JP5059713B2 - パワーユニットマウント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体フレームおよびパワーユニット間に介装されて、パワーユニットの振動を減衰するパワーユニットマウント装置に関する。
車両のパワーユニットを車体フレームに支持するパワーユニットマウント装置として、パワーユニットの振動を減衰するために、ラバー部材、オリフィスやアクチュエータ(以下、「減衰発生手段」という)を組み合わせたものが知られている。
このパワーユニットは、減衰発生手段にパワーユニットの振動方向に振動可能な可動子を有し、この可動子を振動させることでパワーユニットの振動を減衰させる、いわゆるアクティブパワーユニットマウント装置である。
この減衰発生手段やラバー部材、オリフィスを組み合わせることで、低周波数振動〜中高周波数振動の広範囲においてパワーユニットの振動が減衰可能であるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−272572号公報
しかし、特許文献1の減衰発生手段は、パワーユニットの振動を減衰させるためにパワーユニットの振動方向に可動子を振動させる必要がある。
このように、可動子を振動させるために、パワーユニットの振動を減衰するために大きな制振エネルギーが要求される。
このため、減衰発生手段が大型になるとともに、大電流が消費されることになる。
本発明は、減衰発生手段の小型化が図れ、かつ、電流の消費量を抑えることができるパワーユニットマウント装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体フレームおよびパワーユニット間に介装されて、前記パワーユニットの振動を減衰するパワーユニットマウント装置において、前記車体フレームおよび前記パワーユニットのいずれか一方に取り付けられた第1マウント部材と、前記車体フレームおよび前記パワーユニットのいずれか他方に取り付けられた第2マウント部材と、前記第1マウント部材および前記第2マウント部材間に介在され、前記パワーユニットの振動を減衰可能なラバーマウント部材と、前記第1マウント部材および前記第2マウント部材のいずれか一方の部材から他方の部材に向けて延出されたマウントロッドと、前記マウントロッドに対して接触状態、非接触状態に配置可能なシュー部材を有し、前記シュー部材を接触状態に保つことで前記マウントロッドにフリクションを発生させ、前記シュー部材を非接触状態に保つことで前記マウントロッドからフリクションを解除する減衰発生手段と、を備え、前記減衰発生手段が、前記第1マウント部材および前記第2マウント部材の他方の部材から外側に設けられて、前記マウントロッドが前記他方の部材を貫通し、前記第1、2のマウント部材および前記ラバーマウント部材で流体を収容可能な室部が形成され、前記室部内において、前記マウントロッドに対して同軸上に周壁部が設けられ、前記周壁部で、前記マウントロッドを収容する主室部と前記主室部の外側の副室部とに前記室部が仕切られ、前記主室部および前記副室部を連通するオリフィスが、前記周壁部のうち前記第1マウント部材寄りの部位と前記第2マウント部材寄りの部位とにそれぞれ所定間隔をおいて設けられ、前記第1マウント部材寄りのオリフィスと前記第2マウント部材寄りのオリフィスとの間に仕切ラバー部材が配置されるとともに前記仕切ラバー部材が前記マウントロッドに設けられ、前記仕切ラバー部材で前記主室部を二つの空間に仕切り、前記周壁部に接触する前記仕切ラバー部材の外周部が、前記マウントロッドを軸線方向に移動することを許容し、前記第1マウント部材はフレーム部材と前記周壁部とによる環状二層空間を有しており、前記周壁部の内部空間を前記主室部、前記環状二層空間を前記副室部とし、前記主室部と前記副室部とは前記仕切ラバー部材を挟んで上下に配置される前記オリフィスにより連通していることを特徴とする。
請求項2は、前記減衰発生手段は、前記第1マウント部材および前記第2マウント部材の前記他方の部材に設けられたケーシングと、前記ケーシング内に設けられた固定部材と、前記固定部材に設けられた電磁コイルと、前記固定部材および前記他方の部材の間に設けられ、前記電磁コイルが励磁されることで前記固定部材に向けて移動可能な移動部材とを有し、前記移動部材の前記固定部材側には、前記固定部材に面する側に凹部を有する前記シュー部材が取り付けられ、前記固定部材の前記シュー部材側には傾斜面が形成され、前記凹部には球体が配置され、前記電磁コイルを励磁状態にすることにより、前記球体で前記シュー部材を前記マウントロッドに接触させてフリクションを発生させ、前記電磁コイルを非励磁状態にすることにより、前記球体を拡径側に移動移動させて前記シュー部材を非接触状態に保つことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、第1、第2のマウント部材間にラバーマウント部材を介在させた。また、第1、第2のマウント部材のいずれか一方から他方に向けてマウントロッドを延出させた。
さらに、マウントロッドに対してシュー部材を接触状態に保つことでマウントロッドにフリクション(摩擦)を発生させ、シュー部材を非接触状態に保つことでマウントロッドからフリクションを解除する減衰発生手段を備えた。
よって、車両の停止においてエンジンアイドリング時(以下「エンジンアイドリング時」という)に、シュー部材を非接触状態に保つことでマウントロッドからフリクションを解除して、マウントロッドを自由に移動させることができる。
これにより、エンジンアイドリング時のパワーユニットの振動をラバーマウント部材のみで良好に減衰することができる。
一方、車両の走行時に、シュー部材を接触状態に保つことでマウントロッドにフリクションを発生させて、マウントロッドの移動を拘束することができる。
これにより、走行時のパワーユニットの振動をラバーマウント部材およびマウントロッドに発生するフリクションで良好に減衰することができる。
このように、マウントロッドに対してシュー部材を接触状態に保つだけで、走行時のパワーユニットの振動を、マウントロッドに発生するフリクションで良好に減衰することができる。
よって、従来技術で説明したように、パワーユニットの振動を減衰させるためにパワーユニットの振動方向に可動子を振動させる必要がない。
これにより、パワーユニットの振動を減衰するために大きな制振エネルギーを必要としないので、減衰発生手段の小型化が図れ、かつ、電流の消費量を抑えることができる。
また、請求項に係る発明では、主室部および副室部を連通するオリフィスを、周壁部のうち第1マウント部材寄りの部位と第2マウント部材寄りの部位とにそれぞれ設けた。
また、第1マウント部材寄りのオリフィスと第2マウント部材寄りのオリフィスとの間に仕切ラバー部材を配置して主室部を二つの空間に仕切り、仕切ラバー部材をマウントロッドに設けた。
さらに、周壁部に接触する仕切ラバー部材の外周部を弾性変形可能な部材で形成し、この弾性変形可能な部材でマウントロッドが軸線方向に移動することを許容するようにした。
よって、ラバーマウント部材と仕切ラバー部材を直列に配置した状態になる。
これにより、ラバーマウント部材および仕切ラバー部材を合わせたばね定数を小さく抑えることができる。
加えて、エンジンアイドリング時に、マウントロッドと一体に仕切ラバー部材を移動することで、第1マウント部材寄りのオリフィスと第2マウント部材寄りのオリフィスとに流体を流すことができる。
これにより、各オリフィスに流体を流すことで、オリフィスの減衰効果を得ることができる。
このように、ラバーマウント部材および仕切ラバー部材を合わせてばね定数を小さく抑え、かつオリフィスの減衰効果を得ることで、エンジンアイドリング時のパワーユニットの振動をラバーマウント部材やオリフィスの減衰効果で一層良好に減衰することができる。
請求項に係る発明では、電磁コイルを励磁状態にすることにより、球体でシュー部材をマウントロッドに接触させてフリクションを発生させることができる。
これにより、マウントロッドにフリクションを発生することで、マウントロッドの軸線方向の移動を拘束することができる。
また、電磁コイルを非励磁状態にすることにより、球体を拡径側に移動移動させてシュー部材をマウントロッドに対して非接触状態に保つことができる。
これにより、マウントロッドからフリクションを解除することで、マウントロッドを軸線方向に自由に移動させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るパワーユニットマウント装置(第1実施の形態)を示す断面図である。
パワーユニットマウント装置10は、車両の車体フレーム12および車両のパワーユニット14間に介装されて、パワーユニット14を支えるとともにパワーユニット14の振動を減衰するものである。
このパワーユニットマウント装置10は、車体フレーム12に取り付けられたフレーム取付部材(第1マウント部材)16と、パワーユニット14に取り付けられたパワーユニット取付部材(第2マウント部材)18と、フレーム取付部材16およびパワーユニット取付部材18間に介在されたラバーマウント部材21と、パワーユニット取付部材18からフレーム取付部材16に向けて延出されたマウントロッド23と、マウントロッド23にフリクション(摩擦)を発生させた状態またはマウントロッド23からフリクションを解除させた状態に切替可能な減衰発生手段25と、減衰発生手段25を制御する制御部27とを備えている。
車体フレーム12は、パワーユニットマウント装置10を取り付けるための取付孔31…が形成され、取付孔31…間に減衰発生手段25を受け入れる受入孔32が形成されている。
パワーユニット14は、一例として、エンジンおよびトランスミッションを一体にユニット化したもので、取付ブラケット34を備えている。
取付ブラケット34は、パワーユニットマウント装置10を取り付けるための取付孔35が形成されている。
パワーユニット14は、通常、エンジンアイドリング時に、比較的振幅が大きく、振動周期の大きな振動を発生し、走行時に、比較的振幅が小さく、振動周期の短い振動を発生する。
フレーム取付部材16は、有底の円筒形に形成された外周壁部37と、外周壁部37の下端部に一体に形成された底部38と、底部38の外周近傍に下向きに設けられたボルト39…と、外周壁部37の上端部に一体に形成されたラバー受部41とを有する。
底部38は、円板状に形成され、中央に上貫通孔43が形成され、上貫通孔43の周縁に上シール部材44(図2参照)が取り付けられている。
上貫通孔43にマウントロッド23の下端部23aが軸線方向に移動自在に貫通され、下端部23aの外周と上貫通孔43の周縁とが上シール部材44(図2参照)で密封されている。
ラバー受部41は、環状に形成され、外周縁41aが外周壁部37の上縁に一体に形成され、外周縁41aから内周縁41bに向けて下り勾配に形成された環状の部位である。
フレーム取付部材16は、ボルト39…が車体フレーム12の取付孔31…に差し込まれ、取付孔31…から突出したねじ部にナット46…がねじ結合されることで車体フレーム12に取り付けられている。
この状態で、車体フレーム12の受入孔32に減衰発生手段25が配置されている。
パワーユニット取付部材18は、円板上に形成され、上部18aがパワーユニット14の取付ブラケット34に接触可能に平坦に形成され、上部中央にボルト47が上向きに設けられている。
パワーユニット取付部材18は、ボルト47が取付ブラケット34の取付孔48に差し込まれ、取付孔48から突出したねじ部にナット49がねじ結合されることで取付ブラケット34に取り付けられている。
さらに、パワーユニット取付部材18は、下部18bのうち中央のロッド取付部位18cが平坦に形成され、ロッド取付部位18cの外側のラバー取付部位18dが上り勾配の傾斜面に形成されている。
ロッド取付部位18cは、マウントロッド23の上端部23bが設けられた部位である。
ラバー取付部位18dは、ロッド取付部位18c近傍から外周縁18eに向けて上り勾配に形成され、ラバーマウント部材21の上端部21aが設けられた部位である。
ラバーマウント部材21は、中空の円錐台状に形成された弾性部材であり、上端部21aが環状に形成されるとともに、下端部21bが環状に形成されている。
ラバーマウント部材21は、環状の上端部21aがラバー取付部位18dに設けられ、環状の下端部21bがラバー受部41に設けられている。
このラバーマウント部材21は、パワーユニット14の振動を減衰可能な弾性部材である。
マウントロッド23は、パワーユニット取付部材18のロッド取付部位18cに上端部23bが設けられ、底部38の上貫通孔43に向けて下向きに延出され、下端部23aが上貫通孔43を貫通するとともに減衰発生手段25を貫通する棒状の部材である。
減衰発生手段25は、フレーム取付部材16の底部38中央に設けられている。
図2は図1の2部拡大図、図3は図2のシュー部材を示す断面図である。
減衰発生手段25は、底部38に設けられたケーシング51と、ケーシング51内に設けられた固定部材52と、固定部材52に設けられた電磁コイル53と、固定部材52および底部38間に設けられた移動部材54と、移動部材54に配置された複数のシュー部材55と、複数のシュー部材55および固定部材52間にそれぞれ配置された複数の球体56と、複数のシュー部材55を拡径する方向に付勢する弾性部材57と、複数のシュー部材55の下端部に設けられたスペーサ58と、スペーサ58およびケーシング51間に設けられた圧縮ばね部材59とを備えている。
ケーシング51は、断面略コ字状に形成された有底筒状の部材であり、上端部51aがフレーム取付部材16(図1参照)の底部38に設けられている。
ケーシング51の底部51bは、円板状に形成され、中央に下貫通孔61が形成され、下貫通孔61の周縁に下シール部材62が取り付けられている。
下貫通孔61にマウントロッド23の下端部23aが軸線方向に移動自在に貫通され、下端部23aの外周と下貫通孔61の周縁とが下シール部材62で密封されている。
固定部材52は、マウントロッド23に対して同軸上に配置された状態で、ケーシング51の底部51bに固定された環状の部材である。
この固定部材52は、下貫通孔61の外側に設けられ、上部内周に固定凹部64が形成されて、固定凹部64の底部が傾斜面64aに形成されている。
傾斜面64aは、固定凹部64の側壁64bから固定部材52の内周壁52aに向かって傾斜角(くさび角)θの下り勾配で形成されている。
電磁コイル53は、固定部材52に埋設され、制御部27に接続されている。
この電磁コイル53は、制御部27によって通電状態と、非通電状態とに切替可能である。
加えて、電磁コイル53は、通電状態において、制御部27によって電磁コイル53に供給する電流を調整することが可能である。
移動部材54は、固定部材52および底部38間に設けられ、中央に中貫通孔66が形成され、中貫通孔66の外側に同軸上に環状溝67が形成されている。
中貫通孔66にマウントロッド23の下端部23aが軸線方向に移動自在に貫通されている。
環状溝67に複数のシュー部材55が配置されている。
シュー部材55は、上端部55aにシュー上凹部71が形成され、上端部55aが環状溝67に配置され、マウントロッド23の下端部23aと対向する面にパッド72が設けられ、傾斜面64aに対向する部位にシュー下凹部73が形成されている。
このシュー部材55は、下端部23aの外周壁に沿って複数個配置されている。
複数のシュー部材55の各シュー上凹部71に環状の弾性部材57が配置されている。
弾性部材57は、内周壁が環状溝67の内壁67aに当接され、外周壁が各シュー上凹部71の側壁71aに当接されている。
さらに、弾性部材57は、上下方向に圧縮された状態で、環状溝67の底部67bに押し付けられ、各シュー上凹部71の底部71bに押し付けられている。
よって、弾性部材57は、複数のシュー部材55をマウントロッド23の下端部23aから離す方向(すなわち、拡径する方向)に付勢している。
複数のシュー部材55のシュー下凹部73および固定部材52の固定凹部64間に球体56がそれぞれ配置されている。
また、複数のシュー部材55の下端部55bに環状のスペーサ58が設けられている。
スペーサ58およびケーシング51の底部51b間に圧縮ばね部材59が設けられている。
減衰発生手段25の電磁コイル53は制御部27に接続されている。
制御部27は、エンジンアイドリング時に電磁コイル53を非通電状態に切り替え、走行時に電磁コイル53を通電状態に切り替えることが可能である。
さらに、制御部27は、走行時に、例えば、エンジン回転数や車速に対応させて電磁コイル53に供給する電流を調整することが可能である。
制御部27で電磁コイル53を非通電状態に切り替えた場合、圧縮ばね部材59の付勢力でスペーサ58が上方に押し上げられている。スペーサ58が上方に押し上げられることで、複数のシュー部材55が上方に押し上げられている。
複数のシュー部材55が上方に押し上げられることで、移動部材54が上方に押し上げられてフレーム取付部材16(図1参照)の底部38に当接している。
複数のシュー部材55のシュー下凹部73が上方に移動して固定凹部64の側壁64bに対向する位置に配置されている。
球体56が傾斜面64aに沿って上方に移動するとともに、マウントロッド23の下端部23aから離れる方向に移動し、固定凹部64の側壁64bに接触する非接触位置に配置されている。
これにより、複数のシュー部材55が弾性部材57の付勢力でマウントロッド23の下端部23aから離れた非接触状態(すなわち、拡径した状態)に保持されている。
このように、複数のシュー部材55が非接触状態に保たれることで、マウントロッド23からフリクションが解除されている。
なお、マウントロッド23からフリクションを解除する理由は図5で詳しく説明する。
図4は図2のシュー部材をマウントロッドに接触させた状態を示す断面図である。
制御部27で電磁コイル53を通電状態に切り替えた場合、電磁コイル53が励磁されている。
電磁コイル53が励磁されることで、移動部材54が圧縮ばね部材59の付勢力に抗して下方に移動して固定部材52に当接している。
移動部材54で複数のシュー部材55が下方に押し下げられている。複数のシュー部材55のシュー下凹部73が下方に移動して固定凹部52の傾斜面64aに対向する位置に配置されている。
球体56が傾斜面64aに沿って下方に移動するとともに、マウントロッド23の下端部23aに近づく方向に移動して接触位置に配置されている。
これにより、複数のシュー部材55のパッド72が弾性部材57の付勢力に抗してマウントロッド23の下端部23aに接触した接触状態(すなわち、縮径した状態)に保持されている。
このように、複数のシュー部材55のパッド72が接触状態に保たれることで、マウントロッド23にフリクションが発生されている。
ここで、制御部27は、走行時に、例えば、エンジン回転数や車速に対応させて電磁コイル53に供給する電流を調整することが可能である。
電磁コイル53に供給する電流を調整することで移動部材54の位置を変化させて、マウントロッド23に発生するフリクションを調整することが可能である。
なお、マウントロッド23にフリクションを発生させる理由や、マウントロッド23に発生するフリクションを調整する理由は図6で詳しく説明する。
つぎに、パワーユニットマウント装置10で振動を減衰する例を図5〜図6に基づいて説明する。
図5(a),(b)は第1実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を非通電状態に切り替える。電磁コイル53が非励磁状態になり、圧縮ばね部材59の付勢力でスペーサ58が上方に押し上げられる。
スペーサ58で複数のシュー部材55を上方に押し上げ、複数のシュー部材55で移動部材54を上方に押し上げる。
移動部材54がフレーム取付部材16(図1参照)の底部38に当接する。
複数のシュー部材55が上方に移動することで、球体56…が固定凹部64の傾斜面64a…に沿って上方に移動する。
よって、球体56…が固定凹部64の側壁64bに接触する非接触位置に配置される。
これにより、複数のシュー部材55が弾性部材57…の付勢力でマウントロッド23の下端部23aから離れて非接触状態に保持される。
複数のシュー部材55を非接触状態に保つことで、マウントロッド23からフリクションが解除される。
(b)において、マウントロッド23からフリクションを解除することで、マウントロッド23を矢印A方向(軸線方向)に自由に移動させることができる。
これにより、パワーユニットマウント装置10のばね定数を小さく抑えて、いわゆるパワーユニットマウント装置10のマウント特性(ばね特性)を軟らかくできる。
ここで、パワーユニット14は、エンジンアイドリング時に、比較的振幅が大きく、振動周期の大きな振動を発生する。
よって、パワーユニットマウント装置10のばね定数を小さく抑えることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21(すなわち、パワーユニットマウント装置10)で良好に減衰することができる。
図6(a),(b)は第1実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を通電状態に切り替える。電磁コイル53が励磁状態になり、移動部材54が圧縮ばね部材59の付勢力に抗して下方に移動して固定部材52に当接する。
移動部材54で複数のシュー部材55を下方に押し下げる。複数のシュー部材55が下方に移動することで、球体56…が固定凹部64の傾斜面64aに沿って下方に移動する。
球体56…が固定凹部64の傾斜部64aに移動することで接触位置に配置される。
よって、球体56…がマウントロッド23の下端部23a側に移動する。
これにより、複数のシュー部材55のパッド72が弾性部材57の付勢力に抗してマウントロッド23の下端部23aに接触した接触状態に保持される。
複数のシュー部材55のパッド72を接触状態に保つことで、マウントロッド23にフリクションが発生する。
(b)において、マウントロッド23にフリクションを発生することで、マウントロッド23の矢印A方向(軸線方向)の移動を拘束することができる。
これにより、パワーユニットマウント装置10のばね定数を大きく確保して、いわゆるパワーユニットマウント装置10のマウント特性(ばね特性)を硬くできる。
ここで、パワーユニット14は、走行時に、比較的振幅が小さく、振動周期の短い振動を発生する。
よって、パワーユニットマウント装置10のばね定数を大きく確保することで、走行時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21およびマウントロッド23に発生するフリクション(すなわち、パワーユニットマウント装置10)で良好に減衰することができる。
図6で説明したように、制御部27で減衰発生手段25を制御して、マウントロッド23に対して複数のシュー部材55のパッド72を接触状態に保つだけで、走行時のパワーユニットの振動を、マウントロッド23に発生するフリクションで良好に減衰することができる。
よって、従来技術で説明したように、パワーユニット14の振動を減衰させるためにパワーユニットの振動方向に可動子を振動させる必要がない。
これにより、パワーユニット14の振動を減衰するために大きな制振エネルギーを必要としないので、減衰発生手段25の小型化が図れ、かつ、電流の消費量を抑えることができる。
ところで、図4で説明したように、制御部27は、走行時に、例えば、エンジン回転数や車速に対応させて電磁コイル53に供給する電流を調整させて、マウントロッド23に発生するフリクションを調整することが可能である。
これにより、例えば、エンジン回転数や車速に対応させてパワーユニット14の振動を一層良好に減衰することが可能になる。
つぎに、第2〜第3の実施の形態を図7〜図12に基づいて説明する。なお、第2〜第3の実施の形態において第1実施の形態のパワーユニットマウント装置10と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
(第2実施の形態)
図7は本発明に係るパワーユニットマウント装置(第2実施の形態)を示す断面図である。
パワーユニットマウント装置80は、第1実施の形態のパワーユニットマウント装置10の減衰構造に上下のオリフィス94…,95…による減衰構造を加えたもので、その他の構成は第1実施の形態のパワーユニットマウント装置10と同様である。
パワーユニットマウント装置80は、車体フレーム12に取り付けられたフレーム取付部材(第1マウント部材)82と、パワーユニット14に取り付けられたパワーユニット取付部材18と、フレーム取付部材82およびパワーユニット取付部材18間に介在されたラバーマウント部材21と、パワーユニット取付部材18からフレーム取付部材82に向けて延出されたマウントロッド23と、マウントロッド23に設けられた仕切ラバー部材84と、マウントロッド23にフリクションを発生させた状態またはマウントロッド23からフリクションを解除させた状態に切替可能な減衰発生手段25と、減衰発生手段25を制御する制御部27とを備えている。
このパワーユニットマウント装置80は、フレーム取付部材82、パワーユニット取付部材18およびラバーマウント部材21で流体86を収容可能な室部87が形成されている。
フレーム取付部材82は、第1実施の形態のフレーム取付部材16に内周壁部(周壁部)88が設けられたもので、その他の構成は第1実施の形態のフレーム取付部材16と同じである。
内周壁部88は、室部87内において、マウントロッド23に対して同軸上に設けられた筒体である。
内周壁部88の上縁88aがラバー受部41の内周縁41bに設けられ、内周壁部88の下縁88bが底部38に設けられている。
フレーム取付部材82に内周壁部88を設けることで、室部87が主室部91と副室部92とに仕切られている。
主室部91は、マウントロッド23を収容する空間である。
副室部92は、主室部91の外側に形成された環状の空間である。
内周壁部88には、主室部91および副室部92を連通する上下のオリフィス94,95がそれぞれ複数個設けられている。
上オリフィス(オリフィス)94…は、内周壁部88のうちパワーユニット取付部材18寄りの部位(すなわち、内周壁部88の上縁)88aにおいて周方向に複数個形成されている。
下オリフィス(オリフィス)95…は、内周壁部88のうちフレーム取付部材82寄りの部位(すなわち、内周壁部88の下縁)88bにおいて周方向に複数個形成されている。
上オリフィス94…は、下オリフィス95…に対して高さ方向で所定間隔Hをおいて設けられている。
上オリフィス94…および下オリフィス95…間に仕切ラバー部材84が配置されている。
仕切ラバー部材84は、マウントロッド23の略中央部23cに固定された中央固定部96と、中央固定部96の外周面96aに設けられた環状のラバー外周部(外周部)97とを備えている。
中央固定部96は、略円板上に形成され、中央に取付孔96bが形成されている。
中央固定部96の取付孔96aをマウントロッド23に嵌合することで、仕切ラバー部材84がマウントロッド23の略中央部23cに固定されている。
ラバー外周部97は、弾性変形可能な環状のラバー部材であって、中央固定部96の外周面96aに設けられ、ラバー外周部97の外周接触面97aが内周壁部88に対して上下方向に摺動自在に接触されている。
仕切ラバー部材84の中央固定部96がマウントロッド23の略中央部23cに固定され、かつ、ラバー外周部97の外周接触面97aが内周壁部88に対して上下方向に摺動自在に接触されることで、主室部91は仕切ラバー部材84で上空間91aおよび下空間91bの二つの空間に仕切られている。
ここで、仕切ラバー部材84のラバー外周部97は弾性変形可能な環状の部材が用いられている。
よって、エンジンアイドリング時の場合、ラバー外周部97が弾性変形することで、マウントロッド23を軸線方向に円滑に移動することを許容される。
ところで、仕切ラバー部材84およびラバーマウント部材21はばね要素として直列に設けられている。
よって、ラバーマウント部材21のばね定数をKとし、仕切ラバー部材84のばね定数をKとすると、ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kは、
K=(K×K)/(K+K
となる。
ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kは、ラバーマウント部材21のばね定数Kや、仕切ラバー部材84のばね定数Kより小さくなる。
すなわち、パワーユニットマウント装置80は、仕切ラバー部材84を非弾性変形部材で形成したマウント装置と比較して軟らかいマウント特性(ばね特性)となる。
よって、パワーユニット14の振動でパワーユニット取付部材18が上下方向に振動した場合、仕切ラバー部材84も上下方向に良好に振動することが可能である。
ところで、上空間91aは上オリフィス94…を経て副室部92に連通されている。
よって、パワーユニット取付部材18や仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、上空間91aの流体86や副室部92の流体86が上オリフィス94…を経て上空間91aおよび副室部92の間で移動する。
また、下空間91bは下オリフィス95…を経て副室部92に連通されている。
よって、パワーユニット取付部材18や仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、下空間91bの流体86や副室部92の流体86が下オリフィス95…を経て下空間91bおよび副室部92の間で移動する。
これにより、上オリフィス94…および下オリフィス95…による減衰効果が得られ、パワーユニット14の振動を減衰することができる。
このように、ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kを小さく抑え、かつ上下のオリフィス94…,95…による減衰効果を得ることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動を一層良好に減衰することができる。
つぎに、第2実施の形態に係るパワーユニットマウント装置80で振動を減衰する例を図8〜図9に基づいて説明する。
図8(a),(b)は第2実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を非通電状態に切り替える。
これにより、図5(a)で説明したように、複数のシュー部材55が弾性部材57…の付勢力でマウントロッド23の下端部23aから離れて非接触状態に保持される。
複数のシュー部材55を非接触状態に保つことで、マウントロッド23からフリクションが解除される。
(b)において、マウントロッド23からフリクションを解除することで、マウントロッド23を矢印A方向(軸線方向)に自由に移動させることができる。
これにより、パワーユニットマウント装置80のばね定数を小さく抑えて、いわゆるパワーユニットマウント装置80のマウント特性(ばね特性)を軟らかくできる。
ここで、パワーユニット14は、エンジンアイドリング時に、比較的振幅が大きく、振動周期の大きな振動を発生する。
よって、パワーユニットマウント装置80のばね定数を小さく抑えることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21(すなわち、パワーユニットマウント装置80)で良好に減衰することができる。
ところで、仕切ラバー部材84およびラバーマウント部材21はばね要素として直列に設けられている。ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kが小さくなる。
よって、パワーユニットマウント装置80は、軟らかいマウント特性(ばね特性)となる。
これにより、パワーユニット14の振動でパワーユニット取付部材18が上下方向に振動した場合、仕切ラバー部材84も上下方向に良好に振動することが可能である。
この仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、上空間91aの流体86や副室部92の流体86が上オリフィス94…を経て上空間91aおよび副室部92の間で矢印Bの如く移動する。
同様に、仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、下空間91bの流体86や副室部92の流体86が下オリフィス95…を経て下空間91bおよび副室部92の間で矢印Cの如く移動する。
したがって、上オリフィス94…および下オリフィス95…による減衰効果が得られ、パワーユニット14の振動を減衰することができる。
このように、ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kを小さく抑え、かつ上下のオリフィス94…,95…による減衰効果を得ることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動を一層良好に減衰することができる。
図9(a),(b)は第2実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を通電状態に切り替える。
これにより、図6(a)で説明したように、複数のシュー部材55のパッド72が弾性部材57の付勢力に抗してマウントロッド23の下端部23aに接触した接触状態に保持される。
複数のシュー部材55のパッド72を接触状態に保つことで、マウントロッド23にフリクションが発生する。
(b)において、マウントロッド23にフリクションを発生することで、マウントロッド23の矢印A方向(軸線方向)の移動を拘束することができる。
これにより、図6(b)で説明したように、走行時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21およびマウントロッド23に発生するフリクション(すなわち、パワーユニットマウント装置80)で良好に減衰することができる。
(第3実施の形態)
図10は本発明に係るパワーユニットマウント装置(第3実施の形態)を示す断面図である。
パワーユニットマウント装置100は、第2実施の形態のパワーユニットマウント装置80の減衰構造にロッドラバーマウント部材102を加えたもので、その他の構成は第2実施の形態のパワーユニットマウント装置80と同様である。
ロッドラバーマウント部材102は、パワーユニット取付部材18のロッドラバー取付部位18fに設けられた上湾曲部材103と、マウントロッド23の上端部23bに設けられた下湾曲部材104と、上湾曲部材103および下湾曲部材104間に介在された異方性ラバー部材105とを備えている。
ロッドラバー取付部位18fは、第1実施の形態のロッド取付部位18cに相当する箇所に設けられた部位である。
すなわち、ロッドラバーマウント部材102は、パワーユニット取付部材18およびマウントロッド23間に設けられている。
上湾曲部材103は、下向きに突出するように球面状に形成された部位である。
下湾曲部材104は、上向きに突出するように球面状に形成された部位である。
異方性ラバー部材105は、マウントロッド23の軸線方向に硬く、かつ、軸線方向に対して直交する方向に軟らかい特性を有する異方性のラバー部材である。
よって、パワーユニット取付部材18がマウントロッド23の軸線方向に直交する方向に振動したとしても、ロッドラバーマウント部材102を軸線方向に対して直交する方向に弾性変形させることができる。
これにより、パワーユニット14(パワーユニット取付部材18)の軸線方向に直交する方向の振動がマウントロッド23に入力(伝わる)することを抑制することができる。
したがって、マウントロッド23で減衰発生手段25をこじることを抑えて、マウントロッド23と減衰発生手段25との間で、いわゆる、こじりが発生することを抑制できる。
つぎに、第3実施の形態に係るパワーユニットマウント装置100で振動を減衰する例を図11〜図12に基づいて説明する。
図11(a),(b)は第3実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を非通電状態に切り替える。
これにより、図5(a)で説明したように、複数のシュー部材55が弾性部材57…の付勢力でマウントロッド23の下端部23aから離れて非接触状態に保持される。
複数のシュー部材55を非接触状態に保つことで、マウントロッド23からフリクションが解除される。
(b)において、マウントロッド23からフリクションを解除することで、マウントロッド23を矢印A方向(軸線方向)に自由に移動させることができる。
これにより、パワーユニットマウント装置100のばね定数を小さく抑えて、いわゆるパワーユニットマウント装置100のマウント特性(ばね特性)を軟らかくできる。
ここで、パワーユニット14は、エンジンアイドリング時に、比較的振幅が大きく、振動周期の大きな振動を発生する。
よって、パワーユニットマウント装置100のばね定数を小さく抑えることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21(すなわち、パワーユニットマウント装置100)で良好に減衰することができる。
ところで、仕切ラバー部材84およびラバーマウント部材21はばね要素として直列に設けられている。ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kが小さくなる。
よって、パワーユニットマウント装置100は、軟らかいマウント特性(ばね特性)となる。
これにより、パワーユニット14の振動でパワーユニット取付部材18が上下方向に振動した場合、仕切ラバー部材84も上下方向に良好に振動することが可能である。
この仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、上空間91aの流体86や副室部92の流体86が上オリフィス94…を経て上空間91aおよび副室部92の間で矢印Bの如く移動する。
同様に、仕切ラバー部材84が上下方向に振動した場合に、下空間91bの流体86や副室部92の流体86が下オリフィス95…を経て下空間91bおよび副室部92の間で矢印Cの如く移動する。
したがって、上オリフィス94…および下オリフィス95…による減衰効果が得られ、パワーユニット14の振動を減衰することができる。
このように、ラバーマウント部材21および仕切ラバー部材84を合成したばね定数Kを小さく抑え、かつ上下のオリフィス94…,95…による減衰効果を得ることで、エンジンアイドリング時のパワーユニット14の振動を一層良好に減衰することができる。
加えて、ロッドラバーマウント部材102は、軸線方向に対して直交する方向に軟らかい特性を有する異方性ラバー部材105を備えている。
これにより、エンジンアイドリング時に、ロッドラバーマウント部材102を軸線方向に対して直交する方向に弾性変形させて、パワーユニット14の振動を一層良好に減衰することができる。
さらに、パワーユニット取付部材18がマウントロッド23の軸線方向に直交する方向に振動したとしても、軸線方向に直交する方向の振動がマウントロッド23に入力(伝わる)することをロッドラバーマウント部材102で抑えることができる。
これにより、マウントロッド23と減衰発生手段25との間で、いわゆる、こじりが発生することを抑制できる。
図12(a),(b)は第3実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。
(a)において、制御部27で電磁コイル53を通電状態に切り替える。
これにより、図6(a)で説明したように、複数のシュー部材55のパッド72が弾性部材57の付勢力に抗してマウントロッド23の下端部23aに接触した接触状態に保持される。
複数のシュー部材55のパッド72を接触状態に保つことで、マウントロッド23にフリクションが発生する。
(b)において、マウントロッド23にフリクションを発生することで、マウントロッド23の矢印A方向(軸線方向)の移動を拘束することができる。
これにより、図6(b)で説明したように、走行時のパワーユニット14の振動をラバーマウント部材21およびマウントロッド23に発生するフリクション(すなわち、パワーユニットマウント装置100)で良好に減衰することができる。
加えて、ロッドラバーマウント部材102は、マウントロッド23の軸線方向に硬い特性を有する異方性ラバー部材105を備えている。
これにより、走行時のパワーユニット14の振動をロッドラバーマウント部材102で一層良好に減衰することができる。
さらに、パワーユニット取付部材18がマウントロッド23の軸線方向に直交する方向に振動したとしても、軸線方向に直交する方向の振動がマウントロッド23に入力(伝わる)することをロッドラバーマウント部材102で抑えることができる。
これにより、マウントロッド23と減衰発生手段25との間で、いわゆる、こじりが発生することを抑制できる。
なお、前記実施の形態では、減衰発生手段25をフレーム取付部材16に設けて車体フレーム12側に取り付けた例について説明したが、これに限らないで、減衰発生手段25をパワーユニット取付部材18に設けてパワーユニット14側に取り付けることも可能である。
さらに、前記実施の形態で示したフレーム取付部材16、パワーユニット取付部材18、ラバーマウント部材21、マウントロッド23、シュー部材55、仕切ラバー部材84、ロッドラバーマウント部材102などは例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、車体フレームおよびパワーユニット間に介装されて、パワーユニットの振動を減衰するパワーユニットマウント装置を備えた自動車への適用に好適である。
本発明に係るパワーユニットマウント装置(第1実施の形態)を示す断面図である。 図1の2部拡大図である。 図2のシュー部材を示す断面図である。 図2のシュー部材をマウントロッドに接触させた状態を示す断面図である。 第1実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。 第1実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。 本発明に係るパワーユニットマウント装置(第2実施の形態)を示す断面図である。 第2実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。 第2実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。 本発明に係るパワーユニットマウント装置(第3実施の形態)を示す断面図である。 第3実施の形態に係るパワーユニットマウント装置でエンジンアイドリング時の振動を減衰する例を説明する図である。 第3実施の形態に係るパワーユニットマウント装置で走行時の振動を減衰する例を説明する図である。
符号の説明
10,80,100…パワーユニットマウント装置、12…車体フレーム、14…パワーユニット、16…フレーム取付部材(第1マウント部材)、18…パワーユニット取付部材(第2マウント部材)、21…ラバーマウント部材、23…マウントロッド、25…減衰発生手段、37…外周壁部(フレーム部材)、51…ケーシング、52…固定部材、53…電磁コイル、54…移動部材、55…シュー部材、56…球体、64a…傾斜面、73…シュー下凹部(凹部)、84…仕切ラバー部材、86…流体、87…室部、88…内周壁部(周壁部)、88a…内周壁部88の上縁(内周壁部のうちパワーユニット取付部材寄りの部位)、88b…内周壁部88の下縁(内周壁部のうちフレーム取付部材寄りの部位)、91…主室部、91a…上空間(二つの空間の一方)、91b…下空間(二つの空間の他方)、92…福室部、94…上オリフィス(オリフィス)、95…下上オリフィス(オリフィス)、97…ラバー外周部(外周部)、102…ロッドラバーマウント部材。

Claims (2)

  1. 車体フレームおよびパワーユニット間に介装されて、前記パワーユニットの振動を減衰するパワーユニットマウント装置において、
    前記車体フレームおよび前記パワーユニットのいずれか一方に取り付けられた第1マウント部材と、
    前記車体フレームおよび前記パワーユニットのいずれか他方に取り付けられた第2マウント部材と、
    前記第1マウント部材および前記第2マウント部材間に介在され、前記パワーユニットの振動を減衰可能なラバーマウント部材と、
    前記第1マウント部材および前記第2マウント部材のいずれか一方の部材から他方の部材に向けて延出されたマウントロッドと、
    前記マウントロッドに対して接触状態、非接触状態に配置可能なシュー部材を有し、前記シュー部材を接触状態に保つことで前記マウントロッドにフリクションを発生させ、前記シュー部材を非接触状態に保つことで前記マウントロッドからフリクションを解除する減衰発生手段と、を備え
    前記減衰発生手段が、前記第1マウント部材および前記第2マウント部材の他方の部材から外側に設けられて、前記マウントロッドが前記他方の部材を貫通し、
    前記第1、2のマウント部材および前記ラバーマウント部材で流体を収容可能な室部が形成され、
    前記室部内において、前記マウントロッドに対して同軸上に周壁部が設けられ、
    前記周壁部で、前記マウントロッドを収容する主室部と前記主室部の外側の副室部とに前記室部が仕切られ、
    前記主室部および前記副室部を連通するオリフィスが、前記周壁部のうち前記第1マウント部材寄りの部位と前記第2マウント部材寄りの部位とにそれぞれ所定間隔をおいて設けられ、
    前記第1マウント部材寄りのオリフィスと前記第2マウント部材寄りのオリフィスとの間に仕切ラバー部材が配置されるとともに前記仕切ラバー部材が前記マウントロッドに設けられ、
    前記仕切ラバー部材で前記主室部を二つの空間に仕切り、
    前記周壁部に接触する前記仕切ラバー部材の外周部が、前記マウントロッドを軸線方向に移動することを許容し、
    前記第1マウント部材はフレーム部材と前記周壁部とによる環状二層空間を有しており、
    前記周壁部の内部空間を前記主室部、
    前記環状二層空間を前記副室部とし、
    前記主室部と前記副室部とは前記仕切ラバー部材を挟んで上下に配置される前記オリフィスにより連通していることを特徴とするパワーユニットマウント装置。
  2. 前記減衰発生手段は、
    前記第1マウント部材および前記第2マウント部材の前記他方の部材に設けられたケーシングと、
    前記ケーシング内に設けられた固定部材と、
    前記固定部材に設けられた電磁コイルと、
    前記固定部材および前記他方の部材の間に設けられ、前記電磁コイルが励磁されることで前記固定部材に向けて移動可能な移動部材とを有し、
    前記移動部材の前記固定部材側には、前記固定部材に面する側に凹部を有する前記シュー部材が取り付けられ、
    前記固定部材の前記シュー部材側には傾斜面が形成され、前記凹部には球体が配置され、
    前記電磁コイルを励磁状態にすることにより、前記球体で前記シュー部材を前記マウントロッドに接触させてフリクションを発生させ、
    前記電磁コイルを非励磁状態にすることにより、前記球体を拡径側に移動移動させて前記シュー部材を非接触状態に保つことを特徴とする請求項1記載のパワーユニットマウント装置。
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