以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスク装置の構成
図1に示すように、光ディスク装置1は、統括制御部2を中心に構成されており、光ディスク100に対し情報を記録し、また当該光ディスク100から情報を再生し得るようになされている。
光ディスク100は、例えばBD方式の規格に準拠しており、記録層Y0〜Y3の4層の記録層Yを有している。各記録層Yは、螺旋状又は同心円状のトラック溝が形成されており、当該トラック溝に沿って情報が記録されるようになされている。
統括制御部2は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
統括制御部2は、光ディスク100から情報を再生する場合、駆動制御部3を介してスピンドルモータ5を回転駆動させ、ターンテーブル5Tに載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。
また統括制御部2は、駆動制御部3を介してスレッドモータ6を駆動させることにより、光ピックアップ7を移動軸に沿ってトラッキング方向、すなわち光ディスク100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させるようになされている。
光ピックアップ7は、対物レンズ8や2軸アクチュエータ9等の複数の部品が取り付けられており、統括制御部2の制御に基づいて光ディスク100へ光ビームを照射するようになされている。
因みに統括制御部2は、光ディスク100に光ビームを照射する場合、記録層Yのうち情報を読み出す対象とする記録層Y、すなわち光ビームの焦点を合わせるべき記録層Yを対象記録層YT(図示せず)として選定するようになされている。
また光ピックアップ7は、光ビームが光ディスクにより反射されてなる反射光ビームを受光し、その受光結果に応じた受光信号を生成して信号処理部4へ供給するようになされている。
信号処理部4は、供給された受光信号を用いた所定の演算処理を行うことによりフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をそれぞれ生成し、これらを駆動制御部3へ供給する。
駆動制御部3は、供給されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を基に、対物レンズ8を駆動するための駆動信号を生成し、これを光ピックアップ7の2軸アクチュエータ9へ供給する。
光ピックアップ7の2軸アクチュエータ9は、この駆動信号に基づいて対物レンズ8のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、当該対物レンズ8により集光される光ビームの焦点位置を調整するようになされている(詳しくは後述する)。
また駆動制御部3は、統括制御部2から対象記録層YTの通知を受け、当該対象記録層YTに当該光ビームの焦点を合わせるようフォーカス制御を行うようになされている。
信号処理部4は、受光信号に対し所定の演算処理、復調処理及び復号化処理等を施すことにより、光ディスク100に記録されている情報を再生し得るようになされている。
さらに統括制御部2は、光ディスク100に情報を記録する場合、図示しない外部機器等から記録すべき情報を受け付け、これを信号処理部4へ供給する。信号処理部4は、当該情報に対し所定の符号化処理や変調処理等を施すことにより記録用信号を生成し、これを光ピックアップ7へ供給する。
光ピックアップ7は、光ビームを記録用の強度とすると共に記録用信号に応じて変調させることにより、記録用信号に応じた記録マークを形成していく。例えば光ディスク100がBD−RE(Blu-ray Disc-Rewritable)と同様の記録方式でなる場合、記録層を形成する材料を局所的に相変化させることにより当該記録マークを形成する。
このように光ディスク装置1は、光ディスク100に対し光ピックアップ7から光ビームを照射させ、その反射光を基にフォーカス制御及びトラッキング制御を行いながら、情報の再生処理や記録処理を行い得るようになされている。
(1−2)光ピックアップの構成
光ピックアップ7は、図2に示すように、光ディスク100に光ビームL1を照射し、当該光ディスク100により当該光ビームL1が反射されてなる反射光ビームLRを受光するようになされている。
レーザダイオード11は、制御部2の制御の基で、波長約405[nm]の青紫色レーザ光でなる光ビームL1を発散光として出射し得るようになされている。またレーザダイオード11は、光ビームL1がP偏光となるようにその取付角度等が調整されている。
実際上統括制御部2は、レーザダイオード11から光ビームL1を発射させ、コリメータレンズ12へ入射させる。コリメータレンズ12は、光ビームL1を発散光から平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ13へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ13は、光ビームの偏光方向に応じて透過率が相違する反射透過面13Sを有しており、P偏光の光ビームをほぼ100%の割合で透過すると共に、S偏光の光ビームをほぼ100%の割合で反射するようになされている。
実際上偏光ビームスプリッタ13は、反射透過面13Sにより光ビームL1をほぼ100%の割合で透過させ、球面収差補正部14へ入射させる。
球面収差補正部14は、凸レンズでなりその位置が固定された固定レンズ14Fと、凹レンズでなり光ビームL1の光軸に沿った方向へ移動し得る可動レンズ14Mとにより、いわゆるガリレオ式のビームエクスパンダとして構成されている。この可動レンズ14Mは、統括制御部2及び駆動制御部3内に設けられた球面収差制御部(図示せず)からの制御に基づいて移動するようになされている。
実際上球面収差補正部14は、可動レンズ14Mにより光ビームL1を一度拡散し、続いて固定レンズ14Fにより当該光ビームL1を集光する。
このとき球面収差補正部14は、光ビームL1が集光され光ディスク100の対象記録層YTに到達した際に生じる球面収差と逆特性となるような球面収差を当該光ビームL1に予め与える。これにより球面収差補正部14は、光ビームL1の対象記録層YTへの到達時における球面収差を補正し得るようになされている。
1/4波長板15は、光ビームを直線偏光と円偏光との間で相互変換し得るようになされており、例えばP偏光でなる光ビームL1を左円偏光に変換し、対物レンズ8へ入射させる。
対物レンズ8は、光ビームL1を集光する。ここで統括制御部2は、2軸アクチュエータ9により対物レンズ8のフォーカス方向に関する位置を調整している。このため対物レンズ8は、光ビームL1の焦点F1(図示せず)を光ディスク100の対象記録層YTにおおよそ合わせるよう照射する。
このとき光ビームL1は、対象記録層YTで反射されることにより反射光ビームLRとなり、対物レンズ8へ入射される。また反射光ビームLRは、円偏光における回転方向が反射時に反転されるため、右円偏光となる。
この後反射光ビームLRは、対物レンズ8により発散光から平行光に変換され、1/4波長板15により右円偏光からS偏光(直線偏光)へ変換され、さらに球面収差補正部14へ入射される。
球面収差補正部14は、反射光ビームLRが対象記録層YTにより反射されてから対物レンズ8を通過するまでの間に生じた球面収差を補正し、当該反射光ビームLRを偏光ビームスプリッタ13へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ13は、S偏光でなる反射光ビームLRを反射透過面13Sにおいて反射し、1/2波長板16へ入射させる。
図3に模式的に示すように、1/2波長板16は、反射光ビームLRの偏光方向を所定角度回転させることにより、S偏光成分(紙面の手前又は奥へ向かう方向の成分)を所定の割合まで低下させると共にその残りをP偏光成分(図の上又は下へ向かう方向の成分)として、ロションプリズム17へ入射させる。
ロションプリズム17は、複屈折性結晶を用いたニコルプリズムと呼ばれる偏光子の一種であり、入射された光ビームのうち所定の偏光方向成分を屈折させると共に、他の偏光方向成分を透過して直進させるようになされている。
このときロションプリズム17は、屈折作用により光ビームの進行方向を変化させるため、一般的なホログラム素子等による回折角度と比較して、屈折角度を大きくすることができる。
実際上ロションプリズム17は、反射光ビームLRのS偏光成分を図の下方向へ大きく屈折させて反射光ビームLRSとすると共に、P偏光成分をそのまま透過して反射光ビームLRPとし、これらを偏光ホログラム素子18へ入射させる。
偏光ホログラム素子18は、光ビームのうち特定の偏光方向成分に対して回折作用を呈するようになされている。実際上偏光ホログラム素子18は、S偏光成分でなる反射光ビームLRSに対してのみ回折作用を呈し、P偏光成分でなる反射光ビームLRPについては何ら作用せず透過させるようになされている。
また偏光ホログラム素子18は、いわゆるブレーズドホログラムとなっており、反射光ビームLRSのほぼ全てを回折させて1次光とし、これをコリメータレンズ19へ入射させる。
ここで偏光ホログラム素子18は、図4に示すように反射光ビームLRSの通過部分が複数の領域18A〜18Eに分割されており、各領域ごとに反射光ビームLRSの回折方向が設定されている。
なお図4では、各領域が作用する偏光方向を実線の矢印により示し、反射光ビームLRSの回折方向を白抜きの太矢印により示している。
領域18Aは、反射光ビームLRSのうち、光ディスク100のトラック溝により回折された+1次回折光又は−1次回折光(以下これをトラック溝回折光と呼ぶ)を含み、且つ当該光ディスク100の内周側部分に相当する部分を反射光ビームLRSAとする。このとき領域18Aは、反射光ビームLRSAをほぼトラックの走行方向に沿った方向(便宜上、以下この方向を縦方向と呼ぶ)のうち下方向へ回折させる。
領域18Bは、反射光ビームLRSのうち、トラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の外周側部分に相当する部分を反射光ビームLRSBとする。このとき領域18Bは、反射光ビームLRSBをほぼ下方向へ、反射光ビームLRSAとほぼ同等の回折角度で回折させる。
このように偏光ホログラム素子18は、反射光ビームLRSのうち、プッシュプル成分(すなわち光ビームL1の焦点F1が所望のトラックに対し内周側又は外周側へ変位した際に光量が変動する成分)を含む部分を反射光ビームLRSA及びLRSBとし、これらを下方向へそれぞれ大きく回折させるようになされている。
また領域18C1及び18C2は、反射光ビームLRSにおける、トラック溝回折光を殆ど含まず、且つ当該反射光ビームLRSの中央部分を除いた領域(すなわち上側部分及び下側部分)のうち、当該光ディスク100の内周側部分に相当する部分をそれぞれ反射光ビームLRSC1及びLRSC2とする。
このとき領域18C1及び18C2は、反射光ビームLRSC1及びLRSC2をそれぞれほぼ下方向へ、反射光ビームLRSAよりも僅かに大きな回折角度で回折させる。
領域18D1及び18D2は、反射光ビームLRSにおける、トラック溝回折光を殆ど含まず、且つ当該反射光ビームLRSの中央部分を除いた領域(すなわち上側部分及び下側部分)のうち、当該光ディスク100の外周側部分に相当する部分をそれぞれ反射光ビームLRSD1及びLRSD2とする。
このとき領域18D1及び18D2は、反射光ビームLRSD1及びLRSD2をそれぞれほぼ下方向へ、反射光ビームLRSBよりも僅かに大きな回折角度で回折させる。
以下では、説明の便宜上、領域18C1及び18C2をまとめて領域18Cと呼び、反射光ビームLRSC1及びLRSC2をまとめて反射光ビームLRSCと呼ぶ。また、領域18D1及び18D2をまとめて領域18Dと呼び、反射光ビームLRSD1及びLRSD2をまとめて反射光ビームLRSDと呼ぶ。
このように偏光ホログラム素子18は、反射光ビームLRSのうち、プッシュプル成分を殆ど含まず、且つトラックの走行方向における前後部分を反射光ビームLRSC及びLRSDとし、これらを下方向へそれぞれ大きく回折させるようになされている。
領域18Eは、反射光ビームLRSの中央部分を反射光ビームLRSEとする。このとき領域18Eは、反射光ビームLRSEを図の右方向、すなわち縦方向とほぼ直交する横方向へ回折させる。
この場合反射光ビームLRSEは、ロションプリズム17により下方向へ大きく屈折されているため、ほぼ直進する反射光ビームLRPを基準として、右斜め下方向へ進行することになる。
このように偏光ホログラム素子18は、反射光ビームLRSを領域ごとに設定された方向へ回折させることにより、反射光ビームLRSA〜LRSEに分割すると共に、反射光ビームLRSA〜LRSDを下方向へ、反射光ビームLRSEを右方向へ進行させるようになされている。
このとき反射光ビームLRSA、LRSB、LRSC及びLRSDは、ロションプリズム17の屈折作用により反射光ビームLRSが下方向へ大きく屈折されているため、偏光訪ログラム素子18による回折作用との組み合わせにより、ほぼ直進する反射光ビームLRPに対し大きく下方向へ進行することになる。
コリメータレンズ19は、反射光ビームLRP及びLRSA〜LRSEをそれぞれ集光し、シリンドリカルレンズ20へ入射させる。シリンドリカルレンズ20は、反射光ビームLRPに非点収差を持たせ、光検出器21へ照射する。
因みにシリンドリカルレンズ20は、その光学的性質により、反射光ビームLRA〜LREについても同様に非点収差を与えることになる。しかしながら反射光ビームLRSA〜LRSEは、偏光ホログラム素子18により回折される際、当該非点収差を相殺するような収差が与えられるようになされている。これによりシリンドリカルレンズ20は、反射光ビームLRSA〜LRSEを出射する時点で収差を持たせないようになされている。
光検出器21は、図5に示すように、複数の受光部D1〜D3が形成され、さらに各受光部D1〜D3にそれぞれ複数の受光領域が形成されている。
受光部D1は、反射光ビームLRPの光軸に対応する基準点Qを中心に、縦方向及び横方向にそれぞれ2分割された、すなわち格子状に4分割された受光領域D1A、D1B、D1C及びD1Dにより当該反射光ビームLRPを受光するようになされている。因みに受光領域D1A〜D1Dは、いずれもほぼ同等の大きさでなる略正方形状に形成されている。
また受光領域D1A、D1B、D1C及びD1Dは、反射光ビームLRPを受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S1A、S1B、S1C及びS1Dを生成して、これらを信号処理部4(図1)へ送出するようになされている。
受光部D2は、いずれもほぼ同等の大きさでなる略正方形状の受光領域D2A、D2B、D2C及びD2Dが配置されている。受光領域D2A〜D2Dは、基準点Qから下方向に距離u1以上隔離した位置に配置されている。例えば受光部D2は、縦方向及び横方向にそれぞれ2分割されることにより、すなわち格子状に4分割された受光領域D2A、D2B、D2C及びD2Dを有している。
受光領域D2A及びD2Bは、反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S2A及びS2Bを生成して、これらを信号処理部4へ送出するようになされている。
また受光領域D2C及びD2Dは、反射光ビームLRSC及びLRSDをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S2C及びS2Dを生成して、これらを信号処理部4へ送出するようになされている。
受光部D3は、基準点Qから右下方向に離隔した箇所に設けられており、格子状に4分割された受光領域D3A、D3B、D3C及びD3Dにより反射光ビームLRSEを受光するようになされている。
受光領域D3A、D3B、D3C及びD3Dは、それぞれの受光量に応じた受光信号S3A、S3B、S3C及びS3Dを生成し、これらを信号処理部4へ送出するようになされている。
因みに受光部D3における各受光領域の分割方向は、基準点Qと受光部D3の中心を結ぶ仮想的な直線と平行及び垂直な方向になされており、例えば受光部D1における分割方向と約45度の角度をなすようになされている。また受光領域D3A〜D3Dは、いずれもほぼ同等の大きさでなる略正方形状に形成されている。
ここで、光ピックアップ7において反射光ビームLRがロションプリズム17により屈折され、また偏光ホログラム素子18により回折されると共に複数に分割された上で光検出器21へ照射される様子を模式的に表すと、図6のように表すことができる。なお図5〜図7では、便宜上、反射光ビームLRSA〜LRSEがある程度の面積を持って各受光領域に照射されるように示しているが、実際には各受光領域の面積を小さくするため、ほぼ点状に照射される。
このように光検出器21は、受光部D1〜D3の各受光領域により反射光ビームLRP、LRSA〜LRSEをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号をそれぞれ生成して信号処理部4へ供給するようになされている。
(1−3)迷光の照射と受光領域の配置
ところで光ディスク100は、対象記録層YT以外の記録層Yにおいても、常にそれぞれ所定の反射率で光ビームを反射するようになされている。このように、対象記録層YT以外の記録層Yにより光ビームL1の一部が反射されてなる光ビームを層間迷光ビームLNと呼ぶ。
層間迷光ビームLNは、反射光ビームLRと同様の光路を通り、ロションプリズム17を透過又は屈折し、偏光ホログラム素子18により直進又は回折した上で、最終的に光検出器21に照射される。
ここで光ピックアップ7では、反射光ビームLRについて、光検出器21が対象記録層YTの共焦点となるように各種光学部品の配置や光学特性等が定められている。
これに対し層間迷光ビームLNは、反射光ビームLRと比較して、対物レンズ8から光ビームL1として出射されてから光検出器21に到達するまでの光路長が相違する。
このため層間迷光ビームLNは、反射光ビームLRと同様の分割パターンにより分割され、且つ焦点が外れた状態、いわゆるデフォーカスした状態で光検出器21に照射される。
この結果光検出器21には、図7に示すように、他の記録層Yにより反射されてなる層間迷光ビームLNが照射されることにより、迷光パターンW1が形成される。
この迷光パターンW1は、層間迷光ビームLNのうちロションプリズム17及び偏光ホログラム素子18を透過しほぼ直進した部分により、反射光ビームLRPと対応する迷光パターンW10が形成されている。
また迷光パターンW1は、偏光ホログラム素子18の領域18A及び18Bにより迷光パターンW1A及びW1Bが形成され、領域18C1、18C2、18D1及び18D2により迷光パターンW1C1、W1C2、W1D1及びW1D2がそれぞれ形成されている。
ここで光検出器21の受光部D2は、迷光パターンW10を回避するべく、受光部D1からの距離u1が大きくなるよう配置されており、さらに迷光パターンW1A、W1B、W1C1、W1C2、W1D1、W1D2及びW1Eのいずれもがかからないよう配置されている。
このとき光ピックアップ7では、ロションプリズム17による下方向への屈折角度が比較的大きいため、偏光ホログラム素子18による下方向への回折角度がそれほど大きくないものの、反射光ビームLRSA〜LRSDを受光部D2の受光領域D2A〜D2Dに確実に照射させることができる。
このように光検出器21の各受光領域は、対象記録層YT以外の他の記録層Yにより反射された層間迷光ビームLNにより迷光パターンWが形成された際にも、受光部D2に当該迷光パターンがかからないように配置されている。
さらに光ピックアップ7では、光検出器21の取付角度を調整する際、受光部D3における検出結果を用いるようになされている。
すなわち光ピックアップ7は、その組立工程等において、調整用の光ディスク100が装填された上で、統括制御部2の制御に基づき、光ビームL1を当該光ディスク100へ照射する。
これに応じて光検出器21の受光部D1には、反射光ビームLRPが非点収差を持った状態で照射される。
この組立工程において、光検出器21は、後述するフォーカスエラー信号SFE1が値「0」となるように、反射光ビームLRPの光軸に沿った方向に関する取付位置及び当該光軸に直交する平面における取付位置が微調整される。
これにより、光検出器21は、反射光ビームLRPの光軸に沿った方向に関する取付位置が最適化され、また縦方向及び横方向に関する取付位置も最適化される。
さらに光検出器21は、受光信号S3A及びS3Dの和と受光信号S3B及びS3Cの和とがほぼ同等の信号レベルとなるよう、基準点Qを中心とした取付角度が調整される。
これにより光検出器21は、基準点Qを中心とした回転方向に関する取付角度についても最適化される。
このように光検出器21では、他の記録層Yからの層間迷光ビームLNを回避し得るように、受光部D2の受光領域D2A〜D2Dがそれぞれ配置されている。
(1−4)フォーカス制御及びトラッキング制御
信号処理部4は、次の(1)式に従った演算を行うことにより、非点収差法によるフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
このフォーカスエラー信号SFE1は、光ディスク100において、光ビームL1の焦点F1と対象記録層YTとのずれ量を表すことになる。
また信号処理部4は、トラッキングエラー信号の生成については、DPD(Differential Phase Detection)法等の位相差法又は1ビームプッシュプル法のいずれかを用いるようになされている。
具体的に信号処理部4は、光ディスク100の種類に応じて、当該光ディスク100が記録層Yにピット列が予め形成されたBD−ROM(Read Only Memory)であった場合には位相差法を用いる。また信号処理部4は、当該光ディスク100が記録可能なBD−R(Recordable)又はBD−RE(Rewritable)であった場合には、1ビームプッシュプル法を用いる。
信号処理部4は、1ビームプッシュプル法を用いる場合、次の(2)式に従った演算を行うことによりトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
このトラッキングエラー信号STE1は、光ディスク100において、光ビームL1の焦点F1と対象記録層YTにおける所望のトラックとのずれ量を表すことになる。
因みに(2)式において、係数kは所定の係数を表している。また(S2A−S2B)の項は、プッシュプル成分(すなわち光ビームL1の焦点F1と所望のトラックとの相対的な変位)にレンズシフト成分(すなわち対物レンズ8のトラッキング方向への変位)が加算された値に相当する。さらにk×(S2C−S2D)の項は、レンズシフト成分の値に相当する。
すなわち(2)式の前半部分では、レンズシフト成分が加算されたプッシュプル成分の値から、レンズシフト成分のみを減算することにより、プッシュプル成分を算出している。
一方信号処理部4は、位相差法を用いる場合、受光信号S1A、S1B、S1C及びS1Dを基に、次に示す(3)式に従った演算処理を行うことによりトラッキングエラー信号STE1を生成し、これを駆動制御部3へ供給する。
因みに(3)式では、演算子φは信号位相を表しており、式全体としては位相差を算出している。
駆動制御部3は、フォーカスエラー信号SFE1を基にフォーカス駆動信号SFD1を生成し、これを2軸アクチュエータ9へ供給する。2軸アクチュエータ9は、フォーカス駆動信号SFD1に基づき対物レンズ8をフォーカス方向へ駆動する(以下これをフォーカス制御と呼ぶ)。
光ディスク装置1は、このフォーカス制御を繰り返し行う(すなわちフィードバック制御を行う)ことにより、光ビームL1の焦点F1と対象記録層YTとのフォーカス方向に関するずれ量を任意の目標値に収束させていく。
また駆動制御部3は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング駆動信号STD1を生成し、これを2軸アクチュエータ9へ供給する。2軸アクチュエータ9は、トラッキング駆動信号STD1に基づき対物レンズ8をトラッキング方向へ駆動する(以下これをトラッキング制御と呼ぶ)。
光ディスク装置1は、このトラッキング制御についても繰り返し行う(すなわちフィードバック制御を行う)ことにより、光ビームL1の焦点F1と対象記録層YTにおける所望のトラックとのトラッキング方向に関するずれ量を任意の目標値に収束させていく。
かくして光ディスク装置1は、フォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、光ビームL1の焦点F1を対象記録層YTにおける所望のトラックに合わせるようになされている。
また光ディスク装置1は、信号処理部4において、次の(4)式に従って受光信号S1A〜S1Dを加算することにより再生RF信号SRFを算出するようになされている。
この再生RF信号SRFは、反射光ビームLRP全体の光量に相当すると共に、光ディスク100に記録された信号を表している。その後信号処理部4は、再生RF信号SRFに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、光ディスク100に記録されている情報を再生するようになされている。
(1−5)動作及び効果
以上の構成において光ディスク装置1の光ピックアップ7は、光ビームL1を光ディスク100へ照射し、当該光ディスク100により反射されてなる反射光ビームLRの偏光方向を1/2波長板16によって回転させた上でロションプリズム17へ入射させる。
ロションプリズム17は、反射光ビームLRのP偏光成分をそのまま透過して反射光ビームLRPとし、S偏光成分を大きく屈折させて反射光ビームLRSとして、偏光ホログラム素子18へ入射させる。
偏光ホログラム素子18は、P偏光でなる反射光ビームLRPを透過してほぼ直進させると共に、領域18A〜18E(図4)ごとに、S偏光でなる反射光ビームLRSを回折させる。
このとき偏光ホログラム素子18は、反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ下方向へ回折させ、反射光ビームLRSEを右下方向へ回折させる。
これに応じて光検出器21は、受光部D1の受光領域D1A〜D1Dにより反射光ビームLRPを受光し、受光信号S1A〜S1Dを生成する。また光検出器21は、受光部D2の受光領域D2A〜D2Dにより反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ受光し、受光信号S2A〜S2Dを生成する。
信号処理部4は、1ビームプッシュプル法によるトラッキング制御を行う場合、(2)式に従ってトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。駆動制御部3は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング駆動信号STD1を生成し2軸アクチュエータ9へ供給することにより、トラッキング制御を行う。
ところで、一般に1ビームプッシュプル法では、再生RF信号SRFの信号レベルを高めるべく、ロションプリズム17における屈折時に、直進する反射光ビームLRPの光強度を屈折させる反射光ビームLRSの光強度よりも高めるようになされている。
これに伴い光検出器21では、反射光ビームLRSA〜LRSDの照射強度が相対的に弱くなり、受光信号S2A〜S2D等のS/N(Signal/Noise)比等も比較的低くなってしまう。
このため光ディスク装置1では、光検出器21において受光部D2の受光領域D2A〜D2Dに迷光パターンW1、特に比較的光量が大きい迷光パターンW10がかかった場合、トラッキングエラー信号STE1の精度が大幅に低下してしまうおそれがあった。
これに対し光検出器21では、受光部D1から大きく下方へ離隔した位置に受光部D2を設けているため、当該受光部D2に対する迷光パターンW10の照射を確実に回避することができる。
また光ディスク装置1では、ロションプリズム17により反射光ビームLRSを大きく屈折させている。このため反射光ビームLRSA〜LRSDは、ほぼ直進する反射光ビームLRPの進行方向に対し、偏光ホログラム素子18のみでは得られないような大きなビーム間角度α(図2)をなす事が可能となる。
特に偏光ホログラム素子18に形成されたブレーズドホログラムは、一般に、バイナリ型のホログラムと比較して、光利用効率が高い反面、格子ピッチを細かくすることができず、回折角度を大きくすることが困難である。
この点について、ロションプリズム17は、その特性上、偏光ホログラム素子18の回折角度よりも大きな屈折角度を容易に得ることができる。このため光ピックアップ7では、偏光ホログラム素子18における格子ピッチをそれほど細かくする必要がなく、当該偏光ホログラム素子18を設計及び製造する際の制約を緩和することが可能となり、また反射光ビームの利用効率を高めると共に安定的に回折することができる。
従って光ディスク装置1は、光検出器21の受光部D2によって迷光パターンWの影響を受けることなく反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ受光でき、その受光結果である受光信号S2A〜S2Dを用いて生成したトラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング制御を行うことができる。
一般に、光ディスク100における層間距離が拡大した場合、例えば記録層Yが4層のように多数設けられている場合、光検出器21に照射される迷光パターンWの照射面積は、当該記録層Yが2層の場合等と比較して、大幅に拡大することになる。
例えば光ディスク装置1における対物レンズ8のNAが0.85であり、光ディスク100から光検出器21間での光路における反射光ビームLRの横倍率が12であり、光ディスク100の屈折率が1.6であったとする。
また光ディスク100は、光ビームL1が照射される照射面100A側から4層の記録層Y3、Y2、Y1及びY0が設けられ、照射面100Aから記録層Y3、Y2及びY0までの距離がそれぞれ50[μm]、75[μm]、100[μm]であるとする。
この光ディスク装置1では、記録層Y2が対象記録層YTの場合に、記録層Y0において生成された層間迷光ビームLNによる迷光パターンW10の半径は、約376[μm]となる。
一方、この光ディスク装置1では、記録層Y3が対象記録層YTの場合に、記録層Y0において生成された層間迷光ビームLNによる迷光パターンW10の半径は、約752[μm]となる。
実際上光ディスク装置1は、光検出器21において、このような迷光パターンW10を回避し得る位置に受光部D2を配置したとしても、ロションプリズム17及び偏光ホログラム素子18の組み合わせにより、反射光ビームLRSA〜LRSDの進行方向を大きく変化させることができ、これらを正しく受光することができる。
ここで、光ディスク装置1の光ピックアップ7と他の構成の光ピックアップとを対比する。
図2との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、他の光ピックアップ30は、光ピックアップ7から1/2波長板16及びロションプリズム17が省略され、また偏光ホログラム素子18に代えてホログラム素子31が設けられている。
ホログラム素子31は、偏光ホログラム素子18と同様に領域分割された各領域により、それぞれ偏光ホログラム素子18の領域18A〜18E及びロションプリズム17との組み合わせで得られる角度と同等の回折角度で反射光ビームLRを回折させる。すなわちビーム間角度β1は、ホログラム素子31のみにより定められる。
従って光ピックアップ30では、ロションプリズム17及び偏光ホログラム素子18の組み合わせによりビーム間角度α(図2)が定められる光ピックアップ7と比較して、ホログラム素子31による回折角度(すなわちビーム間角度β1)を大きくしなければならない。この場合ホログラム素子31は、格子ピッチを微細化する必要があるものの、これに伴い回折効率の低下や品質のばらつき等といった問題が生じることになってしまう。
また、図2との対応部分に同一符号を付した図9に示すように、光ピックアップ40は、光ピックアップ7のコリメータレンズ12、コリメータレンズ19及びビームエクスパンダ14の機能を兼ね備えた可動式のコリメータレンズ42が設けられている。
さらに光ピックアップ40には、偏光ホログラム素子18に代えて上述したホログラム素子31と同様に領域分割されたホログラム素子44が設けられている。
この光ピックアップ40は、コリメータレンズ42から光検出器21までの光路長等の要因により、ホログラム素子44を光検出器21に近接させて配置する必要がある。このためホログラム素子44は、ホログラム素子31よりもビーム間角度β2を大きくするべく、格子ピッチをさらに微細化する必要があり、さらなる回折効率の低下や品質のばらつき等の問題を引き起こすおそれがある。
また、図9との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、光ピックアップ50は、光ピックアップ40のホログラム素子44に代えて偏光ホログラム素子51が設けられている。偏光ホログラム素子51は、対物レンズ8及び1/4波長板15と共にレンズホルダ(図示せず)に取り付けられ、2軸アクチュエータ9により移動されることになる。
この偏光ホログラム素子51は、偏光特性を有することにより、光ディスク100へ向かう光ビームL1には作用せず、光ディスク100において反射された反射光ビームLRに作用するようになされている。
光ピックアップ50は、偏光ホログラム素子51が光検出器21から離隔しているため、回折角度(ビーム間角度β3)を比較的小さくできる。しかしながらこの偏光ホログラム素子51は、光ビームL1が照射されることから耐光性の問題を生じることになり、また2軸アクチュエータ9により対物レンズ8及び1/4波長板15と一体に稼働されるため、当該2軸アクチュエータ9の大型化といった他の問題も生じるおそれがあった。
これに対し本発明による光ディスク装置1の光ピックアップ7は、ロションプリズム17を用いることにより、偏光ホログラム素子18における回折角度を大きくする必要なくビーム間角度αを大きくすることができるので、光ピックアップ30、40及び50について述べたこれらの問題を生じるおそれはない。
以上の構成によれば、光ディスク装置1の光ピックアップ7は、反射光ビームLRの偏光方向を1/2波長板16によって回転させ、ロションプリズム17によりP偏光成分を反射光ビームLRPとしてほぼ直進させると共に、S偏光成分を反射光ビームLRSとして下方向へ大きく屈折させる。さらに光ピックアップ7は、偏光ホログラム素子18により、反射光ビームLRPを透過させると共に、反射光ビームLRSを領域18A〜18Eごとに回折させ反射光ビームLRSA〜LRSEとする。これにより光ピックアップ7の光検出器21は、反射光ビームLRPを検出する検出部D1から大きく離隔した検出部D2により、迷光パターンWを回避しながら反射光ビームLRSA〜LRSDを受光して受光信号S2A〜S2Dを生成することができる。この結果光ディスク装置1は、迷光パターンW1の影響を受けることなくトラッキングエラー信号STE1を生成でき、精度良くトラッキング制御を行うことができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)光ディスク装置の構成
第2の実施の形態による光ディスク装置60は、第1の実施の形態による光ディスク装置1(図1)と比較して、信号処理部4及び光ピックアップ7に代えて、信号処理部64及び光ピックアップ67が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
信号処理部64は、信号処理部4と比較して、再生RF信号SRFの算出手法が相違するものの、フォーカスエラー信号SFE1及びトラッキングエラー信号STE1の算出に関する部分等、他の点については同様に構成されている。
(2−2)光ピックアップの構成
図2との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、光ピックアップ67は、1/2波長板16及び偏光ホログラム素子18に代えて複合ホログラム素子68が設けられ、光検出器21に代えて光検出器69が設けられている点が相違するものの、他は同様に構成されている。
図3と対応する図12に模式的に示すように、複合ホログラム素子68は、1/2波長板16に対応する1/2波長板68Aと、偏光ホログラム素子18に対応するホログラム68Bとを一体に組み合わせたような構成を有している。
1/2波長板68Aは、図13に斜線で示すように、領域68AA及び68ABを除いた領域68AM、すなわち偏光ホログラム素子18における領域18C1、18C2、18D1、18D2及び18Eに対応する部分において、光ビームの偏光方向を所定角度(約90度)回転させるようになされている。
すなわち領域68AMは、S偏光の反射光ビームLRのうち、トラック溝回折光を殆ど含まない部分、すなわちレンズシフト成分を表す部分について、偏光方向を回転させP偏光とすることにより反射光ビームLRPとし、これをホログラム68Bへ入射させる。
一方領域68AA及び68ABは、偏光ホログラム素子18における領域18A及び18Bとそれぞれ対応した形状となっており、光ビームの偏光方向を変化させることなくそのまま透過させるようになされている。
すなわち領域68AA及び68ABは、反射光ビームLRのうち、トラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の内周側部分及び外周側部分に相当する部分を、それぞれS偏光の反射光ビームLRSA及びLRSBとして、ホログラム68Bへ入射させる。
ここで反射光ビームLRSA及びLRSBは、反射光ビームLRにおけるプッシュプル成分及びレンズシフト成分を含む部分を切り出したものに相当する。
このように1/2波長板68Aは、反射光ビームLRの進行方向を維持したまま偏光方向を領域ごとに相違させることにより、P偏光の反射光ビームLRPとS偏光の反射光ビームLRSA及びLRSBとに分離するようになされている。
ホログラム68Bは、図4と対応する図14に示すように、偏光ホログラム素子18と同様、領域18A〜18Eとそれぞれ対応した領域68BA〜68BEに分割されており、領域ごとに光ビームを回折させ得るようになされている。
このホログラム68Bは、偏光ホログラム素子18と異なり、光ビームの偏光方向に拘わらず回折作用を呈するようになされている。因みに図14では、光ビームの回折方向を白抜きの太矢印により示しており、出射される光ビームの偏光方向を実線の矢印により表している。
領域68BA及び領域68BBは、それぞれブレーズドホログラムが形成されており、入射された光ビームのほぼ全てをほぼ下方向へ回折させるようになされている。
実際上領域68BAは、反射光ビームLRSA、すなわちトラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の内周側部分に相当する部分をほぼ下方向へ回折させる。
また領域68BBは、反射光ビームLRSB、すなわちトラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の外周側部分に相当する部分をほぼ下方向へ回折させる。
領域68BC1、68BC2、68BD1、68BD2及び68BEは、それぞれバイナリ型のホログラムが形成されており、入射される反射光ビームLRPの大部分を0次光として直進させて反射光ビームLRP0とすると共に、その一部を1次光として回折させるようになされている。
このとき領域68BC1及び68BC2は、反射光ビームLRPの一部をそれぞれ回折させて1次光でなる反射光ビームLRP1C1及びLRP1C2とし、これらをほぼ右方向へ回折させる。
また領域68BD1及び68BD2は、反射光ビームLRPの一部をそれぞれ回折させて1次光でなる反射光ビームLRP1D1及びLRP1D2とし、これらをほぼ右方向へ回折させる。
以下では、領域68C1及び68C2をまとめて領域68Cと呼び、反射光ビームLRP1C1及びLRP1C2をまとめて反射光ビームLRP1Cと呼ぶ。また、領域68D1及び78D2をまとめて領域68Dと呼び、反射光ビームLRP1D1及びLRP1D2をまとめて反射光ビームLRP1Dと呼ぶ。
さらに領域68BEは、反射光ビームLRPの一部を回折させて1次光でなる反射光ビームLRP1Eとし、これをほぼ右下方向へ回折させる。
このようにホログラム68Bは、反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ下方向へ回折させ、0次光でなる反射光ビームLRP0をほぼ直進させ、1次光でなる反射光ビームLRP1C及びLRP1Dをそれぞれ下方向へ回折させ、さらに1次光でなる反射光ビームLRP1Eを右下方向へ回折させるようになされている。
このとき反射光ビームLRSA及びLRSBはS偏光として、また反射光ビームLRP0、LRPC、LRPD及びLRPEはP偏光として、それぞれロションプリズム17へ入射される。
ロションプリズム17は、第1の実施の形態と同様、入射された光ビームのうちS偏光成分を下方向へ屈折させると共に、P偏光成分を透過するようになされている。
すなわちロションプリズム17は、S偏光でなる反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ下方向へ大きく屈折させ、コリメータレンズ19へ入射させる。
またロションプリズム17は、P偏光でなる反射光ビームLRP0、LRP1C、LRP1D及びLRP1Eについてはそのまま透過してコリメータレンズ19へ入射させる。
コリメータレンズ19は、反射光ビームLRSA、LRSB、LRP0、LRP1C、LRP1D及びLRP1Eをそれぞれ集光し、シリンドリカルレンズ20へ入射させる。
シリンドリカルレンズ20は、反射光ビームLRP0に非点収差を持たせ、光検出器69へ照射する。
因みにシリンドリカルレンズ20は、その光学的性質により、反射光ビームLRSA及びLRSB並びにLRP1C〜LRP1Eについても同様に非点収差を持たせることになる。しかしながら反射光ビームLRSA及びLRSB並びにLRP1C〜LRP1Eは、複合ホログラム素子68により回折される際、当該非点収差を相殺するような収差が与えられるようになされており、これによりシリンドリカルレンズ20から出射される時点で収差を持たないようになされている。
光検出器69は、図5と対応する図15に示すように、複数の受光部D1、D3、D12及びD13が形成され、さらに各受光部D1、D3、D12及びD13にそれぞれ複数の受光領域が形成されている。
受光部D1は、第1の実施の形態と同様、反射光ビームLRP0の光軸に対応する基準点Qを中心に格子状に4分割された受光領域D1A、D1B、D1C及びD1Dが形成されている。
受光部D1は、受光領域D1A、D1B、D1C及びD1Dにより反射光ビームLRP0を受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S1A、S1B、S1C及びS1Dを生成して、これらを信号処理部64(図1)へ送出するようになされている。
受光部D12は、受光部D2(図5)と同様、基準点Qから下方向に比較的大きく離隔した箇所に設けられている。また受光部D12は、縦方向に2分割されることにより、受光領域D12A及びD12Bが縦方向に並べて配置されている。因みに受光領域D12A及びD12Bは、いずれもほぼ同等の大きさでなる略正方形状に形成されている。
受光領域D12A及びD12Bは、反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S2A及びS2Bを生成して、これらを信号処理部64へ送出するようになされている。
因みに受光部D12は、反射光ビームLRSA及びLRSBがホログラム68Bにより下方向へ回折された上でロションプリズム17により下方向へ大きく屈折されるため、受光部D1から比較的大きく離隔されている。
受光部D13は、基準点Qから右方向にやや離隔した箇所に設けられており、横方向に2分割されることにより、受光領域D13C及びD13Dが横方向に並べて配置されている。因みに受光領域D13C及びD13Dは、いずれもほぼ同等の大きさでなる略正方形状に形成されている。
受光領域D13C及びD13Dは、反射光ビームLRSC及びLRSDをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S2C及びS2Dを生成して、これらを信号処理部64へ送出するようになされている。
受光部D3は、第1の実施の形態と同様、基準点Qから右下方向に離隔した箇所に設けられており、格子状に4分割された受光領域D3A、D3B、D3C及びD3Dにより反射光ビームLRPEを受光するようになされている。
受光領域D3A、D3B、D3C及びD3Dは、それぞれの受光量に応じた受光信号S3A、S3B、S3C及びS3Dを生成し、これらを信号処理部64へ送出するようになされている。
ここで、光ピックアップ67において反射光ビームLRがホログラム68Bにより回折されると共に分割され、ロションプリズム17により屈折された上で光検出器69へ照射される様子を模式的に表すと、図6と対応する図16のように表すことができる。
このように光検出器69は、受光部D1、D3、D12及びD13の各受光領域により反射光ビームLRSA及びLRSB並びにLRP0及びLRP1C〜LRP1Eをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号をそれぞれ生成して信号処理部64へ供給するようになされている。
(2−3)迷光の照射と受光領域の配置
ところで第2の実施の形態では、図7と対応する図17に示すように、光検出器69に層間迷光ビームLNが照射されることにより、迷光パターンW2が形成される。
この迷光パターンW2では、層間迷光ビームLNのうちホログラム68Bの領域68BC、68BD及び68BEから0次光として出射される部分により、迷光パターンW20が形成される。
また迷光パターンW2は、層間迷光ビームLNのうちホログラム68Bの領域68BA及び68BBに回折されロションプリズム17により屈折された部分により迷光パターンW2A及びW2Bが形成される。
さらに迷光パターンW2では、層間迷光ビームLNのうちホログラム68Bの領域68BC1、68BC2、68BD1、68BD2及び68BEによりそれぞれ回折され1次光として出射される部分により、迷光パターンW2C1、W2C2、W2D1、W2D2及びW2Eがそれぞれ形成される。
受光部D1は、迷光パターンW20が全体に照射されているため、後述するフォーカスエラー信号SFE1の算出において、当該迷光パターンW20による影響を相殺し得るようになされている。
受光部D12は、受光部D1からの距離u2が比較的大きくなされ、迷光パターンW20を回避し得るように配置されている。この場合反射光ビームLRSA及びLRSBは、いずれもロションプリズム17により大きく屈折されているため、ホログラム68Bによる回折角度がそれほど大きくないものの、受光領域D12A及びD12Bに確実に照射され得る。
特に受光部D12は、受光領域D12A及びD12Bが互いに縦方向に並べられているため、横方向の幅が狭く抑えられている。これにより受光領域D12A及びD12Bは、迷光パターンW2A及びW2Bがかからないようになされている。
また受光部D13は、受光部D1に比較的近接して設けられているものの、偏光方向の相違により迷光パターンW20において迷光パターンW2A及びW2Bに相当する部分が欠落しているため、当該迷光パターンW20がかかる危険性はない。
さらに受光部D13は、受光領域D13C及びD13Dが互いに横方向に並べられているため、縦方向の幅が狭く抑えられている。これにより受光領域D13C及びD13Dは、迷光パターンW2C1、W2C2、W2D1及びW2D2がかからないようになされている。
さらに光ピックアップ67では、光ピックアップ7と同様、光検出器69の取付位置を調整する際、受光部D3における検出結果を用いるようになされている。
このように光検出器69では、光検出器21の場合と同様、他の記録層Yからの層間迷光ビームLNを回避し得るように、受光部D12の受光領域D12A及びD12B並びに受光部D13の受光領域D13A及びD13Bがそれぞれ配置されている。
(2−4)フォーカス制御及びトラッキング制御
信号処理部64は、信号処理部4と同様、上述した(1)式に従った演算を行うことにより、非点収差法によるフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
また信号処理部64は、上述した(2)式又は(3)式に従った演算を行うことにより、DPD法又は1ビームプッシュプル法に従ったトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
駆動制御部3は、フォーカスエラー信号SFE1を基にフォーカス制御を行い、またトラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング制御を行う。
また信号処理部64は、任意の係数jを用いた次の(5)式に従って再生RF信号SRFを算出するようになされている。
この再生RF信号SRFは、反射光ビームLRP0、LRSA及びLRSBの光量の合計値に相当すると共に、光ディスク100に記録された信号を表している。その後信号処理部64は、信号処理部4と同様、再生RF信号SRFに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、光ディスク100に記録されている情報を再生するようになされている。
(2−5)動作及び効果
以上の構成において光ディスク装置60の光ピックアップ67は、光ビームL1を光ディスク100へ照射し、当該光ディスク100により反射されてなる反射光ビームLRを複合ホログラム素子68の1/2波長板68Aに入射させる。
1/2波長板68Aは、S偏光でなる反射光ビームLRのうち領域68AMを通過する部分の偏光方向をP偏光に変換して反射光ビームLRPとすると共に、領域68AA及び68ABを通過する部分をそのまま透過し反射光ビームLRSA及びLRSBとして、ホログラム68Bへ入射させる。
ホログラム素子68Bは、ブレーズドホログラムが形成された領域68BA及び68BBにおいて、反射光ビームLRSA及びLRSBをほぼ全て下方向へ回折させる。
またホログラム素子68Bは、バイナリ型ホログラムが形成された領域68BC、68BD及び68BEにおいて、P偏光でなる反射光ビームLRPの一部を0次光としてほぼ直進させ反射光ビームLRP0とする。
さらにホログラム素子68Bは、領域68BC及び68BDにおいて反射光ビームLRPの一部を1次光でなる反射光ビームLRP1C及びLRP1Dとして右方向へ回折させ、領域68BEにおいて反射光ビームLRPの一部を1次光でなる反射光ビームLRP1Eとして右下方向へ回折させる。
ロションプリズム17は、S偏光でなる反射光ビームLRSA及びLRSBを下方向へ大きく屈折させると共に、P偏光でなる反射光ビームLRP0、LRP1C、LRP1D及びLRP1Eについてはそのまま透過する。
これに応じて光検出器69は、受光部D1の受光領域D1A〜D1Dにより反射光ビームLRP0を受光し、受光信号S1A〜S1Dを生成する。また光検出器69は、受光部D12の受光領域D12A及びD12Bにより反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ受光し、受光信号S2A及びS2Bを生成する。
さらに光検出器69は、受光部D13の受光領域D13C及びD13Dにより反射光ビームLRP1C及びLRP1Dをそれぞれ受光し、受光信号S2C及びS2Dを生成する。
信号処理部64は、1ビームプッシュプル法によるトラッキング制御を行う場合、(2)式に従ってトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。駆動制御部3は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング制御を行う。
従って光ディスク装置60の光ピックアップ67は、光検出器69により、迷光パターンW2を回避して反射光ビームLRSA、LRSB、LRP1C及びLRP1Dをそれぞれ受光することができ、受光信号S2A〜S2Dを基に精度良くトラッキング制御を行うことができる。
特に光ピックアップ67では、反射光ビームLRSA及びLRSBの偏光方向が他の反射光ビームLRP0及びLRP1C〜LRP1Eと相違している。このため光ピックアップ67は、ロションプリズム17により、反射光ビームLRSA及びLRSBのみを大きく屈折させて他の反射光ビームLRP0及びLRP1C〜LRP1Eから引き離すことができる。
また光検出器69の受光部D12は、受光領域D12A及びD12Bが互いに縦方向に並べられているため、横方向の幅が狭く抑えられている。
これにより光ピックアップ67では、光ディスク100における層間隔が狭く迷光パターンW2A及びW2Bの間隔が狭い場合であっても、当該迷光パターンW2A及びW2Bが受光領域D12A及びD12Bにかかる危険性を格段に低減させることができる。
一方受光部D13は、受光部D1に比較的近接して設けられているものの、迷光パターンW20において迷光パターンW2A及びW2Bに相当する部分が欠落するため、当該迷光パターンW20が受光領域D13C及びD13Dにかかることがない。
さらに受光部D13は、受光領域D13C及びD13Dが互いに横方向に並べられているため、縦方向の幅が狭く抑えられている。
これにより光ピックアップ67では、迷光パターンW2C1及びW2C2の間隔、並びに迷光パターンW2D1及びW2D2の間隔が狭まった場合であっても、これらの迷光パターンWが受光領域D13C及びD13Dにかかる危険性を格段に低減させることができる。
また光ピックアップ67では、反射光ビームLRP0にプッシュプル成分が含まれていないため、受光信号S1A〜S1Dからプッシュプル成分による影響を排除することができる。
これにより光ディスク装置60は、プッシュプル成分の漏れ込みによりフォーカスエラー信号SFE1が変化してしまう、いわゆるフォーカスエラー信号へのトラッキングエラー信号の漏れ込みを格段に低減でき、安定したフォーカスエラー信号SFE1を生成することができる。
その他、光ディスク装置60は、第1の実施の形態における光ディスク装置1と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、光ディスク装置60の光ピックアップ67は、反射光ビームLRを複合ホログラム素子68の1/2波長板68AによりP偏光の反射光ビームLRPとS偏光の反射光ビームLRSA及びLRSBとに分離する。続いてホログラム素子68Bは、反射光ビームLRSA及びLRSBをほぼ全て下方向へ回折させ、0次光でなる反射光ビームLRP0をほぼ直進させ、1次光でなる反射光ビームLRP1C及びLRP1Dを右方向へ回折させ、1次光でなる反射光ビームLRP1Eを右下方向へ回折させる。さらにロションプリズム17は、S偏光でなる反射光ビームLRSA及びLRSBを下方向へ大きく屈折させると共に、P偏光でなる反射光ビームLRP0、LRP1C、LRP1D及びLRP1Eについてはそのまま透過する。このため光検出器69は、検出部D12及びD13により、迷光パターンWを回避しながら反射光ビームLRSA及びLRSB並びにLRP1C及びLRP1Dを受光して、受光信号S2A〜S2Dを生成できる。この結果光ディスク装置60は、迷光パターンWの影響を受けることなくトラッキングエラー信号STE1を生成でき、精度良くトラッキング制御を行うことができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)光ディスク装置の構成
第3の実施の形態による光ディスク装置70は、第1の実施の形態による光ディスク装置1(図1)と比較して、信号処理部4及び光ピックアップ7に代えて、信号処理部74及び光ピックアップ77が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
信号処理部74は、信号処理部4と比較して、再生RF信号SRFの算出手法が相違するものの、フォーカスエラー信号SFE1及びトラッキングエラー信号STE1の算出に関する部分等、他の点については同様に構成されている。
(3−2)光ピックアップの構成
図2との対応部分に同一符号を付した図18に示すように、光ピックアップ77は、偏光ホログラム素子18に代えて複合ホログラム素子78が設けられ、光検出器21に代えて光検出器79が設けられている点が相違するものの、他は同様に構成されている。
図3と対応する図19に模式的に示すように、複合ホログラム素子78は、偏光ホログラム素子18に対応する偏光ホログラム78Aと他の偏光ホログラム78Bとを一体に組み合わせたような構成を有している。
偏光ホログラム78Aは、偏光ホログラム素子18と同様、ロションプリズム17により反射光ビームLRのS偏光成分が下方向へ大きく屈折されてなる反射光ビームLRSと、反射光ビームLRのP偏光成分がロションプリズム17を透過してなる反射光ビームLRPとが入射される。
この偏光ホログラム78Aは、図4と対応する図20に示すように、偏光ホログラム素子18と同様、領域18A〜18Eとそれぞれ対応した領域78AA〜78AEに分割されており、領域ごとに光ビームを回折させ得るようになされている。また各領域78AA〜78AEには、ブレーズドホログラムが形成されている。
さらに偏光ホログラム78Aは、偏光ホログラム素子18と同様、S偏光成分でなる反射光ビームLRSに対してのみ回折作用を呈し、P偏光成分でなる反射光ビームLRPについては何ら作用せず透過させるようになされている。
領域78AAは、領域18Aと同様、反射光ビームLRSのうち、トラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の内周側部分に相当する部分を反射光ビームLRSAとし、下方向へ回折させる。
領域78ABは、領域18Bと同様、反射光ビームLRSのうち、トラック溝回折光を含み、且つ当該光ディスク100の外周側部分に相当する部分を反射光ビームLRSBとし、下方向へ回折させる。
このように偏光ホログラム78Aは、1次光でなる反射光ビームLRSのうち、プッシュプル成分を含む部分を反射光ビームLRSA及びLRSBとし、これらを下方向へそれぞれ大きく回折させるようになされている。
また領域78AC1及び78AC2は、領域18C1及び18C2と同様、反射光ビームLRSにおける、トラック溝回折光を殆ど含まず、且つ当該反射光ビームLRSの中央部分を除いた領域(すなわち上側部分及び下側部分)のうち、当該光ディスク100の内周側部分に相当する部分をそれぞれ反射光ビームLRSC1及びLRSC2とする。
このとき領域78AC1及び78AC2は、反射光ビームLRSC1及びLRSC2をそれぞれほぼ下方向へ、反射光ビームLRSAよりも僅かに大きな回折角度で回折させる。
領域78AD1及び78AD2は、領域18D1及び18D2と同様、反射光ビームLRSにおける、トラック溝回折光を殆ど含まず、且つ当該反射光ビームLRSの中央部分を除いた領域(すなわち上側部分及び下側部分)のうち、当該光ディスク100の外周側部分に相当する部分をそれぞれ反射光ビームLRSD1及びLRSD2とする。
このとき領域78AD1及び78AD2は、反射光ビームLRSD1及びLRSD2をそれぞれほぼ下方向へ、反射光ビームLRSBよりも僅かに大きな回折角度で回折させる。
以下では、説明の便宜上、領域78AC1及び78AC2をまとめて領域78ACと呼び、反射光ビームLRSC1及びLRSC2をまとめて反射光ビームLRSCと呼ぶ。また、領域78AD1及び78AD2をまとめて領域78ADと呼び、反射光ビームLRSD1及びLRSD2をまとめて反射光ビームLRSDと呼ぶ。
このように偏光ホログラム素子78Aは、反射光ビームLRSのうち、プッシュプル成分を殆ど含まず、且つトラックの走行方向における前後部分を反射光ビームLRSC及びLRSDとし、これらを下方向へそれぞれ大きく回折させるようになされている。
さらに領域78AEは、反射光ビームLRSを回折させて反射光ビームLRSEとし、これをほぼ左方向へ回折させる。
このように偏光ホログラム78Aは、反射光ビームLRSを領域ごとに設定された方向へ回折させることにより、反射光ビームLRSA〜LRSEに分割すると共に、反射光ビームLRSA〜LRSDを下方向へ、反射光ビームLRSEを左方向へ進行させるようになされている。
偏光ホログラム78Bは、図21に示すように、全面に一様なバイナリ型のホログラムが形成されており、偏光ホログラム78Aと異なるP偏光の光ビームに対して回折作用を呈するようになされている。
すなわち偏光ホログラム78Bは、反射光ビームLRPの一部を0次光でなる反射光ビームLRP0として直進させると共に、+1次光及び−1次光をそれぞれ反射光ビームLRP+1及びLRP−1として左方向及び右方向へ回折させる。
因みに偏光ホログラム78Bは、反射光ビームLRPの大部分を±1次光として回折させ、その残りを0次光の反射光ビームLRP0として直進させるようになされている。
光検出器79は、図5と対応する図22に示すように、複数の受光部D1、D2、D21、D22及びD23が形成されている。受光部D1及びD2には、光検出器21と同様に、それぞれ受光領域D1A〜D1D、D2A〜D2Dが設けられている。
受光部D1は、受光領域D1A〜D1Dにより反射光ビームLRP0を受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S1A、S1B、S1C及びS1Dを生成して信号処理部74(図1)へ送出するようになされている。
受光部D2は、受光領域D2A〜D2Dにより反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S2A〜S2Dを生成して信号処理部74(図1)へ送出するようになされている。
受光部D23は、基準点Qを縦方向に通る仮想的な直線を対称軸として受光部D3(図5)と対称な箇所に設けられており、受光領域D3A〜D3Dと対応する受光領域D23A、D23B、D23C及びD23Dが設けられている。
受光領域D23A、D23B、D23C及びD23Dは、反射光ビームLRSEを受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号S3A、S3B、S3C及びS3Dを生成して、これらを信号処理部74(図1)へ送出するようになされている。
受光部D21は、基準点Qの左側に配置され、単一の受光領域D21Aを有している。また受光部D22は、基準点Qの右側における、受光部D21と左右対称となる箇所に配置されており、単一の受光領域D22Aを有している。
受光領域D21A及びD22Aは、それぞれ反射光ビームLRP+1及びLRP−1を受光し、それぞれ受光信号S21及びS22を生成して信号処理部74(図1)へ供給する。
ここで、光ピックアップ77において反射光ビームLRがロションプリズム17により屈折され、また複合ホログラム素子78の偏光ホログラム78A及び78Bにより回折されると共に複数に分割された上で光検出器79へ照射される様子を模式的に表すと、図6と対応する図23のように表すことができる。
このように光検出器79は、受光部D1、D2、D21、D22及びD23の各受光領域により反射光ビームLRSA〜LRSE並びにLRP0、LRP+1及びLRP−1をそれぞれ受光し、それぞれの受光量に応じた受光信号をそれぞれ生成して信号処理部74へ供給するようになされている。
(3−3)迷光の照射と受光領域の配置
ところで第3の実施の形態では、図7と対応する図24に示すように、光検出器79に層間迷光ビームLNが照射されることにより、迷光パターンW3が形成される。
この迷光パターンW3では、迷光パターンW10、W1A、W1B、W1C1、W1C2、W1D1及びW1D2と同様の迷光パターンW3P0、W3A、W3B、W3C1、W3C2、W3D1及びW3D2が形成される。
また迷光パターンW3では、迷光パターンW1Eとほぼ左右対称となる箇所に迷光パターンW3Eが形成される。
さらに迷光パターンW3では、層間迷光ビームLNのうちホログラム78Bにおいて±1次光として回折される部分により、迷光パターンW3P+1、W3P−1がそれぞれ形成される。因みに迷光パターンW3では、偏光ホログラム78Bにおいて±1次光の光量比が0次光よりも高いことから、迷光パターンW3P+1及びW3P−1の光量が比較的強くなっている。
ここで光検出器79の受光部D2は、光検出器21(図7)の場合と同様、迷光パターンW3P0を回避するべく、受光部D1からの距離u3が大きくなるよう配置されており、さらに迷光パターンW3A、W3B、W3C1、W3C2、W3D1、W3D2、W3E、W3P+1及びW3P−1のいずれもがかからないよう配置されている。
このとき光ピックアップ77では、光ピックアップ7と同様、ロションプリズム17による下方向への屈折角度が比較的大きいため、偏光ホログラム78Aによる下方向への回折角度がそれほど大きくないものの、反射光ビームLRSA〜LRSDを受光部D2の受光領域D2A〜D2Dに確実に照射させることができる。
また反射光ビームLRP+1及びLRP−1は、バイナリ型の偏光ホログラム78Bにより大きく左右に回折されており、迷光パターンW3P+1及びW3P−1が受光部D1にかからないようになされている。このため、光検出器79の領域D1A〜D1Dは、迷光パターンW3P+1及びW3P−1の影響を受けることなく反射光ビームLRP0を受光することができる。
さらに光ピックアップ77では、光ピックアップ7と同様、光検出器79の取付位置を調整する際、受光部D3の検出結果に代えて受光部D23における検出結果を用いるようになされている。
このように光検出器79の各受光領域は、対象記録層YT以外の他の記録層Yにより反射された層間迷光ビームLNによる迷光パターンWを回避し得るように受光部D2が配置されている。
(3−4)フォーカス制御及びトラッキング制御
信号処理部74は、信号処理部4と同様、上述した(1)式に従った演算を行うことにより、非点収差法によるフォーカスエラー信号SFE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
また信号処理部74は、上述した(2)式又は(3)式に従った演算を行うことにより、DPD法又は1ビームプッシュプル法に従ったトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。
駆動制御部3は、フォーカスエラー信号SFE1を基にフォーカス制御を行い、またトラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング制御を行う。
また信号処理部74は、次の(6)式に従って再生RF信号SRFを算出するようになされている。
この再生RF信号SRFは、反射光ビームLRP+1及びLRP−1の光量の合計値に相当すると共に、光ディスク100に記録された信号を表している。その後信号処理部74は、信号処理部4と同様、再生RF信号SRFに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、光ディスク100に記録されている情報を再生するようになされている。
(3−5)動作及び効果
以上の構成において光ディスク装置70の光ピックアップ77は、光ビームL1を光ディスク100へ照射し、当該光ディスク100により反射されてなる反射光ビームLRの偏光方向を1/2波長板16によって回転させた上でロションプリズム17へ入射させる。
ロションプリズム17は、反射光ビームLRのP偏光成分をそのまま透過して反射光ビームLRPとし、S偏光成分を大きく屈折させて反射光ビームLRSとして、偏光ホログラム素子18へ入射させる。
複合ホログラム素子78の偏光ホログラム78Aは、P偏光でなる反射光ビームLRPを透過してほぼ直進させると共に、領域78AA〜78AE(図20)ごとに、S偏光でなる反射光ビームLRSを回折させる。
このとき偏光ホログラム78Aは、反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ下方向へ回折させ、反射光ビームLRSEを左方向へ回折させる。
また複合ホログラム素子78の偏光ホログラム78Bは、S偏光でなる反射光ビームLRSA〜LRSEを透過すると共に、P偏光でなる反射光ビームLRPを基に反射光ビームLRP0を直進させ、反射光ビームLRP+1及びLRP−1をそれぞれ左右に回折させる。
これに応じて光検出器79は、受光部D1の受光領域D1A〜D1Dにより反射光ビームLRP0を受光し、受光信号S1A〜S1Dを生成する。また光検出器79は、受光部D2の受光領域D2A〜D2Dにより反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ受光し、受光信号S2A〜S2Dを生成する。
信号処理部74は、1ビームプッシュプル法によるトラッキング制御を行う場合、(2)式従ってトラッキングエラー信号STE1を算出し、これを駆動制御部3へ供給する。駆動制御部3は、トラッキングエラー信号STE1を基にトラッキング制御を行う。
従って光ディスク装置70の光ピックアップ77は、光検出器79により、迷光パターンW3を回避して反射光ビームLRSA〜LRSDをそれぞれ受光することができ、受光信号S2A〜S2Dを基に精度良くトラッキング制御を行うことができる。
特に光ディスク装置70は、信号処理部74において、(6)式に示したように2つの受光信号S21及びS22を加算するだけで再生RF信号SRFを生成することができる。
このため光ディスク装置70は、信号処理部4において(4)式に従い4つの受光信号S1A〜S1Dを加算して再生RF信号SRFを生成する場合よりも、各受光信号を増幅するためのアンプ回路によるアンプノイズの影響を低減することができる。
その他、光ディスク装置70は、第1の実施の形態における光ディスク装置1と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、光ディスク装置70の光ピックアップ77は、反射光ビームLRの偏光方向を1/2波長板16によって回転させ、ロションプリズム17によりP偏光成分を反射光ビームLRPとして直進させると共に、S偏光成分を反射光ビームLRSとして下方向へ大きく屈折させる。また光ピックアップ77は、複合ホログラム素子78の偏光ホログラム78Aにより、反射光ビームLRPを透過させると共に、反射光ビームLRSを領域78AA〜78AEごとに回折させ反射光ビームLRSA〜LRSEとする。さらに光ピックアップ77は、複合ホログラム素子78の偏光ホログラム78Bにより、反射光ビームLRSA〜SEを透過させると共に、反射光ビームLRPを回折させて反射光ビームLRP0、LRP+1及びLRP−1に分離する。これにより光ピックアップ77の光検出器79は、反射光ビームLRP0を検出する検出部D1から大きく離隔した検出部D2により、迷光パターンW3を回避しながら反射光ビームLRSA〜LRSDを受光して受光信号S2A〜S2Dを生成することができる。この結果光ディスク装置70は、迷光パターンW3の影響を受けることなくトラッキングエラー信号STE1を生成でき、精度良くトラッキング制御を行うことができる。
(4)他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、反射光ビームLRSA〜LRSDを下方向、へ屈折及び回折させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば上方向など、他の方向へ屈折及び回折させるようにしても良い。第3の実施の形態についても同様である。
また上述した第2の実施の形態においては、反射光ビームLRSA及びLRSBをいずれも下方向へ回折させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば反射光ビームLRSA及びLRSBをそれぞれ上方向等の他の方向へ回折させるようにしても良い。この場合、光検出器69において、反射光ビームLRSA及びLRSBそれぞれが照射される箇所に受光領域D12A及びD12Bをそれぞれ配置すれば良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、反射光ビームLRP1C及びLRP1Dをいずれも右方向へ回折させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば反射光ビームLRP1C及びLRP1Dをいずれも左方向へ回折させ、或いは反射光ビームLRP1Cを左方向へ回折させると共に反射光ビームLRP1Dを右方向へそれぞれ回折させる等しても良い。この場合、光検出器69において、反射光ビームLRP1C及びLRP1Dそれぞれが照射される箇所に受光領域D13C及びD13Dをそれぞれ配置すれば良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、光検出器69の受光部D12において、受光領域D12A及びD12Bを互いに縦方向に並べて配置するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば迷光パターンW2A及びW2B(図17)の形成範囲に入らないよう配置可能な場合に、受光領域D12A及びD12Bを互いに横方向や他の方向に並べて配置するようにしても良い。この場合、ホログラム68Bの領域68BA及び68BBにおける回折角度については、それぞれ適宜設定されていれば良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、光検出器69の受光部D13において、受光領域D13C及びD13Dを互いに横方向に並べて配置するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば迷光パターンW2C1及びW2C2(図17)の形成範囲に入らず、且つ迷光パターンW2D1及びW2D2の形成範囲に入らないよう配置可能な場合に、受光領域D13C及びD13Dを互いに縦方向や他の方向に並べて配置するようにしても良い。この場合、ホログラム素子68Bの領域68BC1及び68BC2並びに領域68BD1及び68BD2における回折角度については、それぞれ適宜設定されていれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ロションプリズム17により反射光ビームLRSを大きく屈折させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばウォラストンプリズム等の他の複屈折性プリズムを用いるようにしても良く、要は光ビームの偏光方向に応じて光ビームを屈折させることにより、当該光ビームにおける所定の偏光方向成分の進行方向を大きく変化させ得れば良い。
さらに上述した実施の第1の形態においては、ロションプリズム17が反射光ビームLRのうちS偏光成分を屈折させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロションプリズム17が反射光ビームLRのうちP偏光成分を屈折させるようにしても良い。この場合、1/2波長板16の取付角度等を適宜調整し、また偏光ホログラム素子18がP偏光成分に対し回折作用を呈するようにすれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、受光部D3の受光結果を基に、光検出器21の取付角度等を調整するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば光検出器21の取付精度を確保し得ることが判明している場合に、受光信号S3A〜S3Dを特に用いないようにし、或いは光検出器21から受光部D3を省略しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、コリメータレンズ19の前段にロションプリズム17及び偏光ホログラム素子18を設けるようにした場合について述べた。
本発明はこれに限らず、コリメータレンズ19の後段にロションプリズム17又は偏光ホログラム素子18若しくはその両方を設けるようにしても良い。この場合、受光信号S3A及びSBCの和と、受光信号S3C及びS3Dの和がほぼ同等の信号レベルとなるよう、コリメータレンズ19の後段に設けられた光学素子の位置を光軸方向に調整する。これにより本発明では、反射光ビームLRSA〜LRSEの各受光領域に対する照射位置を調整することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク100に2層の記録層Yが形成されているときに、光検出器21の受光部D2に迷光パターンW1がかからないようにする場合ついて述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク100に3層以上の記録層Yが形成されているときに、各記録層Yに起因した迷光パターンWが光検出器21の受光部D2にかからないようにしても良い。
この場合、光検出器21の受光部D2は、対象記録層YTからの層間距離が最も遠い記録層Yによる層間迷光ビームLN及び当該層間距離が最も近い記録層Yによる層間迷光ビームLNのいずれによる迷光パターンWをも回避し得れば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、1/2波長板16から光検出器21までの間に、ロションプリズム17、偏光ホログラム素子18、コリメータレンズ19及びシリンドリカルレンズ20の順序で各光学素子を配置するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロションプリズム17、コリメータレンズ19、偏光ホログラム素子18及びシリンドリカルレンズ20の順序で配置する等、これらの光学素子を種々の順序で配置するようにしても良い。また第2の実施の形態では、例えばコリメータレンズ19、複合ホログラム素子68、ロションプリズム17及びシリンドリカルレンズ20の順序で配置する等しても良い。第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、コリメータレンズ19とシリンドリカルレンズ20とをそれぞれ別個に設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばコリメータレンズ19及びシリンドリカルレンズ20の機能を組み合わせたアナモルフィックレンズを用いる等しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク装置1が光ディスク100への情報の記録処理を行い得ると共に、当該光ディスク100からの情報の再生処理も行い得るようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば光ディスク装置1が光ディスク100からの情報の再生処理のみを行い得るようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、図5〜図7に示したように、反射光ビームLRSA〜LRSEがほぼ点状になるよう光検出器21上に照射されるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば偏光ホログラム素子18及びコリメータレンズ19の作用により反射光ビームLRSA〜LRSEが光検出器21上においてある程度の面積を有するように集光されるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置1がBD方式の光ディスク100に対応するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばDVD方式やCD方式等、他の種々の方式に準拠した光ディスク100に対応するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光源としてのレーザダイオード11と、対物レンズとしての対物レンズ8と、レンズ移動部としての2軸アクチュエータ9と、回折部としての偏光ホログラム素子18と、偏光屈折部としてのロションプリズム17と、集光レンズとしてのコリメータレンズ19と、光検出器としての光検出器21とによって光ピックアップとしての光ピックアップ7を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる光源と、対物レンズと、レンズ移動部と、回折部と、偏光屈折部と、集光レンズと、光検出器とによって光ピックアップを構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光源としてのレーザダイオード11と、対物レンズとしての対物レンズ8と、レンズ移動部としての2軸アクチュエータ9と、回折部としての偏光ホログラム素子18と、偏光屈折部としてのロションプリズム17と、集光レンズとしてのコリメータレンズ19と、光検出器としての光検出器21と、信号処理部としての信号処理部4と、駆動制御部としての駆動制御部3とによって光ディスク装置としての光ディスク装置1を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる光源と、対物レンズと、レンズ移動部と、回折部と、偏光屈折部と、集光レンズと、光検出器と、信号処理部と、駆動制御部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
1、60、70……光ディスク装置、2……統括制御部、3……駆動制御部、4、64、74……信号処理部、7、30、40、50、67、77……光ピックアップ、8……対物レンズ、9……2軸アクチュエータ、11……レーザダイオード、16……1/2波長板、17……ロションプリズム、18、78……偏光ホログラム素子、18A、18B、18C1、18C2、18D1、18D2、18E、68AA、68AB、68AM、、68BC1、68BC2、68BD1、68BD2、68BE、78AA、78AB、78AC1、78AC2、78AD1、78AD2、78AE……領域、19……コリメータレンズ、20……シリンドリカルレンズ、21、69、79……光検出器、D1、D2、D3、D12、D13、D21、D22、D23……受光部、D1A、D1B、D1C、D1D、D2A、D2B、D2C、D2D、D12A、D12B、D13C、D13D、D21A、D22A……受光領域、68……複合ホログラム素子、68A……1/2波長板、68B……ホログラム、100……光ディスク、Y……記録層、YT……対象記録層、L1……光ビーム、LR、LRP、LRP0、LRP+1、LRP−1、LRS、LRSA、LRSB、LRSC、LRSD、LRSE……反射光ビーム、S1A、S1B、S1C、S1D、S2A、S2B、S2C、S2D、S21、S22……受光信号。