JP5065739B2 - 光学素子の面取り加工方法、面取り加工装置 - Google Patents

光学素子の面取り加工方法、面取り加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学素子の面取り加工方法および面取り加工装置に関し、たとえば、外周の一部が切除(カット)された異形レンズの面取り加工等に適用して有効な技術に関する。
一般的な円形のレンズでは、回転砥石を定位置に保持してレンズの外周を真円に加工する、いわゆる心取り加工が施されるが、製品における組み込みスペース等の関係で、外形がD形状や小判形状等の異形レンズが必要とされる場合がある。
こうした異形レンズは、心取りを行った後、外周の一部を切除するカット加工が必要である。しかし心取加工後に切断機でカット加工するのでは効率的でないなどの課題がある。
このため、特許文献1には、対向する一対のカップ型治具にてレンズを狭圧保持してレンズの外径を切削する心取機において、前記心取機のレンズ軸の回転と砥石軸の外径を切削する方向とを電子カム制御可能なNC装置を用いて、心取り加工と同時にレンズの外形を小判型及び角型に加工する外形自動心取方法が提案されている。
しかしながら、このような自動心取り加工において、レンズの外形を小判型及び角型等に加工して得られた異形レンズでは、当該異形レンズの光学機能面が凹型の曲面からなる場合、外周のカット部の平面(レンズ輪郭の直線部分)と、凹型の光学機能面との境界に鋭角のエッジ部が構成される。
このエッジ部は鋭角であるために強度が低く、加工後の取り扱い中に欠損しやすい、という技術的課題がある。
更にエッジ部の欠損は、光学機能面を通る光が拡散して起こるフレアなどの有害光線の原因となることもあり、光学的な性能の観点からは好ましくない。
また、この異形レンズを組み込んだ製品では、エッジ部の欠損が外観上の品位を低下させることとなる。
なお、特許文献2には、異形レンズを製作するレンズの外周加工装置において、外周の一部を切除する場合に直線状のカット部と、円形のレンズ外周の境界に形成される角部に円弧面取り部や直線面取り部を形成する技術が開示されている。
しかし、この特許文献2の場合には、カット部と凹型の光学機能面との境界に形成される上述のようなエッジ部の技術的課題に関しては全く考慮されていない。
特開2000−218489号公報 特開2005−125453号公報
本発明の目的は、外周に直線的なカット部分を含む異形光学素子の製造において、カット部と光学機能面の境界にエッジ部がなく、強度および外観品位の高い光学素子を得ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、外周に直線的なカット部分を含む異形光学素子の製造において、カット部と光学機能面の境界のエッジ部の欠損等に起因する光学的性能の劣化のない、高性能の光学素子を得ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、光学素子の光学機能面と当該光学素子の外周を切り落として形成されたカット部との境界のエッジ部の第1輪郭形状に面取り寸法を加えた第2輪郭形状を有する加工作用部を備えた工具を準備する工程と、
前記工具の前記加工作用部を前記エッジ部に当接させて面取り加工を行う工程と、を含み、
前記光学素子は、前記光学機能面として球面部を有するレンズであり、前記エッジ部は円弧であり、
前記工具の前記加工作用部は、前記円弧の半径に、所望の面取り寸法を加えた半径を有する円柱体の側面部であり、
前記面取り加工では、前記レンズの前記カット部に垂直で、前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記工具の中心軸が前記球心と一致する位置まで前記円弧の除去を行う光学素子の面取り加工方法を提供する。
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の光学素子の面取り加工方法において、
前記工具の前記加工作用部の端部に、前記第2輪郭形状の径が漸減するテーパ部が設けられ、
前記面取り加工では、前記工具の中心軸が、前記カット部に垂直で前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記球心と一致する位置で前記レンズを前記工具の前記中心軸方向に相対的に変位させて前記エッジ部の除去を行う光学素子の面取り加工方法を提供する。
本発明の第3の観点は、第1の観点に記載の光学素子の面取り加工方法において、
前記工具の前記加工作用部の途中に縮径部を設けることにより、傾斜の途中が前記円弧の半径に所望の面取り寸法を加えた半径を有するテーパ部が設けられ、
前記面取り加工では、前記工具の軸を前記レンズの光軸と交差させた姿勢で、前記加工作用部の前記テーパ部を前記エッジ部に当接することにより、当該エッジの除去を行う光学素子の面取り加工方法を提供する。
本発明の第4の観点は、光学素子の光学機能面と当該光学素子の外周を切り落として形成されたカット部との境界のエッジ部の第1輪郭形状に面取り寸法を加えた第2輪郭形状を有する加工作用部を備えた工具と、
前記光学素子に対して前記工具を相対的に変位させることにより、前記工具の前記加工作用部を前記エッジ部に当接させて面取り加工を行う工具駆動部と、
含み、
前記光学素子は、前記光学機能面として球面部を有するレンズであり、前記エッジ部は円弧であり、
前記工具の前記加工作用部は、前記円弧の半径に、所望の面取り寸法を加えた半径を有する円柱体の側面部であり、
前記工具駆動部は、前記レンズの前記カット部に垂直で、前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記工具の中心軸が前記球心と一致する位置まで変位させて前記円弧の除去を行う面取り加工装置を提供する。
本発明の第5の観点は、第4の観点に記載の面取り加工装置において、
前記工具の前記加工作用部の端部には、前記第2輪郭形状の径が漸減するテーパ部が設けられ、
前記工具駆動部は、前記工具の中心軸が、前記カット部に垂直で前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記球心と一致する位置で前記レンズを前記工具の前記中心軸方向に相対的に変位させて前記エッジ部の除去を行う面取り加工装置を提供する。
本発明の第6の観点は、第4の観点に記載の面取り加工装置において、
前記工具の前記加工作用部の途中に縮径部を設けることにより、傾斜の途中が前記円弧の半径に所望の面取り寸法を加えた半径を有するテーパ部が設けられ、
前記工具駆動部は、前記工具の軸を前記レンズの光軸と交差させた姿勢で前記加工作用部の前記テーパ部を前記エッジ部に当接させることにより、当該エッジの除去を行う面取り加工装置を提供する。
本発明によれば、外周に直線的なカット部分を含む異形光学素子の製造において、カット部と光学機能面の境界にエッジ部がなく、強度および外観品位の高い光学素子を得ることが可能な技術を提供することができる。
また、外周に直線的なカット部分を含む異形光学素子の製造において、カット部と光学機能面の境界のエッジ部の欠損等に起因する光学的性能の劣化のない、高性能の光学素子を得ることが可能な技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1Aは、本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法の実施状態の一例を示す正面図であり、図1Bは、その側面図である。
また、図2Aは、本実施の形態の光学素子の面取り加工方法によって加工される光学素子の加工前の状態を示す斜視図であり、図2Bは、本実施の形態の光学素子の面取り加工方法による加工後の光学素子の状態を示す斜視図である。
本実施の形態では、光学素子の一例としてレンズ10に面取り加工を適用した場合を例にとって説明する。
図2Aに例示されるように、本実施の形態の光学素子の面取り加工方法が適用されるレンズ10は、凹型の球面部11(光学機能面)および球面部12(光学機能面)を備えた凹レンズである。
このレンズ10は、光軸Oを挟んだ対称な位置に、二つのカット部14が平行に設けられた、いわゆる小判型の異形レンズである。
球面部11および球面部12の外周部には、光軸Oにほぼ垂直な平坦な面取り部13が設けられているとともに、二つのカット部14の各々と、凹型の球面部11、球面部12が交差する境界部には、鋭角の円弧A(第1輪郭形状)からなるエッジ部14aを呈している。
本実施の形態では、このエッジ部14aを除去して、図2Bに例示されるようなカット部面取り部14bを形成する加工を行う。
なお、球面部11および球面部12は、ほぼ対称なので、以下の説明では、球面部11の側について説明するが、反対側の球面部12の場合も同様である。
図1Aおよび図1Bに例示されるように、レンズ10の球面部11は、レンズ球心O1を曲率中心とした曲率半径Rで形成された球面である。
レンズ10は、光軸Oを有し、カット部14は、この光軸Oと球面部11の交点からカット高さH(距離)となる位置に形成されている。
そして、上述のように、凹形の球面部11(球面部12)とカット部14の境界には円弧Aの鋭利なエッジ部14aが形成されている。
本実施の形態で用いられる工具20は、工具中心軸Eを中心とした半径Mの円筒形状(第2輪郭形状)の加工作用部21を有するように製作される。この加工作用部21の半径Mは面取寸法aと円弧Aの半径Lを加算した寸法である。ここで円弧Aの半径Lは、次の式1で求められる。
すなわち、本実施の形態の場合には、レンズ10の球面部11とカット高さHのカット部14の接点で形成された円弧Aの半径Lに、所望の面取寸法aを加えた半径M=L+aを有する工具20の加工作用部21を用いて、カット部14に垂直でレンズ球心O1を通る軸と光軸Oを含む平面内で工具中心軸Eがレンズ球心O1と一致する位置で鋭利な円弧Aの近傍を除去する加工(面取り)を行うことでカット部面取り部14bを形成する。
工具20は、本実施の形態の場合、たとえば金属の円筒からなる。適宜、精密ラップ材と水分を混合したものを加工作用部21に塗布し、レンズ10の円弧Aが工具20の加工作用部21に接するようにして、加工作用部21に沿って擦る。
擦り始めは円弧A(エッジ部14a)の両側(面取り部13に近い部分)が加工されるが、次第に中心部へ進み、面取幅bが均一となる。
カット部面取り部14bの面取幅bが均一になった時点で工具中心軸Eとレンズ球心O1が一致し、この時点で面取寸法aが確保され、図2Bに例示されるように、レンズ10のエッジ部14aに面取幅bのカット部面取り部14bが形成された状態となる。
工具20の加工作用部21は半径Mであれば円筒の一部でも良い。また、単なる金属ではなく砥粒を付けた砥石の構成をとっても構わない。この場合は研削液のみでの加工が可能となる。
本実施の形態ではカット部14の平面が光軸Oと平行の場合で説明したが、光軸Oに対して傾斜した平面からなるカット部14であっても同様のカット部面取り部14bの加工を行うことができる。また、光軸Oに関して左右非対称のカット面(カット高さHの異なるカット部14)を有した異形レンズの場合でも本実施の形態の面取り加工は可能である。
レンズ10を反転させることで、球面部11と反対側の球面部12とカット部14の境界のエッジ部14aも、同様にカット部面取り部14bに加工することができる。また、複数の工具20を用意し、レンズ10の球面部11および球面部12の両側から挟むように加工してもよい。
本実施の形態の光学素子の面取り加工方法によれば、小判形の異形レンズであるレンズ10のカット部14と球面部11(球面部12)の境界部に形成される鋭利なエッジ部14aを、面取寸法aにて除去してカット部面取り部14bを形成する面取り加工を非常に簡易的に効率よく行うことができる。
この結果、レンズ10におけるエッジ部14aの欠損が発生せず、レンズ10の強度および外観品質、さらには製造歩留りが向上する。
さらに、鋭利なエッジ部14aの欠損部等において光が拡散して起こるフレアなどの有害光線も発生せず、レンズ10の光学的な性能も向上する。
[実施の形態2]
図3は、本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法を実施する面取り加工装置の構成例を示す斜視図である。
本実施の形態の面取り加工装置30は、工具20を回転駆動する工具駆動軸31と、レンズ10が載置される加工ステージ32を備えている。
工具駆動軸31は、たとえば、図示しないZYZテーブルに載置された図示しないスピンドルモータの回転軸で構成されている。これにより、工具駆動軸31は、工具20を支持して、工具中心軸Eの周りに回転駆動する動作、さらには、工具20に、X、Y、Z方向の三次元的な平行移動や傾斜移動を行わせることが可能になっている。
すなわち、図3において、工具20の工具中心軸Eの方向がX方向、上下方向がZ方向、これらの方向に直交する方向なY方向である。
なお、レンズ10と工具20の構成は、上述の実施の形態1と同じなので、同一の符号を付して説明を割愛する。
工具20は工具駆動軸31によって工具中心軸Eを中心に回転する。工具20の工具中心軸Eが、レンズ10のカット部14に垂直でレンズ球心O1を通る軸と光軸Oを含む平面内に位置するように、レンズ10は加工ステージ32に設けられた図示しないワーク保持具によって保持されている。
加工前は工具20の加工作用部21とレンズ10の円弧Aが直接に接触しない位置にレンズ10が位置決めされている。
次に、工具駆動軸31に回転駆動される工具20が工具中心軸Eの周りに回転しつつZ方向に降下することで、工具中心軸Eが、レンズ10のカット部14に垂直でレンズ球心O1を通る軸と光軸Oを含む平面内をZ方向に移動を開始し、工具中心軸Eとレンズ球心O1が一致する位置まで移動する。
この工具20のレンズ10に対する降下変位の過程で、回転する工具20の半径M(=エッジ部14aの円弧Aの半径L+面取寸法a)の加工作用部21がエッジ部14aに摺接することによって、面取寸法aの分だけエッジ部14a(円弧A)に食い込むように面取り加工が行われ、エッジ部14aの円弧Aには、面取幅bのカット部面取り部14bが形成される。
加工後、工具20が上昇して、レンズ10と工具20が離脱すれば、レンズ10のエッジ部14aの面取り加工は終了する。
本実施の形態の面取り加工装置30による加工後のレンズ10の形状を図2Bに示す。エッジ部14aの円弧Aに沿って均一な面取幅bの面取りが加工されて、カット部面取り部14bが形成されている。
この実施の形態2の場合には、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、面取り加工装置30では、レンズ10を加工ステージ32に安定に載置した状態で、工具駆動軸31によって支持された工具20をレンズ10に対して摺接させるため、レンズ球心O1と工具中心軸E(回転軸)の一致精度のばらつきが少ないので、カット部面取り部14bの面取幅b等の面取精度を確保できる、という効果が得られる。
[実施の形態3]
図4は、本発明の光学素子の面取り加工方法を実施する他の面取り加工装置の例を説明する正面図である。
この実施の形態3の面取り加工装置30では、複数のレンズ10を連続的に加工する例を説明する。
この実施の形態3の場合、面取り加工装置30の工具駆動軸31および加工ステージ32は共通であり、工具20Aの構成が上述の実施の形態2の場合と異なっている。
この実施の形態3では、複数のレンズ10を加工ステージ32の上に連続的に配置する。隣り合うレンズ10のカット部14を相互に接触させるか、または相互に平行にした姿勢で、レンズ球心O1が同一直線上に位置するように当該複数のレンズ10を整列状態に配置する。
工具20Aの工具中心軸Eは複数のレンズ球心O1を連ねた直線と一致する位置に設定する。
この場合、工具20Aは、加工作用部21の端の半径がエッジ部14aの円弧Aの半径Lよりわずかに小さな径となるようにテーパ角度γを持つ端部テーパ部22が形成されている。
本実施の形態3の面取り加工装置30の場合、工具20Aと加工ステージ32上のレンズ10が接しない位置で、工具20Aを、工具中心軸Eが、複数のレンズ10のレンズ球心O1を結ぶ直線に一致する高さおよび向きに位置決めする。
そして、工具20Aを工具駆動軸31によって工具中心軸Eを中心として回転させる。そして、複数のレンズ10を載置する加工ステージ32によって工具20Aのテーパ角度γの端部テーパ部22が形成されたX方向(図4の左右方向)から、工具20Aに対してレンズ10が相対的に接近するように移動させ、工具20Aの加工作用部21の下側にエッジ部14a(円弧A)が摺接するように複数のレンズ10を通過させる。
この実施の形態3の場合には、上述の実施の形態1および実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、さらに、工具20Aの工具中心軸Eと、加工ステージ32上に整列された複数のレンズ10のレンズ球心O1が一致しているので、複数のレンズ10のエッジ部14aの円弧Aに対して半径Mの加工作用部21による面取り加工を連続的に行うことができ、加工効率が向上する。
[実施の形態4]
図5は、本発明のさらに他の実施の形態である面取り加工装置の構成例を示す正面図である。
この実施の形態4では、レンズ10のカット部14のエッジ部14aに対して、所望の角度θのテーパを持つカット部面取り部14bを形成する例を説明する。
この実施の形態4で用いられる工具20Bは、加工作用部21の途中に、略V字形の溝をなすように縮径部23が設けられ、この溝の斜面が、加工作用部21として機能する一対の内部テーパ部24を構成している。
すなわち、工具20Bの外周に設けられた一対の内部テーパ部24のほぼ中央部に位置する斜面輪郭Fが、レンズ10のカット高さHの位置におけるエッジ部14aを加工する加工作用部21として機能するように、半径Mで角度θのV字形状(第2輪郭形状)を呈している。
そして、一対の内部テーパ部24の各々が、レンズ10の側の一対のエッジ部14aの各々に対応している。
工具駆動軸31によって回転駆動される工具20Bの工具中心軸Eを、レンズ10のカット部14に垂直でレンズ球心O1を通る軸と光軸Oを含む面内で、当該レンズ球心O1に一致する位置までZ方向に移動させ、内部テーパ部24(加工作用部21)の半径Mの斜面輪郭Fを、レンズ10の一対のカット部14に対応した一対のエッジ部14aの円弧Aに同時に接触させる。
これにより、一対のエッジ部14aの各々では、円弧Aより面取寸法aの分だけ大きな半径Mで加工された円弧Bと当該円弧Bから角度θをなすように形成されたカット部面取り部14bからなる面取加工が行われる。
この実施の形態4の場合には、上述の実施の形態2および実施の形態3と同様の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られる。
すなわち、この実施の形態4の面取り加工では、レンズ10のカット部14に加工されるカット部面取り部14bに所望の角度θを設けることができるので、カット部14の平面とカット部面取り部14bの交差する境界部の角度が鈍角になる。このため、カット部14とカット部面取り部14bの境界部Cの付近の強度が向上し、当該境界部Cでの欠損等の発生も少なくなる。
なお、上述の各実施の形態では、加工対象物として、小判型の異形レンズであるレンズ10を例にとって説明したが、たとえば、図6Aおよび図6Bに例示されるような外形がD形の異形レンズの場合にも適用できる。
すなわち、図6Aに例示される加工前のD形のレンズ10Aのカット部14と凹型の球面部11の境界部に形成されエッジ部14a(円弧A)に対して、工具20の加工作用部21を摺接させて加工することで、図6Bに例示されるように、面取幅bのカット部面取り部14bを形成することができる。
以上説明したように、本発明の上述の各実施の形態によれば、Dカットや小判カットなどと呼ばれている外周に直線的なカット部分を含む異形レンズにおいて、球面部等の凹形の光学機能面とカット部との境目の鋭角なエッジ部14aを解消するカット部面取り部14bを形成する面取加工を行うことが可能になる。
したがって、加工後にエッジ部14aの角が欠けて外観品質が低下する等の問題がなくなる。また、レンズ10のエッジ部14aの角の欠けによるフレア等の有害光線がなくなり、レンズ10の光学的な性能が向上する。さらにレンズ10を組み込んだ光学製品の外観品位や光学的な性能が向上する。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、上述の各実施の形態では、レンズ10のカット面の加工後に、カット部面取り部14bの面取加工を行う場合について説明したが、カット部面取り部14bを形成する面取加工の後に、カット面(カット部14)の加工を行うことも可能である。
また、レンズの光学機能面としては球面に限らず、任意の曲面に適用することができる。
また、光学素子としては異形レンズに限らず、カット部と光学機能面の境界部にエッジ部が形成される一般の光学素子に広く適用することができる。
本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法の実施状態の一例を示す正面図である。 その側面図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法によって加工される光学素子の加工前の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法による加工後の光学素子を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態である光学素子の面取り加工方法を実施する面取り加工装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の光学素子の面取り加工方法を実施する他の面取り加工装置の例を説明する正面図である。 本発明のさらに他の実施の形態である面取り加工装置の構成例を示す正面図である。 本発明の光学素子の面取り加工方法の対象となる光学素子の変形例の加工前の状態を示す平面図である。 本発明の光学素子の面取り加工方法の対象となる光学素子の変形例の加工後の状態を示す平面図である。
符号の説明
10 レンズ
10A レンズ
11 球面部
12 球面部
13 面取り部
14 カット部
14a エッジ部
14b カット部面取り部
20 工具
20A 工具
20B 工具
21 加工作用部
22 端部テーパ部
23 縮径部
24 内部テーパ部
30 面取り加工装置
31 工具駆動軸
32 加工ステージ
A エッジ部14aの円弧
B 球面部11とカット部面取り部14bの境界部分の円弧
C カット部面取り部14bとカット部14の平面の境界部
E 工具中心軸
F 内部テーパ部24の斜面輪郭
H カット高さ(光軸Oとカット部14の平面との距離)
L エッジ部14aの円弧Aの半径
M 工具20の加工作用部21の半径
O レンズ10の光軸
O1 球面部11のレンズ球心
R 球面部11の曲率半径
a エッジ部14aの面取寸法
b カット部面取り部14bの面取幅
γ 端部テーパ部22のテーパ角度
θ カット部面取り部14bの面取り角度

Claims (6)

  1. 光学素子の光学機能面と当該光学素子の外周を切り落として形成されたカット部との境界のエッジ部の第1輪郭形状に面取り寸法を加えた第2輪郭形状を有する加工作用部を備えた工具を準備する工程と、
    前記工具の前記加工作用部を前記エッジ部に当接させて面取り加工を行う工程と、
    含み、
    前記光学素子は、前記光学機能面として球面部を有するレンズであり、前記エッジ部は円弧であり、
    前記工具の前記加工作用部は、前記円弧の半径に、所望の面取り寸法を加えた半径を有する円柱体の側面部であり、
    前記面取り加工では、前記レンズの前記カット部に垂直で、前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記工具の中心軸が前記球心と一致する位置まで前記円弧の除去を行うことを特徴とする光学素子の面取り加工方法。
  2. 請求項記載の光学素子の面取り加工方法において、
    前記工具の前記加工作用部の端部に、前記第2輪郭形状の径が漸減するテーパ部が設けられ、
    前記面取り加工では、前記工具の中心軸が、前記カット部に垂直で前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記球心と一致する位置で前記レンズを前記工具の前記中心軸方向に相対的に変位させて前記エッジ部の除去を行うことを特徴とする光学素子の面取り加工方法。
  3. 請求項記載の光学素子の面取り加工方法において、
    前記工具の前記加工作用部の途中に縮径部を設けることにより、傾斜の途中が前記円弧の半径に所望の面取り寸法を加えた半径を有するテーパ部が設けられ、
    前記面取り加工では、前記工具の軸を前記レンズの光軸と交差させた姿勢で、前記加工作用部の前記テーパ部を前記エッジ部に当接することにより、当該エッジの除去を行うことを特徴とする光学素子の面取り加工方法。
  4. 光学素子の光学機能面と当該光学素子の外周を切り落として形成されたカット部との境界のエッジ部の第1輪郭形状に面取り寸法を加えた第2輪郭形状を有する加工作用部を備えた工具と、
    前記光学素子に対して前記工具を相対的に変位させることにより、前記工具の前記加工作用部を前記エッジ部に当接させて面取り加工を行う工具駆動部と、
    含み、
    前記光学素子は、前記光学機能面として球面部を有するレンズであり、前記エッジ部は円弧であり、
    前記工具の前記加工作用部は、前記円弧の半径に、所望の面取り寸法を加えた半径を有する円柱体の側面部であり、
    前記工具駆動部は、前記レンズの前記カット部に垂直で、前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記工具の中心軸が前記球心と一致する位置まで変位させて前記円弧の除去を行うことを特徴とする面取り加工装置。
  5. 請求項記載の面取り加工装置において、
    前記工具の前記加工作用部の端部には、前記第2輪郭形状の径が漸減するテーパ部が設けられ、
    前記工具駆動部は、前記工具の中心軸が、前記カット部に垂直で前記球面部の球心を通る軸と前記レンズの光軸を含む面内で前記球心と一致する位置で前記レンズを前記工具の前記中心軸方向に相対的に変位させて前記エッジ部の除去を行うことを特徴とする面取り加工装置。
  6. 請求項記載の面取り加工装置において、
    前記工具の前記加工作用部の途中に縮径部を設けることにより、傾斜の途中が前記円弧の半径に所望の面取り寸法を加えた半径を有するテーパ部が設けられ、
    前記工具駆動部は、前記工具の軸を前記レンズの光軸と交差させた姿勢で前記加工作用部の前記テーパ部を前記エッジ部に当接させることにより、当該エッジの除去を行うことを特徴とする面取り加工装置。
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