JP2007057052A - 能動型液封入式防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】能動型液封入式防振装置において、可動子周りへの水や異物の侵入を防止する。
【解決手段】第1取付具10と第2取付具12を防振基体14で連結するとともに、該防振基体が室壁の一部をなす第1液室16と、該第1液室の室壁の別の一部をなす加振板24と、該加振板を加振駆動するアクチュエータ26を設けた能動型液封入式防振装置において、アクチュエータ26を、第2取付具12側に固定された固定子54と、加振板24に連結されてこれを加振駆動する可動子56とで構成し、固定子56を、可動子56の外周を取り囲む環状として可動子を軸方向に往復動可能に支持させる。そして、第2取付具12に固定子54の上下面54a,54bにそれぞれ当接するシール手段106,108を設け、これらシール手段を固定子の上下面に全周にわたって当接させて、該当接部100よりも内側の空間102を固定子の外周空間104に対してシールする。
【選択図】 図1
【解決手段】第1取付具10と第2取付具12を防振基体14で連結するとともに、該防振基体が室壁の一部をなす第1液室16と、該第1液室の室壁の別の一部をなす加振板24と、該加振板を加振駆動するアクチュエータ26を設けた能動型液封入式防振装置において、アクチュエータ26を、第2取付具12側に固定された固定子54と、加振板24に連結されてこれを加振駆動する可動子56とで構成し、固定子56を、可動子56の外周を取り囲む環状として可動子を軸方向に往復動可能に支持させる。そして、第2取付具12に固定子54の上下面54a,54bにそれぞれ当接するシール手段106,108を設け、これらシール手段を固定子の上下面に全周にわたって当接させて、該当接部100よりも内側の空間102を固定子の外周空間104に対してシールする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内部液室の圧力を制御することで防振効果を高める形式の能動型液封入式防振装置に関するものである。
能動型液封入式防振装置は、一般に、第1取付具と、第2取付具と、これらを連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、該防振基体が室壁の一部をなす第1液室と、室壁の一部がゴム膜からなるダイヤフラムで形成された第2液室と、両液室を連通させるオリフィス通路と、第1液室の室壁の別の一部をなす加振板と、該加振板を加振駆動して第1液室の圧力を制御するアクチュエータとを備えて構成されている。そして、例えば、自動車にエンジンマウントとして組付けられ、第1液室の圧力をアクチュエータを介して制御することで、振動を相殺的に抑制したり、入力振動に応じてバネ特性を積極的に変更してマウントの低動バネ化を図る等して優れた振動抑制効果を得ている。
かかる能動型液封入式防振装置として、本出願人は、構造の簡素化を図ることができ、しかも出力を大きくでき、かつ部品数を少なくして小型化にも寄与することができる防振装置を提供することを目的として、加振板に連結した軸部材を固定子に関して軸方向に往復動可能な可動子の一部として構成した鉄心可動形のアクチュエータを設け、固定子のコイルを励磁して、軸部材を往動行程と復動行程とのいずれの行程も駆動して加振板を加振するようにしたものを提案している(下記特許文献1参照)。
一方、自動車に搭載される防振装置においては、雨天時や洗車時に外部から水が侵入したり、あるいはまた、悪路走行時に砂や砂利、粉塵などの異物が侵入することがある。かかる異物の侵入を防止するために、防振装置にシールゴムを設けることが提案されている(下記特許文献2,3参照)。
特開2005−155899号公報
特開2004−92757号公報
特開2002−81488号公報
上記のように自動車に搭載される防振装置においては水や異物が侵入することがあるが、特にアクチュエータを備えるタイプにおいて、水や異物が侵入すると、可動子やコイルが損傷するおそれがあり、とりわけ可動子と固定子の間に隙間が存在するリニアアクチュエータでは、この隙間に異物が侵入することで、誤動作の要因となったり、可動子のスムーズな動きが阻害されるなど、リニアアクチュエータの耐久性を損なうおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、特に自動車の防振装置として好適な能動型液封入式防振装置において、可動子やコイルへの水や異物の侵入を防止して、耐久性に優れるものを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る能動型液封入式防振装置は、第1取付具と、第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす第1液室と、前記第1液室の室壁の別の一部をなす加振板と、前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側に配されて前記加振板を加振駆動するアクチュエータとを備える能動型液封入式防振装置であって、前記アクチュエータが、前記第2取付具側に固定された固定子と、前記加振板に連結されて該加振板を加振駆動する可動子とを備えてなり、前記固定子が、前記可動子の外周を取り囲む環状をなして、前記可動子を軸方向に往復動可能に支持しており、前記第2取付具が、前記固定子の軸方向における両端面にそれぞれ当接するシール手段を備え、前記シール手段が、前記固定子の前記端面に全周にわたって当接して、該当接部よりも内側の空間を前記固定子の外周空間に対してシールしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、固定子の軸方向両端面に対し、シール手段を全周にわたって当接させて、当接部よりも内側の可動子を含む空間を、固定子の外周空間に対してシールしたので、可動子周りへの水や異物の侵入を防止することができる。
請求項2に係る能動型液封入式防振装置は、上記構成において、前記第2取付具が、前記防振基体に結合される第2取付具本体と、前記アクチュエータを収容保持する保持部材とからなり、前記保持部材が、前記第2取付具本体に結合される筒状の上側部材と、前記固定子が収容固定される有底筒状をなして上端部が前記上側部材に外嵌固定される下側部材とを備え、前記固定子の上側の端面に当接する前記シール手段が、前記上側部材の下端から内向きに延設された環状延設部と、該環状延設部の先端に全周にわたって設けられて前記固定子の上側の端面に当接する上側シールゴムとからなり、前記固定子の下側の端面に当接する前記シール手段が、前記下側部材の底面から上方に延設された筒状延設部と、該筒状延設部の先端に全周にわたって設けられて前記固定子の下側の端面に当接する下側シールゴムとからなるものである。このように構成することで、可動子周りへの水や異物の侵入を確実に防止することができる。
請求項3に係る能動型液封入式防振装置は、上記構成において、前記可動子が、前記加振板に連結される軸部材と、前記軸部材の外周面に設けられた磁性材部とを備え、前記固定子が、前記磁性材部に対向するように径方向内方に向かって突出する磁極部を有し、該磁極部には、軸方向に隣合って異極をなす少なくとも一対の永久磁石が配されるとともに、該磁極部の周りにコイルが装着されてなり、前記コイルの励磁により発生する起磁力と前記各永久磁石のそれぞれの起磁力との組み合わせにより、前記可動子を軸方向に往復動させるように構成されたものである。このような鉄心可動形のアクチュエータを用いたことにより、可動子の往復動により発生する力の立ち上がりの遅れをなくすることができ、迅速かつスムーズな可動子の駆動制御が可能となる。また、鉄心可動形のために、部品点数の増加を抑制しながら、かつ、外径を大きくすることなく、大きな出力を得ることができる。
本発明によれば、第1液室の室壁の一部をなす加振板を加振駆動する可動子と、該可動子を中空部において軸方向に往復動可能に支持する固定子とからなるリニアアクチュエータを用いた液封入式防振装置において、固定子の軸方向両端面に対し、シール手段を全周にわたって当接させて、当接部よりも内側の可動子を含む空間を、固定子の外周空間に対してシールしたので、可動子周りへの水や異物の侵入を防止することができ、自動車などに搭載される能動型液封入式防振装置において耐久性を向上することができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は自動車のエンジンマウントとして組付けられる実施形態の能動型液封入式防振装置の断面図、図2〜5は該防振装置に用いるアクチュエータの図である。
この液封入式防振装置は、エンジン側に取り付けられる第1取付具10と、車体側のフレームに取り付けられる筒状の第2取付具12と、両取付具10,12を連結するゴム状弾性体からなる防振基体14と、該防振基体14が室壁の一部をなす第1液室16と、室壁の一部がゴム膜からなるダイヤフラム18で形成された第2液室20と、第1液室16と第2液室20を連通させるオリフィス通路22と、第1液室16の室壁の別の一部をなす加振板24と、該加振板24を加振駆動して第1液室16の圧力を制御するアクチュエータ26とを備えて構成されている。
第1取付具10は、径方向外方側に張り出したフランジ部10aを有して全体として略コマ状をなしており、第2取付具12の軸L上において第2取付具12の上部側に離間して配置されている。第1取付具10は、その軸芯部に上方に開口するネジ穴10bを有し、該ネジ穴10bに不図示のボルトが螺合されることによりエンジン側のブラケット1に連結されるようになっている。
第2取付具12は、防振基体14が内周部に加硫接着された円筒状の第1筒金具28と、加振板24が内周部に加硫接着された環状金具30と、ダイヤフラム18の下端部が加硫接着された円筒状の第2筒金具32とからなる第2取付具本体27と、アクチュエータ26を収容保持する保持部材34とからなる。そして、第1筒金具28の下端部から張り出したフランジ28aと、環状金具30の外周縁部と、保持部材34の上端部から張り出したフランジ34aとを、この順に上から重ね合わせ、これらを第2筒金具32の下端部から張り出したフランジ32aで包み込むように当該フランジ32aを折曲してかしめ固定することで、第2取付具12は一体に形成されている。
保持部材34は、上端部に上記フランジ34aを有して第2取付具本体27に結合される円筒状の上側部材36と、後述する固定子54が収容固定される有底筒状をなす下側部材40とからなり、両者は下側部材40の上端部40aが上側部材36に外嵌することで一体化されている。下側部材40の側面には複数の支持ブラケット38が固設されており、該支持ブラケット38に車体側のフレームに締結する連結ボルト42が圧入固着されている。
防振基体14は、略傘状をなし、その上端部に第1取付具10の下面側が埋設された状態に加硫接着されている。また、防振基体14は、第2取付具12の上部側に固着されており、詳細には、防振基体14の下端外周部が第2取付具12の上端部に位置する第1筒金具28の内周面部の全周に加硫接着されている。
加振板24は、円板状をなし、第2取付具12の軸方向において防振基体14と対向して配置されている。加振板24は、円板状の加振金具44と、該加振金具44の外周部に加硫接着された環状の加振支持ゴム46と、加振金具44の中央部に設けられた円柱状の結合部48とからなる。加振支持ゴム46は、その外周部が上記環状金具30の内周部に加硫接着されており、これにより、加振板24は、加振支持ゴム46を介して第2取付具12に支持されている。
ダイヤフラム18は、防振基体14の外周側で該防振基体14を覆うように第1取付具10と第2取付具12とにわたって設けられている。詳細には、ダイヤフラム18は、その上端部がリング状金具50に加硫接着され、また、下端部が第2筒金具32に加硫接着されている。前記リング状金具50の下面には、前記ダイヤフラム18から連続して延びるゴムによりシール用凸条52が全周にわたって設けられており、鉄製のリング状金具50をアルミニウム製の第1取付具10の上端部に対して圧入により外嵌して取り付ける際に、該凸条52を第1取付具10のフランジ部10aの上面に押し付けることで、リング状金具50と第1取付具10との隙間をシールするように構成されている。
上記第1液室16は、第2取付具12の内側において、防振基体14の下面と加振板24の上面との間に形成されている。また、第2液室20は、防振基体14の外周面とダイヤフラム18との間に形成されており、このように防振基体14の外周側に設けることにより、後記の可動子56には加振板24を連結するだけですみ、加振板や可動子の周りの部品点数を少なくすることができる。第1液室16と第2液室20を連通させるオリフィス通路22は、第2取付具12の周方向に沿って設けられている。詳細には、上記第1筒金具28の下部側が径方向内方側に凸状に屈曲形成されることで、その外周側に第2筒金具32との間でオリフィス通路22となる溝部が周方向に延びて形成されている。このオリフィス通路22は、周方向の一端部が第1開口22aを介して第1液室16に接続され、周方向の他端部が第2開口22bを介して第2液室20に接続されている。
上記アクチュエータ26は、鉄心可動形の電磁石式のリニアアクチュエータであり、加振板24を挟んで第1液室16と反対側に配されている。アクチュエータ26は、第2取付具12に固定された固定子54と、該固定子54に対して軸方向に往復動可能に支持されるとともに加振板24に連結されてこれを加振駆動する可動子56とを備えてなる。
可動子56は、第2取付具12の軸Lに沿って(図の例では同軸に)縦姿勢に配されるとともに先端のネジ部56aが加振板24の結合部48に螺合により結合される軸部材58と、電磁鋼板等の磁性金属よりなる多数の金属板を積層してなる可動子鉄心としての磁性材部60とを備えてなり、磁性材部60は軸部材58の軸方向中間部における外周面に固設されている。
固定子54は、可動子56の外周を同軸に取り囲む環状をなして、その中空部において可動子56を軸方向に往復動可能に支持するものである。詳細には、固定子54は、電磁鋼板等の磁性金属よりなる多数の環状の金属板を積層してなるヨーク62と、該ヨーク62の中央部において磁性材部60を挟んで相対向するように両側より径方向内方に向かって突出する磁極部64,64を有している。
可動子56は、上下一対の弾性支持部材である板バネ66,66を介して、固定子54に対して上下方向に往復動可能に支持されている。板バネ66は、後記のコイル部分を迂回するように一部が内方へくびれた角形の変形リング状に形成され、磁性材部60の上下に間隔を保有して位置している。
可動子56の軸部材58は、この実施形態では、上下の板バネ66,66の間隔を規定するスペーサとなるパイプ部材58aと、該パイプ部材58aに貫挿される本体部分58bとからなり、パイプ部材58aの上端に上側の板バネ66が当接配置され、本体部分58bの上端部に外嵌されたリング部材58cとの間で前記上側の板バネ66が挟持されている。また、パイプ部材58aの下端に下側の板バネ66が当接配置され、本体部分58bの下端部に外嵌されたリング部材58dを介してナット58eを締め付けることで、上下の板バネ66,66が可動子56に対して軸方向に位置決めした状態で固定されている。一方、固定子54に対しては、上下の板バネ66,66は、ヨーク62を挟んで締結固定するボルト67,67による締結部分に固定されており、ヨーク62と板バネ66との間に配した円筒状のスペーサ90で軸方向に位置決めした状態に固定されている。なお、固定子54は、該ボルト67により、保持金具34の下側部材40の底面に固定されている。
磁性材部60に対向する固定子54の磁極部64,64の先端つまり内端には、可動子56の往復動方向(上下方向)に隣合った状態で並んで可動子56に対向する上下一対の円弧板状をなす永久磁石68,70が、それらの磁極が互いにNS交互の異極をなすように、前記往復移動方向と直交する方向(左右方向)に磁極を並べて、かつ互いの磁極(N極とS極)の並びが逆になる状態に配設されている。なお、上側の永久磁石68の上端から下側の永久磁石70の下端までの長さは、磁性材部60の上下方向(軸方向)の長さよりも長くなっている。
そして、固定子54の一対の磁極部64,64には、それぞれその周りにコイル72,72を巻回、つまり前記往復動方向と直交する方向(図3の左右方向)の軸心周りにコイル72,72を巻回して、前記一対の永久磁石68,70を通る磁束を発生可能に構成してある。図の場合は、一対の永久磁石68,70が、磁性材部60を挟んで対向する固定子54の二つの磁極部64,64の内端部にそれぞれ設けられており、両磁極部64,64それぞれの永久磁石68,70は、前記往復移動方向と直交する方向で可動子56を挟んで対向するとともに、この対向する磁極が互いに異極をなすように磁極の並びを左右で逆にして配設されている。
図3に示すように、前記一対のコイル72,72は互いに接続されている。図3,4に示すように、この実施形態では、右側の上下一対の永久磁石68,70のうち上側の永久磁石68は、磁性材部60と対向する面側がN極、反対面側がS極であり、下側の永久磁石70は、磁性材部60と対向する面側がS極、反対面側がN極である。左側の一対の永久磁石68,70のうち上側の永久磁石68は、磁性材部60と対向する面側がS極、反対側がN極であり、下側の永久磁石70は、磁性材部60と対向する面側がN極、反対側がS極である。図3,4において、白抜きの左右方向を向いた矢印は永久磁石68,70の起磁力の向きを表す。この起磁力は上側では左側を向き、下側では右側を向いている。
上記の構成により、コイル72への非通電時は、左右の磁極部64,64における永久磁石68,70による磁束が該両磁石に対向する磁性材部60の部分を通じて短絡している。そして、図4に示すように、コイル72に正方向の電流が流れると、コイル72に矢印方向の起磁力が発生し、その結果、上側の永久磁石68の起磁力の向きと、コイル72の起磁力の向き(図4の矢印)とが同一になって、磁石の磁束が合成されて起磁力が強まり、他方、下側の永久磁石70の起磁力の向きと、コイル72の起磁力の向きとが反対になって、両者の起磁力が相殺されて弱まる。その結果、磁性材部60に上向きの力(白抜きの矢印で示してある)が作用して、可動子56は上昇する。
また、図5に示すように、コイル72に逆方向の電流(負電流)が流れると、前記とは反対に、上側の永久磁石68の起磁力の向きと、コイル72の起磁力の向きとが反対になって磁束が相殺され起磁力が弱まるとともに、下側の永久磁石70の起磁力の向きと、コイル72の起磁力の向きとが同一になって、この下側で磁石の磁束が合成されて起磁力が強まる。これにより、磁性材部60に下向きの力(白抜きの矢印で示してある)が作用して、可動子56は下降する。そして、前記コイル72の電流の向きが正逆に交互に変わることで、可動子56は上下に往復動する。
このような構成を持つ防振装置において、本実施形態のものでは、固定子54の軸方向における両端面、即ち上面54a及び下面54bに対し、それぞれ全周にわたって当接して、該当接部100よりも内側の空間102を固定子54の外周空間104に対してシールする上下のシール手段106,108が設けられている。これらシール手段106,108は、第2取付具12の保持部材34に設けられている。
詳細には、固定子54の上面54aに当接する上側のシール手段106は、上側部材36の下端から軸直角方向内向きに延設された環状延設部110と、該環状延設部110の先端(内方端)に全周にわたって設けられて固定子54の上面54aに当接する上側シールゴム112とからなる。一方、固定子54の下面54bに当接する下側のシール手段108は、下側部材40の底面から上方に延設された筒状延設部114と、該筒状延設部114の先端(上端)に全周にわたって設けられて固定子54の下面54bに当接する下側シールゴム116とからなる。筒状延設部114は、この実施形態では、下側部材40の底面に固設された皿状部材118の側壁として構成されており、上方ほど広がる逆テーパ筒状をなしており、先端は外向きにフランジ状に折曲されて、このフランジ状の先端部に下側シールゴム116が設けられている。上側及び下側シールゴム112,116は、この例では上記延設部110,114にそれぞれ加硫接着されているが、加硫接着することなく、別体のシールゴム112,116を各延設部110,114に嵌め込んで取り付けることもできる。
これらのシール手段106,108の成形性を考慮して、本実施形態では、図2に示されるように固定子54の外形が円形状に形成されており、そのため、シールゴム112,116によるシール部(当接部100)も円形状となるように構成されている。但し、固定子54を角形環状として、その外形形状に沿ってシールゴム112,116を当接させるように構成してもよい。
本実施形態のアクチュエータ26では、また、コイル72への水や薬品の侵入を防止するため、各コイル72の外周が合成樹脂のモールド成形により形成された被覆体74で覆われている。すなわち、コイル72は磁極部64に外嵌された樹脂製ボビン76に巻装され、合成樹脂のモールド成形により、コイル72及び樹脂製ボビン76の外周を合成樹脂製被覆体74で覆うことで構成されている。そして、このように樹脂モールド化された一対のコイル72,72は、また、図2に示すように、上記モールド成形により同時に成形された複数の棒状の連結部80を介して一体に連結されており、そのうちの一部の連結部80に、両コイル72,72を互いに電気的に接続する配線82が埋設されている。これにより、部品点数の削減および組立性の向上が図れる。また、被覆体74の下面には、コイル72に接続された接続端子部84が、上記モールド成形によって外方に突出した状態に形成されている。
このように2つのコイル72,72を一体に成形したため、この実施形態では、上記固定子54が周方向において分割された2つの半円形状の固定子部分86,86からなり、両者を組み合わせることで可動子56の外周を取り囲む円形環状をなすように構成されている。各固定子部分86は、同一形状を有し、それぞれ中央部に上記磁極部64を備え、磁極部64の付け根部に軸方向に貫通した貫通孔88が設けられている。そして、アクチュエータ26を組み立てる際には、一体にモールド成形された左右のコイル72,72間に可動子56を配した状態で、図2に示すように、コイル72,72の両側から、各中空部76aに対し、一対の固定子部分86,86のそれぞれの磁極部64,64を差し込んで、固定子54にコイル72,72を組付け、次いで、円筒状のスペーサ90を介して上下に板バネ66,66を重ねて、ボルト67を固定子54の貫通孔88と板バネの左右の貫通孔92に貫通させて締結すればよい。
なお、図1において、符号120は、コイル72の接続端子部84のためのパッキンであり、該接続端子部84を保持部材34の底面から外部に露出させるための貫通孔122の周りで、保持部材34の底面と接続端子部84との間をシールしている。
また、符号124は、可動子56の下端と保持部材34の底面との接触による異音を防止するために上記皿状部材118の中心部に設けられた緩衝ゴムである。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置であると、可動鉄心形のアクチュエータ26を用いてコイル72に正弦波交流を流すことにより可動子56を上下動させることができ、これに連結された加振板24に対して正弦波曲線の振動を与えて、第1液室16の圧力を制御することができる。また、互いに異極をなす一対の永久磁石68,70のそれぞれの起磁力の向きと、コイル72に生じる起磁力との組み合わせにより、比較的コンパクトな装置でありながら、大きな出力が得られる。
また、本実施形態であると、上記シール手段106,108を設けたので、可動子56を含む内側の空間102が固定子54の外周空間104に対して密閉され、可動子56周りへの水や異物の侵入を防止することができる。特に、上記リニアアクチュエータ26では、可動子56の磁性材部60と固定子54の磁極部64との間に微小な隙間が存在し、この隙間に異物が侵入すると、誤動作の要因となったり、可動子のスムーズな動きが阻害される等のおそれがあるが、上記シール手段106,108を設けたことにより、かかる不具合を解消して、リニアアクチュエータ26の耐久性を向上することができる。
なお、本発明は、エンジンマウントには限られず、種々の使用が可能であり、例えば、サスペンションメンバと車体側のフレームとの間に設けられるマウントにも適用することができる。更に、液封入式防振装置の本体構造についても、図示する構造をなすものには限られず、種々変更して実施できる。
10…第1取付具、12…第2取付具、14…防振基体、16…第1液室、24…加振板、26…アクチュエータ、27…第2取付具本体、34…保持部材、36…上側部材、40…下側部材、40a…上端部、54…固定子、54a…上面(固定子の上側の端面)、54b…(固定子の下側の端面)、56…可動子、58…軸部材、60…磁性材部、64…磁極部、68,70…永久磁石、72…コイル、100…当接部、102…内側の空間、104…外周空間、106…上側のシール手段、108…下側のシール手段、110…環状延設部、112…上側シールゴム、114…筒状延設部、116…下側シールゴム
Claims (3)
- 第1取付具と、第2取付具と、前記第1取付具と第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす第1液室と、前記第1液室の室壁の別の一部をなす加振板と、前記加振板を挟んで前記第1液室と反対側に配されて前記加振板を加振駆動するアクチュエータとを備える能動型液封入式防振装置であって、
前記アクチュエータが、前記第2取付具側に固定された固定子と、前記加振板に連結されて該加振板を加振駆動する可動子とを備えてなり、前記固定子が、前記可動子の外周を取り囲む環状をなして、前記可動子を軸方向に往復動可能に支持しており、
前記第2取付具が、前記固定子の軸方向における両端面にそれぞれ当接するシール手段を備え、前記シール手段が、前記固定子の前記端面に全周にわたって当接して、該当接部よりも内側の空間を前記固定子の外周空間に対してシールしたことを特徴とする能動型液封入式防振装置。 - 前記第2取付具が、前記防振基体に結合される第2取付具本体と、前記アクチュエータを収容保持する保持部材とからなり、前記保持部材が、前記第2取付具本体に結合される筒状の上側部材と、前記固定子が収容固定される有底筒状をなして上端部が前記上側部材に外嵌固定される下側部材とを備え、
前記固定子の上側の端面に当接する前記シール手段が、前記上側部材の下端から内向きに延設された環状延設部と、該環状延設部の先端に全周にわたって設けられて前記固定子の上側の端面に当接する上側シールゴムとからなり、
前記固定子の下側の端面に当接する前記シール手段が、前記下側部材の底面から上方に延設された筒状延設部と、該筒状延設部の先端に全周にわたって設けられて前記固定子の下側の端面に当接する下側シールゴムとからなることを特徴とする請求項1記載の能動型液封入式防振装置。 - 前記可動子は、前記加振板に連結される軸部材と、前記軸部材の外周面に設けられた磁性材部とを備え、
前記固定子は、前記磁性材部に対向するように径方向内方に向かって突出する磁極部を有し、該磁極部には、軸方向に隣合って異極をなす少なくとも一対の永久磁石が配されるとともに、該磁極部の周りにコイルが装着されてなり、前記コイルの励磁により発生する起磁力と前記各永久磁石のそれぞれの起磁力との組み合わせにより、前記可動子を軸方向に往復動させるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の能動型液封入式防振装置。
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- 2005-08-25 JP JP2005245069A patent/JP2007057052A/ja active Pending
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