JP5057351B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL素子に関する。
有機EL素子は、柔軟、薄い、軽量という利点を持つディスプレイや光源が作製できる点から大きな注目を集めている。しかし、有機EL素子にはまだ課題が多く、その利用を発展させるためには、さらなる特性向上が求められている。
有機EL素子の特性を向上させる1つの方法として、陽極とホール輸送層との界面に、ホール注入層を挿入する方法が知られている。そして、ホール注入層としてMoO3層を用いることによって、特性を向上できることが報告されている。そのような報告は、特開2005−32618号公報および特開2006−344774号公報に見られる。また、Tokitoら(S. Tokito et al.)も、そのような報告をしている(J. Phys. D: Appl. Phys. 29, 2750 (1996年))。また、Miyashitaら(T. Miyashita et al.)も、そのような報告をしている(Jpn. J. Appl. Phys. 44, 3682 (2005年))。また、Chenら(C.−W. Chen et al.)も、そのような報告をしている(Appl. Phys. Lett. 87, 241121 (2005年))。また、Satohら(R. Satoh et al.)も、そのような報告をしている(Jpn. J. Appl. Phys. 45, 1829 (2006年))。また、Youら(H. You et al.)も、そのような報告をしている(J. Appl. Phys. 101, 026105 (2007年))。しかし、従来から一般的に用いられてきたMoO3層は、膜厚が2〜50nmの範囲であった。
特開2006−344774号公報に記載の発明は、有機EL素子の高輝度化および省電力化を目的としている。特開2006−344774号公報には、基板とは反対側に光を発するトップエミッション型の有機EL素子が開示されている。この有機EL素子では、アルミニウムからなる陽極と、有機層と、ITOからなる陰極とが、この順に基板上に形成されている。有機層で生じた光は、陰極を通って外部に発せられる。陽極と有機層との間には、Mo酸化物層(厚さがたとえば3.5〜1000オングストローム)が配置されている。上記トップエミッション型の有機EL素子の陽極がITOなどの透明電極を含むと、発光層から陽極側に向かった光は外部に発せられるまでに透明電極を2回透過する。そのため、特開2006−344774号公報には、上記トップエミッション型の有機EL素子の陽極がITOなどの透明電極を含むと、透明電極による光吸収が問題となることが記載されている(特開2006−344774号公報の[0004]段落)。また、特開2006−344774号公報には、陽極にITOを用いると電流密度が低下するという問題が生じることが記載されている(特開2006−344774号公報の[0005]段落)。
現在、有機EL素子では、素子の長寿命化が課題となっている。このような状況において、本発明は、素子寿命が長い有機EL素子を提供することを目的の1つとする。
本件発明者らは、透明な酸化物半導体層(陽極)と有機層との間に非常に薄い酸化モリブデン層を配置することによって、酸化モリブデン層の効果として従来から知られている効果とは全く異なる優れた効果が得られることを見出した。本発明は、この新たな知見に基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、前記酸化物半導体層と前記有機層との間に酸化モリブデン層が配置されており、前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが2nm未満である。より具体的には、本発明の第1の有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、前記酸化物半導体層と前記有機層との間に酸化モリブデン層が配置されており、前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上1.5nm以下である。
また、本発明の第2の有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、前記酸化物半導体層と前記有機層との界面に、前記酸化物半導体層と前記有機層とが部分的に接触するように不均一に形成された酸化モリブデン層が配置されている。
本発明によれば、素子寿命が長い有機EL素子が得られる。
図1A〜図1Eは、実施例1〜5で用いた化合物の構造を示す図である。 図2は、ITOとホール輸送層との間に酸化モリブデン層を配置したときのホール注入特性を示すグラフである。 図3は、実施例1で作製した有機EL素子の構造を模式的に示す図である。 図4は、実施例1で作製した有機EL素子について、駆動電圧と電流密度との関係を示すグラフである。 図5は、実施例1で作製した有機EL素子について、MoO3層の厚さと、駆動電圧との関係を示すグラフである。 図6は、実施例1で作製した有機EL素子について、駆動時間と輝度の変化との関係を示すグラフである。 図7は、実施例1で作製した有機EL素子について、MoO3層の厚さと、輝度が初期の90%に低下するまでの駆動時間との関係を示すグラフである。 図8は、実施例2で作製した有機EL素子について、駆動時間と輝度の変化との関係を示すグラフである。 図9は、実施例3で作製した有機EL素子について、駆動時間と輝度の変化との関係を示すグラフである。 図10は、実施例4で作製した有機EL素子について、駆動時間と輝度の変化との関係を示すグラフである。 図11Aは、ITO層の表面のAFM像を示す。 図11Bは、ITO層/MoO3層(仮想厚さ:0.75nm)の表面のAFM像を示す。 図11Cは、ITO層/MoO3層(仮想厚さ:1.0nm)の表面のAFM像を示す。 図11Dは、ITO層/MoO3層(仮想厚さ:3.0nm)の表面のAFM像を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態および実施例に限定されない。以下の説明では、特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や他の材料を適用してもよい。
[有機EL素子]
以下、本発明の第1および第2の有機EL素子に共通する事項について説明する。本発明の有機EL素子は、陽極と、陰極と、有機層とを備える。有機層は、陽極と陰極との間に配置されており、発光層を含む。陽極のうち少なくとも有機層側は、透明な酸化物半導体層(透光性の酸化物半導体層)からなる。そして、酸化物半導体層と有機層との間には、酸化モリブデン層が配置されている。すなわち、本発明の有機EL素子は、酸化物半導体層/酸化モリブデン層/有機層という積層構造を有する。なお、典型的な一例では、酸化モリブデン層が不均一に形成されており、酸化物半導体層と有機層との界面において、酸化物半導体層と有機層とが部分的に接触している。
酸化物半導体の好ましい例としては、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、アルミニウムを添加した酸化亜鉛(AZO)、およびインジウムを添加した酸化亜鉛(IZO)が挙げられる。これらの材料で形成された膜は、透明導電膜と呼ばれることもある。これらの中でもITOは、良好な特性が得られるため好ましい。
陽極は、ホールを注入するための電極である。陽極は、酸化物半導体層のみで形成されてもよい。陽極の典型的な一例は、ITOや、アルミニウムを添加した酸化亜鉛(AZO)や、インジウムを添加した酸化亜鉛(IZO)のみで形成されている。ただし、陽極は多層膜で形成されてもよい。たとえば、アルミニウムなどの金属層と、その上に形成された酸化物半導体層(AZO層、IZO層またはITO層)とを含む陽極を用いてもよい。
有機層は、実質的に有機化合物で構成される層である。ただし、有機層には、無機化合物(ドーパントなど)が添加されていてもよい。
有機層は、発光層に加えて他の層を含んでもよい。たとえば、有機層は、ホール輸送層、電子輸送層および電子注入層から選ばれる少なくとも1つの層を含んでもよい。また、酸化モリブデン層はホール注入層として機能すると考えられるが、本発明の効果が得られる限り、本発明の有機EL素子は、酸化モリブデン層に加えて他のホール注入層を含んでもよい。それらの層は、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の順に積層される。なお、陽極(酸化物半導体層を含む)、陰極および発光層以外の層は状況によって省略可能である。これらは、基板(たとえば透明基板であり、たとえばガラス基板)の上に、陽極側から順に積層されてもよいし、陰極側から順に積層されてもよい。本発明の効果が得られる限り、これらの層の材料には特に限定がなく、たとえば公知の有機材料を用いることができる。
発光層で生じた光が基板側から出射される場合には、基板として、透明な材料(透光性の材料)からなる基板が用いられる。たとえば、ガラス基板や、ポリイミド基板などの樹脂基板を用いることができる。発光層で生じた光が基板側とは反対側から出射される場合には、基板は透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
ホール輸送層の材料としては、芳香族アミン誘導体を用いることができる。たとえば、トリフェニルアミン誘導体(TPD、α−NPD、β−NPD、MeO−TPD、TAPC)、フェニルアミン4量体(TPTE)、スターバースト型トリフェニルアミン誘導体(m−MTDADA、NATA、1−TNATA、2−TNATA)、スピロ型トリフェニルアミン誘導体(Spiro−TPD、Spiro−NPD、Spiro−TAD)、ルブレン、ペンタセン、銅フタロシアニン(CuPc)、チタニウムオキサイドフタロシアニン(TiOPc)、アルファ−セキシチオフェン(α−6T)を用いることができる。発光層の材料としては、たとえば、アルミノキノリノール錯体(Alq3)、カルバゾール誘導体(MCP、CBP、TCTA)、トリフェニルシリル誘導体(UGH2、UGH3)、イリジウム錯体(Ir(ppy)3、Ir(ppy)2(acac)、FIrPic、Fir6、Ir(piq)3、Ir(btp)2(acac))、ルブレン、クマリン誘導体(Coumarin6、C545T)、キナクリドン誘導体(DMQA)、ピラン誘導体(DCJTB)、ユーロピウム錯体(Eu(dbm)3(phen))が挙げられる。電子輸送層の材料としては、たとえば、キノリノール錯体(Alq3、BAlq、Liq)、オキサジアゾール誘導体(OXD−7、PBD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナントロリン誘導体(BCP、BPhen)、リンオキサイド誘導体(POPy2)が挙げられる。有機化合物からなる電子注入層の材料としては、たとえば、リチウムフェナンスリジオネート(Liph)が挙げられる。これらの材料は、それぞれの特性を考慮して選択され組み合わされる。なお、1つの化合物が、異なる構成を有する素子において異なる機能を奏する層の材料となる場合がある。たとえば、Alq3は、発光層の材料となることもあるし、電子輸送層の材料となることもあるし、発光層と電子輸送層とを兼ねる層の材料となることもある。
なお、本発明の有機EL素子は、無機物からなる無機層を含んでもよい。その無機層は、有機層を構成する各層の層間に配置されていてもよいし、有機層と電極(陽極および/または陰極)との間に配置されていてもよい。たとえば、電子注入層は、無機物からなる層であってもよい。電子注入層に用いることができる無機材料としては、たとえば、リチウム、セシウム、バリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、酸化リチウムおよびセシウムカーボネート(Cs2CO3)が挙げられる。
陰極は、電子を注入するための電極である。陰極の材料としては、導電性を有する材料を用いることができ、たとえば、アルミニウム、銀、ネオジウム−アルミニウム合金、金−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金といった金属が挙げられる。陰極は、多層膜で形成されてもよい。
本発明の典型的な一例では、発光層で生じた光が陽極側から出射される。ただし、本発明の効果が得られる限り、発光層で生じた光が陰極側から出射されてもよい。その場合には、陰極は、透明な導電性材料(たとえば上述した酸化物半導体)で形成される。
本発明の有機EL素子の一例では、有機層のうち陽極に隣接する層(陽極に最も近い層)はホール輸送層である。その場合には、酸化モリブデン層は、陽極とホール輸送層との間に配置される。本発明の有機EL素子の他の一例では、有機層のうち陽極に隣接する層は発光層である。その場合には、酸化モリブデン層は、陽極と発光層との間に配置される。本発明の有機EL素子の一例では、有機層が、陽極に隣接するホール輸送層を含み、そのホール輸送層がα−NPDからなる。すなわち、その一例では、有機層に含まれる層のうち陽極に最も近い層がα−NPDからなる。また、有機層に含まれる層のうち陽極に最も近い層は、α−NPD、TPD、2−TNATA、α−6T、およびCuPcからなる群より選ばれるいずれか1つからなるものであってもよく、それらからなる群より選ばれる少なくとも1つからなるものであってもよい。
酸化モリブデン層は、三酸化モリブデン(MoO3)からなる層であってもよい。また、酸化モリブデン層は、組成式がMoOxで表される酸化モリブデンからなる層であってもよい。一例では、xは、2.1≦x≦3.0(たとえば2.5≦x≦3.0)を満たす。xは、2.6以上または2.7以上であってもよく、3未満であってもよい。この明細書では、xの値を四捨五入すれば3となる場合のMoOx層を、三酸化モリブデン層という場合がある。
三酸化モリブデン層は、たとえば、MoO3を蒸着源とする真空蒸着法や、スパッタリング法などの気相成膜法で形成できる。なお、MoO3を蒸着源とする真空蒸着法で三酸化モリブデン層を形成した場合、形成される酸化モリブデン層の酸素濃度が蒸着源(MoO3)の酸素濃度よりも減少し、上記MoOxで表される酸化モリブデン層が形成される場合がある。
[有機EL素子の製造方法]
本発明の有機EL素子の製造方法に限定はなく、たとえば公知の方法によって製造してもよい。有機層および無機層は、真空蒸着法やスパッタリング法といった気相成膜法で形成してもよい。また、有機層は、有機材料を含む溶液を塗布することによって形成してもよい。
[第1の有機EL素子における酸化モリブデン層]
本発明の第1の有機EL素子は、酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの酸化モリブデン層の厚さが2nm未満であることを特徴とする。以下、酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの酸化モリブデン層の厚さを、「仮想厚さ」という場合がある。仮想厚さは、0.25nm以上や0.5nm以上であってもよく、また、1.5nm以下や1nm以下であってもよい。たとえば、仮想厚さは、0.25nm以上2nm未満であってもよい。好ましい一例では、仮想厚さは0.25nm以上1nm以下である。
酸化モリブデン層は、たとえば、蒸着法やスパッタリング法といった気相成膜法で形成してもよい。酸化モリブデン層を、その厚さを測定しながら形成することは難しい場合がある。そのため、気相成膜法で酸化モリブデン層を形成する場合には、予め成膜速度を測定しておき、その成膜速度から成膜すべき時間を算出し、その時間だけ成膜することによって酸化モリブデン層の厚さを制御してもよい。実施例では、この方法で見積もられた酸化モリブデン層の厚さを「仮想厚さ」としている。
本発明の第1の有機EL素子では、酸化物半導体層と有機層との界面に酸化モリブデン層が形成されている。この酸化モリブデン層は、酸化物半導体層と有機層とが部分的に接触するように、酸化物半導体層と有機層との界面に不均一に形成されていてもよい。酸化モリブデン層が不均一に形成されている状態の例については、第2の有機EL素子の説明において述べる。
[第2の有機EL素子における酸化モリブデン層]
本発明の第2の有機EL素子は、酸化物半導体層と有機層との界面に、酸化物半導体層と有機層とが部分的に接触するように不均一に形成された酸化モリブデン層が配置されていることを特徴とする。
第2の有機EL素子では、酸化物半導体層と有機層との界面には、酸化モリブデン層が不均一に形成されている。すなわち、第2の有機EL素子では、酸化モリブデン層は、酸化物半導体層と有機層との界面の全体に形成されているのではなく、その界面の一部のみに形成されている。酸化モリブデン層は、酸化物半導体層と有機層との界面(酸化物半導体層の表面)において、島状に形成されていてもよい。また、酸化モリブデン層が形成されている部分と酸化モリブデン層が形成されていない部分とが、まだらになるように形成されていてもよい。
第2の有機EL素子では、酸化モリブデン層が形成されている部分が均一に分散していることが好ましい。たとえば、酸化物半導体層と有機層との界面において、任意に10μm角(好ましくは0.5μm角)の領域を選択したときに、酸化モリブデン層が形成されている領域と酸化モリブデン層が形成されていない領域とが必ず含まれるように、それらの領域が均一に分散していることが好ましい。
酸化モリブデン層は不均一に形成されているため、その厚さは一定ではない。しかし、不均一な厚さの酸化モリブデン層をならして均一な厚さの層にしたと仮定したときの酸化モリブデン層の厚さ(上記「仮想厚さ」)は2nm未満である。仮想厚さは、0.25nm以上や0.5nm以上であってもよく、また、1.5nm以下や1nm以下であってもよい。たとえば、仮想厚さは、0.25nm以上2nm未満であってもよい。好ましい一例では、仮想厚さは0.25nm以上1nm以下である。
第2の有機EL素子では、酸化モリブデン層が陽極の全面に形成されていないことが重要である。現在のところ詳細は明らかではないが、酸化モリブデン層が陽極の表面に点在することによって、予想外の効果が得られると考えられる。そのため、酸化モリブデン層が均一な膜とならないように、酸化モリブデン層をごく薄く形成することが重要であると考えられる。
第2の有機EL素子の製造において、酸化モリブデン層を不均一に形成できる限り、酸化モリブデン層の形成方法に特に限定はない。酸化モリブデン層は、たとえば、蒸着法やスパッタリング法といった気相成膜法で形成してもよい。真空蒸着法で薄い層(たとえば厚さ1nm以下)を形成すると、不均一な層が形成されると考えられる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。実施例では、ITO層/酸化モリブデン層に隣接する有機層の材料として、α−NPD、TPD、2−TNATA、α−6T、およびCuPcを用いた。α−NPDの構造を図1Aに示す。TPDの構造を図1Bに示す。2−TNATAの構造を図1Cに示す。α−6Tの構造を図1Dに示す。CuPcの構造を図1Eに示す。
[実施例1]
実施例1では、ITO層/酸化モリブデン層に隣接する層の材料として、α−NPDを用いた。まず、ITO層とα−NPD層との間に酸化モリブデン層(MoO3層)を配置したときのホール注入特性を評価した。
ホール注入特性の評価のために、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3ホール注入層/α−NPDホール輸送層(厚さ100nm)/MoO3電子ブロッキング層(厚さ10nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造を有する素子を作製した。素子作製後はグローブボックス中で乾燥剤と共に封止し、一度も大気に暴露せずに素子特性の評価を行った。なお、ホール輸送層とAl層との間に配置したMoO3層はAl層からの電子の流入を防止するための層であり、陽極と有機層との間に配置される酸化モリブデン層とは無関係である。
有機層は圧力1×10-4〜4×10-4Paにおいて真空蒸着法で形成した。無機層(MoO3層を含む)は、圧力1×10-3〜3×10-3Paにおいて真空蒸着法で形成した。MoO3層は、MoO3の粉末を材料とする真空蒸着法によって形成した。なお、MoO3を材料とする真空蒸着法で形成された酸化モリブデン層の酸素の組成比は、MoO3よりも低い場合がある。しかし、MoO3を材料とする気相成膜法(たとえば真空蒸着法)で形成された層は一般的にMoO3層(三酸化モリブデン層)と呼ばれることが多いため、実施例においてもMoO3層と表示する。
MoO3層の蒸着速度は0.05nm/秒とした。α−NPD層の蒸着速度は0.1nm/秒とした。Al層の蒸着速度は0.3nm/秒とした。これらの蒸着速度は、予め、蒸着速度測定用の厚い膜を形成して求めておいた。
MoO3ホール注入層の厚さは、0nm〜20nmの範囲で変化させた。なお、ここでいう「MoO3ホール注入層の厚さ」とは、前述の「仮想厚さ」であり、MoO3ホール注入層を、厚さが均一で凹凸がない層にならしたと仮定したときの厚さである。たとえば、仮想厚さが0.25nmのMoO3ホール注入層は、MoO3が5秒間だけITO層上に堆積するように蒸着装置のシャッターを操作して形成した。MoO3の蒸着速度が0.05nm/秒であったため、厚さが均一で凹凸がない層が形成されたと仮定すると、その厚さは0.25nmとなる。実際には均一な厚さの層は形成されず、ITO層上にはMoO3層が形成されている領域とMoO3層が形成されていない領域とが存在するが、それらを均一にならしたと仮定すると厚さは0.25nmである。ただし、MoO3ホール注入層は、ある程度以上の厚さになるとほぼ均一に隙間なく形成される。
作製した素子に電流を流しても、エレクトロルミネッセンスは観測されなかった。このことから、素子にはホールのみが注入されていることが確認された。作製した素子について、電流密度−電圧特性(J−V特性)を測定した。測定結果を図2に示す。図2中の「MoO3層単独」は、MoO3層単体の特性を示すデータであり、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3層(厚さ100nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造の特性を示す。
図2に示すように、MoO3ホール注入層の仮想厚さを0nmから0.75nmに増加させるに従って電流密度が増加したが、仮想厚さを0.75nmよりも大きくすると、逆に電流密度が減少した。MoO3ホール注入層の仮想厚さが0.75nmのときに電流密度は極大となり、電流密度は電圧の2乗に比例していた。このことは、J−V特性が空間電荷制限電流に支配されていることを示唆している。このことは、ITO層からα−NPD層へのホール注入に関して、両者の間に注入障壁の無い接合界面が形成されていることを実証するものである。
次に、有機EL素子を作製して評価した。作製した有機EL素子10の構造を、図3に模式的に示す。有機EL素子10は、ガラス基板11、ITO層12(厚さ150nm)、MoO3ホール注入層(図示せず)、α−NPDからなるホール輸送層13(厚さ60nm)、発光層14(厚さ65nm)、LiFからなる電子注入層(厚さ0.5nm、図示せず)およびAl層15(100nm)を含む。ホール輸送層13および発光層14は、有機層20を構成する。MoO3ホール注入層は、ITO層12(陽極)とホール輸送層13との間に配置されている。電子注入層は、発光層14とAl層15(陰極)との間に配置されている。発光層14の材料には、Alq3(アルミノキノリノール錯体)を用いた。発光層14で生じた光は、ITO層12およびガラス基板11を通って素子の外部に出射された。
有機層および無機層は、ホール注入層の特性評価に用いた素子と同様の条件で作製した。なお、Alq3の蒸着速度は0.1nm/秒とし、LiFの蒸着速度は0.01nm/秒とした。
MoO3ホール注入層の厚さは、0nm〜20nmの範囲で変化させた。上述したように、「MoO3ホール注入層の厚さ」とは、MoO3ホール注入層を均一な厚さの層にならしたと仮定したときの仮想厚さである。
作製した有機EL素子について、J−V特性を測定した。J−V特性を図4に示す。所定の電流密度に対する駆動電圧は、MoO3ホール注入層の厚さが0.75nmのときに最も低くなった。厚さが0.75nmのMoO3ホール注入層を用いることによって、MoO3ホール注入層がない場合に比べ、駆動電圧を約30%低減できた。
電流密度が100mA/cm2となるときの駆動電圧と、MoO3ホール注入層の仮想厚さとの関係を図5に示す。図5に示すように、駆動電圧は、MoO3ホール注入層の仮想厚さが0.25nm以上2nm未満の範囲で低く、仮想厚さが0.25nm〜1nmの範囲でより低く、仮想厚さが0.5nm〜1nmの範囲で特に低かった。
作製した有機EL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、寿命特性を評価した。評価結果を図6に示す。図6の横軸は、駆動時間を示している。また、縦軸は、初期の輝度に対する輝度の維持率を示している。
輝度が初期の輝度の90%になるまでの駆動時間T90と、MoO3ホール注入層の仮想厚さとの関係を図7に示す。図7に示すように、駆動時間T90は、MoO3ホール注入層の仮想厚さが0.25nm以上2nm未満の範囲で長くなり、仮想厚さが0.25nm〜1nmの範囲で特に長くなった。MoO3ホール注入層の仮想厚さが0.25nm〜1nmの範囲にある場合、MoO3ホール注入層の仮想厚さが2nm以上である場合に比べて、駆動時間T90を2倍程度にすることができた。評価した条件では、MoO3ホール注入層の仮想厚さが0.75nmのときに寿命が最も長くなった。
MoO3ホール注入層の仮想厚さが2nmよりも厚くなると有機EL素子の特性(駆動電圧および寿命)が悪化した。
[実施例2]
実施例2では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3層/TPD層(40nm)/α−NPD層(厚さ50nm)/Alq3層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造を有する素子を作製した。有機層は圧力1×10-4〜4×10-4Paにおいて真空蒸着法で形成した。無機層は、圧力1×10-4〜3×10-3Paにおいて真空蒸着法で形成した。MoO3層は、実施例1と同様の方法で作製した。MoO3層の仮想厚さは、0nm、0.5nmまたは10nmとした。作製した素子の評価結果を、表1に示す。
Figure 0005057351
表1中の、駆動電圧、輝度および外部量子効率は、電流密度が50mA/cm2であるときの値である。駆動時間T92は、50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときに、輝度が初期の輝度の92%になるまでの駆動時間を示している。50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときの駆動時間と輝度の維持率との関係を、図8に示す。
表1に示すように、MoO3層の仮想厚さが0.5nmの素子は駆動電圧が低かった。また、MoO3層の仮想厚さが0.5nmの素子の駆動時間T92は、MoO3層がない素子の100倍以上であり、MoO3層の仮想厚さが10nmである素子の2倍以上であった。なお、寿命特性についてさらに実験を続けたところ、輝度が初期の輝度の87%になるまでの駆動時間T87は、MoO3層の仮想厚さが0nmの素子で9.5時間、仮想厚さが0.5nmの素子で348時間、仮想厚さが10nmの素子で172時間であった。
[実施例3]
実施例3では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3層/2−TNATA層(40nm)/α−NPD層(厚さ50nm)/Alq3層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造を有する素子を作製した。各層は、実施例2と同様の方法で作製した。MoO3層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした。作製した素子の評価結果を、表2に示す。
Figure 0005057351
表2中の、駆動電圧、輝度および外部量子効率は、電流密度が50mA/cm2であるときの値である。駆動時間T73は、50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときに、輝度が初期の輝度の73%になるまでの駆動時間を示している。50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときの駆動時間と輝度の維持率との関係を、図9に示す。
表2に示すように、MoO3層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T73は、MoO3層がない素子の約4倍、MoO3層の厚さが10nmである素子の1.8倍であった。なお、寿命特性についてさらに実験を続けたところ、輝度が初期の輝度の66%になるまでの駆動時間T66は、MoO3層の仮想厚さが0nmの素子で198時間、仮想厚さが0.75nmの素子で516時間、仮想厚さが10nmの素子で334時間であった。
[実施例4]
実施例4では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3層/α−6T層(40nm)/α−NPD層(厚さ50nm)/Alq3層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造を有する素子を作製した。各層は、実施例2と同様の方法で作製した。MoO3層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした。作製した素子の評価結果を、表3に示す。
Figure 0005057351
表3中の、駆動電圧、輝度および外部量子効率は、電流密度が50mA/cm2であるときの値である。駆動時間T85は、50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときに、輝度が初期の輝度の85%になるまでの駆動時間を示している。50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときの駆動時間と輝度の維持率との関係を、図10に示す。
表3に示すように、MoO3層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T85は、MoO3層がない素子の約2倍であった。なお、寿命特性についてさらに実験を続けたところ、輝度が初期の輝度の75%になるまでの駆動時間T75は、MoO3層の仮想厚さが0nmの素子で304時間、仮想厚さが0.75nmの素子で630時間、仮想厚さが10nmの素子で500時間であった。
[実施例5]
実施例5では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO3層/CuPc層(40nm)/α−NPD層(厚さ50nm)/Alq3層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造を有する素子を作製した。各層は、実施例2と同様の方法で作製した。MoO3層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした。作製した素子の評価結果を表4に示す。
Figure 0005057351
表4中の、駆動電圧、輝度および外部量子効率は、電流密度が50mA/cm2であるときの値である。駆動時間T76は、50mA/cm2の電流密度で素子を発光させたときに、輝度が初期の輝度の76%になるまでの駆動時間を示している。
表4に示すように、MoO3層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T76は、MoO3層がない素子の約1.6倍であった。
以上の実施例に示したように、本発明によれば、有機EL素子の長寿命化を図ることができる。また、本発明によれば、有機EL素子の駆動電圧を下げることが可能である。
[ITO層上のMoO3層の観察]
ITO層上にMoO3層を形成し、その表面モルフォロジーを原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)によって観察した。また、表面の平均粗さを測定した。MoO3層の仮想厚さは、0.75nm、1.0nm、または3.0nmとした。
MoO3層が形成されていないITO層の表面のAFM像を、図11Aに示す。MoO3層が形成されていない場合には、表面の凹凸が大きく、平均表面粗さは3.68nmであった。
ITO層/MoO3層(仮想厚さ:0.75nm)の表面のAFM像を、図11Bに示す。仮想厚さが0.75nmのMoO3層が形成されることによって、表面の凹凸が少なくなっているが、ITO層に由来すると考えられる凹凸が依然として表面に見られた。そのため、MoO3層は不均一に形成されていると考えられる。平均表面粗さは2.99nmであった。
ITO層/MoO3層(仮想厚さ:1.0nm)の表面のAFM像を、図11Cに示す。仮想厚さが1.0nmのMoO3層が形成されることによって、表面の凹凸が図11Bよりも少なくなっている。しかし、ITO層に由来すると考えられる凹凸が依然として表面に見られるため、MoO3層は不均一に形成されていると考えられる。平均表面粗さは1.67nmであった。
ITO層/MoO3層(仮想厚さ:3.0nm)の表面のAFM像を、図11Dに示す。仮想厚さが3.0nmのMoO3層が形成されることによって、表面の凹凸がより少なくなり、AFM像にはITO層に由来すると考えられる凹凸がほとんど見られなかった。そのため、MoO3層は、ITO層の表面全体を覆うように形成されていると考えられる。ITO層/MoO3層(仮想厚さ:3.0nm)の平均表面粗さは1.17nmであった。
本発明は、その意図および本質的な特徴から逸脱しない限り、他の実施形態に適用しうる。この明細書に開示されている実施形態は、あらゆる点で説明的なものであってこれに限定されない。本発明の範囲は、請求項によって示されており、請求項と均等な意味および範囲にあるすべての変更はそれに含まれる。
本発明は、有機EL素子に適用できる。本発明の有機EL素子は従来の有機EL素子に比べて、寿命が格段に長いという特性を有する。有機EL素子の長寿命化は有機EL素子の長年の課題であり、有機EL素子を利用する産業に本発明が与える影響は非常に大きい。本発明は、たとえば、有機EL素子を用いたディスプレイパネルなどに好ましく用いられる。

Claims (6)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、
    前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、
    前記酸化物半導体層と前記有機層との間に酸化モリブデン層が配置されており、
    前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上1nm以下である、有機EL素子。
  2. 前記酸化物半導体層がITO層である、請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記陽極、前記有機層、および前記陰極が、基板上に、前記陽極、前記有機層、および前記陰極の順に積層されており、
    前記有機層から発せられた光が、前記基板側から出射される、請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記有機層に含まれる層のうち前記陽極に最も近い層が、α−NPD、TPD、2−TNATA、α−6T、およびCuPcから選ばれるいずれか1つからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上0.75nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  6. 前記酸化モリブデン層が、前記酸化物半導体層と前記有機層とが部分的に接触するように不均一に形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
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