JP5059559B2 - レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 - Google Patents

レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5059559B2
JP5059559B2 JP2007292380A JP2007292380A JP5059559B2 JP 5059559 B2 JP5059559 B2 JP 5059559B2 JP 2007292380 A JP2007292380 A JP 2007292380A JP 2007292380 A JP2007292380 A JP 2007292380A JP 5059559 B2 JP5059559 B2 JP 5059559B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
dicing sheet
laser dicing
laser
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007292380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008166728A (ja
Inventor
陽輔 佐藤
洋司 若山
直紀 田矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2007292380A priority Critical patent/JP5059559B2/ja
Publication of JP2008166728A publication Critical patent/JP2008166728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5059559B2 publication Critical patent/JP5059559B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/70Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components formed in or on a common substrate or of parts thereof; Manufacture of integrated circuit devices or of parts thereof
    • H01L21/77Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components or integrated circuits formed in, or on, a common substrate
    • H01L21/78Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components or integrated circuits formed in, or on, a common substrate with subsequent division of the substrate into plural individual devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/36Removing material
    • B23K26/40Removing material taking account of the properties of the material involved
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/50Inorganic material, e.g. metals, not provided for in B23K2103/02 – B23K2103/26

Description

本発明は、レーザー光でワークをダイシングしてチップ化する際にワークを固定するために好適に用いられるレーザーダイシングシート、および、該レーザーダイシングシートを用いて好適に行われるチップ体の製造方法に関する。
レーザーダイシングは、ブレードダイシングでは切断困難なワークも切断可能である場合があり、近年特に注目されている。そのようなレーザーダイシングに用いられるレーザーダイシングシートの一例は本出願人によって開示されている(特許文献1)。
レーザーダイシングにおいては、ダイシングシート上に固定されたワークにレーザー光を走査してワークを切断(ダイシング)している。この際、レーザー光の焦点は、次のように移動している。すなわち、ワークが貼付されていないダイシングシート表面(ワークの外縁部)から加速し、ワーク表面を一定速度で走査し、ワークの他方の外縁部で減速、停止する。その後、進行方向を反転し、加速後、ワーク表面を走査し、再度減速、停止、反転する。
したがって、レーザー光焦点の移動における加速・減速時には、ワークが貼付されていないダイシングシートの端部に直接レーザー光が照射されている。この際、レーザー光がダイシングシートを透過し、チャックテーブルを損傷するという問題が発生することがあった。さらに、レーザー光によって加熱されたチャックテーブルに接するダイシングシートの面が溶融し、チャックテーブルに融着するという問題が発生することもあった。
これらの問題を回避するために、厚いダイシングシートを用いて、ワークとチャックテーブル表面との距離を長くする手法がとられた(特許文献2)。この手法を用いれば、チャックテーブルに到達したレーザー光は焦点が合っておらず、したがってエネルギー密度が低いため、チャックテーブルの損傷には至らない。また、上記したダイシングシートの融着の問題も起こらない。しかし、基材が厚いため、ダイシング後のエキスパンドが困難になることがあった。
また、特許文献3には、ウレタンアクリレート系オリゴマー等の硬化性樹脂を製膜・硬化して得られる基材(以下、「ポリウレタンアクリレートフィルム」とよぶことがある)上に粘着剤層を設けてなるダイシングシートが開示されている。しかし、特許文献3では、ブレードダイシングへの適用が意図されており、上述したようなレーザーダイシングに特有の課題は認識されていない。
ポリウレタンアクリレートフィルムは、架橋密度が高いため、レーザー光の直射を受けてもフィルムが受ける損傷は比較的軽微であることが期待される。また、エキスパンド性も良好であるため、ダイシング後にエキスパンドし、チップ間隔を離間することも容易である。このため、上記のようなレーザーダイシングシートの基材として、ポリウレタンアクリレートフィルムを使用することが検討される。
しかし、ポリウレタンアクリレートフィルムをダイシングシートの基材として使用した場合、次のような問題点が懸念される。
通常、エキスパンド工程後、チップをピックアップした後、ダイシングシートはリングフレームに張設された状態で、回収カセットに収納され回収される。回収後、ダイシングシートを除去し、リングフレームは洗浄工程等を経て再使用される。エキスパンドによりダイシングシートは延伸されているため、リングフレームからダイシングシートが垂れ下がった状態にある。この状態では、たるんだダイシングシートが、回収カセットに収納される他のリングフレームやシートに接触するため、回収カセットへの収納が円滑に行われない。
例えば、ポリウレタンアクリレートフィルムはエキスパンド性に優れるものの、形状復元性に劣る。
したがって、ポリウレタンアクリレートフィルムは、レーザーダイシングシートの基材として優れた性質が期待されるものの、形状復元性に難点があり、実用化の障害となっていた。
特開2002−343747号公報 特開2006−245487号公報 特開2002−141306号公報
本発明は上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものである。すなわち、本発明は、レーザーダイシングにおいて、レーザー光によるダイシングシートの切断、チャックテーブルの損傷およびダイシングシートのチャックテーブルへの融着を防止しうるレーザーダイシングシートおよびそれを用いたレーザーダイシング法によるチップ体の製造方法を提供することを目的としている。特に、本発明は、レーザーダイシングにおいて優れた性質が期待されるポリウレタンアクリレートフィルムを使用した基材のエキスパンド後の形状復元性を改善することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムとからなる基材と、該基材のポリウレタンアクリレートフィルム表面に形成された粘着剤層とからなるレーザーダイシングシート。
(2)基材を構成するポリウレタンアクリレートフィルムが、エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーとエネルギー線硬化性モノマーとを含有する配合物にエネルギー線を照射して得られる硬化物である(1)に記載のレーザーダイシングシート。
(3)エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーが、ポリエーテル型ウレタンアクリレート系オリゴマーである(2)に記載のレーザーダイシングシート。
(4)ポリエーテル型ウレタンアクリレート系オリゴマーのエーテル結合部が、アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-:ただしRはアルキレン基であり、nは2〜200の整数)である(3)に記載のレーザーダイシングシート。
(5)アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-)のアルキレン基Rが、炭素数1〜6のアルキレン基である(4)に記載のレーザーダイシングシート。
(6)アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-)のアルキレン基Rが、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはテトラメチレンである(5)に記載のレーザーダイシングシート。
(7)形状復元性フィルムの応力除去後の歪み復元率が、80〜100%である(1)〜(6)の何れかに記載のレーザーダイシングシート。
(8)形状復元性フィルムが、ポリオレフィンフィルムである(7)に記載のレーザーダイシングシート。
(9)ポリオレフィンフィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、軟質化ポリプロピレンフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルムまたはエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルムである(8)に記載のレーザーダイシングシート。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のレーザーダイシングシートの粘着剤層にワークを貼付し、
レーザー光によりワークを個片化してチップを作製し、
レーザーダイシングシートをエキスパンドしてチップ間隔を離間し、
チップをピックアップする、チップ体の製造方法。
本発明においては、基材の最上層としてポリウレタンアクリレートフィルムを用いているため、基材にレーザー光が照射されても、基材の受ける損傷は小さく切断されない。また基材は損傷を受けなくとも基材を透過してチャックテーブルにまで到達する光量は低減される。この結果、レーザーダイシングにおいて、レーザー光によるダイシングシートの切断、チャックテーブルの損傷およびダイシングシートのチャックテーブルへの融着が防止され、レーザーダイシングによるチップ体の製造工程が円滑に行われるようになる。また、基材の構成層として、ポリウレタンアクリレートフィルムに加えて形状復元性フィルムを使用しているため、シートのエキスパンド後の形状復元性が改善され、リングフレームの回収を円滑に行えるようになる。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。本発明に係るダイシングシートは、基材と、その上に形成された粘着剤層とからなる。
基材は、ポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムとからなる。
基材の構成層のひとつであるポリウレタンアクリレートフィルムは、ポリウレタンアクリレートを主たる構成成分とする樹脂フィルムである。ポリウレタンアクリレートフィルムは、エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーとエネルギー線硬化性モノマーとを含有する配合物を製膜後、これにエネルギー線を照射して得られる硬化物が好ましい。
エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーは、たとえばポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物とを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる。
ポリオール化合物は、アルキレンジオール、ポリエーテル型ポリオール、ポリエステル型ポリオール、ポリカーボネート型ポリオールの何れであってもよいが、ポリエーテル型ポリオールを用いることで、より良好な効果が得られる。また、ポリオールであれば特に限定はされず、2官能のジオール、3官能のトリオールであってよいが、入手の容易性、汎用性、反応性などの観点から、ジオールを使用することが特に好ましい。したがって、ポリエーテル型ジオールが好ましく使用される。
ポリエーテル型ジオールは、一般にHO-(-R-O-)n-Hで示される。ここで、Rは2価の炭化水素基、好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数2または3のアルキレン基である。また、炭素数1〜6のアルキレン基の中でも好ましくはエチレン、プロピレン、ブチレンまたはテトラメチレン、特に好ましくはエチレンまたはプロピレンである。また、nは好ましくは2〜200,さらに好ましくは10〜100である。したがって、特に好ましいポリエーテル型ジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールがあげられ、さらに特に好ましいポリエーテル型ジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールがあげられる。
ポリエーテル型ジオールは、多価イソシアナート化合物との反応により、エーテル結合部(-(-R-O-)n-)を誘導し、末端イソシアナートウレタンプレポリマーを生成する。このようなエーテル結合部は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環反応によって誘導される構造であってもよい。
多価イソシアナート化合物としては、たとえば4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアナートなどが用いられ、特に好ましくは4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート好ましく用いられる。
次いで、末端イソシアナートウレタンプレポリマーとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させて、ウレタンアクリレート系オリゴマーが得られる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、たとえば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどが用いられ、特に2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレートが用いられる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、一般式:Z−(Y−(X−Y)m)−Zで示される(ここで、Xはポリエーテル型ジオールにより誘導される構成単位であり、Yはジイソシアナートから誘導される構成単位であり、Zはヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートから誘導される構成単位である)。上記一般式においてmは、好ましくは1〜200、さらに好ましくは1〜50となるように選択される。
得られるウレタンアクリレート系オリゴマーは、分子内に光重合性の二重結合を有し、エネルギー線照射により重合硬化し、皮膜を形成する性質を有する。
本発明で好ましく用いられるウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、1000〜50000、さらに好ましくは2000〜40000の範囲にある。上記のウレタンアクリレート系オリゴマーは一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。上記のようなウレタンアクリレート系オリゴマーのみでは、製膜が困難な場合が多いため、本発明では、エネルギー線硬化性のモノマーで稀釈して製膜した後、これを硬化してフィルムを得る。エネルギー線硬化性モノマーは、分子内にエネルギー線重合性の二重結合を有し、特に本発明では、比較的嵩高い基を有するアクリルエステル系化合物が好ましく用いられる。
このようなウレタンアクリレート系オリゴマーを稀釈するために用いられるエネルギー線硬化性のモノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの脂環式化合物、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノールエチレンオキシド変性アクリレートなどの芳香族化合物、もしくはテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの複素環式化合物が挙げられる。また必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを用いてもよい。このようなエネルギー線硬化性モノマーは単独で、あるいは複数を組合せて用いても良い。
上記エネルギー線硬化性モノマーは、ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、好ましくは5〜900重量部、さらに好ましくは10〜500重量部、特に好ましくは30〜200重量部の割合で用いられる。
基材を構成するポリウレタンアクリレートフィルムは、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエネルギー線硬化性モノマーを含む配合物を製膜、硬化して得られる。この際、該配合物に光重合開始剤を混入することにより、エネルギー線照射による重合硬化時間ならびにエネルギー線照射量を少なくすることができる。このような光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィノキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロールアントラキノンなどが挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエネルギー線硬化性モノマーの合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.3〜5重量部である。
また、上述の配合物中には、炭酸カルシウム、シリカ、雲母などの無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラーを添加してもよい。さらに、上記成分の他にも、基材には顔料や染料等の着色剤等の添加物が含有されていてもよい。
製膜方法としては、流延製膜(キャスト製膜)と呼ばれる手法が好ましく採用できる。具体的には、液状の配合物(硬化前の樹脂、樹脂の溶液等)を、たとえば工程シート上に薄膜状にキャストした後に、塗膜に紫外線、電子線などのエネルギー線を照射して重合硬化させてフィルム化する。このような製法によれば、製膜時に樹脂にかかる応力が少なく、フィッシュアイの形成が少ない。また、膜厚の均一性も高く、厚み精度は、通常2%以内になる。
上記のポリウレタンアクリレートフィルムは、後述する形状復元性フィルムと積層されて基材を構成する。基材のポリウレタンアクリレートフィルム上に粘着剤層が形成されて本発明のレーザーダイシングシートとなる。
基材の上面、すなわち粘着剤層が設けられるポリウレタンアクリレートフィルム表面には、粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、エチレン酢酸ビニル共重合体等によりプライマー層を設けてもよい。
本発明のレーザーダイシングシートにおいて、ポリウレタンアクリレートフィルムの厚みは本発明の解決手段としては特に制限はないが、作業性などの面から、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜200μmである。ポリウレタンアクリレートフィルムは、単層であってもよく、また同種または異種のポリウレタンアクリレートフィルムの積層フィルムであってもよい。
形状復元性フィルムは、ある程度のエキスパンド性を有し、エキスパンド後にエキスパンド前の形状に近く復元する性質を有するフィルムである。そのような性質は下記に式で表すことができる。ここで、応力除去後の歪み復元率は、好ましくは90〜100%、さらに好ましくは、95〜100%である。
応力除去後の歪み復元率(%)=(l−l)/(l−l) ×100
:初期の長さ
:伸長した長さ
:復元後の長さ
このような形状復元性フィルムとしては、具体的には低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、軟質化ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、非延伸ポリプロピレン、エチレンプ-ロピレン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、アイオノマー、フッ素樹脂等からなるフィルムが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には特に低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、軟質化ポリプロピレン、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等からなるフィルムが好ましい。
本発明のダイシングシートにおいて、形状復元性フィルムの厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜300μm、特に好ましくは30〜200μmである。形状復元性フィルムは、単層であってもよく、また同種または異種の形状復元性フィルムの積層フィルムであってもよい。
フィルムの積層、すなわちポリウレタンアクリレートフィルム同士の積層、形状復元性フィルム同士の積層およびポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムとの積層は、公知の方法で行われ、たとえば接着剤、粘着剤を介した積層であってもよく、またドライラミネーションによる積層であってもよい。
なお、後述する粘着剤層を紫外線硬化型粘着剤により構成する場合には、基材の構成層(ポリウレタンアクリレートフィルムおよび形状復元層)は紫外線に対して透明である必要がある。
本発明に係るレーザーダイシングシートは、上記基材と、該基材のポリウレタンアクリレートフィルム上に形成された粘着剤層とからなる。
粘着剤層は、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。
エネルギー線硬化(紫外線硬化、電子線硬化)型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。このようなエネルギー線硬化型粘着剤の具体例は、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に記載されている。また、水膨潤型粘着剤としては、たとえば特公平5−77284号公報、特公平6−101455号公報等に記載のものが好ましく用いられる。
粘着剤層の厚さは、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは3〜80μm、特に好ましくは5〜50μmである。なお、粘着剤層には、その使用前に粘着剤層を保護するために剥離シートが積層されていてもよい。
剥離シートは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなるフィルムまたはそれらの発泡フィルムや、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙に、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤で剥離処理したものを使用することができる。
基材表面に粘着剤層を設ける方法は、剥離シート上に所定の膜厚になるように塗布し形成した粘着剤層を基材表面に転写しても構わないし、基材表面に直接塗布して粘着剤層を形成しても構わない。
次に、本発明のレーザーダイシングシートを使用したチップ体の製造方法について説明する。
本発明のチップ体の製法では、上記レーザーダイシングシートの粘着剤層にワークを貼付し、ワーク表面をレーザー光で走査し、ワークを切断してチップ体を得る。このようなレーザーダイシング方法自体は公知である。レーザーダイシングにおいては、レーザー光の焦点は、次のように移動している。すなわち、ワークが貼付されていないダイシングシートの露出表面(ワークの外縁部)から加速し、ワーク表面を一定速度で走査し、ワークの他方の外縁部で減速、停止する。その後、進行方向を反転し、加速後、再度ワーク表面を走査し、再度減速、停止、反転する。通常は、ひとつのダイシングラインあたり、1〜複数回程度のレーザー光走査を行う。
レーザー光焦点の移動における加速・減速時には、ワークが貼付されていないダイシングシートの端部に直接レーザー光が照射されている。この際、レーザー光がダイシングシートを切断することがあった。また、レーザー光がダイシングシートを透過し、チャックテーブルを損傷するという問題が発生することがあった。さらに、レーザー光によって加熱されたチャックテーブルに接するダイシングシートの面が溶融し、チャックテーブルに融着するという問題が発生することもあった。
しかし、本発明においては、レーザーダイシングシートの基材の構成層として、上述したポリウレタンアクリレートフィルムを使用することで、上記の課題を解決している。すなわち、本発明のレーザーダイシングシートを使用した場合、たとえレーザー光がレーザーダイシングシートに直接照射されても、基材は、レーザー光による損傷を受けにくいことが確認された。具体的には、基材の最上層であるポリウレタンアクリレートフィルム表面の一部分がレーザー光により切り込まれるのみであり、基材が切断されることがない。また、高いエネルギーをもったレーザー光が基材を透過してチャックテーブルに至ることもなく、レーザーダイシングシートの融着も確認されなかった。
レーザーダイシングを終えた後、レーザーダイシングシートをエキスパンドして、チップ間隔を広げる。チップ間隔を広げることで、チップ同士の接触による損傷が低減される。その後、チップをピックアップして取り出し、チップ体を得る。なお、粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤からなる場合は、必要に応じて、ピックアップ前に紫外線照射を行う。紫外線硬化型粘着剤は、紫外線の照射により重合硬化し、粘着力が低下するため、チップのピックアップを円滑に行えるようになる。
チップをピックアップした後、ダイシングシートはリングフレームに張設された状態で、回収カセットに収納され回収される。回収後、ダイシングシートを除去し、リングフレームは洗浄工程等を経て再使用される。エキスパンドによりダイシングシートは延伸されているため、形状復元性の低いダイシングシートは、リングフレームから垂れ下がった状態となる。この状態では、たるんだダイシングシートが回収カセットに収納される際に、他のリングフレームやシートに接触するため、回収カセットへの収納が円滑に行われない。例えば、ポリウレタンアクリレートフィルムはエキスパンド性に優れるものの、形状復元性に劣る。
しかし、本発明では、基材の構成層として、ポリウレタンアクリレートフィルムに加えて上記した形状復元性フィルムが含まれているため、ダイシングシートの垂れ下がりを簡便に解消できる。この結果、回収カセットへのリングフレームの収納が円滑になり、チップ体の生産効率が向上する。
本発明において適用可能なワークとしては、レーザー光によって切断処理を実施することができる限り、その素材に限定はなく、たとえば半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、FPC等の有機材料基板、又は精密部品等の金属材料など種々の物品を挙げることができる。
レーザーは、波長及び位相が揃った光を発生させる装置であり、YAG(基本波長=1064nm)、もしくはルビー(基本波長=694nm)などの固体レーザー、又はアルゴンイオンレーザー(基本波長=1930nm)などの気体レーザーおよびこれらの高調波などが知られており、本発明ではそれらの種々のレーザーを用いることができる。
本発明においては、基材の最上層としてポリウレタンアクリレートフィルムを用いているため、基材にレーザー光が照射されても、基材の受ける損傷は小さく、また基材を透過してチャックテーブルにまで到達する光量は低減される。この結果、レーザーダイシングにおいて、レーザー光によるチャックテーブルの損傷およびダイシングシートのチャックテーブルへの融着が防止され、レーザーダイシングによるチップ体の製造工程が円滑に行われるようになる。また、基材の構成層として、ポリウレタンアクリレートフィルムに加えて形状復元性フィルムを使用しているため、シートのエキスパンド後の形状復元性が改善され、リングフレームの回収を円滑に行えるようになる。
(実施例)
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[形状復元性フィルムの応力除去後の歪み復元率]
形状復元性フィルムの応力除去後の歪み復元率は、以下の条件で行った。
応力除去後の歪み復元率(%)=(l−l)/(l−l) ×100
:初期の長さ
:伸長した長さ
:復元後の長さ
フィルムを長さ140mm×幅15mm(厚さは実施例で用いられる厚さ)に切断し、23℃湿度65%の環境下で、掴み幅が100mm(l)になるように引張り試験機に固定し、200mm/minの速度で掴み幅が150mm(l)になるまで伸長し、1分間保持した。その後、引張り試験機から外し、5分間静置した後にフィルムの長さ(l)を測定した。
基材がポリウレタンアクリレートフィルムまたは形状復元性フィルムのどちらかしかない場合、並びに、形状復元性フィルムに代えて別のフィルムを用いた場合には、そのフィルムの復元率を測定した。
なお、以下の実施例および比較例において、粘着剤として下記組成物を用いた。
[粘着剤組成物(1)]
ブチルアクリレート84重量部、メチルメタクリレート10重量部、アクリル酸1重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート5重量部からなる共重合体(重量平均分子量700,000)のトルエン30重量%溶液に対し、多価イソシアナート化合物(コロネートL(日本ポリウレタン社製))3重量部を混合し粘着剤組成物(1)を得た。
[粘着剤組成物(2)]
ブチルアクリレート90重量部、アクリル酸10重量部からなる共重合体(重量平均分子量600,000)のトルエン30重量%溶液に対し、多価イソシアナート化合物(コロネートL(日本ポリウレタン社製))1重量部を混合し粘着剤組成物(2)を得た。
また、レーザーダイシング条件およびダイシング結果の評価法を以下に示す。
[レーザーダイシング条件(1)]
・ 装置 :Nd−YAGレーザー
・ チャックテーブル材質:石英
・ 波長 :355nm(第3高調波)
・ 出力 :5.5W
・ 繰り返し周波数 :10kHz
・ パルス幅 :35nsec
・ 照射回数 :2回/1ライン
・ カット速度 :200mm/sec
・ デフォーカス量 :テープ表面上から+50μm(ウエハの表面上に焦点)
・ ウエハ材質 :シリコン
・ ウエハ厚 :50μm
・ ウエハサイズ :6インチ
・ カットチップサイズ :5mm□
・ ウエハの外にレーザーが走査する距離:5mm
[レーザーダイシング条件(2)]
・ 装置 :Nd−YAGレーザー
・ チャックテーブル材質:石英
・ 波長 :355nm(第3高調波)
・ 出力 :8W
・ 繰り返し周波数 :10kHz
・ パルス幅 :35nsec
・ 照射回数 :8回/1ライン
・ カット速度 :150mm/sec
・ デフォーカス量 :テープ表面上から+100μm(ウエハの表面上に焦点)
・ ウエハ材質 :シリコン
・ ウエハ厚 :100μm
・ ウエハサイズ :6インチ
・ カットチップサイズ:5mm□
・ ウエハの外にレーザーが走査する距離:5mm
[切込深さ評価]
レーザーダイシングが終了した後にカットラインを断面観察し、粘着剤層を含むシート表面からの切込深さを計測した(観察部位はウエハが貼られていない、レーザーが直射される部分)。切断されてしまったものは「切断」と表記した。
[チャックテーブルの損傷]
レーザーダイシングが終了した後にテーブル表面を目視で観察し、損傷がないか確認した。テーブルに損傷がなかったものを「なし」とし、損傷があったものを「あり」とした。
[チャックテーブルへの融着]
レーザーダイシング後にレーザーダイシング装置内臓の搬送機構でダイシングテーブルからレーザーダイシングシート付きのウエハを取り出す際、搬送に問題がなかったものを融着「なし」とし、レーザーダイシングシートがテーブルに熱融着してスムーズな搬送が困難だったものを融着「あり」とした。
[エキスパンド性]
ウエハが貼られていないダイシングシートを23℃湿度65%の環境でNECマシナリー社製ダイボンダーCSP-100VXを用いて引き落とし量10mmでエキスパンドを試みた。エキスパンド可能であったものを「良好」、基材フィルムが強靭であるために装置が停止またはリングフレームからレーザーダイシングシートが脱落したものを「不良」とした。
[復元性]
エキスパンド状態で1分間保持し、装置から取り外し、5分間静置(23℃、65%RH)した後、図1に示すように、リングフレームの下面に定義される平面と、レーザーダイシングシートとの最大距離(以下「たるみ量」)を計測した。たるみ量が8mm以下であるものを「良好」、8mmを超えるものを「不良」とした。
(実施例1)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート(H12MDI)および下記式で示されるポリエステルポリオール(Polyol:分子量826)を、2HEA:H12MDI:Polyol=2:4:3のモル比で用意した。始めにH12MDIとポリエステルポリオールとを反応させ、得られた反応生成物に、2HEAを付加させることでウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
Figure 0005059559
次いで、ウレタンアクリレート系オリゴマー50重量部と、エネルギー線硬化性モノマー(イソボルニルアクリレート)50重量部と、光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア184)3重量部とを混合し、塗膜形成用のコーティング液を得た。
上記コーティング液をファウンテンダイ方式により、シリコーン剥離処理を行ったポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製SP-PET3801)上に厚みが50μmとなるように塗工して樹脂組成物層を形成した。塗工直後に、樹脂組成物層の上に、同じシリコーン剥離処理を行ったPETフィルムをラミネートし、その後、高圧水銀ランプを用いて、照度250mW/cm2、光量600mJ/cm2の条件でエネルギー線(紫外線)照射を行うことにより樹脂組成物層を架橋・硬化させて、厚さ50μmのポリウレタンアクリレートフィルムを得た。
両面に積層された剥離フィルムは、後述する粘着剤層を転写する前に剥離した。
別に、粘着剤組成物(1)を、シリコーン剥離処理を行ったPETフィルム(リンテック社製SP-PET3801)上に乾燥膜厚が10μmとなるように塗布乾燥(100℃、1分間)し、PETフィルム上に粘着剤層(1)を形成した。
また別に、粘着剤組成物(2)を、シリコーン剥離処理を行ったPETフィルム(リンテック社製SP-PET3801)上に乾燥膜厚が10μmとなるように塗布乾燥(100℃、1分間)し、粘着剤層を60μm厚の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(形状復元性フィルム)上に転写して、粘着剤層(2)と直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとの積層体を得た。
剥離フィルムを剥離したポリウレタンアクリレートフィルムの片面に、PETフィルム上の粘着剤層(1)を積層し、他面に直鎖状低密度ポリエチレンフィルム上の粘着剤層(2)を積層して、PETフィルム/粘着剤層(1)/ポリウレタンアクリレートフィルム/粘着剤層(2)/直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの層構成を有するレーザーダイシングシートを得た。
粘着剤層(1)上のPETフィルム(リンテック社製SP-PET3801)を剥離して、50μm厚のシリコンウエハを貼付し「レーザーダイシング条件(1)」の条件でレーザーダイシングを行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)およびポリプロピレングリコール(PPG:重量平均分子量2,000)を、2HEA:IPDI:PPG=2:5:4のモル比で用意した。始めにIPDIとPPGとを反応させ、得られた反応生成物に、2HEAを付加させることでウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
次いで、ウレタンアクリレート系オリゴマー50重量部と、エネルギー線硬化性モノマー(イソボルニルアクリレート)50重量部と、光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製ダロキュア1173)0.5重量部とを混合し、塗膜形成用のコーティング液を得た。
以下、得られたコーティング液を用いて実施例1と同様にしてポリウレタンアクリレートフィルムを製造した。
上記ポリウレタンアクリレートフィルムを用い、また形状復元性フィルムとして、厚さ60μmのエチレン-メタクリル酸共重合体フィルム(メタクリル酸共重合体比率9重量%)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行いレーザーダイシングシートを得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
「レーザーダイシング条件(2)」の条件でレーザーダイシングを行った以外は実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムの積層フィルムに代えて、基材として厚さ100μmのエチレン-メタクリル酸共重合体フィルム(メタクリル酸共重合体比率9重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムの積層フィルムに代えて、基材として厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
形状復元性フィルムとしてのエチレン-メタクリル酸共重合体フィルム(メタクリル酸共重合体比率9重量%)を積層せず、ポリウレタンアクリレートフィルムの厚さを100μmに変更した以外は実施例2と同様の操作を行いレーザーダイシングシートを得た。結果を表1に示す。
(比較例4)
形状復元性フィルムに代えて、厚さ50μmの実施例1のポリウレタンアクリレートフィルムを用いた以外は実施例2と同様の操作を行いレーザーダイシングシートを得た。結果を表1に示す。
(比較例5)
形状復元性フィルムに代えて、厚さ50μmのPETフィルムを用いた以外は実施例2と同様の操作を行いレーザーダイシングシートを得た。結果を表1に示す。
Figure 0005059559
※基材がポリウレタンアクリレートフィルムまたは形状復元性フィルムのどちらかしかない場合、並びに、形状復元性フィルムに代えて別のフィルムを用いた場合には、そのフィルムの復元率を測定した。
実施例1〜3のレーザーダイシングシートは、切断されることもなく、チャックテーブルの損傷およびチャックテーブルへの融着もみられなかった。また、エキスパンド性および復元性も良好であった。比較例1および2のレーザーダイシングシートは、ポリウレタンアクリレートフィルムからなる層を有していないので、チャックテーブルの損傷およびチャックテーブルへの融着がみられた。比較例3のレーザーダイシングシートは、形状復元性フィルムからなる層を有しないので復元性が不良であった。比較例4のレーザーダイシングシートは、本発明の形状復元性フィルムからなる層を有しないので復元性が不良であった。比較例2および5のレーザーダイシングシートは、本発明の形状復元性フィルムからなる層を有しないのでレーザーダイシングシートがリングフレームから脱落しエキスパンドができなかった。
実施例において評価した「たるみ量」を説明する図面である。

Claims (8)

  1. ポリウレタンアクリレートフィルムと形状復元性フィルムとからなる基材と、該基材のポリウレタンアクリレートフィルム表面に形成された粘着剤層とからなり、
    前記形状復元性フィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、軟質化ポリプロピレンフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルムまたはエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルムであるレーザーダイシングシート。
  2. 基材を構成するポリウレタンアクリレートフィルムが、エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーとエネルギー線硬化性モノマーとを含有する配合物にエネルギー線を照射して得られる硬化物である請求項1に記載のレーザーダイシングシート。
  3. エネルギー線硬化性ウレタンアクリレート系オリゴマーが、ポリエーテル型ウレタンアクリレート系オリゴマーである請求項2に記載のレーザーダイシングシート。
  4. ポリエーテル型ウレタンアクリレート系オリゴマーのエーテル結合部が、アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-:ただしRはアルキレン基であり、nは2〜200の整数)である請求項3に記載のレーザーダイシングシート。
  5. アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-)のアルキレン基Rが、炭素数1〜6のアルキレン基である請求項4に記載のレーザーダイシングシート。
  6. アルキレンオキシ基(-(-R-O-)n-)のアルキレン基Rが、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはテトラメチレンである請求項5に記載のレーザーダイシングシート。
  7. 形状復元性フィルムの応力除去後の歪み復元率が、80〜100%である請求項1〜6の何れかに記載のレーザーダイシングシート。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のレーザーダイシングシートの粘着剤層にワークを貼付し、
    レーザー光によりワークを個片化してチップを作製し、
    レーザーダイシングシートをエキスパンドしてチップ間隔を離間し、
    チップをピックアップする、チップ体の製造方法。
JP2007292380A 2006-12-05 2007-11-09 レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 Active JP5059559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007292380A JP5059559B2 (ja) 2006-12-05 2007-11-09 レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006328612 2006-12-05
JP2006328612 2006-12-05
JP2007292380A JP5059559B2 (ja) 2006-12-05 2007-11-09 レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008166728A JP2008166728A (ja) 2008-07-17
JP5059559B2 true JP5059559B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=39476332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007292380A Active JP5059559B2 (ja) 2006-12-05 2007-11-09 レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8174130B2 (ja)
JP (1) JP5059559B2 (ja)
KR (1) KR101366464B1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5603757B2 (ja) * 2009-12-04 2014-10-08 リンテック株式会社 レーザーダイシング用粘着シート及び半導体装置の製造方法
KR101883648B1 (ko) 2011-05-17 2018-07-31 린텍 코포레이션 필름 및 점착 시트
JP5480415B1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-23 古河電気工業株式会社 半導体ウェハ加工用粘着テープ
KR101508688B1 (ko) 2013-05-14 2015-04-08 세계화학공업(주) 탄석 필름층이 형성된 내열 레이저 가공용 표면 보호용 점착테이프
RU2016143340A (ru) * 2014-04-07 2018-05-08 Авери Деннисон Корпорейшн Композиции для удаляемых наклеек
KR20230066116A (ko) * 2016-06-30 2023-05-12 린텍 가부시키가이샤 반도체 가공용 시트
JP6088701B1 (ja) * 2016-10-06 2017-03-01 株式会社きもと レーザーダイシング用補助シート

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3558564A (en) * 1969-03-27 1971-01-26 Du Pont Thermosetting coating composition of an organic polyisocyanate and a polymer having pendant hydroxyl containing ester groups
US4555535A (en) * 1984-03-07 1985-11-26 E. I. Du Pont De Nemours And Company Acrylic polyurethane coating composition
JPH0616524B2 (ja) 1984-03-12 1994-03-02 日東電工株式会社 半導体ウエハ固定用接着薄板
JPS60223139A (ja) 1984-04-18 1985-11-07 Nitto Electric Ind Co Ltd 半導体ウエハ固定用接着薄板
JPH0712631B2 (ja) 1992-03-23 1995-02-15 株式会社リコー 射出成形金型およびその射出成形方法
JPH06101455A (ja) 1992-09-18 1994-04-12 Honda Motor Co Ltd 内燃エンジンの触媒劣化検知装置
JP3177149B2 (ja) * 1996-03-15 2001-06-18 リンテック株式会社 粘着テープ用基材、該基材を用いた粘着テープ、および該基材の製造方法
JPH10337823A (ja) * 1997-04-11 1998-12-22 Lintec Corp 基材および該基材を用いた粘着テープ
US7641966B2 (en) * 1999-06-14 2010-01-05 Nitto Denko Corporation Re-release adhesive and re-release adhesive sheet
JP2001207140A (ja) * 2000-01-26 2001-07-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体ウエハ加工用粘着シート
JP2002141306A (ja) * 2000-11-02 2002-05-17 Lintec Corp ダイシングシート
JP4886937B2 (ja) * 2001-05-17 2012-02-29 リンテック株式会社 ダイシングシート及びダイシング方法
WO2004037878A2 (en) * 2002-10-22 2004-05-06 Henkel Corporation Co-curable compositions
JP2005236082A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Nitto Denko Corp レーザーダイシング用粘着シート及びその製造方法
JP4027332B2 (ja) * 2004-03-19 2007-12-26 リンテック株式会社 半導体用粘接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP4369280B2 (ja) * 2004-04-12 2009-11-18 グンゼ株式会社 ダイシングシ−ト用基体フイルム
JP4574234B2 (ja) * 2004-06-02 2010-11-04 リンテック株式会社 半導体加工用粘着シートおよび半導体チップの製造方法
JP4165467B2 (ja) * 2004-07-12 2008-10-15 セイコーエプソン株式会社 ダイシングシート、半導体装置の製造方法
JP2006093368A (ja) 2004-09-24 2006-04-06 Furukawa Electric Co Ltd:The ウエハ固定用粘着テープおよびダイシング方法
JP4873863B2 (ja) * 2005-01-14 2012-02-08 日東電工株式会社 レーザー加工品の製造方法及びレーザー加工用粘着シート
JP4476848B2 (ja) 2005-03-07 2010-06-09 リンテック株式会社 レーザーダイシングシートおよびレーザーダイシング方法
JP2006261467A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Furukawa Electric Co Ltd:The ウエハ貼着用貼着シートおよびウエハの加工方法
US20090261084A1 (en) * 2006-12-05 2009-10-22 Lintec Corporation Laser Dicing Sheet and Manufacturing Method For Chip Body
US8114520B2 (en) * 2006-12-05 2012-02-14 Lintec Corporation Laser dicing sheet and process for producing chip body
JP4994895B2 (ja) * 2007-03-09 2012-08-08 リンテック株式会社 粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
KR101366464B1 (ko) 2014-02-21
JP2008166728A (ja) 2008-07-17
US20080132034A1 (en) 2008-06-05
KR20080052505A (ko) 2008-06-11
US8174130B2 (en) 2012-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102191706B1 (ko) 마스크 일체형 표면 보호 테이프 및 그것을 이용하는 반도체 칩의 제조 방법
JP5059559B2 (ja) レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法
JP6018730B2 (ja) ダイシングシートおよび半導体チップの製造方法
KR101215157B1 (ko) 레이저 다이싱 시트 및 칩 보디의 제조 방법
JP4994895B2 (ja) 粘着シート
JP2010177542A (ja) 帯電防止性粘着シート
JP6035325B2 (ja) ワーク加工用シート基材およびワーク加工用シート
JP5367990B2 (ja) レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法
KR20180132620A (ko) 마스크 일체형 표면 보호 테이프
JP5059558B2 (ja) レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法
US8114520B2 (en) Laser dicing sheet and process for producing chip body
JP5009659B2 (ja) ダイシングシートおよびチップ体の製造方法
JP5314308B2 (ja) レーザーダイシング・ダイボンド兼用シートおよびチップ複合体の製造方法
KR102188284B1 (ko) 마스크 일체형 표면 보호 테이프
JP6058534B2 (ja) フィルムおよび粘着シート
KR100323949B1 (ko) 자외선 경화형 점착제 조성물 및 반도체 웨이퍼 가공용점착시트
JP5225710B2 (ja) レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法
JP5225711B2 (ja) レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法
JP5314307B2 (ja) レーザーダイシング・ダイボンド兼用シートおよびチップ複合体の製造方法
JP6190134B2 (ja) ダイシングシート用基材フィルム、ダイシングシート、ダイシングシート用基材フィルムの製造方法およびチップ状部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120615

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5059559

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250