なお、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.3)中に上記球状粒子を加え、37℃で28日間経過後、孔径約0.2μmのメンブレンフィルターで固形分を取り、真空乾燥後、処理前の重量と比較して残存重量を求めたところ75%であった。

<実施例3>
ネンブタールで麻酔した10週令のラットの大腿静脈に24Gの留置針を挿入した後、実施例1、2記載の架橋球状粒子分散液を注入した。2週間後に肺の外観の観察、組織切片の作製を行った。4匹のラットにそれぞれ球状粒子分散液の注入を行い、組織切片を観察をしたところ、粒子1個が血管を塞栓しており4匹全てに肺梗塞が観察された。

<比較例2>
ポリ乳酸のみから作成した粒子を用いて実施例3と同様に、比較例1記載の粒子を注入した結果、観察された粒子は変形しており、血管内に存在しているものの毛官壁と粒子との間に隙間があり明らかに血流が残っている像が観察された。また、軽度の肺梗塞しか観察されなかった。

以上から、本発明の架橋微粒子血管塞栓材料により確実な塞栓を行うことができた。

Claims (15)

  1. 水溶性合成ポリマーが化学架橋されてなり、
    前記水溶性合成ポリマーが、多価アルコールの全ての水酸基にポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールが結合した分岐ポリマーである、架橋生分解性粒子。
  2. 水膨潤時の体積膨潤率が50〜700%である、請求項1記載の架橋生分解性粒子。
  3. 前記多価アルコールがグリセリン、ポリグリセリン及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる、請求項1又は2記載の架橋生分解性粒子。
  4. 前記水溶性合成ポリマーが多価カルボン酸で架橋されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  5. 前記多価カルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、及びセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸、又は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン及びポリブチロラクトン並びにそれらのブロック共重合体及びランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の生分解性ポリマーの末端水酸基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸である、請求項4記載の架橋生分解性粒子。
  6. 前記ジカルボン酸が、無水コハク酸を用いて生分解性ポリマーの末端水酸基にカルボキシル基を導入したジカルボン酸である、請求項5記載の架橋生分解性粒子。
  7. 前記水溶性合成ポリマーの重量平均分子量が2000〜50000である、請求項1〜6のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  8. 前記水溶性合成ポリマーの重量平均分子量が2000〜50000であり、
    前記生分解性ポリマーの重量平均分子量が3000〜100000である、請求項5又は6記載の架橋生分解性粒子。
  9. 平均粒子径が20〜2000μmである、請求項1〜8のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  10. 粒子径分布が、平均粒子径±100μmである、請求項1〜9のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  11. 形状が37℃において球状粒子である、請求項1〜10のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  12. 37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の80%以下である、請求項1〜11のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項記載の架橋生分解性粒子を少なくとも含む、血管塞栓材料。
  14. 水溶性合成ポリマーと多価カルボン酸誘導体を良溶媒に溶解した溶液を貧溶媒中に、撹拌下で滴下して液滴を作り、液滴中で架橋反応を行う架橋生分解性粒子の製造方法。
  15. 前記多価カルボン酸誘導体がジカルボン酸誘導体である、請求項14記載の製造方法。
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