JP5060375B2 - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板処理装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、基板処理装置に関するものであり、特に、液体原料を気体化した原料ガスを処理室に供給することにより基板を処理する基板処理装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体デバイスの原料として、常温で液体である液体原料がよく使われている。
例えば、Hi−K(高誘電率ゲート絶縁膜)として有望なHfO(酸化ハフニウム)膜の成膜原料の一つにTEMAH[Hf(N(CH)(C)):テトラキス・ジメチルアルミ・ハフニウム)]がある。他にもAlO(酸化アルミニウム)膜の成膜原料としてTMA[Al(CH3):トリメチルアルミニウム]がよく用いられている。
TMAの蒸気圧は常温25℃で0.5Pa程度である。このため、所望のTMAガスを得るにはバブラと呼ばれる気化装置が必要になる。
図9は、従来の気化装置の構成を示す概略図である。
図9に示されるように、従来の気化装置は、液体原料を貯留して気化するための気化容器1に、気化容器1と内部の液体原料の温度を所望の温度に保持するため加熱機構(図示せず)を設けるとともに、気化容器1内の液体原料にキャリアガスを通すことにより、液体原料を気化させるためのキャリアガス供給ライン2と、気化した原料のガス、すなわち、原料ガスとキャリアガスとの混合ガスを、基板処理装置の処理室(図示せず)に供給するための原料ガス供給ライン3を設けた構成となっている。気化装置のキャリアガス供給ライン2には流量調節器としてマスフローコントローラMFCが設けられると共に、マスフローコントローラMFCを挟んで上流側にバルブV1が、下流側に、バルブV2、V3が設けられる。また、原料ガス供給ライン3には、バルブV4、V5が設けられており、処理室からの逆流を防止するようになっている。
図7は、前記した従来の気化装置の各バルブV1〜V5の開閉を制御する標準的なバルブシーケンスを示す。
図7において、No.1のイベント名は「CLOSE」である。No.1のイベントではバルブV1〜V5が閉となり、キャリアガスの供給、原料ガスの供給が停止される。
No.2のイベント名は「PRETMA」である。このイベントでもバルブV1〜V5は閉に保持され、キャリアガスの供給及び原料ガスの供給が停止される。
No.3のイベント名は、「TMA」である。このイベントでは、バルブV1〜V5が開となり、キャリアガスがキャリアガス供給ラインに供給される。キャリアガスが液体原料中を液面に向かって上昇する。液体原料の気化は、キャリアガスと液体原料の接触面、すなわち、泡の表面と液体原料の液面にて行われる。
バブリングを行うことで、液体原料とキャリアガスとの接触面積が増加し、液体原料の気化量が増加するので、所望の蒸気圧が得られる。従って、このイベントでは、気化容器内で気体となった原料ガス、この例では、TMAガスがキャリアガスと混合した混合ガスの状態で処理室に供給される。
No.4の「CLOSE」のイベントでは、バルブV1〜V5が閉となり、キャリアガスの供給、原料ガスの供給が停止される。
このように、従来の気化装置のバルブシーケンスでは、キャリアガスの供給、停止が制
御され、処理室への原料ガスとキャリアガスの混合ガスの供給、停止が制御される。しかし、バブリング開始時やバブリングの最中に、液体原料が気化せずに液体が細分化したミストが発生し、発生したミストが処理室に供給されると、基板上にパーティクルが発生し、半導体装置の歩留りが低下することがある。
そこで、鋭意検討の結果、本出願人は、
(1)ミストの低減には、気化容器の圧力とキャリアガス供給管内圧力との間の圧力差を低減すること、キャリアガスを細分化し、泡の体積及び表面積を小さくして気化容器の底面全域から液体原料中にキャリアガスを供給することが効果的である、
(2)ミストを消滅するには、気化容器及び原料ガス供給ラインの温度を最適化し、発生したミストを気化容器の内面及び、原料ガス供給ラインの管壁から与える熱により気化させること、原料ガス供給管の配管長の最適化により、発生したミストを配管壁面からの熱により気化させること、原料ガス供給管に熱交換器を設けて積極的に原料ガス供給管を加熱することにより、気化させることが有効である、
ことを見出した。
しかし、定常時のバブリング際のミストを防止できても、非定常時、すなわち、バブリングの開始時に気化容器内において、液体原料のミストが発生することがあり、発生したミストが処理室に供給されてしまうという問題がある。
なお、上記(1)、(2)は、従来技術ではない。
これは、次のような理由による。
(1)バブリング開始時に、気化容器の圧力とキャリアガス供給管内の圧力差が定常時よりも大きくなると、ミストが発生する。これは、マスフローコントローラの構造に起因して発生する。つまり、マスフローコントローラは、キャリアガスラインの一次側の流量をフィードバック制御するため、マスフローメータによりキャリアガスラインの二次側の流量を検出できるように、流量設定値が0slmでもガスが流れる構造となっている。このため、図7のNo.1、No.2、No.4のイベントにおいて、キャリアガス供給ラインのバルブが閉となっていても、マスフローメータの一次側から二次側に流れるキャリアガスによって、マスフローメータの二次側のキャリアガス供給ラインの圧力、すなわち、マスフローコントローラとバルブV2との間の圧力が定常時よりも高くなる。この状態で、No.3のイベントにより、バルブV1〜V5が開となると、蓄圧されたキャリアガスの圧力で液体原料中に大きな泡、気泡が発生して液面が動揺し、ミストが発生する。
(2)発生したミストは、気化容器の内面等に付着すると消滅するが、キャリアガスのバブリングによる気化と、原料ガス供給ラインへの原料ガス及びキャリアガスとの混合ガスの供給とを同時に行っているため、ミストを消滅させる時間がない。
このため、バブリング開始時にミストが発生した場合に、処理室には流さずそれをベントラインに流すことが考えられる。しかし、資源の無駄となり、原料を節約することができないという問題がある。
そこで、本発明は、液体原料を気化する気化装置を備えた基板処理装置において、気化容器の圧力とキャリアガス供給ラインとの間の圧力差を定常時の圧力差以下とすることを目的とする。
本発明に係る好ましい態様は、基板を収容する処理室と、液体原料を収容し、この液体原料を気化させる気化容器と、気化容器にキャリアガスを供給するキャリアガス供給ラインと、キャリアガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第1の開閉バルブと、気化容器で気化された原料ガスを前記処理室へ供給する原料ガス供給ラインと、原料ガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第2の開閉バルブと、少なくとも前記第1の開閉バルブ、第2の開閉バルブの開閉を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、前記処理室へ気化された原料ガスを供給する際に、第1の開閉バルブを開として所定時間経過した後に、第2のバルブを開とするように第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブの開閉動作を制御するよう構成される基板処理装置を提供するものである。
また、本発明に係る他の態様は、反応ガスを基板が収容された処理室に供給する工程と、液体原料を気化容器で気化して前記処理室に供給する工程と、を有し、前記液体原料を気化して前記処理室に供給する工程では、前記液体原料を気化させる気化容器にキャリアガスを供給するキャリアガス供給ラインに設けられた第1の開閉バルブを開として前記液体原料を気化し、所定時間経過後に、前記気化容器で気化された原料ガスを前記処理室へ供給する原料ガス供給ラインに設けられた第2の開閉バルブを開として前記処理室に前記原料ガスを供給し、前記反応ガスと前記原料ガスを前記処理室へ供給することにより前記基板に所定の膜を形成する半導体装置の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、バブリング開始時のキャリアガス供給ラインの圧力と気化容器の圧力差を定常時の圧力差以下とすることができるので、液体原料のミストの生成を抑制することができ、処理室への搬送を防止することができる。これにより、ミストに起因した半導体装置の歩留りの低下を防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本実施の形態に係る基板処理装置とその処理炉について説明する。
<基板処理装置>
本実施の形態において、基板処理システムとしての基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。
参照する図面において、図1は本発明に係る処理装置101を示す概略構成図であり、斜透視図として表されている。
本発明に係る処理装置101ではシリコン等からなる基板(以下、ウエハという)200のウエハキャリアとしてカセット110が用いられる。
処理装置101の筐体111の正面壁111a下方にはメンテナンス可能なように開口部としての正面メンテナンス口(図示せず)が開設され、正面メンテナンス口にはこれを開閉すべく正面メンテナンス扉104が建て付けられている。
正面メンテナンス扉104には、カセット搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。カセット搬入搬出口112の筐体111内側にはカセットステージ(基板収容器受渡し台)114が設置されている。カセット110はカセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。
カセットステージ114は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体後方に右回り縦方向90°回転し、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央部には、カセット棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105にはウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。
また、カセットステージ114の上方には予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収容
器搬送装置)118が設置されている。
カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、カセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。
このウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとを備えて構成される。
ウエハ移載装置エレベータ125bは、耐圧製の筐体111の右側端部に設置されている。
これらウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウエハ200を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。
処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
処理炉202の下方にはボート217を処理炉202に昇降させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構(図示せず))が設けられ、ボートエレベータの昇降台に連結された連結具としての昇降アーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。
シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
カセット棚105の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するよう、供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134aが設けられており、クリーンエア133を前記筐体111の内部に流通させるように構成されている。
また、ウエハ移載装置エレベータ125b及びボートエレベータ側と反対側の筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう、供給フアン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134bが設置されている。
クリーンユニット134bから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるようになっている。
次に、本発明の処理装置101の動作について説明する。
カセット110がカセットステージ114に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。その後、カセット110はカセット搬入搬出口112から搬入され、カセットステージ114の上にウエハ200が垂直姿勢であって、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように、
筐体後方に右周り縦方向90°回転させられる。
次に、カセット110は、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へカセット搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107からカセット搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、もしくは直接、移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、移載室124の後方にあるボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aは、この後、カセット110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部(炉口)が、炉口シャッタ147によって、開放される。
続いて、ウエハ200群を保持したボート217は、シールキャップ219がボートエレベータの昇降アーム128によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200及びカセット110は筐体111の外部へ払い出される。
<処理炉>
図2は、本実施の形態で好適に用いられる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を縦断面で示す。図3は図2のA−A線断面図、図4は本実施例の基板処理装置における縦型基板処理炉の多孔ノズルを説明するための図であり、図4(A)は概略図であり、図4(B)は図4(A)のA部拡大図である。
図2及び図3に示すように、ウエハ(基板)200を処理する反応容器としての反応管203が加熱装置(加熱手段)であるヒータ207の内側に配置される。
反応管203の下端部には、例えば、ステンレス等の耐食、耐熱金属から形成されたマニホールド209が気密部材であるOリング220を介して気密に取り付けられている。
マニホールド209の下端部には、蓋体であるシールキャップ219がOリング220を介して気密に接合されている。このようにシールキャップ219がOリング220を介して気密に接合されると、反応管203、マニホールド209及びシールキャップ219によって、ウエハ200を処理するための処理室201が形成される。なお、前記マニホールド209は保持部材(以下、ヒータベースという)に固定され、ヒータベースに支持されている。
シールキャップ219には、基板保持部材(基板保持手段)であるボート217がボート支持台218を介して立設される。ボート支持台218はボート217を保持する保持体となっている。ボート217はボート支持台218に保持された状態で処理室201に挿入される。ボート217にはバッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。ヒータ207は処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱するように形成されている。
処理室201には、複数種類、ここでは2種類の処理ガスを供給する供給経路(原料ガス供給ライン)として2本の原料ガス供給管232a,232bが取り付けられている。
原料ガス供給管232a、232bは、マニホールド209の下部を貫通しており、原
料ガス供給管232bは、処理室201内で原料ガス供給管232aと合流され、一本の多孔ノズル233に連通される。
原料ガス供給管232aの上流端部は、反応ガス(例えば、オゾン:O)の供給源に接続され、原料ガス供給管232bの上流端部は、後述するように、バブリング容器である気化容器260に接続される。
多孔ノズル233は、処理室201内に設けられており、原料ガス供給管232bから供給される処理ガス(例えば、TMAガス)の分解温度以上の領域にその上部が延在している。
しかし、原料ガス供給管232bと原料ガス供給管232aとの合流部は、処理室201において処理ガスの分解温度未満の領域に配置されている。この領域は、ウエハ200およびウエハ200付近の温度よりも低い温度の領域である。
このため、後述するように、気化容器260からマニホールド209までの原料ガス供給管232bには加熱装置として、例えば、ヒータ又は熱交換器が巻き付けられており、加熱装置の加熱によって原料ガス供給管232bが50〜60℃に保持される。また、原料ガス供給管232bが50〜60℃に保持されると、気化容器260内から供給するガスの液化が防止される。
<気化装置>
図5は、バブリングによって気化容器260内の液体原料を気体化する気化装置を示す。
図2及び図5に示されるように、キャリアガス供給ラインとしてのキャリアガス供給管300が気化容器260に取り付けられる。キャリアガス供給管300には、流量制御装置(流量制御手段)としてマスフローコントローラ241aが設けられると共に、マスフローコントローラ241aを挟んで上流側にバルブV1が、下流側にバルブV2、バルブV3が設けられる。
原料ガス供給管232bには、上流側と下流側とにバルブV4、バルブV5が設けられる。各バルブV1〜V5には、作動エアにより動作するための電磁弁ユニット等のアクチュエータ(図示せず)が取り付けられる。
キャリアガス供給管300の上流端部はキャリアガス供給源に接続され、キャリアガス供給管300のガス吹込口は、気化容器260内の液体原料中に深く挿入され、原料ガス供給管232bの導入口は、液体原料の液面より所定距離、離間される。キャリアガス供給源としては、不活性ガス、例えば、Ar、He、Nを圧送るガスボンベが用いられる。
また、キャリアガス供給管300のガス吹出口には、圧力調節部材301、例えば、多孔質部材が必要に応じて設けられる。圧力調節部材301は、キャリアガスを多孔化又は細分化された複数の出口流路を接続することにより、キャリアガスの出口圧力を緩和すると共に、液体原料中での泡、気泡を細分化するため多孔体などで構成される。
原料ガス供給管232b及びバルブV4、V5には、液体原料のミストの気化温度に加熱するため、加熱装置281として、例えば、ヒータ又は熱交換器が取り付けられる。また、図示しないが、気化装置にも液体原料のミストが蒸発する温度以上に加熱するため加熱装置が取り付けられる。
原料ガス供給管232bには、不活性ガスのライン232cが開閉バルブ253を介し
てバルブV5の下流側に接続され、原料ガス供給管232aには、不活性ガスのライン232dが開閉バルブ254を介してバルブ243aの下流側に接続される。
原料ガス供給管232aからは開閉弁であるバルブ243a、マスフローコントローラ241aを介して多孔ノズル233に反応ガス(例えば、オゾン:O)が供給され、原料ガス供給管232bからはバルブV4、V5を介して多孔ノズル233に反応ガス(例えば、トリメチルアルミニウム:TMA)が供給される。
処理室201は、ガスを排気するガス排気管231によりバルブ243dを介して排気手段である真空ポンプ246に接続されており、真空ポンプ246により真空排気されるようになっている。なお、このバルブ243dは弁を開閉して処理室201の真空排気・真空排気停止ができ、更に、弁開度を調節して圧力調整可能になっている開閉弁である。
また、図2に示されるように、多孔ノズル233は、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積載方向に沿って配設されている。そして図4に示されるように多孔ノズル233には複数のガスを供給する供給孔であるガス供給孔248bが設けられている。
反応管203内の中央部には、複数枚のウエハ200を同一間隔で多段に載置するボート217が設けられており、ボート217は図中省略のボートエレベータ機構により反応管203に出入りできるようになっている。また処理の均一性を向上する為にボート217を回転するための回転装置(回転手段)であるボート回転機構267が設けてあり、ボート回転機構267を回転することにより、ボート支持台218に保持されたボート217を回転するようになっている。
制御装置(制御手段)であるコントローラ280は、マスフローコントローラ241a、241b、バルブV1〜V5、開閉バルブ253、254、バルブ243d、ヒータ207、真空ポンプ246、ボート回転機構267、図中省略のボート昇降機構及び気化装置の加熱装置(後述する)に接続されており、コントローラ(制御装置)280は、マスフローコントローラ241a、マスフローコントローラ(流体マスフローコントローラ)241bの流量調整、バルブV1〜V5、開閉バルブ253、254の開閉動作、バルブ243dの開閉及び圧力調整動作、ヒータ207の温度調節、気化装置の加熱装置の温度調節、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作制御を行うように構成されている。
気化容器260には、液体原料として、例えば、TMA液が貯留され、キャリアガス供給管300には、キャリアガス供給源として、例えば、N又はAr等の不活性ガスを供給するガスボンベ(図示せず)が接続される。
<気化装置のバルブシーケンス>
図6は、本発明の実施の形態1〜4に係る気化装置のバルブシーケンスを示す。なお、気化装置の各バルブV1〜V5の開閉動作は、コントローラ(制御装置)280により制御される。
(実施の形態1)
実施の形態1では、No.1の「CLOSE」のイベントでは、バルブV1〜V5が閉となり、No.2の「PRETMA」のイベントで、キャリアガス供給管300のバルブV1〜V3が開となる。このとき、原料ガス供給管232bのバルブV4及びV5は閉とされる。
このため、No2のイベントでは、マスフローコントローラ241aを流れるキャリア
ガスがキャリアガス供給ラインとバルブV2との間に蓄圧されず気化容器260に供給される。
したがって、マスフローコントローラ241aの一時側とバルブV2の二次側の圧力との間に圧力差がなくなり、キャリアガス供給管300内の圧力と気化容器260との間の圧力差は、定常時のバルブV2の二次側の圧力と気化容器260との間の圧力差以下となる。このような状態では、キャリアガス供給管300から液体原料に供給されるキャリアガスの圧力も定常時の圧力以下となり、原料液中を上昇して液面に到達する泡、気泡の大きさが小さくなる。これにより、液面の動揺も小さくなり、圧力差に起因したミストの発生を防止することができる。
No.2のイベントでは、ミストが発生したとしても、原料ガス供給管232bのバルブV3、V4が閉とされ、原料ガス供給管232bと多孔ノズル233との間が、バルブV4、V5によって遮断されるので、発生したミストが気化容器260に供給されるキャリアガスによって処理室201に搬送されることがない。また、バルブV、V5が開とするまでは、気化容器260の内面や原料ガス供給通路のバルブV4より上流側の管壁にミストが接触して気化又は液化するので、これによってもミストを消滅させることができる。
また、バルブV1〜V3が開となってから所定時間、すなわち、キャリアガス供給管300内の圧力と気化容器260の圧力との間の圧力差が定常時の圧力差以下となってから、気化容器260の内面や原料ガス供給管232bの内面との接触によってミストが液体または気体となって消滅する時間を経過すると、No.2のイベントが終了され、No.3の「TMA」のイベントが実行される。
No.3のイベントでは、バルブV1〜V3が開のままでバルブV4及びV5が開とされる。この結果、キャリアガスが気化容器260内の液体原料中に供給され、液体原料のバブリングにより液体原料が気化される。このとき、キャリアガス供給管300の先端、すなわち、ガス吹出口に、圧力調節部材301が設けられていると、キャリアガスの出口圧力が複数の流路の圧力損失によって緩和されると共に、バブリングの際の泡、気泡が微細化されるので、ミストの発生が防止される。
これにより、気化容器260内の原料ガスとキャリアガスとの混合ガス(この例では、TMA液とキャリアガスとの混合気)が多孔ノズル233を介して処理室201に供給され、処理室201のウエハ200がミストを含まないTMAガスによってパーティクルの発生なく処理される。
所定時間のTMAガスの供給を終了すると、No.3のイベントが終了し、No.4の「CLOSE」のイベントが実行される。
No.4のイベントでは、バルブV1〜V5が閉とされ、原料ガスであるTMAガスによる基板処理が終了する。
このように、実施の形態1に係るバルブシーケンスによれば、ミストの発生が抑制され、処理室201へのミストの供給が防止されるので、ミストに起因したウエハ200上のパーティクルが大幅に減少し、半導体装置の歩留りが向上する。
次に、図6を参照して気化装置のバルブシーケンスの実施の形態2〜4について説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るバルブシーケンスは、No.2の「PRETMA」のイベントにおいて、バルブV1、V2、V3だけでなく、バルブV4も開とされ、バルブV5のみを閉
とされる点で、実施の形態1と相違する。
このようにしても、キャリアガス供給管の圧力と気化容器260の圧力との間の圧力差が、定常時の圧力差以下となり、ミストの発生を防止することができる。また、発生したミストも気化容器260の内面や原料ガス供給管232bの管壁との接触により気体または液体となって消滅させることができる。
他の構成は実施の形態1と同じである。
従って、この実施の形態2も実施の形態1と同様に、ミストの発生の防止、ミストの消滅がなされ、ミストに起因したパーティクルの発生が防止される。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るバルブシーケンスは、No.4の「CLOSE」のイベントにおいて、実施の形態1のように、全てのバルブV1〜V5を閉とせず、バルブV1〜V3を開としたままで、バルブV4、V5を閉としている。他は実施の形態1のバルブシーケンスと同じ構成である。
No.4のイベントにおいて、バルブV1〜V3が開となっていてもバルブV4、V5が閉となっていると、原料ガス供給管232bを通じた原料ガス及びキャリアガスの処理室201への供給を防止することができる。このため、実施の形態3でも実施の形態1及び2と同様の作用、効果が得られる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るバルブシーケンスは、No.4の「CLOSE」のイベントにおいて、実施の形態1のように、全てのバルブV1〜V5を閉とせずに、バルブV1〜V4を開としたままで、V5のみを閉としている。他は実施の形態1の構成と同じである。
No.4のイベントにおいて、バルブV1〜V4が開となっていてもバルブV5が閉となっているので、原料ガス供給管232bを通じた原料ガス及びキャリアガスの処理室201への供給を防止することができる。このため、実施の形態4でも実施の形態1〜3と同様の作用、効果が得られる。
次に、ALD法による成膜例として、半導体装置の製造工程の一つである成膜について図1乃至図5を参照して説明する。
CVD(Chemical Vapor Deposition)法の中の1つであるALD(Atomic Layer Deposition)法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料ガスを1種類ずつ交互にウエハ200上に供給して1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。
ALD法を用い、例えば、Al(酸化アルミニウム)膜を形成する場合は、TMA(Al(CH:トリメチルアルミニウム)と、O(オゾン)とを交互に供給することにより250〜450℃の低温で高品質の成膜が可能である。
このように、ALD法では、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給することによって成膜を行う。そして、膜厚制御は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、成膜処理を20サイクル行う。
まず、成膜しようとするウエハ(半導体シリコンウエハ)200をボート217に装填し、処理室201に搬入する。搬入後、次の3つのステップを順次実行する。
(ステップ1)
ステップ1では、Oガスを流す。まず原料ガス供給管232aに設けられたバルブ243a、及びガス排気管231に設けられたバルブ243dを共に開けて、原料ガス供給
管232aからマスフローコントローラ241aによって流量調整されたOガスを多孔ノズル233のガス供給孔248bから処理室201に供給しつつガス排気管231から排気する。
ガスを流すときは、バルブ243dを適正に調節して処理室201内圧力を10〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。
マスフローコントローラ241aで制御するOガスの供給流量は1〜20slmの範囲であって、例えば5slmで供給される。
ガスにウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。
このときのヒータ207温度はウエハ200の温度が250〜450℃の範囲であって、例えば380℃になるよう設定してある。
この場合、同時に原料ガス供給管232bの途中につながっている不活性ガスのライン232cから開閉バルブ253を開けて不活性ガスを流すとTMA側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
このとき、処理室201に内に流しているガスは、OガスとNガス、Arガス等の不活性ガスのみであり、TMAガスは存在しない。したがって、Oは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200上の下地膜などの表面部分と表面反応(化学吸着)する。
(ステップ2)
ステップ2では、原料ガス供給管232aのバルブ243aを閉めて、Oガスの供給を止める。また、ガス排気管231のバルブ243dを開としたまま、真空ポンプ246の排気によって処理室201を20Pa以下に排気し、残留Oガスを処理室201から排除する。このとき、Nガス等の不活性ガスを、Oガス供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bからそれぞれ処理室201に供給するようにしてもよい。このようにすると残留Oの排除効果をより向上させることができる。
(ステップ3)
ステップ3では、TMAガスを処理室201に供給する。TMAは常温で液体である。
TMAガスを処理室201に供給する場合、窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスをキャリアガスとしてこれを気化容器260のTMA液に通すバブリングによって気化した分を原料ガス供給管232b及び多孔ノズル233を通じて、キャリアガスと共に処理室201へと供給する。
このとき、コントローラ280は、バルブV2を開とした後、所定時間、すなわち、キャリアガス供給内の圧力と気化容器260の圧力との間の圧力差が定常時の圧力差以下となってから、気化容器260の内面や原料ガス供給管232bの内面との接触によりミストが液または気体となって消滅する時間を経過した後に、バルブV4、V5を開とする。これにより、バブリング開始時のキャリアガス供給管300の圧力が定常時以下となり、圧力の上昇に起因したミストの発生が防止される。また、バブリングの際は、キャリアガス供給管300の先端、すなわち、ガス吹出口に設けられた圧力調節部材301、たとえば、多孔体の複数の出口流路の圧力損失によって吹出圧力の上昇が緩和される。また、泡や気泡が細分化されるので、これによってもミストの発生が防止される。
複数の出口流路からのキャリアガスの吹き出しによって気化容器260内にTMAガス(処理ガス)が生成されると、TMAガスとキャリアガスの混合ガスが、原料ガス供給管232bを通じて多孔ノズル233に供給され、多孔ノズル233のガス供給孔248bから処理室201に供給される。なお、この際もガス排気管231によって処理室201の雰囲気が排気される。
また、TMAガスとキャリアガスの混合ガスを多孔ノズル233に供給し、多孔ノズル233から処理室201に流すときは、バルブ243dの調整によって処理室201内圧力を10〜900Paの範囲であって、例えば50Paに維持する。
また、マスフローコントローラ241aで制御するキャリアガスの供給流量は10slm以下とする。TMAガスの供給時間は1〜4秒に設定するが、その後、さらに吸着させるため、上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を0〜4秒に設定してもよい。
このとき、ウエハ温度はOガスの供給時と同じく、250〜450℃の範囲の所望の温度に維持する。TMAガスの処理室201への供給により、ウエハ200の表面に吸着したOとTMAとが表面反応して、ウエハ200上にAl膜が成膜される。
この際、同時に原料ガス供給管232aの途中につながっている不活性ガスのライン232dから開閉バルブ254を開けて不活性ガスを流すようにしてもよい。このようにするとO側にTMAガスが回り込むことを防ぐことができる。
成膜後は、バルブV4、5のうち少なくともバルブV5を閉じ、バルブ243dを開けて処理室201を真空排気し、TMAガスの成膜に寄与した後の残留するガスを処理室201から排出する。この際、Nガス等の不活性ガスを、O供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bからそれぞれ処理室201に供給して残留ガスを処理室201から排除する効果を高めるとよい。
上記ステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウエハ200上に所定膜厚のAl膜を成膜する。
処理室201内を排気し、Oガスを除去した後にTMAガスを流すので、両者はウエハ200に向かう途中で互いに反応することがない。供給されたTMAは、ウエハ200に吸着しているOとのみ有効に反応する。
また、O供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bを処理室201内で合流させることにより、TMAガスとOを多孔ノズル233内でも交互に吸着、反応させて堆積膜をAlとすることができ、TMAガスとOを別々のノズルで供給する場合は、TMAが多孔ノズル233内で異物発生源になる可能性があるが、Al膜は、Al膜よりも密着性が良く、剥がれにくく異物発生源となりにくいので、このような問題もなくすことができる。
図8は、実施の形態2におけるバルブシーケンスにより、ウエハ200の表面にTMAガスを供給して成膜を行い、ウエハ200上のパーティクル(Particle)について評価した結果を示す。また、比較のため従来のバルブシーケンスにより、TMA成膜を行い、ウエハ200上のパーティクルについて評価した結果を示す。
なお、図8において、バルブシーケンスの項目名である「比較例」は、ミストが発生しやすい条件でTMA成膜を実施したときのパーティクルの結果を示す。
「比較例」のバルブシーケンスでは、まず、キャリアガス供給管300にキャリアガスを供給してキャリアガスの圧力を通常よりも高圧とする。次に、キャリアガス供給管300の最終段のファイナルバルブであるバルブV3と原料ガス供給管232bのバルブV4、V5とを同時に開として、キャリアガス供給管300の圧力と気化容器260の圧力との圧力差が定常時よりも大きくなるようにしている。
図8に示すように、「比較例」のバルブシーケンスでは、従来の標準的なバルブシーケンスよりもパティキュレートの個数が大幅に増大することが分かった。また、実施の形態2のバルブシーケンスでは、パティキュレートが大幅に減少することが分かった。これに
より、パティキュレートとミストとの間には相関があり、キャリアガス供給管300の圧力と気化容器260の圧力との間の圧力差を定常時の圧力差以下とすると、ミストが減少し、パーティクルが減少することを確認することができた。
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下に挙げる1つ又はそれ以上の効果を有する。
(1)バブリング定常時及びバブリング開始時において、気化容器の圧力とキャリアガス供給管内圧力との間の圧力差を定常時の圧力差以下とすることができるので、ミストの発生を防止することができる。
(2)キャリアガスを細分化し、泡の体積及び表面積を小さくして気化容器の底面全域から液体原料中に供給するので、ミストの発生を防止することができる。
(3)気化容器及び原料ガス供給管の温度を最適化し、発生したミストをバブラ壁及び管壁から与える熱により気化させることができる。
(4)原料ガス供給管の配管長の最適化により、発生したミストを配管壁面からの熱により気化させることができる。また、原料ガス供給管に複数のバルブを設けた場合には、開とするバルブを選択することにより、原料ガス供給管の配管長の最適化することができ、発生したミストを管壁からの熱により気化させることができる。
(5)原料ガス供給管や気化容器に、加熱装置として、例えば、ヒータ又は熱交換器を設けて積極的に加熱することにより、ミストを気化させることができる。
(6)上記(1)〜(5)により、処理室へのミストの供給を防止することができ、ミストに起因したパーティクルの発生を防止することができる。これにより、半導体装置の歩留りを向上することができる。
<付記>
次に、本発明の好ましい態様を付記する。
本発明に係る好ましい態様は、基板を収容する処理室と、液体原料を収容し、該液体原料を気化させる気化容器と、気化容器にキャリアガスを供給するキャリアガス供給ラインと、キャリアガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第1の開閉バルブと、気化容器で気化された原料ガスを処理室へ供給する原料ガス供給ラインと、原料ガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第2の開閉バルブと、少なくとも第1の開閉バルブ、第2の開閉バルブの開閉を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、処理室へ気化された原料ガスを供給する際に、第1の開閉バルブを開として所定時間経過した後に、第2のバルブを開とするように第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブの開閉動作を制御する基板処理装置を提供するものである。
この場合、好ましくは、キャリアガス供給管のガス吹込口には、多孔化且つ細分化された複数の出口流路によりキャリアガス供給管の出口圧力の上昇を緩和する圧力調節部材を取り付けるとよい。これにより、対応する数の出口流路に圧力が分散されるため、バルブの誤作動やアクチュエータの誤作動によってキャリアガス供給管の圧力が増加する場合でも出口圧力の上昇を緩和することができる。また、各出口流路の多孔化、細分化により、泡、気泡が微細化され、泡表面と液体原料の液面との接触面積が増加するので、ミストの発生を防止することができる。さらに、泡や気泡の細分化によりバブリングの際の液面の激しい動揺もなくなるので、これに起因したミストの生成も抑制することができる。
なお、本発明は、種々の改変が可能であり、本発明がこのよう改変された発明に及ぶことは当然である。
本発明に係る基板処理装置の概略構成図である。 本実施の形態で好適に用いられる縦型の基板処理炉の概略構成図である。 図2のA−A線断面図である。 図4は本実施例の基板処理装置における縦型基板処理炉の多孔ノズルを説明するための図であり、図4(A)は概略図、図4(B)は図4(A)のA部拡大図である。 本発明の実施の形態に係る気化装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る気化装置のバルブシーケンスを示す図である。 従来の気化装置のバルブシーケンスを示す図である。 本発明の実施の形態の気化装置、従来の気化装置及び比較例のバルブシーケンスを行ったときのウエハ上のパーティクル(Particle)の評価結果を示す図である。 従来の気化装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
232b 原料ガス供給管(原料ガス供給ライン)
260 気化容器
280 コントローラ(制御装置)
300 キャリアガス供給管(キャリアガス供給ライン)
V1 バルブ(第1の開閉バルブ)
V2 バルブ(第1の開閉バルブ)
V3 バルブ(第1の開閉バルブ)
V4 バルブ(第2の開閉バルブ)
V5 バルブ(第2の開閉バルブ)

Claims (4)

  1. 基板を収容する処理室と、
    液体原料を収容し、該液体原料を気化させる気化容器と、
    前記気化容器内へキャリアガスを供給するキャリアガス供給ラインと、
    前記キャリアガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第1の開閉バルブと、
    前記気化容器で気化された原料ガスを前記処理室へ供給する原料ガス供給ラインと、
    前記原料ガス供給ラインに設けられた少なくとも一つの第2の開閉バルブと、
    少なくとも前記第1の開閉バルブ、第2の開閉バルブの開閉を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記処理室前記原料ガスを供給する際に、前記第1の開閉バルブを開とし、前記キャリアガス供給管内の圧力と前記気化容器内の圧力との間の圧力差が所定の圧力差以下となってから、前記第2の開閉バルブを開とするように前記第1の開閉バルブ及び前記第2の開閉バルブの開閉動作を制御するよう構成される基板処理装置。
  2. 前記所定の圧力差とは、定常時の圧力差である請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記処理室内への前記原料ガスの供給を開始する前に、前記第1のバルブを開として前記液体原料の気化を開始し、前記キャリアガス供給管内の圧力と前記気化容器内の圧力との間の圧力差が所定の圧力差以下となってから、前記第2の開閉バルブを開とするように、前記第1の開閉バルブ及び前記第2の開閉バルブの開閉動作を制御するよう構成される請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 反応ガスを基板が収容された処理室に供給する工程と、
    液体原料を気化容器で気化して前記処理室に供給する工程と、を有し、
    前記液体原料を気化して前記処理室に供給する工程では、
    前記気化容器内へキャリアガスを供給するキャリアガス供給ラインに設けられた第1の開閉バルブを開として前記液体原料気化を開始し、
    前記キャリアガス供給管内の圧力と前記気化容器内の圧力との間の圧力差が所定の圧力差以下となってから、前記気化容器で気化された原料ガスを前記処理室へ供給する原料ガス供給ラインに設けられた第2の開閉バルブを開として前記処理室内への前記原料ガ
    供給を開始することにより前記基板に所定の膜を形成する半導体装置の製造方法。
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