JP5063816B2 - 振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した電子機器と通信装置 - Google Patents

振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した電子機器と通信装置 Download PDF

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    • H02N1/06Influence generators
    • H02N1/08Influence generators with conductive charge carrier, i.e. capacitor machines

Description

本発明は、振動発電器および振動発電装置と、振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器に関し、とりわけエレクトレット材料を用いた静電誘導型振動発電器および振動発電装置と、当該振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器に関する。
従来の振動発電装置として、可変容量の一方の電極に電荷を与え、対向する他方の電極へ静電誘導により電荷を誘起する静電誘導型振動発電装置が知られている。容量の変化により誘起される電荷に変化が生じる。静電誘導型振動発電装置は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う(例えば、特許文献1参照)。
図22は、エレクトレット材料を用いた従来の静電誘導型振動発電器の一例である、特許文献1(同文献の図4および10頁〜11頁参照)に記載された振動発電器10の概略断面図である。
振動発電器10は、複数の導電性表面領域13を備えた第1の基板11と、複数のエレクトレット材料領域15を備えた第2の基板16とで構成される。第1の基板11と、第2の基板16とは、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。エレクトレット材料領域15を含む第2の基板16は固定されている。導電性表面領域13を含む第1の基板11は固定構造17にバネ19を介して連結されている。バネ19は第1の基板11の両側面に接続されており、また、固定構造17に接続されている。このバネ19により第1の基板11は定位置に戻る(保持される)ことができ、或いは、第1の基板11は側方運動(例えば図の左右方向の運動)を行い、定位置に戻ることができる。この動きにより、エレクトレット材料領域15と、対向する導電性表面領域13との重なり面積の増減が生じ、導電性表面領域13に電荷の変化が生じる。振動発電器(静電誘導型振動発電器)10は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。
特表2005−529574号公報
T. Tsutsumino, Y. Suzuki, N. Kasagi, and Y. Sakane, "SeismicPower Generator Using High- Performance Polymer Electret," IEEE Int. Conf. MEMS 2006, Istanbul, (2006), pp.
このような従来の振動発電器では、第1の基板から電気エネルギーを取り出すために、導電性表面領域から配線を引き出す必要がある。しかし、導電性表面領域が形成されている第1の基板はバネによって可動に保持されているため、配線を引き出すことは簡単ではない。
すなわち、第1の基板から電気エネルギーを取り出すための配線が第1の基板の振動を阻害する場合がある問題、および第1の振動によりこの配線が経時変化し、断線する場合があるという問題があった。
また、導電性表面領域の代わりにエレクトレットを第1の基板に設けた場合にも、エレクトレットの表面電位を安定化するための裏電極を第1の基板に配置する必要があり、これをアースに落とすための配線を設ける必要があるため同様の問題を生ずる。
そこで、本発明は可動に保持された基板からの配線を省略または簡略化できる、振動発電器を提供することを目的とする。
またこのような振動発電器を含む振動発電装置と、振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器とを提供することも目的とする。
本発明の態様1は、第1の基板と、前記第1の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含む第1の電極と、前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の下面に対向して配置された第2の基板と、前記第1の電極と対向するように前記第2の基板の上面に配置された第2の電極と、前記第1の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含む第3の電極と、前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の上面に対向して配置された第3の基板と、前記第3の電極と対向するように前記第3の基板の下面に配置された第4の電極と、を含み、前記第1の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第3の電極が有する前記電荷を保持する膜とが、異なる極性の電荷を保持し、前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第2の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す復元力を与える、復元力発生部材を更に含むことを特徴とする振動発電器である。
本発明の態様2は、前記復元力発生部材が、前記第1の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含む第5の電極と、前記第2の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含み、前記第5の電極との間に静電力を生ずるように配置された第6の電極と、を含むことを特徴とする態様1に記載の振動発電器である。
本発明の態様3は、前記第5の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第6の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持していることを特徴とする態様2に記載の振動発電器である。
本発明の態様4は、前記復元力発生部材が、前記第1の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含む第7の電極と、前記第3の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含み、前記第7の電極との間に静電力を生ずるように配置された第8の電極と、を含むことを特徴とする態様2または3に記載の振動発電器である。
本発明の態様5は、前記第7の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第8の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持していることを特徴とする態様4に記載の振動発電器である。
本発明の態様6は、前記第5の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、前記第6の電極が前記第2の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第5の電極と前記第6の電極とが重ならない位置に配置され、前記第7の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、前記第8の電極が前記第3の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第7の電極と前記第8の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする態様4または5に記載の振動発電器である。
本発明の態様7は、前記第5の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、前記第6の電極が前記第2の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第5の電極と前記第6の電極とが重ならない位置に配置され、前記第7の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、前記第8の電極が前記第3の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第7の電極と前記第8の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする態様4または5に記載の振動発電器である。
本発明の態様8は、前記第6の電極が前記第2の基板の外周に沿って形成され、前記第2の電極が前記第6の電極の内側に形成され前記第6の電極に設けた切欠き部を通り外部と電気的に接続され、前記第8の電極が前記第3の基板の外周に沿って形成され、前記第4の電極が前記第8の電極の内側に形成され前記第8の電極に設けた切欠き部を通り外部と電気的に接続されていること特徴とする態様4または5に記載の振動発電器である。
本発明の態様9は、前記第1の電極の前記電荷を保持した膜と前記第3の電極の前記電荷を保持した膜とが異なる厚さを有することを特徴とする態様1〜8のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様10は、前記復元力発生部材が、前記第1の基材に接続された弾性バネを含むことを特徴とする態様1〜9のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様11は、一端が前記第2の基板または前記第3の基板に固定され、他端が前記第1の基板と接触可能な突起体を含むことを特徴とする態様1〜10のいずれかに記載の振動発電器。
本発明の態様12は、態様1〜11のいずれかに記載の振動発電器と、前記振動発電器からの交流出力電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、を含むことを特徴とする振動発電装置である。
本発明の態様13は、前記整流回路から出力された直流電圧を所望の電圧レベルに変換を行う電圧変換回路と、前記振動発電装置からの出力が不要な場合、振動発電器により発電された電力を蓄える蓄電回路と、前記電圧変換回路、或いは前記蓄電回路からの出力電圧を所定の電圧に制御する電圧制御回路と、前記電圧変換回路の出力を蓄電回路、或いは電圧制御回路に切り替える出力切替回路と、を更に含むことを特徴とする態様12に記載の振動発電装置である。
本発明の態様14は、前記電圧変換回路からの出力電圧が、前記振動発電回路の出力電圧よりも高く設定されていることを特徴とする態様13に記載の振動発電装置である。
本発明の態様15は、態様12〜14のいずれかに記載の振動発電装置を用いた通信装置である。
本発明の態様16は、態様1〜11のいずれかに記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする通信装置である。
本発明の態様17は、態様12〜14のいずれかに記載の発電装置を用いた電子機器である。
本発明の態様18は、態様1〜11のいずれかに記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする電子機器である。
本願発明により、可動に保持された基板からの配線を、省略または簡略化することが可能な振動発電器と、振動発電装置と、振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器とを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態1に係る、(a)第1の基板の上面図、及び(b)第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態1に係るエレクトレット電極の断面図 本発明の実施の形態1に係る他の構造の第1の基板、及び第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態2に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態3に係る、(a)振動発電器の断面図と、(b)第5の電極の構図を示す断面図 本発明の実施の形態4に係る、(a)振動発電器の第3の基板を示す上面図と、(b)B−Bにおける断面図 本発明の実施の形態5に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態5に係る振動発電器の他の構成を示す断面図 本発明の実施の形態6に係る振動発電器の断面図 図10に示す振動発電器の発電に寄与する部分の断面図 本発明の実施の形態6の変形に係る第1の電極と第3の電極の断面図 本発明の実施の形態7に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態8に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態9に係るエレクトレットの断面図 は表面電位の測定方法を示す模式図 本発明の実施の形態10に係る振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態10に係る振動発電装置の各部の電圧波形を示す図 本発明の実施の形態10に係る振動発電装置を他の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態11に係る振動発電装置を用いた通信装置を示す図 本発明の実施の形態12に係る振動発電装置を用いた電子機器を示す図 従来の静電誘導型振動発電器の断面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
1.実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る振動発電器100の断面図であり、図2は図1の振動発電器100の第1の基板102(図2(a))、及び第2の基板103L(図2(b))の上面図である。図1が示す断面は、図2のA−A断面に相当する。
振動発電器100は、振動可能な基板(可動基板)である第1の基板102と、第1の基板102の一方の面(図1では第1の基板102の下面)に対向する第2の基板103Lと、第1の基板102の他方の面(図1では第1の基板102の上面)に対向する第3の基板103Uと、により構成される。
第1の基板102の一方の面(図1では下面)には第1の電極107La、107Lb、107Lcが形成され、他方の面(図1では上面)には第3の電極107Ua、107Ub、107Ucが形成されている。
また、第1の基板102の一方の面に対向する第2の基板103Lの主面(図1では上面)上には、第2の電極106La、106Lb、106Lcが、それぞれ第1の電極107La、107Lb、107Lcに対向する位置に形成される。
そして、第1の基板102の他方の面に対向する第3の基板103Uの主面(図1では下面)上には第4の電極106Ua、106Ub、106Ucが、それぞれ第3の電極107Ua、107Ub、107Ucに対向する位置に形成される。
第1の基板102の一方の面には第5の電極105La、105Lbが形成され、第1の基板102の他方の面には第7の電極105Ua、105Ubが形成される。
また、第1の基板102の一方の面に対向する第2の基板103Lの主面上には第6の電極104La、104Lbがそれぞれ形成され、第1の基板102の他方の面に対向する第3の基板103Uの主面上には第8の電極104Ua、104Ubが形成される。
第1の電極107La、107Lb、107Lcと、第5の電極105La、105Lb、第6の電極104La、104Lbと、第3の電極107Ua、107Ub、107Ucと、第7の電極105Ua、105Ubと、第8の電極104Ua、104Ubとは、電荷を保持した膜を含むエレクトレット電極である。
第5の電極105L(105La、105Lb)と、第6の電極104L(104La、104Lb)との間に静電反発力(反発力)が作用するように、第5の電極105Lの前記膜が保持する電荷の極性(すなわち、エレクトレット電極105Lが保持する電荷の極性)と第6の電極104Lの前記膜が保持する電荷の極性とは同じ(すなわち一方が正であれば他方も正であり、一方が負であれば他方も負)であることが好ましい。
また、第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)の前記膜が保持する電荷の極性についても第5の電極105Lの前記膜が保持する電荷の極性と同じであることが好ましい。第1の電極107Lと第5の電極105Lとに同時に電荷を帯電させることができ、プロセスが簡便になるためである。
同様に、第7の電極105U(105Ua、105Ub)と、第8の電極104U(104Ua、104Ub)との間に静電反発力(反発力)が作用するように、第7の電極105Uの前記膜が保持する電荷の極性と第8の電極104Uの前記膜が保持する電荷の極性とは、同じ(すなわち一方が正であれば他方も正であり、一方が負であれば他方も負)であることが好ましい。
さらに同様に、第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)の前記膜が保持する電荷の極性についても第7の電極105Uおよび第8の電極104Uの前記膜が保持する電荷の極性と同じであることが好ましい。第3の電極107Uと第7の電極105Uと第8の電極104Uとに同時に電荷を帯電させることができ、プロセスが簡便になるためである。
一方、第1の電極107Lと第3の電極107Uの前記膜の極性(エレクトレット電極の保持する電荷の極性)は、異なっている(すなわち、第1の電極107Lと第3の電極107Uの一方が正であれば他方が負)。これは、第1の基板102の上下面に正の電荷、及び負の電荷で帯電した電極を形成することで、第1の基板102が実質的に擬似GNDとして扱うことができるためである。
従って好ましくは、第3の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uに保持されている電荷の極性と、第1の電極107L、第5の電極105Lおよび第6の電極104Lに保持されている電荷の極性とは異なるように構成される。
上述のように、第1の基板102が擬似GNDとして機能することから、第1の基板102から配線してグランドに設置することなく、第1の基板102をGNDに設置された基板のように扱うことができるため、第1の基板102への配線を不要とすることが可能となる。
なお、より好ましくは、リード線等のやわらかい配線などを用いて第1の基板102からGNDを引き出し接地する構成としてもよい。これは、擬似GND面を形成するだけでなく、基準電位(GND)へ第1の基板102を接地することで取り出す電位のより一層の安定を図ることができるからである。
このように第1の基板102を接地した場合では、リード線の接続位置により自由に配線を行うことができ、また、配線を別に作りこむことが可能となり、従来の振動発電器の可動に保持された基板からの配線に比べ配線を簡略化できる。さらに、リード線等のやわらかい配線であれば、振動を阻害することなく配線できるため、第1の基板102の振動を阻害しないという効果も得ることができる。
図1には図示していないが、第2の基板103Lおよび第3の基板103Uは固定されており、一方第1の基板102は固定されていない。このため、第1の基板102は、z軸方向と、x軸方向およびy軸方向の少なくともいずれか一方の方向に移動可能である。
第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lbとは同じ極性の電荷を保持しているため、第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lbとの間に静電反発力が作用する。この静電反発力は、第1の基板102と、第2の基板103Lの相対位置によりその大きさが変化する。そして、この静電反発力は、第2の基板103Lの主面に平行な方向のうち図1の左右方向(図1中のx方向)の成分、第2の基板103Lの主面に垂直な方向(図1中のz方向)の成分、及び第2の基板103Lの主面に平行な方向のうち図1の紙面に垂直な方向(図1中のy方向)の成分に分解することができる。
同様に、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとは同じ極性の電荷を保持しているため、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間に静電反発力が作用する。この静電反発力は、第1の基板102と、第3の基板103Uの相対位置によりその大きさが変化する。そして、この第3の基板103Uの主面に平行な方向のうち図1の左右方向(図1中のx方向)の成分、第3の基板103Uの主面に垂直な方向(図1中のz方向)の成分、及び第3の基板103Uの主面に平行な方向のうち図1の紙面に垂直な方向(図1中のy方向)の成分に分解することができる。
第1の基板102は、上述の第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lbとの間の静電反発力のz方向成分、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間の静電反発力のz方向成分および第1の基板102に作用する重力とがバランスする位置で空間を介して保持される(空中に浮遊した状態に保持される)。
また、第1の基板102はx軸方向またはy軸方向の少なくとも一方において、移動すると元の位置に戻ろうとする力(復元力)が、静電力(静電反発力)のx方向成分またはy方向成分の少なくとも一方により生ずるように、第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lb及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubが配置されることが、本実施形態の特徴である。
すなわち、第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lbとの間に作用する静電力及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間に作用する静電力により、第1の基板102はz軸方向の所定の位置に保持されるとともに、外力が作用しない時は、x軸方向および/またはy軸方向についても所定の位置に保持される。
このように第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lb及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubを配置することで、第1の基板102は機械的なバネを用いることなく、x軸方向および/またはy軸方向に振動可能となる。
この結果、第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)との重なり面積および第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)と第4の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc)との重なり面積が変化することで振動発電器100は発電を行う。
次に電極配置について説明を行う。
図2(a)は第1の基板102の下面を示し、図2(b)は第2の基板103Lの上面を示す。
図2(a)に示すように第1の電極107L(図1の107La、107Lb、107Lcに対応)は、長手方向がy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極は互いに電気的に接続して構成されている。図2(b)に示すように、同様に第2の電極106L(図1の106La、106Lb、106Lcに対応)もy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極も互いに電気的に接続して構成されている。図2(a)、(b)では、簡単のため配線構造を図示していない。
第1の基板102のy軸方向に延在する周辺部(端部)に沿って、2つの第5の電極105L(図1の105La、105Lbに対応)が配置されている。
同様に第2の基板103Lのy軸方向に延在する周辺部(端部)に沿って、2つの第6の電極104L(図1の104La、104Lbに対応)が配置されている。
そして、x軸方向において、第6の電極104Lが第5の電極105Lより外側になるよう配置されている。
2つの第5の電極105Lは互いに電気的に接続されている。また2つの第6の電極106Lは、互いに電気的に接続されて接地されている。
図2(a)に示す実施形態では、第5の電極105Lを第1の基板102の全周でなく周囲の一部に配置するだけでよいため構造が簡単になるという利点がある。図2(b)に示す実施形態では、同様に第6の電極104Lを第2の基板103Lの全周でなく周囲の一部に配置するだけでよいため構造が簡単になるという利点がある。
また、図2(a)、(b)に示す実施形態では、第5の電極105Lおよび第6の電極104Lはそれぞれが配置された基板のy軸方向に延在する周辺部(端部)の全長に亘り配置されているが、例えば基板のコーナー部(四隅)のみに配置する、あるいはコーナー部から離れた部分にのみ配置する等一部分にのみ配置してもよい。
なお、図2に示す実施形態では、x方向において、第6の電極104Lが第5の電極105Lより外側になるよう配置されているが、第5の電極105Lが第6の電極104Lより外側になるよう配置してもよい。
以上に説明した第1の電極107Lの配置および第5の電極105Lの配置を、第1の基板102の上面における第3の電極107Uの配置および第7の電極105Uの配置にそれぞれ適用してもよい。
同様に、以上に説明した第2の電極106Lの配置および第6の電極104Lの配置を、第3の基板103Uの下面における第4の電極106Uの配置および第8の電極104Uの配置にそれぞれ適用してもよい
第3の電極107Uの配置および第7の電極105Uの配置を、それぞれ第1の電極107Lの配置および第5の電極105Lの配置と同じにし、かつ第4の電極106Uの配置および第8の電極104Uの配置を、それぞれ第2の電極106Lの配置および第6の電極104Lの配置と同じにした場合、第1の基板102にはy軸方向の復元力が作用しない。
このため、第1の基板102のy軸方向への変位を所定の範囲内に制限するために例えば第2の基板103Lのy軸方向の端部に突起を設ける等、拘束手段を設けるのが好ましい。
振動発電器100の動作について説明を行う。
上述のように第5の電極105Lと第6の電極104Lとは、同じ極性の電荷を有していることから、その間に静電力による反発力(静電反発力)が作用している。同様に第7の電極105Uと第8の電極104Uとは、同じ極性の電荷を有していることから、その間に静電力による反発力が作用している。
このため第1の基板102に外力が作用しなければ第1の基板102は所定の位置に保持されている。すなわち、z軸方向については、これら反発力と第1の基板102に作用する重力とがバランスする位置で基板102は浮遊し留まる。
x軸方向については第5の電極105Laと第6の電極104Laとの間および第7の電極105Uaと第8の電極104Uaとの間に作用する反発力(第1の基板102を図1の右方向に動かそうとする力)と、第5の電極105Lbと第6の電極104Lbとの間および第7の電極105Ubと第8の電極104Ubとの間に作用する反発力(第1の基板102を図1の左方向に動かそうとする力)とがバランスする位置で第1の基板102は留まる。
そして、外部から振動(外力)が加わると、第1の基板102は第2の基板103Lおよび第3の基板103Uに対して相対的に変位を行う。x軸方向の振動が付与された場合について説明する。振動により、上述の反発力がバランスする位置より右側に第1の基板102が変位した場合、第5の電極105Laと第6の電極104Laとの間および第7の電極105Uaと第8の電極104Uaとの間に作用する反発力よりも第5の電極105Lbと第6の電極104Lbとの間に作用する反発力および第7の電極105Ubと第8の電極104Ubとの間に作用する反発力の方が大きくなり、第1の基板102に左方向に戻る力が作用する。
一方、反発力がバランスする位置より左側に第1の基板102が変位した場合は、第1の基板102に右方向に戻る力が作用する。このように第1の基板102には、変位した方向と逆方向に押し戻そうとする力(復元力)が発生し、第1の基板102を元の位置に戻すことができる。
この復元力を利用して第1の基板102を第2の基板103Lおよび第3の基板103Uに対して相対的に変位させることで、第1の電極107La、107Lb、107Lcと第2の電極106La、106Lb、106Lcとの重なり面積および第3の電極107Ua、107Ub、107Ucと第4の電極106Ua、106Ub、106Ucとの重なり面積が増減する。
この重なり面積の増減により、エレクトレットを有しない第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)および第4の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc)に誘起される電荷量が増減する。この電荷を電気エネルギーとして取り出すことで発電を行う。第1の基板102が外部からの振動を受けて相対的な変位を行い、静電力によって元の位置に戻るという振動を続ける限り、この重なり面積の増減は続く。
本発明の実施の形態にかかる振動発電器100によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)低周波数の振動に対しても発電が可能
(2)機械的な信頼性の向上、及び機械的な損失が小さい
(3)出力電力が大きい
(1)について詳細な説明を行う。第1の基板102と第2の基板103Lと第3の基板103Uとは、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有しておらず、静電力によるバネ力を利用しており、弾性構造体のサイズ、材料定数等から決まる共振周波数に律則されず、低周波数領域の振動に対しても発電が可能となる。
簡単のため、第1の基板102の質量をmとすると、外部振動の加速度aによって、F=maの力が加わると仮定すると、第1の基板102はFの力により変位を行う。また、変位した量により静電力の左右のアンバランスが発生し、それにより元の位置に戻すよう力が加わることとなる。このように、本実施の形態に示す振動発電器100の第1の基板102の変位量は加速度に依存し、低周波数の振動に対しても発電が可能となる。
(2)について詳細な説明を行う。
本実施の形態に示す振動発電器100では、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有していない。そのため、構造での弾性構造体の弾性歪みによる信頼性を確保するために、十分に余裕をもった設計を行うことによる小型化困難などの問題に対して、弾性的な疲労が発生する箇所が無い。その結果、バネ部での機械的な信頼性の確保、小型化及び大振幅での動作を行った場合の信頼性の確保が容易である。
また、シリコンおよびガラス等から成る基板と樹脂バネのような、全く異なる材料からなる部材を形成する必要がないことから構造およびプロセスが複雑でないという利点を有する。
さらに、第1の基板102の下面に形成された第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と上面に形成された第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)とは異なる極性の電荷を保持している。
このため、第3の電極107Uと第1の電極107Lとのうち、一方の電極の電位に対して他方の電極は、逆の電位を持つこととなる。このため、第1の基板102内において擬似GND面が存在することとなる。
この結果、第1の電極107Lと第2の電極106L、および第3の電極107Uと第4の電極106Uの配置が同様である場合、対向する電極(第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)、第4の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc))から電気エネルギーを取り出す際に、第2の電極106Lから取りだした電力の電位と第4の電極106Uから取り出した電力の電位とは逆相となっている。
好ましくは、リード線等のやわらかい配線などを用いて第1の基板からGNDを引き出し接地する構成とする。これは、擬似GND面を形成するだけでなく、基準電位(GND)へ第1の基板102を接地することで、取り出す電位の安定が図れるからである。
(3)について詳細な説明を行う。
本実施の形態に示す振動発電器では、上述のように2組の対向する電極を用いて(第1の電極107Lと第2の電極106L及び第3の電極107Uと第4の電極106U)、逆相の電圧として電気エネルギーを取り出すことができる。すなわち、第1の基板の片側のみに電極が形成された構成の従来の振動発電器と比較して、同じように第1の基板が1回振動する際に2倍の電力を得ることができる。
(エレクトレット電極)
以下に、第1の実施形態に用いる電荷を保持した膜を含む電極(エレクトレット電極)の詳細を説明する。
図3は、第1の電極107La、107Lb、107Lc、第5の電極105La、105Lb、第6の電極104La、104Lb、第3の電極107Ua、107Ub、107Uc、第7の電極105Ua、105Ubおよび第8の電極104Ua、104Ubのいずれとしても用いることができるエレクトレット電極を示す断面図である。
第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)を例として説明するが、他の電極の場合もそれぞれ対応する基板上に同じ構成を有することが可能であることは言うまでもない。
第1の基板102上に導電体117aが形成される。導電体117aの上部には第1の絶縁体117b、電荷を保持した膜であるエレクトレット117cと第2の絶縁体117dが形成される。
第3の電極107Ua、107Ub、107Ucのそれぞれの導電体117aは、電気的に接続されている。
また、エレクトレット117cは導電体117a全体に形成されてもよく、また短冊状の導電体117a上の一部にのみに配置されてもよいが、短冊状の導電体117aの一部に形成される方がプロセス、デバイス特性の安定性から好ましい。
特に、第1の基板102として高抵抗の基板を用いることが好ましく、この場合エレクトレット117cは、導電体117aの上にのみ形成することが望ましい。このように形成することで、電荷を注入する際、電荷をエレクトレット117cに強制的に注入可能となり、より電荷の安定したエレクトレットが作成可能となる。
なお、ここでいう高抵抗の基板とは、基板全体が抵抗率の高い基板だけでなく、低抵抗基板(例えば、低抵抗シリコン基板)の表面に酸化膜等の絶縁膜を形成したものも含み、後者を用いても前者と同様の効果が得られることは言うまでもない。
次にエレクトレット117cに用いるエレクトレット材料について説明を行う。
上述のように第1の電極107L、第5の電極105L、第6の電極104L、第3の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uは電荷を保持したエレクトレット膜を有したエレクトレット電極として構成される。
エレクトレット膜117cを構成するエレクトレット材料としては、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、ポリビニルクロライドなどの高分子材料、或いは酸化シリコンなどの無機材料を利用することができる。これらの中でも絶縁耐圧、耐熱性に優れた酸化シリコンを用いることが好ましい。
また、耐湿性を向上させるため、電荷保持膜である酸化シリコンの周囲はシリコン窒化膜等の絶縁膜で完全に覆う構造とする方が好ましい。例えば酸化シリコンを用いる場合は、シリコン窒化膜等の絶縁膜で酸化シリコンの周囲を完全に覆う構造とすることで、絶縁耐圧、耐熱性、さらには耐湿性に優れたエレクトレット117cを得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の電極107Lと第3の電極107Uとが異なる極性の電荷を保持している例を示した。しかし、例えば第1の基板102からリード線等の電気的な取り出し手段を設けて、第3の電極107Uと第1の電極107Lとを接地することにより、第3の電極107Uと第1の電極107Lとが同じ極性の電荷を保持する場合で振動発電器100は発電可能である。この場合、第2の電極106Lと第4の電極106Uからは同位相の電位(同じ極性の電荷)として出力されるため、出力端子を共通として配線をおこなうことで発電した電力を取り出せる。
このように、第1の電極107Lと第3の電極107Uとを同じ極性にすることで、エレクトレット電極である第1の電極107L、第5の電極105L、第6の電極104L、第3の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uの全てが保持する電荷を同じ極性とすることができる。製造時に同時に電荷を帯電させることができ、プロセスを簡便にできるという利点がある。
また、本実施の形態では対向して配置され発電に寄与する電極について、第1の電極107La、107Lb、107Lcおよび第3の電極107Ua、107Ub、107Ucが電荷を保持したエレクトレット電極であり、第2の電極106La、106Lb、106Lcおよび第4の電極106Ua、106Ub、106Ucがエレクトレットを含まない通常の電極である例を示した。
しかし、エレクトレット電極が、第2の電極106La、106Lb、106Lcおよび第4の電極106Ua、106Ub、106Ucであり、第1の電極107La、107Lb、107Lcおよび第3の電極107Ua、107Ub、107Ucが通常の電極であってもよく、この場合も同様の発電効果が得られることは言うまでもない。
また、図1、図2、図3には示していないが、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは、導電体117aが外部端子と電気的接続が可能なように形成される。第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは少なくともエレクトレット117を覆うように形成されていればよく、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dを基板全面に成膜する必要はない。
なお、図2に示す実施形態では、第2の電極106La、106Lb、106Lcは第1の電極107La、107Lb、107Lcと対向する部分にのみ形成したが、第1の電極107Lを超えた領域にまで(第1の電極107L(第1の電極107Laおよび107Lc)よりも外側にまで)第2の電極106Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板102(特に第1の電極107L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極106Uを形成する。
同様に、第3の電極107Uを超えた領域にまで(第3の電極107U(第3の電極107Uaおよび107Uc)よりも外側にまで)第4の電極106Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板102(特に第3の電極107U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第4の電極106Uを形成する。
このような構成とすることで、以下のような効果を得ることができる。
(4)重なり面積の増減を一定にすることが可能
第2の電極106Lを静止した状態の第1の電極107Lに概ね対向する位置にのみ形成すると、第1の基板102が大振幅(大変位)で振動した場合、第1の電極107L(とりわけ端に位置する第1の電極107La、107Lc)と第2の電極106Lとが重ならない時間が増加し、重なり面積の増減量が低下するといった問題が発生する。
これは、第4の電極106Uを静止した状態の第3の電極107Uに概ね対向する位置にのみ形成し、第1の基板102が大振幅(大変位)で振動した場合も同じである。
しかしながら、第2の電極106Lを第1の電極107Lの領域よりも大きく形成する(第1の電極107Lの外側にまで形成する)ことで、重なり面積の増減の低下を防止でき、重なり面積の増減を常に一定に維持することができる。すなわち振動発電器100の発電量を安定化することができる。
第4の電極106Uを第3の電極107Uの領域よりも大きく形成(第3の電極107Uの外側にまで形成)した場合も、同様の効果が得られる。
このような第2の電極106Lおよび第4の電極106Uの構成は、特に、本実施の形態に示す静電力を用いた構造のように、第1の基板102の振幅を大きくでき、第2の電極106Lまたは第4の電極106Uの幅(例えば第2の電極102Laのような個々の電極の幅)を超えて振動するような振動発電器において効果は高い。
さらに、第1の基板102の表面(主面)の形状は、図2に示す正方形以外に矩形であっても、或いは他の形状であっても本実施の形態で示す発電用電極(第1の電極107L、第3の電極107U)および静電力発生用電極(第5の電極105L、第7の電極105U)の配置とすることで同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、図1に示す実施形態では、第2の基板103Lおよび第3の基板103Uは固定されており振動しない構成となっているが、第2の基板103Lと第3の基板103Lのいずれか一方または両方についても第1の基板102と同様に固定せずに振動(移動)可能な構造としてもよい。
図1に示す実施形態では上述したように振動発電器100は、第5の電極105L(105La、105Lb)と第6の電極104L(104La、104Lb)との間の静電力および第7の電極105U(105Ua、105Ub)と第8の電極104U(104Ua、104Ub)との間の静電力を用いて第1の基板102に復元力を付与している。このように第1の基板102の上面側と下面側の両方に復元力を作用させることは、平面方向への復元力とともに、上方、或いは下方にのみ力が加わることを回避し、安定に動作することができるから好ましい。
しかし、例えば第7の電極105U(105Ua、105Ub)と第8の電極104U(104Ua、104Ub)とを設けずに、第5の電極105L(105La、105Lb)と第6の電極104L(104La、104Lb)とを設けて、第1の基板102の下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器100は発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板102の一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施形態に含まれる。
・変形例
図4は、本実施の形態の変形例に係る第1の基板122(図4(a))の下面および第2の基板123L(図4(b))を示す上面図である。
図2に示す第1の基板102では基板の周辺のうちy軸方向に延在する部分にのみ第5の電極105Lが配置されているのに対して、変形例である第1の基板122では、基板の端部(外周)に沿って全周に第5の電極(エレクトレット電極)125Lが配置されている点が異なる。
同様に第2の基板123Lもその端部(外周)に沿っての全周に第6の電極(エレクトレット電極)124Lが配置されている点が図2の第2の基板103Lと異なる。
第1の基板122の第5の電極125L以外の部分は、第1の基板102と同じでよく、例えば第1の電極127Lは上述の第1の電極107Lと同じでよい。同様に第2の基板123Lの第6の電極124L以外の部分は、第2の基板103Lと同じでよく、例えば第2の電極126Lは上述の第2の電極106Lと同じでよい。
第2の基板123L上の第6の電極124Lは、第1の基板122上の第5の電極125Lより外側となるように配置されている。そして、第6の電極124Lと第5の電極125Lとは同じ極性のエレクトレット電極であることから、第6の電極124Lと第5の電極125Lとの間に静電反発力を生ずる。この静電反発力は、x軸方向およびz軸方向に加えy軸方向にも生ずる。
すなわち、本変形例では第1の基板122に作用する復元力は、図1に示す実施形態と同様のx軸方向とz軸方向に加えて、y軸方向にも作用する。この結果、外力によりx軸方向以外の例えばy軸方向に第1の基板122が変位しても第1の基板122を所定の位置に戻す力が発生するため、振動発電器がより安定に動作できるという効果を有する。
この効果をより確実に得るように、第1の基板122の上面に配置される第7の電極の形態を第3の電極125Lと同じにし、第3の基板103Uの下面に配置される第8の電極の形態を第4の電極124Lと同じにするのが好ましい。
なお、図4に示す実施形態では、第6の電極124Lが第5の電極125Lより外側になるよう配置されているが、第5の電極125Lが第6の電極124Lより外側になるよう配置してもよい。
2.実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る振動発電器200の断面図である。実施の形態1と異なる点は、第1の基板202と第2の基板203Lとの間および第1の基板202と第3の基板203Uとの間に突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubが形成されている点である。
なお、図5に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、200番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1の対応する要素と同一であってよい。
すなわち、第1の電極207L(207La、207Lb、207Lc)と第3の電極207U(207Ua、207Ub、207Uc)とが同じ極性を有している。
これにより実施の形態1と同様に第1の基板202の配線を省略または簡略化することが可能となる。
突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは、その一端が第2の基板203Lおよび第3の基板203Uの一方に固定され、他端が固定されることなく第1の基板202に接触可能である。或いは、突起体209La、209L、b209Ua、209Ubは、その一端が第1の基板202に固定され、他端が第2の基板203Lまたは第3の基板203Uの一方に固定されることなく接触可能であってもよい。
図5に示す実施形態では、突起体209La、209Lbは一端(下方端部)が第2の基板203Lに固定され、他端(上方端部)が固定されずに第1の基板202の下面と接触可能である。一方、突起体209Ua、2009Ubは一端(上方端部)が第3の基板203Uに固定され、他端(下方端部)が固定されずに第1の基板202の上面と接触可能となっている。
突起体209La、209L、b209Ua、209Ubにより、より確実にスティクションを回避することができる。
以下に、振動発電器200の動作について説明を行う。
振動発電器200は、外部からの振動により第1の基板202が第2の基板203Lおよび第3の基板203Uに対して変位(図5中の矢印208方向)することで発電を行う。その際、第1の基板202は外部からの振動により変位した後、静電力により所定の位置に戻される。
第1の電極207La、207Lb、207Lcと第5の電極205La、205Lbと第6の電極204La、204Lcとが同じ極性を有する電荷を保持するエレクトレット電極であり、第3の電極207Ua、207Ub、207Ucと第7の電極205Ua、205Ubと第8の電極204Ua、204Ucとが同じ極性を有する電荷を保持するエレクトレット電極である場合を例として説明する。
第1の基板202が変位を行った場合、変位した方向とは逆側の静電力が弱くなる。
第1の基板202が例えば図5の右方向に変位した場合、第5の電極205Lbと第4の電極204Lbとの間および第7の電極205Ubと第8の電極204Ubとの間に生ずる静電反発力の方が、第3の電極205Laと第4の電極204Laとの間および第7の電極205Uaと第8の電極204Uaとの間に生ずる静電反発力より強くなる。
このことは、静電反発力のx軸方向の成分について考えれば基板202を左方向、すなわち元の位置に戻す復元力が働くことを意味する。
一方、静電反発力のz軸方向の成分について考えれば、基板202をz軸方向に保持しようとする静電反発力が基板202の右側と左側で異なること意味する。すなわち、z軸方向の変位が不安定になる場合があることを示している。
そこで本実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを設けて、この突起体により第1の基板202を保持しz軸方向の変位を所定の範囲内に規制することで、第1の基板202をより安定に動作させることが可能となる。
すなわち、このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(5)第1の基板をより安定に動作することができる。
(5)についてさらに説明を行う。
本実施の形態の動作の説明でも示したように、第1の基板202を保持できるように突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを構成することにより、第1の基板202が変位した際に変位方向と変位と逆方向と間の静電力のアンバランスが生じても第1の基板202をより安定して動作させることが可能となる。
特に、大振幅で動作可能な本発明に係る振動発電器では、第1の基板を大きく変位させることが可能であり、この変位が大きくなるほど第1の基板の一端側と他端側(例えば図5の右側と左側)との間で静電力のアンバランスが生じやすい。
そして、この静電力のアンバランスにより第1の基板に傾きが生じると、上下方向の力のかかり方にもアンバランスが生じるため、アンバランスの補正が必要な場合がある。しかしながら、アンバランスを補正するために静電力を大きくすると、x軸方向の復元力が大きくなり過ぎて第1の基板が外部振動により十分に変位しないという問題が生じ得る。
しかし、本実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを設けて、第1の基板202のz軸方向の変位を規制(制御)することで傾きの発生も防止できる。その結果、大きな変位を伴う基板を有する振動発電器の利用可能範囲を拡大することが可能となる。
なお、本実施の形態においても、第1の電極207Lを超えた領域にまで(第1の電極207L(第1の電極207Laおよび207Lc)よりも外側にまで)第2の電極206Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板202(特に第1の電極207L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極206Lを形成する
同様に、第3の電極207Uを超えた領域にまで(第3の電極207U(第3の電極207Uaおよび207Uc)よりも外側にまで)第4の電極206Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板202(特に第3の電極207U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第4の電極206Uを形成することが好ましい。
突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは、絶縁体および半導体材料であってよい。
また、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは導電体を含んで形成されてもよく、この場合、第1の基板202上の電極と電気的に接続して電極取り出しに用いてもよい。例えば、第1の電極207La、207Lb、207Lcおよび/または第3の電極207Ua、207Ub、207Ucを接地するのに用いることも可能である。
図5に示す実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは、第1の基板202と第2の基板203Lとの間(第1の基板202の下側)および第1の基板202と第3の基板203Uとの間(第1の基板202の上側)の両方に設けられている。これは、第1の基板202がより大きく変位しても第1の基板202が傾くことなく安定して振動するために好ましい実施形態である。
突起体209La、209Lbまたは突起体209Ua、209Ubは、好ましくはそれぞれ複数個、より好ましくは3個以上形成される。より安定して第1の基板202を振動させることができるからである。
図5に示す実施形態では突起体209La、209Lbおよび突起体209Ua、209Ubは、第2の基板203Lまたは第3の基板203Uから第1の基板202に向けて径が細くなる凸状の形状を有しているが、これに限定されるものではなく例えば三角錐、三角柱、円柱のような、他の形状であってもよい。
3.実施の形態3
図6は、本発明の実施の形態3における振動発電器300の断面図である。実施の形態1と異なる点は、第1の電極307La、307Lb、307Lcと第3の電極307Ua、307Ub、307Ucとの大きさが異なり、また第5の電極305La、305Lbおよび第6の電極304La、304Lbと第7の電極305Ua、305Ubおよび第8の電極304Ua、504Ubとの大きさが異なることである。
その他の構成は実施の形態1と同様である。
なお、図6に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、300番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1の対応する要素と同一であってよい。
振動発電器300をこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(6)着電量のアンバランスの補正
(6)について説明を行う。
第1の電極307La、307Lb、307Lcと第5の電極305La、305Lbと第6の電極304La、304Lbはそれぞれ同じ極性の電荷を保持している。また、第3の電極307Ua、307Ub、307Ucと第7の電極305Ua、305Ubと第8の電極304Ua、304Ubとはそれぞれ同じ極性の電荷を保持している。一方、第1の電極307La、307Lb、307Lcと第5の電極305La、305Lbと第6の電極304La、304Lbが保持する電荷と、第3の電極307Ua、307Ub、307Ucと第7の電極305Ua、305Ubと第8の電極304Ua、304Ubが保持する電荷とは極性が異なる。
エレクトレット電極は、その大きさ、特に電荷を保持するエレクトレットの大きさが同じであっても、保持する電荷の極性が異なれば保持できる電荷の量が異なる。従って、異なる極性の電極の大きさ(より詳細には電極のエレクトレットの体積)を同じにすると保持できる電荷量が異なり、静電力および発電される電力量にアンバランスが生じる。
そこで、本実施の形態に示すように、第1の基板302に生じる静電力を同基板の上下の電極で実質的に等しくするように電極サイズ(電荷を保持するエレクトレットの体積)を変えることで、着電量のアンバランスの補正を行うことができ、また発電量のアンバランスも生じない。
加えて、第1の基板302の上下に形成した電極のサイズを変えることで、同基板の上下を見分けることを容易に行うことができ、製造工程においてミスを防止できるなど、製造上の効果も大きい。
なお、本実施の形態においても、第1の電極307Lを超えた領域にまで(第1の電極307L(第1の電極307Laおよび307Lc)よりも外側にまで)第2の電極306Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板302(特に第1の電極307L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極306Lを形成する。
同様に第3の電極307Uを超えた領域にまで(第3の電極307U(第3の電極307Uaおよび307Uc)よりも外側にまで)第4の電極306Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板202(特に第3の電極307U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第4の電極306Uを形成する。
4.実施の形態4
図7は、本発明の実施の形態4に係る第3の基板403Uの上面図(図7(a))と、第3の基板403UのB−Bにおける断面図(図7(b))である。
図7において、第3の基板403Uは、周辺部に第8の電極404Uが形成されている。第3の基板403U上には、第4の電極406Uが形成される。より詳細には、図示していないが第3の電極と対向する位置に第4の電極406Ua、406Ub、406Ucが形成され、配線電極406Udにより電気的に接続される。このとき、外部との取り出しが第3の基板403Uの4つの角部のうち少なくとも1つにおいて行われるよう、第8の電極404Uの一部に切り欠きが設けられている。
また、第8の電極404Uの電気的接続は、電極414U(404Ua)を介して、接地される。
ここで、第8の電極404Uは、図3と同様に導電体404aと、第1の絶縁体404b、電荷を保持したエレクトレット404c、第2の絶縁体404dにより構成される。
第3の基板403Uを含む振動発電器の動作については他の実施の形態と同様である。
第3の基板403Uをこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(7)静電力によるバネ力への影響を小さくすることができる。
(7)について説明を行う。本実施の形態では、第8の電極406Uの取り出しを第3の基板403Uの端部より行う。
これにより、x軸方向、或いはy軸方向に第1の基板が変位しても第3の基板403Uの周辺部に沿って配置された第8の電極404Uによる静電力を損なうことなく元の位置に第1の基板を戻すことが可能となる。
また、斜め方向(例えばx軸とy軸から45°の方向)に第1の基板が変位した場合においても、第3の基板403Uの4辺に配置されている第8の電極404Uにより所望の場所に第1の基板を戻すことが可能となる。このように静電力の効果が一番小さい領域で電極取出しを行うことで、バネ力(復元力)を減少させることなく電極取り出しが可能となる。
なお、図7では、第1の電極406Uとして、3つの電極(404Ua、404Ub、404Uc)を記載しているが、第1の電極406Uをさらに多くの短冊状の電極で構成しても同様の効果を得られる。複数のより多くの第1の電極で構成することで、第1の基板の変位に対してより多くの電力を出力できるなどの効果を得られる。
また、このような本実施の第3の基板403Uの構成は第2の基板にも適用可能である。上述の第8の電極404Uと同じ構成の第6の電極と、上述の第4の電極406Uと同じ構成の第2の電極とを有し、必要に応じて、当該第2の電極の電気的接続のために上述の電極414Uと同じ構成の電極を有する第2の基板を含む振動発電器は当然に本実施形態に含まれる。
5.実施の形態5
図8は、本発明の実施の形態5に係る振動発電器500の断面図(図8(a))と、第1の基板502が変位した状態の振動発電器500の断面図(図8(b))である。
なお、図8に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、500番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1〜4の対応する要素と同一であってよい。
すなわち、第1の電極507L(507La、507Lb、507Lc)と第3の電極507U(507Ua、507Ub、507Uc)とが同じ極性を有している。
これにより実施の形態1と同様に第1の基板502の配線を省略または簡略化することが可能となる。
図8(a)において、第3の基板503Uは、支持体511により第2の基板503Lの上部に固定して配置される。第1の基板502は、第3の基板503Uと第2の基板503Lとの間でかつ2つの支持体511の間に、その上部および下部に空間を有して配置される。すなわち、第1の基板502は、第3の基板503Uと第2の基板503Lとの間に浮遊するように(第3の基板503Uおよび第2の基板503Lから離間して)配置される。
実施形態1と同様に、第1の基板502の下面に形成された第5の電極505La、505Lbと第2の基板503Lの上面上に形成された第6の電極504La、504Lbとの間に作用する静電力と、第1の基板502の上面に形成された第7の電極505Ua、505Ubと第3の基板503Uの下面上に形成された第8の電極504Ua、504Ubとの間に作用する静電力とにより第1の基板502は保持される。
ここでは、簡単のため配線、及び突起体についての記載は省略している。
第1の基板502はx軸方向に変位することが可能であるが、その変位(振動)可能な範囲は、2つの支持体511により制御される。すなわち、第1の基板502の一方の端部が支持体511に接触する位置まで第1の基板502は変位できる。
第6の電極504La、504Lbは、支持体511の近傍(第2の基板503Lの端面の近傍)に形成される。また、第5の電極505La、505Lbは、第1の基板502の端面の近傍でかつ端面から所定の領域を介して形成される。
第1の基板502が振動して2つの支持体511の間を変位する際に第5の電極505La、505Lbは第6の電極504La、504Lbと重なりが発生しない(x軸方向において第5の電極505La、505Lbが第6の電極504La、504Lbより常に内側に位置する)ように形成される。つまり、第1の基板502の端面に設けられた領域の大きさ(x軸方向の長さ)は、第6の電極504La、504Lbの大きさ(x軸方向の長さ)よりも大きく形成される。
同様に、第8の電極504Ua、504Ubは、支持体511の近傍(第3の基板503Uの端面の近傍)に形成される。また、第7の電極505Ua、505Ubは、第1の基板502の端面の近傍でかつ端面から所定の領域を介して形成される。
第1の基板502が振動して2つの支持体511の間を変位する際に第7の電極505Ua、505Ubは第8の電極504Ua、504Ubと重なりが発生しない(x軸方向において第7の電極505Ua、505Ubが第8の電極504Ua、504Ubより常に内側に位置する)ように形成される。つまり、第1の基板502の端面に設けられた領域の大きさ(x軸方向の長さ)は、第8の電極504Ua、504Ubの大きさ(x軸方向の長さ)よりも大きく形成される。
このように形成した振動発電器500の動作について説明を行う。
振動発電器500は、外部からの振動により第1の基板502が第2の基板503Lおよび第3の基板503Uに対して変位することで発電を行う。その際、第1の基板502は外部からの振動により変位するが、2つの支持体511の間で最大限に変位した場合でも、電荷を保持する膜を含む第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbとの重なり、及び第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubとの重なりが発生しないため、静電力により第1の基板502は変位とは逆方向の力を受ける。
なお、ここでいう第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbとの重なりが発生しないとは、第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbとが完全に重なることないことがないことを意味する。
すなわち、図8(b)に示すように第1の基板502の変位が最大になった場合でも第5の電極の端部と第6の電極の端部(図8(b)では第5の電極505Laの端部と第6の電極504Laの端部)のx方向の距離ΔdがΔd>0である。
同様に、第7の電極の端部と第8の電極の端部のx方向の距離ΔdもΔd>0である。
振動発電器500は、このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(8)低周波数領域における大振幅動作が可能
(8)について説明を行う。
第5の電極505La、505Lbおよび第7の電極505Ua、505Ubは第1の基板502の端面から一定の領域を介して(一定の距離で)形成されており、実施の形態1から実施の形態4とは電極配置が異なる。前述の実施の形態では、静電力を確保するために、バネ力(静電力)を大きめに設定することで、第1の基板が空間の端面まで変位することを防ぐ必要があり、その結果、バネ力をある程度強くする必要がある。
一方、本実施の形態のように構成することで、静電力を小さくして第1の基板502が大振幅動作を行った場合においても、第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbの重なり及び第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubとの重なりが発生しないため、変位とは逆の方向に静電力が発生する(より正確には、第2の基板方向(x軸方向)とそれに垂直な方向(z軸方向)のベクトル和の方向)。そのため、バネ力(静電力)を小さくすることで、より低周波数領域において、大振幅動作を可能にし、発電が可能となる。
なお、例えば第7の電極505U(505Ua、505Ub)と第8の電極504U(504Ua、504Ub)とを設けずに、第5の電極505L(505La、505Lb)と第6の電極504L(504La、504Lb)とを設けて、第1の基板502の下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器500は発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板502の一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施形態に含まれる。
図9は、本発明の実施の形態5に係る別の振動発電器550の断面図(図9(a))と、第1の基板502Aが変位した状態の振動発電器550の断面図(図9(b))である。
図8に示す実施の形態では、第1の基板502の周辺部(端部近傍)に静電力を発生する領域を設けた。一方、図9に示す実施形態では、第5の電極555Lと第6の電極554La、554Lbをそれぞれ第1の基板502Aの下面の中央部(x軸方向の中央部)と第2の基板503LA上面の中央部に設け、さらに第7の電極555Uと第8の電極554Ua、554Ubをそれぞれ第1の基板502Aの上面の中央部(x軸方向の中央部)と第3の基板503UA下面の中央部に設けている。
このような実施形態も本実施の形態に含まれる。
この場合においても、第1の基板502Aが2つの支持体511の間で最大の変位を行った場合においても、第5の電極555Lと第6の電極554La、554Lbとの重なり及び第7の電極555Uと第8の電極554Ua、554Ubとの重なりが発生しないように設計を行うことで振動発電器500と同様の効果を得ることができる。
さらに図9の実施形態では第5の電極555Lおよび第7の電極555Uの個数をそれぞれ1個にすることが可能であるという利点を有する。
なお、必要に応じて複数個の第3の電極555Lおよび/または第7の電極555Uを基板502Aの中央部に配置してもよい。
また、図9に示す実施形態においても、例えば第7の電極555Uと第8の電極554Uとを設けずに、第5の電極555Lと第6の電極554Lとを設けて、第1の基板502Aの下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器550は発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板502Aの一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施形態に含まれる。
6.実施の形態6
図10は、本発明の実施の形態6に係る振動発電器100Aの断面図であり、図10(a)は第1の基板102が所定の位置に保持されている状態を示し、図10(b)は第1の基板102が振動して所定の位置から変位した状態を示す。図11は図10に示す振動発電器100Aの発電に寄与する部分の断面図であり、図10で記載を省略した配線を示す。
実施の形態1がエレクトレット電極間に生じる静電力を用いて(静電バネにより)第1の基板102を支持していたのに対し、本実施の形態は、弾性バネ132L、132Rを用いて第1の基板102を支持している点が実施形態1と異なる。
すなわち、実施の形態1で用いた第5の電極105La、105Lbと第6の電極104La、104Lbと第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとに代えて、弾性バネ132L、132Rが配置されている。そして、弾性バネ132L、132Rのそれぞれの一端を固定するための支持体131L、132Lが配置されている。
支持体131L、132Lは図10(a)、(b)に示すように必要に応じて第2の基板103Lと第3の基板103Uとを接続してもよい。
本実施の形態に係る振動発電器100Aのこれ以外の構成は、実施の形態1に係る振動発電器100と同じである。
従って、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
第1の基板102は、弾性バネ132L、132Rにより支持体131L、131Rにそれぞれ接続されている。つまり、第1の基板102は弾性バネを介して図10(a)のx軸方向(図11の矢印118の方向)に振動可能に支持されている。
すなわち、実施形態1(実施形態2〜5も同様)では、振動した第1の基板を所定の位置に戻す復元力を発生する復元力発生部材として、同じ極性の電荷を有する複数のエレクトレット電極(第5〜第8の電極)を用いたが、本実施形態では弾性バネ132L、132Rを用いている。
弾性バネ132L、132Rとしては、既知の各種の弾性バネが使用できる。このような弾性バネとして、金属、樹脂または半導体から成るバネ、空気バネ等の流体を利用したバネを例示できる。
発電に寄与する第1の電極107La、107Lb、107Lc、第2の電極106La、106Lb、106Lc、第3の電極107Ua、107Ub、107Ucおよび第4の電極106Ua、106Ub、106Ucの構成は、図10(a)(b)および図11に示すように実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
次に、振動発電器100Aの動作について説明を行う。
上述のように外部から作用(振動)により第1の基板102が変位する。そして、弾性バネ132L、132Rにより所望の位置に戻る方向に変位する動作を行う。
より詳細には、図10(b)に示すように第1の基板102が左方向に変位すると、弾性バネ132Lはx軸方向に圧縮されるため、元の形状に戻ろうとし、この結果、第1の基板に復元力(図10(b)の右方向の力)を与える。一方、弾性バネ132Lは、第1の基板102が左方向に変位するとx軸方向に引っ張られるため、元の形状に戻ろうとし、この結果、第1の基板に復元力(図10(b)の右方向の力)を与える。
従って、第1の基板102に外力が作用している間は、第1の基板102は振動を継続する。一方、外力が作用しなくなると、第1の基板102の振動は減衰し、図10(a)に示すように弾性バネ132Lから第1の基板102に加わる力と弾性バネ132Rから第1の基板102に加わる力がバランスする所定の位置で停止する。
このように、第1の基板102が変位(振動)を行うことにより、実施の形態1で示した振動発電器100と同様に、第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)との重なり面積および第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)と第4の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc)との重なり面積が変化することで振動発電器100Aは発電を行う。
また、実施の形態1と同様に、第1の基板102の一方の面に配置された第1の電極107La、107Lb、107Lcと、他方の面に配置された第3の電極107Ua、107Ub、107Ucとは異なる極性を有している。このため、第1の基板102内において擬似GND面が存在することとなる。この結果、第1の基板102から配線してグランドに接地することなく、第1の基板102をGNDに接地された基板のように扱うことができるため、配線を不要とすることでプロセスの簡略化、及び外部回路を簡略化することが可能となる。
なお、好ましくは、リード線等のやわらかい配線などを用いて第1の基板102からGNDを引き出し接地する構成としてもよい。これは、擬似GND面を形成するだけでなく、基準電位(GND)へ第1の基板102を接地することで、取り出す電位の安定がよりいっそう図れるからである。
さらに、実施形態1と同様に、振動発電器100Aは、出力電力が大きいおよび優れた振動安定性という効果を有する。
図10(a)に示すように、第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)は第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と対向する部分にのみ形成したが、実施の形態1で示したように、第1の電極107Lを超えた領域にまで第2の電極106Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板102(特に第1の電極107L)の振動限界まで第2の電極106Lを形成する。
第3の電極107Uを超えた領域にまで第4の電極113Uを形成することが好ましいこと、およびより好ましくは、第1の基板102の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第4の電極106Uを形成することも実施の形態1と同様である。
さらに、第1の基板102の表面(主面)の形状は、正方形だけでなく、矩形であっても、或いは他の形状であってもよいことは言うまでもない。
なお、弾性バネ132L、132Rの個数は、図10に示す2個に限定されるものではなく、復元力を生ずることできる限りはたとえ1個でもよい。しかし、好ましくは復元力をより確実に生ずるように複数(2またはそれ以上)の弾性バネが用いられる。
・変形例
次に本実施の形態に係る変形例を示す。
図12は、本変形例に係る第1の電極(エレクトレット電極)107Laと第3の電極(エレクトレット電極)107Uaの断面を示す図である。
図12では、1つの第1の電極(第1の電極107La)のみを示しているが、他の第1の電極(第1の電極107Lb、107Lc)も同じ構成を有する。同様に図12に示さない他の第3の電極(第2の電極107Ub、107Uc)も図12に示す第3の電極107Uaと同じ構成を有する。
第1の電極107L(107La)と第3の電極107U(107Ua)とは、エレクトレットから成る電極であり、それぞれの厚さt2(第1の電極107Laの厚さ)とt1(第3の電極107Ua)とは図12に示すように異なっている。
このようにエレクトレット(エレクトレット電極)の厚みを異ならせることで第1の電極107Laと第3の電極107Uaの表面電位の絶対値を一致させることが可能となる。
すなわち、同じ材料で同じ厚さを有するエレクトレットは、正に帯電させて場合と負に帯電させた場合では、通常、その表面電位の絶対値は異なる。そこで本変形例では、異なる電荷に帯電している第1の電極107Lの厚さt2と第3の電極107Uの厚さt1とをその表面電位の絶対値が同じになるように調整している。
そして、例えばSi基板等、0.1〜100Ω・cm程度の抵抗率の低い基板を第1の基板102として用いることが好ましい。
これにより、第1の基板102の上面と下面に形成された、絶対値が同じで正負が反対の表面電位を有するエレクトレット(107L、107U)の電界により第1の基板102中の電荷が上下のエレクトレットに引き寄せられ、第1の基板102の電位は略ゼロになり、極めて好ましい擬似GNDとして機能することが可能となる。
さらに、振動により可動基板が振動して発電を行う場合、負に帯電したエレクトレットと正に帯電したエレクトレットとの間で電荷が移動し、あたかもアースされた配線から電荷がそれぞれ供給されるように動作することとなる。したがって、配線によりアースに接続しなくても、常に可動基板の電位をGNDとすることが可能となる。
加えて、第1の電極107Lと第3の電極107Uの表面電位が等しいことから、第2の電極106Lと第4の電極106Uから出力される電力の電圧振幅が一致したものとなり、図示していない、電圧変換回路への入力電圧が等しくなり、共通回路とした場合においても効率を下げることなく動作が可能となる。
本実変形例では、エレクトレットは可動基板(第1の基板)に直接形成したが、エレクトレットの下方に導電膜を形成しても同様の効果を得ることができる。
さらに、可動基板上に熱酸化膜等の絶縁膜を形成した上にエレクトレットを形成しても同様の効果があることは言うまでもない。
なお、本変形例では、上述のように第1の基板として、低抵抗の基板を用いた例を示したが、発電部のインピーダンスに対して基板の抵抗が小さければ同様の効果を得ることが出来る。
エレクトレットの表面電位の測定については、後述の実施の形態9で詳細を示す。
7.実施の形態7
図13は、本発明の実施の形態7に係る振動発電器200Aの断面図である。図5に示した実施の形態2に係る振動発電器200の断面構造と異なる点は、振動した第1の基板202を所定の位置に戻す復元力を発生する復元力発生部材として、実施形態2では、同じ極性の電荷を有する第5の電極205La、205Lbと第6の電極204La、204Lbおよび第7の電極205Ua、205Ubと第8の電極204Ua、204Ubを用いているのに対して、本実施形態では弾性バネ232L、232Rを用いていることである。
この点を除くと振動発電器200Aの構成は、振動発電器200の構成と同じである。
弾性バネ232L、232Rは、実施の形態6に示した弾性バネ132L、132Rと同じものを用いてよい。
また、必要に応じて、実施の形態6に示した支持体131L、132Lを配置して、弾性バネ232L、232Rのそれぞれの一端を固定してもよい。
このように構成された振動発電器200Aは実施の形態2に示す、振動発電器200と同じ効果を有する。
8.実施の形態8
図14は、本発明の実施の形態8に係る振動発電器500Aの断面図であり、図14(a)は第1の基板502が所定の位置に保持されている状態を示し、図14(b)は第1の基板502が図の左方向に最大の変位を行った状態を示す。
図8に示した実施の形態5に係る振動発電器500と断面構造の異なる点は、振動した第1の基板502を所定の位置に戻す復元力を発生する復元力発生部材として、実施形態5では、同じ極性の電荷を有する第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbおよび第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubを用いているのに対して、本実施形態では、これら第5〜第8の電極に加えて弾性バネ532L、532Rを用いていることである。
この点を除くと振動発電器500Aの構成は、振動発電器500の構成と同じである。
弾性バネ532L、532Rは、実施の形態6に示した弾性バネ132L、132Rと同じものを用いてよい。
本実施形態に係る振動発電器500Aで上述のように、第5の電極505La、505Lbと第6の電極504La、504Lbとの間に生ずる静電力および第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubとの間に生ずる静電力に加えて、弾性バネ532L、532Rによる弾性力を復元力として用いる。
このため、より強い復元力を第1の基板502に作用させることができる。
この結果、以下のような効果を得ることができる。
(8)第1の基板の側壁への衝突回避
(8)について詳細な説明を行う。本実施の形態に示す振動発電器500Aでは、上述のようにより強い復元力を発生できる。特に第1の基板502の変位が大きくなった場合、静電力による復元力と弾性力による復元力の両社とも変位の増加と共に増加することから、支持体511や図示しない振動発電器の側壁に第1の基板502が衝突するのをより確実に防ぐことが可能である。
なお、実施の形態5に示した振動発電器550に弾性バネ532L、532Rを用いてより復元力を向上させた振動発電器も本実施の形態に含まれる。
9.実施の形態9
図15は、本発明の実施の形態9に係るエレクトレットの断面図であり、実施の形態1から実施の形態8に係る振動発電器で用いられるエレクトレット電極の第1の電極、第3の電極、第5の電極、第6の電極、第7の電極および第8の電極のいずれとしても用いることができる。
第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)、第3の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)を例として説明するが、他の電極の場合もそれぞれ対応する基板上に同じ構成を有することが可能であることは言うまでもない。
第1の基板102上に導電体117aが形成される。導電体117aの上部には第1の絶縁体117b、電荷を保持した膜であるエレクトレット117c(第1の電極107Lではエレクトレット117cL、第3の電極107Uではエレクトレット117cU)と第2の絶縁体117dが形成される。このとき、エレクトレット117cUとエレクトレット117cLの厚さはそれぞれ、t1、t2であり、厚さt1と厚さt2は異なっている。
このように、エレクトレット117cの厚みを保持電荷の極性により変えることで、極性によらずエレクトレット117cUとエレクトレット117cLの表面電位の絶対値を同じにすることが可能となる。
第1の電極107Lおよび第3の電極107Uのそれぞれの導電体117aは、例えば、基板貫通する配線により電気的に接続されている。
また、エレクトレット117c(117cL、117cU)は導電体117a全体に形成されてもよく、また短冊状の導電体117a上の一部にのみに配置されてもよいが、短冊状の導電体117aの一部に形成される方がプロセス、デバイス特性の安定性から好ましい。
特に、第1の基板102として高抵抗の基板を用いることが好ましく、この場合エレクトレット117cは、導電体117aの上にのみ形成することが望ましい。このように形成することで、電荷を注入する際、電荷をエレクトレット117cに強制的に注入可能となり、より電荷の安定したエレクトレットが作成可能となる。
なお、ここでいう高抵抗の基板とは、基板全体の抵抗率の高い基板だけでなく、低抵抗基板(例えば、低抵抗シリコン基板)の表面に酸化膜等の絶縁膜を形成したものも含み、後者を用いても前者と同様の効果が得られることは言うまでもない。
表1には、同一の膜厚で試作を行ったエレクトレットへの正電荷および負電荷の着電量を表面電位で測定した結果(絶対値)を示す。
Figure 0005063816
図16は表面電位の測定方法を示す模式図である。
表面電位の測定について、図16を用いて説明を行う。導電体107aを測定基準電位としてGNDにアースする。このとき、表面電位計30の測定基準電位も同様にGNDにアースして測定を行う。図16に示すように、導電体107aと表面電位計30の測定基準電位とを共通のGNDにすることで高い精度を得ることができる。
好ましい表面電位計30としては、例えば、Trek社製等の接触式表面電位計がある。非接触式の表面電位計も用いることができる。
図12に示すように、第1の基板102に直接エレクトレット膜107Uaおよび/またはエレクトレット膜107Laが形成された構造においても、測定基準電位を第1の基板102にとれば同様に表面電位の測定が可能である。
表1に示す結果は、Trek社製等の接触式表面電位計を用いて図16に示す方法により測定して求めた。
表1では、負電荷の絶対値を1とした値を示す。エレクトレット107cとしてシリコン酸化膜を用いた。表1の結果から、同一の材料から成り、同一の膜厚を有するエレクトレットを第1の電極107Lと第3の電極107Uに用いると、正電荷と負電荷で電荷の保持に差が生じることが判る。
そこで、表2に示すように表面電位(絶対値)を一致させるように正電荷を着電する膜厚と負電荷を着電する膜厚とを異なる膜厚とした。
Figure 0005063816
すなわち、第1の基板102の上面側と下面側の両方で電力を発電する構造の振動発電器において、第1の基板102の上面と下面で異なる極性の電荷を保持するエレクトレット(同一材料)を用いる場合、異なる膜厚のエレクトレットを選択することで表面電位の絶対値を同じにできることが分かる。
このように第1の電極107Lと第3の電極107Uの表面電位の絶対値が等しくなると、第1の基板102の電位は略ゼロになり、極めて好ましい擬似GNDとして機能することが可能となる。
さらに、振動により可動基板が振動して発電を行う場合、負に帯電したエレクトレット、正に帯電したエレクトレット間で電荷が移動し、あたかもアースされた配線から電荷がそれぞれ供給されるように動作することとなる。したがって、配線によりアースに接続しなくても、常に可動基板の電位をGNDとすることが可能となる。
さらに、このように形成したエレクトレットでは、実施の形態1から8で述べた効果を得ることができることは言うまでもない。
次にエレクトレット107cに用いるエレクトレット材料について説明を行う。
上述のように第1の電極、第3の電極、第5の電極、第6の電極、第7の電極および第8の電極は電荷を保持したエレクトレット膜を有したエレクトレット電極として構成される。
エレクトレット膜107cを構成するエレクトレット材料としては、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、ポリビニルクロライドなどの高分子材料、或いは酸化シリコンなどの無機材料を利用することができる。これらの中でも絶縁耐圧、耐熱性に優れた酸化シリコンを用いることが好ましい。
10.実施の形態10
本発明の実施の形態10として、振動発電装置を説明する。
図17は、本実施の形態に係る振動発電装置600のブロック図である。図17示す振動発電器601は、実施の形態1〜実施の形態9で示された振動発電器のいずれか1つである。
図17において、振動発電装置600は、振動発電器601、整流回路602、電圧変換回路603、出力切替回路604、蓄電回路605と電圧制御回路606からなる。振動発電器601から出力された交流電圧は、整流回路602により直流電圧に変換される。直流電圧は、電圧変換回路603に入力され、振動発電装置600の出力電圧レベルまで電圧変換し、変換された電圧は、出力切替回路604により、電圧制御回路606、或いは蓄電回路605に入力される。電圧制御回路606では、出力電圧が一定となるように電圧制御されて出力される。
以上のように構成された振動発電装置600の動作について、図18を参照して説明を行う。
図18は振動発電装置600の各部の電圧波形を示しており、図18(a)は、振動発電器601の出力電圧波形である。本実施の形態では簡単のため、第1の基板の変位方向が変わるところでも発電は効率よく行われていると仮定し、振動による重なり面積の増減により正弦波電圧が出力されるとしている。ここで、振動発電器601の出力電圧は、第1の基板の振動振幅、第1の基板、第3の基板間のギャップ、エレクトレット膜の保持電荷量、及び振動発電器601から見た外部インピーダンスの大きさなどにより電圧振幅Vgは異なる。振動発電器601から出力された交流電圧は、整流回路602により直流電圧VDC1に変換される(図18(b))。VDC1は、振動発電装置600の出力電圧レベルVDC2まで電圧変換回路603で電圧変換される。出力切替回路604の動作は、振動発電装置600からの電圧出力が必要ないときは、電圧制御回路606には出力を行わず、蓄電回路605に発電された電力を蓄える、また、振動発電装置600からの電圧出力が必要であり、発電量が小さい時、蓄電回路605に蓄えられた電力を出力するように切替を行う。出力切替回路604からの出力は、電圧制御回路606により所望の出力電圧VOUTに制御されて出力が行われる(図18(c))。
また、前述したように、振動発電器600の出力電圧は、さまざまな要因で変動する。これに対応するため、VDC2は、最終的に出力される電圧VOUTよりも若干高い電圧に設定することが望ましい。このように設定を行うことで、微小な電圧変動に対しても、
出力電圧は一定とすることが可能となる。例として1.8Vの出力を行う場合について説明を行うと、VDC2を1.8Vに設定した場合、振動発電器の出力電圧が減少すると、振動発電器600の出力電圧も減少するが、例えば、VDC2を2Vに設定しておけば、0.2Vの電圧減少に対しても十分に制御が可能となるなど、利用上の効果は大きい。
図19は、本実施の形態に係る別の構造の振動発電装置610を示すブロック図である。
図19において、振動発電器610は、実施の形態1〜実施の形態9のいずれかに示された振動発電器である。
振動発電装置610は、振動発電器611、整流回路612、電圧変換回路613、出力制御回路614、蓄電回路615および電圧制御回路616からなる。振動発電器611から出力された交流電圧は、整流回路612により直流電圧に変換される。直流電圧は、電圧変換回路613に入力され、振動発電装置610の電圧制御可能な電圧レベルに電圧変換し、変換された電圧は、電圧制御回路606で所望の電圧となるよう制御され蓄電回路615に入力される。出力制御回路614では、蓄電回路615に蓄えられた電力を負荷の状態に合わせて出力制御を行う。
このような構成を有する振動発電装置610においても振動発電装置600と同様の効果が得られることは言うまでもない。
振動発電装置610の動作は、振動発電装置600のそれと概略同様であるが、電圧制御回路616の出力電圧は、蓄電回路615への最適な電圧に制御するように設定を行う。また、出力制御回路614は、負荷の状態に合わせて振動発電装置610からの出力を制御する。
11.実施の形態11
図20は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置700のブロック図である。図20において、発電装置701は実施の形態10で示された振動発電装置を示す。
図20において、通信装置700は、振動により発電を行う発電装置701、通信装置の主電源、或いは発電装置701のサブ電源としての電池702、発電装置701からの出力と電池702からの出力を切り替えて回路部に供給する電源制御部703と、タイヤの空気圧を測定する圧力センサ704、圧力センサからの出力を処理し、通信部に伝える処理部705、処理部705からの入力信号を高周波信号に変換してアンテナ707へ伝える通信部706と、アンテナ707からなる。
以上のように構成された通信装置700の動作について説明を行う。
圧力センサ704、処理部705、通信部706が動作するために必要な電力を、電源制御部703により発電装置701、或いは電池702から供給を行う。圧力センサ704は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換して処理部705へ入力する。処理部705で処理された信号は、通信部706へ入力され高周波信号としてアンテナ707から伝搬される。
このように、振動発電装置を通信装置の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減、或いは電池交換無しといった状況が可能であり、利用上の効果は大きい。
また、本実施の形態では、振動発電装置と電池との併用を行う例を示したが、振動発電装置からの出力電力が圧力センサ、処理部、通信部等の回路で消費する電力、通信に必要な電力を十分にまかなうことができれば振動発電装置のみでもかまわない。その場合、電池、及び電源制御部が不要となり機器の小型化といった点で有効である。
本実施の形態では、圧力センサのみを装備した通信装置のブロック図を示したが、自動車の動作状況を検出して電力制御を行うためのセンサ、及び制御回路が搭載された通信装置においても同様の効果が得られることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態では、実施の形態1から10に示す振動発電器、振動発電装置を用いる例を示したが、外部からの振動を電力に変換可能な振動発電器であれば、他の振動発電器であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
12.実施の形態12
図21は、おもちゃなどに搭載される音の出る電子機器800のブロック図である。図21において、発電装置801は実施の形態6で示された振動発電装置を示す。
図21において、電子機器800は、振動により発電を行う発電装置801、通信装置の主電源、或いは発電装置801のサブ電源としての電池802、発電装置801からの出力と電池802からの出力を切り替えて回路部に供給する電源制御部803と、外部からの応答(例えば、ボタンプッシュ、傾きなど)を検出するセンサ804、センサからの出力を処理し、通信部に伝える処理部805、処理部805からの入力信号によりスピーカー807へ伝える制御部806と、スピーカー807からなる。
以上のように構成された通信装置(電子機器)800の動作について説明を行う。
センサ804、処理部805、制御部806が動作するために必要な電力を、電源制御部803により発電装置801、或いは電池802から供給を行う。センサ804は、外部からの応答を検出し、検出結果を処理部805へ入力する。処理部805で処理された信号が所望の値を超えると、制御部806へ入力されスピーカー807から音を出力する。
このように、振動発電装置を電子機器の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減、或いは電池交換無しといった状況が可能であり、利用上の効果は大きい。
また、本実施の形態では、振動発電装置と電池との併用を行う例を示したが、振動発電装置からの出力電力が圧力センサ、処理部、通信部等の回路で消費する電力、通信に必要な電力を十分にまかなうことができれば振動発電装置のみでもかまわない。その場合、電池、及び電源制御部が不要となり機器の小型化といった点で有効である。
また、本実施の形態では、実施の形態1から10に示す振動発電器、振動発電装置を用いる例を示したが、外部からの振動を電力に変換可能な振動発電器であれば、他の振動発電器であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
なお、今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本出願は、日本国特許出願、特願2009−293721を基礎出願とする優先権主張と伴う。特願2009−293721は参照することにより本明細書に取り込まれる。
本発明にかかる振動発電器は、静電誘導型振動発電器として有用である。また、本発明にかかる振動発電器は、小電力の無線通信モジュール、その他電子機器等の用途においては大変有用である。
100 振動発電器
102 第1の基板
103L 第2の基板
103U 第3の基板
107La、107Lb、107Lc 第1の電極
106La、106Lb、106Lc 第2の電極
107Ua、107Ub、107Uc 第3の電極
106Ua、106Ub、106Uc 第4の電極
105La、105Lb 第5の電極
104La、104Lb 第6の電極
105Ua、105Ub 第7の電極
104Ua、104Ub 第8の電極
108 振動方向
209Ua、209La、209Ub、209Lb 突起体
600 振動発電装置
700 通信装置
800 電子機器

Claims (19)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含む第1の電極と、
    前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の下面に対向して配置された第2の基板と、
    前記第1の電極と対向するように前記第2の基板の上面に配置された第2の電極と、
    前記第1の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含む第3の電極と、
    前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の上面に対向して配置された第3の基板と、
    前記第3の電極と対向するように前記第3の基板の下面に配置された第4の電極と、
    を含み、
    前記第1の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第3の電極が有する前記電荷を保持する膜とが、異なる極性の電荷を保持し、
    前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第2の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す復元力を与える、復元力発生部材を更に含み、
    前記第1の電極および前記第3の電極は、それぞれ、前記前記第1の基板が前記第2の基板に対して移動する方向に沿って複数配置されていることを特徴とする振動発電器。
  2. 前記第1の電極および前記第3の電極は、それぞれ、前記第1の基板側より順に積層された導電体、絶縁体および前記電荷を保持した膜を有することを特徴と請求項1に記載の振動発電器。
  3. 前記復元力発生部材が、
    前記第1の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含む第5の電極と、
    前記第2の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含み、前記第5の電極との間に静電力を生ずるように配置された第6の電極と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の振動発電器。
  4. 前記第5の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第6の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持していることを特徴とする請求項に記載の振動発電器。
  5. 前記復元力発生部材が、
    前記第1の基板の上面に配置され、電荷を保持した膜を含む第7の電極と、
    前記第3の基板の下面に配置され、電荷を保持した膜を含み、前記第7の電極との間に静電力を生ずるように配置された第8の電極と、
    を含むことを特徴とする請求項またはに記載の振動発電器。
  6. 前記第7の電極が有する前記電荷を保持する膜と、前記第8の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持していることを特徴とする請求項に記載の振動発電器。
  7. 前記第5の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、前記第6の電極が前記第2の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第5の電極と前記第6の電極とが重ならない位置に配置され、
    前記第7の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、前記第8の電極が前記第3の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第7の電極と前記第8の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の振動発電器。
  8. 前記第5の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、前記第6の電極が前記第2の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第5の電極と前記第6の電極とが重ならない位置に配置され、
    前記第7の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、前記第8の電極が前記第3の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第7の電極と前記第8の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の振動発電器。
  9. 前記第6の電極が前記第2の基板の外周に沿って形成され、前記第2の電極が前記第6の電極の内側に形成され前記第6の電極に設けた切欠き部を通り外部と電気的に接続され、
    前記第8の電極が前記第3の基板の外周に沿って形成され、前記第4の電極が前記第8の電極の内側に形成され前記第8の電極に設けた切欠き部を通り外部と電気的に接続されていること特徴とする請求項またはに記載の振動発電器。
  10. 前記第1の電極の前記電荷を保持した膜と前記第3の電極の前記電荷を保持した膜とが異なる厚さを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の振動発電器。
  11. 前記復元力発生部材が、前記第1の基材に接続された弾性バネを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の振動発電器。
  12. 一端が前記第2の基板または前記第3の基板に固定され、他端が前記第1の基板と接触可能な突起体を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の振動発電器。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の振動発電器と、
    前記振動発電器からの交流出力電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
    を含むことを特徴とする振動発電装置。
  14. 前記整流回路から出力された直流電圧を所望の電圧レベルに変換を行う電圧変換回路と、
    前記振動発電装置からの出力が不要な場合、振動発電器により発電された電力を蓄える蓄電回路と、
    前記電圧変換回路、或いは前記蓄電回路からの出力電圧を所定の電圧に制御する電圧制御回路と、
    前記電圧変換回路の出力を蓄電回路、或いは電圧制御回路に切り替える出力切替回路と、
    を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の振動発電装置。
  15. 前記電圧変換回路からの出力電圧が、前記振動発電回路の出力電圧よりも高く設定されていることを特徴とする請求項14に記載の振動発電装置。
  16. 請求項1315のいずれか1項に記載の振動発電装置を用いた通信装置。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする通信装置。
  18. 請求項1315のいずれか1項に記載の発電装置を用いた電子機器。
  19. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする電子機器。
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