JP2009272355A - 基板処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアガス供給管の出口圧力を緩和することにより、液面の激しい動揺を常時抑制する。
【解決手段】液体原料を収容するタンク260と、前記タンク260内の液体原料中にキャリアガスを吹き込んで液体原料を気体化するキャリアガス供給管300と、前記キャリアガス供給管300のガス吹込口に取り付けられ、多孔化且つ細分化された複数の出口流路によりキャリアガス供給管300の出口圧力の上昇を緩和する圧力緩和機構と、前記タンク260に接続され、前記液体原料の気体と前記キャリアガスとの混合ガスを、基板を処理する処理室に供給する原料ガス供給管232bとを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、基板処理システムに関するものであり、特に、液体原料を気体化したガスを処理室に供給することにより基板を処理する基板処理システムに関するものである。
基板を処理する基板処理システムは、処理室に原料ガスを供給しながら処理室を排気することにより基板を処理するために、原料ガスを供給する原料ガス供給系と、処理室を排気する排気系とが設けられている。
基板を処理する原料は、性状によって二種類に分けられる。
一つは常温で気体の原料であり、他の一つは常温で液体の原料(以下、液体原料という)である。
このため、液体原料を用いる基板システムの原料ガス供給系には、液体原料を加熱により気体化する装置や液体原料をバブリングにより気体化する装置が取り付けられる。
図8は、液体原料をバブリングによって気体化し、気体となった原料ガスを処理室に供給する従来の基板処理システム(基板処理装置)の原料ガス供給系が示される。
図8に示すように、この原料ガス供給系では、バブリング容器であるタンク1内に液体原料が貯留される。
タンク1には、基板処理システムの処理室(図示せず)に原料ガスを供給する原料ガス供給管2と、キャリアガスをタンク1内の液体原料に吹き込んで原料ガスを生成するキャリアガス供給管3とが設けられる。貯留される液体原料は、例えば、TMA(Al(CH:トリメチルアルミニウム)である。
キャリアガス供給管3の上流端部は、キャリアガス供給源に接続され、キャリアガス供給管3の下流端であるガス吹込口は、液体原料液中に深く挿入される。また、原料ガス供給管2の導入口は、液体原料の液面より所定距離、離間される。
キャリアガス供給管には、液体原料の流量を制御するためマスフローコントローラ(ガス流量制御器)MFCが設けられており、開閉のためバルブAV1,AV2,AV3が設けられる。バルブAV2は、マスフローコントローラMFCを挟んで上流側に、バルブAV2は下流側に設けられる。
また、原料ガス供給管2には、処理室からのガスの逆流を防止するため上流側と下流側とにバルブAV4、AV5が設けられている。
各バルブAV1〜AV5は、例えば、作動エアによって開閉するようになっており、作動エアを切り換える電磁弁ユニット等のアクチュエータ(図示せず)により開閉が切り換えられる。
このような基板処理システムでは、基板処理の際に、全てのバルブAV1〜AV5が各アクチュエータによって開とされる。
これにより、キャリアガス供給源のキャリアガス、例えば、Ar、N等の不活性ガスがキャリアガス供給管3を通してタンク1内の液体原料、例えば、TMA液中に吹き込まれるバブリングが行われる。
バブリングにより気体化した原料のガス(以下、原料ガスという)は、キャリアガスと混合した状態で原料ガス供給管2に入り、この原料ガス供給管2を通じて処理室へと供給される。これにより基板が、供給された原料ガスにより処理される。
なお、液体原料を用いる成膜プロセスとしては、例えば、Al原料として常温で液体であるTMA(トリメチルアルミニウム)を、酸化原料としてOを用い、酸化アルミニウム(Al膜)を成膜する成膜プロセスがある。
このように、従来の基板処理システムのガス供給系では、バブリングにより液体原料を気体化し、処理室に供給する。しかし、バルブやアクチュエータの動作不良に起因してタンク内の液状飛沫が処理室に供給され、処理室でパティキュレートとして検出されてしまい、半導体の歩留まりが低下することがある。
図9(a),(b)は、このような液状飛沫の発生と搬送の様子を示す概念図である。
基板処理の際は、前記したように、各バルブAV1〜AV5の全てが開とされ、キャリアガスのバブリングにより気体化された原料ガスとキャリアガスの混合ガスが処理室に供給される。
しかし、バルブやアクチュエータの誤動作、動作不良に起因して、例えば、原料ガス供給管の下流側のバルブAV3に応答遅れが発生すると、応答遅れの間にキャリアガス供給管の圧力が上昇する。
そしてこの高圧のキャリアガスが液体原料中に一気に吹き込まれると、大型の泡、気泡が発生し、図9(b)に示すように液体原料の液面に激しい動揺が発生する。
液状飛沫は原料ガス供給管3のバルブAV4,AV5が閉となっているので、この液面の動揺によって液状飛沫が発生すると、キャリアガスにより原料ガス供給管3を通じて処理室に供給される。
このように、従来の原料ガス供給系には、バルブ、アクチュエータの誤動作等に起因してバブリングの際に大きな泡や気泡が発生し、液体原料に激しい動揺が発生すると、液状飛沫が処理室に供給されてしまい、パーティクルにより、歩留りが低下してしまうという問題がある。このため、バルブやアクチュエータのメンテナンスを定期的に実施することが想定されるが、メンテナンス間では液状飛沫の発生を防止することができない。
そこで、本発明は、キャリアガス供給管の出口圧力の上昇を緩和することにより、液面の激しい動揺を、常時、抑制することを目的とする。
本発明に係る好ましい態様は、液体原料を収容するタンクと、前記タンク内の液体原料中にキャリアガスを吹き込んで液体原料を気体化するキャリアガス供給管と、前記キャリアガス供給管のガス吹込口に取り付けられ、多孔化且つ細分化された複数の出口流路によりキャリアガス供給管の出口圧力の上昇を緩和する圧力緩和機構と、前記タンクに接続され、前記液体原料の気体と前記キャリアガスとの混合ガスを、基板を処理する処理室に供給する原料ガス供給管と、を備えた基板処理システムを提供するものである。
本発明によれば、多孔質化且つ細分化された複数の流路によりキャリアガス供給管の出口圧力の上昇が緩和され、液体原料中の動揺、液状飛沫の発生が抑制される。これにより、液状飛沫が処理室に供給されず、パーティクルに起因した半導体装置の歩留りの低下を防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本実施の形態に係る基板処理装置とその処理炉について説明する。
<基板処理装置>
本実施の形態において、基板処理システムとしての基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。
参照する図面において、図1は本発明に係る処理装置101を示す概略構成図であり、斜透視図として表されている。
本発明に係る処理装置101ではシリコン等からなる基板(以下、ウエハという)200のウエハキャリアとしてカセット110が用いられる。
処理装置101の筐体111の正面壁111a下方にはメンテナンス可能なように開口部としての正面メンテナンス口(図示せず)が開設され、正面メンテナンス口にはこれを開閉すべく正面メンテナンス扉104が建て付けられる。
正面メンテナンス扉104には、カセット搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。カセット搬入搬出口112の筐体111内側にはカセットステージ(基板収容器受渡し台)114が設置されている。カセット110はカセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、かつまた、カセットステージ114上から搬出されるようになっている。
カセットステージ114は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体後方に右回り縦方向90°回転し、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央部には、カセット棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105にはウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。
また、カセットステージ114の上方には予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置される。
カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、カセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置される。
ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとを備えて構成される。
ウエハ移載装置エレベータ125bは、耐圧製の筐体111の右側端部に設置される。
これらウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作によ
り、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウエハ200を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。
処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
処理炉202の下方にはボート217を処理炉202に昇降させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構(図示せず))が設けられ、ボートエレベータの昇降台に連結された連結具としての昇降アーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
カセット棚105の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するよう、供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134aが設けられており、クリーンエア133を前記筐体111の内部に流通させるように構成されている。
また、ウエハ移載装置エレベータ125b及びボートエレベータ側と反対側の筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう、供給フアン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134bが設置されている。
クリーンユニット134bから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるようになっている。
次に、図1を参照して本発明の処理装置101の動作を説明する。
カセット110がカセットステージ114に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。
その後、カセット110はカセット搬入搬出口112から搬入され、カセットステージ114の上にウエハ200が垂直姿勢であって、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。その後、カセットステージ114によって、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体後方を向くように、筐体後方に右周り縦方向90°回転させられる。
次に、カセット110は、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置にカセット搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107からカセット搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、もしくは直接、移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、移載室124の後方にあるボート217に装填(チャージング)される。
ウエハ移載装置125aは、ボート217にウエハ200を受け渡したこの後、カセット110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部(炉口)が、炉口シャッタ147によって、開放される。
続いて、ウエハ200群を保持したボート217は、シールキャップ219がボートエ
レベータの昇降アーム128によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200及びカセット110は筐体111の外部へ払い出される。
<処理炉>
図2は本実施の形態で好適に用いられる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を縦断面で示す。図3は図2のA−A線断面図、図4は本実施例の基板処理装置における縦型基板処理炉の多孔ノズルを説明するための図であり、図4(A)は概略図であり、図4(B)は図4(A)のA部拡大図である。
図2及び図3に示すように、ウエハ(基板)200を処理する反応容器としての反応管203が加熱装置(加熱手段)であるヒータ207の内側に配置される。
反応管203の下端部には、例えば、ステンレス等の耐食、耐熱金属から形成されたマニホールド209が気密部材であるOリング220を介して気密に取り付けられる。
マニホールド209の下端部には、蓋体であるシールキャップ219がOリング220を介して気密に接合されている。
このようにシールキャップ219がOリング220を介して気密に接合されると、反応管203、マニホールド209及びシールキャップ219によって、ウエハ200を処理するための処理室201が形成される。なお、前記マニホールド209は保持部材(以下、ヒータベースという)に固定され、ヒータベースに支持される。
シールキャップ219には基板保持部材(基板保持手段)であるボート217がボート支持台218を介して立設される。ボート支持台218はボート217を保持する保持体となっている。ボート217はボート支持台218に保持された状態で処理室201に挿入される。ボート217にはバッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。ヒータ207は処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱するように形成されている。
処理室201には、複数種類、ここでは2種類の原料ガスを供給する供給経路として2本の原料ガス供給管232a、232bが取り付けられている。
原料ガス供給管232a、232bは、マニホールド209の下部を貫通しており、原料ガス供給管232bは、処理室201内で原料ガス供給管232aと合流され、一本の多孔ノズル233に連通される。
原料ガス供給管232aの上流端部は反応ガス(例えば、オゾン:O)の供給源に接続され、原料ガス供給管232bの上流端部はバブリング容器であるタンク260に接続されていている。
多孔ノズル233は、処理室201内に設けられており、原料ガス供給管232bから供給される原料ガス(例えば、TMAガス)の分解温度以上の領域にその上部が延在している。
しかし、原料ガス供給管232bと原料ガス供給管232aとの合流部は、処理室201において原料の分解温度未満の領域に配置されている。この領域は、ウエハ200およびウエハ200付近の温度よりも低い温度の領域である。
タンク260よりマニホールド209までの原料ガス供給管232bにはヒータ281が巻き付けられており、ヒータ281の加熱によって原料ガス供給管232bが50〜60℃に保持される。原料ガス供給管232bが50〜60℃に保持されると、タンク260内から供給するガスの液化が防止される共に、ミスト分が気化される。
キャリアガス供給管300は、タンク260に取り付けられている。
キャリアガス供給管300には、流量制御装置(流量制御手段)としてマスフローコントローラ241aが設けられると共に、マスフローコントローラ241aを挟んで上流側にバルブAV1が、下流側にバルブAV2、バルブAV3が設けられる。
原料ガス供給管232bには、上流側と下流側とにバルブAV4、バルブAV5が設けられる。各バルブAV1〜AV5には、前記したように、電磁弁ユニット等のアクチュエータ(図示せず)が取り付けられる。
原料ガス供給管232bには、不活性ガスのライン232cが開閉バルブ253を介してバルブAV5の下流側に接続され、原料ガス供給管232aには、不活性ガスのライン232dが開閉バルブ254を介してバルブ243aの下流側に接続される。
原料ガス供給管232aからは開閉弁であるバルブ243a、マスフローコントローラ241aを介して多孔ノズル233に反応ガス(例えば、オゾン:O)が供給され、原料ガス供給管232bからはバルブAV4、AV5を介して多孔ノズル233に反応ガス(例えば、トリメチルアルミニウム:TMA)が供給される。
処理室201はガスを排気するガス排気管231によりバルブ243dを介して排気手段である真空ポンプ246に接続されており、真空ポンプ246により真空排気されるようになっている。なお、このバルブ243dは弁を開閉して処理室201の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能になっている開閉弁である。
多孔ノズル233は、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積載方向に沿って配設されている。そして多孔ノズル233には複数のガスを供給する供給孔であるガス供給孔248bが設けられている。
反応管203内の中央部には複数枚のウエハ200を同一間隔で多段に載置するボート217が設けられており、ボート217は図中省略のボートエレベータ機構により反応管203に出入りできるようになっている。また、処理の均一性を向上する為にボート217を回転するための回転装置(回転手段)であるボート回転機構267が設けてあり、ボート回転機構267を回転することにより、ボート支持台218に保持されたボート217を回転するようになっている。
制御部(制御手段)であるコントローラ280は、マスフローコントローラ241a、241b、バルブAV1〜AV5、開閉バルブ253、254、バルブ243d、ヒータ207、真空ポンプ246、ボート回転機構267、図中省略のボート昇降機構に接続されており、コントローラ280は、マスフローコントローラ241a、マスフローコントローラ(流体マスフローコントローラ)241bの流量調整、バルブAV1〜AV5、開閉バルブ253、254の開閉動作、バルブ243dの開閉及び圧力調整動作、ヒータ207の温度調節、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作制御が行うように構成されている。
図5に示すように、タンク260には、液体原料として、例えば、TMA液が貯留され、キャリアガス供給管300には、キャリアガス供給源として、例えば、N又はArガスボンベ(図示せず)が接続される。
キャリアガス供給管300の下流端部であるガス吹込口には、圧力緩和機構301が取り付けられる。
圧力緩和機構301には、例えば、液体原料と反応することのないミクロンオーダのポーラスを持つフィルタの如き多孔体で、表面に多数のポーラスが開口し、内部で多数のポ
ーラスが互いに連通する多孔体301aが用いられる。
多孔体301aは、キャリアガス供給管300のガス吹込口を閉じるようにキャリアガス導入管300のガス吹込口部に取り付けられる。
このように多孔体301aを取り付けると、複数のポーラス同士が連結された多数の流路がそれぞれ出口圧力の上昇を緩和する出口流路としてキャリアガス供給管300のガス吹込口に接続される。
多孔体301aを取り付け、キャリアガス導入管300にキャリアガスを供給すると、キャリアガスは、ガス吹込口と直接、接続されている多数の出口流路に分散し、次に、各流路と連通する多数の出口流路へと分散する。
そして、多孔体301aの表面に開口している多数の出口流路から液体原料中に吹き出される。
従って、ガス吹込口に多孔体301aが取り付けられていると、多孔体301aの複数の出口流路に圧力が逃げ出口圧力の上昇が緩和される。
また、各出口流路の圧力損失によってもキャリアガス供給管300の出口圧力、すなわち、吹出圧力も緩和される。
また、多孔体301aの流路断面がミクロンオーダであるので、バブリングの際の泡径も小さくなる。
これにより、液面の激しい動揺を抑制でき、パーティクルに起因した半導体装置の歩留りが改善される。
また、出口流路毎に気泡が細分化されると、気体(キャリアガス)と液体(液体原料)との接触面積が大きくなり、液体原料の蒸発速度を速めることができるので、飽和蒸気圧分だけの液体原料の蒸発量をタンク内260内に安定的に存在させることができ、原料となる液体原料のガスの供給流量を安定させることができるという二次的な効果がある。
多孔体301aとしては、金属やセラミックスを焼結したセラミックス多孔体が好ましい。
図6は、多孔体をキャリアガス供給管300のガス吹込口に取り付けるための保持部材の一例を示す。
この例では、保持部材305は、ステンレスの筒体306と、筒体306の後部に設けられ、筒体306とガス吹込口とを互いに螺合するねじによって連結するプラグ部307とから構成される。
多孔体301aは筒体306内に挿入され、筒体306の内面に係合した状態で固定される。多孔体301aの少なくとも先端部は、液体原料のバブリングに対して多孔体301a表面の流路が充分に確保されるよう、筒体306の先端面から所定長さ突出している。
図7は、図6で説明した筒体306の長さを短くし、筒体306の先端部に漏斗状(円錐状ないしコーン状)のハウジング309を連結した保持部材310の他の例を示す。
多孔体301aの少なくとも後端部は、ハウジング309の内面と係合する円錐状に形成されており、ハウジング309の内面に固定される。多孔体301aの先端部は液体原料に対する多孔体301a表面の流路が充分に確保されるようにするため、ハウジング309の先端面から所定長さ突出している。
図6及び図7に示すように、各多孔体301aは、液体原料に対する多孔体301a表面の流路数が充分に確保されるので、液体原料にキャリアガスを吹き込んで気体化する際の圧力の緩和と気泡の微細化により、液体原料の液面の動揺を抑制することができる。また、パティキュレートの原因となる液状飛沫の発生を抑制するので、液状飛沫の搬送に起
因した半導体装置の歩留りの低下を防止できる。
なお、本実施の形態では、圧力緩和機構として、多孔体301a、好ましくは、セラミックス多孔体を用いる説明をしたが、多孔体301aに代えて金属繊維を密に重ねた積層体を前記保持部材の筒体、ハウジングに充填するようにしてもよい。また、ニッケルブレンフィルタを筒体やハウジング内に装填して圧力緩和機構としてもよい。このようにしても、多孔体301aと同様の作用、効果が発揮される。
次にALD法による成膜例として、半導体装置の製造工程の一つである成膜について説明する。
CVD(Chemical Vapor Deposition)法の中の1つであるALD(Atomic Layer Deposition)法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料ガスを1種類ずつ交互に基板上に供給して1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。
ALD法を用い、例えば、Al(酸化アルミニウム)膜を形成する場合は、TMA(Al(CH:トリメチルアルミニウム)とO(オゾン)とを交互に供給することにより250〜450℃の低温で高品質の成膜が可能である。
このように、ALD法では、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給することによって成膜を行う。そして、膜厚制御は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、成膜処理を20サイクル行う。
まず成膜しようとするウエハ(半導体シリコンウエハ)200をボート217に装填し、処理室201に搬入する。搬入後、次の3つのステップを順次実行する。
(ステップ1)
ステップ1では、Oガスを流す。まず原料ガス供給管232aに設けられたバルブ243a、及びガス排気管231に設けられたバルブ243dを共に開けて、原料ガス供給管232aからマスフローコントローラ241aによって流量調整されたOガスを多孔ノズル233のガス供給孔248bから処理室201に供給しつつガス排気管231から排気する。
ガスを流すときは、バルブ243dを適正に調節して処理室201内圧力を10〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。
マスフローコントローラ241aで制御するOガスの供給流量は1〜20slmの範囲であって、例えば5slmで供給される。
ガスにウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。
このときのヒータ207温度はウエハ200の温度が250〜450℃の範囲であって、例えば380℃になるよう設定してある。
この場合、同時に原料ガス供給管232bの途中につながっている不活性ガスのライン232cから開閉バルブ253を開けて不活性ガスを流すとTMA側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
このとき、処理室201に内に流しているガスは、OガスとNガス、Arガス等の不活性ガスのみであり、TMAガスは存在しない。したがって、Oは気相反応を起こすことはなく、ウエハ200上の下地膜などの表面部分と表面反応(化学吸着)する。
(ステップ2)
ステップ2では、原料ガス供給管232aのバルブ243aを閉めて、Oガスの供給を止める。また、ガス排気管231のバルブ243dを開としたまま、真空ポンプ246の排気によって処理室201を20Pa以下に排気し、残留Oガスを処理室201から排除する。このとき、Nガス等の不活性ガスを、Oガス供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bからそれぞれ処理室201に供給するようにしてもよい。このようにすると残留Oの排除効果をより向上させることができる。
(ステップ3)
ステップ3では、TMAガスを処理室201に供給する。TMAは常温で液体である。
TMAガスを処理室201に供給する場合、窒素ガスや希ガスなどの不活性ガスをキャリアガスとしてこれをタンク260のTMA液に通すバブリングによって気化した分を原料ガス供給管232b及び多孔ノズル233を通じて、キャリアガスと共に処理室201へと供給する。
このとき、キャリアガス供給管300のバルブAV1、AV2、AV3、原料ガス供給管232bのバルブAV4、AV5、及びガス排気管231のバルブ243dは開とされ、マスフローコントローラ241bにより流量調節されたキャリアガスがキャリアガス供給管300のガス吹込口へと供給され、多孔体301aの複数の出口流路からそれぞれTMA液中に吹き込まれる。このとき、キャリアガス供給管232bが高圧となっても複数の流路の圧力損失によって吹出圧力の上昇が緩和され、液面の激しい動揺が防止される。
複数の流路からのキャリアガスの吹き出しによってタンク260内にTMAガス(原料ガス)が生成されると、TMAガスとキャリアガスの混合ガスが、原料ガス供給管232bを通じて多孔ノズル233に供給され、多孔ノズル233のガス供給孔248bから処理室201に供給される。なお、この際もガス排気管231によって処理室201の雰囲気が排気する。
また、TMAガスとキャリアガスの混合ガスを多孔ノズル233に供給し、多孔ノズル233から処理室201に流すときは、バルブ243dの調整によって処理室201内圧力を10〜900Paの範囲であって、例えば、50Paに維持する。
また、マスフローコントローラ241aで制御するキャリアガスの供給流量は10slm以下とする。TMAガスの供給時間は1〜4秒に設定するが、その後、さらに吸着させるため、上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を0〜4秒に設定してもよい。
このとき、ウエハ温度はOガスの供給時と同じく、250〜450℃の範囲の所望の温度に維持する。TMAガスの処理室201への供給により、ウエハ200の表面に吸着したOとTMAとが表面反応して、ウエハ200上にAl膜が成膜される。
この際、同時に原料ガス供給管232aの途中につながっている不活性ガスのライン232dから開閉バルブ254を開けて不活性ガスを流すようにしてもよい。このようにするとO側にTMAガスが回り込むことを防ぐことができる。
成膜後は、バルブAV5を閉じ、バルブ243dを開けて処理室201を真空排気し、TMAガスの成膜に寄与した後の残留するガスを処理室201から排出する。この際、Nガス等の不活性ガスを、O供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bからそれぞれ処理室201に供給して残留ガスを処理室201から排除する効果を高めるとよい。
上記ステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウエハ200上に所定膜厚のAl膜を成膜する。
処理室201内を排気し、Oガスを除去した後にTMAガスを流すので、両者はウエハ200に向かう途中で互いに反応することがない。供給されたTMAは、ウエハ200に吸着しているOとのみ有効に反応する。
また、O供給ラインである原料ガス供給管232aおよびTMA供給ラインである原料ガス供給管232bを処理室201内で合流させることにより、TMAガスとOを多孔ノズル233内でも交互に吸着、反応させて堆積膜をAlとすることができ、TMAガスとOを別々のノズルで供給する場合にTMAノズル内で異物発生源になる可能性があるAl膜が生成されるという問題をなくすことができる。Al膜は、Al膜よりも密着性が良く、剥がれにくいので、異物発生源になりにくい。
<付記>
次に、本発明の好ましい態様を付記する。
本発明の好ましい態様は、液体原料を収容するタンクと、タンク内の液体原料中にキャリアガスを吹き込んで液体原料を気体化するキャリアガス供給管と、キャリアガス供給管のガス吹込口に取り付けられ、多孔化且つ細分化された複数の出口流路によりキャリアガス供給管の出口圧力の上昇を緩和する圧力緩和機構と、タンクに接続され、液体原料の気体と前記キャリアガスとの混合ガスを、基板を処理する処理室に供給する原料ガス供給管と、を備える。圧力緩和機構は、タンク内に液体原料を充填した際に、液体原料の液面下に配置される。
圧力緩和機構は、複数のポーラスを有し、ポーラス同士が互いに連通することにより、微細化した出口流路を形成すると共に、流路同士が連通する多孔体を形成する多孔体が好ましい。好ましくは、圧力緩和機構は、焼結により形成できるセラミックス多孔体とするとよい。また、圧力緩和機構は、繊維、好ましくは、金属又はセラミックスの繊維を密に積層した積層体で構成してもよい。
また、多孔体又は積層体は、筒状ないし漏斗状の保持部材内に保持し、保持部材を介してキャリアガス供給管のガス吹出口に取り付けるとよい。
筒状とするとキャリアガスの圧力を有効に利用でき、漏斗状とすると、広い範囲で均等なバブリングが行える。
さらに、出口流路の断面は、泡ないし気泡微細化及び出口圧力の緩和のため、ミクロンオーダで形成するのが好ましい。
保持部材は、液体原料と非反応の材料、例えば、ステンレス、セラミックス、石英で構成するとよい。
キャリアガス供給管の圧力が増加すると、対応する数の出口流路に圧力が分散する。このため、キャリアガス供給管圧力が上昇しても出口圧力の上昇が緩和される。また、各出口流路が多孔化且つ細分化されているので、泡、気泡が微細化される。これにより、バブリングの際の液面の激しい動揺が抑制され、液状飛沫の生成が抑制される。
本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る縦型の基板処理炉の概略構成図である。 図2のA−A線断面図である。 本実施形態に係る基板処理装置における縦型基板処理炉の多孔ノズルを説明するための図であり、図4(A)は概略図、図4(B)は図4(A)のA部拡大図である。 液体原料をバブリングにより気体化し、処理室に供給する原料ガス供給系の要部詳細図である。 本発明の実施の形態に係る圧力緩和機構と、保持部材の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る他の圧力緩和機構及び保持部材を示す概略構成図である。 バブリングにより液体原料を気体化し、原料ガスの処理室に供給する従来の原料ガス供給系を示す構成図である。 従来の原料ガス供給系における液状飛沫の発生のメカニズムを示す解説図である。
符号の説明
232b 原料ガス供給管
260 タンク
300 キャリアガス供給管
301a 多孔体(圧力緩和機構)

Claims (1)

  1. 液体原料を収容するタンクと、
    前記タンク内の液体原料中にキャリアガスを吹き込んで液体原料を気体化するキャリアガス供給管と、
    前記キャリアガス供給管のガス吹込口に取り付けられ、多孔化且つ細分化された複数の出口流路によりキャリアガス供給管の出口圧力の上昇を緩和する圧力緩和機構と、
    前記タンクに接続され、前記液体原料の気体と前記キャリアガスとの混合ガスを、基板を処理する処理室に供給する原料ガス供給管と、
    を備えた基板処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114402413A (zh) * 2019-08-09 2022-04-26 应用材料公司 用于处理腔室部件的保护性多层涂层

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