JP5058253B2 - 防眩性光透過性ハードコートフィルム - Google Patents
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Description
従来、防眩性光透過性ハードコートフィルムは、視認性の向上を目的とした高精細品が好まれたが、近年では高精細品化に加えて画像上の黒色をより黒く表示可能な高コントラスト化が求められている。
この提案では、最表層のクリア硬化樹脂層を設けることで、適度な表面粗さにすることができ、画像上の黒色をより黒く表示することは可能であるが、防眩性が不十分であるという問題点があった。
また、本発明は、上記防眩性光透過性ハードコートフィルムにおいて、(B)層中の微粒子Bの平均粒径が0.005〜1μmである防眩性光透過性ハードコートフィルムを提供するものである。
また、本発明は、上記防眩性光透過性ハードコートフィルムにおいて、(A)層及び/又は(B)層中の少なくとも1種の微粒子が、導電性微粒子である防眩性光透過性ハードコートフィルムを提供するものである。
また、本発明は、上記防眩性光透過性ハードコートフィルムにおいて、(B)層積層後の表面の中心線平均粗さRa(B)を0.1〜0.5μmである防眩性光透過性ハードコートフィルムを提供するものである。
また、本発明は、上記防眩性光透過性ハードコートフィルムにおいて、(B)層の膜厚が2.5〜5μmある防眩性光透過性ハードコートフィルムを提供するものである。
光透過性基材フィルムの表面は、易接着処理を施してもよい。易接着処理としては、特に制限ないが、例えば、コロナ放電処理や、光透過性基材フィルムの樹脂と同一成分の低分子量の樹脂ポリマー層を設けること等が挙げられる。例えば、光透過性基材フィルムがポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂)であるときは、低分子量の樹脂ポリマーとしては、低分子量のポリエステル(例えば、エチレンテレフタレートオリゴマー)が挙げられる。
また、本発明においては、上記(A)層の硬化樹脂層の表面に、(B)層としての微粒子Bを分散させた活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物の硬化樹脂層が形成されている。
(B)層に使用される微粒子Bの平均粒径は、(A)層に使用される微粒子Aの平均粒径未満である。(B)層に使用される微粒子Bの平均粒径の方が大きいと、(A)層の表面の凹凸の谷部を埋めることができないので、(B)層の表面の凹凸がさらに大きくなり、色目を改善することができない。
前記のとおり、微粒子Aが配合された(A)層、及び微粒子Bが配合された(B)層を積層することにより形成された防眩性光透過性ハードコートフィルムの最表面は、大きくなだらかな凹凸面と細かい凹凸面を併せ持つものとなる。結果、光の散乱をコントロールすることができ、映りこみがなく、防眩性を有し、かつ、色目が改善された防眩性光透過性ハードコートフィルムが得られる。
さらに、(B)層積層後の表面の凹凸の最大高さRz(B)は、0.10〜2.70μmであることが好ましく、0.5〜2.50μmであることがより好ましく、1.00〜2.00μmであることがさらに好ましい。色目の改善と防眩性の付与を両立するためには、上記範囲のRz(B)であることが好ましい。
ポリエステルアクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、又は多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。紫外線を使用する場合は、硬化性組成物には、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系などの公知の光重合開始剤を用いることができ、また、オリゴマー型光重合開始剤を用いることもできる。
光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明においては、積層された(A)層と(B)層の合計膜厚が、1〜10μmであり、2〜8.5μmが好ましく、3〜7μmが特に好ましい。積層された(A)層と(B)層の合計膜厚が1μm未満であると、酸素などにより活性エネルギー線硬化型重合性化合物の硬化阻害が発生し、ハードコート性を得ることが困難である。積層された(A)層と(B)層の合計膜厚が10μmを超えると、ハードコート性は良好であるものの、カールが発生したり、透明性等の光学特性に悪影響を与える可能性がある。
(A)層の厚さは、通常1〜9μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜6μmがさらに好ましい。
(B)層の厚さは、0.5〜5μmであり、1〜4μmがより好ましく、1.5〜3.5μmがさらに好ましい。
(B)層の厚さが0.1μm未満であると、(A)層の表面の凹凸の谷部を適度に埋めることができず、色目改善の効果が乏しいことがある。また、(B)層の厚さが5μmを超えると、防眩性が低下することがある。
また、硬化性組成物には、抗菌剤を含ませてもよい。抗菌剤としては、リン酸ジルコニウムを担持体とした銀系無機抗菌剤、ゼオライトを担持体とした銀系無機抗菌剤、リン酸カルシウムを担持体とした銀系無機抗菌剤、シリカゲルを担持体とした銀系無機抗菌剤等の銀系無機抗菌剤、アミノ酸化合物を配合してなる有機系抗菌剤等のアミノ酸系有機抗菌剤、窒素含有硫黄系化合物を配合してなる有機系抗菌剤等、各種抗菌剤が使用することができる。抗菌剤の配合量は、使用する抗菌剤の種類や必要とされる抗菌性、その保持時間等に合わせて硬化性組成物中に適量配合させればよい。
また、活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物には、塗布し易くするために希釈剤を含有させてもよい。希釈剤としては、イソブタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。希釈剤の配合量は、要求される粘度になるように適宜選定すればよい。
照射される活性エネルギー線は、種々の活性エネルギー線発生装置から発生する活性エネルギー線が用いられる。例えば、紫外線は、通常は紫外線ランプから輻射される紫外線が用いられる。この紫外線ランプとしては、通常波長300〜400nmの領域にスペクトル分布を有する紫外線を発光する、高圧水銀ランプ、ヒュ−ジョンHランプ、キセノンランプ等の紫外線ランプが用いられ、照射量は通常50〜3000mJ/cm2が好ましい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途のもの、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
(A)層形成用の硬化性組成物1の調製
活性エネルギー線硬化型化合物としてのウレタン系ハードコート剤(荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット575CB」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Aとして真球状シリコーンビーズ微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「トスパール130」、平均粒径3.0μm、固形分100質量%)5質量部、エチルセロソルブ210質量部及びイソブタノール210質量部を均一に混合し、固形分20質量%の硬化性組成物を調製した。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのウレタン系ハードコート剤(荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット575CB」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Bとしてイソプロパノール分散シリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名「シリカゾルIPA−ST」、平均粒径0.01〜0.02μm、固形分30質量%)333.3質量部、エチルセロソルブ283.3質量部及びイソブタノール283.3質量部を均一に混合し、固形分20質量%の活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物を調製した。
光透過性基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(商品名「A4300」、東洋紡績(株)製、厚さ100μm)の一方の表面に上記(A)層形成用の硬化性組成物をマイヤーバーにて、乾燥、硬化後の膜厚が2.5μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥後、高圧水銀ランプにて紫外線を照射して(180mJ/cm2)、(A)層の硬化樹脂層を形成した。続いて、(A)層の硬化樹脂層の表面に、上記(B)層形成用の硬化性組成物をマイヤーバーにて、乾燥、硬化後の膜厚が2.5μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥後、高圧水銀ランプにて紫外線を照射して(300mJ/cm2)、(B)層の硬化樹脂層を形成し、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。(A)層及び(B)層の合計膜厚は5.0μmであった。
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの光透過性ハードコート層が設けられている面の反対面にアクリル系粘着剤(リンテック(株)製、商品名「PU−V」)をロールナイフコーターにて、乾燥膜厚20μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥して防眩性光透過性ハードコートフィルムを粘着加工した。その後、粘着加工した面はシリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレート樹脂からなる剥離フィルムに貼り合わせた。
(A)層形成用の硬化性組成物3の調製
活性エネルギー線硬化型化合物としてのアクリル系ハードコート剤(大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−01L(NS)」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Aとして架橋アクリル樹脂微粒子(綜研化学(株)製、商品名「ケミスノーMX−500」、平均粒径5.0μm、固形分100質量%)5質量部、エチルセロソルブ78.8質量部及びイソブタノール78.8質量部を均一に混合し、固形分40質量%の活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物を調製した。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのアクリル系ハードコート剤(大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−01L(NS)」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Bとしてイソプロパノール分散シリカゾル(日産化学工業(株)製、商品名「シリカゾルIPA−ST−ZL」、平均粒径0.07〜0.1μm、固形分30質量%)500質量部を均一に混合し、固形分41.7質量%の活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物を調製した。
光透過性基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(商品名「A4300」、東洋紡績(株)製、厚さ100μm)の一方の表面に上記(A)層形成用の硬化性組成物をマイヤーバーにて、乾燥、硬化後の膜厚が4.5μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥後、高圧水銀ランプにて紫外線を照射して(180mJ/cm2)、(A)層の硬化樹脂層を形成した。続いて、(A)層の硬化樹脂層の表面に、上記(B)層形成用の硬化性組成物をマイヤーバーにて、乾燥、硬化後の膜厚が4μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥後、高圧水銀ランプにて紫外線を照射して(300mJ/cm2)、(B)層の硬化樹脂層を形成し、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。(A)層及び(B)層の合計膜厚は8.5μmであった。
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの光透過性ハードコート層が設けられている面の反対面にアクリル系粘着剤(リンテック(株)製、商品名「PU−V」)をロールナイフコーターにて、乾燥膜厚20μmになるように塗布し、70℃のオーブンにて1分間乾燥して防眩性光透過性ハードコートフィルムを粘着加工した。その後、粘着加工した面はシリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレート樹脂からなる剥離フィルムに貼り合わせた。
実施例1における(A)層形成用の硬化性組成物1の代わりに、下記の調製方法により製造された(A)層形成用の硬化性組成物5を用い、(B)層形成用の硬化性組成物2の代わりに、下記の調製方法により製造された(B)層形成用の硬化性組成物6を用い、(A)層及び(B)層の膜厚をそれぞれ3μmにし、(A)層及び(B)層の合計膜厚を6μmにした以外は、実施例1と同様な方法で、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。また、実施例1と同様な方法で、防眩性光透過性ハードコートフィルムを粘着加工した。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名「アロニックスM−305」、固形分100質量%)100質量部に、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」、固形分100質量%)3質量部、微粒子Aとして球状シリコーンビーズ微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「トスパール145」、平均粒径4.5μm、固形分100質量%)3質量部、エチルセロソルブ79.5質量部及びイソブタノール79.5質量部を均一に混合し、固形分40質量%の活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物を調製した。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのアクリル系ハードコート剤(大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−01L(NS)」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、導電性の微粒子Bとしてトルエン分散球状タイプアンチモンドープ酸化スズ微粒子(石原産業(株)製、商品名「SNS−10T」、平均粒径0.02μm、固形分30質量%)833.3質量部、トルエン408.3質量部及びシクロヘキサノン408.3質量部を均一に混合し、固形分20質量%の硬化性組成物を調製した。
実施例1における(A)層形成用の硬化性組成物1の代わりに、下記の調製方法により製造された(A)層形成用の硬化性組成物7を用い、(B)層の膜厚を2μmにし、(A)層及び(B)層の合計膜厚は4.5μmにした以外は、実施例1と同様な方法で、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。また、実施例1と同様な方法で、防眩性光透過性ハードコートフィルムの粘着加工をした。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのアクリル系ハードコート剤(大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−01L(NS)」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Aとして無定形シリコーンビーズ微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「トスパール240」、平均粒径4.0μm、固形分100質量%)5質量部、微粒子Aと併用する微粒子として導電性微粒子であるメチルエチルケトン分散針状タイプアンチモンドープ酸化スズ微粒子(石原産業(株)製、商品名「FSS−10M」、平均粒径0.1μm、固形分30質量%)500質量部、トルエン32.5質量部を均一に混合し、固形分40質量%の硬化性組成物を調製した。
実施例3において、(B)層を積層しなかった以外は、実施例3と同様にして、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。すなわち、(A)層のみを形成した防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。
実施例1において、(B)層を積層しなかった以外は、実施例1と同様にして、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。すなわち、(A)層のみを形成した防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。
実施例2において、(B)層を積層しなかった以外は、実施例2と同様にして、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。すなわち、(A)層のみを形成した防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。
実施例4において、(B)層を積層しなかった以外は、実施例4と同様にして、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。すなわち、(A)層のみを形成した防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。
実施例1における(B)層形成用の硬化性組成物2の代わりに、下記の調製方法により製造された(B)層形成用の硬化性組成物8を用い、(A)層の膜厚を4.5μmにし、(B)層の膜厚を2μmにし、(A)層及び(B)層の合計膜厚は6.5μmにした以外は、実施例1と同様な方法で、防眩性光透過性ハードコートフィルムを得た。
活性エネルギー線硬化型化合物としてのアクリル系ハードコート剤(大日精化工業(株)製、商品名「セイカビームEXF−01L(NS)」、光重合開始剤含有、固形分100質量%)100質量部に、微粒子Bとして真球状シリコーンビーズ微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「トスパール1110」、平均粒径11.0μm、固形分100質量%)1.5質量部、エチルセロソルブ203質量部及びイソブタノール203質量部を均一に混合し、固形分20質量%の硬化性組成物を調製した。
実施例及び比較例の光透過性ハードコートフィルムの性状を表2に示した。
ヘイズ値、60°グロス、中心線平均粗さ、最大高さ、微粒子の平均粒径、層の膜厚、色目及び表面抵抗率は、以下に示す方法で測定し、評価した。
(1)ヘイズ値
JIS K7136に準拠して、濁度計(日本電色工業(株)製、商品名「NDH2000」)を用いて測定した。
グロスメーター(日本電色工業(株)製、商品名「VG2000」)を用いて、JIS K7105に準拠して、60°グロスの測定を行った。
(3)中心線平均粗さ
表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製、商品名「SURFTEST SV−3000」)を用いて、JIS B0633に準拠して、測定を行った。
(4)最大高さ
表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製、商品名「SURFTEST SV−3000」)を用いて、JIS B0633に準拠して、測定を行った。
(5−1)平均粒径1μm以上の測定
微粒子を固形分濃度3質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルに分散させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、装置名「LA−920」)を用いて測定した。
(5−2)平均粒径1μm未満の測定
実施例2に使用された微粒子Bはガス吸着法(BET法)による測定値を表す。それ以外の平均粒径1μm未満の微粒子はレーザー回折/散乱による動的散乱法に基づく測定値を表す。
実施例及び比較例で使用した光透過性基材フィルムに代えて膜厚25μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績(株)製、商品名「A4100」)を用いて、その未処理面上に(A)層及び(B)層を塗布した。ここで、該フィルム自体の厚み、(A)層を形成した状態での厚み、さらに(B)層を形成した状態(比較例1〜4は除く。)での厚みを(株)ニコン製簡易型デジタル側長システム「デジマイクロMH−15M」により測定し、それぞれの厚みの差より実施例及び比較例の(A)層及び(B)層の膜厚とした。
光透過性基材フィルムの光透過性ハードコート層が設けられている面の反対面を、油性ペン(三菱鉛筆(株)製、商品名「三菱ペイントマーカー PX−30黒」)で塗りつぶしたものを用意し、光透過性ハードコート層の上から目視にて観察した。
ハードコート層として(A)層のみ形成された防眩性光透過性ハードコートフィルムを基準とし、以下に示すランクに評価した。
◎:基準に対して黒さが確実に改善された。
○:基準よりは改善されたものの、若干白さが残った。
×:基準と同じ白さであった。
光透過性ハードコートフィルムの表面抵抗率を、表面高抵抗計(三菱化学(株)製、商品名「ハイレスターUP」)を用い、URSプローブ、印可電圧10Vにて測定した。この表面高抵抗計の測定上限が1.00×1012Ω/□であり、それ以上は測定できなかったので、それ以上については、「1.00×1012超」と表示した。表面抵抗率が小さい程、ディスプレイに使用する際に、表面にホコリなどが付着するのを防ぐことができる性能に優れている。
*
1:各層の活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対する微粒子の配合量
*
2:( )内は微粒子Aと併用した微粒子
Claims (7)
- 光透過性基材フィルムの少なくとも一方の面に、微粒子を分散させた活性エネルギー線硬化型化合物含有硬化性組成物の硬化樹脂層の(A)層及び(B)層が順に形成された光透過性ハードコートフィルムであって、(B)層の膜厚が0.5〜5μmであり、(A)層と(B)層の合計膜厚が1〜10μmであり、かつ、(A)層に平均粒径0.5〜10μmの微粒子Aを活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して0.5〜10質量部配合し、(B)層に微粒子Aの平均粒径未満の平均粒径である微粒子Bを配合し、(B)層の微粒子Bの活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対する配合量(質量比)が(A)層の微粒子Aの活性エネルギー線硬化型化合物100質量部に対する配合量よりも5〜150倍高いことを特徴とする防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (A)層の膜厚が、(B)層の膜厚以上である請求項1に記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (B)層中の微粒子Bの平均粒径が0.005〜1μmである請求項1又は2に記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (A)層及び/又は(B)層中の少なくとも1種の微粒子が、導電性微粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (B)層積層後の表面の凹凸の最大高さRz(B)が0.10〜2.70μmである請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (B)層積層後の表面の中心線平均粗さRa(B)を0.1〜0.5μmである請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
- (B)層の膜厚が2.5〜5μmある請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性光透過性ハードコートフィルム。
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