以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、それぞれがネットワーク2に接続され、画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)100,101,102と、指導者がMFP100を遠隔操作するために使用するパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)200とを含む。
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、インターネットにゲートウェイを介して接続されている。ネットワーク2の接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットであってもよい。
PC200は、一般的なコンピュータであり、PC200には、Webサーバに記憶されたWebページをダウンロードするためのブラウジングプログラムがインストールされており、Webサーバとして機能するMFP100,100A〜100Dを遠隔制御することが可能となっている。なお、ここでは、MFP100,101,102をWebサーバとして機能させ、PC200でMFP100,101,102を遠隔制御する例を示すが、PC200に、MFP100,100A〜100Dを遠隔制御するためのドライバプログラムをインストールするようにし、PC200からMFP100,101,102を遠隔制御するようにしてもよい。また、ここでは、PC200とMFP100,100A〜100Dとをネットワーク2を介して接続する例を示すが、公衆電話回線網(PSTN)を介して接続するようにしてもよい。
MFP100,101,102各々は、原稿を読取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。また、MFP100,101,102各々は、Webサーバとして機能するためのプログラムがインストールされている。なお、本実施の形態においてはMFP100,101,102を例に説明するが、MFP100,101,102に代えて、たとえば、プリンタ、ファクシミリ装置、パーソナルコンピュータ等であってもよい。また、MFP100,101,102は、構成及び機能が同じなので以下の説明では特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160と、マイクロホン170と、スピーカ180と、を含む。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、フラッシュメモリ118Aが装着されるカードインターフェース(I/F)118とを含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160、マイクロホン170およびスピーカ180と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してMFP101,102またはPC200との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。また、通信I/F部112は、PCとの間で電子メールを送受信する。
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
マイクロホン170は、MFP100を操作するユーザの音声を集音し、CPU111に出力する。スピーカ180は、CPU111により制御され、音を発生する。
カードI/F118は、フラッシュメモリ118Aが装着される。CPU111は、カードI/F118を介してフラッシュメモリ118Aにアクセス可能である。CPU111は、カードI/F118に装着されたフラッシュメモリ118Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、フラッシュメモリ118Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図4は、PCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、PC200は、それぞれがバス210に接続された、PC200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、PC200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部207と、マイクロホン208と、スピーカ209と、を含む。
マイクロホン208は、PC200を操作する指導者の音声を集音し、CPU201に出力する。スピーカ209は、CPU201により制御され、音を発生する。
本実施の形態においては、指導者がPC200を操作してMFP100を遠隔操作する場合、指導者の音声は指導者が操作するPC200のマイクロホン208により集音され、MFP100に送信される。これよりMFP100のスピーカ180から指導者が発生した音声が出力される。また、MFP100のユーザの音声は、MFP100が備えるマイクロホン170により集音され、PC200に送信される。これによりPC200のスピーカ209からMFP100のユーザが発生した音声が出力される。このようにして、指導者とMFP100のユーザとが会話することができる。
図5は、MFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、CPU111は、ユーザが操作部160Bに入力する直接操作を受け付ける直接操作受付部51と、遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部61と、直接操作または遠隔操作に基づいて処理を実行する処理実行部53と、第1表示用画面を生成する第1表示用画面生成部55と、第2表示用画面を生成する第2表示用画面生成部57と、処理対象とするデータが所定の条件を満たすか否かを判断する判断部63と、画像の表示を制御する表示制御部59と、を含む。
直接操作受付部51は、ユーザが操作部160Bに操作を入力すると、操作部160Bから直接操作を受け付ける。直接操作受付部51は、受け付けた操作を処理実行部53および判断部63に出力する。ここでは、ユーザが操作部160Bに入力する操作を、直接操作という。
遠隔操作受付部61は、通信I/F部112がPC200から処理を実行するための遠隔操作を受信すると、通信I/F部112から遠隔操作を受け付ける。遠隔操作は、直接操作と同じ操作を含む。例えば、HDD116に記憶されているデータを画像形成する処理、ファクシミリ送信する処理、他のコンピューターに電子メール等で送信する処理を含む。遠隔操作受付部61は、受け付けた遠隔操作を処理実行部53および判断部63に出力する。
処理実行部53は、直接操作受付部51または遠隔操作受付部61から直接操作または遠隔操作が入力されると、受け付けられた直接操作または遠隔操作に従って処理を実行する。具体的には、HDD116に記憶されたデータのうち直接操作または遠隔操作で特定されるデータに、直接操作または遠隔操作により特定される処理を施す。直接操作または遠隔操作により特定される処理は、例えば、画像を形成する処理、ファクシミリ送信する処理、他のコンピューターに電子メール等を送信する処理、HDD116に記憶されているデータを表示する処理を含む。処理実行部53が処理を実行する場合に、その処理を実行させるために設定が必要であり、処理実行部53は、設定を入力するための画面を生成する指示を、第1表示用画面生成部55および第2表示用画面生成部57に出力する。
判断部63は、入力される直接操作または遠隔操作により特定されるデータが所定の条件を満たすか否かを判断し、判断結果を第2表示用画面生成部57および表示制御部59に出力する。判断結果は、所定の条件を満たすデータのデータ識別情報と所定の条件を満たすか否かを示す判別情報とを含む。
判断部63は、モード判断部71、合成画像判断部73および属性判断部75を含む。モード判断部71は、直接操作または遠隔操作により特定されるデータが、親展モードに設定されているか否かを判断する。HDD116に記憶されるデータはジョブデータを含む。ジョブデータは、データの実態を定義する部分と、そのデータに対して実行する処理を定義する定義部分とを含む。判断部63は、ジョブデータに含まれる定義部分において、そのジョブデータが親展モードに設定されていればそのデータが所定の条件を満たすと判断するが、そのデータが親展モードに設定されていなければそのデータが所定の条件を満たさないと判断する。
図6は、ジョブデータの一例を示す図である。図6(A)は、1つのジョブデータの全体の一例を示し、図6(B)および図6(C)は、ジョブデータに含まれるデータの実態部分の一例を示す。図6(A)を参照して、ジョブデータ301は、定義部分303と、データの実態部分305とを含む。定義部分303は、ここではジョブデータを識別するためのジョブIDを設定するための項目と、処理を識別するためのアプリケーションIDを設定するための項目と、親展モードを設定するための項目と、ステープル加工の有無を設定するための項目と、パンチ加工の有無を設定するための項目と、スタンプ加工の有無を設定するための項目と、文字合成の有無を設定するための項目と、オーバーレイの有無を設定するための項目と、地紋の合成の有無を設定するための項目と、ウォーターマークの合成の有無を設定するための項目と、を含む。
実態部分305は、データの実態に対するリンクを含む。ここでは、データに含まれるページごとにページ情報へのリンクを含む。図6(B)は、第1ページのページ情報の一例を示す図である。図6(B)を参照して、ページ情報は、第1ページに割り当てられた画像データのアドレスを含む。図6(C)は、第2ページのページ情報の一例を示す図である。図6(C)を参照して、ページ情報は、第2ページに割り当てられた画像データのアドレスを含む。
図5に戻って、合成画像判断部73は、直接操作または遠隔操作により特定されるデータが、機密情報に設定されているか否かを判断する。直接操作または遠隔操作により特定されるデータは、HDD116に記憶されているデータをいい、被合成画像を含む。HDD116に記憶されている被合成画像ごとに機密情報か否かを示す判断情報を関連付けた関連付テーブルをHDD116に予め記憶しておき、その関連付テーブルを参照して、被合成画像が機密情報に設定されているか否かを判断する。合成画像判断部73は、直接操作または遠隔操作により特定される被合成画像が関連付テーブルによって機密情報に設定されていれば、所定の条件を満たすと判断するが、機密情報に設定されていなければ所定の条件を満たさないと判断する。
図7は、関連付テーブルの一例を示す図である。図7を参照して、関連付テーブル300は、画像形成処理に含まれる画像形成処理がステープル加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理、地紋の合成処理にそれぞれ対応する関連付レコードを含む。関連付レコードは、モードを設定するための項目と、判断情報の項目と、代替パターンの項目と、を含む。モードの項目は、ステープル加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理、地紋の合成処理のいずれかを識別する情報が設定される。判断情報の項目は、機密情報であるか否かを定義する項目であり、機密情報と一般情報とのいずれかが設定される。代替パターンの項目は、判断情報の項目が機密情報に設定されている場合においてダミー画像として用いられる画像を識別するための情報が設定される。
例えば、ステープル加工処理に対応する関連付レコードは、モードの項目に「ステープル」が設定され、判断情報の項目に「一般情報」が設定され、代替パターンの項目には何も設定されない。また、スタンプ加工処理に対応する2つの関連付けレコードは、一方がモードの項目に「スタンプ(既定パターン)」が設定され、判断情報の項目に「一般情報」が設定され、代替パターンの項目には何も設定されないが、他方はモードの項目に「スタンプ(ユーザ設定パターン)」が設定され、判断情報の項目に「機密情報」が設定され、代替パターンの項目に「代替パターン1」が設定される。図7に示す関連付テーブルにおいては、モードの項目が「スタンプ(ユーザ設定パターン)」、「文字合成(ヘッダ・フッタ)」および「オーバーレイ」が設定されている関連付レコードにおいて、判断情報の項目が「機密情報」に設定されている。
図5に戻って、合成画像判断部73は、直接操作または遠隔操作により特定されるデータが、機密情報に設定されているか否かを関連付テーブルを用いて判断するようにしたが、機密情報としての文字列をEEPROM115に予め記憶しておくようにし、直接操作または遠隔操作により特定されるデータに機密情報としての文字列が含まれているか否かを判断することにより、直接操作または遠隔操作により特定されるデータが機密情報に設定されているか否かを判断するようにしてもよい。この場合、直接操作または遠隔操作により特定されるデータに機密情報としての文字列が含まれていれば、所定の条件を満たすと判断するが、そうでなければ所定の条件を満たさないと判断する。
属性判断部75は、直接操作または遠隔操作により特定されるデータの属性が、予め定められた属性であるか否かを判断する。予め定められた属性をEEPROM115に記憶しておくようにし、直接操作または遠隔操作により特定されるデータの属性が予め定められた属性か否かを判断する。属性判断部75は、データの属性が予め定められた属性ならば、所定の条件を満たすと判断するが、データの属性が予め定められた属性でなければ、所定の条件を満たさないと判断する。
ここで、MFP100が処理対象とするデータについて説明する。データは、システム情報と一時情報とを含む。システム情報は、MFPに予め設定しておくことが可能な情報であり、MFP100の主電源がOFFとなっても保持される情報である。システム情報は、例えばデータベースに記憶されているデータを含み、この場合における属性は、そのデータベースで定義されているデータの種類を示す。
一時情報は、ユーザが、MFP100に処理を実行させる際に、操作部160Bに入力した情報である。入力する際に、その入力箇所または設定内容に応じてデータの種類が決定される。例えば、電子メールアドレスを入力する場合には、データの種類が電子メールアドレスとしてMFP100で判断される。
ここでは、所定の条件を満たす属性を定義した定義テーブルを予め定義記憶しておくようにし、属性判断部75が、定義テーブルを参照して、データが所定の条件を満たすか否かを判断する。ここでは、所定の条件を満たす属性を、個人情報としている。個人情報は、例えば、電子メールアドレス、氏名、電話番号、住所等を含み、個人に関連し、割り当てられた情報である。
図8(A)は、システム情報の一例を示す図である。図8(A)を参照して、システム情報は、種類の項目と、データの項目と、属性の項目とを含む。例えば、種類の項目に「管理者Mailアドレス」が設定されているシステム情報は、データの項目にMFP100を管理する管理者の電子メールアドレスが設定され、属性の項目に電子メールアドレスであることを示す「メールアドレス」が設定される。
図8(B)は、一時情報の一例を示す図である。図8(B)を参照して、一時情報はシステム情報と同様に、種類の項目と、データの項目と、属性の項目とを含む。例えば、種類の項目に「入力アドレス」が設定されている一時情報は、データの項目に電子メールアドレスが設定され、属性の項目に電子メールアドレスであることを示す「メールアドレス」が設定される。
図9は、定義テーブルの一例を示す図である。図9を参照して、定義テーブルは、属性ごとに所定の条件を満たすか否かを定義する定義レコードを含む。定義レコードは、属性の項目と、判断情報の項目と、代替文字列の項目と、を含む。ここでは、所定の条件を満たす属性に対して判断情報を機密情報が設定され、所定の条件を満たさない属性に対して一般情報が設定される。また、代替文字列の項目は、判断情報の項目が「機密情報」に設定されている定義レコードについて、代替される文字列が設定される。代替文字列の項目に設定される文字列は、属性を表す文字列が設定される。例えば、属性の項目に「メールアドレス」が設定されている定義レコードは、判断情報の項目に「機密情報」が設定されることにより所定の条件を満たす属性であることが定義され、代替文字列の項目に属性を表す文字列として「Mail Address」が設定される。
図5に戻って、第1表示用画面生成部55は、処理実行部53から設定を入力するための画面を生成する指示が入力されると、直接操作または遠隔操作で特定されるデータの画像を含む第1表示用画面を生成し、生成された第1表示用画面を表示制御部59に出力する。
直接操作または遠隔操作で特定されるデータは、処理実行部53が処理対象とするデータを含む。具体的には、第1表示用画面生成部55は、直接操作または遠隔操作が直接操作または遠隔操作により特定されるデータをプレビュー表示する指示である場合、そのデータの画像を含む第1表示用画面を生成する。
さらに、直接操作または遠隔操作が画像形成処理の実行を指示する場合、その指示された画像形成処理がステープル加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理、地紋の合成処理を含む場合がある。この場合、第1表示用画面生成部55は、直接操作または遠隔操作で特定されるデータは、ステープル加工処理、パンチ加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理または地紋の合成処理が実行されたことを示す画像を含む第1表示用画面を生成する。具体的には、第1表示用画面生成部55は、直接操作または遠隔操作により特定される画像形成処理がステープル加工処理、パンチ加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理または地紋の合成処理を含む場合、データの画像のそれぞれの処理が行われる位置にそれぞれの処理が行われたことを示す画像を合成する。ステープル加工処理、パンチ加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理または地紋の合成処理が行われたことを示す画像は、それぞれステープル針の画像、パンチ穴の画像、スタンプの画像、文字の画像、オーバーレイの画像および地紋の画像である。ここでは、画像形成処理に含まれる処理を実行することによりデータの画像に合成される画像を被合成画像という。
また、第1表示用画面生成部55は、直接操作または遠隔操作がHDD116に記憶されているデータを表示する処理の実行を指示する場合、HDD116に記憶されているデータの画像を縮小したサムネイルまたはファイル名の画像を含む第1表示用画面を生成する。
第2表示用画面生成部57は、処理実行部53から設定を入力するための画面を生成する指示が入力されると、第2表示用画面を生成し、生成された第2表示用画面を表示制御部59に出力する。第2表示用画面は、第1表示用画面生成部55により生成される第1表示用画面の少なくとも一部を別の画像で置き換えた画像である。具体的には、第2表示用画面生成部57は、直接操作または遠隔操作が直接操作または遠隔操作により特定されるデータをプレビュー表示する指示である場合、直接操作または遠隔操作により特定されるデータが所定の条件を満たすことを示す判別情報が判断部63より入力されると、そのデータの画像に代えて予め定められたダミー画像を含む第2表示用画面を生成する。
さらに、第2表示用画面生成部57は、直接操作または遠隔操作が画像形成処理の実行を指示し、かつ、指示された画像形成処理がステープル加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理、地紋の合成処理のいずれかを含む場合、被合成画像をデータの画像と合成した画像を含む第2表示用画像を生成するが、判断部63により被合成画像が所定の条件を満たすことを示す判別情報が入力される場合、被合成画像に代えて、それらの処理が実行されたことを示す画像を、データの画像またはダミー画像に合成した画像を含む第2表示用画面を生成する。ステープル加工処理、スタンプ加工処理、文字合成処理、オーバーレイ処理、地紋の合成処理が実行されたことを示す画像は、それらの処理名の文字列を含む画像であってもよいし、それらの処理に割り当てられた記号、図柄などであってもよい。また、処理が実行されたことを示す画像は、データの画像またはダミー画像中の処理が実行される位置に配置される。
さらに、第2表示用画面生成部57は、直接操作または遠隔操作がHDD116に記憶されているデータを表示する処理の実行を指示する場合、HDD116に記憶されているデータの画像を縮小したサムネイルまたはファイル名の画像を含む第2表示用画面を生成するが、判断部63によりデータの属性が機密情報であることを示す判別情報が入力される場合、指示されたデータの画像を、予め定められた代替文字列の画像に置き換えた第2表示用画面を生成する。
表示制御部59は、第1プレビュー画像および第2プレビュー画像が入力される。表示制御部59は、判断部63によりデータが所定の条件を満たすと判断された場合、第1プレビュー画像を表示部160Aに表示するとともに、通信I/F112を介して第2プレビュー画像をPC200に送信する。これにより、PC200を操作する指導者は、MFP100のユーザが見るのと異なる画像を見ることになるが、データの画像または被合成画像がダミー画像に置き換えられているのみで、それらが配置される位置は同じである。このため、指導者は、データの内容を知ることはできないがMFP100に処理させる内容を知ることができるので、的確な指導をすることができる。また、個人情報を含む画像がPC200に表示されないので、機密が漏れるの防止することができる。さらに、被合成画像に代わる画像は、実行された処理が実行されたことを示すので、指導者に画像形成処理の設定状態を知らせることができる。
一方、表示制御部59は、判断部63によりデータが所定の条件を満たさないと判断された場合、第1表示用画像を表示部160Aに表示するとともに、通信I/F112を介して第1表示用画像をPC200に送信する。この場合、PC200を操作する指導者は、MFP100のユーザが見るのと同じ画像を見ることができる。判断部63によりデータが所定の条件を満たさないと判断された場合、第1表示用画像は、個人情報を含まないので、PC200を操作する指導者に機密が漏れる惧れはない。
図10(A)および図10(B)は、表示用画面の一例を示す第1の図である。図10(A)を参照して、第1表示用画面400は、処理対象となるデータの画像をプレビュー表示する画面を示し、データの画像401を含む。一方、第2表示用画面401Bは、データの画像401に代えてダミー画像401Bを含む。
図11(A)および図11(B)は、表示用画面の一例を示す第2の図である。図11(A)を参照して、第1表示用画面410は、処理対象となるデータのサムネイルを表示する画面を示し、3つのデータの画像を縮小したサムネイル411〜413を含む。一方、第2表示用画面410Aは、サムネイル411〜413に代えてダミー画像411A〜413Aを含む。
図12(A)〜図12(H)は、データの画像に被合成画像を合成した第1プレビュー画像の一例を示す図である。図12(A)は、ステープル加工処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351にステープルの画像353が重畳して合成される。図12(B)は、パンチ加工処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351に2つのパンチ穴の画像355が重畳して合成される。図12(C)は、既定パターンのスタンプ加工処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351に既定パターンのスタンプとして「至急」の文字を含むスタンプの画像357が重畳して合成される。図12(D)は、ユーザ設定パターンのスタンプ加工処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351にユーザ設定パターンのスタンプとして「開発部」の文字を含むスタンプの画像359が重畳して合成される。図12(E)は、日付の文字合成処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351に日付「Jan 23,2007」の文字の画像361が重畳して合成される。図12(F)は、ヘッダ・フッタに文字を合成する文字合成処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351のヘッダ部分に「開発センタ」の文字の画像363が、データの画像351のフッタ部分に「開発部」の文字の画像364が、それぞれ重畳して合成される。図12(G)は、オーバーレイ処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351にオーバーレイフォームの画像365が重畳して合成される。図12(H)は、地紋の合成処理が指定された場合におけるプレビュー画像を示し、データの画像351に地紋の画像367が重畳して合成される。
図13(A)〜図13(H)は、データの画像に代わるダミー画像に被合成画像に代えてダミー画像を合成した第2プレビュー画像の一例を示す図である。図13(A)は、図12(A)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aにステープルの画像353が重畳して合成される。図13(B)は、図12(B)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aに2つのパンチ穴の画像355が重畳して合成される。図13(C)は、図12(C)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aに既定パターンのスタンプとして「至急」の文字を含むスタンプの画像357が重畳して合成される。図13(D)は、図12(D)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aにスタンプ処理がされたことを示す「Stamp」の文字が表された画像359Aが重畳して合成される。図13(E)は、図12(E)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aに日付「Jan 23,2007」の文字の画像361が重畳して合成される。図13(F)は、図12(F)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aのヘッダ部分にヘッダであることを示す「Header」の文字列の画像363Aが、ダミー画像351Aのフッタ部分にフッタであることを示す「Footer」の文字列の画像364Aが、重畳して合成される。図13(G)は、図12(G)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aにオーバーレイフォームであることを示す「Overlay Form」の文字列を含む画像365Aが重畳して合成される。図13(H)は、図12(H)に示した第1プレビュー画像に対応する第2プレビュー画像を示し、データの画像351に代わるダミー画像351Aに地紋の画像367が重畳して合成される。
図14(A)および図14(B)は、表示用画面の一例を示す第3の図である。図14(A)を参照して、第1表示用画面420は、処理対象となるデータに画像処理した場合にプレビュー表示される画面を示し、データの画像421に被合成画像353,357,363,364の画像を合成した画像である。被合成画像353は、ステープルの画像であり、被合成画像357は「至急」の文字を含むスタンプの画像であり、被合成画像363はヘッダの画像であり、被合成画像364はフッタの画像である。
図14(B)は、第1表示用画面420に対応する第2表示用画面420Aを示し、データの画像421に代わるダミー画像421Aに被合成画像353,357,363A,364Aの画像を合成した画像を含む。第1表示用画面420において被合成画像363,364は機密情報なので、それらが第2表示用画面420Aにおいては、ダミー画像363A,364Aに置き換えられている。
図15(A)および図15(B)は、表示用画面の一例を示す第4の図である。図15(A)を参照して、第1表示用画面430は、処理対象となるデータを表示する画面を示し、電子メールアドレス「aaa@aaa.com」の画像431、電話番号「0123−555−5555」の画像432およびサーバのIPアドレス「111.111.111.111」の画像433を含む。図15(B)を参照して、第2表示用画面430Aは、第1表示用画面430に含まれる電子メールアドレス「aaa@aaa.com」の画像431に代えて代替文字列「Mail Address」の画像431A、電話番号「0123−555−5555」の画像432に代えて代替文字列「Phone Number」の画像432AおよびサーバのIPアドレス「111.111.111.111」の画像433に代えて代替文字列「Server Address」の画像433Aを含む。
図16は、表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、MFP100が備えるCPU111が表示制御プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図16を参照して、CPU111は、直接操作または間接操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。直接操作または間接操作が受け付けられるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、直接操作または間接操作を受け付けると(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
ステップS02においては、第1表示用画面を生成し、処理をステップS03に進める。具体的には、ステップS01において受け付けられが直接操作または間接操作で特定されるデータを含む画像を生成する。ステップS03においては、生成された第1表示用画面を表示部160Aに表示し、処理をステップS04に進める。ステップS04においては、機密フラグをOFFに設定する、機密フラグは、後述するステップS10でONに設定され、ステップS20で参照され、データが所定の条件を満たす場合にONに設定される。
ステップS05においては、ステップS01において受け付けられた直接操作または遠隔操作により特定されるデータが親展モードに設定されているか否かを判断する。直接操作または遠隔操作により特定されるジョブデータの定義部分において親展モードがONに設定されているか否かを判断する。データが親展モードに設定されていれば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。
ステップS06においては、ステップS01において受け付けられた直接操作または遠隔操作で特定されるデータが機密情報を含むか否かを判断する。データが機密情報を含むか否かは、予め定められた文字列をデータが含むか否かにより判断する。データが機密情報を含む場合、処理をステップS07に進め、そうでなければ処理をステップS09に進める。
ステップS07においては、機密フラグをONに設定し、処理をステップS08に進める。ステップS08においては、第2表示用画面を生成し、処理をステップS09に進める。具体的には、ステップS02で生成された第1表示用画面のうち直接操作または間接操作で特定されるデータの画像を、予め定められたダミー画像に置き換えた第2表示用画面を生成する。
ステップS09においては、データの属性が機密情報か否かを判断する。データの属性が機密情報か否かはデータの属性が、予め定められた属性か否かにより判断する。データの属性が機密情報ならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS10においては、機密フラグをONに設定し、処理をステップS11に進める。ステップS11においては、第2表示用画面を生成し、処理をステップS12に進める。具体的には、ステップS02で生成された第1表示用画面のうち直接操作または間接操作で特定されるデータの画像を、予め定められたダミー画像に置き換えた第2表示用画面を生成する。具体的には、ステップS02で生成された第1表示用画面、または、ステップS08が実行される場合にはステップS08において生成された第2表示用画面のうちデータの文字列を代替文字列で置き換えた第2表示用画面を生成する。
ステップS12においては、ステップS01において受け付けられた直接操作または遠隔操作が、合成指示を含むか否かを判断する。合成指示を含むならば処理をステップS13に進め、そうでなければ処理をステップS20に進める。ステップS13においては、定数Nにモード数Nを設定する。モード数Nは、画像形成処理に含まれる複数ある合成処理の数を示す。次のステップS14においては、変数iに0設定し、処理をステップS15に進める。ステップS15においては、変数iが定数Nより小さいか否かを判断する。変数iが定数Nより小さければ処理をステップS16に進め、そうでなければ処理をステップS20に進める。
ステップS16においては、合成モード(i)の被合成画像が機密情報を含むか否かを判断する。被合成画像が機密情報に設定されているか否かにより判断する。被合成画像が機密情報を含むと判断する場合に、処理をステップS17に進め、そうでなければ処理をステップS19に進める。ステップS17においては、機密フラグをONに設定し、処理をステップS18に進める。ステップS18においては、第2表示用画面を生成し、処理をステップS19に進める。具体的には、ステップS02で生成された第1表示用画面、または、ステップS08が実行される場合にはステップS08において生成された第2表示用画面のうち直接操作または間接操作で特定される被合成画像を、予め定められた代替パターンの画像に置き換えた第2表示用画面を生成する。これにより、機密情報を含む被合成画像が代替パターンの画像で置き換えられるので、第2表示用画像が機密情報を含まない画像に変換される。ステップS19においては変数iに1を加算し、処理をステップS15に戻す。
ステップS20においては、機密フラグがONに設定されているか否かを判断する。機密フラグがONに設定されていれば処理をステップS21に進めるが、そうでなければ処理をステップS22に進める。ステップS21においては、第2表示用画像をPC200に送信し、処理をステップS23に進める。データが親展モードに設定されている場合、データの属性が機密情報の場合、被合成画像が機密情報を含む場合のいずれかの場合、第2表示用画面が送信されるが、第2表示用画面は、データが親展モードに設定されている場合はデータの画像に代えてダミー画像を含み、データの属性が機密情報の場合はデータの画像に変えて代替文字列の画像を含む、被合成画像が機密情報を含む場合は被合成画像に変えて代替パターンの画像を含む。このため、第2表示用画面は機密情報を含まないので、第2表示用画面をPC200を操作する指導者が見たとしても、機密が知られることがない。
一方、ステップS22においては、第1表示用画面をPC200に送信し、処理をステップS23に進める。データが親展モードに設定されていないか、または、データの属性が機密情報でない場合であって、被合成画像が機密情報を含まなければ、第1表示用画面は機密情報を含まない。このため、第1表示用画面をPC200を操作する指導者が見たとしても、機密が知られることがない。
ステップS23においては、画像形成指示を受け付けたか否かを判断する。画像形成指示を受け付けたならば処理をステップS24に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS24においては、画像形成処理を実行し、処理を終了する。
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、直接操作または遠隔操作により特定されるデータの画像を含む第1表示用画面を表示部160Aに表示する一方、データが親展モードに設定されている場合、データの属性が機密情報の場合、被合成画像が機密情報を含む場合のいずれかの場合、第1表示用画面に代えて、第2表示用画面をPC200に表示させる。このため、PC200を操作する指導者に機密が漏洩するのを防止しつつ、指導者は遠隔操作によってMFP100のユーザの操作を支援することができる。
なお、本実施の形態においては、画像形成装置の一例としてMFP100を説明したが、図16に示した処理をMFP100に実行させるための表示制御方法またはその表示制御方法をMFP100を制御するCPU111に実行させる表示制御プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成システム、2 ネットワーク、51 直接操作受付部、53 処理実行部、55 表示用画面生成部、57 表示用画面生成部、59 表示制御部、61 遠隔操作受付部、63 判断部、71 モード判断部、73 合成画像判断部、75 属性判断部、100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 カードI/F、118A フラッシュメモリ、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、170 マイクロホン、180 スピーカ。