JP4705662B2 - 能動型液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内部液室の圧力を制御することで防振効果を高める形式の能動型液封入式防振装置に関するものである。
従来、例えば自動車のエンジンマウントとして用いられる防振装置において、液室の室壁の一部を加振板で形成するとともに、該加振板をアクチュエータで加振駆動するように構成した能動型液封入式防振装置が知られている。能動型液封入式防振装置では、上記液室の圧力をアクチュエータを介して制御することにより、振動を相殺的に抑制したり、入力振動に応じてバネ特性を積極的に変更してマウントの低動バネ化を図るなどして優れた振動抑制効果を得ている。
図3は、従来の能動型液封入式防振装置の一例を示す断面図である。この防振装置では、上側の第1取付具101と、下側の第2取付具102と、これらを連結するゴム状弾性体からなる防振基体103と、該防振基体103が室壁の一部をなす第1液室104と、室壁の一部がゴム膜からなるダイヤフラム105で形成された第2液室106と、両液室104,106を連通させるオリフィス通路107と、第1液室104の室壁の別の一部をなす加振板108と、該加振板108を加振駆動して第1液室104の圧力を制御するアクチュエータ109とを備えて構成されている。
上記アクチュエータ109は、加振板108に連結した可動軸110と、第2取付具102側に固定された固定子111とを備えてなり、固定子111のコイル112を励磁することで、可動軸110が軸心方向(上下方向)に往復動し、これにより加振板108を加振するよう構成されている。
上記ダイヤフラム105は、防振基体103の上部外周側で防振基体103を覆うように第1取付具101と第2取付具102とにわたって設けられ、このダイヤフラム105と防振基体103の外周面との間に第2液室106が設けられている。
そして、アクチュエータ109は、加振板108を挟んで第1液室104と反対側であって第2取付具102の底部に設けられた収容空間113内に収容されている。従って、該収容空間113は、加振板108が室壁の一部を形成するように、加振板108に面して設けられている。
ところで、自動車に搭載される防振装置においては、雨天時や洗車時に外部から水が侵入したり、あるいはまた、悪路走行時に砂や砂利、粉塵などの異物が侵入することがある。このような水や異物からアクチュエータを保護するために、下記特許文献1には、アクチュエータを、第2取付具の底部に設けられた収容空間内において、外部から密閉された状態に収容保持するための構成が提案されている。
特開2007−85407号公報
しかしながら、このようにアクチュエータを外部から密閉された状態に設けると、アクチュエータの収容空間の温度変化により、当該空間内の気圧が変化する。この場合に、上記特許文献1のように、加振板がアクチュエータの収容空間に面していると、気圧変化により加振板が軸心方向に変位してしまう。加振板が変位するということは、それに連結されたアクチュエータの可動軸も変位することを意味する。従って、気圧変化により、アクチュエータの可動軸が軸心方向における原点からずれてしまい、すなわち、可動軸と固定子との相対的な位置関係がずれてしまい、本来の駆動力を発生させることが難しくなる。
そこで、図4の比較例に示すように、加振板108とアクチュエータ109の間にダイヤフラム105を介在させ、ダイヤフラム105によりアクチュエータ109の収容空間113の室壁の一部を構成させることが考えられる。このように構成すれば、収容空間113内の気圧が変化したときに、ダイヤフラム105の変形によって当該気圧変化を吸収することで、加振板108の変位を抑えることが期待できる。
しかしながら、このようにダイヤフラム105の内側に加振板108を配置する場合、アクチュエータ109の可動軸110は、ダイヤフラム105を貫通した上で加振板108に対して連結するという構成が求められる。その際、図4に示すように、可動軸110の加振板108に対する連結部114に、そのままダイヤフラム105を結合してしまうと、次のような問題がある。すなわち、図4に示すように、ダイヤフラム105が中央の連結部114で加振板108と一体に結合されていると、収容空間113の気圧変化により、依然として加振板108が軸心方向に変位しやすい。そのため、このような構造では、収容空間113の温度変化による加振板108の変位を十分に防ぐことはできず、アクチュエータ109による本来の性能を常時発揮させることが困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、密閉されたアクチュエータの収容空間の温度変化による加振板の変位を抑えて、アクチュエータによる本来の性能を常時発揮させやすくすることができる能動型液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る能動型液封入式防振装置は、第1取付具と、第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす第1液室と、前記第1液室の室壁の別の一部をなしゴム状弾性支持部を介して前記第2取付具側に連結された加振板と、前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側に配されて前記加振板を加振駆動するための鉄心可動形の電磁石式アクチュエータと、前記アクチュエータを構成するものであって、前記第2取付具側に固定された固定子と、前記固定子に対して往復動可能に支持されるとともに前記加振板に連結されて前記加振板を往動及び復動の両方向に加振駆動する可動軸と、前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側において前記第2取付具側に連結して設けられたゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記加振板と前記ダイヤフラムの間に設けられて前記加振板と前記ダイヤフラムを室壁の一部とする第2液室と、前記第1液室と前記第2液室を連通させるオリフィス通路と、を備えるものである。そして、前記ダイヤフラムを挟んで前記第2液室と反対側に前記アクチュエータの収容空間が外部から密閉された状態に設けられ、前記可動軸が、前記ダイヤフラムを貫通した状態で前記ダイヤフラムと結合され、前記可動軸の前記ダイヤフラムとの結合部が、前記可動軸の前記加振板への連結部に対して前記可動軸の軸心方向に離隔して設けられ、前記ダイヤフラムが、前記軸心方向において前記加振板から離れる方向に膨らみ形成された外周側の谷部と、該谷部の内周側に連設され前記軸心方向において前記加振板に近づく方向に膨らみ形成された山部と、該山部の内周側に連設され前記加振板に平行に形成された平坦部とからなり、該平坦部の内周部で前記可動軸に結合されたものである。
上記構成によれば、アクチュエータの収容空間がダイヤフラムに面して設けられ、加振板には面していないことから、温度変化により収容空間内の気圧が変化しても、ダイヤフラムが変形することで該気圧変化を吸収することができ、加振板の変位を抑えることができる。特に、ダイヤフラムを貫通した上で加振板に連結される可動軸について、そのダイヤフラムとの結合部が、可動軸の加振板への連結部に対して軸心方向に離隔して設けられており、加振板とダイヤフラムが分離して設けられている。そのため、収容空間の気圧変化に対し、加振板とは独立してダイヤフラムのみを変形させやすく、該気圧変化をダイヤフラムにより効果的に吸収して加振板の変位を抑えることができる。
上記能動型液封入式防振装置においては、前記可動軸の外周面に固定された前記ダイヤフラムの内周面が、前記可動軸の軸心方向視で前記加振板の外形よりも小さく形成されていることが好ましい。このように可動軸周りにおけるダイヤフラムの可撓性膜部分を大きく設定することで、アクチュエータの収容空間の気圧変化に対してダイヤフラムをより変形しやすくして、その吸収効果を高めることができる。
上記能動型液封入式防振装置においては、前記可動軸の外周面に前記ダイヤフラムが加硫接着されることで結合されてもよい。これにより、連結部材等を別途設けることなく、可動軸とダイヤフラムとを結合することができる。
上記能動型液封入式防振装置においては、前記第2取付具が有底筒状をなして、前記第2取付具の開口部側に前記防振基体が固着され、前記第2取付具の軸心方向において、前記防振基体と対向して前記加振板が配設されるとともに、前記加振板と対向して前記ダイヤフラムが配設され、前記ゴム状弾性支持部が前記加振板を取り囲む環状をなして、前記ゴム状弾性支持部の外周部が前記第2取付具側に固定された環状部材の内周部に接着され、前記ゴム状弾性支持部の内周部が前記加振板の外周部に接着され、前記アクチュエータが前記第2取付具の底部側に密閉された状態に収容保持されて、前記可動軸が前記第2取付具の軸心方向に往復動可能に設けられ、前記可動軸の先端部に連結された前記加振板が前記第2取付具の軸心方向に加振するよう設けられてもよい。
本発明によれば、密閉されたアクチュエータ収容空間の温度変化による加振板の変位を抑えて、アクチュエータによる本来の性能を常時発揮させやすくすることができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は自動車のエンジンマウントとして組付けられる第1実施形態に係る能動型液封入式防振装置の断面図である。この液封入式防振装置は、エンジン側に取り付けられる上側の第1取付具10と、車体側のフレームに取り付けられる有底筒状をなす下側の第2取付具12と、両取付具10,12を連結するゴム状弾性体からなる防振基体14と、該防振基体14が室壁の一部をなす第1液室16と、第1液室16の室壁の別の一部をなす加振板18と、該加振板18を加振駆動して第1液室16の圧力を制御するアクチュエータ20と、室壁の一部がゴム膜からなるダイヤフラム22で形成された第2液室24と、第1液室16と第2液室24を連通させるオリフィス通路26と、を備えて構成されている。
第1取付具10は、上端部に径方向外方側に張り出したフランジ部10Aを有して下端ほど先細の略円錐台状に形成された金具であり、第2取付具12の軸心L上において第2取付具12の上部側に離間して配置されている。第1取付具10は、その上面にネジ穴10Bを有し、該ネジ穴10Bに不図示のボルトが螺合されることによりエンジン側のブラケット(不図示)に連結されるようになっている。
第2取付具12は、防振基体14が内周部に加硫接着された円筒状で金属製の筒状部材28と、アクチュエータ20を収容保持する有底円筒状で金属製の保持部材30とからなる。両部材28,30は、保持部材30の上端開口部から張り出したフランジ30Aを、筒状部材28の下端部からフランジ状に張り出したかしめ部28Aで包み込むようにかしめ固定することにより、一体に形成されている。
保持部材30は、その本体胴部を構成する円筒状の第1保持部材32と、底部を構成する皿状の第2保持部材34とからなり、第2保持部材34の上端開口部に第1保持部材32の下端部を圧入状態に内嵌させることで一体に形成されている。保持部材30の底部、すなわち第2保持部材34には、下向きに連結ボルト36が突設されており、該連結ボルト36によって車体側のフレーム(不図示)に連結するよう構成されている。
防振基体14は、下方ほど軸直角方向外方に広がる略傘状をなし、その上端部に第1取付具10の下面側が埋設された状態に加硫接着されている。また、防振基体14は、第2取付具12の上部開口部側に固着されており、詳細には、防振基体14の下端外周部が筒状部材28の上部内周面の全周に加硫接着されている。
加振板18は、円板状をなす金属部材であり、第2取付具12の軸心方向Xにおいて、防振基体14と対向して配置されている。加振板18は、その周りを取り囲む環状のゴム状弾性支持部38を介して第2取付具12側に連結されている。詳細には、第2取付具12の内周には、防振基体14から連なるシールゴム層40を介して、金属製の環状部材42が嵌着されている。ゴム状弾性支持部38は、その外周部が環状部材42の内周部の内向きフランジ部42Aに加硫接着されるとともに、内周部が加振板18の外周部18Aに加硫接着されており、これにより、加振板18がゴム状弾性支持部38を介して第2取付具12に支持されている。
ダイヤフラム22は、加振板18を挟んで第1液室16と反対側において第2取付具12に連結して設けられており、第2取付具12の軸心方向Xにおいて、加振板18と対向して配設されている。詳細には、ダイヤフラム22は、その外周部に環状の補強金具44が埋設され、この補強金具44の外周部が筒状部材28のかしめ部28Aにより保持部材30のフランジ30Aとともに一体に固定されることで、第2取付具12に連結固定されている。ダイヤフラム22は、補強金具44に関して上記軸心方向Xにおいて加振板18から離れる方向に膨らみ形成された外周側の谷部22Aと、補強金具44に関して上記軸心方向Xにおいて加振板18に近づく方向に膨らみ形成された内周側の山部22Bとからなる断面波形状に形成されている。
第1液室16は、第2取付具12の内側において、防振基体14の下面と加振板18の上面との間に形成された主液室(受圧室)である。また、第2液室24は、加振板18とダイヤフラム22の間に設けられて、これら加振板18とダイヤフラム22が室壁の一部をなす副液室(平衡室)である。従って、両液室16,24は加振板18により上下に仕切られており、すなわち、加振板18は両液室16,24を軸心方向Xに仕切る仕切壁として機能している。
第1液室16と第2液室24を連通させるオリフィス通路26は、上記環状部材42により第2取付具12の周方向に沿って設けられている。詳細には、環状部材42は、断面コの字状に外向きに開かれた周方向に延びる凹溝42Bを備え、該凹溝42Bにより第2取付具12の内周面との間でオリフィス通路26が形成されている。
アクチュエータ20は、鉄心可動形の電磁石式のリニアアクチュエータであり、加振板18を挟んで第1液室16と反対側に配されている。より詳細には、ダイヤフラム22を挟んで第2液室24と反対側にアクチュエータ収容空間46が設けられ、該収容空間46にアクチュエータ20が収容保持されている。アクチュエータ収容空間46は、ダイヤフラム22と第2取付具12の底部側に相当する上記保持部材30とにより区画形成されており、従ってダイヤフラム22に面して形成されている。また、ダイヤフラム22の第2取付具12に対する上記かしめ固定、及び保持部材30における第1保持部材32と第2保持部材34の固定一体化により、アクチュエータ収容空間46は外部から密閉された状態に設けられている。
アクチュエータ20は、第2取付具12に固定された固定子48と、該固定子48に対して往復動可能に支持されるとともに加振板18に連結されてこれを加振駆動する可動軸50とを備えて構成されている。かかるアクチュエータ20自体は、上記特許文献1に記載のものと同様の構成を持つものが用いることができる。
可動子50は、第2取付具12の軸心Lに沿って(図の例では同軸に)縦姿勢に配されており、その先端部50Aが加振板18の中央部に垂直に結合されて、該加振板18を軸心方向Xに加振するよう構成されている。可動子50の外周面には、電磁鋼板等の磁性金属よりなる多数の金属板を積層してなる可動子鉄心としての磁性材部52が固設されている。磁性材部52は、上記特許文献1のように1個のみ設けることもできるが、この例では軸心方向Xに離間して複数個(図では3個)が設けられている。また、可動軸50は、上下一対の弾性支持材である板バネ54を介して、固定子48に対して、軸心方向(上下方向)Xに往復動可能に、かつ軸心方向Xに位置決めした状態に支持されている。
固定子48は、上記第1保持部材32の内周面に嵌着固定されており、可動軸50の外周を同軸に取り囲む環状をなして、その中空部において可動軸50を軸心方向Xに往復動可能に支持している。詳細には、固定子48は、電磁鋼板等の磁性金属よりなる多数の環状の金属板を積層してなるヨーク56と、ヨーク56の中央部において磁性材部52を挟んで相対向するように両側より径方向内方に向かって突出する一対の磁極部58を有している。
磁性材部52に対向する固定子48の磁極部58の先端つまり内端には、可動軸50の往復動方向(上下方向)に隣合った状態で並んで可動軸50に対向する上下一対の円弧板状をなす永久磁石60,62が、それらの磁極が互いにNS交互の異極をなすように、前記往復移動方向と直交する方向(左右方向)に磁極を並べて、かつ互いの磁極(N極とS極)の並びが逆になる状態に配設されている。上下一対の永久磁石60,62は、この例では、磁性材部52に対応させて、軸心方向Xに3組並べて設けられている。
固定子48の一対の磁極部58には、それぞれその周りにコイル64を巻回、つまり前記往復動方向と直交する方向の軸心周りにコイル64を巻回して、前記一対の永久磁石60,62を通る磁束を発生可能に構成してある。この例では、一対の永久磁石60,62が、磁性材部52を挟んで対向する固定子48の一対の磁極部58の内端部にそれぞれ設けられており、両磁極部58それぞれの永久磁石60,62は、前記往復動方向と直交する方向で可動軸50を挟んで対向するとともに、この対向する磁極が互いに異極をなすように磁極の並びを左右で逆にして配設されている。
これによりアクチュエータ20は、コイル64に正方向の電流が流れると、コイル64に発生する起磁力の向きと上側の永久磁石60の起磁力の向きとが同一となって、起磁力が強まる。一方、下側の永久磁石62の起磁力の向きとコイル64の起磁力の向きが反対になって、両者の起磁力が相殺されて弱まる。その結果、磁性材部52に上向きの力が作用して、可動軸50は上昇する。また、コイル64に逆方向の電流が流れると、前記とは反対に、上側の永久磁石60の起磁力の向きと、コイル64の起磁力の向きとが反対になって磁束が相殺され起磁力が弱まるとともに、下側の永久磁石62の起磁力の向きと、コイル64の起磁力の向きとが同一になって、起磁力が強まる。これにより、磁性材部52に下向きの力が作用して、可動軸50は下降する。そのため、コイル64の電流の向きが正逆に交互に変わることで、可動軸50は上下に往復動する。
次に、可動軸50と加振板18及びダイヤフラム22との連結構造について説明する。
上記のように加振板18をダイヤフラム22の内側に配置したことにより、可動軸50は、ダイヤフラム22を貫通した状態でダイヤフラム22と結合された上で、その先端部50Aが加振板18に連結されている。
ここで、可動軸50の加振板18への連結部66は、可動軸50の先端部50Aに嵌め付けられたキャップ部材68の頂部68Aを、加振板18に設けられた凹設部70に嵌め入れることにより形成されている。可動軸50の先端部50Aはキャップ部材68に対し、例えば圧入することで固定される。また、凹設部70は、キャップ部材68の上面の小径状の頂部68Aを受け入れるように下向きに開かれた凹部であって、第1液室16側に張り出すように形成されている。そして、キャップ部材68の頂部68Aが、例えば圧入することで上記凹設部70に固定される。
一方、可動軸50のダイヤフラム22への結合部72は、可動軸50の外周面にダイヤフラム22を加硫接着することで形成されている。そして、このダイヤフラム22との結合部72は、可動軸50の加振板18への連結部66に対し、可動軸50の軸心方向Xにおいて離隔して設けられている。すなわち、ダイヤフラム22は、上記連結部66としてのキャップ部材68の外周面に固着されるのではなく、当該連結部66から軸心方向Xの下方に所定距離だけ離れた位置において、可動軸50の外周面に固着されている。
また、可動軸50の外周面に固定されたダイヤフラム22の内周面、即ち可動軸50が貫通する貫通孔部74の内周面は、可動軸50の軸心方向視で加振板18の外形よりも小さく形成されている。この例では、貫通孔部74と加振板18はともに円形であるため、貫通孔部74の口径が加振板18の外径よりも小に設定されている。また、ダイヤフラム22は、その外形がゴム状弾性支持部38の外形よりも大きく設定されている。この例では、ダイヤフラム22とゴム状弾性支持部38はその外形がともに円形であるため、ダイヤフラム22の外径がゴム状弾性支持部38の外径よりも大に設定されている。
なお、符号76は、コイル64に通電するための端子部である。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置であると、大振幅の低周波数振動が生じたときには、液体がオリフィス通路26を通って第1液室16と第2液室24との間で流通することにより、その液体流動効果によって振動を減衰することができる。
微振幅の高周波振動が生じたときには、不図示の制御部による制御によって、アクチュエータ20のコイル64に正弦波交流を流すことにより可動軸50を上下動させて、これに連結された加振板18に対して正弦波曲線の振動を与え、これにより第1液室16の圧力を制御する。例えば、エンジンからの振動によって第1取付具10が軸心方向Xに振動したとき、この振動に同期させて、第1取付具10の下方への変位による第1液室16の液圧上昇をいなすように加振板18を下方に変位させることで、車体側への振動伝達を低減することができる。
そして、特に本実施形態であると、アクチュエータ収容空間46がダイヤフラム22に面して設けられ、加振板18には面していないことから、温度変化により収容空間46内の気圧が変化しても、ダイヤフラム22が変形することで該気圧変化を吸収することができ、加振板18の変位を抑えることができる。
特に、ダイヤフラム22を貫通した上で加振板18に連結される可動軸50について、そのダイヤフラム22との結合部72が、加振板18への連結部66に対して軸心方向Xに離隔して設けられており、加振板18とダイヤフラム22が軸心方向Xに分離して設けられている。そのため、温度変化によるアクチュエータ収容空間46の気圧変化に対し、加振板18とは独立してダイヤフラム22のみを変形させやすい。よって、上記気圧変化をダイヤフラム22により効果的に吸収することができ、加振板18の変位抑制効果に優れる。
また、ダイヤフラム22の貫通孔部74の口径を加振板18の外径よりも小さく設定して、可動軸50周りにおけるダイヤフラム22の可撓性膜部分を大きく設定したことにより、アクチュエータ収容空間46の気圧変化に対してダイヤフラム22をより変形しやすくして、その吸収効果を高めることができる。
以上より、本実施形態によれば、密閉されたアクチュエータ収容空間46の温度変化による加振板18の変位(軸心方向Xでの位置ずれ)を効果的に抑制することができる。そのため、可動軸50の原点からの位置ずれを抑制して、可動軸50と固定子48との相対的な位置関係のずれを抑制することができる。よって、アクチュエータ収容空間46内の温度変化に影響されることなく、可動子50と固定子48との相対的な位置ずれを抑制して、アクチュエータ20の本来の性能を常時発揮させることができる。
また、上記実施形態によれば、可動軸50の外周面に直接、ダイヤフラム22を加硫接着させて結合したので、別途、連結部材等を設ける必要がなく、コストを低減することができる。
(第2実施形態)
図2は第2実施形態に係る能動型液封入式防振装置の断面図である。第2実施形態は、可動軸50の構成が第1実施形態とは異なる。
この例では、可動軸50は、加振板18及びダイヤフラム22に連結される上側の第1軸部80と、固定子48の内部に配される下側の第2軸部82とからなり、これら第1軸部80と第2軸部82とが磁石84,86により連結されている。詳細には、第1軸部80の下端には、円板状の第1連結面部88が設けられて、この第1連結面部88に永久磁石84が埋設されている。また、これに連結される第2軸部82の上端には、上記第1連結面部88を受け入れる周壁付きの第2連結面部90が設けられて、この第2連結面部90に、上記永久磁石84と互いに異極をなして対向する永久磁石86が埋設されている。
この実施形態であると、可動軸50を2部材化し、両者80,82を磁石84,86により連結固定するので、可動軸50の加振板18側と固定子48側との軸心のずれを吸収しやすく、製造作業性に優れる。なお、図2の例では、第1軸部80と第2軸部82の双方に磁石84,86を設けたが、磁石は少なくとも一方に設けていれば、その吸着作用により両軸部80,82を連結固定することができる。
第2実施形態につき、その他の構成及び作用効果は、第1実施形態と同じである。図2中、図1と同一符号を付した箇所は、同様の構成を有するものとして説明を省略する。
本発明は、エンジンマウントをはじめとする各種防振装置に利用することができ、例えば、サスペンションメンバと車体側のフレームとの間に設けられるマウントにも適用することができる。
第1実施形態に係る能動型液封入式防振装置の縦断面図 第2実施形態に係る能動型液封入式防振装置の縦断面図 従来例に係る能動型液封入式防振装置の縦断面図 比較例に係る能動型液封入式防振装置の縦断面図
符号の説明
10…第1取付具
12…第2取付具
14…防振基体
16…第1液室
18…加振板、18A…外周部
20…アクチュエータ
22…ダイヤフラム
24…第2液室
26…オリフィス通路
38…ゴム状弾性支持部
42…環状部材
46…アクチュエータ収容空間
48…固定子
50…可動軸、50A…先端部
66…可動軸の加振板への連結部
72…可動軸のダイヤフラムとの結合部
X…軸心方向

Claims (4)

  1. 第1取付具と、
    第2取付具と、
    前記第1取付具と前記第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、
    前記防振基体が室壁の一部をなす第1液室と、
    前記第1液室の室壁の別の一部をなしゴム状弾性支持部を介して前記第2取付具側に連結された加振板と、
    前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側に配されて前記加振板を加振駆動するための鉄心可動形の電磁石式アクチュエータと、
    前記アクチュエータを構成するものであって、前記第2取付具側に固定された固定子と、前記固定子に対して往復動可能に支持されるとともに前記加振板に連結されて前記加振板を往動及び復動の両方向に加振駆動する可動軸と、
    前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側において前記第2取付具側に連結して設けられたゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、
    前記加振板と前記ダイヤフラムの間に設けられて前記加振板と前記ダイヤフラムを室壁の一部とする第2液室と、
    前記第1液室と前記第2液室を連通させるオリフィス通路と、
    を備え、
    前記ダイヤフラムを挟んで前記第2液室と反対側に前記アクチュエータの収容空間が外部から密閉された状態に設けられ、
    前記可動軸が、前記ダイヤフラムを貫通した状態で前記ダイヤフラムと結合され、前記可動軸の前記ダイヤフラムとの結合部が、前記可動軸の前記加振板への連結部に対して前記可動軸の軸心方向に離隔して設けられ、
    前記ダイヤフラムが、前記軸心方向において前記加振板から離れる方向に膨らみ形成された外周側の谷部と、該谷部の内周側に連設され前記軸心方向において前記加振板に近づく方向に膨らみ形成された山部と、該山部の内周側に連設され前記加振板に平行に形成された平坦部とからなり、該平坦部の内周部で前記可動軸に結合された
    能動型液封入式防振装置。
  2. 前記可動軸の外周面に固定された前記ダイヤフラムの内周面が、前記可動軸の軸心方向視で前記加振板の外形よりも小さく形成された、
    請求項1記載の能動型液封入式防振装置
  3. 前記可動軸の外周面に前記ダイヤフラムが加硫接着されることで結合された、
    請求項1又は2記載の能動型液封入式防振装置。
  4. 前記第2取付具が有底筒状をなして、前記第2取付具の開口部側に前記防振基体が固着され、前記第2取付具の軸心方向において、前記防振基体と対向して前記加振板が配設されるとともに、前記加振板と対向して前記ダイヤフラムが配設され、
    前記ゴム状弾性支持部が前記加振板を取り囲む環状をなして、前記ゴム状弾性支持部の外周部が前記第2取付具側に固定された環状部材の内周部に接着され、前記ゴム状弾性支持部の内周部が前記加振板の外周部に接着され、
    前記アクチュエータが前記第2取付具の底部側に密閉された状態に収容保持されて、前記可動軸が前記第2取付具の軸心方向に往復動可能に設けられ、前記可動軸の先端部に連結された前記加振板が前記第2取付具の軸心方向に加振するよう設けられた、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の能動型液封入式防振装置。
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